JP2008240355A - 柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐火性及び遮音性を有しながらも簡単な構成で施工の簡素化を図ることができる柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を提供する。
【解決手段】鉄骨構造部材12の下面12aに耐火間仕切壁13の上端部が突き付けられた状態で接続され、鉄骨構造部材12に取り付けられた複数の下地14を介して複数の成型耐火被覆材15が鉄骨構造部材12の周囲に配置される。鉄骨構造部材12の下部を覆う成型耐火被覆材15は耐火間仕切壁13を挟んで2分割され、分割された成型耐火被覆材15の端部が耐火間仕切壁13の表面に接続され、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁13とが一体となって鉄骨構造部材12の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画A、A’を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】鉄骨構造部材12の下面12aに耐火間仕切壁13の上端部が突き付けられた状態で接続され、鉄骨構造部材12に取り付けられた複数の下地14を介して複数の成型耐火被覆材15が鉄骨構造部材12の周囲に配置される。鉄骨構造部材12の下部を覆う成型耐火被覆材15は耐火間仕切壁13を挟んで2分割され、分割された成型耐火被覆材15の端部が耐火間仕切壁13の表面に接続され、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁13とが一体となって鉄骨構造部材12の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画A、A’を形成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造及び方法に係り、特に鉄骨構造部材からなる柱または梁に耐火間仕切壁を取り合わせる構造及び方法に関する。
一般に、鉄骨構造物において、耐火建築物における耐火構造は、柱や梁を形成する鉄骨構造部材を火災時の炎や熱から保護するために所定の耐火性能を有する耐火被覆材が鉄骨構造部材の外周部に施され、室間の延焼防止のためには耐火間仕切壁により防火区画が形成されている。また、鉄骨構造部材の耐火被覆と防火区画のための耐火間仕切壁は、それぞれ別の独立した技術として認可されている。
鉄骨構造部材の耐火被覆材としては、ロックウール等の吹き付け材、石膏ボードやけい酸カルシウム板等の成型板、ロックウール等の巻き付け材及び耐火塗料等の塗材が知られている。防火区画のための耐火間仕切壁としては、けい酸カルシウム板や石膏ボード、押出し成型板やALC(軽量気泡コンクリート)等が知られている。
鉄骨構造部材の耐火被覆材としては、ロックウール等の吹き付け材、石膏ボードやけい酸カルシウム板等の成型板、ロックウール等の巻き付け材及び耐火塗料等の塗材が知られている。防火区画のための耐火間仕切壁としては、けい酸カルシウム板や石膏ボード、押出し成型板やALC(軽量気泡コンクリート)等が知られている。
耐火建築物における耐火構造の施工手順としては、前述の通り、所定の鉄骨構造部材の耐火性能の担保や防火区画を形成する耐火間仕切壁はそれぞれ別の独立した技術として認可されているため、鉄骨構造部材の耐火被覆工事を先行する必要があった。これは、耐火間仕切壁を先行すると、鉄骨構造部材の耐火被覆の所定の施工ができなくなるためである。したがって、施工工程は、内装業者による耐火間仕切壁用下地金物取り付け施工、耐火被覆施工業者による鉄骨構造部材の耐火被覆施工、内装業者による耐火間仕切壁施工の、2業者、3工程が必要になり、施工性は非効率的であった。
一方、鉄骨構造部材の耐火被覆施工の前には、あらかじめ、鉄骨構造部材の耐火間仕切壁がとりつく面に耐火間仕切壁施工用の軽量鉄骨下地金物等が取り付けられており、軽量鉄骨下地金物等の内部にまで耐火被覆材料を充填しなければならず、耐火被覆施工が非効率的なものとなっていた。また、充填不足のような不良施工も発生しやすかった。さらに、防火区画である耐火間仕切壁に遮音性能が求められる場合、鉄骨構造部材の耐火被覆材が耐火間仕切壁を挟んで両側の部屋に連続に繋がっているため、遮音上の欠点となっていた。すなわち、耐火間仕切壁自体の遮音特性が優れていても、耐火間仕切壁の端部と鉄骨構造部材の耐火被覆との間に介在する隙間や耐火被覆材の比重が比較的小さく且つ遮音性が劣るために、耐火間仕切壁と柱や梁との取り合い部において、耐火被覆材を介して双方の部屋の間で音が側路伝搬してしまう現象が生じていた。
そこで、特許文献1に開示された構造では、図10に示されるように、成型耐火被覆材1を分断して間仕切壁2の端部を鉄骨構造部材3の表面にまで到達させることにより、遮音性を向上させている。
また、鉄骨構造部材の耐火被覆材が吹き付け材のように居室等の最終仕上げにならない場合は、間仕切壁施工後に別途、鉄骨構造部材の耐火被覆材の上に石膏ボード等の成型板での最終仕上げ施工が必要であった。
また、鉄骨構造部材の耐火被覆材が吹き付け材のように居室等の最終仕上げにならない場合は、間仕切壁施工後に別途、鉄骨構造部材の耐火被覆材の上に石膏ボード等の成型板での最終仕上げ施工が必要であった。
しかしながら、特許文献1の構造においては、従来の耐火建築物における耐火構造と同様に、鉄骨構造部材の所定の耐火性能は耐火被覆材で、防火区画は耐火間仕切壁でそれぞれ別の独立した技術として担保されている。すなわち、成型耐火被覆材1で鉄骨構造部材3の外周を完全に囲繞することにより耐火性能を確保しようとしているため、成型耐火被覆材1と同等の材料よりなる壁内耐火材4を耐火間仕切壁2の内部の中空部に設置し、耐火間仕切壁2の壁面材5を介して壁外部の成型耐火被覆材1と耐火上連続させることを必須としている。このため、間仕切壁2と柱や梁との取り合い部の構成が複雑になると共に施工に手間がかかるという問題点があった。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、優れた耐火性および遮音性を有しながらも簡単な構成で施工の簡素化を図ることができる、鉄骨構造部材からなる柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を提供することを目的とする。
また、この発明は、このような取り合い構造を得ることができる取り合い工法を提供することも目的としている。
また、この発明は、このような取り合い構造を得ることができる取り合い工法を提供することも目的としている。
この発明に係る柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造は、鉄骨構造部材からなる柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造において、耐火間仕切壁の端部が鉄骨構造部材に接続され、鉄骨構造部材の周囲が成型耐火被覆材で覆われると共に成型耐火被覆材の端部が耐火間仕切壁の表面に接続されることにより、成型耐火被覆材と耐火間仕切壁が一体となって鉄骨構造部材の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画を形成するものである。
鉄骨構造部材に耐火間仕切壁の端部を接続する方法としては、あらかじめ鉄骨構造部材に施工された軽量鉄骨固定部材等に耐火間仕切壁の端部を接続する。
なお、鉄骨構造部材と軽量鉄骨固定部材等との間に隙間充填材を配設することもできる。隙間充填材は隙間不良を無くすために配設するが、隙間が無い場合には不要となる。
好ましくは、耐火間仕切壁は、互いに離間して対向する2枚の壁材を有している。さらに、これら2枚の壁材の間にグラスウールを挿入することができる。また、各壁材の室内側表面上に表面材を配設してもよい。
なお、鉄骨構造部材と軽量鉄骨固定部材等との間に隙間充填材を配設することもできる。隙間充填材は隙間不良を無くすために配設するが、隙間が無い場合には不要となる。
好ましくは、耐火間仕切壁は、互いに離間して対向する2枚の壁材を有している。さらに、これら2枚の壁材の間にグラスウールを挿入することができる。また、各壁材の室内側表面上に表面材を配設してもよい。
この発明に係る柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い方法は、鉄骨構造部材からなる柱または梁に耐火間仕切壁を取り合わせる方法において、耐火間仕切壁の端部を鉄骨構造部材に接続した後、鉄骨構造部材の周囲を成型耐火被覆材で覆うと共に成型耐火被覆材の端部を耐火間仕切壁の表面に接続することにより、成型耐火被覆材と耐火間仕切壁とが一体となって鉄骨構造部材の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画を形成する方法である。
鉄骨構造部材に耐火間仕切壁の端部を接続する方法としては、あらかじめ鉄骨構造部材に施工された軽量鉄骨固定部材に耐火間仕切壁の端部を接続する。
なお、鉄骨構造部材と軽量鉄骨固定部材等との間に隙間充填材を配設することもできる。隙間充填材は隙間不良を無くすために配設するが、隙間が無い場合には不要となる。
なお、鉄骨構造部材と軽量鉄骨固定部材等との間に隙間充填材を配設することもできる。隙間充填材は隙間不良を無くすために配設するが、隙間が無い場合には不要となる。
この発明によれば、耐火間仕切壁の端部を鉄骨構造部材に接続し、鉄骨構造部材の周囲を覆う成型耐火被覆材の端部を耐火間仕切壁の表面に接続することで成型耐火被覆材と耐火間仕切壁が一体となって鉄骨構造部材の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画を形成するので、簡単な構成で施工が簡素化されると共に優れた耐火性および遮音性を確保することが可能となる。また、成型耐火被覆材で鉄骨構造部材が囲まれているため居室等の最終仕上げになり、吹き付け耐火被覆のように耐火被覆材の上に石膏ボード等の成型板での最終仕上げは不要となる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1にこの発明の実施の形態1に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。鉄骨造建築物のコンクリートスラブの天井11の下面に、梁を構成する鉄骨構造部材12が水平方向に延在している。鉄骨構造部材12の下面12aには、鉄骨構造部材12の長手方向に沿って延びる耐火間仕切壁13の上端部が突き付けられた状態で接続されている。
実施の形態1
図1にこの発明の実施の形態1に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。鉄骨造建築物のコンクリートスラブの天井11の下面に、梁を構成する鉄骨構造部材12が水平方向に延在している。鉄骨構造部材12の下面12aには、鉄骨構造部材12の長手方向に沿って延びる耐火間仕切壁13の上端部が突き付けられた状態で接続されている。
鉄骨構造部材12には複数の下地14が取り付けられており、これらの下地14を介して複数の成型耐火被覆材15が鉄骨構造部材12の周囲に配置されている。複数の下地14は、それぞれ鉄骨構造部材12の長手方向に沿って延在しており、例えば軽量鋼材より形成されている。成型耐火被覆材15は、鉄骨構造部材12の両側部を覆う側部被覆材16と鉄骨構造部材12の下部を覆う下部被覆材17とからなっている。下部被覆材17は、さらに耐火間仕切壁13を挟んで2分割され、2分割された下部被覆材17の端部がそれぞれ耐火間仕切壁13の表面に接続されている。これら側部被覆材16及び下部被覆材17は、例えば強化石膏ボードやけい酸カルシウム板等より形成され、それぞれ二層構造を成すように配設されている。
図2に鉄骨構造部材12と耐火間仕切壁13との取り合い部を拡大して示す。耐火間仕切壁13は、高遮音耐火構造を備えたもので、表裏の壁材を構成する一対の窯業系不燃板18を有し、これら不燃板18の間に空気層19が形成されている。
鉄骨構造部材12の下面12aに下地板20を介してスタッドボルト21が垂設されており、このスタッドボルト21により下地板20の下面に石膏ボードやけい酸カルシウム板等より形成された隙間充填材22を挟んで軽量鉄骨固定部材23が固定されている。軽量鉄骨固定部材23は、鉄骨構造部材12の長手方向に沿って延びると共にコ字状の断面形状を有し、両側端部がそれぞれ下方に向けられている。下地板20及びスタッドボルト21は、軽量鉄骨固定部材23を固定するためにあらかじめ鉄骨構造部材12に取り付けられているもので、鉄骨構造部材12の長手方向に間隔を隔てて配置されている。スタッドボルト21を鉄骨構造部材12に直接施工することができる場合には、下地板20は不要となる。なお、隙間充填材22として、断熱性、遮音性、防振性のうち少なくとも一つの特性を有するものを用いることもできる。
鉄骨構造部材12の下面12aに下地板20を介してスタッドボルト21が垂設されており、このスタッドボルト21により下地板20の下面に石膏ボードやけい酸カルシウム板等より形成された隙間充填材22を挟んで軽量鉄骨固定部材23が固定されている。軽量鉄骨固定部材23は、鉄骨構造部材12の長手方向に沿って延びると共にコ字状の断面形状を有し、両側端部がそれぞれ下方に向けられている。下地板20及びスタッドボルト21は、軽量鉄骨固定部材23を固定するためにあらかじめ鉄骨構造部材12に取り付けられているもので、鉄骨構造部材12の長手方向に間隔を隔てて配置されている。スタッドボルト21を鉄骨構造部材12に直接施工することができる場合には、下地板20は不要となる。なお、隙間充填材22として、断熱性、遮音性、防振性のうち少なくとも一つの特性を有するものを用いることもできる。
耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の上端部には、それぞれ上方に向かって開いたスリット18aが形成されており、これらのスリット18aに軽量鉄骨固定部材23の両側端部が挿入された状態で耐火間仕切壁13が配置されている。耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の外面には、それぞれ表面材25が配設されており、各表面材25の表面に対応する下部被覆材17の端部が当接して接続されている。さらに、耐火間仕切壁13の一対の不燃板18及び表面材25の上端部と鉄骨構造部材12の下面12aとの間の隙間に不定形シール材24が充填されている。
このような構造により、図1に示されるように、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁13とが一体となって鉄骨構造部材12の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画A、A’を形成している。このため、上述した特許文献1のように、間仕切壁の壁面材を介して壁外部の成型耐火被覆材と耐火上連続する壁内耐火材を間仕切壁内部の中空部に配置することなく、所定の耐火性能を確保することができる。
また、高い遮音性を有する耐火間仕切壁13の上端部が鉄骨構造部材12の下面12aに突き付けられた構造を有しているので、鉄骨構造部材12あるいは耐火間仕切壁13を通らずに耐火間仕切壁13の両側に形成された双方の部屋の間を連通する側路伝搬経路が存在することがなく、これら双方の部屋の間に高い遮音性が確保される。
また、高い遮音性を有する耐火間仕切壁13の上端部が鉄骨構造部材12の下面12aに突き付けられた構造を有しているので、鉄骨構造部材12あるいは耐火間仕切壁13を通らずに耐火間仕切壁13の両側に形成された双方の部屋の間を連通する側路伝搬経路が存在することがなく、これら双方の部屋の間に高い遮音性が確保される。
このような取り合い構造は、次のようにして形成することができる。
まず、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20を介してスタッドボルト21を垂設し、このスタッドボルト21により下地板20に隙間充填材22を介して軽量鉄骨固定部材23を固定する。耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の上端部に形成されたスリット18aに軽量鉄骨固定部材23の両側端部を挿入させることにより、耐火間仕切壁13の上端部を鉄骨構造部材12に突き付けて接続する。さらに、耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の外面にそれぞれ表面材25を配設した後、不燃板18及び表面材25の上端部と鉄骨構造部材12の下面12aとの間の隙間に不定形シール材24を充填する。
まず、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20を介してスタッドボルト21を垂設し、このスタッドボルト21により下地板20に隙間充填材22を介して軽量鉄骨固定部材23を固定する。耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の上端部に形成されたスリット18aに軽量鉄骨固定部材23の両側端部を挿入させることにより、耐火間仕切壁13の上端部を鉄骨構造部材12に突き付けて接続する。さらに、耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の外面にそれぞれ表面材25を配設した後、不燃板18及び表面材25の上端部と鉄骨構造部材12の下面12aとの間の隙間に不定形シール材24を充填する。
次に、鉄骨構造部材12に取り付けられている複数の下地14を介して鉄骨構造部材12の周囲に複数の成型耐火被覆材15を配置する。このとき、側部被覆材16によって鉄骨構造部材12の両側部を覆うと共に下部被覆材17によって鉄骨構造部材12の下部を覆い、下部被覆材17の端部を耐火間仕切壁13の表面材25の表面に当接させて接続する。
これにより、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁13とが一体となり、鉄骨構造部材12の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画A、A’が形成される。
これにより、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁13とが一体となり、鉄骨構造部材12の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画A、A’が形成される。
なお、成型耐火被覆材15の側部被覆材16及び下部被覆材17は、二層構造を有するものに限定されず、一層あるいは三層以上の構造を有していてもよい。
また、耐火性を向上させるために、さらに鉄骨構造部材12の表面に耐火塗料を塗布することもできる。
また、耐火性を向上させるために、さらに鉄骨構造部材12の表面に耐火塗料を塗布することもできる。
実施の形態2
図3にこの発明の実施の形態2に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態2は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、隙間充填材22を省略し、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20に軽量鉄骨固定部材23を直接当接させて配置し、スタッドボルト21または溶接により軽量鉄骨固定部材23を固定したものである。
耐火間仕切壁13が高い断熱性能を有している場合には、火災時に耐火間仕切壁13の不燃板18を介して軽量鉄骨固定部材23に伝導する熱が遮断されるため、軽量鉄骨固定部材23と鉄骨構造部材12との間に隙間充填材22を介在させなくても十分な耐火性能を確保することができる。
図3にこの発明の実施の形態2に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態2は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、隙間充填材22を省略し、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20に軽量鉄骨固定部材23を直接当接させて配置し、スタッドボルト21または溶接により軽量鉄骨固定部材23を固定したものである。
耐火間仕切壁13が高い断熱性能を有している場合には、火災時に耐火間仕切壁13の不燃板18を介して軽量鉄骨固定部材23に伝導する熱が遮断されるため、軽量鉄骨固定部材23と鉄骨構造部材12との間に隙間充填材22を介在させなくても十分な耐火性能を確保することができる。
実施の形態3
図4にこの発明の実施の形態3に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態3は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、耐火間仕切壁13の一対の窯業系不燃板18の間に断熱吸音材であるグラスウール26を挿入したものである。
グラスウール26の挿入により、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
なお、この実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様に、隙間充填材22を省略した構造とすることができる。
図4にこの発明の実施の形態3に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態3は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、耐火間仕切壁13の一対の窯業系不燃板18の間に断熱吸音材であるグラスウール26を挿入したものである。
グラスウール26の挿入により、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
なお、この実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様に、隙間充填材22を省略した構造とすることができる。
実施の形態4
図5にこの発明の実施の形態4に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態4は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、窯業系不燃板18を備えた耐火間仕切壁13の代わりに、けい酸カルシウム板と石膏ボードを用いた耐火間仕切壁31を採用したものである。
耐火間仕切壁31は、軽量鉄骨32を下地としてその両側にけい酸カルシウム板33と石膏ボード34を太鼓張りにした構造を有しており、これらけい酸カルシウム板33と石膏ボード34とにより表裏の壁材が構成されている。
図5にこの発明の実施の形態4に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態4は、図2に示した実施の形態1の取り合い構造において、窯業系不燃板18を備えた耐火間仕切壁13の代わりに、けい酸カルシウム板と石膏ボードを用いた耐火間仕切壁31を採用したものである。
耐火間仕切壁31は、軽量鉄骨32を下地としてその両側にけい酸カルシウム板33と石膏ボード34を太鼓張りにした構造を有しており、これらけい酸カルシウム板33と石膏ボード34とにより表裏の壁材が構成されている。
鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて配置された下地板20及び隙間充填材22を介して取り付けられた軽量鉄骨固定部材23に軽量鉄骨32の上端部が固定され、これにより耐火間仕切壁31の上端部が鉄骨構造部材12の下面12aに突き付けられて接続される。さらに、下部被覆材17の端部を耐火間仕切壁31の石膏ボード34の表面に当接させて接続することにより、成型耐火被覆材15と耐火間仕切壁31とが一体となり、鉄骨構造部材12の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画が形成される。
このような耐火間仕切壁31を用いても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
このような耐火間仕切壁31を用いても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態5
図6にこの発明の実施の形態5に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態5は、図5に示した実施の形態4の取り合い構造において、隙間充填材22を省略し、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20に軽量鉄骨固定部材23を直接当接させて配置し、スタッドボルト21または溶接により軽量鉄骨固定部材23を固定したものである。
耐火間仕切壁31が高い断熱性能を有している場合には、軽量鉄骨固定部材23と鉄骨構造部材12との間に隙間充填材22を介在させなくても十分な耐火性能を確保することができる。
図6にこの発明の実施の形態5に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態5は、図5に示した実施の形態4の取り合い構造において、隙間充填材22を省略し、鉄骨構造部材12の下面12aに必要に応じて取り付けられた下地板20に軽量鉄骨固定部材23を直接当接させて配置し、スタッドボルト21または溶接により軽量鉄骨固定部材23を固定したものである。
耐火間仕切壁31が高い断熱性能を有している場合には、軽量鉄骨固定部材23と鉄骨構造部材12との間に隙間充填材22を介在させなくても十分な耐火性能を確保することができる。
実施の形態6
図7にこの発明の実施の形態6に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態6は、図5に示した実施の形態4の取り合い構造において、耐火間仕切壁31の一対のけい酸カルシウム板33の間に断熱吸音材であるグラスウール26を挿入したものである。
グラスウール26の挿入により、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
なお、この実施の形態6においても、上述した実施の形態5と同様に、隙間充填材22を省略した構造とすることができる。
図7にこの発明の実施の形態6に係る梁と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態6は、図5に示した実施の形態4の取り合い構造において、耐火間仕切壁31の一対のけい酸カルシウム板33の間に断熱吸音材であるグラスウール26を挿入したものである。
グラスウール26の挿入により、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
なお、この実施の形態6においても、上述した実施の形態5と同様に、隙間充填材22を省略した構造とすることができる。
実施の形態7
図8にこの発明の実施の形態7に係る柱と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。鉄骨造建築物の壁41に沿うように、柱を構成する鉄骨構造部材42がフロアの天井から床面にわたってほぼ鉛直に延在している。壁41とは逆側に位置する鉄骨構造部材42の正面42aには、鉄骨構造部材42の長手方向に沿って延びる耐火間仕切壁13の側端部が突き付けられた状態で接続されている。
図8にこの発明の実施の形態7に係る柱と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。鉄骨造建築物の壁41に沿うように、柱を構成する鉄骨構造部材42がフロアの天井から床面にわたってほぼ鉛直に延在している。壁41とは逆側に位置する鉄骨構造部材42の正面42aには、鉄骨構造部材42の長手方向に沿って延びる耐火間仕切壁13の側端部が突き付けられた状態で接続されている。
鉄骨構造部材42には複数の下地44が取り付けられており、これらの下地44を介して複数の成型耐火被覆材45が鉄骨構造部材42の周囲に配置されている。複数の下地44は、それぞれ鉄骨構造部材42の長手方向に沿って延在しており、例えば軽量鋼材より形成されている。成型耐火被覆材45は、壁41に対してほぼ垂直な鉄骨構造部材42の両側部を覆う側部被覆材46と鉄骨構造部材12の正面42aを覆う正面被覆材47とからなっている。正面被覆材47は、さらに耐火間仕切壁13を挟んで2分割され、2分割された正面被覆材47の端部がそれぞれ耐火間仕切壁13の表面材25の表面に接続されている。これら側部被覆材46及び正面被覆材47は、例えば強化石膏ボードやけい酸カルシウム板等より形成され、それぞれ二層構造を成すように配設されている。
鉄骨構造部材42の正面42aに石膏ボードやけい酸カルシウム板等より形成された隙間充填材48を挟んで耐火間仕切壁13の不燃板18の側端部が当接しており、耐火間仕切壁13の側端部と鉄骨構造部材42の正面42aとの間の隙間に不定形シール材24が充填されている。なお、隙間充填材48として、断熱性、遮音性、防振性のうち少なくとも一つの特性を有するものを用いることもできる。
また、耐火間仕切壁13の上部の取り合いは、実施の形態1〜6に記載した梁との取り合いに準じている。
また、耐火間仕切壁13の上部の取り合いは、実施の形態1〜6に記載した梁との取り合いに準じている。
このような構造により、成型耐火被覆材45と耐火間仕切壁13とが一体となって鉄骨構造部材42の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画B、B’が形成されると共に、耐火間仕切壁13の側端部が鉄骨構造部材42の正面42aに突き付けられた構造を有しているので、鉄骨構造部材42あるいは耐火間仕切壁13を通らずに耐火間仕切壁13の両側に形成された双方の部屋の間を連通する側路伝搬経路が存在することがなく、これら双方の部屋の間に高い遮音性が確保される。
なお、成型耐火被覆材45の側部被覆材46及び正面被覆材47は、二層構造を有するものに限定されず、一層あるいは三層以上の構造を有していてもよい。
また、図8では、柱の一面側に耐火間仕切壁13が取り合い、柱の反対側には壁41が存在する構造を示したが、柱を挟んでその両面に耐火間仕切壁13が取り合う場合や、柱の三面または四面に耐火間仕切壁13が取り合う構造においてもこの発明を適用できることは言うまでもない。
また、図8では、柱の一面側に耐火間仕切壁13が取り合い、柱の反対側には壁41が存在する構造を示したが、柱を挟んでその両面に耐火間仕切壁13が取り合う場合や、柱の三面または四面に耐火間仕切壁13が取り合う構造においてもこの発明を適用できることは言うまでもない。
耐火間仕切壁13が高い断熱性能を有している場合には、隙間充填材48を介在させずに鉄骨構造部材42の正面42aに耐火間仕切壁13の不燃板18の側端部を直接当接させることもできる。
また、耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の間にグラスウールを挿入すれば、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
また、耐火間仕切壁13の一対の不燃板18の間にグラスウールを挿入すれば、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造を実現することが可能となる。
実施の形態8
図9にこの発明の実施の形態8に係る柱と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態8は、図8に示した実施の形態7の取り合い構造において、窯業系不燃板18を備えた耐火間仕切壁13の代わりに、図5に示したけい酸カルシウム板と石膏ボードを用いた耐火間仕切壁31を採用したものである。
鉄骨構造部材42の正面42aに耐火間仕切壁31の側端部が突き付けられ、直接当接して接続されている。さらに、正面被覆材47の端部を耐火間仕切壁31の石膏ボード34の表面に当接させて接続することにより、成型耐火被覆材45と耐火間仕切壁31とが一体となり、鉄骨構造部材42の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画が形成される。
このような耐火間仕切壁31を用いても、実施の形態7と同様の効果が得られる。
また、耐火間仕切壁31の一対のけい酸カルシウム板33の間にグラスウールを挿入すれば、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造が実現される。
図9にこの発明の実施の形態8に係る柱と耐火間仕切壁との取り合い構造を示す。この実施の形態8は、図8に示した実施の形態7の取り合い構造において、窯業系不燃板18を備えた耐火間仕切壁13の代わりに、図5に示したけい酸カルシウム板と石膏ボードを用いた耐火間仕切壁31を採用したものである。
鉄骨構造部材42の正面42aに耐火間仕切壁31の側端部が突き付けられ、直接当接して接続されている。さらに、正面被覆材47の端部を耐火間仕切壁31の石膏ボード34の表面に当接させて接続することにより、成型耐火被覆材45と耐火間仕切壁31とが一体となり、鉄骨構造部材42の所定の耐火性能が確保され、且つ、防火区画が形成される。
このような耐火間仕切壁31を用いても、実施の形態7と同様の効果が得られる。
また、耐火間仕切壁31の一対のけい酸カルシウム板33の間にグラスウールを挿入すれば、さらに耐火性及び遮音性が向上した取り合い構造が実現される。
1 天井、12,42 鉄骨構造部材、13,31 耐火間仕切壁、14,44 下地、15,45 成型耐火被覆材、16,46 側部被覆材、17 下部被覆材、18 窯業系不燃板、19 空気層、20 下地板、21 スタッドボルト、22,48 隙間充填材、23 軽量鉄骨固定部材、24 不定形シール材、25 表面材、26 グラスウール、32 軽量鉄骨、33 けい酸カルシウム板、34 石膏ボード、41 壁、47 正面被覆材、12a 下面、18a スリット、42a 正面、A,A’,B,B’ 防火区画。
Claims (8)
- 鉄骨構造部材からなる柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造において、
前記耐火間仕切壁の端部が前記鉄骨構造部材に接続され、
前記鉄骨構造部材の周囲が成型耐火被覆材で覆われると共に前記成型耐火被覆材の端部が前記耐火間仕切壁の表面に接続されることにより、前記成型耐火被覆材と前記耐火間仕切壁とが一体となって前記鉄骨構造部材の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画を形成することを特徴とする柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い構造。 - 前記鉄骨構造部材に軽量鉄骨固定部材が固定され、この軽量鉄骨固定部材に前記耐火間仕切壁の端部が接続される請求項1に記載の取り合い構造。
- 前記鉄骨構造部材と前記軽量鉄骨固定部材との間に隙間充填材が配設された請求項2に記載の取り合い構造。
- 前記耐火間仕切壁は、互いに離間して対向する2枚の壁材を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の取り合い構造。
- 前記2枚の壁材の間にグラスウールが挿入された請求項4に記載の取り合い構造。
- 各壁材の室内側表面上に表面材が配設された請求項4または5に記載の取り合い構造。
- 鉄骨構造部材からなる柱または梁に耐火間仕切壁を取り合わせる方法において、
前記耐火間仕切壁の端部を前記鉄骨構造部材に接続した後、
前記鉄骨構造部材の周囲を成型耐火被覆材で覆うと共に前記成型耐火被覆材の端部を前記耐火間仕切壁の表面に接続することにより、前記成型耐火被覆材と前記耐火間仕切壁とが一体となって前記鉄骨構造部材の所定の耐火性能を確保し、且つ、防火区画を形成することを特徴とする柱または梁と耐火間仕切壁との取り合い方法。 - 前記鉄骨構造部材に軽量鉄骨固定部材を固定し、
前記軽量鉄骨固定部材に前記耐火間仕切壁の端部を接続する請求項7に記載の取り合い方法。
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2007
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