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JP2008245853A - プロテクタ - Google Patents

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JP2008245853A JP2007089890A JP2007089890A JP2008245853A JP 2008245853 A JP2008245853 A JP 2008245853A JP 2007089890 A JP2007089890 A JP 2007089890A JP 2007089890 A JP2007089890 A JP 2007089890A JP 2008245853 A JP2008245853 A JP 2008245853A
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Abstract

【課題】使用済の穿刺具の針先を覆う際に、当該針先に付着した血液の飛散を確実に防止することができるプロテクタを提供すること。
【解決手段】プロテクタ1は、針管と、針管の基端側に設置されたハブと、ハブの基端部に接続され、ハブを介して針管と連通するチューブ17とを備える穿刺具10に装着して使用されるものである。プロテクタ1は、チューブ17の長手方向に沿って移動可能に設けられ、穿刺具10に対して固定される固定手段を有する外筒2と、外筒2に対してその長手方向に移動可能に設けられた内筒3と、内筒3を、外筒2に収納された第1の位置と、第1の位置から先端方向に移動して、外筒2から突出した第2の位置とに移動操作する操作手段とを備え、外筒2が穿刺具10に固定された状態で、内筒3が第1の位置にあるとき、針先が露出し、内筒3が第2の位置にあるとき、内筒3によって針管の針先が覆われるよう構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、穿刺具に装着して使用されるプロテクタに関する。
採血や薬液の投与を行なう際などには、穿刺具を供血者や患者の血管に穿刺してこれを行なう。このような穿刺具は、先端に鋭利な針先を有する針管(針体)と、針管の基端部に固着されたハブと、ハブの基端部に接続されたチューブとで構成されている。
採血や薬液の投与を終了したときには、使用済の穿刺具は、不要となるため廃棄される。このとき、穿刺具は、針管およびハブが、プロテクタ(保護装置)に収納された状態で、破棄される(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロテクタは、先端開口と基端開口とを有する筒体で構成されており、チューブにその長手方向に沿って移動可能に設置されている。このプロテクタの内側には、第1の係止片(抑止手段)と、第1の係止片より基端側に位置する第2の係止片(固定手段)とが設けられている。これらの係止片の少なくとも一方が穿刺具のハブに対して係止することにより、プロテクタが穿刺具に固定される。
特許文献1に記載のプロテクタは、穿刺具により採血や薬液の投与を行なうときには、ハブより基端側、すなわち、チューブの途中に固定され、針管から退避した状態(退避状態)となっている。また、採血や薬液の投与を終了した後は、プロテクタに対してチューブを基端方向に引張り、これにより、プロテクタは、針管およびハブを収納した状態(収納状態)となる。
しかしながら、特許文献1に記載のプロテクタでは、ハブが第1の係止片(または第2の係止片)を乗り越えて収納状態となる際に、第1の係止片の弾性力によってプロテクタに振動が伝わり、針先に付着した血液が、プロテクタの先端開口を介して飛散するという問題があった。
特許第3578459号公報
本発明の目的は、使用済の穿刺具の針先を覆う際に、当該針先に付着した血液の飛散を確実に防止することができるプロテクタを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 先端に鋭利な針先を有する針管と、該針管の基端側に設置されたハブと、該ハブの基端部に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用されるプロテクタであって、
前記チューブの長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記穿刺具に対して固定される固定手段を有する外筒と、
前記外筒の内側に収納され、該外筒の長手方向に移動可能に設けられた内筒と、
前記内筒を、前記外筒に収納された第1の位置と、該第1の位置から先端方向に移動して、前記外筒から突出した第2の位置とに移動する操作手段とを備え、
前記外筒が前記穿刺具に固定された状態で、前記内筒が前記第1の位置にあるとき、前記針先が露出し、前記内筒が前記第2の位置にあるとき、前記内筒によって前記針管の前記針先が覆われるように構成されていることを特徴とするプロテクタ。
(2) 前記操作手段は、前記外筒の管壁にその長手方向に沿って形成されたガイド溝と、前記内筒の外周部に形成され、前記ガイド溝に沿って移動する操作片とを有する上記(1)に記載のプロテクタ。
(3) 前記ガイド溝は、その基端部に、幅が拡大した基端側拡幅部を有し、
前記操作手段は、前記操作片を前記ガイド溝の一方の縁部に向けて付勢する付勢部を有し、
前記操作片は、前記内筒が前記第1の位置に位置した際に、前記基端側拡幅部に入り込み、前記付勢部によって付勢されて、前記基端側拡幅部の先端側の段差部に係止することにより、前記内筒の前記第1の位置が保持されるように構成されている上記(2)に記載のプロテクタ。
(4) 前記ガイド溝は、その先端部に、幅が拡大した先端側拡幅部を有し、
前記操作手段は、前記操作片を前記ガイド溝の一方の縁部に向けて付勢する付勢部を有し、
前記操作片は、前記内筒が前記第2の位置に位置した際に、前記先端側拡幅部に入り込み、前記付勢部によって付勢されて、前記先端側拡幅部の基端側の段差部に係止することにより、前記内筒の前記第2の位置が保持されるように構成されている上記(2)または(3)に記載のプロテクタ。
(5) 前記固定手段は、前記穿刺具に対して固定される固定状態と、該固定状態を解除した解除状態とを選択し得る上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプロテクタ。
(6) 前記操作手段は、前記内筒を前記第1の位置から前記第2の位置に移動するのに伴って、前記固定手段を前記解除状態から前記固定状態となるように作動させるように構成されている上記(5)に記載のプロテクタ。
(7) 前記固定手段は、前記チューブに固定されるように構成さている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のプロテクタ。
(8) 前記固定手段は、前記外筒の内側に設けられ、前記チューブを挟持して、前記外筒を前記チューブに対して固定する複数の挟持片により構成されている上記(7)に記載のプロテクタ。
(9) 前記各挟持片は、それぞれ、一端部が前記外筒の基端部に支持されており、他端部が前記外筒の先端側に延びる長尺形状である上記(8)に記載のプロテクタ。
(10) 前記各挟持片の先端は、それぞれ、前記ハブに当接して、前記穿刺具に対する前記プロテクタの位置決めを行なう位置決め部として機能する上記(8)または(9)に記載のプロテクタ。
(11) 前記操作手段は、前記内筒を前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記一対の挟持片のうちの一方を他方に向けて押圧する押圧作用部を有する上記(8)ないし(10)のいずれかに記載のプロテクタ。
(12) 前記内筒は、その内周部に設けられ、前記第2の位置に位置した際に、前記各挟持片を互いに接近する方向に押圧する押圧部を有する上記(8)ないし(11)のいずれかに記載のプロテクタ。
前記内筒は、前記外筒に対して回転が規制される形状をなすのが好ましい。
本発明によれば、内筒を第1の位置から第2の位置へ移動操作する際に、その内筒が穿刺具に接触せずに移動することができる。これにより、使用済の穿刺具の針先を覆う際に、当該針先に付着した血液が吐出(例えば、飛散や漏洩)するのを確実に防止することができる。
また、血液の吐出が防止されるため、廃棄処理に際し、血液による細菌感染等を防止することができる。また、第2の位置にある内筒によって針先が覆われるため、誤って針先で手指等を刺すという事故も防止することができる。このようにプロテクタは、衛生面、安全面で極めて優れたものとなっている。
また、外筒が一対の挟持片を有する場合には、内筒を第1の位置から第2の位置へ移動操作する際に、穿刺具に対するプロテクタの位置が確実に固定され、その移動操作を容易に行なうことができる。また、第2の位置に移動した内筒によって、針先が確実に覆われる。
以下、本発明のプロテクタを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明のプロテクタの使用状態を順に示す斜視図(図1はプロテクタがハブから離間し、内筒が第1の位置にある状態を示す図、図2はプロテクタと穿刺具とが位置決めされ、内筒が第1の位置にある状態を示す図、図3はプロテクタと穿刺具とが位置決めされ、内筒が第2の位置にある状態を示す図)、図4は、図2に示すプロテクタの外筒の先端部付近の拡大詳細図、図5は、図2に示すプロテクタの外筒の基端部付近の拡大詳細図、図6は、図3に示すプロテクタの外筒の先端部付近の拡大詳細図、図7は、図3に示すプロテクタの外筒の基端部付近の拡大詳細図、図8は、図3に示すプロテクタの縦断面斜視図、図9は、本発明のプロテクタの横断面図、図10は、本発明のプロテクタの外筒の縦断面斜視図、図11は、本発明のプロテクタの内筒の斜視図、図12および図13は、それぞれ、図11に示す内筒の基端部付近の拡大詳細図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図8および図10〜図13中の上側を「先端」、下側を「基端」と言う。
図1〜図3に示すように、本発明のプロテクタ1は、穿刺具10に装着して使用されるものである。なお、プロテクタ1を穿刺具10に装着したものを穿刺針組立体と言う。
プロテクタ1の説明をする前に、当該プロテクタ1が装着される穿刺具10について説明する。
穿刺具10は、例えば採血や薬液の注入の際に、供血者や患者の血管に穿刺して使用されるものである。
図1、図2に示すように、穿刺具10は、中空針(針管)11と、中空針11の基端側に設置されたハブ13と、ハブ13の基端部138に接続されたチューブ17とを備えている。
中空針11は、例えば、ステンレス鋼のような金属材料で構成され、その先端には、鋭利な針先(刃先)12が形成されている。この針先12の形状は、特に限定されず、本実施形態では、中空針11の軸線に対し所定角度傾斜した刃面を有する形状をなしている。
中空針11の基端部には、ほぼ円筒状をなすハブ13が例えば、嵌合、かしめ、融着、接着剤による接着等の方法により液密に固着されている。ハブ13は、中空針11と連通している。このハブ13は、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。これにより、針先12が血管を確保した際の血液のフラッシュバックを目視で確認することができる。
ハブ13の基端部138には、可撓性を有するチューブ17の先端部が液密に接続されている。チューブ17は、ハブ13を介して中空針11と連通している。これにより、中空針11からチューブ17へ、またはチューブ17から中空針11への液体(例えば輸液や血液)の通過が可能となる。
また、チューブ17の基端部は、例えば穿刺具10を輸液に用いる場合には輸液バッグを有する輸液回路の一部に接続され、穿刺具10を採血に用いる場合には採血バッグを有する採血器具や血液分離器を有する採血回路の一部に接続されている。
チューブ17の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン等が挙げられる。
なお、穿刺具10は、未使用状態では、中空針11にキャップが装着されているのが好ましい。これにより、針先12による誤穿刺を確実に防止することができる。
このような穿刺具10に装着されるプロテクタ1は、穿刺具10に対してチューブ17の長手方向に沿って移動可能に設置されている。このプロテクタ1は、ハブ13より基端側に位置して、中空針11およびハブ13から退避する退避状態(図1参照)と、退避状態となる位置から先端方向に移動して、穿刺具10に対して位置決めがなされる位置決め状態と(図2および図3参照)とを取り得る。
このプロテクタ1は、チューブ17の長手方向に沿って移動可能に設けられた外筒2と、外筒2の内側に、その長手方向に沿って移動可能に設けられた内筒3とを有している。位置決め状態で、内筒3は、外筒2に収納された第1の位置(図2参照)と、第1の位置から先端方向に移動し、外筒2から突出した第2の位置(図3参照)とに移動することができる。以下、各部の構成について説明する。
外筒2は、横断面形状がほぼ四角形状をなす、両端が開口した、すなわち、先端開口23および基端開口24を有する筒体で構成されている。この外筒2は、プロテクタ1全体をチューブ17の長手方向に沿って移動したり、内筒3を外筒2の長手方向に沿って移動したりする際に、使用者によって把持される把持部として機能する。
なお、外筒2の外周部には、多数のリブ25が外筒2の長手方向に沿って配置されている。各リブ25は、それぞれ、外筒2の外周部の周方向に沿って一文字状に形成されている。このようなリブ25により、外筒2を把持した際に外筒2が滑るのを確実に防止することができる。
図1〜図7に示すように、外筒2の4つの管壁のうちの1つの管壁には、その長手方向に沿って、長尺なガイド溝21(操作手段)が形成されている。このガイド溝21は、その形成方向に沿って、後述する内筒3の操作片(操作手段)31が移動する部位である。また、ガイド溝21の長さは、内筒3が第1の位置から第2の位置へ移動する移動量(移動長さ)とほぼ同等に設定されている。
ガイド溝21には、その先端部および基端部に、それぞれ、幅が拡大した先端側拡幅部211および基端側拡幅部212が形成されている。なお、以下、ガイド溝21の先端側拡幅部211と基端側拡幅部212との間、すなわち、先端側拡幅部211および基端側拡幅部212を除く部分を「狭幅部213」と言う。
図1、図2、図5に示すように、内筒3が第1の位置に位置した際、基端側拡幅部212に操作片31が入り込む。これにより、基端側拡幅部212と狭幅部213との境界部に形成された、幅が変化する段差部214に操作片31が当接することとなる。これにより、内筒3の先端方向への移動が確実に規制され、よって、第1の位置にある内筒3が不本意に第2の位置するのが防止される。この状態では、穿刺具10の針先12が確実に露出するため、当該針先12による穿刺を確実に行なうことができる。
プロテクタ1では、操作片31と段差部214とにより、内筒3の第1の位置を保持する第1のロック手段が構成されていると言うことができる。
図3、図6に示すように、内筒3が第2の位置に位置した際、先端側拡幅部211に操作片31が入り込む。これにより、先端側拡幅部211と狭幅部213との境界部に形成された、幅が変化する段差部215に操作片31が当接することとなる。これにより、内筒3の基端方向への移動が確実に規制され、よって、第2の位置にある内筒3が不本意に第1の位置するのが防止される。この状態では、穿刺具10の針先12が確実にプロテクタ1(内筒3)によって覆われるため、誤って針先12で手指等を刺すのを確実に防止することができる。
プロテクタ1では、操作片31と段差部215とにより、内筒3の第2の位置を保持する第2のロック手段が構成されていると言うことができる。
また、先端側拡幅部211には、その基端側の部分に、操作片31の一部が係合する欠損部(係合部)216が形成されている(例えば、図4、図6参照)。操作片31の一部が欠損部216に係合することにより、再度、操作片31が狭幅部213に入り込むのが防止される。これにより、内筒3の基端方向への移動がより確実に規制され、よって、第2の位置にある内筒3が不本意に第1の位置するのが確実に防止される。
図8〜図10に示すように、外筒2は、内筒3が第1の位置から第2の位置へ移動する際に、チューブ17を挟持して当該チューブ17に固定する固定手段としての一対の挟持片(固定手段)22a、22bを有している。各挟持片22a、22bは、それぞれ、横断面形状が円弧状をなす長尺形状であり、一端部(基端部)が外筒2の基端部に支持されており、他端部(先端部)が外筒2の先端側に延びている。挟持片22aおよび22bのうちの少なくとも一方(図9に示す構成では挟持片22a)を押圧することにより、挟持片22aと挟持片22bとの間隔が確実に狭まり、よって、これらの間に位置するチューブ17を確実に挟持することができ、プロテクタ1が穿刺具10(チューブ17)に対して固定される固定状態となる。
なお、挟持片22aと挟持片22bとの挟持力は、チューブ17の内腔が閉塞しない程度に設定されているのが好ましい。
また、操作片31による挟持片22aに対する押圧を解除すると、固定状態が解除されて解除状態となる。
このように、プロテクタ1では、一対の挟持片22a、22bによる固定状態と解除状態とを選択することができる。例えば、解除状態では、プロテクタ1をチューブ17に沿って移動させることができるので、プロテクタ1を退避状態とすることができる(図1参照)。これにより、穿刺具10による穿刺を行なう際にプロテクタ1が邪魔になるのを防止することができる。
図8および図10に示すように、各挟持片22a、22bの先端部には、それぞれ、厚さが基端方向に向かって漸減するテーパ部221が設けられている。各テーパ部221は、内筒3が第2の位置にあるときに、当該内筒3の後述する押圧部33が押圧する部位である(図8参照)。各テーパ部221がそれぞれ押圧部33によって押圧されることにより、チューブ17に対する挟持片22a、22bの挟持状態が維持される。これにより、穿刺具10の内部圧力の変化が防止され、よって、針先12から血液が吐出(例えば、漏出や飛散)するのを確実に防止することができる。
また、前述したように、内筒3が第1の位置(図2に示す状態)から第2の位置(図3に示す状態)へ移動する際に、挟持片22a、22bがチューブ17を挟持する。このため、プロテクタ1が穿刺具10に対して固定されることとなる。これにより、内筒3が第2の位置に位置すると、当該内筒3が中空針11(針先12)を確実に覆うことができる。
内筒3を第1の位置から第2の位置へ移動する際には、挟持片22a、22bの先端222を、それぞれ、穿刺具10のハブ13の基端面(位置決め部)131に当接させて(図10参照)、内筒3の移動操作を行なう。挟持片22a、22bの先端222を、それぞれ、穿刺具10のハブ13の基端面131に当接させると、穿刺具10に対するプロテクタ1の位置決めが行なわれる。この状態(位置決め状態)で、内筒3が第1の位置から第2の位置に位置すると、その第2の位置に位置した内筒3が中空針11(針先12)をより確実に覆うことができる。このうに、プロテクタ1では、挟持片22a、22bの先端222は、それぞれ、穿刺具10のハブ13に当接して、穿刺具10に対するプロテクタ1の位置決めを行なう位置決め部(当接部)として機能する。
外筒2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリカーボネート等の各種樹脂材料が挙げられる。
外筒2の内側には、内筒3が配置されている。この内筒3は、外筒2と同様に、横断面形状がほぼ四角形状をなす、両端が開口した、すなわち、先端開口34および基端開口35を有する筒体で構成されている。このように内筒3が外筒2と同様の横断面形状をなすことにより、内筒3が外筒2に対して回転が規制される。これにより、内筒3に形成された操作片31が、外筒2に形成されたガイド溝21から抜けるのを確実に防止することができる。よって、操作片31のガイド溝21に沿った移動操作を確実に行なうことができる。また、内筒3の内径は、穿刺具10のハブ13の外径よりも十分大きく設定されている。
図11〜図13に示すように、内筒3の基端部には、その管壁の一部が例えばL字状に欠損するように、スリット36が形成されている。このスリット36で囲まれた部分を、所望に湾曲または屈曲変形することにより、内筒3の外周部に対して突出した操作片31と、操作片31を付勢する、湾曲した付勢部32とを形成することができる。このように操作片31および付勢部32は、それぞれ、内筒3の一部を利用したものである。これにより、操作片31および付勢部32をそれぞれ例えば別部材で設けるのが省略され、よって、プロテクタ1をその構造が簡単なものとすることができる。プロテクタ1では、外筒2に形成されたガイド溝21と、前記操作片31と、前記付勢部32とにより、内筒3を第1の位置と第2の位置とに移動操作する操作手段が構成されている。
なお、操作片31の縁部311には、微少な凹凸が多数成形されている(例えば、図5、図13)。操作片31の縁部311に指を掛けて当該操作片31を操作する際に、指が縁部311からズレる(滑る)のが確実に防止され、よって、その操作を確実に行なうことができる。
また、分解状態の内筒3を外筒2内に挿入して、内筒3と外筒2とを組立状態とするには、操作片31を付勢部32の付勢力に抗して押圧して内筒3の外周部から突出しない状態とする。この状態で、内筒3を外筒2内に挿入すると、組立状態となる。
図2に示すように、位置決め状態で、内筒3が第1の位置にあるとき、操作片31は、ガイド溝21の基端側拡幅部212に入り込んでいる。また、この基端側拡幅部212に入り込んだ操作片31は、付勢部32によって、操作片31をガイド溝21の幅方向に対向する一対の壁部の一方側(図2、図5中の左側)に付勢されている。これにより、操作片31が段差部214に確実に当接し(係合し)、よって、内筒3の先端方向への移動がより確実に規制される。これにより、前述したように、第1の位置にある内筒3が不本意に第2の位置するのが防止される。
また、内筒3が第1の位置にあるときは、プロテクタ1がハブ13から離間した状態(図1に示す状態)および位置決め状態(図2に示す状態)で、針先12が露出する。本実施形態では、図1に示す状態で穿刺具10による穿刺を行なう。
図2に示す状態から、操作片31を付勢部32の付勢力に抗して狭幅部213側に押圧する。これにより、操作片31と段差部214との係合が解除される。この状態で、操作片31を狭幅部213に沿って先端方向に移動操作することができる。これにより、内筒3を第2の位置へ確実に移動させることができる。
また、内筒3は、その内径が穿刺具10のハブ13の外径よりも十分大きく設定されているため、第2の位置へ移動する際には、穿刺具10に触れるのが防止されている。これにより、移動する内筒3からの振動が直接穿刺具10に伝わるのが確実に防止され、よって、使用済の穿刺具10の針先12を覆う際に、その針先12に付着した血液が飛散したり、漏洩したりするのを確実に防止することができる。
また、図9に示すように、操作片31を付勢部32の付勢力に抗して狭幅部213側に押圧すると、操作片31と段差部214との係合が解除される。このとき、付勢部32が内筒3の中心側(挟持片22a側)に湾曲し、当該付勢部32の内周面(押圧作用部)321が挟持片22aの外周面223を押圧する。これにより、挟持片22aと挟持片22bとの間隔が狭まり、よって、チューブ17を挟持して、外筒2がチューブ17に固定される。
このように、プロテクタ1では、操作片31を操作することにより、内筒3の移動操作を行なうことができるのみならず、挟持片22a、22bの挟持操作(固定操作)も行なうことができる。このように1つの部位を操作することにより、2種の操作を連続的に行なうことができるため、プロテクタ1は操作性に優れたものとなっている。
図3に示すように、位置決め状態で内筒3が第2の位置にあるとき、操作片31は、ガイド溝21の先端側拡幅部211に入り込んでいる。また、この先端側拡幅部211に入り込んだ操作片31は、付勢部32によって、操作片31をガイド溝21の幅方向に対向する一対の壁部の一方側(図3、図6中の左側)に付勢されている。これにより、操作片31が段差部215に確実に当接し(係合し)、よって、内筒3の基端方向への移動がより確実に規制される。これにより、前述したように、第2の位置にある内筒3が不本意に第1の位置するのが防止される。
また、第2の位置の内筒3によって中空針11(針先12)が覆われる。これにより、誤って針先12で手指等を刺すという事故が防止され、よって、プロテクタ1は衛生面、安全面で極めて優れたものとなっている。
また、図8に示すように、内筒3が第2の位置に位置した際に、挟持片22a、22bのテーパ部221をそれぞれ、挟持片22a、22bが互いに接近する方向に押圧する押圧部33を有している。この押圧部33は、内筒3のスリット36の先端側近傍に、内周部から隆起して(突出して)設けられている。また、押圧部33は、内筒3の内周部の周方向の一部に設けられている。
このような押圧部33が設けられていることにより、挟持片22a、22bによってチューブ17が挟持され、その挟持状態が維持されるので、位置決め状態のプロテクタ1が穿刺具10からズレるのを確実に防止することができる。これにより、内筒3が中空針11を覆った状態が確実に維持される。
また、挟持状態が維持されることにより、チューブ17の内部圧力の変化が抑制されるため、針先12からの血液が吐出することを防止することができる。
また、押圧部33が設けられていることにより、第2の位置にある内筒3がさらに先端方向に移動して、外筒2から離脱するのを確実に防止することができる(図8参照)。
内筒3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、外筒2と同様の構成材料を用いることができる。
次に、プロテクタ1の使用方法の一例について、図1〜図3を参照しつつ説明する。なお、ここでは、供血者から採血を行なう場合について説明する。
[1] 最初に、プロテクタ1を穿刺具10に装着したもの、すなわち、穿刺針組立体を用意する。
このとき、プロテクタ1は、内筒3が外筒2に収納された第1の位置にあり、退避状態、すなわち、穿刺針(採血針)11のハブ13から離間されており、採血バッグに接続されたチューブ17に挿通されている。また、穿刺針10の中空針11には、キャップが装着されている。
[2] 次に、中空針11からキャップを取り外して、図1に示す状態とする。この状態で、供血者の血管に中空針11を穿刺して採血を行なう。
[3] 採血の終了後、プロテクタ1を穿刺針10のハブ13の近傍まで移動させて、図2に示す位置決め状態にしてから、供血者の血管から中空針11を抜く。
[4] 次に、プロテクタ1の操作片31を操作して、ガイド溝21の基端側拡幅部212に位置する操作片31を押圧して、段差部214との係合を解除し、操作片31を狭幅部213に沿って先端方向に移動して、先端側拡幅部211の段差部215に係合させる。
これにより、プロテクタ1は、内筒3が外筒2から突出した第2の位置に移動し、内筒3によって中空針11の針先12が覆われた状態となる(図3参照)。
また、これに伴って、内筒3の押圧部33によって一対の挟持片22a、22bが互いに近接する方向に押圧され、チューブ17が一対の挟持片22a、22bによって挟持される。
[5] 次に、チューブ17の所定箇所をチューブシーラー等を用いて融着し、切断することにより、穿刺針組立体を採血バッグから切り離す。そして、プロテクタ1が中空針11に装着された状態のまま、穿刺針組立体を廃棄処理する。
以上、本発明のプロテクタを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、プロテクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、内筒は、その管壁の一部に開口部を有し、当該開口部を介して、中空針(針管)の針先より基端側の部分が露出していてもよい。
本発明のプロテクタの使用状態を順に示す斜視図(プロテクタがハブから離間し、内筒が第1の位置にある状態を示す図)である。 本発明のプロテクタの使用状態を順に示す斜視図(プロテクタと穿刺具とが位置決めされ、内筒が第1の位置にある状態を示す図)である。 本発明のプロテクタの使用状態を順に示す斜視図(プロテクタと穿刺具とが位置決めされ、内筒が第2の位置にある状態を示す図)である。 図2に示すプロテクタの外筒の先端部付近の拡大詳細図である。 図2に示すプロテクタの外筒の基端部付近の拡大詳細図である。 図3に示すプロテクタの外筒の先端部付近の拡大詳細図である。 図3に示すプロテクタの外筒の基端部付近の拡大詳細図である。 図3に示すプロテクタの縦断面斜視図である。 本発明のプロテクタの横断面図である。 本発明のプロテクタの外筒の縦断面斜視図である。 本発明のプロテクタの内筒の斜視図である。 図11に示す内筒の基端部付近の拡大詳細図である。 図11に示す内筒の基端部付近の拡大詳細図である。
符号の説明
1 プロテクタ
2 外筒
21 ガイド溝(操作手段)
211 先端側拡幅部
212 基端側拡幅部
213 狭幅部
214、215 段差部
216 欠損部(係合部)
22a、22b 挟持片(固定手段)
221 テーパ部
222 先端
223 外周面
23 先端開口
24 基端開口
25 リブ
3 内筒
31 操作片(操作手段)
311 縁部
32 付勢部
321 内周面(押圧作用部)
33 押圧部
34 先端開口
35 基端開口
36 スリット
10 穿刺具
11 中空針(針管)
12 針先
13 ハブ
131 基端面(位置決め部)
138 基端部
17 チューブ

Claims (12)

  1. 先端に鋭利な針先を有する針管と、該針管の基端側に設置されたハブと、該ハブの基端部に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用されるプロテクタであって、
    前記チューブの長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記穿刺具に対して固定される固定手段を有する外筒と、
    前記外筒の内側に収納され、該外筒の長手方向に移動可能に設けられた内筒と、
    前記内筒を、前記外筒に収納された第1の位置と、該第1の位置から先端方向に移動して、前記外筒から突出した第2の位置とに移動する操作手段とを備え、
    前記外筒が前記穿刺具に固定された状態で、前記内筒が前記第1の位置にあるとき、前記針先が露出し、前記内筒が前記第2の位置にあるとき、前記内筒によって前記針管の前記針先が覆われるように構成されていることを特徴とするプロテクタ。
  2. 前記操作手段は、前記外筒の管壁にその長手方向に沿って形成されたガイド溝と、前記内筒の外周部に形成され、前記ガイド溝に沿って移動する操作片とを有する請求項1に記載のプロテクタ。
  3. 前記ガイド溝は、その基端部に、幅が拡大した基端側拡幅部を有し、
    前記操作手段は、前記操作片を前記ガイド溝の一方の縁部に向けて付勢する付勢部を有し、
    前記操作片は、前記内筒が前記第1の位置に位置した際に、前記基端側拡幅部に入り込み、前記付勢部によって付勢されて、前記基端側拡幅部の先端側の段差部に係止することにより、前記内筒の前記第1の位置が保持されるように構成されている請求項2に記載のプロテクタ。
  4. 前記ガイド溝は、その先端部に、幅が拡大した先端側拡幅部を有し、
    前記操作手段は、前記操作片を前記ガイド溝の一方の縁部に向けて付勢する付勢部を有し、
    前記操作片は、前記内筒が前記第2の位置に位置した際に、前記先端側拡幅部に入り込み、前記付勢部によって付勢されて、前記先端側拡幅部の基端側の段差部に係止することにより、前記内筒の前記第2の位置が保持されるように構成されている請求項2または3に記載のプロテクタ。
  5. 前記固定手段は、前記穿刺具に対して固定される固定状態と、該固定状態を解除した解除状態とを選択し得る請求項1ないし4のいずれかに記載のプロテクタ。
  6. 前記操作手段は、前記内筒を前記第1の位置から前記第2の位置に移動するのに伴って、前記固定手段を前記解除状態から前記固定状態となるように作動させるように構成されている請求項5に記載のプロテクタ。
  7. 前記固定手段は、前記チューブに固定されるように構成さている請求項1ないし6のいずれかに記載のプロテクタ。
  8. 前記固定手段は、前記外筒の内側に設けられ、前記チューブを挟持して、前記外筒を前記チューブに対して固定する複数の挟持片により構成されている請求項7に記載のプロテクタ。
  9. 前記各挟持片は、それぞれ、一端部が前記外筒の基端部に支持されており、他端部が前記外筒の先端側に延びる長尺形状である請求項8に記載のプロテクタ。
  10. 前記各挟持片の先端は、それぞれ、前記ハブに当接して、前記穿刺具に対する前記プロテクタの位置決めを行なう位置決め部として機能する請求項8または9に記載のプロテクタ。
  11. 前記操作手段は、前記内筒を前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記一対の挟持片のうちの一方を他方に向けて押圧する押圧作用部を有する請求項8ないし10のいずれかに記載のプロテクタ。
  12. 前記内筒は、その内周部に設けられ、前記第2の位置に位置した際に、前記各挟持片を互いに接近する方向に押圧する押圧部を有する請求項8ないし11のいずれかに記載のプロテクタ。
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