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JP2008246505A - 射出シリンダの動作制御方法及びその動作制御油圧回路 - Google Patents

射出シリンダの動作制御方法及びその動作制御油圧回路 Download PDF

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JP2008246505A
JP2008246505A JP2007088761A JP2007088761A JP2008246505A JP 2008246505 A JP2008246505 A JP 2008246505A JP 2007088761 A JP2007088761 A JP 2007088761A JP 2007088761 A JP2007088761 A JP 2007088761A JP 2008246505 A JP2008246505 A JP 2008246505A
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Yukio Fukuda
幸生 福田
Takashi Hirai
孝 平井
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Abstract

【課題】射出シリンダの射出動作開始時における速度制御の精度を高めた射出シリンダの動作制御方法及びその動作制御油圧回路を提供することを目的とする。
【解決手段】油圧ポンプ3からの圧油を射出シリンダ2に供給する主回路4と、アキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給する副回路6とが設けられた動作制御油圧回路1を用いて、前記射出シリンダ2に供給される圧油の流量を制御する射出シリンダ2の動作制御方法であって、前記射出シリンダ2の射出動作開始時は、前記主回路4を介して前記油圧ポンプ3からの圧油のみを射出シリンダ2に供給し、射出シリンダ2の射出動作開始後は、さらに前記副回路6を介して前記アキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出シリンダの動作制御方法及びその操作制御油圧回路の技術に関し、より詳細には、油圧ポンプからの圧油を射出シリンダに供給する主回路と、アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給する副回路とが設けられた動作制御油圧回路を用いて、前記射出シリンダの動作を制御する射出シリンダの動作制御方法及びその操作制御油圧回路に関する。
ダイカスト鋳造法によって鋳造品が成形される際には、横方向に長い射出スリーブ内に溶湯が注湯され、射出スリーブを構成するプランジャの移動によって、鋳造用金型のキャビティ内に溶湯が射出される。そして、射出スリーブのプランジャは、鋳造装置に連設された射出シリンダに接続されており、射出シリンダのピストン等の伸縮動作に連動して動作制御される。
上述したダイカスト鋳造法においては、鋳造品の品質は、射出スリーブのプランジャを動作制御する射出シリンダの射出速度や鋳造圧力(射出圧力)等によって大きな影響を受けるため、従来、鋳造サイクルにおける溶湯の充填状況に応じて射出シリンダのピストン等の動作を制御する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、大吐出量タンクとしての高圧アキュムレータと低圧アキュムレータを設けてなる射出シリンダの動作制御油圧回路を用いて、通常の高射出力から低射出力まで自由に射出力を制御する射出シリンダの動作制御方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、射出シリンダに一定油圧を供給する第一ポンプとリリーフ弁とからなる系列と、ピストン式のアキュムレータから射出シリンダに圧油を高速充填する系列とを設けてなる射出シリンダの動作制御油圧回路を用いて、キャビティ内への溶湯の充填が完了した際にショックなしに充填動作から保圧動作に切り換える射出シリンダの動作制御方法が開示されている(特許文献2参照)。
このように、従来、アキュムレータを設けた動作制御油圧回路を用いた場合には、アキュムレータから供給される高圧・大流量の圧油流量を制御するために、例えば、特許文献1に開示されるように、動作制御油圧回路中に複数のアキュムレータを設けたり、動作制御油圧回路中に大口径のロジック弁などの流量調整弁を設けたりする必要があった。
しかしながら、アキュムレータやロジック弁等では、射出シリンダに供給される圧油流量を精度よく制御することが困難であったため、射出シリンダの速度制御に劣っていた。
特に、射出シリンダのピストンの動き出しすなわち射出動作開始時には、射出シリンダを低速制御することで、射出スリーブのプランジャを低速制御して、溶湯の波立ちを防止することが好ましいとされているが(ショックレススタート)、上述したように、従来の動作制御油圧回路を用いた場合には、射出シリンダの速度制御に劣っていたため、ショックレススタートを精度よく制御することが困難であった。
なお、射出シリンダの射出動作開始時における低速制御(ショックレススタート)に関しては、例えば、特許文献3に、油圧ポンプからの圧油を射出シリンダのヘッド側に供給する第一配管と、射出シリンダのヘッド側から圧油を排出する第二配管とを設けてなる射出シリンダの動作制御油圧回路を用いて、射出動作開始時は、第二配管の流量調整弁を開放して所定量の油圧が排出されるように制御する射出シリンダの動作制御方法が開示されている(特許文献3参照)。
特開昭59−146824号公報 実開昭58−71458号公報 特開平2−151361号公報
そこで、本発明においては、射出シリンダの動作制御方法及びその動作制御油圧回路に関し、前記問題に鑑み、射出シリンダの射出動作開始時における速度制御の精度を高めた射出シリンダの動作制御方法及びその動作制御油圧回路を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、油圧ポンプからの圧油を射出シリンダに供給する主回路と、アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給する副回路とが設けられた動作制御油圧回路を用いて、前記射出シリンダの動作を制御する射出シリンダの動作制御方法であって、前記射出シリンダの射出動作開始時は、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給し、射出シリンダの射出動作開始後は、さらに前記副回路を介して前記アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給するものである。
請求項2においては、前記射出シリンダの突出し動作時は、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給するものである。
請求項3においては、油圧ポンプからの圧油を射出シリンダに供給する主回路と、アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給する副回路とが設けられた射出シリンダの動作制御油圧回路であって、前記主回路には、前記油圧ポンプからの圧油流量を調整する流量調整弁が設けられ、前記副回路には、前記アキュムレータからの圧油流量を調整するロジック弁が設けられ、前記射出シリンダの射出動作開始時は、前記流量調整弁を所定開度開いて、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給し、前記射出シリンダの射出動作開始後は、前記ロジック弁を所定開度開いて、さらに前記副回路を介して前記アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給するものである。
請求項4においては、前記射出シリンダの突出し動作時は、前記流量調整弁を所定開度開いて、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給するものである。
請求項5においては、前記油圧ポンプからの圧油をアキュムレータに供給するアキュムレータ供給回路が設けられ、前記射出シリンダの突出し動作時に、前記アキュムレータ供給回路を介して前記油圧ポンプからの圧油を前記アキュムレータにチャージするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す構成としたので、射出シリンダの射出動作開始時における速度制御の精度を高めることができる。特に、射出シリンダの射出動作開始時における低速制御(ショックレススタート)を精度よく制御することができる。
請求項2に示す構成としたので、射出シリンダの突出し動作時おいて、射出シリンダに供給される圧油流量を容易に制御することができ、射出シリンダの動作制御の精度を高めることができる。
請求項3に示す構成としたので、射出シリンダの射出動作開始時における速度制御の精度を高めることができる。特に、射出シリンダの射出動作開始時における低速制御(ショックレススタート)を精度よく制御することができる。
請求項4に示す構成としたので、射出シリンダの突出し動作時おいて、射出シリンダに供給される圧油流量を容易に制御することができ、射出シリンダ2の動作制御の精度を高めることができる。
請求項5に示す構成としたので、アキュムレータへの圧油のチャージ時間を短縮することができ、射出シリンダの動作サイクルを短縮することができる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本実施例の動作制御油圧回路の全体的な構成を示した油圧回路図、図2は本実施例の動作制御油圧回路を用いた射出シリンダの動作制御を示したフローチャートである。
まず、本実施例の動作制御油圧回路1の全体構成について、以下に説明する。
図1に示すように、本実施例の動作制御油圧回路1は、油圧ポンプ3からの圧油を射出シリンダ2に供給する主回路4と、アキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給する副回路6と、油圧ポンプ3からの圧油をアキュムレータ5に供給するアキュムレータ供給回路7等とで構成されている。
射出シリンダ2は、シリンダケース20内にピストン21が挿嵌されており、このピストン21に接続されたピストンロッド22が、図示せぬ射出スリーブのプランジャに接続されている。なお、射出スリーブのプランジャは、射出スリーブ内に往復動自在に嵌装されており、射出シリンダ2のピストン21等の動作に連動して、射出スリーブ内の溶湯が押し出されて金型のキャビティへ射出される。
主回路4は、油圧ポンプ3からの圧油を射出シリンダ2に供給する回路であって、一端が射出シリンダ2のシリンダケース20内であってピストン21の後方側に接続されている。この主回路4には、油圧ポンプ3から射出シリンダ2の間に、油圧ポンプ3側に位置するものから順に流量調整弁40と、電磁切換弁41と、パイロット逆止弁42が設けられている。
流量調整弁40は、所定開度で開閉制御されることで、油圧ポンプ3から主回路4の下流側に供給される圧油流量が調整される。このように、本実施例の主回路4では、油圧ポンプ3から射出シリンダ2に供給される圧油の流量が流量調整弁40によって調整されることで、後述するように、射出シリンダ2の射出動作開始時におけるピストン21等を精度よく速度制御することが可能となっている。
電磁切換弁41は、ソレノイド41aが励磁されることで、油圧ポンプ3から射出シリンダ2に供給される圧油の供給方向等が切り換えられるように構成されている。具体的には、電磁切換弁41は、油圧ポンプ3と射出シリンダ2との間の回路を切断する遮断位置Sと、油圧ポンプ3から射出シリンダ2へと圧油を供給する供給位置Fと、射出シリンダ2に充填された圧油がタンク10に排出される排出位置Rとに切り換えられる。すなわち、電磁切換弁41において供給位置Fに切り換えられると、油圧ポンプ3と射出シリンダ2とが連通され、排出位置Rに切り換えられると、射出シリンダ2とタンク10とが連通される。
パイロット逆止弁42は、弁を開動作させるパイロット圧を供給するパイロット回路が設けられている。上述した電磁切換弁41において、ソレノイド41aが励磁されて供給位置Fに切り換えられると、油圧ポンプ3からの圧油により直接パイロット逆止弁42が開いて、油圧ポンプ3から射出シリンダ2へと圧油が供給される。
また、電磁切換弁41が排出位置Rに切り換えられると、油圧ポンプ3からの圧油により生じる前記パイロット回路のパイロット圧によりパイロット逆止弁42が開動作されて、射出シリンダ2に充填された圧油が電磁切換弁41を介してタンク10へと排出される。
さらに、電磁切換弁41が遮断位置Sに切り換えられた場合は、該電磁切換弁41により油圧ポンプ3からのシリンダケース20内への圧油の供給が停止されるとともに、シリンダケース20内の油圧によりパイロット逆止弁42が閉じられて、該シリンダケース20内の圧油が主回路4側に逆流することが防止される。
このように、主回路4にパイロット逆止弁42が設けられることによって、例えば、後述する合流点P2において、アキュムレータ5からの圧油が主回路4を逆流するのを防止することができる。
アキュムレータ5は、高圧ガスが封入された高圧アキュムレータであって、アキュムレータ供給回路7を介して油圧ポンプ3からの圧油が供給されてチャージされる。
アキュムレータ供給回路7は、上述した主回路4において流量調整弁40の上流側の分岐点P1より分岐されるとともに、アキュムレータ5とロジック弁60との間の合流点P3で副回路6と合流されて油圧ポンプ3とアキュムレータ5とが接続されている。
アキュムレータ供給回路7には、開閉弁70と流量調整弁71とが設けられている。開閉弁70は、ソレノイド70aが励磁されることで弁が開閉され、アキュムレータ供給回路7の連通・遮断が切り換えられる。また、流量調整弁71は、所定開度で開閉制御されることで、油圧ポンプ3からアキュムレータ供給回路7の下流側、すなわちアキュムレータ5に供給される圧油流量が制御される。
副回路6は、アキュムレータ5のタンクにチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給する回路である。副回路6は、パイロット逆止弁42の下流側の合流点P2で主回路4と合流されて、アキュムレータ5と射出シリンダ2とが連通されている。また、アキュムレータ5から射出シリンダ2の間には、ロジック弁60が設けられている。
ロジック弁60は、アキュムレータ5より供給される高圧・大流量の圧油流量を制御しながら副回路6の下流側すなわち射出シリンダ2に供給するための調整弁として構成されている。ロジック弁60は、ロジック弁60内の一部に圧油が充填されることで図示せぬポペット弁が摺動移動されて弁が開閉される。
また、本実施例のロジック弁60には、ポペット弁の開度を制御するロジック弁制御回路61が接続されており、ロジック弁制御回路61には、油圧ポンプ62からの圧油が供給される電磁切換弁63とパイロット逆止弁64とが設けられている。
電磁切換弁63は、ソレノイド63aが励磁されることで、油圧ポンプ62からロジック弁60に供給される圧油の供給方向等が切り換えられるように構成されている。具体的には、ロジック弁60と油圧ポンプ62の間の回路を切断する遮断位置Sと、油圧ポンプ62からロジック弁60を閉弁する圧油を供給する閉弁位置Aと、油圧ポンプ62からロジック弁60を開弁する圧油を供給する開弁位置Bとに切り換えられる。
パイロット逆止弁64は、弁を開動作させるパイロット圧を供給するパイロット回路が設けられており、油圧ポンプ62からの圧油を受けてポペット弁が上がり開動作されると、ロジック弁制御回路61において、ロジック弁60に充填された圧油をタンク65に排出する方向への供給が許容される。
このように、副回路6は、ロジック弁60に接続されたロジック弁制御回路61によって、ロジック弁60の弁が開閉制御されることで、アキュムレータ5と射出シリンダ2との間の回路を切断する状態と、アキュムレータ5と射出シリンダ2とを連通する状態とに切り換え制御される。このような構成とすることで、アキュムレータ5より供給される高圧・大流量の圧油を、大口径のロジック弁60によって所定の流量に制御しながら射出シリンダ2に供給することができる。
また、本実施例の動作制御油圧回路1には、別途、油圧ポンプ3と射出シリンダ2とを連通するピストン制御回路11が設けられている。ピストン制御回路11は、主回路4において上述した分岐点P1よりも上流側の分岐点P4より分岐され、一端が射出シリンダ2のシリンダケース20内であってピストンロッド22側に接続されている。このピストン制御回路11には、機械操作式の切換弁12が設けられており、油圧ポンプ3から射出シリンダ2に供給される圧油の方向が切り換えられる。
切換弁12は、サーボモータや油圧等の駆動源によって、油圧ポンプ3と射出シリンダ2との間の回路を切断する遮断位置Sと、油圧ポンプ3から射出シリンダ2へと圧油を供給する供給位置Fと、射出シリンダ2に充填された圧油がタンク13に排出される排出位置Rとに切り換えられる。すなわち、切換弁12において供給位置Fに切り換えられると、油圧ポンプ3と射出シリンダ2とが連通され、排出位置Rに切り換えられると射出シリンダ2とタンク13とが連通される。
このように、動作制御油圧回路1にピストン制御回路11が設けられているため、主回路4及び副回路6を介して射出シリンダ2に供給される圧油流量に応じて、射出シリンダ2のシリンダケース20内の圧油量を調整し、ピストン21等を精度よく動作制御することができる。
なお、上述した油圧ポンプ3、流量調整弁40等及び電磁切換弁41等は、図示せぬ制御装置に接続されており、後述する射出シリンダ2の所定の動作が制御されるように構成されている。
次に、本実施例の動作制御油圧回路1を用いた射出シリンダ2の動作制御方法について、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例の射出シリンダ2の動作制御方法においては、上述した動作制御油圧回路1を用いて、射出シリンダ2の射出動作開始時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油のみを射出シリンダ2に供給し、射出シリンダ2の射出動作開始後は、さらに副回路6を介してアキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給することで、射出シリンダ2の射出動作開始時における低速制御(ショックレススタート)を可能とされている。
なお、射出シリンダ2の射出動作とは、射出シリンダ2に圧油が充填されてピストン21及びピストンロッド22(以下、ピストン21等)が摺動移動されることをいう。すなわち、ピストン21等が摺動移動されることで、図示せぬ射出スリーブのプランジャが連動して移動されて、射出スリーブ内の溶湯が押し出されて金型のキャビティへ射出されるのである。また、射出シリンダ2の射出動作開始時とは、射出シリンダ2に圧油が充填されてピストン21等が摺動移動し始める時をいう。
本実施例の射出シリンダ2は、射出動作開始(S100)、ピストン前進動作(S110)、ピストン加圧停止動作(S120)、ピストン突出し動作(S130)、ピストン後退動作(S140)の各ステップを経て動作制御される(図2参照)。
まず、射出動作開始(S100)時は、主回路4において、電磁切換弁41が遮断位置Sから供給位置Fに切り換えられ、副回路6において、ロジック弁60がアキュムレータ5と射出シリンダ2との間の回路を切断する状態に閉制御される。
主回路4では、流量調整弁40が所定開度開いて制御されて、油圧ポンプ3から供給される圧油流量が所定の流量となるように調整される。また、ロジック弁60に接続されたロジック弁制御回路61では、電磁切換弁63が閉弁位置Aに切り換えられて、ロジック弁60が閉弁する方向に摺動されてロジック弁60が閉制御される。
このように射出動作開始(S100)時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油のみが射出シリンダ2に供給されて、ピストン21等が摺動移動される。そして、このように射出シリンダ2のピストン21等が摺動移動されることで、射出シリンダ2に接続された図示せぬ射出スリーブのプランジャによって、射出スリーブ内の溶湯が徐々に押し出され始める。
ピストン前進動作(S110)時は、射出シリンダ2の射出動作開始から所定時間経過後に、射出シリンダ2に圧油が高速充填されて、ピストン21等が所定速度で摺動移動されるように制御される。具体的には、主回路4において、電磁切換弁41が供給位置Fに切り換えられたままで、副回路6において、ロジック弁60がアキュムレータ5と射出シリンダ2とを連通する状態に開制御される。
ロジック弁60に接続されたロジック弁制御回路61では、電磁切換弁63が開弁位置Bに切り換えられて、ロジック弁60が開制御される。本実施例では、アキュムレータ5より供給された圧油は、合流点P2にて主回路4と合流されて射出シリンダ2に供給される。
このようにピストン前進動作(S110)時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油が射出シリンダ2に供給されるとともに、副回路6を介してアキュムレータ5からの圧油が射出シリンダ2に供給される。そのため、上述した射出動作開始時に比べて、多量の圧油が射出シリンダ2に供給され、射出シリンダ2に圧油が高速充填されて、射出シリンダ2のピストン21等が所定速度で摺動移動される。
ピストン加圧停止動作(S120)時は、射出シリンダ2のピストン21等の前進開始から所定時間経過後に、射出シリンダ2に対して加圧状態を維持したままピストン21等を停止するように制御される。具体的には、主回路4において、電磁切換弁41が遮断位置Sに切り換えられるとともに、副回路6において、ロジック弁60がアキュムレータ5と射出シリンダ2との間の回路を切断する状態に閉制御される。
なお、主回路4では、電磁切換弁41が遮断位置Sに切り換えられても、パイロット逆止弁42によって主回路4中の圧油が油圧ポンプ3の方向に逆流してタンク10から排出されることはない。
このようにピストン加圧停止動作(S120)時は、射出シリンダ2のシリンダケース20内に圧油が充填されてピストン21等が所定長さ前進され、かつ主回路4及び副回路6中に圧油が充填された状態のままで停止される。そのため、図示せぬ射出スリーブのプランジャによって金型のキャビティ内に充填された溶湯が固化する間、射出スリーブのプランジャによる溶湯への加圧状態が維持される。
ピストン突出し動作(S130)時は、射出シリンダ2のピストン21等の加圧停止から所定時間経過後に、さらに射出シリンダ2に圧油が充填されて、前進許容位置までピストン21等が摺動移動されるように制御される。具体的には、主回路4において、電磁切換弁41が供給位置Fに切り換えられ、流量調整弁40が所定開度開いて制御されて、射出シリンダ2へ供給される圧油流量が制御される。
なお、副回路6において、副回路6においては、ロジック弁60がアキュムレータ5と射出シリンダ2との間の回路を切断する状態に閉制御されたままである。
このようにピストン突出し動作(S130)時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油が射出シリンダ2に供給されて、ピストン加圧停止動作時からさらに射出シリンダ2に圧油が供給されて摺動移動される。そのため、鋳造が終了して金型が離型される際に、金型からの鋳造品の突出しに合わせて、射出シリンダ2のピストン21等に連動して射出スリーブのプランジャが突出し動作される。
本実施例の射出シリンダ2の動作制御方法では、ピストン突出し動作(S130)時に、上述したアキュムレータ供給回路7において、開閉弁70が開弁されて油圧ポンプ3とアキュムレータ5とが連通されて、油圧ポンプ3から供給された圧油がアキュムレータ5にチャージされる。油圧ポンプ3の圧油は、主回路4の中途部から分岐された分岐点P1よりアキュムレータ供給回路7に供給される。また、アキュムレータ供給回路7では、流量調整弁71にてアキュムレータ5に供給される圧油流量が調整される。
ピストン後退動作(S140)時は、主回路4を介して射出シリンダ2に充填された圧油がタンク10に排出される。具体的には、主回路4において、電磁切換弁41が排出位置Rに切り換えられて射出シリンダ2とタンク10とが連通され、副回路6において、ロジック弁60がアキュムレータ5と射出シリンダ2との間の回路を切断する状態に閉制御される。
このようにピストン後退動作(S140)時は、主回路4において、電磁切換弁41が排出位置Rに切り換えられて射出シリンダ2とタンク10とが連通されることで、射出シリンダ2に充填された圧油が排出されて、射出シリンダ2のピストン21等が後退して、射出動作開始(S100)時の初期位置で停止される。
なお、本実施例の動作制御方法では、動作制御油圧回路1に設けられたピストン制御回路11において、射出シリンダ2の射出動作開始(S100)からピストン突出し動作(S130)までの間は、切換弁12が排出位置Rに切り換えられて、シリンダケース20内に充填された圧油がタンク13に排出可能に切り換えられるとともに、ピストン後退動作(S140)時には、切換弁12が供給位置Fに切り換えられる。
このように、ピストン制御回路11の切換弁12が切り換えられることで、上述したように射出シリンダ2が射出動作される際に、射出シリンダ2のシリンダケース20内の圧油充填量を制御することができる。
以上のように、本実施例の射出シリンダ2の動作制御方法は、上述した動作制御油圧回路1を用いて、射出シリンダ2の射出動作開始時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油のみを射出シリンダ2に供給し、射出シリンダ2の射出動作開始後は、さらに副回路6を介してアキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に供給して、射出シリンダ2の速度制御を行うため、射出シリンダ2の射出動作開始時における速度制御の精度を高めて、特に、射出シリンダ2の射出動作開始時における低速制御(ショックレススタート)を精度よく制御することができる。
すなわち、射出シリンダ2の射出動作開始時は、主回路4において油圧ポンプ3からの圧油のみを射出シリンダ2に供給するため、主回路4に設けられた流量調整弁40の開度を調整することで、射出シリンダ2に供給される圧油流量を容易に精度よく制御することができ、射出シリンダ2の動作制御の精度を高めることができる。
特に、射出シリンダ2の射出動作開始時には、射出シリンダ2を精度よく低速制御することができるため、射出スリーブのプランジャを低速制御して、溶湯の波立ちを防止することができる。
また、射出シリンダ2の射出動作開始後は、動作制御油圧回路1に設けられたアキュムレータ5にチャージされた圧油を射出シリンダ2に高速充填して、射出シリンダ2の射出速度及び射出力を高めることができる。
また、本実施例の射出シリンダ2の動作制御方法では、射出シリンダ2の突出し動作(ピストン突出し動作(S130))時は、主回路4を介して油圧ポンプ3からの圧油のみを射出シリンダ2に供給するため、射出シリンダ2の突出し動作時において、主回路4に設けられた流量調整弁40の開度を調整することで、射出シリンダ2に供給される圧油流量を容易に制御することができ、射出シリンダ2の動作精度を高めることができる。
特に、本実施例では、主回路4とは別に、油圧ポンプ3からの圧油をアキュムレータ5に供給するアキュムレータ供給回路7が設けられており、射出シリンダ2の突出し時を利用して、アキュムレータ供給回路7を介して油圧ポンプ3からの圧油をアキュムレータ5にチャージすることで、アキュムレータ5への圧油のチャージ時間を短縮することができ、射出シリンダ2の動作サイクル時間を短縮することができる。
さらに、本実施例の動作制御油圧回路1のように構成することで、主回路4に設けた流量調整弁40及び電磁切換弁41で、射出シリンダの射出動作とピストン突出し動作に要する圧油流量・方向を制御する制御弁を兼ねることができるため、その他の弁等が不要となり、回路構成を単純化することができる、
なお、本実施例の射出シリンダ2の動作制御方法及びその動作制御油圧回路1の構成は、上述した実施例に限定されない。
例えば、上述した実施例に示した動作制御油圧回路1の主回路4及び副回路6に設けられる各弁の配置や構成は、これらに特に限定されず、また、その他の回路が別途設けられてもよい。さらに、上述した実施例では、主回路4に流量調整弁40及び電磁切換弁41、アキュムレータ供給回路7に開閉弁70及び流量調整弁71等を用いた構成を示したが、これらに限定されず、例えば、比例電磁弁やディジタル弁、メカニカル制御弁など、所定の弁開度に制御可能な制御弁を用いることができる。.
また、上述した実施例では、ピストン突出し動作(S130)時に、油圧ポンプ3から供給された圧油がアキュムレータ5にチャージされるが、例えば、ピストン加圧停止動作(S120)時など、副回路6にてアキュムレータ5から射出シリンダ5に圧油が供給されない間を利用して、アキュムレータ5に圧油をチャージするようにしてもよい。
本実施例の動作制御油圧回路の全体的な構成を示した油圧回路図。 本実施例の動作制御油圧回路を用いた射出シリンダの動作制御を示したフローチャート。
符号の説明
1 動作制御油圧回路1
2 射出シリンダ
3 油圧ポンプ
4 主回路
5 アキュムレータ
6 副回路
21 ピストン
22 ピストンロッド
40 流量調整弁
41 電磁切換弁
60 ロジック弁

Claims (5)

  1. 油圧ポンプからの圧油を射出シリンダに供給する主回路と、
    アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給する副回路とが設けられた動作制御油圧回路を用いて、前記射出シリンダの動作を制御する射出シリンダの動作制御方法であって、
    前記射出シリンダの射出動作開始時は、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給し、
    射出シリンダの射出動作開始後は、さらに前記副回路を介して前記アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給することを特徴とする射出シリンダの動作制御方法。
  2. 前記射出シリンダの突出し動作時は、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給することを特徴とする請求項1に記載の射出シリンダの動作制御方法。
  3. 油圧ポンプからの圧油を射出シリンダに供給する主回路と、
    アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給する副回路とが設けられた射出シリンダの動作制御油圧回路であって、
    前記主回路には、前記油圧ポンプからの圧油流量を調整する流量調整弁が設けられ、
    前記副回路には、前記アキュムレータからの圧油流量を調整するロジック弁が設けられ、
    前記射出シリンダの射出動作開始時は、前記流量調整弁を所定開度開いて、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給し、
    前記射出シリンダの射出動作開始後は、前記ロジック弁を所定開度開いて、さらに前記副回路を介して前記アキュムレータにチャージされた圧油を射出シリンダに供給することを特徴とする射出シリンダの動作制御油圧回路。
  4. 前記射出シリンダの突出し動作時は、前記流量調整弁を所定開度開いて、前記主回路を介して前記油圧ポンプからの圧油のみを射出シリンダに供給することを特徴とする請求項3に記載の射出シリンダの動作制御油圧回路。
  5. 前記油圧ポンプからの圧油をアキュムレータに供給するアキュムレータ供給回路が設けられ、前記射出シリンダの突出し動作時に、前記アキュムレータ供給回路を介して前記油圧ポンプからの圧油を前記アキュムレータにチャージすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の射出シリンダの動作制御油圧回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167721A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Nissan Motor Co Ltd ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置
JP2015513050A (ja) * 2012-02-13 2015-04-30 ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッドHusky Injection Molding Systems Limited より高流量を必要とする、アキュムレータアセンブリおよびポンプアセンブリからアクチュエータへの油圧流体の流れ

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