JP2008247296A - 下腿部拘束装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両衝突時に、乗員の下肢が外傷を受けることを防止し、また、乗員の身体の位置がずれることを防いでエアバッグ放置やシートベルトの効果を十分に発揮させるようにすることが可能な装置を提供する。
【解決手段】本発明は、車両(1)のインストルメントパネル本体(4)に形成した収容部(4a)に、車両フロア面に対して車両前方に向けて下傾斜した形態で配され、乗員(9)の下腿部(9a)に向けて突出可能なパネル突出部(11)と、前記車両(1)の衝突を検知する衝突検知部(13)と、前記衝突検知部(13)が前記車両(1) の衝突を検知したときに、前記パネル突出部(11)を前記収容部(4a)から突出させる突出部作動手段(12)とを備え、前記突出部作動手段(12)が前記パネル突出部(11)を突出させることにより、前記乗員(9)の下腿部(9a)の動きを規制してなることに特徴を有している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、車両(1)のインストルメントパネル本体(4)に形成した収容部(4a)に、車両フロア面に対して車両前方に向けて下傾斜した形態で配され、乗員(9)の下腿部(9a)に向けて突出可能なパネル突出部(11)と、前記車両(1)の衝突を検知する衝突検知部(13)と、前記衝突検知部(13)が前記車両(1) の衝突を検知したときに、前記パネル突出部(11)を前記収容部(4a)から突出させる突出部作動手段(12)とを備え、前記突出部作動手段(12)が前記パネル突出部(11)を突出させることにより、前記乗員(9)の下腿部(9a)の動きを規制してなることに特徴を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両に取り付けられ、車両の衝突時などに乗員の下腿部を拘束して乗員の身体が足元の空間部へ沈み込むことを効果的に防ぐことが可能な下腿部拘束装置に関する。
従来から、自動車などの車両が衝突したときに、その衝撃から乗員の膝部を保護する装置として、例えば特開2005−96510号公報(特許文献1)に開示されているようなニーボルスターが知られている。この特許文献1に開示されているニーボルスター124は、図3に助手席側を示したように、車両110のインストルメントパネル118の下部に設けられており、フロントシート120に着座した乗員128の左右の膝部128Aに対向して配されている。
このニーボルスター124は、乗員128の膝部128Aを車体前方側から拘束する下肢拘束部130と、下肢拘束部130を乗員128の膝部128Aに向けて水平に移動させるアクチュエータ132とを有している。また、前記下肢拘束部130は、基材130Aと、その基材130Aの乗員側に配設されたエネルギー吸収部材130Bとからなり、エネルギー吸収部材130Bの乗員側端部には連結パネル134が固定されている。なお、連結パネル134は、インストルメントパネル118の一般面118Aの一部を構成している。
前記アクチュエータ132は、インフレータ148と、図示しないシリンダーとを有しており、インフレータ148からガスを発生させてシリンダーのピストンロッドを乗員方向に移動させることにより、下肢拘束部130を水平移動させる。このアクチュエータ132は、インパネリインフォース136に形成された取付部136Aに、ブラケット138を介して固定されている。この場合、ブラケット138の前壁部には、インパネリインフォース136の取付部136Aに、ボルト、ナット等の締結部材によって固定されており、ブラケット138の下壁部には、アクチュエータ132が締結部材によって固定されている。
また、ニーボルスター124は、車両110の衝突を検出する加速度センサー112を備えており、この加速度センサー112は、マイクロコンピュータを備えた制御回路114に接続されている。なお、前記特許文献1において、乗員128は、フロントシート120に着座してシートベルト182を着用している。また、インストルメントパネル118の上部118Cに助手席用エアバッグ装置176が配設されており、このエアバッグ装置176のエアバッグ袋体178を膨張展開させるインフレータ180が、前記制御回路114に接続されている。
このような前記特許文献1のニーボルスター124によれば、車両110が衝突した際に、先ず制御回路114が、加速度センサー12からの入力信号に基づいて車両110が衝突したか否かを判定する。そして、制御回路114により車両110が衝突したことが判定されると、制御回路114はニーボルスター124のアクチュエータ132のインフレータ148を作動させて、インフレータ148でガスを発生させる。
これにより、アクチュエータ132が有するシリンダーのピストンロッドが乗員方向へ直線的に移動し、このピストンロッド50と一体的に下肢拘束部130が乗員128の膝部128Aに向けて水平に突出して膝部128Aを拘束するため、前席に着座した乗員128の膝部128Aが保護される。
特開2005−96510号公報
従来から車両が衝突したときのシミュレーションを実施して、車両衝突時の乗員の挙動を調べることにより乗員の安全性を更に高めることが行われてきている。また、このような衝突時のシミュレーションにおいて、乗員が車両のフロントシートにシートベルトを装着して衝突した場合の乗員の挙動を調べたときに、乗員の姿勢やシートベルトのかかり具合等によっては、乗員の身体がシートの上を滑り、シートベルトの下へ潜り込んで沈むような状態になって、足の方からインストルメントパネルの下方に向けて前方に投げ出される現象(サブマリン現象)が生じることが知られている。
また一般に、自動車等の車両においては、快適な居住性を確保するため、車室の上部空間を広く形成するとともに、シートの下部前方に設けられる足元の空間も広く形成してゆとりを持たせるように設計されていることが多い。しかし、このような足元の空間が広く形成された車両に対して、前記特許文献1に記載されているニーボルスターが装備された場合、例えば車両が衝突したときに、前述のように乗員の身体がシートの上を滑り、シートベルトの下へ潜り込んでしまうと、図3に示したようなニーボルスター124では乗員の膝部128Aがニーボルスター124の下方へすり抜けてしまい、乗員128の膝部128Aが適格に保護されないという懸念がある。
更にこの場合、上述のように乗員の下肢がニーボルスター124の下方へ潜り込むことにより、乗員の身体の位置が下方にずれてしまうと、シートベルトの効果を十分に得ることができない。しかも、ステアリングホイールやインストルメントパネルの上部に配設した運転席用及び助手席用エアバッグ放置が作動してエアバッグ袋体が膨張展開しても、乗員の頭部がエアバッグ袋体で的確に緩衝支持されず、エアバッグ装置の効果を十分に得ることが難しいという懸念もあった。
本発明は、かかる従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、車両が衝突したときに、乗員の下肢が外傷を受けることを防止し、また、乗員の下肢がインストルメントパネルの下方に潜り込んで乗員の身体の位置がずれることを防いで、エアバッグ放置やシートベルトの効果を十分に発揮させるようにすることが可能な装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される下腿部拘束装置は、基本的な構成として、車両のインストルメントパネル本体の下方部に形成した収容部に、前記インストルメントパネル本体の一部として車両フロア面に対して車両前方に向けて下傾斜した形態で配され、乗員の下腿部に向けて突出可能なパネル突出部と、前記車両が衝突したときに、その衝突を検知する衝突検知部と、前記衝突検知部が前記車両の衝突を検知して前記乗員の頭部を保護するエアバッグ装置が膨張展開する前に、前記パネル突出部を前記収容部から突出させる突出部作動手段と、を備え、前記突出部作動手段が前記パネル突出部を突出させることにより、前記乗員の下腿部の動きを規制してなることを最も主要な特徴とするものである。なお、本発明において、パネル突出部の形状は、平板状や湾曲面を有する立体形状など必要に応じて適宜設定することができる。
本発明に係る下腿部拘束装置において、前記衝突検知部は、前記車両の衝突前にその衝突を予測する衝突予測部を有してなり、前記突出部作動手段は、前記パネル突出部を進退可能に支持し、前記衝突予測部が前記車両の衝突を予測したときに、前記パネル突出部を突出させ、前記衝突予測部が車両の衝突が回避したことを判断したときに、前記パネル突出部を前記収容部に後退させることが好ましい。
また、本発明において、前記パネル突出部は、前記乗員の前記下腿部に対向して配される拘束面と、前記パネル突出部が突出したときに前記拘束面と平行に延出する延出部とを有していることが好ましい。
更に、前記パネル突出部は、前記衝突検知部が前記車両の衝突を検知したときに、前記収容部から突出した前記パネル突出部又はそのパネル突出部から延出した前記延出部と、前記インストルメントパネル本体との間に膨張展開する小型エアバッグ装置を有していることが好ましい。
本発明に係る下腿部拘束装置は、インストルメントパネル本体に形成した収容部に、車両フロア面に対して車両前方に向けて下傾斜した形態で配されたパネル突出部と、車両の衝突を検知する衝突検知部と、衝突検知部が衝突を検知したときに、前記パネル突出部を収容部から突出させる突出部作動手段とを備えている。また、この下腿部拘束装置は、突出部作動手段がパネル突出部を車両後方斜め下側又は下方側に向けて突出させることにより、インストルメントパネル本体の下方部に設けられている足元の空間を狭めて、乗員の下腿部の動きを規制している。
このような本発明の下腿部拘束装置によれば、車両が衝突したときにパネル突出部が突出することにより、乗員の下腿部を保護して下肢が外傷を受けることを効果的に防止できるとともに、乗員の下腿部の動きを規制して乗員の下腿部が前方へ移動することを抑制することができる。
従って、例えば乗員の身体がシートの上を滑ってシートベルトの下へ潜り込もうとしても、乗員の下腿部の動きが規制されているため、フロントシート上で乗員の身体の位置がずれることを防ぐことができる。その結果、シートベルトの効果を十分に得ることができるとともに、エアバッグ放置が作動したときに乗員の頭部をエアバッグ袋体で的確に緩衝支持して確実に保護することができるため、乗員の安全性が大幅に向上する。
また本発明の下腿部拘束装置において、前記衝突検知部が車両の衝突を予測する衝突予測部を有するとともに、前記突出部作動手段がパネル突出部を進退可能に支持して、衝突予測部が車両の衝突を予測したときには、パネル突出部を突出させ、衝突予測部が車両の衝突が回避したことを判断したときには、パネル突出部を収容部に後退させる。これにより、実際に車両が衝突したときにパネル突出部が確実に突出しているため、乗員の下腿部の動きを確実に規制して乗員の身体の位置がずれることを防ぐことができる。
また、突出部作動手段がパネル突出部を進退可能に支持していれば、幸いにして衝突が回避されたときには、パネル突出部を収容部に戻すことができるため、部品を交換することなく下腿部拘束装置を繰り返し使用することができる。更に、このように下腿部拘束装置の反復使用ができれば、例えばパネル突出部を突出させるための閾値を低く設定して、衝突可能性が決して高くないにしろ相当の可能性が認められる場合に、下腿部拘束装置を作動させることができるため、乗員の安全性の確保をより確実に実現できる。
更にこの場合、本発明の下腿部拘束装置を車両衝突前の早い段階で作動させることができるため、例えば前記突出部作動手段として、動作速度が幾分遅いものも使用することが可能となり、突出部作動手段を安価に構成すること可能となる。また、衝突検知部の衝突予測部として、高精度で高価な装置を使用せずに、予測精度が幾分低く構成されたものも使用することが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の下腿部拘束装置において、前記パネル突出部は、前記乗員の前記下腿部に対向して配される拘束面と、前記パネル突出部が突出したときに前記拘束面と平行に延出する延出部とを有している。これにより、乗員の下腿部の保護可能面積が拡大して、乗員の下肢をより効果的に保護でき、また、乗員の下腿部の動きをより確実に規制することができる。
また、本発明における前記パネル突出部は、衝突検知部が車両の衝突を検知したときに、収容部から突出したパネル突出部又はそのパネル突出部から延出した延出部と、インストルメントパネル本体との間に膨張展開する小型エアバッグ装置を有している。従って、例えば小型エアバッグ装置がパネル突出部とインストルメントパネル本体との間に設けられている場合には、車両が衝突したときに、突出したパネル突出部とインストルメントパネル本体とが互いに違い棚状の位置関係に配されて、その両者の間にエアバッグ袋体が膨張展開する。このため、乗員の下腿部をパネル突出部を介して小型エアバッグ装置によって緩衝支持することができ、乗員の下肢が受ける衝撃力を緩和することができる。
一方、小型エアバッグ装置が延出部とインストルメントパネル本体との間に設けられている場合には、車両が衝突したときに、延出部の裏面とインストルメントパネル本体の表面との間にエアバッグ袋体が膨張展開するため、乗員の下腿部を小型エアバッグ装置によって更に効果的に緩衝支持し、乗員の下肢が受ける衝撃力を大きく緩和することができる。
以下、本発明に係る下腿部拘束装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
ここで、図1は、本実施形態の下腿部拘束装置が装備された車両の断面を示す断面図であり、図2は、同下腿部拘束装置の構成を模式的に示す要部斜視図である。
ここで、図1は、本実施形態の下腿部拘束装置が装備された車両の断面を示す断面図であり、図2は、同下腿部拘束装置の構成を模式的に示す要部斜視図である。
本実施形態において、自動車の車両1には運転者(乗員)9が着座するフロントシート(運転席)2が配されており、このフロントシート2にはシートベルト3が備えられている。フロントシート2の前方にはインストルメントパネル本体4が設けられており、インストルメントパネル本体4の下方部には、後述するパネル突出部11を収容するための収容部4aが、インストルメントパネル本体4の下方に形成される足元の空間部20の幅方向の寸法と略同等の幅寸法で形成されている。
また、インストルメントパネル本体4の内部には、ステアリングコラムシャフト5と、そのステアリングコラムシャフト5を支持固定するステアリングメンバ6とが配されている。このステアリングメンバ6は車幅方向に沿って延設されており、ステアリングメンバ6の左右両端部は、図示しないブラケットを介して車体の左右のサイドフレームと連結されている。
前記ステアリングコラムシャフト5の後端部には、ステアリングホイール7が回動可能に装着されており、このステアリングホイール7の基端部には、ステアリングコラムシャフト5を覆うようにコラムカバー8が配されている。更に、ステアリングホイール7には、図示しない運転席用エアバッグ装置が装着されている。
このような構成を有する車両1において、本実施形態の下腿部拘束装置10は、インストルメントパネル本体4の収容部4aに配されたパネル突出部11と、パネル突出部11を進退可能に保持する突出部作動手段12と、車両1の衝突を検知する衝突検知部13とを備えている。
前記パネル突出部11は、乗員9の左右の下腿部9aを的確に拘束できるように足元空間部20の幅方向の寸法と略同等の幅寸法で形成されており、通常時(下腿部拘束装置10の非作動時)にはフロントシート2に着座した乗員9の足元の空間部20を広く確保するために、インストルメントパネル本体4の一部として、車両フロア面に対して車両前方に向けて前下がりに傾斜した形態で前記収容部4aに収容されている。
このパネル突出部11は、芯部の表面(乗員対向面)に表皮部を積層して略平板状に形成されており、パネル突出部11に乗員9の下腿部9aが衝き当たったときに下腿部9aが外傷を受けることを防いでいる。この場合、前記芯部の材質は特に限定されないが、例えば鋼板、繊維強化プラスチック、発泡ブロー成形した樹脂パネルなどを芯部として使用することができる。なお、本発明において、パネル突出部11の形状や、後述する延出部14の形状は特に限定されるものではなく、上述のような略平板形状の他に、例えば乗員の下腿部に沿うように湾曲面を有する立体的な形状に形成することも可能であり、必要に応じて適宜変更することができる。
前記表皮部としては、ポリウレタンフォームやポリエチレンフォームなどからなるクッション材、又は熱可塑性ポリオレフィン樹脂や無発泡ポリウレタン樹脂などからなる表皮材を使用することができる。更に、本発明では、パネル突出部11を、例えば前記芯材にポリプロピレン樹脂などの樹脂パネルを重ね合わせることによって形成することも可能である。
また、前記パネル突出部11は、乗員9の下腿部9aに対向する対向面(拘束面)11aとは反対側の裏面に、拘束面と平行に車両前方側に向けて延出する延出部14と、その延出部14を進退可能に支持する延出部作動手段15と、延出部14の先端部に配された小型エアバッグ装置16とを有している。
前記延出部14は、パネル突出部11と同じ材質で平板状に形成されており、通常時にはパネル突出部11の裏面側に収容されている。前記延出部作動手段15は、衝突検知部13からの信号を受けて、延出部14を車両前方側に延出し、また、延出した延出部14をパネル突出部11の裏面側に移動させて収容するように構成されている。この延出部作動手段15の駆動源としては、例えばステップモータ、空圧装置、油圧装置などの可逆的に動作するものが使用される。
前記小型エアバッグ装置16は、パネル突出部11から延出した延出部14とインストルメントパネル本体4との間で膨張展開するエアバッグ袋体16aと、ガスを発生してエアバッグ袋体16aに導入するインフレータ16bとを有しており、前記エアバッグ袋体16aは、所定の形状に平たく折り畳まれた状態で延出部14の裏面側に取り付けられている。また、前記インフレータ16bは延出部14の先端部に内設されており、衝突検知部13からの信号を受けて作動するように構成されている。
本実施形態の下腿部拘束装置10における前記突出部作動手段12は、並列して設けられた左右の2つのシリンダー部12aと、その駆動部12bとにより構成されている。前記シリンダー部12aは、ブラケット17を介してステアリングメンバ6にそれぞれ固定されているとともに、シリンダー部12aのシリンダーロッド先端に固定具18を介してパネル突出部11を保持している。なお、本発明では、前記シリンダー部12aの代わりに、リンク装置を用いた関節状の可動フレーム構造を用いて突出部作動手段12を構成することも可能である。また、前記駆動部12bとしては、ステップモータ、空圧装置、油圧装置などの可逆的に動作するものが使用される。
前記衝突検知部13は、車両1の減速度を検知する加速度センサー又は車両1の衝撃を検知するインパクトセンサーと、加速度センサー又はインパクトセンサーを解析して車両1の衝突を検出するマイクロコンピュータとを備えている。更に、衝突検知部13は、車両1の衝突前にその衝突を予測する衝突予測部を有しており、この衝突予測部は、例えばCCDカメラやレーダー装置により得られる画像をマイクロコンピュータで解析し、車両周辺の車外物体(障害物)の位置や距離、及びそれらの経時変化などの情報を取得し、これらの情報から車両1の衝突を予測する。
なお、本発明において、衝突検知部13は、車両1の衝突を検知することができれば、上述のような衝突予測部を省略することができ、また、衝突予測部で車両1の衝突を判断することができれば、上述のような加速度センサーやインパクトセンサーの配設を省略することも可能である。
また、前記衝突検知部13のマイクロコンピュータは、突出部作動手段12、延出部作動手段15、及び小型エアバッグ装置16に電気的に接続されており、車両1の衝突が予測されたときに突出部作動手段12の駆動部12bと延出部作動手段15の駆動源とを起動し、その後、車両1の衝突が検知されたときには、小型エアバッグ装置16のインフレータ16bを作動させてガスを発生させるように設定されている。また、例えば車両1の衝突が予測されずに車両1の衝突が検知されたときには、突出部作動手段12の駆動部12bと延出部作動手段15の駆動源とを起動すると同時に、小型エアバッグ装置16のインフレータ16bを作動させるように設定されている。
次に、車両1が衝突したときの下腿部拘束装置10の作用について説明する。
本実施形態の下腿部拘束装置10は、車両1が衝突する前に、衝突検知部13の衝突予測部によって車両1と車外物体との急接近が検知されて車両1の衝突が予測されると、衝突検知部13のマイクロコンピュータが突出部作動手段12の駆動部12bと延出部作動手段15の駆動源とを起動する。
本実施形態の下腿部拘束装置10は、車両1が衝突する前に、衝突検知部13の衝突予測部によって車両1と車外物体との急接近が検知されて車両1の衝突が予測されると、衝突検知部13のマイクロコンピュータが突出部作動手段12の駆動部12bと延出部作動手段15の駆動源とを起動する。
これにより、突出部作動手段12は、パネル突出部11をインストルメントパネル本体4の収容部4aから、図1に仮想線で示すように車両後方斜め下側に向けて突出させる。これとともに、延出部作動手段15は、パネル突出部11の裏面に配された延出部14をパネル突出部11の拘束面と平行に車両前方側に向けて延出させる。その結果、インストルメントパネル本体4の下方部に設けられた足元の空間部20が狭められる。
更にその後、衝突検知部13で車両1が衝突したことが検知されると、衝突検知部13のマイクロコンピュータが小型エアバッグ装置16のインフレータ16bを作動させて、エアバッグ袋体16aを延出部14とインストルメントパネル本体4との間で膨張展開させる。
これにより、車両1が衝突したときに、突出したパネル突出部11及び延出した延出部14によって乗員9の下腿部9aを拘束して保護し、乗員9の下肢が外傷を受けることを防ぐことができる。それとともに、延出部14とインストルメントパネル本体4との間で膨張展開したエアバッグ袋体16aによって下腿部9aを効果的に緩衝支持し、乗員の下肢が受ける衝撃力を緩和することができる。
また、車両1の衝突前に、パネル突出部11が突出するとともに延出部14が延出して足元の空間部20が狭められているため、車両衝突時に乗員9の下腿部9aの動きが確実に規制されて、乗員9の下腿部9aが前方へ移動することを抑制できる。これにより、乗員9の身体がシートベルトの下へ潜り込むことを防いで、乗員9の身体の位置がフロントシート上でずれることを防止できる。
その結果、車両衝突時にシートベルト3が効果的に機能して、乗員9の頭部や胸部がフロントガラスやハンドルにぶつけられること防ぎ、更に、乗員9が車外に放り出されることを防ぐことができる。また、ステアリングホイール7に装着した運転席用エアバッグ装置が作動することにより、そのエアバッグ袋体で乗員の頭部を的確に緩衝支持して確実に保護することができるため、乗員の安全性を大幅に向上させることができる。
なお、本実施形態の下腿部拘束装置10において、衝突検知部13の衝突予測部で車両1の衝突が予測されて、パネル突出部11を突出させるとともに延出部14を延出させた後に、同衝突予測部で車両1の衝突が回避されたことが判断されたときは、衝突検知部13のマイクロコンピュータは突出部作動手段12の駆動部12bと延出部作動手段15の駆動源とを制御して、延出部14をパネル突出部11の裏面側に戻して収容するとともに、パネル突出部11を後退させてインストルメントパネル本体の収容部4aに収容する。これにより、本実施形態の下腿部拘束装置10は、車両1の衝突が起きなければ、部品の交換を行うことなく繰り返して作動させることができるため、コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、前記実施形態の下腿部拘束装置10は、フロントシート2の運転席側に配設されているが、本発明では、フロントシートの助手席側にも前記下腿部拘束装置10と同様の構成を有する下腿部拘束装置を配設することができ、助手席側に着座した乗員の安全性を大幅に向上させることができる。
また、前記下腿部拘束装置10では、突出部作動手段12の駆動部12b及び延出部作動手段15の駆動源として、前述のように可逆的に動作するものを使用しているが、本発明では、パイロアクチュエータ(小型の火薬式駆動装置)のような不可逆的に動作するものを使用することも可能である。この場合、パイロアクチュエータは容易に交換できるように配設するとともに、突出したパネル突出部11と延出した延出部14とを手動で元の位置に復旧させるように構成することが好ましい。これにより、下腿部拘束装置の機構や構造をより簡単に構成することが可能となる。
更に、前記実施形態においては、延出部14と小型エアバッグ装置16とがパネル突出部11の裏面に配されている。しかし、本発明では、これらの延出部14及び小型エアバッグ装置16の配設を省略して下腿部拘束装置を構成することもできる。即ち、本発明の下腿部拘束装置は、車両が衝突したときに、乗員の頭部を保護する運転席用及び助手席用のエアバッグ装置が完全に膨張展開する前に、パネル突出部を足元の空間部に突出させることができれば良く、これにより、乗員の下腿部を拘束して保護できるとともに、下腿部の動きを規制して乗員の身体の位置がフロントシート上でずれることを防ぐことができる。
1 車両
2 フロントシート
3 シートベルト
4 インストルメントパネル本体
4a 収容部
5 ステアリングコラムシャフト
6 ステアリングメンバ
7 ステアリングホイール
8 コラムカバー
9 乗員
9a 下腿部
10 下腿部拘束装置
11 パネル突出部
12 突出部作動手段
12a シリンダー部
12b 駆動部
13 衝突検知部
14 延出部
15 延出部作動手段
16 小型エアバッグ装置
16a エアバッグ袋体
16b インフレータ
17 ブラケット
18 固定具
20 空間部
2 フロントシート
3 シートベルト
4 インストルメントパネル本体
4a 収容部
5 ステアリングコラムシャフト
6 ステアリングメンバ
7 ステアリングホイール
8 コラムカバー
9 乗員
9a 下腿部
10 下腿部拘束装置
11 パネル突出部
12 突出部作動手段
12a シリンダー部
12b 駆動部
13 衝突検知部
14 延出部
15 延出部作動手段
16 小型エアバッグ装置
16a エアバッグ袋体
16b インフレータ
17 ブラケット
18 固定具
20 空間部
Claims (4)
- 車両(1) のインストルメントパネル本体(4) の下方部に形成した収容部(4a)に、前記インストルメントパネル本体(4) の一部として車両フロア面に対して車両前方に向けて下傾斜した形態で配され、乗員(9) の下腿部(9a)に向けて突出可能なパネル突出部(11)と、
前記車両(1) が衝突したときに、その衝突を検知する衝突検知部(13)と、
前記衝突検知部(13)が前記車両(1) の衝突を検知して前記乗員(9) の頭部を保護するエアバッグ装置が膨張展開する前に、前記パネル突出部(11)を前記収容部(4a)から突出させる突出部作動手段(12)と、を備え、
前記突出部作動手段(12)が前記パネル突出部(11)を突出させることにより、前記乗員(9) の下腿部(9a)の動きを規制してなる、
ことを特徴とする下腿部拘束装置。 - 前記衝突検知部(13)は、前記車両(1) の衝突前にその衝突を予測する衝突予測部を有してなり、
前記突出部作動手段(12)は、前記パネル突出部(11)を進退可能に支持し、
前記衝突予測部が前記車両(1) の衝突を予測したときに、前記パネル突出部(11)を突出させ、
前記衝突予測部が車両(1) の衝突が回避したことを判断したときに、前記パネル突出部(11)を前記収容部(4a)に後退させてなる、
請求項1記載の下腿部拘束装置。 - 前記パネル突出部(11)は、前記乗員(9) の前記下腿部(9a)に対向して配される拘束面と、前記パネル突出部(11)が突出したときに前記拘束面と平行に延出する延出部(14)とを有してなる請求項1又は2記載の下腿部拘束装置。
- 前記パネル突出部(11)は、前記衝突検知部(13)が前記車両(1) の衝突を検知したときに、前記収容部(4a)から突出した前記パネル突出部(11)又はそのパネル突出部(11)から延出した前記延出部(14)と、前記インストルメントパネル本体(4) との間に膨張展開する小型エアバッグ装置(16)を有してなる請求項3記載の下腿部拘束装置。
Priority Applications (1)
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JP2007093605A JP2008247296A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 下腿部拘束装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010042803A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-25 | Sanko Gosei Ltd | エアバッグ装置及びそのエアバッグ装置を用いてなる車両用乗員下肢保護装置及び車両側突時乗員保護装置 |
JP2011102107A (ja) * | 2009-11-12 | 2011-05-26 | Sanko Gosei Ltd | エアバッグ装置及びそのエアバッグ装置を用いてなる車両用乗員下肢保護装置及び車両側突時乗員保護装置 |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007093605A patent/JP2008247296A/ja active Pending
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DE102009047673B4 (de) | 2009-07-16 | 2019-07-18 | Ashimori Industry Co. Ltd. | Airbag-Vorrichtung und Vorrichtung zum Schutz der unteren Gliedmaßen eines Fahrzeuginsassen und Vorrichtung zum Schutz des Insassen zum Zeitpunkt einer Seitenkollision eines Fahrzeugs unter Verwendung derselben |
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