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JP2008248441A - 疎水化された微小繊維状セルロースを含む繊維シート - Google Patents

疎水化された微小繊維状セルロースを含む繊維シート Download PDF

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JP2008248441A JP2007092182A JP2007092182A JP2008248441A JP 2008248441 A JP2008248441 A JP 2008248441A JP 2007092182 A JP2007092182 A JP 2007092182A JP 2007092182 A JP2007092182 A JP 2007092182A JP 2008248441 A JP2008248441 A JP 2008248441A
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Abstract

【課題】吸湿及び吸湿による寸法変化が抑制され、繊維が効率よく結合された繊維シートを提供する。
【解決手段】繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースを含有する。疎水化された微小繊維状セルロースは、サイズ剤、油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水化剤で処理された微小繊維状セルロースであってもよい。疎水化剤の割合は、微小繊維状セルロース100重量部に対して、固形分換算で、0.01〜20重量部程度であってもよい。繊維シートは、無機繊維と、疎水化された微小繊維状セルロースとで構成してもよく、抄紙により得られる不織布状繊維シートであってもよい。繊維シートのCobbサイズ度は100g/m以下であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、疎水化された微小繊維状セルロースを含む繊維シート(特に、無機繊維と疎水化された微小繊維状セルロースとで構成された繊維シート(無機繊維マット))に関する。
比較的繊維径の小さい微小繊維は、各種添加剤、例えば、樹脂成形体の強度を向上させるためのフィラーとして、また不織布状シートの強度を改善するための添加剤(強化剤又は紙力増強剤など)、濾過性能を向上させるための濾過助剤、食品添加物などに広く利用されている。特に、微小繊維は、その表面積の大きさ、均一な分散性、絡みあい、粉体保持性などを利用して、繊維強化樹脂や抄紙体などの物性強度、隠蔽性、絶縁性、軽量化などを目的として広く実用化されている。例えば、繊維強化樹脂に用いられるフィラーとしての微小繊維は、その繊維長や繊維径によって物性は大きく変化し、一般的には、長く細いものほど、特性は向上することが知られている。
また、微小繊維状セルロースは、水への分散性及び保水性が高いため、食品、化粧品などの粘度調整に使用されたり、水分保持のための添加剤などとして使用されている。しかし、微小繊維状セルロースの高い保水性のため、製品の使用又は製造環境において、吸湿により形状又はサイズが変化したりする。なお、特開平9−59301号公報(特許文献1)には、微小繊維状セルロースが一旦乾燥されると微細繊維間に形成された水素結合のために単に水を加えても元の湿潤状態に復元しないことから、懸濁液の分散性及び繊維の復元性を改善するため、微小繊維状セルロースを含有する水性懸濁液に前記セルロースと水以外の第3成分(水溶性低分子、水溶性高分子、水不溶性又は水難溶性物質)を加えた後に脱水乾燥する方法が開示されている。特許文献1には、乾燥により得られる乾燥物が、通常の空気中に放置すると、空気中の水蒸気を吸着して平衡状態に達することも記載されている。
一方、自動車の排気ガス浄化用触媒コンバータにおける保持材として、無機繊維マットが使用されており、無機繊維をマット状に成形するために、ニードルパンチにより繊維の絡み合いを高めたり、各種バインダが使用されている。例えば、特開2002−292242号公報(特許文献2)には、厚さ方向に圧縮されたアルミナ質繊維マット中に熱分解によって消失する有機バインダが含有され、少なくとも片面に炭酸塩などの被覆層を形成した耐熱性マットが開示されており、有機バインダとしてゴム、水溶性有機高分子、樹脂などが例示されている。また、特開2005−54726号公報(特許文献3)にも、主に無機繊維から構成され、高温で5MPa以上の被覆強度を有する有機バインダを含有するマット状の保持シール材が開示されており、有機バインダとして、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂が例示されている。しかし、これらの文献で使用されているバインダは、バインダ力が小さいため、繊維マットに十分な強度を付与するためには多量に添加する必要があり、コスト的に不利である。また、多量のバインダを用いると、触媒の活性化工程や自動車走行における排出ガス量が大きくなるとともに、バインダの種類によっては、NOx,SOxを発生する虞があり、環境面での問題も生じる。
また、特開2004−3463号公報(特許文献4)には、フィブリル化した繊維で無機繊維を所定形状に成形した触媒コンバータ用保持材が開示されており、前記繊維としては木材パルプなどの天然繊維や有機繊維を用いることが記載されている。しかし、パルプなどのセルロース系繊維を用いると、吸湿により保持材(マット状保持材)の厚みが大きくなり、変形する虞がある。
特開平9−59301号公報(請求項1、段落番号[0004][0007][0010][0013]) 特開2002−292242号公報(請求項1、段落番号[0019]) 特開2005−54726号公報(請求項1及び2) 特開2004−3463号公報(請求項1、段落番号[0013])
従って、本発明の目的は、吸湿性が低く、吸湿による寸法変化を低減できる繊維シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、微小繊維状セルロースの使用量が少ないにも拘わらず、無機繊維などの繊維が効率よく結合した繊維シートを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、疎水化された微小繊維状セルロースで繊維シートを構成すると、繊維シートの吸湿による寸法変化を低減できるとともに、疎水化された微小繊維状セルロースを無機繊維などの繊維と組合せると、微小繊維状セルロースの使用量が少なくとも繊維を強固に結合できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースを含有する。疎水化された微小繊維状セルロースは、サイズ剤、油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水化剤で処理された微小繊維状セルロースであってもよい。前記疎水化剤は、中性サイズ剤、又は油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水性化合物のエマルションなどであってもよい。前記サイズ剤は、炭化水素基を有するケテンダイマー類、および炭化水素基を有する無水コハク酸類から選択された少なくとも1種で構成してもよい。前記疎水化された微小繊維状セルロースは、微小繊維状セルロース100重量部に対して、固形分換算で、0.01〜20重量部の割合の疎水化剤で処理されていてもよい。微小繊維状セルロースは、平均繊維長(L)0.01〜1mm、平均繊維径(D)0.001〜1μm、及び平均繊維長と平均繊維径との比(L/D比)1,000〜100,000を有してもよい。繊維シートは、無機繊維と、疎水化された微小繊維状セルロースとで構成してもよい。無機繊維100重量部に対する微小繊維状セルロースの割合は0.01〜20重量部程度であってもよい。繊維シートは、抄紙により得られる不織布状繊維シートであってもよく、抄紙後、厚さ方向に圧縮された圧縮シートであってもよい。圧縮後の繊維シートの厚みは2〜20mm程度であってもよい。繊維シートのCobbサイズ度は100g/m以下であってもよい。
本発明では、疎水化された微小繊維状セルロースで繊維シートを構成するので、吸湿性が低く、吸湿による繊維シートの寸法変化を低減できる。そのため、特に、マット状の繊維シートでも、吸湿を有効に防止でき、繊維シートの寸法安定性を改善できる。また、疎水化された微小繊維状セルロースと、無機繊維などの繊維とを組合せると、微小繊維状セルロースの使用量が少なくとも繊維を効率よくバインド(結合)させることができる。
本発明の繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースを含有する。
(疎水化された微小繊維状セルロース)
微小繊維状セルロースを構成するセルロースとしては、β−1,4−グルカン構造を有する多糖類である限り、特に制限されず、例えば、高等植物由来のセルロース[例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)など]、動物由来のセルロース(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロース、化学的に合成されたセルロース(再生セルロース(レーヨン、セロファンなど)などのセルロース誘導体なども含む)などが挙げられる。これらのセルロースは、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
上記セルロースのうち、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、コットンリンターなどの種子毛繊維などが好ましい。
微小繊維状セルロースは、セルロース繊維(前記例示のセルロースに対応するセルロース繊維)をミクロフィブリル化することにより得られる。なお、原料セルロース繊維として、パルプを用いる場合、パルプは、機械的方法で得られたパルプ(砕木パルプ、リファイナ・グランド・パルプ、サーモメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプなど)、または化学的方法で得られたパルプ(クラフトパルプ、亜硫酸パルプなど)などであってもよく、必要に応じて叩解(予備叩解)処理された叩解繊維(叩解パルプなど)であってもよい。原料のセルロース繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。なお、セルロース繊維は、慣用の精製処理、例えば、脱脂処理などが施された繊維(例えば、脱脂綿など)であってもよい。
原料セルロース繊維の平均繊維長は、例えば、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜4mm程度であってもよい。また、原料セルロース繊維の平均繊維径は、例えば、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは1〜30μm程度であってもよい。
微小繊維状セルロースは、原料セルロース繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化することにより得られる。
繊維を分散させる溶媒としては、繊維に化学的又は物理的損傷を与えず、繊維が溶媒中に分散できる限り特に制限されず、水、有機溶媒[アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのC1−4アルカノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのジC1−5アルキルケトン;シクロヘキサノンなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの環状又は鎖状C4−6エーテルなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類など]などが使用できる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、生産性、コストなどの点から水が好ましく、必要により、水と水性有機溶媒(C1−4アルカノール、アセトン、アセトニトリルなど)との混合溶媒を用いても良い。
また、繊維の分散は、慣用の手段、例えば、機械的攪拌手段(攪拌棒、攪拌子など)、超音波分散機などにより行ってもよい。また、分散液中のセルロース繊維の濃度(固形分濃度)は、例えば、0.001〜50重量%、好ましくは0.003〜40重量%、さらに好ましくは0.005〜30重量%程度であってもよい。
前記機械的剪断力としては、例えば、ホモジナイズ処理、叩解処理、超音波処理などが挙げられ、特に、ホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化することが多い。これらの処理は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。なお、必要により、繊維を叩解処理(予備叩解処理)した後、ホモジナイズ処理してもよい。ホモジナイズ処理では、前記分散液を、慣用の均質化装置(ホモジナイザー、特に高圧ホモジナイザー)に供することにより、繊維をミクロフィブリル化する。
なお、高圧ホモジナイザーは、内部に狭まった流路(例えば、オリフィス(小径オリフィスなど)など)を備え、この狭まった流路に前記分散液を通過させることにより、圧力を負荷し、容器内壁などの壁面に衝突させることにより、剪断応力又は切断作用を付与するタイプの装置であってもよい。このような高圧ホモジナイザーにおいて、狭まった流路の通過により負荷される圧力は、例えば、30〜100MPa、好ましくは35〜80MPa、さらに好ましくは40〜60MPa程度であってもよい。また、狭まった流路の通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、微小繊維のフィブリル化の程度及び分散液の均質化の程度を適宜調整することができ、上記工程の繰り返し数は、例えば、5〜30回、好ましくは7〜25回、特に10〜20回程度であってもよい。なお、このような高圧ホモジナイザーによるフィブリル化の詳細は、例えば、特公昭60−19921号公報などを参照できる。
このような方法により、セルロース繊維をミクロフィブリル化し、微小繊維状セルロースを安定な懸濁液(例えば、水懸濁液)の状態で得ることができる。このような懸濁液(スラリー状懸濁液)を、慣用の脱溶媒(脱水)方法、例えば、濾過、圧搾、遠心分離などにより脱溶媒してもよい。また、得られた微小繊維状セルロースは必要により慣用の乾燥方法により乾燥してもよい。
微小繊維状セルロース(及び疎水化された微小繊維状セルロース)は、平均繊維長(L)が0.01〜1.5mm、好ましくは0.02〜1mm、さらに好ましくは0.05〜0.7mm程度である。また、微小繊維状セルロースの平均繊維径(D)は、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.6μm(例えば、0.005〜0.5μm)、さらに好ましくは0.01〜0.1μm程度である。また、平均繊維径(D)に対する平均繊維長(L)の比(L/D比)は、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000程度であってもよい。
疎水化された微小繊維状セルロースは、前記微小繊維状セルロースを疎水化できればよく、例えば、微小繊維状セルロースの親水性基(ヒドロキシル基など)に適当な疎水性基(疎水性保護基)を結合させて疎水性基を導入することにより疎水化してもよく、微小繊維状セルロースの表面の少なくとも一部に疎水性化合物を付着させる(又は表面の少なくとも一部を疎水性化合物で被覆する)ことにより疎水化させてもよい。このような疎水化は、通常、微小繊維状セルロースを疎水化剤(前記微小繊維状セルロースの親水性基に疎水性基を結合可能な化合物(疎水性基を有する化合物)、前記微小繊維状セルロースの表面に付着可能な疎水性化合物など)で処理することにより行うことができる。
前記疎水性基(疎水性保護基)としては、例えば、ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基(C3−26アルキル基、好ましくはC6−24アルキル基など);シクロヘキシル基などのシクロアルキル基(C5−10シクロアルキル基など);フェニル基、トリル基などのアルキル基を置換基として有していてもよいアリール基(C6−20アリール基、C1−26アルキル−C6−20アリール基(好ましくはC6−24アルキル−C6−14アリール基)など);ベンジル基などのアラルキル基(C6−20アリール−C1−6アルキル基など);アシル基(アセチル基、ビニルカルボニル基などのC2−20脂肪族アシル基;ベンゾイル基などの芳香族アシル基など)などが挙げられる。疎水性基を有する化合物(保護剤又は疎水性保護剤)としては、前記保護基に対応する化合物であって、微小繊維状セルロースの親水性基(ヒドロキシル基など)と反応して結合を形成可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、金属アルキルアルコキシド、金属アリールアルコキシド、アシル化剤[酸ハライド(例えば、酢酸クロライド、プロピオン酸クロライドなどのアルキルカルボニルクロライドなど)、酸無水物(無水酢酸など)、アルケニルアシレート(例えば、1−アルケニルアシレート(例えば、酢酸イソプロペニルなどのC2−6アルカンカルボン酸イソプロペニルエステル)など)など]、サイズ剤などが挙げられる。
また、微小繊維状セルロースの表面に付着可能な疎水性化合物としては、例えば、油脂類[高級脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などのC10−35不飽和脂肪酸など)、高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどのC8−35脂肪酸金属塩など)、前記高級脂肪酸塩と多価アルコールとのエステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのC8−35脂肪酸エステルなど)、高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどのC8−35脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなど)、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリアルキルアリールシロキサンなど)など]、ワックス類[脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)など]、疎水性(又は水不溶性)樹脂(例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂など)などが挙げられる。これらの疎水性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
微小繊維状セルロースの疎水化を均一かつ効率よく行うため、疎水化剤は、通常、溶液、分散液、又はエマルションなどの形態で使用され、特に、水系の疎水化剤(分散液又はエマルション)であるのが好ましい。
疎水化剤としては、例えば、サイズ剤、前記疎水性化合物のエマルションなどを用いるのが実用上有利である。なお、疎水化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記サイズ剤としては、抄紙などの紙の製造に使用される慣用のサイズ剤(サイジング剤)が使用でき、酸性サイズ剤[ロジン系サイズ剤(例えば、ロジンをアルカリでけん化したけん化ロジンサイズ剤、無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸を付加した後、けん化した強化ロジンサイズ剤など)、石油系サイズ剤など]、中性サイズ剤などが挙げられる。これらのサイズ剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。サイズ剤のうち、ハンドリングの点から、中性サイズ剤を用いる場合が多い。
中性サイズ剤としては、例えば、炭化水素基[アルキル基(長鎖アルキル基など)、アルケニル基(長鎖アルケニル基など)などの脂肪族炭化水素基;アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基などの脂環族炭化水素基;アルキル基を置換基として有していてもよいアリール基、アラルキル基などの芳香族炭化水素基など]を有するケテンダイマー類、炭化水素基(前記炭化水素基など)を有する無水コハク酸類などが挙げられる。
炭化水素基を有するケテンダイマー類としては、例えば、アルキルケテンダイマー(AKD)[例えば、デシルケテンダイマー、ドデシルケテンダイマー、テトラデシルケテンダイマー、ヘキサデシルケテンダイマー、ステアリルケテンダイマー、エイコシルケテンダイマーなどのC8−30アルキル−ケテンダイマー(好ましくはC10−26アルキル−ケテンダイマーなど)など]、アルケニルケテンダイマー[長鎖アルケニル基を有するケテンダイマー、例えば、オクテニルケテンダイマー、デセニルケテンダイマー、ドデセニルケテンダイマー、テトラデセニルケテンダイマー、ヘキサデセニルケテンダイマー、オクタデセニルケテンダイマー、エイコセニルケテンダイマーなどのC8−30アルケニル−ケテンダイマー(好ましくはC10−26アルケニル−ケテンダイマーなど)など]、アルキル−シクロアルキルケテンダイマー[例えば、ノニルシクロヘキシルケテンダイマーなどのC4−30アルキル−C4−10シクロアルキル−ケテンダイマー(好ましくはC6−26アルキル−C5−8シクロアルキル−ケテンダイマーなど)など]、アルキル−アリールケテンダイマー[例えば、オクチルフェニルケテンダイマー、ノニルフェニルケテンダイマー、ドデシルフェニルケテンダイマーなどのC4−30アルキル−C6−20アリール−ケテンダイマー(好ましくはC6−26アルキル−C6−14アリール−ケテンダイマーなど)など]、アラルキルケテンダイマー[例えば、フェネチルケテンダイマーなどのC6−10アリール−C1−4アルキル−ケテンダイマー(好ましくはC6−8アリール−C1−2アルキル−ケテンダイマーなど)など]などが挙げられる。これらのケテンダイマー類のうち、長鎖脂肪族炭化水素基を有するケテンダイマー類[例えば、長鎖アルキル基を有するケテンダイマー類(例えば、C10−24アルキル−ケテンダイマーなど)など]が好ましい。
炭化水素基を有する無水コハク酸類としては、脂肪族炭化水素基を有する無水コハク酸類、例えば、アルケニル無水コハク酸(ASA)類[β−ブテニル無水コハク酸、β−オクテニル無水コハク酸、β−デセニル無水コハク酸、β−ドデセニル無水コハク酸、β−テトラデセニル無水コハク酸、β−ヘキサデセニル無水コハク酸、β−オクタデセニル無水コハク酸などのβ−C6−30アルケニル−無水コハク酸類(好ましくはβ−C8−26アルケニル−無水コハク酸類)、これらのアルケニル無水コハク酸類に対応するアルキル無水コハク酸類(アルケニル無水コハク酸類の水素添加物)などが挙げられる。これらの無水コハク酸類のうち、長鎖脂肪族炭化水素基を有する無水コハク酸類[例えば、長鎖アルケニル基を有する無水コハク酸類(例えば、β−C10−24アルケニル無水コハク酸類など)など]などが好ましい。
疎水性化合物のエマルションのうち、アクリル系樹脂のエマルション(アクリルエマルション)、ワックスエマルションなどが好ましい。エマルション中の前記疎水性化合物の割合(濃度)は、特に制限されず、例えば、5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%程度であってもよい。なお、エマルションとしては、市販品を用いてもよく、上記疎水性化合物を水及び有機溶媒(水に対して非混和性の有機溶媒など)に分散(又は乳化)させることにより得られるエマルションを用いてもよい。なお、疎水性化合物の溶媒への分散には、必要により、慣用の添加剤、例えば、乳化剤、界面活性剤などを用いてもよい。
このような疎水化剤を用いて、微小繊維状セルロースを処理すると、微小繊維状セルロースの親水性(及び吸湿性)を容易に抑制又は低減することができる。
なお、疎水化された微小繊維状セルロースを、焼結や分解処理などを要する用途(例えば、自動車の排気ガス浄化用触媒コンバータにおける保持材など)に使用する場合、疎水化剤は、窒素及び/又は硫黄原子を実質的に含有しないのが好ましい。
微小繊維状セルロースを処理する疎水化剤の割合は、微小繊維状セルロースを所望の程度に疎水化できればよく、例えば、微小繊維状セルロース100重量部に対して、固形分換算で、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部(例えば、0.5〜10重量部)、さらに好ましくは1〜8重量部程度である。
微小繊維状セルロースの疎水化処理は、微小繊維状セルロースと疎水化剤とを、必要により水及び/又は有機溶媒などの溶媒中で、混合することにより行うことができ、用途に応じて得られる混合物をそのまま使用してもよい。なお、溶媒中で、微小繊維状セルロースと、疎水化剤とを混合する場合、必要により、得られる混合物を、慣用の乾燥方法により乾燥してもよい。乾燥では、溶媒のみを除去してもよく、慣用の固液分離方法(濾過、デカンテーションなど)により、混合物から溶媒を疎水化剤の一部とともに除去し、残りの微小繊維状セルロースを乾燥してもよい。
(他の繊維)
本発明の繊維シートは、通常、バインダーとしての疎水化された微小繊維状セルロースとともに、他の繊維(有機繊維、無機繊維)を含有する。
前記有機繊維としては、天然繊維(例えば、セルロース、シルク、羊毛繊維など)、再生繊維(例えば、タンパク質又はポリペプチド繊維、アルギン酸繊維など)、瀝青炭質繊維(ピッチ系繊維など)、合成繊維(熱硬化性樹脂繊維、例えば、エポキシ樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、不飽和ポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド系樹脂繊維、ポリアミドイミド系樹脂繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)系樹脂繊維、ポリウレタン系樹脂繊維など;熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、ポリカーボネート系樹脂繊維、オレフィン系樹脂繊維、スチレン系樹脂繊維、アクリル系樹脂繊維、ビニル系樹脂繊維、ポリフェニレンオキシド系樹脂繊維、ポリフェニレンスルフィド系樹脂繊維など)などが挙げられる。
前記無機繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、銅繊維などの金属繊維、セラミックス繊維(アルミナを主成分とするアルミナ繊維(ムライト組成のアルミナ繊維(ムライト繊維)なども含む)、アルミナ及びシリカを主成分とするシリカアルミナ繊維など)などが挙げられる。
これらの繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、繊維の種類は、用途に応じて適宜選択できる。例えば、耐熱性のシート(又はマット)用途では、上記他の繊維のうち、無機繊維、特にセラミックス繊維を用いる場合が多い。
他の繊維の平均繊維径は、例えば、0.05〜25μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜15μm程度である。また、他の繊維の平均繊維長は、例えば、1〜20mm、好ましくは2〜15mm、さらに好ましくは3〜10mm程度である。
繊維シートにおける疎水化された微小繊維状セルロースの割合は、繊維(無機繊維など)100重量部に対して、例えば、0.01〜20重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは0.05〜10重量部(例えば、0.1〜5重量部)、さらに好ましくは0.2〜4重量部(例えば、0.5〜3重量部)程度であってもよい。本発明では、疎水化された微小繊維状セルロースを用いるため、使用量が少なくとも、繊維(特に無機繊維)を効率よくバインドすることができる。
繊維シートの形態は、特に制限されないが、通常、不織布状シートであってもよい。不織布状の繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースと、前記繊維(無機繊維など)とを抄紙することにより得られる。抄紙は、湿式抄紙又は乾式抄紙のいずれであってもよいが、湿式抄紙を用いる場合が多い。
湿式抄紙では、疎水化された微小繊維状セルロースと、他の繊維(無機繊維など)とを溶媒中に分散させてスラリー状にし、網(プラスチック製網、金網など)又は多孔板などを備えた手抄き抄紙器又は湿式抄紙機などを用いて、抄紙し、得られた繊維シートを乾燥する。
抄紙に使用する溶媒としては、前記微小繊維状セルロースの製造において、例示したセルロース繊維を分散させる溶媒と同様の溶媒などが使用でき、通常、水又は水と水性有機溶媒との混合溶媒(特に水)を用いるのが好ましい。
なお、繊維シートは、予め疎水化された微小繊維状セルロースを調製することなく、例えば、微小繊維状セルロースと、疎水化剤と、他の繊維とを溶媒中で混合、分散させて抄紙することにより製造してもよい。また、これらの3成分を溶媒中で混合する場合、混合順序は、特に制限されず、3成分を溶媒に添加した後混合してもよく、3成分のうち、2成分(例えば、微小繊維状セルロース及び他の繊維)を予め溶媒中で混合し、残る1成分(例えば、疎水化剤)を添加して混合してもよい。さらに、微小繊維状セルロースを溶媒中で製造した後、脱溶媒することなく、得られたスラリーに、疎水化剤及び他の繊維を混合し、抄紙してもよい。なお、他の繊維として無機繊維を用いる場合、疎水化剤は、無機繊維に対するよりも微小繊維状セルロースに対する親和性が高いため、微小繊維状セルロースに選択的に結合又は吸着(又は付着)して微小繊維状セルロースを効果的に疎水化できる。
得られたシートは、抄紙後、必要により、厚み方向に圧縮(プレス)してもよい。圧縮は、乾燥とともに行ってもよく、例えば、熱プレスにより、加圧状態で乾燥してもよい。圧縮の圧力は、例えば、1〜100MPa、好ましくは2〜90MPa、さらに好ましくは5〜80MPa程度であってもよい。乾燥温度は、例えば、5〜150℃、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは20〜95℃(例えば、50〜90℃)程度であってもよい。
前記繊維シートの厚みは、特に制限されず、例えば、0.01〜20mm、好ましくは0.05〜10mm、さらに好ましくは0.1〜5mm程度であってもよい。マット状の繊維シート(例えば、圧縮したマット状の繊維シート)の厚みは、例えば、2〜20mm、好ましくは3〜15mm、さらに好ましくは4〜10mm程度であってもよい。
本発明の繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースを含有するため、製造環境又は使用環境における吸湿が抑制されており、寸法の変化又は変形などが抑制されている。繊維シートの吸湿性は、サイズ度と相関があり、JIS P8140に定められたCobbサイズ度などで表すことができる。繊維シートのCobbサイズ度は、200g/m以下(例えば、0〜200g/m程度)、好ましくは150g/m以下(例えば、1〜150g/m程度)、さらに好ましくは100g/m以下(例えば、2〜100g/m程度)、特に3〜50g/m(例えば、4〜30g/m)程度であり、5〜20g/m程度であってもよい。
繊維シートは、粒状又はフレーク状の無機化合物、例えば、無機酸塩[炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩(アルカリ土類金属炭酸塩など);硫酸カルシウムなどの硫酸塩(アルカリ土類金属硫酸塩)など]、金属酸化物(二酸化チタンなどの金属酸化物など)、金属水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウムなど)、酸化ケイ素又はケイ酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、シリカなど)、タルク、クレー、セリサイト、ベントナイト、ガラス、黒鉛などを含有してもよい。これらの無機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機化合物の割合は、他の繊維100重量部に対して、例えば、0〜10重量部、好ましくは0.0001〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜2重量部(例えば、0.01〜1重量部)程度である。
また、繊維シートは、水溶性高分子、熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂など)、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリベンゾイミダゾール(PBI)系樹脂、ポリウレタン系樹脂など)などの有機系バインダを含有してもよい。前記水溶性高分子としては、多糖類(デキストリン、デキストラン、キシログルカン、カラギーナン、アルギン酸又はその塩、プルラン、澱粉、カチオン化澱粉、ペクチン、キチン、キトサンなど)、ガム類(キサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、ゲランガム、グアーガムなど)、水溶性蛋白質(カゼイン、アルブミンなど)、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はその塩(Na塩など)、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの有機系バインダは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。有機系バインダの割合は、固形分換算で、他の繊維100重量部に対して、例えば、0〜30重量部、好ましくは0.0001〜10重量部(例えば、0.0005〜5重量部)、さらに好ましくは0.001〜2重量部(例えば、0.001〜1重量部)程度である。
本発明の繊維シートは、疎水化された微小繊維状セルロースを含むため、吸湿が抑制され、高い寸法安定性を有しており、厚みが大きなマット状繊維シートであっても、寸法安定性に優れている。特にセラミックス繊維などの無機繊維と、疎水化された微小繊維状セルロースとで構成された繊維シート(特に、マット状繊維シート(又は繊維マット))は、寸法安定性のみならず、耐熱性にも優れており、自動車用触媒担持保持剤、耐熱ガスケット、耐熱フィルターなどとして有効である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合比率又は含量を示す「部」又は「%」は重量基準である。
実施例で得られた微小繊維状セルロース及び比較例で使用した繊維の平均繊維長及び平均繊維径は、公知の方法により算出した。また、得られた繊維シートについて、下記の手順に従って、保形性(寸法安定性)を評価するとともに、Cobbサイズ度を測定した。
(保形性)
実施例及び比較例で得られた繊維シートを、105℃にて1時間絶乾し、絶乾後の厚み(Tb)を、ダイヤルゲージを用いて測定した。次いで、繊維シートを、高温恒湿槽(50℃,90%Rh)内で4時間保持した後、厚み(Ta)をダイヤルゲージにより測定した。これらの厚みTa及びTbを用いて下記式により算出した値を、保形性評価の指標とした。なお、算出値が小さい程、保形性(寸法安定性)が高いことを意味する。
保形性=(Ta/Tb)×100(%)。
(Cobbサイズ度)
JIS P8140に準拠し、Cobbサイズ度を測定した。
製造例1(微小繊維状セルロースの製造)
市販のクラフトパルプ(平均繊維長3mm、平均繊維径約12μm)40gに、水20Lを加えてよく撹拌し、分散液を調製した。得られた分散液を、常温で均質化装置(GAULIN社製,15M−8TA)に仕込み、500kgf/cm(490MPa)の圧力下、装置を15回通過させて微小繊維状セルロースを得た。得られた繊維は平均繊維長0.6mm、平均繊維径0.03μmであった。次いで脱水を行い、固形分10%とした。
実施例1
下記の成分をジューサミキサーにて混合し、スラリーを得た。次いで、このスラリーを、200メッシュのSUS金網を用いて抄紙を行い、加圧状態にて80℃で乾燥することにより、抄紙構造の繊維シートを作製した。得られた繊維シートの厚みは5mmであり、Cobbサイズ度は12g/mであり、保形性は105%であった
シリカアルミナ繊維 100部
(新日化サーマルセラミックス(株)製、SCバルク1260のショットを除去したもの)
製造例1で得られた微小繊維状セルロース 10部(固形分10%)
水 12000部
アルケニル無水コハク酸 0.06部
(星光PMC(株)製、AS1540)
カチオン化澱粉 0.03部(固形分5%)
(日澱化学(株)製、EX−3)
炭酸カルシウム 0.08部。
実施例2
実施例1のアルケニル無水コハク酸に代えて、パラフィンワックスエマルション(日本精蝋(株)製、EM136)0.1部(固形分40%)を用い、カチオン化澱粉及び炭酸カルシウムを使用しない以外は、実施例1と同様に操作を行い、厚み5mmの抄紙構造を有する繊維シートを得た。
比較例1
実施例1において、アルケニル無水コハク酸、カチオン化澱粉及び炭酸カルシウムを使用しない以外は実施例1と同様に操作を行い、繊維シートを得た。
比較例2
実施例1において、アルケニル無水コハク酸及び炭酸カルシウムを使用しない以外は実施例1と同様に操作を行い、繊維シートを得た。
実施例及び比較例で得られた繊維シートのCobbサイズ度及び保形性の結果を表1に示す。
Figure 2008248441
表1から明らかなように、比較例に比べ、実施例の繊維シートでは、保形性が高く、Cobbサイズ度も非常に小さな値となった。

Claims (11)

  1. 疎水化された微小繊維状セルロースを含む繊維シート。
  2. 疎水化された微小繊維状セルロースが、サイズ剤、油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水化剤で処理された微小繊維状セルロースである請求項1記載の繊維シート。
  3. 疎水化剤が、中性サイズ剤、又は油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水性化合物のエマルションである請求項2記載の繊維シート。
  4. サイズ剤が、炭化水素基を有するケテンダイマー類、および炭化水素基を有する無水コハク酸類から選択された少なくとも1種で構成されている請求項2記載の繊維シート。
  5. 疎水化された微小繊維状セルロースが、微小繊維状セルロース100重量部に対して、固形分換算で、0.01〜20重量部の割合の疎水化剤で処理されている請求項2記載の繊維シート。
  6. 微小繊維状セルロースが、平均繊維長(L)0.01〜1mm、平均繊維径(D)0.001〜1μm、及び平均繊維長と平均繊維径との比(L/D比)1,000〜100,000を有する請求項1記載の繊維シート。
  7. 無機繊維と、疎水化された微小繊維状セルロースとで構成された請求項1記載の繊維シート。
  8. 無機繊維100重量部に対する微小繊維状セルロースの割合が0.01〜20重量部である請求項7記載の繊維シート。
  9. 抄紙により得られる不織布状繊維シートであって、抄紙後、厚さ方向に圧縮された圧縮シートである請求項1又は7記載の繊維シート。
  10. 圧縮後の厚みが2〜20mmである請求項9記載の繊維シート。
  11. Cobbサイズ度が100g/m以下である請求項1記載の繊維シート。
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