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JP2008249903A - 偏光板用保護フィルム、及びその製造方法、偏光板、並びに画像表示装置 - Google Patents

偏光板用保護フィルム、及びその製造方法、偏光板、並びに画像表示装置 Download PDF

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JP2008249903A JP2007089762A JP2007089762A JP2008249903A JP 2008249903 A JP2008249903 A JP 2008249903A JP 2007089762 A JP2007089762 A JP 2007089762A JP 2007089762 A JP2007089762 A JP 2007089762A JP 2008249903 A JP2008249903 A JP 2008249903A
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Katsumi Inoue
克己 井上
Akira Hibino
明 日比野
Tei Daimatsu
禎 大松
Shuntaro Ibuki
俊太郎 伊吹
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Abstract

【課題】低透湿性と、高密着性を有する偏光板用保護フィルム、及びそれを用いた偏光板、並びに該偏光板を用いることにより、表示画像の品質を長期にわたって保つことができる画像表示装置の提供。
【解決手段】少なくとも有機溶剤を含む被覆層用塗布組成物を、前記有機溶剤によって膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布した後に、前記有機溶剤を乾燥して、前記透明基材上に被覆層を形成する乾燥工程を少なくとも含む偏光板用保護フィルムの製造方法によって作製された偏光板用保護フィルムであって、前記有機溶剤の残留量が1.0g/m以下であることを特徴とする偏光板用保護フィルム等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明基材フィルム上に被覆層を有する偏光板用保護フィルム、及びその製造方法、偏光板、並びに画像表示装置に関する。
最近、画像表示の一例として、液晶表示装置(以下、LCDということがある。)が、薄型で、軽量であり、また消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されるようになっている。偏光板は、LCDの普及に伴いその需要が急増している。その使用分野も、従来の電卓や時計などの小型品から、自動車用計器、PCのモニター、テレビといった大型品へ拡大されつつある。
表示装置は、常時長時間に亘って使用状態にあることが多いので、偏光板は、温湿度変化を有する環境下での長期使用でもLCDの画像品質が劣化しないような、長期の耐久性が要求されるようになってきた。
偏光板は、一般に偏光能を有する偏光膜の両面又は片面に、接着剤層を介して偏光板用保護フィルム(以下、保護層と称することもある)が貼り合わせられている。偏光膜の素材としてはポリビニルアルコール(以下、PVAということもある)が主に用いられており、PVAフィルムを一軸延伸してから、ヨウ素又は二色性染料で染色するか、あるいは染色してから延伸し、更にホウ素化合物で架橋することにより偏光膜が形成される。保護層としては、光学的に透明で複屈折性が小さいこと、表面が平滑であること等から、主にセルローストリアセテート(以下、TACということもある)が用いられている。
しかしながら、セルローストリアセテートを保護層として用いた場合、長期使用時に、温度や湿度の変化による偏光膜のサイズ変化が原因で、表示画像のムラが発生する場合があり、改善が望まれている。
これらの問題点を解決する技術として、ノルボルネン系樹脂からなるシートが偏光膜の保護フィルム(保護層)として有用であることが報告されている(特許文献1参照)。
しかしながらノルボルネン系樹脂からなるシートは、透湿性は十分小さく、湿度の変化を受けづらいが、偏光膜との接着性が不十分、生産性が低いという課題がある。
また、セルローストリアセテートフィルムの表面に、塩化ビニリデン共重合体を含有する層を設けた保護フィルムを用いることにより、偏光板の湿熱性が向上することが報告されている(特許文献2、3参照)。
しかしながら、特許文献2〜3では透湿度の記載がなく、それらの特許に記載の素材、膜厚では本発明で目的とする十分な透湿性低減効果が必ずしも得られない、また、十分な密着性が得られないなどの問題がある。
また、塩化ビニリデン共重合体を含有する層は表面硬度が低いため、更にハードコート処理をすることが好ましいが、ハードコートに関する記載は十分でなく、塩化ビニリデン層の上にハードコート層を塗設する場合の面状、密着性、性能変化などの課題は残されたままである。
他の特許文献では、疎水的な化合物を設けた保護フィルムを用いることにより、水蒸気透過性が減少することが報告されている(特許文献4参照)。
特許文献4ではサーモトロピック液晶ポリマーを含有する液晶ポリマー層を設ける報告がされているが、セルローストリアセテートフィルム上に形成する報告はないこと、他の層との積層構造でかつ、塗布ではなく、溶融成膜で形成していることなどの面で、偏光板用保護フィルム用途としては適さない。
特開平10−101907号公報 特開昭62−161103号公報 特開2001−215331号公報 特開2000−094613号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低透湿性と、高密着性、高耐光性を有する偏光板用保護フィルム、及びそれを用いた偏光板、並びに該偏光板を用いることにより、表示画像の品質を長期にわたって保つことができる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、低透湿性を発現し得る樹脂成分と、有機溶剤とを含有する塗布組成物を塗布して低透湿性を有する被覆層を、セルロースアシレート類からなる透明基材フィルムの片面に形成することで、偏光板用保護フィルムを作製する場合、前記塗布組成物を乾燥させる乾燥過程によって前記被覆層のバリア性が発現するため、好ましい低透湿性を発現するためには、適した溶剤種、及び乾燥条件を選択し、残留溶剤量を制御することにより、前記課題が解決されることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも有機溶剤を含む被覆層用塗布組成物を、前記有機溶剤によって膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布した後に、前記有機溶剤を乾燥して、前記透明基材上に低透湿性の被覆層を形成する乾燥工程を少なくとも含む偏光板用保護フィルムの製造方法によって作製された偏光板用保護フィルムであって、前記有機溶剤の残留量が1.0g/m以下であることを特徴とする偏光板用保護フィルムである。
<2> 有機溶剤の残留量が0.5g/m以下である前記<1>に記載の偏光板用保護フィルムである。
<3> 60℃、95%相対湿度での透湿度が700g/m・日以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<4> 透明基材が、セルロースアシレート類からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<5> セルロースアシレート類が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、及びセルロースアセテートブチレートの少なくともいずれかである前記<4>に記載の偏光板用保護フィルムである。
<6> 透明基材の膜厚が、30μm〜120μmである前記<1>から<5>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<7> 被覆層の膜厚が、0.2μm〜10μmである前記<1>から<6>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<8> 被覆層用塗布組成物が、高分子樹脂を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<9> 高分子樹脂が、塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含む樹脂、フッ素系樹脂、及びオレフィン系樹脂のいずれかを含む前記<8>に記載の偏光板用保護フィルムである。
<10> ハードコート性を有する層、及び反射防止層を有する層の少なくともいずれかである第2の層が、被覆層上に形成された前記<1>から<9>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムである。
<11> 被覆層用塗布組成物が、光安定化剤、及び熱安定化剤の少なくともいずれかを有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
<12> 少なくとも有機溶剤を含む被覆層用塗布組成物を、前記有機溶剤によって膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布する塗布工程と、
前記有機溶剤の残留量が1.0g/m以下になるように前記有機溶剤を乾燥して、前記透明基材上に低透湿性の被覆層を形成する乾燥工程とを含むことを特徴とする偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<13> 沸点が100℃以下の有機溶剤成分が、有機溶剤の30質量%以上含まれる前記<12>に記載の偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<14> 有機溶剤が少なくとも2種以上の有機溶剤成分からなり、透明基材を膨潤、又は溶解できず、かつ、沸点が100℃から200℃の有機溶剤成分が、前記有機溶剤の5質量%以上、70質量%未満含まれる前記<12>から<13>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<15> 乾燥工程は、被覆層用塗布組成物が透明基材上に塗布された後の1秒から15秒の間に有機溶剤の50%以上を蒸発させる第1の乾燥工程を含む前記<11>から<13>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<16> 乾燥工程は、有機溶剤の50%以上が蒸発するまでは70℃以下の乾燥温度で乾燥する第1の乾燥工程と、その後70℃を超え、150℃以下の乾燥温度で乾燥する第2の乾燥工程とを含む前記<15>に記載の偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<17> 少なくとも有機溶剤を含有する第2の層用塗布組成物を被覆層上に塗布した後に、溶剤を乾燥して第2の層を形成する第2の層形成工程を含む前記<12>から<16>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法である。
<18> 前記<12>から<17>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする偏光板用保護フィルムである。
<19> 偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられた前記<1>から<11>、及び<18>のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムとを有することを特徴とする偏光板である。
<20> 前記<19>に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示装置である。
本発明によれば、低透湿性と、高密着性、高耐光性を有する偏光板用保護フィルム、及びそれを用いた偏光板、並びに該偏光板を用いることにより、表示画像の品質を長期にわたって保つことができる画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の保護フィルム、偏光板、及び画像表示装置について、詳細に説明するが、本発明の偏光板用保護フィルム、偏光板、及び画像表示装置は下記記載の形態に限られるものではない。
(偏光板用保護フィルム)
図1A〜Cは、本発明の偏光板用保護フィルムの一実施形態における構成を示す断面図である。
図1Aに示すように、本発明の偏光板用保護フィルム1は、透明基材フィルム(以下、透明基材ということがある。)2と、低透湿性を有する被覆層(以下、バリア層ということがある。)3とを有する。
なお、図1Bに示すように、被覆層3の上には、第2の層4を設けてもよい。該第2の層4としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択され、ハードコート性を有する層(以下、ハードコート層ということがある。)や反射防止層、又は被覆層3とは材料が異なる被覆層などの各種機能層が挙げられる。これらの中でも、ハードコート性を有する層が好ましく、図1Bでは、第2の層4としてハードコート性を有する層を用いた場合を表している。
また、ハードコート性を有する層に、内部散乱性や表面散乱性を加えることも好ましい。
また、ハードコート性を有する層の上に、更に反射防止層を設けることも、表面の反射率を低減する目的から好ましい。
また、図1Cに示すように、被覆層3の反対側にハードコート性を有する層を形成することも本発明の他の形態として好ましい。ハードコート性を有する層に内部散乱性や表面散乱性を加えることも好ましい。
また、ハードコート性を有する層4上に更に反射防止層を設けることも、表面の反射率を低減する目的から好ましい。被覆層3の上に他の層を設けることも好ましい。
特に、被覆層3の透明支持体と反対側の面が接する層、又はフィルムと親和性を持たせるために、透明支持体側の面が接する層として易接着層を形成することも好ましい。
<偏光板用保護フィルムの物性>
<<透湿性>>
次に透湿性につき詳述する。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明にかかるフィルム試料70mmφを60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、調湿前後の質量差より、JIS Z−0208に従った透湿カップを用いて、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で単位面積あたりの水分量(g/m)を算出した。吸湿剤の入れていないブランクのカップで透湿度の値を補正は行わなかった。
上記測定法で測定した市販されているセルロースアセテートフィルムの透湿度は、一般に、厚さ80μmで上記条件での透湿度が1,400〜1,500g/m・日である。
本発明の偏光板用保護フィルムの60℃、95%相対湿度での透湿度の上限は被覆層単体での測定が困難な場合は、被覆層を樹脂製の透明基材フィルム(富士フィルム製TD80UL 60℃、95%相対湿度での透湿度が約1400g/m・日)上に形成した際に、700g/m・日以下であることが好ましく、400g/m・日以下であることがより好ましく、250以下であることが更に好ましく、100g/m・日以下であることが特に好ましい。上記上限値より透湿度が高いと、長期使用時に、温度や湿度の変化による偏光膜のサイズ変化が原因での表示画像のムラが発生低減の効果が低い。下限は特に制限はないが、偏光板加工時の生産性の観点からは20g/m・日以上が好ましく、30g/m・日以上がより好ましい。
したがって、本発明の偏光板用保護フィルムの透湿度は、30〜250g/m・日の範囲にすることが特に好ましい。この範囲であれば、偏光板としての性能(偏光度、単板透過率)が悪化することがなく、長期使用時に、温度や湿度の変化による偏光膜のサイズ変化が原因で、表示画像のムラの発生を抑制できる。
被覆層単体での測定が困難な場合に、被覆層を樹脂製の透明基材フィルム(富士フィルム製TD80UL 60℃、95%相対湿度での透湿度が約1400g/m・日)上に形成した際の透湿度から下式(1)の関係から求めた被覆層の透湿度(Pc)の計算値で定義しても良い。被覆層の透湿度は1400g/m・日以下が好ましく、500g/m・日以下が特に好ましく、300g/m・日以下が更に好ましく、110g/m・日以下が最も好ましい。
1/Pb+1/Pc=1/Pall (式1)
Pb:透明基材フィルムの透湿度 Pc:被覆層の透湿度
Pall:被覆層を樹脂製の透明基材フィルム上に形成した際の透湿度
<<有機溶剤の残留量>>
前記被覆層は、有機溶剤を含有する塗布組成物を該有機溶剤で膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布した後に溶剤を乾燥する乾燥工程を経て形成される。
透明基材を膨潤、又は溶解する有機溶剤を用いることで、基材と被覆層の密着性を確保することができる。
有機溶剤を用いず、水を溶媒として用いる場合は、水で膨潤、又は溶解する基材は偏光板用保護フィルム用基材に適したものがなく、本発明には適さない。
また、被覆層上にハードコート性を有する層を形成する場合、一般にハードコート性を有する層は有機溶剤を含有する塗布組成物から形成されるため、水を溶媒として形成した被覆層では、その上のハードコート性を有する層との強い密着性を取るのが容易でなく、好ましくない。
本発明に用いる透明基材を膨潤、又は溶解する溶剤とは、溶剤の中に透明基材を1日浸漬した後の基材の変形で確認できる。透明基材を膨潤、又は溶解する溶剤を用いた場合は基材が不定形に変形して明らかに溶剤で浸漬されたことが判る。
本発明では、偏光板保護フィルムの残留溶剤量が1g/m以下であることが好ましく、0.7g/m・日以下がより好ましく、0.5g/m・日以下が特に好ましい。残留溶剤量が多すぎると透湿度や、密着性が悪化し、光に対する耐久性悪化などの問題が生じる。
残留溶剤量は被覆層を塗布、乾燥で形成した直後の残留溶剤量を示す。したがって、透明基材をロール形態から巻き出し、塗布、乾燥した後にロール形態に巻き取ってサンプルを作製する場合は、ロール状態に巻き取った直後の残留溶剤量を代表値で用いても構わない。残留溶剤量は保管時に保管時間に伴い現象するので、保管後のサンプルは当然本特許の範囲内の残留溶剤量でなくてはならない。
<<膜中残存有機溶剤の定量分析>>
本発明における膜中残存有機溶剤の定量に関しては、水素炎イオン化検出器(FID)を装備したガスクロマトグラフィー(GC)を用いて行うことが好ましい。
以下、膜中残存有機溶剤の定量分析について、詳細に説明する。
なお、GC装置は、例えば、島津製作所製GC−2010型が挙げられる。
また、カラムについては、例えば、J&W社製DB−624(長さ60m,直径0.32mm,膜厚1.8μm)が挙げられる。
測定サンプルの調整は、先ずネジ口瓶中にて透明基材及び被覆層が溶解する溶解用溶剤40gに測定するフィルム試料1.5gを添加し、栓をした後に室温にて60rpmで12時間攪拌することで、サンプル中の残存有機溶剤を溶解用溶剤中へ抽出し、サンプル液を作製する。
透明基材として、セルロースアシレート類からなる透明基材を採用した場合は、n−メチルピロリドンを用いるのが特に好ましい。
その後、作製したサンプル液0.5gを秤量し、n−メチルピロリドン2.5gを加え希釈する。
分析の際には、この溶液を所定の条件下(インジェクター温度230℃,検出器温度250℃,カラム温度80℃→4℃/min昇温→230℃5min保持、キャリアーガスHe90KPa、スプリット比1/20)のGC装置に1μl注入する。
そして、検出されるピークの面積値を,別途作成した3点検量線の面積値から濃度換算することによって求められる。
本発明では、上記方法で使用した各溶剤の残留量を測定し、合計した値を残留量として用いた。
<<ヘイズ>>
本発明の偏光板用保護フィルムのヘイズは、10%以下であることが好ましく、5以下がより好ましく、2%以下が更に好ましく、1.0%以下が最も好ましい。ヘイズが大きいと、表示画像のコントラスト低減や画像ボケの観点で好ましくない。表面ヘイズと内部ヘイズの比は任意でよいが、表面ヘイズは被覆層の上層に第2の層を形成することで低減することが可能なので、内部ヘイズが2%以下であることが特に好ましく、内部ヘイズが1%以下であることが最も好ましい。内部ヘイズは被覆層と同じ屈折率の液体を被覆層と硝子板の間に挟み込んで表面の散乱を無くした状態でヘイズ測定することで求めることが可能である。
<<透過光色味>>
また本発明の偏光板用保護フィルムは実質的に無色であることが好ましい。「実質的に無色」であるとは、L,a,b表色系で表したa,bの絶対値が3.0以下であることをいう。該絶対値は、2.5以下が更に好ましく、2以下が特に好ましい。実質的に無色であることで、偏光板としたときに色味がニュートラルグレーを示し、カラー表示において支障をきたすなどの不具合を生じないので好ましい。
<<カール>>
本発明における偏光板用保護フィルムは、カールを以下の数式(1)で表したときの値が、−15〜+15の範囲に入っていることが好ましく、−12〜+12の範囲がより好ましく、更に好ましくは−10〜+10である。このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、基材の搬送方向について測ったものである。なお、下記式(1)において、Rは曲率半径(m)を表す。
カール=1/R・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
カール値が前記範囲にあり、カールが小さいことが好ましい。上記の範囲内であれば、被覆層を有するフィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜はがれが起きず、好ましい。上記範囲にカールを小さくすることと表面硬度を高くすることは、硬化前後の体積収縮率を15%以下とすることによって可能である。カールの測定は、JIS K−7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の、方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。測定条件は25℃、湿度60%RH、調湿時間10時間である。ここで、カールがプラスとはフィルムの被覆層塗設側が湾曲の内側になるカールをいい、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
また、本発明の偏光板用保護フィルムは、上記カール測定法に基づいて湿度のみを80%RHから10%RHに変更したとき、各カール値の差の絶対値が24〜0、更には15〜0、特には8〜0の範囲であることが好ましい。これは、さまざまな湿度下で偏光板用保護フィルムを貼り付けたときの、ハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係する特性である。
<<耐ひび割れ性>>
本発明の偏光板用保護フィルムの耐ひび割れ性は、被覆層塗設側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率半径が、30mm以下であることが好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下が最も好ましい。エッジ部のひび割れについては、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性は、被覆層を有したフィルムの塗布、加工、裁断、貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
本発明の偏光板用保護フィルムの被覆層には、必要に応じ熱安定剤、光安定剤、滑剤等の添加剤を使用することも可能である。
<<耐光性>>
スガ試験機株式会社製メタリングウエザーメーターMV3000を用い、放射照度530±25W/m(波長310〜400nm)、試験槽内温度40±5℃、ブラックパネル温度60±5℃、相対湿度50±10%の条件で、SUS板上に貼り付けたサンプルに1時間光照射する強調条件で光照射処理を行った。
本発明では、偏光板保護フィルムの耐光性を測る尺度として、外観(透過光の色味)の変化具合を評価した。
本発明者らは、これらを定量的に測定し、表示する数値として、下記数式(2)により算出される、透過光色味変化量(CIE1976L色空間における色差ΔEab値)が適切であることを見出した。
例えば、透明性が劣化(透過率が低くなる)すれば、ΔLが大きくなり、結果、透過光色味変化量ΔEab値は大きくなる。
また、透過光の色味が変化すれば、ΔaやΔbが大きくなり、やはり透過光色味変化量ΔEab値は大きくなる。透過光色味変化量ΔEab値と外観変化に対する官能評価結果との対応は、ほぼ下記表1の通りであり、色味変化量は偏光板保護フィルムの外観変化の度合い、すなわち耐光性を正しく反映する適切な評価特性であることが判る。
透過光色味変化量ΔEab値は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが更に好ましい。透過光色味変化量ΔEab値を4.5以下とすることで、高い耐光性を達成することができる。
ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2・・・・・数式(2)
ΔL=L1−L2
Δa=a1−a2
Δb=b1−b2
(数式(2)中、L1、a1、b1、L2、a2、及びb2は、偏光板保護フィルムのCIE標準光源Cの透過光の色味を、CIE1976L色空間のL値、a値、及びb値で表したものである。また、L1、a1、及びb1は、前記耐光性試験を実施する前の偏光板保護フィルムのL値、a値、及びb値を表し、L2、a2、及びb2は、前記耐光性試験を実施した後の偏光板保護フィルムのL値、a値、及びb値を表す。)
上記数式(2)中、L1、a1、b1、L2、a2、及びb2は、詳しくは以下の方法により算出される値である。
[L1、a1、及びb1の算出]
分光光度計(UV―3150、島津製作所(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、分光透過率を測定する。
次に、得られた分光透過率のデータとCIEのC標準光源の分光分布データとを各波長ごとに掛け合わせてC光源に対する分光透過光を求める。
得られた標準光下の分光透過光データから、CIE標準光源CにおけるCIE1976L色空間のL値、a値、及びb値を算出し、L1、a1、及びb1とする。
[L2、a2、及びb2の算出]
スガ試験機株式会社製メタリングウエザーメーターMV3000を用い、放射照度530±25W/m2(波長310〜400nm)、試験槽内温度40±5℃、ブラックパネル温度60±5℃、相対湿度50±10%の条件で、SUS板上に貼り付けたサンプルに1時間光照射する強調条件で光照射処理を行った後に、前記分光光度計(UV―3150、島津製作所(株)製)を用いて同様に測定した値から算出したL値、a値、及びb値を、L2、a2、及びb2とする。
被覆層塗布後に形成される混合領域は、被覆層用塗布液の固形分濃度、溶剤種、溶剤組成、電離放射線硬化性化合物の種類、添加剤、被覆層が塗布される透明基材フィルムの種類、被覆層用塗布液の塗布量、乾燥条件、硬化条件など、様々な条件によって影響を受ける。本発明においては、透明基材フィルムと被覆層との間に混合領域が形成され、被覆層の干渉ムラを抑制する効果があれば、特に上記条件が制限されることは無い。
混合領域の層の厚さは、0.01〜2μmの範囲にあることが好ましく、0.02〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmが更に好ましい。混合領域の層の厚さがこの範囲より小さいと被覆層の密着性が十分でなく、この範囲より大きいと被覆層の強度が低下する、透湿度が大きくなるなどの傾向がある。混合領域の層の厚さは、偏光板保護フィルムの断面をミクロトームを用いて切削し、断面から走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−570)を用いて反射電子モードで観察し、撮影された写真より混合領域の層の厚さを求めることができる。また、走査型電子顕微鏡の写真から混合層領域の判別が困難な場合は、断面のTOF−SIMSを用いた元素分析から求めることも可能である。
<透明基材フィルム>
本発明に用いられる透明基材フィルムは、光学的に均一なこと、表面が平滑なこと、偏光板を作製する上での二次加工性がよいことから、セルロースアシレート系フィルムが使用されることが好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸エステル、又は芳香族カルボン酸エステルであり、特にセルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
ここで、セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートフタレート等や、特開平10−45804号公報、特開平8−231761号公報、米国特許第2319052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルが用いられる。
また、特開2002−179701号公報、特開2002−265639号公報、特開2002−265638号公報に記載の芳香族カルボン酸とセルロースとのエステルを用いることも好ましい。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテートと後述するセルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは混合して用いることもできる。
セルロースアシレートの置換度(DS)は、セルロースの構成単位(β1→4グリコシド結合しているグルコース)に存在している三つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。
置換度は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、ASTM−D817−91に準じて実施する。
本発明のセルロースアシレートは、アシル基の疎水性と水酸基の親水性を適度にバランスさせることにより、レターデーションの湿度依存性と寸度安定性を両立させるものである。
即ち、アシル基中のアルキル鎖が平均的に短すぎる、及び/あるいは水酸基比率が高すぎるとレターデーションの湿度依存性は大きくなってしまう。
また、アシル基中のアルキル鎖が平均的に長すぎる、及び/あるいは水酸基比率が高すぎるとTgが低下し、寸度安定性が悪化してしまう。
したがって、本発明で好ましく用いられるセルローストリアセテートはアセチル化度が2.83以上2.91以下で炭素数3以上の他のアシル基を有しないものが好ましい。アセチル化度は2.84以上2.89以下が更に好ましい。
また、セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基の置換度をYとしたとき、下記数式(a)、及び数式(b)を同時に満たすセルロースエステルである。
2.6≦X+Y≦2.9・・・・・・・・・・・・・数式(a)
0≦X≦2.5・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(b)
ここで、上記数式(a)及び(b)を同時に満たすセルロースエステルの中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらは公知の方法で合成することができる。
透明基材フィルムの厚みは、30〜120μmが好ましく、40〜80μmがより好ましい。基材フィルムの厚みが該下限値以上であれば、フィルム強度が弱くなるなどの問題が生じにくく、該上限値以下であれば、質量が増加しすぎて、特に20インチ以上の大型テレビに用いた場合に不利になるなどの弊害が生じにくいので好ましい。
[紫外線吸収剤]
本発明の透明基材フィルム、防湿層、下塗り層、ハードコート層のいずれかに、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤を2種類以上含有することが好ましい。
なお、下記一般式(1)中、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は一価の有機基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐、又は直鎖のアルキル基を表し、R、R及びRはそれぞれ互いに異なる。
また、該紫外線吸収剤に関する下記数式(c)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)と、セルロースアシレートのアシル化度DSとが、下記数式(d)の関係を満たすセルロースアシレートフィルムが透明基材フィルムとして用いられることがより好ましい。
ここで、下記数式(c)において、Wは、n番目の紫外線吸収剤の質量分率を表し、(logP)は、n番目の紫外線吸収剤の「logP」を表す。
5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1・・・・・数式(d)
前記紫外線吸収剤のlogPの平均値は、(5.0×DS−6.7)以上(5.0×DS−5.1)以下であり、(5.0×DS−6.5)以上(5.0×DS−5.2)以下が好ましい。logPの平均値が大きすぎると、面状が悪化し、logPの平均値が小さすぎると高温高湿下での紫外線吸収剤の保留性が悪化する。
また、上記一般式(1)で表される化合物は、330〜360nmの波長範囲に吸収極大を有するものである。
前記紫外線吸収剤は、揮散性の観点から分子量が250〜1,000であることが好ましく、260〜800であることがより好ましく、270〜800であることが更に好ましく、300〜800であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
前記紫外線吸収剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
[化合物の添加量]
上述の紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアシレートに対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜3質量%であることが更に好ましい。
[化合物の添加方法]
また、これら紫外線吸収剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
次に、上記一般式(1)で表される紫外線吸収剤について詳しく説明する。
、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は一価の有機基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐、又は直鎖のアルキル基を表し、R、R及びRはそれぞれ互いに異なる。
置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)が挙げられる。
また、他の置換基としては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよく、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよいが、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐、又は直鎖のアルキル基を表し、R、R及びRはそれぞれ互いに異なる。
及びRとしては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換、又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であることがより好ましく、水素原子、炭素1〜12アルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)であることが特に好ましい。
としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換、又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であることがより好ましく、水素原子、炭素1〜12アルキル基であることが更に好ましく、水素原子、メチル基であることが特に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
及びRとしては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換、又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であることがより好ましく、水素原子、ハロゲン原子であることが更に好ましく水素原子、塩素原子であることが特に好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
<<可塑剤>>
本発明の透明基材フィルムに用いることのできる可塑剤としては、例えば多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤等が用いられるが、特に好ましくは多価アルコール系可塑剤、グリコレート系可塑剤である。
また、リン酸エステル系可塑剤の添加量は、フィルムに対して16質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、6質量%以下とすることが特に好ましい。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環、又はシクロアルキル環を有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、次の一般式(2)で表される。
ただし、下記一般式(2)において、Rは、n価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/又はフェノール性水酸基を表す)
上記一般式(2)で示される多価アルコールとしては、例えば、以下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
具体的には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等が挙げられる。
これらの中でも、特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等が用いられる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖、又は側鎖を有する脂肪酸が用いられることが好ましい。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体が挙げられる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体が挙げられる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1,500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を示す。
グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環、又はシクロアルキル環を有するグリコレート系可塑剤が用いられることが好ましい。
好ましいグリコレート系可塑剤としては、例えばブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等が用いられる。
これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。可塑剤の使用量は、セルロースエステルに対して4〜20質量%が好ましく、6〜16質量%がより好ましく、8〜13質量%が更に好ましい。可塑剤の添加量が多すぎるとフィルムが柔らかくなりすぎるため吸水弾性率が低下し、添加量が少なすぎるとフィルムの透湿性が低下する。
本発明の透明基材フィルムには、前記の可塑剤の他に、基材の耐久性や透湿性、弾性率等のフィルム物性、及び光学特性値を制御する目的で種々の添加剤を使用することができ、例えば特開2006−30937号公報[0054]〜[0134]、特開2003−12859号公報、特開2002−20410号公報、特開2003−222723号公報[0031〜0044]、及び特開2002−22956号公報[0045〜0058]に記載の化合物を使用することができる。
<被覆層>
前記被覆層は、低透湿性を有し、被覆層単体で60℃、95%相対湿度での透湿度が約1,400g/m・日以下のものは全て含むが、被覆層単体での測定が困難な場合は、被覆層を樹脂製の透明基材フィルム(富士フイルム(株)製TD80UL 60℃、95%相対湿度での透湿度が約1,400g/m・日)上に形成した際に、60℃、95%相対湿度での透湿度が約700g/m・日以下のものとする。
前記透湿度としては、400g/m・日以下がより好ましく、250g/m・日以下が更に好ましく、100g/m・日以下が特に好ましい。
被覆層単体での測定が困難な場合に、被覆層を樹脂製の透明基材フィルム(富士フイルム製TD80UL 60℃、95%相対湿度での透湿度が約1,400g/m・日以下)上に形成した際の透湿度から下記数式(3)を用いて求めた被覆層の透湿度(Pc)の計算値で定義してもよい。
この場合の被覆層の透湿度は、500g/m・日以下がより好ましく、300g/m・日以下が更に好ましく、110g/m・日以下が特に好ましい。
1/Pb+1/Pc=1/Pall・・・・・・・・・・・・・数式(3)
Pb:透明基材フィルムの透湿度
Pc:被覆層の透湿度
Pall:被覆層を樹脂製の透明基材フィルム上に形成した際の透湿度
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適宜適用することができる。
具体的には、本発明のフィルム試料(偏光板用保護フィルム)70mmφを60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、JIS Z−0208に従って、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で単位面積あたりの水分量(g/m)を算出して、透湿度とした。
<<被覆層の厚み>>
被覆層の厚みは、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。被覆層の厚みが該上限値以下であれば、優れた低透湿度を有すると共に、カール、脆性悪化などの弊害が生じないので好ましい。カールが大きくなりすぎると、その後の偏光板を作製する工程、例えば偏光膜との接着工程、ハンドリングにおいて支障をきたす。また、作製工程のみならず、偏光板としてもカールが残存することは、LCDに表示ムラ等を発生させ、好ましくない。
したがって、カールが発生しないか、又は実用上問題ない程度に小さくするには、被覆層の膜厚上限を上記範囲とすることが好ましい。
一方、被覆層の厚みの下限は、防湿性より好ましい範囲が規定され、上記範囲以下では好ましい効果が得られない。被覆層は少なくとも1層からなるものであり、2層以上の形態も可能である。
被覆層の厚みに関しては、更に面内の均一性も必要である。本発明の保護フィルムに用いられる被覆層は、幅が1m以上3m未満で、全長が100m以上10,000m未満のロール状の透明基材フィルム上にウェット塗布にて連続的に生産されることが、生産コストの点から好ましいが、膜厚の分布としては、幅方向及び長手方向の面内において、平均厚みに対して±20%以内のバラツキであることが好ましく、平均厚みに対して±10%以内のバラツキであることが更に好ましく、平均厚みに対して±5%以内のバラツキであることが特に好ましい。
平均厚みに対して±20%以内のバラツキであれば、後述する測定法による被覆層の透湿度のバラツキも抑えられ、本発明の効果である表示品質のムラがより低減することになる。
被覆層は有機溶剤に可溶な低透湿性を有する樹脂成分であれば、特に制限はなく、高分子樹脂を主成分とするのが透湿度低減の観点で好ましい。
高分子成分としては、塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含む重合体、フッ素系重合体、(環状)オレフィン系重合体などの疎水的化合物を主成分として使用することが特に好ましい。
ビニルアルコール系重合体は主溶媒が水になるので、本発明では特に好ましくは用いられないが、透明基材を膨潤、又は溶解する溶剤を選択して添加して使用する場合は、本発明の残留溶剤量の範囲になるようにするのが好ましい。
樹脂成分として、高分子樹脂を主成分とすることが特に好ましい。光、又は電離放射線にて架橋する多官能モノマーを用いると、残留溶剤は少なくできるが、透湿度を目的の範囲にするためには、本発明では高分子樹脂を主成分とするのが好ましい。
<<塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含む重合体>>
前記被覆層として好ましい塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含む重合体(以下、塩素含有重合体ということがある。)に関して説明する。
塩素含有ビニル単量体としては、一般的には、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。塩素含有重合体は、これら塩化ビニル又は塩化ビニリデン単量体に、これらと共重合可能な単量体を共重合することにより得ることができる。
[塩素含有ビニル単量体と共重合可能な単量体]
共重合可能な単量体としては、オレフィン類、スチレン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタアクリルアミド類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸ジエステル類、N−アルキルマレイミド類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類、不飽和カルボン酸類等から選ばれる単量体が挙げられる。
オレフィン類の例としては、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。
スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステルの具体例としては、以下のものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、t−オクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、クロルエチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シアノアセトキシエチルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート。
ビニルエーテル類の具体例としては、以下のものが挙げられる。
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル。
ビニルエステル類の具体例としては、以下のものが挙げられる。
ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルジメチルプロピオネート、ビニルエチルブチレート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセトアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル。
アクリルアミド類としては、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミドなどが挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、t−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
また、ヒドロキシル基を有するアクリルアミド類も用いることができ、これらの例としては、N−ヒドロキシメチル−N−(1,1−ジメチル−3−オキソ−ブチル)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチル−N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
ビニルケトン類としては、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトンなどが挙げられる。
ビニル異節環化合物としては、例えば、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルトリアゾール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
グリシジルエステル類としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
不飽和ニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
N−アルキルマレイミド類としては、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられ、更に、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等の無水物等が挙げられる。
これら共重合可能な単量体は2種類以上用いてもよい。
本発明における塩素含有重合体としては、特開昭53−58553号公報、特開昭55−43185号公報、特開昭57−139109号公報、特開昭57−139136号公報、特開昭60−235818号公報、特開昭61−108650号公報、特開昭62−256871号公報、特開昭62−280207号公報、特開昭63−256665号公報などに記載がある。
塩素含有重合体における、塩素含有ビニル単量体の割合は、50〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましく、70〜97質量%が更に好ましい。塩素含有ビニル単量体の割合が50%以上であれば、透湿性が悪化するなどの不具合が生ずることがなく、また99%以下であれば、種々の溶剤への溶解性が得られるので好ましい。
塩素含有重合体は、旭化成ケミカルズ(株)、呉羽化学(株)から入手できる。溶剤塗布可能なものであれば特に制限はないが、旭化成ケミカルズ(株)から入手可能なものとしては「サランレジンR241C」、「サランレジンF216」、「サランレジンR204」が挙げられる。サランレジンF216は、ケトン類溶媒(メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)に可溶のため、より溶媒選択範囲が大きいということでは好ましく用いられる。
また、サランレジンR204は、結晶性が高いため、被覆層の透湿度を低くすることができ、後述するハードコート性を有する層を塗工する際の溶剤に溶解し難く、ハードコート性を有する層との混合が進みすぎて性能悪化することを防ぐことができ、更に好ましく用いられる。
一方、サランラテックスは水系溶媒であり、透明基材との密着性、及び透湿度の観点から本発明では好ましくない。
[塩素含有ビニル単量体以外の化合物]
本発明の低透湿性を有する被覆層は、層を構成するマトリクスの主成分を塩素含有重合体以外の疎水的な化合物から構成することによって形成することも可能である。即ち、疎水的な化合物を主成分とする疎水性層を形成することにより、特に水分子の膜表面への吸着、膜中への溶解、膜中の通過、を抑制することができ、透湿性を低減することができる。
また、更にマトリクスを形成する化合物間の分子間相互作用やその他の相互作用を大きくするか、又は架橋をより緻密に行うことで、マトリクス分子の膜中での運動の自由度を低減し、透湿性を更に低減することができる。
これらの目的を達成する疎水的なマトリクスを構成するバインダー系としては、疎水的モノマーからなる系、疎水的モノマーと多官能モノマー(架橋剤)からなる系、疎水的ポリマーの系、疎水的ポリマーと架橋剤からなる系、等が挙げられる。
更に、化合物間の相互作用が大きいバインダーとしては、液晶性モノマーの系、液晶性モノマーと架橋剤からなる系、液晶性ポリマー、液晶性ポリマーと架橋剤からなる系等が挙げられるが、透湿度低減の観点からはポリマー(高分子樹脂)の系が特に好ましい。
これらのバインダーとしては、疎水性と溶解性や製膜性等の取り扱い性の観点でlogP値が1.0以上12.0以下であることが好ましく、2.0以上11.5以下であることがより好ましく、3.0以上11.0以下であることが更に好ましい。
[logP値]
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。
また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。
計算方法としては、Crippen’s fra gmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.,19,71(1984))などを用いることが好ましいが、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いることがより好ましい。
また、ある化合物のlogPの値が、測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen’s fragmentation法により判断することが好ましい。
疎水的モノマーとしては、具体的にはフッ素系モノマー、シクロオレフィン系モノマー、芳香族を含有するモノマー等を使用することができる。フッ素系モノマーとしては、後述する架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物、特開平9−5519に記載の化合物、特開2000−159840に記載の化合物、等を使用することができる。
また、シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば特開2006−83225、特開平5−51542、特開平6−313056、特開平6−340849に記載の化合物を使用することができる。
また、疎水的ポリマーとしては、具体的にはフッ素系のポリマー、(環状)オレフィン系ポリマー、芳香族を含有するポリマー等を使用することができ、フッ素系のポリマーとしては、特公昭63−18964に記載の化合物、特開平7−70107に記載の化合物、Reports Res. Lab. Asahi Glass Co., Ltd., 55(2005) P47〜51に記載の化合物、を使用することができる。
また(環状)オレフィン系ポリマーとしては、特開平7−228673、特開平8−259784等に記載の樹脂組成物等を使用することができる。
本発明の疎水性層には、前記疎水性のバインダー(モノマー、ポリマー)に加えて、膜の緻密性を向上し、透湿性の低減、及び脆性やカール等の膜物性をより向上させる目的で、多官能の重合性モノマー、又は架橋性モノマーを併用することができる。
併用できるモノマーとしては、後述の[ハードコート層]において記載されている多官能モノマーや多官能オリゴマー等を使用することができる。
本発明の前記疎水性層の主成分が、モノマーや重合性の化合物の場合は、重合により硬化し製膜することができる。この場合に使用する重合開始剤としては、後述の光開始剤を使用することができる。
重合開始剤を使用する場合は、重合開始剤の使用量としては、モノマーや重合性の化合物に対して、0.01質量%〜10.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.1質量%〜7.0質量%の範囲であることがより好ましく、0.5質量%〜5.0質量%の範囲であることが更に好ましい。
[被覆層形成に使用する有機溶剤]
前記被覆層は、塗布組成物を透明基材上塗布して形成されるため、特に塗布組成物に用いる溶媒は重要な要因となる。要件としては、上記の溶質を充分に溶解すること、塗布から乾燥過程で塗布ムラ、乾燥ムラを発生しにくいことが挙げられる。
本発明においては、透明支持体と被覆層の間に混合領域を形成することにより、アンカー層などを設けずに被覆層の密着性を発現させることが好ましいため、被覆層を形成するための塗布組成物に用いる有機溶剤には、基材フィルムを溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤を選択する必要がある。
塗布液にそのような溶剤を用いれば、塗布直後の乾燥過程において支持体を溶解あるいは膨潤しつつ被覆層を形成するために、基材フィルムと被覆層の界面が不明確になると同時に、被覆層の樹脂成分と基材フィルムの樹脂成分が混合した領域の層が形成される。
ここでの有機溶剤は1種を用いる場合もあるし、2種以上を混合して用いる場合もあるが、2種以上を混合して用いる場合も、混合した状態で前述の条件を満たすことが好ましい。
被覆層塗布後に形成される混合領域は、被覆層用塗布液の固形分濃度、溶剤種、溶剤組成、添加剤、被覆層が塗布される透明基材フィルムの種類、被覆層用塗布液の塗布量、乾燥条件、硬化条件など、様々な条件によって影響を受ける。本発明においては、透明基材フィルムと被覆層との間に混合領域が形成され、密着性が得られれば、特に上記条件が制限されることはない。
また、被覆層表面の凹凸の制御(凹凸を小さくする、あるいは平らにする)及び被覆層の強度の両立を図るために、透明基材フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム)を溶解、又は膨潤しない溶剤を、少なくとも一種類以上混合するのが好ましい。
前記基材フィルムを溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤は、用いる透明基材によって適宜選択される。2種類以上の溶剤を用いる場合は、少なくとも基材フィルムを溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤を30質量%以上用いることが好ましく、50質量%以上用いることがより好ましく、60質量%以上用いることが更に好ましい。
前記基材フィルムとして、セルロースアシレートフィルムが選択された場合、基材フィルムを溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤としては、
炭素子数が3〜12のエーテル類としては、具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等が挙げられる。
炭素数が3〜12のケトン類としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
炭素数が3〜12のエステル類としては、具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、及びアセト酢酸エチル等が挙げられる。また、その他の有機溶媒として、メチレンクロライドも好ましく用いることができる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、残留溶剤量を規定の量以下に抑えるために、透明基材フィルムを膨潤、又は溶解可能な溶剤としては、沸点100℃以下の有機溶剤を用いることが好ましく、透明基材フィルムを膨潤、又は溶解可能な沸点100℃以下の有機溶剤を全溶剤中の70質量%以上含有することがより好ましく、50質量%以上用いることが更に好ましく、10質量%以上用いることが特に好ましい。
前記基材フィルムを溶解、又は膨潤しない性質を持った溶剤は、用いる透明基材によって適宜選択される。2種類以上の溶剤を用いる場合は、少なくとも基材フィルムを溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤を5質量%以上、70質量%未満含有することが好ましく、5質量%以上、50質量%未満含有することがより好ましく、10質量%以上、30質量%未満含有することが更に好ましい。
前記基材フィルムが本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートフィルムの場合、基材フィルムを溶解又は膨潤させない性質を持った溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらの中でも、低透湿層を形成する成分の溶解性により、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、残留溶剤量を規定の量以下に抑えるために、透明基材フィルムを膨潤、又は溶解しない溶剤としては、透明基材フィルムを膨潤、又は溶解可能な溶剤より沸点が高いことが好ましく、100℃から150℃の範囲の有機溶剤を用いることがより好ましく、透明基材フィルムを膨潤、又は溶解しない沸点100℃から150℃の有機溶剤を全溶剤中の5質量%以上、70質量%未満含有することが好ましく、5質量%以上、40質量%未満含有することがより好ましく、10質量%以上、30質量%未満含有することが更に好ましい。
本発明では、塩素含有重合体が塩化ビニリデンである場合は、テトラヒドロフランを主溶剤に用いることが好ましい。また、塩化ビニリデンの共重合体を選択することで、トルエン、ケトン系溶剤などに溶解可能とし、テトラヒドロフランを用いずに、トルエン、ケトン系溶剤などを主溶媒に用いることもできる。沸点の観点からは、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンを主溶媒に用いることが特に好ましい。
また、テトラヒドラフランを用いる場合は、光安定化の観点から、p−クレゾール、レゾルシン、ヒドロキノン、第一鉄塩、ヒンダードフェノール(例えば2、6ージーtーブチルー4ーメチルフェノール)などの還元性物質を、塗布液中に0.01〜1質量%添加することが好ましい。被覆層の着色防止にも効果があるため好ましく用いられる。
前記被覆層には、耐ブロッキング性の改良のため、サイリシア(富士シリシア製)、ミズカシール(水澤化学工業製)、二ップシール(日本シリカ工業製)などのシリカ粉末を、塩素含有重合体に対して0.2〜1.0部添加したり、パラフィンワックス(日本精蝋製)、ベヘニン酸(日本油脂製)、ステアリン酸(日本油脂製)などのワックスエマルジョンを0.2〜5.0部添加して用いることも好ましい。また、特開平9−143419公報の段落[0012]〜[0016]に記載のように変性ワックスを用いることも好ましい。
耐ブロッキング性の改良に粒子を用いる場合には、有機樹脂粒子を用いることもできる。塗布液中の沈降性の観点より、上記シリカ粉末よりも比重が軽いため、好ましく用いられる。有機樹脂粒子としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、塩素含有重合体との屈折率差が0.001以上0.3以下になるものが好ましい。
有機樹脂粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)共重合体粒子、メラミン樹脂粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子等が用いられる。
上記有機樹脂粒子の中でも、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子が好ましく用いられる。
有機樹脂粒子の平均粒径は、被覆層の膜厚の0.5倍から2倍が好ましく、0.8倍から1.5倍がより好ましく、0.9倍から1.2倍が特に好ましい。粒子の凝集や沈降の観点からは、0.5〜12μmが好ましく、0.8〜8.0μmがより好ましく、1.0〜6μmが更に好ましく、この粒径範囲で、被覆層の膜厚と粒径の比率が上記範囲になるように設計するのが特に好ましい。
また、粒子径の異なる2種以上の有機樹脂粒子を併用して用いてもよい。
本発明に係る有機樹脂粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。
これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁、及び146頁〜147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
前記粒子は、塩素含有重合体中に0.1〜30質量%含有されるように配合されることが好ましく、塩素含有重合体中に0.2〜5質量%含有されるように配合されることがより好ましく、塩素含有重合体中に0.25〜1質量%含有されることが特に好ましい。配合量が0.1質量%以上、30質量%以下であると、耐ブロッキング性が良好で、透湿度も低く抑えることができ、好ましい。
有機樹脂粒子の粒度分布は透明性の確保、塗布面状の均質性から単分散性粒子が好ましい。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることが更に好ましい。
有機樹脂粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。前記のような粒度分布を持つ粒子は、調製又は合成反応後に、分級することも有力な手段であり、分級の回数を上げることやその程度を強くすることで、好ましい分布の粒子を得ることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
更に被覆層と透明基材フィルムや、他層との密着性を高くするためには、コロネートL(日本ポリウレタン製)、タケネートA−3(武田薬品工業(株)製)などのイソシアネート系接着剤を塩素含有重合体に対して、0.1〜10.0質量%添加することが好ましく。0.2〜5質量%添加するのがより好ましい。添加量が少ないと、密着性の改良される効果が得られず、また、添加量が多すぎると、光に対する安定性が悪化する、性能が悪化するなどの弊害が発生する可能性がある。
硬化した被覆層は、単層でも複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一の組成物で形成される被覆層を指し、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを指す。
また本発明では、被覆層形成用塗布液中に微粒子を添加してもよい。微粒子を添加することで硬度向上、透明基材フィルムとの密着性向上、透湿度低減などの効果が得ることができる。
[微粒子]
微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機複合微粒子のいずれも使用できる。無機微粒子としては、例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化インジウム粒子などが挙げられる。
一般に、無機微粒子は、単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後の被覆層にひび割れが生じたりしやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を、有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。
微粒子の充填量は、充填後の被覆層の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜30体積%がより好ましく、5〜30体積%が最も好ましい。
被覆層形成用塗布液中に、無機の層状化合物を上述の内容のように添加することもできる。層状化合物としては、合成雲母、合成スメクタイトが好ましく用いられる。
<第2の層>
本発明の偏光板用保護フィルムには、更に機能を追加するために、第2の層を設けることが好ましい。第2の層としては、フィルムの物理的強度を付与するためのハードコート性を有する層(以下、ハードコート層と記載する場合がある)、反射防止層などが設けられる。ハードコート層としては、表面及び/、又は内部に光散乱性を付与した、光散乱性層とすることが好ましい(表面に散乱性を付与した場合は防眩層と記載する場合もある)。また、ハードコート層の上に反射防止層として少なくとも低屈折率層が設けられ、反射率を低減することがより好ましく。更に好ましくはハードコート層の上に中屈折率層及び/又は高屈折率層が設けられた上に更に低屈折率層が設けられた複数の層からなる反射防止層が設けられるのが、反射率低減の面から好ましい。ハードコート層を設けずに反射防止層を設けることもできるが、フィルムの物理的強度向上のために、ハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層は、2層以上の積層から構成されてもよい。ハードコート性を有する層は透明基材に対して、低透湿性を有する層と反対側に設けることもできるが、第2の層として被覆層と同じ側に設け、被覆層の反対側の透明基材表面を、接着剤を介して、偏光子に貼り合せる構成が寄り好ましい。
以下本発明に用いることのできるハードコート層及び反射防止層について説明する。本発明では被覆層としてさまざまな種類の層を設けることができ、被覆層の種類によってハードコート層に対する要求が異なる場合があり、個別の記載は被覆層に関する説明の中に記載するが、以下に共通の内容を記載する。
<<第2の層の構成>>
好ましい一つの態様としては、透明基材フィルム上、又は被覆層上にハードコート層を設けた上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層された構成が挙げられる。反射防止層の最も単純な構成は、ハードコート層上に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、反射防止層を、透明基材フィルムよりも屈折率の高い高屈折率層と、透明基材フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。構成例としては、透明基材フィルム側から高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材フィルム又はハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層を有する透明基材フィルム上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。
また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
本発明のハードコート層及び反射防止層の好ましい層構成の例を下記に示す。本発明の反射防止フィルムは、光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。下記の構成では透明基材フィルムはハードコート層及び/、又は反射防止層の側かあるいは反対側の少なくとも1方に被覆層が形成されており、被覆層まで含めて透明基材フィルムとする。下記の構成において、防眩層は基本的にハードコート性を有するのが好ましいが、ハードコート層と積層して用いる場合はハードコート性がなくてもよい。ハードコート性の向上、表面形態の制御のためにハードコート性を有する防眩層とハードコート層を積層して用いるのも好ましい。
・透明基材フィルム/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
また、別の態様として、光学干渉を積極的には用いずに、ハードコート性、防汚性などの付与の目的のために必要な層を設けた態様も好ましい。
上記態様のフィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。下記の構成では透明基材フィルムはハードコート層及び/、又は反射防止層の側かあるいは反対側の少なくとも1方に防湿層が形成されており、被覆層まで含めて透明基材フィルムとする。下記の構成において、防眩層は基本的にハードコート性を有するのが好ましいが、ハードコート層と積層して用いる場合はハードコート性がなくてもよい。ハードコート性の向上、表面形態の制御のためにハードコート性を有する防眩層とハードコート層を積層して用いるのも好ましい。
・透明基材フィルム/ハードコート層
・透明基材フィルム/ハードコート層/ハードコート層
・透明基材フィルム/防眩層
・透明基材フィルム/防眩層/防眩層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層
・透明基材フィルム/防眩層/ハードコート層
・透明基材フィルム/帯電防止層
・透明基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防汚層
・帯電防止層/透明基材フィルム/ハードコート層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層
・防眩層/透明基材フィルム/帯電防止層
これらの層は、蒸着、大気圧プラズマ、塗布などの方法により形成することができる。生産性の観点からは、塗布により形成することが好ましい。
以下各構成層について説明する。
[ハードコート層]
本発明におけるハードコート層の屈折率は、反射防止性のフィルムを得るための光学設計からは、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.49〜1.90であり、更に好ましくは1.50〜1.80である。本発明の好ましい態様である、ハードコート層の上に低屈折率層が少なくとも1層ある態様では、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
ハードコート層の厚さは、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、更に好ましくは2μm〜15μm、最も好ましくは3μm〜12μmである。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記の重合性不飽和基を有するモノマーの代わり、又はそれに加えて、架橋性の官能基をバインダーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を有するモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。即ち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜15.0μm、好ましくは1.5〜10.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子、又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー、又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマー及び/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
ハードコート層のヘイズは、偏光板用保護フィルムに付与させる機能によって異なる。
画像の鮮明性を維持し、表面の反射率を抑えて、ハードコート層の内部及び表面にて光散乱機能を付与しない場合は、ヘイズ値は低い程よく、具体的には10%以下が好ましく、更に好ましくは5%以下であり、最も好ましくは2%以下である。
一方、ハードコート層の表面散乱にて、防眩機能を付与する場合は、表面ヘイズが0.5%〜15%であることが好ましく、1%〜10%であることがより好ましい。
また、ハードコート層の内部散乱により液晶パネルの模様や色ムラ、輝度ムラ、ギラツキなどを見難くしたり、散乱により視野角を拡大する機能を付与する場合は、内部ヘイズ値(全ヘイズ値から表面ヘイズ値を引いた値)は10%〜90%であることが好ましく、更に好ましくは15%〜80%であり、最も好ましくは20%〜70%である。
本発明のフィルムは、目的に応じて、表面ヘイズ及び内部ヘイズを自由に設定可能である。
また、ハードコート層の表面凹凸形状については、画像の鮮明性を維持する目的で、クリアな表面を得る為には、表面粗さを示す特性のうち、例えば中心線平均粗さ(Ra)を0.08μm以下とすることが好ましい。Raは、より好ましくは0.07μm以下であり、更に好ましくは0.06μm以下である。本発明のフィルムにおいては、フィルムの表面凹凸にはハードコート層の表面凹凸が支配的であり、ハードコート層の中心線平均粗さを調節することにより、反射防止フィルムの中心線平均粗さを上記範囲とすることができる。
画像の鮮明性を維持する目的では、表面の凹凸形状を調整することに加えて、透過画像鮮明度を調整することが好ましい。クリアな反射防止フィルムの透過画像鮮明度は60%以上が好ましい。透過画像鮮明度は、一般にフィルムを透過して映す画像の呆け具合を示す指標であり、この値が大きい程、フィルムを通して見る画像が鮮明で良好であることを示す。透過画像鮮明度は好ましくは70%以上であり、更に好ましくは80%以上である。
[光開始剤]
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159、及び、「紫外線硬化システム」 加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
[面状改良剤]
支持体上のいずれかの層を作製するのに用いる塗布液には、面状故障(塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥など)を改良するために、フッ素系及びシリコーン系の少なくともいずれかの面状改良剤を添加することが好ましい。
面状改良剤は、塗布液の表面張力を1mN/m以上変化させることが好ましい。ここで、塗布液の表面張力が1mN/m以上変化するとは、面状改良剤を添加後の塗布液の表面張力が、塗布/乾燥時での濃縮過程を含めて、面状改良剤を添加してない塗布液の表面張力と比較して、1mN/m以上変化することを意味する。好ましくは、塗布液の表面張力を1mN/m以上下げる効果がある面状改良剤であり、更に好ましく2mN/m以上下げる面状改良剤、特に好ましくは3mN/m以上下げる面状改良剤である。
フッ素系の面状改良剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基を含有する化合物が挙げられる。好ましい化合物の例は、特開2005−115359号、特開2005−221963号、特開2005−234476号に記載の化合物が挙げられる。
[防眩層]
防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。したがって、本発明ではハードコート層の一実施態様として用いることができる。
防眩性を付与する方法としては、特開平6−16851号記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の質量比が減少することにより透光性微粒子及び透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法、特開2000−275404号記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法、特開2005−195819号記載のように複数のポリマーの混合溶液から溶媒が蒸発する過程で相分離することを利用して表面凹凸を形成する方法、などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
−透光性粒子−
本発明で用いることができる防眩層の1つの好ましい態様は、ハードコート性を付与することのできるバインダー、防眩性を付与するための透光性粒子、及び溶媒を必須成分として含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものである。防眩性を有する防眩層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えていることが好ましい。
上記透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。マット粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに防眩性反射防止フィルムを貼り付けた場合に、「ギラツキ」と呼ばれる表示画像品位上の不具合が発生する場合がある。「ギラツキ」は、防眩性反射防止フィルム表面に存在する凹凸により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、防眩性を付与するマット粒子よりも小さな粒子径で、バインダーの屈折率と異なるマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
上記マット粒子は、形成された防眩性ハードコート層中のマット粒子量が好ましくは10〜1,000mg/m、より好ましくは100〜700mg/mとなるように防眩層に含有される。
防眩層の膜厚は、1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。前記範囲内とすることで、ハードコート性、カール、脆性を満足することができる。
一方、防眩層の中心線平均粗さ(Ra)を0.09〜0.40μmの範囲が好ましい。0.40μmを超えると、ギラツキや外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。また、透過画像鮮明度の値は、5〜60%とするのが好ましい。
防眩層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
−相分離−
本発明で用いることができる透光性粒子を使用して防眩性を発現する以外の防眩性を付与する手法の一例として、複数のポリマーのスピノーダル分解により塗膜の表面に凹凸を形成する手法が挙げられる。
また、特に相分離した相の屈折率に差を与えることで、良好な光拡散性を付与することが可能となる。
スピノーダル分解により作成される光散乱層は、互いに屈折率の異なる複数のポリマーで構成され、通常、使用雰囲気(特に、約10〜30℃程度の室温下)において、少なくとも共連続相構造を有する相分離構造を形成している。
そして、前記共連続相構造は、複数のポリマーを含む液相(常温で液相、例えば、混合液又は溶液)からのスピノーダル分解により形成されている。前記共連続相構造は、通常、複数のポリマーを含み、かつ常温で液相を形成する組成物(例えば、混合液又は溶液)を用い、溶媒の蒸発を経たスピノーダル分解により形成されている。このような光散乱層は、液相から形成されるため、均一で微細な共連続相構造を有している。
このような透過型光散乱シートを用いると、入射光が実質的に等方的に散乱し、かつ透過散乱光に指向性を付与できる。そのため、高い光散乱性と指向性とを両立できる。
光散乱性を高めるために、複数のポリマーは、屈折率の差が、例えば、0.01〜0.2程度、好ましくは0.1〜0.15程度となるように組み合わせて使用できる。屈折率の差が0.01未満では透過散乱光の強度が低下し、屈折率の差が0.2より大きいと透過散乱光に高い指向性を付与できない。
複数のポリマーは、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などから適当に組み合わせて選択できる。
好ましいポリマーには、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーなどが含まれる。複数のポリマーとしては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーを溶解可能な共通溶媒)に可溶な樹脂が使用される。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類など)などが好ましい。
これらの複数のポリマーは適当に組み合わせて使用できる。例えば、複数のポリマーの組合せにおいて、少なくとも1つのポリマーを、セルロース誘導体、特にセルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースC2−4アルキルカルボン酸エステル類)とし、他のポリマーと組み合わせてもよい。
ポリマーのガラス転移温度は、例えば、−100℃〜250℃、好ましくは−50〜230℃、更に好ましくは0〜200℃程度(例えば、50〜180℃程度)の範囲から選択できる。なお、シートの強度や剛性の点から、構成ポリマーのうち少なくとも1つのポリマーのガラス転移温度は、50℃以上(例えば、70〜200℃程度)、好ましくは100℃以上(例えば、100〜170℃程度)であるのが有利である。ポリマーの質量平均分子量は、例えば、1,000,000以下(10,000〜1,000,000程度)、好ましくは10,000〜700,000程度の範囲から選択できる。
本発明では複数のポリマーを含む液相から溶媒を蒸発させてスピノーダル分解する湿式法を採用するため、原理的には複数のポリマーの相溶性の如何にかかわらず、実質的に等方性の共連続相構造を有する光散乱層を形成できる。そのため、互いに相溶性の複数のポリマーを組み合わせて構成してもよいが、通常、スピノーダル分解により相分離構造を容易に制御し、効率よく共連続相構造を形成するため、非相溶性(相分離性)の複数のポリマーを組み合わせる場合が多い。
複数のポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わせにより構成でき、第1のポリマー及び第2のポリマーは、それぞれ単一の樹脂で構成してもよく複数の樹脂で構成してもよい。
第1のポリマーと、第2のポリマーとの組み合わせは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、第1のポリマーがセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル類)である場合、第2のポリマーは、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(前記ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステルなど)などであってもよい。
第1のポリマーと、第2のポリマーとの割合は、例えば、前者/後者=10/90〜90/10(質量比)程度、好ましくは20/80〜80/20(質量比)程度、更に好ましくは30/70〜70/30(質量比)程度、特に40/60〜60/40(質量比)程度である。一方のポリマーの割合が多すぎると、分離した相間の体積比が偏るため、散乱光の強度が低下する。なお、3以上の複数のポリマーでシートを形成する場合、各ポリマーの含有量は、通常、1〜90質量%(例えば、1〜70質量%、好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは10〜70質量%)程度の範囲から選択できる。
本発明の光散乱シートを構成する光散乱層は、少なくとも共連続相構造を有している。共連続相構造とは、共連続構造や三次元的に連続又は繋がった構造と称される場合があり、少なくとも2種の構成ポリマー相が連続している構造(例えば、網目構造)を意味する。
前記光散乱層は、少なくとも共連続相構造を有していればよく、共連続相構造と液滴相構造(独立又は孤立した相構造)とが混在した構造を有していてもよい。
なお、スピノーダル分解において、相分離の進行に伴って共連続相構造を形成し、更に相分離を進行させると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状などの独立相の海島構造)となる。
したがって、相分離の程度によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造、即ち、上記共連続相から液滴相に移行する過程の相構造も形成できる。
本発明では、上記中間的構造も共連続相構造という。なお、相分離構造が共連続相構造と液滴構造との混在構造である場合、液滴相(独立ポリマー相)の割合は、例えば、30%以下(体積比)、好ましくは10%以下(体積比)であってもよい。共連続相構造の形状は特に制限されず、ネットワーク状、特にランダムなネットワーク状であってもよい。
前記共連続相構造は、通常、層又はシート面内において異方性が低減されており、実質的に等方性である。なお、等方性とは、シート面内のどの方向に対しても共連続相構造の平均相間距離が実質的に等しいことを意味する。
共連続相構造は、通常、相間距離(同一相間の距離)に規則性を有する。そのため、シートに入射した光はブラッグ反射により透過散乱光が特定方向に指向する。
したがって、反射型液晶表示装置に装着しても、透過した散乱光を一定の方向に指向させることができ、表示画面を高度に明るくすることができ、従来の粒子分散型の透過型光散乱シートでは解決できなかった問題点、即ち、パネルへの光源(例えば、蛍光灯など)の映りを回避できる。
光散乱シートにおいて共連続相の平均相間距離は、例えば、0.5〜20μm(例えば、1〜20μm)、好ましくは1〜15μm(例えば、1〜10μm)程度である。平均相間距離が小さすぎると、高い散乱光強度を得ることが困難であり、平均相間距離が大きすぎると、透過散乱光の指向性が低下する。
なお、共連続層の平均相間距離は、光散乱層又は光散乱シートの顕微鏡写真(透過型顕微鏡、位相差顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡など)から算出することができる。
また、後述する散乱光の指向性の評価法と同様の方法により、散乱光強度が極大になる散乱角度θを測定し、下記のブラッグ反射条件の式より共連続相の平均相間距離dを算出してもよい。なお、下記式中、dは共連続相の平均相間距離、θは散乱角度、λは光の波長を示す。
2d・sin(θ/2)=λ
−エンボス法による光散乱層の形成−
光散乱層の作製手法として、透光性粒子を使用して防眩性を発現する以外の手法の一例として、エンボス法により光散乱層を作成する手法が挙げられる。
エンボス法により作成される光散乱層とは、透明基板上に、表面が微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムで賦形された電離放射線硬化型樹脂組成物、又は熱硬化型樹脂組成物から本質的に構成される光拡散層が形成されたものである。
上記光散乱層の製造方法は、樹脂が電離放射線硬化型樹脂組成物の場合には、透明基板上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工し、次に塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物の未硬化状態の塗膜上に表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートし、次に前記賦型フィルムがラミネートされた塗膜上に電離放射線を照射することにより前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜を硬化させ、次に硬化した電離放射線硬化型樹脂の塗膜から賦型フィルムを剥離する製造方法で製造することが好ましい。
また、樹脂が熱硬化型樹脂組成物の場合には、透明基板上に熱硬化型樹脂組成物を塗工し、次に塗工された熱硬化型樹脂組成物の未硬化状態の塗膜上に表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートし、次に前記賦型フィルムがラミネートされた前記塗膜を加熱して硬化させ、次に硬化した熱硬化型樹脂組成物の塗膜から賦型フィルムを剥離する製造方法で製造することが好ましい。
賦型フィルムを未硬化の電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜上にラミネートする際には、塗工した樹脂が溶剤希釈系のものであれば、溶剤を乾燥した後にラミネートを行い、また、塗工した樹脂が無溶剤系のものであれば、そのままラミネートを行う。
エンボス法の光拡散層に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物の皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー、又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
特に好適には、ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。その理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆くなるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポリウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアクリレート100質量部に対するポリウレタンアクリレートの配合割合は30質量部以下とする。この値を越えると塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうからである。
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
−高屈折率層、及び中屈折率層−
本発明のフィルムには、高屈折率層、中屈折率層を設け、後述の低屈折率層とともに光学干渉を利用すると反射防止性を高めることができる。
以下の本明細書では、この高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、本発明において、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、透明支持体との関係で言えば屈性率は、透明支持体>低屈折率層、高屈折率層>透明支持体の関係を満たすことが好ましい。
また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止層を作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、1.60〜2.20であることがより好ましく、1.65〜2.10であることが更に好ましく、1.80〜2.00であることが特に好ましい。
支持体から近い順に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗設し、反射防止フィルムを作成する場合、高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層に用いられる無機粒子の具体例としては、TiO、ZrO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITOとSiO等が挙げられる。TiO及びZrOが高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは、表面をシランカップリング処理、又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
高屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
高屈折率層のヘイズは、防眩機能を付与する粒子を含有しない場合、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。高屈折率層は、前記透明支持体上に直接、又は、他の層を介して構築することが好ましい。
−低屈折率層−
本発明のフィルムの反射率を低減するため、低屈折率層を用いることが好ましい。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.40であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることが更に好ましい。
低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが特に好ましい。
また、偏光板用保護フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましく、95度以上であることがより好ましく、100度以上であることが特に好ましい。
好ましい硬化物組成の態様としては、(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素ポリマーを含有する組成物、(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物、が挙げられる。
(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物
架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物としては、含フッ素モノマーと架橋性、又は重合性の官能基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。含フッ素モノマーとしては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分、又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全、又は部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマーとしては、1つの態様としては、グリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。又別の態様としては、水酸基等の官能基を有するモノマーを用い含フッ素共重合体を合成後、更にそれら置換基を修飾して架橋性若しくは重合性の官能基を導入するモノマーを使用する方法である。これらモノマーとしては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者の態様は特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報により開示されている。
上記含フッ素共重合体には、溶解性、分散性、塗布性、防汚性、帯電防止性などの観点から、適宜共重合可能な成分を含むことができる。特に防汚性・滑り性付与のためには、シリコーンを導入することが好ましく、主鎖にも側鎖にも導入することができる。
主鎖へのポリシロキサン部分構造導入方法は、例えば特開平6−93100号公報に記載のアゾ基含有ポリシロキサンアミド(市販のものではVPS−0501、1001(商
品名;ワコー純薬工業(株)社製))等のポリマー型開始剤を用いる方法が挙げられる。また、側鎖に導入する方法は、例えばJ.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、反応性基を片末端に有するポリシロキサン(例えばサイラプレーンシリーズ(チッソ株式会社製)など)を高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成することができ、どちらの方法も好ましく用いることができる。
上記のポリマーに対しては特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。
また、特開2002−145952号に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、上記の2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。
また、特開2004−170901号公報に記載のオルガノランの加水分解縮合物も好ましく、特に(メタ)アクリロイル基を含有するオルガノシランの加水分解縮合物が好ましい。
これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
ポリマー自身が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。例えば、ポリマー本体に水酸基含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。
架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等が挙げられる。これら化合物の硬化には、有機酸又はその塩を用いるのが好ましい。
これら含フッ素ポリマーの具体例は、特開2003−222702号公報、特開2003−183322号公報等に記載されている。
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物
含フッ素のオルガノシラン化合物の加水分解縮合物を主成分とする組成物も屈折率が低く、塗膜表面の硬度が高く好ましい。フッ素化アルキル基に対して片末端又は両末端に加水分解性のシラノールを含有する化合物とテトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。具体的組成物は、特開2002−265866号公報、及び特開2002−317152号公報に記載されている。
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物
更に別の好ましい態様として、低屈折率の粒子とバインダーからなる低屈折率層が挙げられる。
低屈折率粒子としては、有機でも無機でもよいが、内部に空孔を有する粒子が好ましい。
中空粒子の具体例は、特開2002−79616号公報に記載のシリカ系粒子に記載されている。
粒子屈折率は1.15〜1.40が好ましく、1.20〜1.30が更に好ましい。バインダーとしては、上記光拡散層の頁で述べた二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。
本発明の低屈折率層には、上記の光散乱層の頁で述べた重合開始剤を添加することが好ましい。ラジカル重合性化合物を含有する場合には、該化合物に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の重合開始剤を使用できる。
本発明の低屈折層には、無機粒子を併用することができる。耐擦傷性を付与するために、低屈折率層の厚みの15%〜150%、好ましくは30%〜100%、更に好ましくは45%〜60%の粒径を有する微粒子を使用することができる。
本発明の低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することができる。
[各層の形成]
本発明に用いられる被覆層、及び必要に応じてハードコート層、低屈折率層、又はその他の層は、塗布液を透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥し、その後、必要に応じて、光照射及び/又は加熱して、各層を形成するためのモノマーや硬化性樹脂を硬化する。これにより各層が形成される。
本発明のフィルムの各層の塗布方法は特に制限されないが、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が高い生産性、塗膜の均一性の観点で好ましく用いられる。
―乾燥工程―
本発明では低透湿性を有する被覆層を形成した透明基材の残留溶剤量を望ましい範囲にするために、低透湿性を有する被覆層を塗布した後の乾燥工程をコントロールすることが重要である。
低透湿性を有する被覆層が塗布後の乾燥工程で、塗布後の塗布後の1秒から50秒の間に有機溶剤の50%以上が蒸発する乾燥工程を経て形成されることが好ましく、有機溶剤の50%以上が蒸発する時間が1秒から30秒がより好ましく、2秒から15秒が更に好ましい。有機溶剤の50%以上が蒸発する時間が短すぎると、膜厚ムラが生じる、密着性が得づらいなどで好ましくなく、長すぎると残留溶剤量が大きくなり好ましくない。
第1の乾燥工程
乾燥温度は、有機溶剤の50%以上が蒸発するまでは70℃以下の乾燥温度で乾燥する第1の乾燥工程を行い、その後、70℃以上150℃以下の乾燥温度で乾燥する第2の乾燥工程を行うことが好ましく、有機溶剤の50%以上が蒸発するまでは50℃以下の乾燥温度で乾燥する第1の乾燥工程を行い、その後、70℃以上130℃以下の乾燥温度で乾燥する第2の乾燥工程を行うことがより好ましく、有機溶剤の50%以上が蒸発するまでは40℃以下の乾燥温度で乾燥する第1の乾燥工程を行い、その後、80℃以上120℃以下の乾燥温度で乾燥する第2の乾燥工程を行うことが更に好ましい。
有機溶剤の50%以上が蒸発するまでの乾燥温度が高すぎると膜厚ムラ、透湿度などの観点で好ましくない。また、その後の乾燥温度が低すぎると残留溶剤量が多くなり、好ましくなく、高すぎると透明基材がダメージを受け好ましくない。
前記被覆層は、結晶化度を高めるために熱処理を施してもよい。好ましい熱処理温度は、40℃〜130℃であり熱処理時間は必要とする結晶化度に応じ適宜決定することができるが通常5分から48時間程度である。
更に、透明基材フィルムと被覆層の密着性を向上させる目的で、所望により透明基材フィルムの片面又は両面に、親水化処理、凹凸処理などの前処置を施すのがより好ましい。前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、鹸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられるが、コロナ放電処理、グロー放電処理、鹸化処理(湿式)が特に好ましい。
本発明では、形成したこれら被覆層、ハードコート層に防汚剤を含有させること、又は、フッ素及び/もしくはケイ素を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂を含む、熱、又は紫外線照射により硬化する硬化性組成物を主体とする防汚性層を積層することにより、防汚性被覆層とすることなどにより、防汚性を付与することもできる。
本発明に用いられる防汚剤は、被覆層に撥水性、撥油性等の防汚性を付与するもので、そのようなものとしては、被覆層形成用塗布液の調製及び透明記基材フィルム上に塗布する際に不都合がなく、かつ防汚性被覆層形成時に、防汚性被覆層表面で撥水性、撥油性を発現するものであればいかなるものであってもよい。そのようなものとしてはフッ素及び/又はケイ素を含有する硬化樹脂が挙げられる。
[フッ素及び/又はケイ素を含有する硬化性樹脂]
本発明で用いられる被覆層又は防汚性層に含有されるフッ素及び/又はケイ素を含有する硬化性樹脂としては、公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、又はフッ素及びケイ素含有部を含むブロックを有する硬化性樹脂が挙げられ、更に樹脂又は金属酸化物等と相溶性のよいセグメントと、フッ素又はケイ素を含有するセグメントとを含有する硬化性樹脂が好ましく、被覆層又は防汚性層へ添加することで、表面にフッ素又はケイ素を偏在させることができる。
これらの具体的な硬化性樹脂としては、フッ素又はケイ素を含有するモノマーと、他の親水性又は親油性のモノマーとのブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体が挙げられる。フッ素含有モノマーとしてはヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表される、パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ケイ素含有モノマーとしてはポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。親水性又は親油性のモノマーとしては、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、末端に水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸のエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
市販の硬化性樹脂としては、パーフルオロアルキル鎖のミクロドメイン構造を有するアクリル系オリゴマーの「デフェンサMCF−300」、「デフェンサMCF−312」、「デフェンサMCF−323」等、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーの「メガファックF−170」、「メガファックF−173」、「メガファックF−175」等、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマーの「メガファックF−171」等{以上、大日本インキ化学(株)製}や、表面移行性に優れたセグメントと樹脂に相溶するセグメントよりなるビニルモノマーのブロックポリマーであるフッ化アルキル系の「モディパーF−200」、「モディパーF−220」、「モディパーF−600」、「モディパーF−820」等、シリコン系の「モディパーFS−700」、「モディパーFS−710」等{以上、日本油脂(株)製}が挙げられる。
被覆層の上に防汚性層を設けるには、フッ素原子を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂が好ましく、具体的には、特開昭57−34526号公報、特開平2−19801号公報、特開平3−17901号公報等に記載のフッ化炭化水素基を含有するシリコン硬化性樹脂、フッ化炭化水素基含有ポリマー等が挙げられる。
本発明の偏光板用保護フィルムを2枚の偏光膜の表面保護フィルムの内の少なくとも一方として用いて偏光板を作成する際には、前記の偏光板用保護フィルムを、被覆層とは反対側の透明基材フィルムの表面、即ち偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。親水化処理としては、下記の鹸化処理を行うことが好ましい。また、本発明で被覆層を形成する前の前処理として鹸化処理を行う場合も以下の方法を用いることが好ましい。
[鹸化処理]
(1)アルカリ液に浸漬する法
アルカリ液の中に偏光板用保護フィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
前記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、光散乱フィルムや反射防止フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、透明支持体の防眩層や反射防止層を有する表面と反対の表面が親水化される。 偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と
接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、防眩層や低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に防眩層や低屈折率層を有する表面から内部までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる各層の受けるダメージの指標として、反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、好ましくは10度〜50度、より好ましくは30度〜50度、更に好ましくは40度〜50度となる。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じる為、好ましくない。一方、10度未満では、該ダメージが大きすぎる為、物理強度を損ない、好ましくない。
(2)アルカリ液を塗布する方法
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を防眩層や低屈折率層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(1)、(2)のどちらの鹸化方法においても、ロール状の支持体から巻き出して各層を形成後に行うことができるため、前述の防眩性反射防止フィルム製造工程の後に加えて一連の操作で行ってもよい。更に、同様に巻き出した支持体からなる偏光板との貼り合わせ工程もあわせて連続で行うことにより、枚葉で同様の操作をするよりもより効率よく偏光板を作成することができる。
(3)防眩層や反射防止層をラミネートフィルムで保護して鹸化する方法
前記(2)と同様に、防眩層及び/、又は低屈折率層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。この方法でも、防眩層、低屈折率層へのダメージなしに偏光板用保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
(4)防眩層まで形成後にアルカリ液に浸漬する方法
防眩層まではアルカリ液に対する耐性があるが、低屈折率層がアルカリ液に対する耐性不足である場合には、防眩層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に防眩層上に低屈折率層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、特に低屈折率層がフッ素含有ゾル−ゲル膜等、親水基を有する場合には防眩層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
(5)予め鹸化済のトリアセチルセルロースフィルムに被覆を形成する方法
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接、又は他の層を介して被覆層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、被覆層と鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、被覆層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから防眩層、又は他の層を形成することで対処できる。また、防眩層、又は他の層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
以下に、本発明の偏光板用保護フィルムを用いた偏光板及び該偏光板を用いた液晶表示装置について説明する。
(偏光板)
図2は、本発明の偏光板用保護フィルムを用いた偏光板の一実施形態における構成を示す断面図である。
図2に示すように、本発明の偏光板5は、本発明の偏光板用保護フィルム1と、偏光子6と反対側の偏光板用保護フィルム7からなる。
図2A及び図2Bの態様を取る場合には、本発明の偏光板5は被覆層3と反対の面が偏光子6と貼り合わせられる。
また、図2C及び図2Dの態様を取る場合には、本発明の偏光板5は被覆層3が偏光子6と貼り合わせられる。
反対側の偏光板用保護フィルム4は特に制限はなく、セルロースアシレート類からなる基材フィルムやシクロオレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ラクトン環含有重合体を含む熱可塑性樹脂フィルムなどの各種基材フィルムが用いられる。生産性の観点からは、低透湿性を有する被覆層のないセルロースアシレート類からなる基材フィルムであることが好ましい。
<偏光膜の作製>
本発明の偏光板用保護フィルムは、偏光子の少なくとも1面に貼り合わせることで偏光板を構成する。偏光子の他の面に貼り合わせる偏光板の透湿度は特に制限はないが、透湿度が700〜3,000g/m・dayの偏光板用保護フィルムを貼り合わせることが好ましく、更に好ましくは1,000〜1,700g/m・dayである。通常使用されているTACは好適に用いられる。
通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。
更には、本発明の偏光板において、片面が本発明の偏光板用保護フィルムであるのに対して他方の保護フィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであってもよい。
また、本発明の偏光板において、片面が本発明の偏光板用保護フィルムであるのに対して、他方の保護フィルムが、Reが0〜10nm、Rthが−20〜20nmであるフィルム(例えば、特開2005−301227号公報段落番号[0095]参照)であってもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、本発明の偏光板用保護フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものが用いられるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
本発明の偏光板保護膜は、液晶表示装置等とともに用いられる際には、液晶セルと反対側の視認側に配置することが好ましい。
(画像表示装置)
<液晶表示装置>
本発明のフィルム、偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
図3A〜Bは本発明の偏光板を用いた液晶表示装置の一実施形態における構成を示す断面図である。
図3A〜Bに示す本発明の液晶表示装置8は、本発明の偏光板5と液晶セル9からなる。本発明の偏光板5を図3A〜Bのように両側に用いるのが好ましいが、片側でも効果がある。本発明の偏光板は反対側の保護フィルム7側を、粘着剤を介して液晶セルに貼り付けるのが好ましい。
ハードコート性を有する層は、液晶表示装置の鑑賞者側の表面のみに用いられてもよいが、温湿度変化時のセル全体のカールバランスを取るためには両側に用いるのが特に好ましい。
画像の視認性向上、画質の向上のためには、少なくとも鑑賞者側の表面に用いられる偏光板用保護フィルムのハードコート性を有する層へは、散乱性の付与、及び/又はその上へ低屈折率層の付与が好ましく、カールバランスの点では、液晶表示装置の両側の偏光板用保護フィルムのハードコート性を有する層に対して、散乱性の付与、及び/又はその上へ反射防止層の付与を用いることも好ましい。
本発明の偏光板の反対側の保護フィルム4としては、各種液晶モードの正面方向や視野角を変化させた時のコントラストや色味を改善することができる光学補償フィルムも好ましく用いられ、光学補償フィルムが基材フィルムの上に光学補償層を形成した基材フィルムであることも好ましい。
また、反対側の保護フィルムの上に粘着剤を介して光学補償フィルムを貼り付けて用いることももう一つの好ましい形態である。
前記液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はECBモードであることが好ましい。
<TNモード>
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
<VAモード>
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
<OCBモード>
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
<IPSモード>
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
<ECBモード>
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<輝度向上フィルム>
輝度向上フィルムとしては、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光、又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。かかる輝度向上フィルムは、反射偏光、又は散乱偏光のバックライトからの再帰光を利用して、直線偏光の出射効率を向上できる。
例えば、異方性反射偏光子が挙げられる。異方性反射偏光子としては、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜が挙げられる。異方性多重薄膜としては、例えば、3M製のDBEFが挙げられる(例えば、特開平4−268505号公報等参照。)。
また、異方性反射偏光子としては、コレステリック液晶層とλ/4板の複合体が挙げられる。かかる複合体としては、日東電工製のPCFが挙げられる(特開平11−231130号公報等参照。)。
また、異方性反射偏光子としては、反射グリッド偏光子が挙げられる。反射グリッド偏光子としては、金属に微細加工を施し可視光領域でも反射偏光を出すような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等参照。)、金属の微粒子を高分子マトリック中に入れて延伸したようなもの(特開平8−184701号公報等参照。)が挙げられる。
また、異方性散乱偏光子が挙げられる。異方性散乱偏光子としては、3M製のDRPが挙げられる(米国特許第5825543号明細書参照)。
更に、ワンパスで偏光変換できるような偏光素子が挙げられる。例えば、スメクテイックCを用いたものなどが挙げられる(特開2001−201635号公報等参照。)。異方性回折格子が用いられる。
本発明の偏光板は輝度向上フィルムといっしょに用いることができる。輝度向上フィルムを用いる場合には、偏光板と輝度向上フィルムを密着することが偏光板への水分の浸入を防ぎ光漏れを抑制するためより好ましい。偏光板と輝度向上フィルムとは貼り合わせる接着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものを用いることが好ましい。
<タッチパネル>
本発明のフィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
<有機EL素子>
本発明のフィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
<被覆層用塗布液の調整>
<<被覆層用塗布液1の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液1を調製した。
[被覆層用塗布液1の組成]
・塩素含有重合体:R204
{旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンR204」} 10g
・テトラヒドロフラン 72g
・トルエン 18g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「チヌビン928」 0.3g
<<被覆層用塗布液2の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液2を調製した。
[被覆層用塗布液2]
・塩素含有重合体:R204
(旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンR204」) 10g
・n−メチルピロリドン 72g
・トルエン 18g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「チヌビン928」 0.3g
<<被覆層用塗布液3の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液3を調製した。
[被覆層用塗布液3]
・塩素含有重合体:R204
・ {旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンR204」} 10g
・シクロヘキサノン 72g
・トルエン 18g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「チヌビン928」 0.3g
<<被覆層用塗布液4の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液4を調製した。
[被覆層用塗布液4]
・塩素含有重合体:F216
{旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンF216」} 10g
・テトラヒドロフラン 72g
・トルエン 18g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「チヌビン928」 0.3g
<<被覆層用塗布液5の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液5を調製した。
[被覆層用塗布液5]
・塩素含有重合体:F216
{旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンF216」} 10g
・テトラヒドロフラン 22g
・トルエン 68g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「チヌビン928」 0.3g
<<被覆層用塗布液6の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液6を調製した。
[被覆層用塗布液6]
・ポリプラスチックス株式会社製TOPAS 6g
・コロネートL 0.5g
・テトラヒドロフラン 85g
・トルエン 9g
<<被覆層用塗布液7の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液7を調製した。
[被覆層用塗布液7]
・ポリプラスチックス株式会社製TOPAS 6g
・コロネートL 0.5g
・n−メチルピロリドン 85g
・トルエン 9g
<<パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成>>
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。更にヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は0.53Mpa(5.4kg/cm)であった。該温度を保持し、8時間反応を続け、圧力が0.31MPa(3.2kg/cm)に達した時点で加熱をやめ、放冷した。
室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。
更に、このポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより、下記構造式に示すパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.421であった。
<<被覆層用塗布液8の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液8を調製した。
[被覆層用塗布液8]
・パーフルオロオレフィン共重合体(1) 19g
・DPHA 1g
・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製 イルガキュア907 0.6g
・メチルエチルケトン 56g
・メチルイソブチルケトン 24g
<<被覆層用塗布液9の調製>>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、被覆層用塗布液9を調製した。
[被覆層用塗布液9]
・パーフルオロオレフィン共重合体(1) 19g
・DPHA 1g
・チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア907 0.6g
・n−メチルピロリドン 56g
・メチルイソブチルケトン 24g
(実施例1)
<偏光板用保護フィルムの作製>
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、スロットダイを有するコーターを用いて、被覆層用塗布液1をバックアップロール上のトリアセチルセルロースフィルム面上に直接押し出して塗布した。搬送速度30m/分の条件で塗布した後に、下記乾燥条件1に基づいて乾燥し、膜厚1.5μmの被覆層を形成した実施例1の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件1>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布1秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件2に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した実施例2の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件2>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布7秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
(実施例3)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件3に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した実施例3の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件3>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布45秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
(実施例4)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液4を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した実施例4の偏光板用保護フィルムを作製した。
(実施例5)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液6を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚3.0μmの被覆層を形成した実施例5の偏光板用保護フィルムを作製した。
(実施例6)
<偏光板用保護フィルムの作製>
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、スロットダイを有するコーターを用いて、被覆層用塗布液8をバックアップロール上のトリアセチルセルロースフィルム面上に直接押し出して塗布した。
搬送速度30m/分の条件で塗布した後に、上記乾燥条件1に基づいて乾燥し、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量200mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を行い、膜厚20μmの被覆層を形成した実施例6の偏光板用保護フィルムを作製した。
(比較例1)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件4に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例1の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件4>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、70秒間は乾燥風を吹き付けなかった。塗布70秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
(比較例2)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件5に基づいて乾燥した以外は同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例2の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件5>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布90秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
(比較例3)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件6に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例3の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件6>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布1秒後より風速2m/秒の80℃の風を20秒間当てて、その後100℃で45秒間乾燥させた。
(比較例4
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件7に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例4の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件7>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布1秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後室温で45秒間乾燥させた。
(比較例5)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例1における乾燥条件1の代わりに、下記乾燥条件8に基づいて乾燥した以外は実施例1と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例5の偏光板用保護フィルムを作製した。
<<乾燥条件8>>
塗布直後は、塗布面に平行に遮風版を設置し、乾燥風を吹き付けなかった。塗布1秒後より風速2m/秒の室温の風を20秒間当てて、その後150℃で45秒間乾燥させた。
(比較例6)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液2を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例6の偏光板用保護フィルムを作製した。
(比較例7)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液3を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚1.5μmの被覆層を形成した比較例7の偏光板用保護フィルムを作製した。
(比較例8)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液5を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚1.5μm被覆層を形成した比較例8の偏光板用保護フィルムを作製した。
(比較例9)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例2における被覆層用塗布液1の代わりに、被覆層用塗布液7を用いた以外は実施例2と同じ条件で、膜厚3.0μmの被覆層を形成した比較例9の偏光板用保護フィルムを作製した。
(比較例10)
<偏光板用保護フィルムの作製>
実施例5における被覆層用塗布液8の代わりに、被覆層用塗布液9を用いた以外は実施例5と同じ条件で、膜厚30μmの被覆層を形成した比較例10の偏光板用保護フィルムを作製した。
以上のように作製された実施例1〜6、及び比較例1〜10の偏光板用保護フィルムの「残留溶剤量」、「透湿度」、及び「耐光性」について、下記のようにして測定し、「密着性」について下記の評価基準に基づき評価した。それぞれの結果を表2に示す。
<<残留溶剤量>>
本発明における膜中残存有機溶剤の定量に関しては、水素炎イオン化検出器(FID)を装備したガスクロマトグラフィー(GC)を用いて行った。以下詳細に説明する。
なお、GC装置は、島津製作所製GC−2010型を用いた。
カラムについてはJ&W社製DB−624(長さ60m,直径0.32mm,膜厚1.8μm)を使用した。
測定サンプルの調整は、先ずネジ口瓶中にて透明基材及び被覆層が溶解する溶解用溶剤40gに測定するフィルム試料1.5gを添加し、栓をした後に室温にて60rpmで12時間攪拌することで、サンプル中の残存有機溶剤を溶解用溶剤中へ抽出し、サンプル液を作製した。
本発明に好ましい透明基材であるセルロースアシレート類からなる透明基材の場合は、n−メチルピロリドンを用いるのが最も好ましい。
作製したサンプル液0.5gを秤量し、n−メチルピロリドン2.5gを加え希釈した。
分析の際には、この溶液を所定の条件下(インジェクター温度230℃,検出器温度250℃,カラム温度80℃→4℃/min昇温→230℃5min保持,キャリアーガスHe90KPa,スプリット比1/20)のGC装置に1μl注入した。検出されるピークの面積値を,別途作成した3点検量線の面積値から濃度換算した。
本発明では、上記方法で使用した各溶剤の残留量を測定し、合計した値を残留量として用いた。
<<透湿度>>
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明にかかるフィルム試料70mmφを60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、JIS Z−0208に従った透湿カップを用いて、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で単位面積あたりの水分量(g/m)を算出した。吸湿剤の入れていないブランクのカップで透湿度の値を補正は行わなかった。
<<密着性の評価>>
フィルムの層間、あるいは支持体と塗布層との密着性は以下の方法により評価した。
塗布層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を行い、剥がれの有無を目視で観察する。
[評価基準]
○:剥がれがない
△:一部に剥がれがあるが実用上で問題がない
×:全面に剥がれがある
<<耐光性試験>>
スガ試験機株式会社製メタリングウエザーメーターMV3000を用い、放射照度530±25W/m(波長310〜400nm)、試験槽内温度40±5℃、ブラックパネル温度60±5℃、相対湿度50±10%の条件で、SUS板上に貼り付けたサンプルに1時間光照射する強調条件で光照射処理を行った。
下記数式(2)により算出される、透過光色味変化量(CIE1976L色空間における色差ΔEab値)にて評価を行った。L、a、bは、分光光度計(日本分光製UV3100積分球使用)を用い、250〜800nmの波長領域において、入射角2度で分光反射率を測定し、分光反射率より、CIE標準光源Cの透過光の色味L、a、bを算出した。ΔEabが2以上だと、透過光の黄変が強く、気になるレベルであった。
ΔEab=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2・・・・・・数式(2)
ΔL=L1−L2
Δa=a1−a2
Δb=b1−b2
(上記数式(2)中、L1、a1、b1、L2、a2、及びb2は、偏光板用保護フィルムのCIE標準光源Cの透過光の色味を、CIE1976L色空間のL値、a値、及びb値で表したものである。また、L1、a1、及びb1は、前記耐光性試験を実施する前の偏光板用保護フィルムのL値、a値、及びb値を表し、L2、a2、及びb2は、前記耐光性試験を実施した後の偏光板用保護フィルムのL値、a値、及びb値を表す。)
<<膜厚の測定>>
偏光板保護フィルムの断面をミクロトームを用いて切削し、断面から走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−570)を用いて反射電子モードで観察し、撮影された写真より被覆層、及び混合領域の層の厚さを求めた。
また、被覆層の膜厚分布を確認するために、幅方向、及び長手方向共に、20cm間隔で膜厚を求め、平均膜厚に対するバラツキを求めた。
表2に示すように、実施例1〜6の偏光板用保護フィルムは残留溶剤量が少なく、透湿度が低く、密着性、耐光性に優れることが認められた。
また、比較例3の偏光板用保護フィルムは、面肌が柚子肌状に荒れ、面状的に問題があり、性能評価を行わなかった。
特に、比較例4は乾燥が不十分で、未乾燥の状態であるため、性能評価を行わなかった。
比較例5は透明基材が熱ダメージを受け、シワがひどく、面状的に問題があり、性能評価を行わなかった。
実施例1〜6の偏光板用保護フィルムの被覆層の膜厚分布はどれも±10%以下であり、良好であった。
また、被覆層を塗布しない80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)は、透湿度が約1,400g/m・日と、本発明の偏光板用保護フィルムが有するバリア性は有さなかった。
<溶剤蒸発割合の測定>
各偏光板用保護フィルムの第1の乾燥工程で有機溶剤の50%以上蒸発するのにかかる時間を測定した。測定方法は、塗布後50秒経過したところで、塗膜を掻き取り、掻き取った塗膜の質量(W)を測定し、その後100℃で30分乾燥し、乾燥後の固形分の質量(W)を測定し、下記数式(4)より溶剤蒸発割合を求めた。
実施例1〜6の偏光板用保護フィルムでは、いずれも初期溶剤量の50質量%以上が蒸発しているのに対し、比較例1〜2、及び比較例6〜10の偏光板用保護フィルムはいずれも蒸発量が50%未満であった。
また、比較例3〜4の偏光板用保護フィルムはいずれも蒸発量が50%以上ではあったが、比較例3の偏光板用保護フィルムは、初期乾燥温度が高く、比較例4の偏光板用保護フィルムは後半の加熱乾燥がなく、比較例5の偏光板保護フィルムは後半の加熱乾燥温度が高すぎ、いずれも使用可能な塗膜が形成できなかった。
溶剤蒸発割合=((W/R)−W)/((W/R)−W)・・・・・・・・・数式(4)
:掻き取った塗膜の質量(g)
:乾燥後の固形分の質量(g)
R:塗布液中の固形分濃度(質量%)
溶剤蒸発割合の測定を塗膜の掻き取り時間を15秒に変更した以外は上記方法と同じ方法で実施したところ、実施例1、2および4〜6はいずれも初期溶剤量の50質量%以上が蒸発しているのに対し、実施例3の偏光板用保護フィルムはいずれも蒸発量が50%未満であった。
(実施例7〜12)
以下に記載の方法でハードコート層付き偏光板用保護フィルムを作製した。
<ハードコート層用塗布液の調製>
<<ゾル液aの調製>>
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mlの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン27.2g(0.20mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水15.1g(0.86mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液aを120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1,500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1,000〜20,000の成分は30%であった。
またH−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、以下の一般式で表される構造であった。
更に、29Si−NMR測定による縮合率αは0.56であった。この分析結果から、本シランカップリング剤ゾルは直鎖状構造部分が大部分であることが分かった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液1を調製した。
[ハードコート層用塗布液1の組成]
・PET−30 46.0g
・イルガキュア184 1.7g
・MX−600(30%) 28.6g
・FP−13 0.06g
・ゾル液a 7.0g
・MiBK(メチルイソブチルケトン) 13.0g
・MEK(メチルエチルケトン) 6.0g
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・イルガキュア184:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・MX−600: 平均粒径6μmPMMA粒子[屈折率1.49、綜研化学(株)製、30%MIBK分散液、ポリトロン分散機にて10,000rpmで20分分散後使用]
・FP−13:下記に示すフッ素系表面改質剤
<ハードコート層の塗設>
実施例1〜6の偏光板用保護フィルムを、ロール形態で巻き出して、スロットダイを有するコーターを用いて、ハードコート層用塗布液1をバックアップロール上の偏光板用保護フィルムの下塗り層2上に直接押し出して塗布した。搬送速度30m/分の条件で塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、更に窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ9.0μmの防眩性を有するハードコート層を形成し、巻き取り、実施例7〜12のハードコート層付き偏光板用保護フィルムを作製した。
<ハードコート層付き偏光板用保護フィルムの評価>
実施例7〜12によって得られた偏光板用保護フィルムについて、「積分反射率」、「鏡面反射率」及び「鉛筆硬度」を下記のようにして測定し、「防眩性」を下記評価基準に基づき評価した。結果を表3に示す。
<<積分反射率の測定>>
フィルムの裏面をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの積分反射率の算術平均値を用いた。
<<鏡面反射率の測定>>
フィルムの裏面をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における鏡面分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面反射率の算術平均値を用いた。
<<硬度の測定>>
[鉛筆硬度の測定]
本発明のフィルムの硬度を、JIS―K5400に従う鉛筆硬度試験で評価した。
<<防眩性>>
得られた液晶テレビにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8,000cd/m)を10度の角度から映し、−10度の方向から観察した際の蛍光灯の映り込みの程度を下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
○:蛍光灯の輪郭がぼやけ気にならない。
×:蛍光灯の輪郭が映り込み、気になる。
表3に示すように、実施例7〜12によって得られたハードコート層付き偏光板用保護フィルムは、防眩性、及び硬度に優れることが認められた。
(実施例13〜18)
以下に記載の方法で、低屈折率層付き偏光板用保護フィルムを作製した。
<分散液Aの調製>
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)500gに、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)30g、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5g加え混合した後に、イオン交換水を9gを加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8gを添加した。この分散液500gにほぼシリカの含量一定となるようにシクロヘキサノンを添加しながら、減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をシクロヘキサノンで調整し20質量%にしたときの粘度は25℃で5mPa・sであった。得られた分散液Aのイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
<ゾル液bの調製>
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液bを得た。質量平均分子量は1,600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1,000〜20,000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
<低屈折率層用塗布液1の調製>
エチレン性不飽和基含有含フッ素ポリマー(特開2005−89536公報製造例3に記載のフッ素ポリマー(A−1))固形分として45.0gをメチルイソブチルケトン500gに溶解し、更に、分散液Aを195質量部(シリカ+表面処理剤固形分として39.0質量部)、コロイダルシリカ分散物(シリカ、MEK−STの粒子径違い品、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)30.0質量部(固形分として9.0質量部)、ゾル液b17.0質量部(固形分として5.0質量部)、PM980M(光重合開始剤、和光純薬製)2.0質量部を添加した。塗布液全体の固形分濃度が6質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈して低屈折率用塗布液1を調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.38であった。
<低屈折率層の塗設>
実施例7〜12のハードコート層付き偏光板用保護フィルムをロール形態で巻き出して、スロットダイを有するコーターを用いて、低屈折率層用塗布液1をバックアップロール上の偏光板用保護フィルムのハードコート層を塗布してある面上に直接押し出して塗布した。120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取り、実施例13〜18の屈折率層付き偏光板用保護フィルムを作製した。
実施例13〜18によって得られた低屈折率層付き偏光板用保護フィルムについて、実施例7〜12と同様にして、「積分反射率」、「鏡面反射率」及び「鉛筆硬度」を測定すると共に、「防眩性」を評価した。結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例13〜18によって得られた低屈折率層付き偏光板用保護フィルムは更に反射防止性能も優れる。
したがって、実施例7〜18によって得られた本発明の低屈折率層付き偏光板用保護フィルム本発明のハードコート層付き偏光板用保護フィルム及び低屈折率層付き偏光板用保護フィルムは、液晶表示装置の外側(視認側)に用いるのに好ましい性能を有する。
(実施例16〜20)
<偏光子の作製>
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、沃化カリウム2質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し、50℃で4倍に延伸し、偏光子(偏光膜)を作製した。
<<鹸化処理>>
実施例1〜6の偏光板用保護フィルムと、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)と、光学異方性層が塗布されているWVフィルム(富士フイルム(株)製)とを、55℃の1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に120秒間浸漬した後、水洗乾燥した。
<偏光板の作製>
上記鹸化処理した実施例1〜6の偏光板用保護フィルムの被覆層が塗布されていない面と、上記鹸化処理したWVフィルムの光学異方性層が塗布されていない面とに、上記偏光子を、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として貼合し、実施例119〜24の偏光板を作製した。
(比較例11)
<偏光板の作製>
上記鹸化処理した実施例1〜5の偏光板用保護フィルムの代わりに上記鹸化処理した80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルムを用いた以外は偏光板19と同じ方法で、比較例11の偏光板を作製した。
<<偏光度>>
上記のようにして得られた実施例19〜24、及び比較例11の偏光板を、60℃、95%RHの環境下、1,000時間放置した後、偏光度を測定し、下記評価基準に基づき評価した。なお、偏光度は、波長550nmにおいて、下記数式(5)より求めた。
[評価基準]
○:偏光度が99%以上で問題ない。
△:偏光度が98%以上、99%未満。
×:偏光度が98%未満。
<<着色の評価>>
上記のようにして得られた実施例19〜24、及び比較例11の偏光板の偏光板用保護フィルムを目視観察し、下記評価基準に基づき、着色(黄変)の程度を判定した。
[評価基準]
○:ほとんど着色がないレベル。
△:ごく薄く着色があるものの、事実上問題のないレベル
×:着色が問題のレベル。
<<耐久性の評価>>
上記のようにして得られた実施例19〜24、及び比較例11の偏光板を60℃90%RH条件で500時間処理した後の偏光度を評価した。評価基準は上記偏光度と同じとした。
実施例19〜24、及び比較例11の偏光板の評価結果を表5に示す。
表5に示すように、実施例19〜24の偏光板は、比較例11の偏光板よりも耐久性が高いことが認められた。
(実施例25〜30)
<液晶表示装置の作製>
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(MRT−191S、三菱電機製)に設けられている偏光板を剥がし、代わりに実施例19〜24および比較例11の偏光板を、被覆層が外側(空気界面側)に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように粘着剤を介して貼り付けて、実施例25〜30および比較例12の液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の評価>
<<高湿及び低湿処理後の光漏れ評価(周辺ムラ評価)>>
液晶表示装置を60℃90%24時間処理後に、25℃60%の環境下で2時間放置した後、暗室において、実施例25〜30および比較例12の液晶表示装置を黒表示させ、正面からの光漏れを複数の観察者による目視で下記評価基準に基づき、評価した。評価結果を表6に示す。
[評価基準]
◎:光漏れは観察されなかった
△:光漏れがあるが問題のないレベルであった
×:光漏れがはっきり観察された
表6に示すように、実施例25〜30の液晶表示装置は、比較例11の液晶表示装置よりも、周辺ムラが発生しない優れた特性を示した。
実施例19〜24の偏光板作製時に実施例1〜6の偏光板用保護フィルムの代わりに、実施例7〜12の偏光板用保護フィルムを用いたところ、偏光板性能、液晶表示装置の周辺ムラ発生防止性能を損なわずに、表面硬度、防眩性を付与でき、液晶表示装置の外側に用いた時に、傷つきづらく、表面への反射像の映り込みが低減された、より優れた性能を示した。
実施例19〜24の偏光板作製時に実施例1〜6の偏光板用保護フィルムの代わりに、実施例13〜18の偏光板用保護フィルムを用いたところ、偏光板性能、液晶表示装置の周辺ムラ発生防止性能を損なわずに、表面硬度、防眩性、反射防止性能を付与でき、液晶表示装置の外側に用いた時に、傷つきづらく、表面への反射像の映り込みが更に低減された、特に優れた性能を示した。
また、本発明の偏光板用保護フィルムを用いて、IPS用、VA用、OCB用偏光板を作製し、各液晶表示装置に用いたところ、表示性能を悪化させることなく、光漏れを改善することができた。
図1Aは、本発明の偏光板用保護フィルムの一実施形態における構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の偏光板用保護フィルムの一実施形態における構成を示す断面図である。 図1Cは、本発明の偏光板用保護フィルムの一実施形態における構成を示す断面図である。 図2Aは、本発明の偏光板の一実施形態における構成を示す断面図である。 図2Bは、本発明の偏光板の一実施形態における構成を示す断面図である。 図2Cは、本発明の偏光板の一実施形態における構成を示す断面図である。 図2Dは、本発明の偏光板の一実施形態における構成を示す断面図である。 図3Aは、本発明の液晶表示装置の一実施形態における構成を示す断面図である。 図3Bは、本発明の液晶表示装置の一実施形態における構成を示す断面図である。
符号の説明
1 偏光板用保護フィルム
2 透明基材フィルム
3 被覆層
4 ハードコート層
5 偏光板
6 偏光子
7 偏光板用保護フィルム
8 液晶表示装置
9 液晶セル

Claims (19)

  1. 少なくとも有機溶剤を含む被覆層用塗布組成物を、前記有機溶剤によって膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布した後に、前記有機溶剤を乾燥して、前記透明基材上に低透湿性の被覆層を形成する乾燥工程を少なくとも含む偏光板用保護フィルムの製造方法によって作製された偏光板用保護フィルムであって、前記有機溶剤の残留量が1.0g/m以下であることを特徴とする偏光板用保護フィルム。
  2. 60℃、95%相対湿度での透湿度が700g/m・日以下である請求項1に記載の偏光板用保護フィルム。
  3. 透明基材が、セルロースアシレート類からなる請求項1から2のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  4. セルロースアシレート類が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、及びセルロースアセテートブチレートの少なくともいずれかである請求項3に記載の偏光板用保護フィルム。
  5. 透明基材の膜厚が、30μm〜120μmである請求項1から4のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  6. 被覆層の膜厚が、0.2μm〜10μmである請求項1から5のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  7. 被覆層用塗布組成物が、高分子樹脂を含む請求項1から6のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  8. 高分子樹脂が、塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含む樹脂、フッ素系樹脂、及びオレフィン系樹脂のいずれかを含む請求項7に記載の偏光板用保護フィルム。
  9. ハードコート性を有する層、及び反射防止層を有する層の少なくともいずれかである第2の層が、被覆層上に形成された請求項1から8のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  10. 被覆層用塗布組成物が、光安定化剤、及び熱安定化剤の少なくともいずれかを有する請求項1から9のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
  11. 少なくとも有機溶剤を含む被覆層用塗布組成物を、前記有機溶剤によって膨潤、又は溶解する透明基材上に塗布する塗布工程と、
    前記有機溶剤の残留量が1.0g/m以下になるように前記有機溶剤を乾燥して、前記透明基材上に低透湿性の被覆層を形成する乾燥工程とを含むことを特徴とする偏光板用保護フィルムの製造方法。
  12. 沸点が100℃以下の有機溶剤成分が、有機溶剤の30質量%以上含まれる請求項11に記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  13. 有機溶剤が少なくとも2種以上の有機溶剤成分からなり、透明基材を膨潤、又は溶解できず、かつ、沸点が100℃から200℃の有機溶剤成分が、前記有機溶剤の5質量%以上、70質量%未満含まれる請求項11から12のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  14. 乾燥工程は、被覆層用塗布組成物が透明基材上に塗布された後の1秒から50秒の間に有機溶剤の50%以上を蒸発させる第1の乾燥工程を含む請求項11から13のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  15. 乾燥工程は、有機溶剤の50%以上が蒸発するまでは70℃未満の乾燥温度で乾燥する第1の乾燥工程と、その後70℃以上、150℃未満の乾燥温度で乾燥する第2の乾燥工程とを含む請求項14に記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  16. 少なくとも有機溶剤を含有する第2の層用塗布組成物を被覆層上に塗布した後に、溶剤を乾燥して第2の層を形成する第2の層形成工程を含む請求項11から15のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  17. 請求項11から16のいずれかに記載の保護フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする偏光板用保護フィルム。
  18. 偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられた請求項1から10、及び請求項17のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムとを有することを特徴とする偏光板。
  19. 請求項1から10、及び請求項17のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムまたは請求項18に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示装置。
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