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JP2008240785A - 摺動部材 - Google Patents

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拓也 田中
Masahito Fujita
正仁 藤田
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Abstract

【課題】基材表面にバインダー樹脂と固体潤滑剤とから成る被覆層を設けた摺動部材において、被覆層の熱伝導率を高くして基材側への放熱性を向上させ、非焼付性を向上させる。
【解決手段】軸受合金層(基材)1の表面に、バインダー樹脂と固体潤滑剤とから成る被覆層2を形成する。この被覆層2に、熱伝導性フィラーとしての鱗片状金属3を添加する。この鱗片状金属3同士は互いに接近し、或いは互いに接触することによって被覆層2表面の熱を基材1に伝える伝熱経路が作られ、被覆層2の熱伝導性は向上する。被覆層2の熱伝導率を0.4W/m・K以上にすることにより、相手軸の回転により被覆層2表面において発生した熱は、軸受合金層1側へ放熱されやすくなり、被覆層2の強度低下を抑制でき、なじみ性、非焼付性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材表面にバインダー樹脂と固体潤滑剤とから成る被覆層を設けた摺動部材に関する。
摺動部材、例えば自動車のエンジンに用いられるすべり軸受としては、一般に、裏金上にAl系又はCu系の軸受合金を接合したものが用いられていた。ところが、近年、エンジンの高出力化、高速回転化に伴い、初期なじみ性や非焼付性等の摺動特性の改善が要求されてきており、これに対応するために、軸受合金層の表面に被覆層を設けることが一般になってきている。
被覆層としては、Sn合金層等から成る金属被覆層と、ベースとなる樹脂に固体潤滑剤等を含有させた樹脂被覆層とがある。樹脂被覆層を設けたすべり軸受としては、特許文献1及び特許文献2に示されたものがある。特許文献1に記載された被覆層は、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂をベース樹脂として、これに二硫化モリブテン(以下、MoS2)やグラファイト(以下、Gr)等の固体潤滑剤を添加して成る。又、特許文献2に記載された被覆層は、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂をベース樹脂として、これにCu、Sn、Ag、Zn等の易硫化軟質金属粒子を添加して成る。
尚、ベースとなる樹脂は、添加物を結合するという意味で、以下では、バインダー樹脂ということにする。
特開平7−238936号公報 特開2000−240657号公報
特許文献1では、被覆層を構成するバインダー樹脂は、相手軸により削られてなじみ性を発揮し、又、固体潤滑剤は、摩擦係数を低くする作用と共になじみ性を有するとされている。
特許文献2では、被覆層の易硫化軟質金属粒子は、潤滑油中の硫黄と反応して粒子表面に潤滑性に優れた硫化物を形成するので、摩擦係数が低下するという効果をもたらすとされている。
しかしながら、樹脂被覆層は、熱伝導性の低い樹脂をベースとしているため、熱伝導率が低く、相手軸の回転により樹脂被覆層表面において発生した熱を軸受合金層側に逃し難い。このように軸受合金層側への放熱性の低い樹脂被覆層では、相手軸の回転時に高温になって強度低下、硬度低下をきたし、剥離や焼付きに至るという場合がある。
樹脂被覆層を薄くすると(例えば3μm未満)、軸受合金層への放熱量を増やすことができ、強度や硬度の低下をある程度抑制することができる。しかしながら、樹脂被覆層を薄くすると、放熱性が改善されるとはいっても、元々熱伝導性の低い樹脂被覆層では放熱量の増加に限度があるため、温度上昇は避けられず、温度上昇による強度低下、硬度低下は免れ得ない。一方、軸受合金層の表面は、通常、樹脂被覆層の密着力を高めるために、粗面化されて凹凸状にされていることが多い。そして、厚さの薄い樹脂被覆層が硬度低下すると、凹凸状になっている軸受合金層の凸部において樹脂被覆層に局部的荷重が作用し、その部分が剥離したり、なじみ性が不十分になって焼付きに至ったりするという問題を生ずる。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材表面にバインダー樹脂と固体潤滑剤とから成る被覆層を設けた摺動部材において、被覆層の熱伝導率を高くすることができて基材側への放熱性を向上させることができ、又、被覆層を薄くしても優れた非焼付性を得ることができる摺動部材を提供することにある。
請求項1の発明は、上記した目的を達成するために、被覆層に、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラックのうちの1種以上を熱伝導性フィラーとして添加し、被覆層の熱伝導率を0.4W/m・K以上としたことを特徴とする。
本発明において、被覆層は、基材(通常、金属製)の表面に設けられている。被覆層を表面に設ける基材としては、各種形態のものが考えられる。一般的には、鋼裏金上に軸受合金を設けたすべり軸受において、軸受合金層を基材としてその表面に被覆層を形成する場合が多い。又、鋼裏金そのものを基材として、その表面に被覆層を形成する形態のものであっても良い。この場合、被覆層の接着性を向上させるために、鋼裏金の表面に例えばCu系合金を焼結或いは溶射して多孔質金属層を設けたりしても良い。基材表面に被覆層を設けることにより、なじみ性、非焼付性を向上させることができる。被覆層のバインダー樹脂としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。又、ポリアミドイミド(以下、PAI)やポリベンゾイミダゾール(以下、PBI)等の耐熱性樹脂も使用できる。
被覆層に固体潤滑剤を含ませることにより、摩擦係数を低くでき、又、なじみ性を向上させることができる。固体潤滑剤としては、MoS2、Gr、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)、二硫化タングステン(以下、WS2)等のうちの1種以上を用いることができる。
尚、被覆層には、固体潤滑剤の他に、耐摩耗性向上のために、硬質粒子を含有させても良い。又、特許文献2と同様に、易硫化軟質金属粒子を含有させ、これを固体潤滑剤として利用するものであっても良い。硬質粒子としては、窒化珪素(Si34)等の窒化物、酸化アルミニウム(Al23)、酸化珪素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)等の酸化物、炭化珪素(SiC)等の炭化物を1種以上用いることができる。又、易硫化軟質金属粒子としては、Cu、Sn、Ag、Zn等を用いることができる。
本発明は、以上説明したような基材表面に設けられた被覆層に、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラック等の熱伝導性フィラーを添加したことを特徴とする。熱伝導性フィラーを被覆層中に含有させると、被覆層の熱伝導率が高くなる。熱伝導率が高くなる理由は、熱伝導性フィラーによって熱伝達経路が作られるからである。
例えば、図1は、基材1の表面の被覆層2に、鱗片状金属3を含有させた場合の模式図であるが、粒状の金属に比べて鱗片状に展延された金属3は、粒状のものと同体積であっても、面的に広く拡がり、表面積が大きくなっている。鱗片状金属3の大きさは、平均すると一辺10μmの正方形の中に収まる程度のものである。このように、面的に拡がる鱗片状金属3は、互いに接近し、或いは互いに接触する機会が多くなり、それら接近或いは接触する鱗片状金属3によって被覆層2表面の熱を基材1に伝える経路が作られる。
図2は、被覆層2に、チタン酸カリウムウィスカー4を含有させた場合を示している。チタン酸カリウムウィスカー4の場合は、ウィスカー(ひげ状)とされているから、同体積の粒状のものと比べ、細く長く伸びている。チタン酸カリウムウィスカー4の大きさは、直径約0.5μmで、長さが約20μm程度である。この長いチタン酸カリウムウィスカー4は、互いに接近する機会が多く、又、ときとして被覆層2の厚さ寸法よりも長い場合があるから、1本のチタン酸カリウムウィスカー4が被覆層2の表面と基材1との間にわたる場合もあって、チタン酸カリウムウィスカー4によって被覆層2の表面の熱を容易に基材1に伝える経路が作られる。
図3は、被覆層2に、カーボンブラック5を含有させた場合を示している。カーボンブラック5は、非常に細かく(直径約3〜50nm)、同体積に占める鱗片状金属3やチタン酸カリウムウィスカー4と比べると、その数は格段に多く、そのため、カーボンブラック5は、互いに接近し、或いは互いに接触する機会が多くなり、それら接近し或いは接触するカーボンブラック5によって被覆層2表面の熱を基材1に伝える経路が作られる。
このような熱伝導性フィラーの添加により被覆層の熱伝導率は、0.4W/m・K以上に定められる。
被覆層に添加する熱伝導性フィラーの含有量は、鱗片状金属の場合には5〜20体積%が好ましく(請求項2)、チタン酸カリウムウィスカーの場合には1〜15体積%が好ましく(請求項3)、カーボンブラックの場合には1〜10体積%が好ましい(請求項4)。これらの範囲内であると、熱伝導性に優れた被覆層を容易に形成することができる。
熱伝導性フィラーとして、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラックのうちの2種以上を被覆層に添加した場合の含有量は、総量で25体積%以下が好ましい(請求項5)。この範囲内であると、熱伝導性に優れると共に、低摩擦係数を確実に維持することができる。
熱伝導性フィラーを被覆層に添加すると、上述のように被覆層の熱伝導率を高くすることができる。熱伝導率の高い(0.4W/m・K以上)被覆層では、相手軸の回転により被覆層表面において発生した熱が被覆層から軸受合金層へと良好に伝えられるので、異常高温となることを防止できる。このため、被覆層の強度及び硬度の低下を抑制できる。又、熱伝導性フィラーは比較的硬度が高いので、熱伝導性フィラーが添加されることにより、被覆層の硬度は増す。この場合、被覆層の硬度は、HV20〜40が好ましい(請求項6)。この範囲内では、基材表面の凹凸の影響を受け難く、基材表面の凸部での局部荷重がかかっても、被覆層のクラック又は割れ等の発生を防ぐことができる。これにより、クラックや割れ等で生じる被覆層の剥離片が異物となったアブレッシブ摩耗の発生を防ぐことができ、又、なじみ性も良好であるので、局部的に荷重がかかることを防ぐことができる。
本発明においては、熱伝導性フィラーを添加した被覆層の厚さを3μm未満にすることができる(請求項7)。この場合、被覆層の厚さはJISK5600の顕微鏡法に基づいて測定する。図5に示すように基材1の表面が凹凸状である場合には、凸部の頂点(凸部高さの異なる場合は、所定範囲内の凸部の頂点の高さの平均)から、被覆層の表面(凹凸がある場合は、所定範囲内の凸部の頂点の高さの平均)までの距離Tを、被覆層の厚さとする。本発明の被覆層は、上記のように熱伝導性に優れているため、被覆層の表面で発生した熱は、容易に基材に伝わり、被覆層の表面で生じた熱による樹脂の強度低下が生じ難い。従って、被覆層の厚さを薄くしても、軸受合金層の表面の凹凸の影響を受け難く、被覆層のクラック又は割れ等の発生を防ぐことができる。
以下、本発明を実施例により詳述する。
本発明を適用した摺動部材の基本形態は、図4に示されている。図4の摺動部材6は、例えばエンジン用のすべり軸受として構成されており、鋼から成る裏金層7と、この裏金層7の表面に設けられた軸受合金層1と、この軸受合金層1の表面に設けられた被覆層2との三層構造となっている。軸受合金層1としては、Al系又はCu系の合金を使用することができるが、本実施例ではCu系合金を用いた。
被覆層2は、バインダー樹脂に固体潤滑剤を添加して成る。バインダー樹脂としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、PAIやPBI等の耐熱性樹脂を使用できる。又、固体潤滑剤としては、MoS2、Gr、PTFE、WS2等のうちの1種以上を用いることができる。
摺動部材6の製造方法は次の通りである。まず、裏金層7の表面に、Cu系の焼結合金を散布し、還元雰囲気炉で焼結し、その後にロールで圧延する。これを二回繰返して裏金層7上に軸受合金層1を被覆して成るバイメタルを得た。そして、このバイメタルを所定の形状に機械加工して前記エンジン用のすべり軸受等の摺動部材6を製造するものである。
さて、本発明者らは、上記のようにして製造したバイメタルを所定形状に切断して複数の試料片を得た。そして、各試料片の軸受合金層の表面の粗さを最大高さRmaxで1.5〜2μmに粗面化した。
一方、次の表1に示すバインダー樹脂に、表1に示す成分から成る固体潤滑剤及び熱伝導性フィラーを同じく表1に示す組成成分となるように添加し、更に、有機溶剤で希釈して塗液を製造した。この塗液を試料片の粗面化処理した軸受合金層表面に例えばロール印刷法(ロール表面に塗液を均一に展開し、そのロールで塗液を軸受合金層に塗布する方法)にて塗布した。塗液の塗布後、試料片を乾燥炉、焼成炉に通して塗液から有機溶剤を蒸発除去する乾燥及び塗液の焼成を行い、被覆層とした。以上のようにして表1に示す実施例1〜15の試料を得た。又、上述したと同様の製造法により、表1に示す組成成分の被覆層をもつ比較例1〜8の試料を得た。
以上のようにして形成した各試料の被覆層について、硬度、厚さ、熱伝導率を測定した。又、各試料について、表2に示す条件にて焼付試験を行い、その結果を表1に示した。尚、焼付荷重とは、試料片に加える面圧を10分毎に1MPaずつ上げていく試験内容において、試料片が焼付きを生じさせたときの面圧をいう。
Figure 2008240785
Figure 2008240785
焼付試験の結果を考察するに、まず、被覆層の熱伝導率が0.4W/m・K以上である実施例1〜15は、0.4W/m・K未満である比較例1〜8に比べ、非焼付性に優れていることが理解できる。
比較例1,8と、比較例2,3,7とから、熱伝導性フィラーとして球形金属、具体的には球形Cuを添加しても、被覆層の熱伝導率は向上せず、或いは向上しても僅かである。これに対し、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラックを熱伝導性フィラーとして添加した実施例1〜15は、熱伝導率が大きく向上しており、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラックが熱伝導率の向上に効果があることがわかる。
但し、鱗片状金属のみの添加によって被覆層の熱伝導率を0.4W/m・K以上とするには、実施例1と比較例6とから、バインダー樹脂としてPAIを用いると、5体積%以上添加する必要があることが理解される。又、チタン酸カリウムウィスカー単独では、実施例11と比較例4とから、同様に、1体積%以上の添加が必要で、カーボンブラック単独では、実施例8と比較例5とから、同様に、1体積%以上の添加が必要であることも理解される。
実施例1〜15から、熱伝導性フィラーの含有量が多くなると、それにつれて被覆層の熱伝導率が向上することがわかる。しかし、非焼付性の観点からみると、鱗片状金属の場合には実施例3,4から20体積%以下が好ましく、同様に、チタン酸カリウムウィスカーの場合には実施例6,7から15体積%以下、カーボンブラックの場合には実施例9,10から10体積%以下、熱伝導性フィラーの総量は実施例1〜14と実施例15とから25体積%以下が好ましいことが理解される。又、これらの範囲内であると十分な量の固体潤滑剤を含ませることができるので、被覆層の摩擦係数を低く維持できた。
前述したように、実施例1〜15は、比較例1〜8に比べて非焼付性において優れる。硬度との関係でみると、最低硬度の実施例8がHV20であることから、被覆層の硬度としては、HV20以上とすることが好ましい。ただ、実施例6,7から、HV40を超えると、非焼付性が低下するので、HV40以下が好ましい。
次に、被覆層の厚さについてみると、比較例1,8から、熱伝導率が低い場合には、3μm未満にすると、非焼付性が著しく低下することがわかる。これに対し、実施例12〜14から、熱伝導率が高い場合には、被覆層の厚さを3μm未満にしても非焼付性の低下は見られず、逆に向上している。これは、被覆層の熱伝導率が高いと、放熱性に優れるので被覆層の硬度低下がなく、軸受合金層(基材)表面の凹凸の影響を受け難いこと、又、薄いので被覆層の変形も少なく、相手軸との真実接触面積も小さくなって発熱量が少なくなったことによるものと考えられる。
本発明において、鱗片状金属が添加された被覆層の状態を模式的に示す断面図 本発明において、チタン酸カリウムウィスカーが添加された被覆層の状態を模式的に示す断面図 本発明において、カーボンブラックが添加された被覆層の状態を模式的に示す断面図 本発明にを適用した実施例を示すすべり軸受の断面図 軸受合金層表面の凹凸と、被覆層の厚さとの関係を示す模式図
符号の説明
図面中、1は軸受合金層(基材)、2は被覆層、3は鱗片状金属、4はチタン酸カリウムウィスカー、5はカーボンブラック、6は摺動部材を示す。

Claims (7)

  1. 基材表面に、バインダー樹脂と固体潤滑剤とから成る被覆層を設けた摺動部材において、
    前記被覆層に、鱗片状金属、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンブラックのうちの1種以上を熱伝導性フィラーとして添加し、
    前記被覆層の熱伝導率を0.4W/m・K以上としたことを特徴とする摺動部材。
  2. 前記被覆層には、前記鱗片状金属が前記熱伝導性フィラーとして添加され、その含有量は、5〜20体積%であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記被覆層には、前記チタン酸カリウムウィスカーが前記熱伝導性フィラーとして添加され、その含有量は、1〜15体積%であることを特徴とする請求項1又は2記載の摺動部材。
  4. 前記被覆層には、前記カーボンブラックが前記熱伝導性フィラーとして添加され、その含有量は、1〜10体積%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の摺動部材。
  5. 前記被覆層に、前記鱗片状金属、前記チタン酸カリウムウィスカー、前記カーボンブラックのうちの2種以上を前記熱伝導性フィラーとして添加するとき、前記熱伝導性フィラーは、総量で25体積%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の摺動部材。
  6. 前記被覆層の硬度は、HV20〜40であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の摺動部材。
  7. 前記被覆層の厚さは、3μm未満であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の摺動部材。
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