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JP2008127224A - 脆性材料をフルカットするレーザ割断方法 - Google Patents

脆性材料をフルカットするレーザ割断方法 Download PDF

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JP2008127224A JP2006311379A JP2006311379A JP2008127224A JP 2008127224 A JP2008127224 A JP 2008127224A JP 2006311379 A JP2006311379 A JP 2006311379A JP 2006311379 A JP2006311379 A JP 2006311379A JP 2008127224 A JP2008127224 A JP 2008127224A
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laser
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Mitsujiro Karube
光次郎 軽部
Kimio Miyamoto
公夫 宮本
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LEMI Co Ltd
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LEMI Co Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/36Removing material
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

【課題】 レーザビーム照射による加熱、あるいは同加熱と冷媒噴霧による冷却の併用によって熱応力を惹起しガラスなどの脆性材料をフルカットする割断方法において、高割断位置精度の実現をはかること。
【解決手段】 割断を、前工程としての表面スクライブと、後工程としての脆性材料の全厚さを透過しその一部が吸収されるレーザビームの照射によって実現されるフルカットの二工程で構成させ、割断位置精度を前工程である表面スクライブの位置精度で決定させることができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は脆性材料、なかんずくフラットパネルディスプレィ用ガラスをフルカットするレーザ割断方法に関する。
ガラスは、従来はダイアモンドチップなどの超硬バイトを使用した機械的方法で表面層をスクライブし、その後ブレークを行うことによって割断してきた。ガラスに対するこの方法の適用は、過去1世紀以上の長期間にわたって使用されてきた方法でもある。
ところが、こうした機械的方法には次に述べるような欠点が存在する。第一は、割断時にカレットと呼ばれる小破片が発生し、ワーク表面を汚すことである。第二は、割断面付近にマイクロクラックが発生し、それを起点としてワークが割れる危険があることである。この他にも、加工速度の限界、消耗品である工具コストなど、産業上無視できない欠点がある。
液晶表示器やプラズマ表示器などのフラットパネルディスプレィ用ガラスの場合、こうしたマイクロクラックが存在すると強度低下の原因になるので、割断面をマイクロクラックが存在しなくなる厚さまで研磨し、その後洗浄を行うなどの後工程が必要とされている。
それに対して、最近将来性が期待されてきたレーザ割断法には次に述べるような長所があり、ダイアモンドチップ法の欠点を除去する可能性がある。第一に、質量損失がゼロ(カレット発生なし)で、洗浄などの後工程が不要である。第二に、割断面付近にマイクロクラックなどの破壊欠陥が発生せず高強度断面が得られるので、研磨などの後工程が不要である。第三に、面粗さが1μm以下の鏡面が得られる。第四に、製品外形寸法精度が±25μm以下である。第五に、ガラス板厚0.1mmまでの薄さに使用でき、今後の液晶TV用ガラスに使用できる。
次に、同方法の原理を説明する。ガラスに高エネルギー密度のCOレーザビームを照射すると、一般的には照射スポットにおいてレーザビームの吸収が起こり、急激な加熱の結果放射状にクラックが発生してしまい、進行方向のみに割断を進行させることは出来ない。
しかしながら、レーザビームのエネルギー密度をこうしたクラックを発生させるものより十分低いものに設定すると、ガラスは加熱されるだけで、溶融もクラック発生も起こらない。この時ガラスは熱膨張しようとするが、局所加熱なので膨張ができず、照射点を中心として半径方向に圧縮応力が発生する。また、応力の接線方向成分も存在し照射点から近距離域では圧縮応力であるが、ある距離以上離れたところからはポアソン比が関係して引っ張り応力に変化する。その位置にあわせて冷媒を噴霧すると、この引っ張り応力が拡大される。特に亀裂先端では応力拡大が発生し、同力が材料の破壊靱性値を超えると亀裂が拡大する。照射点と冷却点を走査することで、亀裂を延長していくことができる。
この様子を図1に示す。同図に示すようにレーザビームの断面形状1を適当なものに形成すると、照射位置では圧縮応力2が、冷却位置ではビームの走査方向と直交方向に引っ張り張力4が発生する。同図において、1は照射レーザビーム、3は冷媒噴霧である。この引っ張り張力が破壊靱性値よりも大きい時に割断亀裂5が生じる。図1に示すガラス板6において、始点に機械的方法によるトリガークラック8をつけておくと、割断亀裂5はこのトリガークラックから発生し、レーザビームの移動方向7に沿って進行させることができる。これは亀裂先端では引っ張り張力が拡大されるからである。こうした現象が理想的に発生するためには、照射レーザビームのエネルギー分布が、こうした張力を生じるために最適である必要がある。種々のガラスの割断において、こうした最適分布が研究されている。図1に示す加熱レーザビーム1は、この最適化がなされたものである。
COレーザビーム照射によるガラスの熱応力割断においては、図2に示すようにCOレーザビームエネルギーの99%は深さ3.7μmのガラス表面層だけで吸収され、ガラスの全厚さにわたって透過しない。これは、CO2レーザ波長におけるガラスの吸収係数が著しく大きいことによる。レーザによる割断(レーザスクライブと称する)深さは熱伝導によって助けられ、通常100μm程度である。同図において、9がレーザスクライブ面である。同面をこれより深くすることは、COレーザビームを使用する限り、たとえレーザ出力を増大させても不可能である。ただし、レーザ出力を増大させれば、熱伝導によって熱源がガラス内部に浸透し、多少スクライブ深さを増大させ得ることが実証されている。しかしながら、図3に示す機械的スクライブ面も通常は同程度の深さであり、ガラスは脆性が強くこのスクライブ線にあわせて応力を印加し、機械的に割断することが容易であるので、スクライブ深さの増大は従来あまり求められてこなかった。この機械的応力の印加によって割断するプロセスをブレークと称する。
従来は、機械スクライブとブレークの組み合わせでガラス割断を行っている。機械スクライブの場合、図3に示すようにスクライブ線付近にはマイクロクラックが多量存在するので、ブレークは比較的容易である。ただし、同図12に示すように機械スクライブ後のブレーク面は必ずしもガラス表面に直交する一平面を構成しない。機械スクライブの場合には、ブレーク後に割断面を研磨洗浄するので、ブレーク自体には高品質は要求されなかった。
一方、レーザスクライブの場合、スクライブ面付近にはマイクロクラックが存在しないので、ブレーク面は図2の10に示す理想的なものになる。その場合、研磨洗浄が不要になる。
上記のレーザスクライブの場合も、従来の機械的方法同様ブレークの併用が必要であった。そのために、前記した折角の長所がありながら、生産現場への普及が制約されている。特に自由曲線に沿った割断は、ブレークが必要であると実現できない。レーザスクライブが表面だけでなくガラス板全厚にわたって実現すれば、こうした課題が解決される。このようなスクライブをフルカットと呼称することにする。株式会社レミは、このフルカット技術に対して下記の日本特許出願を行なった。
特願2005−112686 特願2005−172566 特願2005−242495 特願2005−264727 特願2006−089949
これらのフルカット技術の中心となるのは、レーザビームをCOレーザの場合のようにガラス表面で吸収させるのではなく、ガラス全板厚に透過させ、その一部を吸収させることである。この様子を図4に示す。同図(a)は表面吸収の場合であって、吸収熱は13で示す熱伝導によって放射状に伝播する。前記したようにレーザビームは深さ3.7μmの表面層で吸収されるが、この熱伝導の結果表面スクライブ層の深さは約100μmになる。一方同図(b)に示すのがフルカットの場合であって、これに使用されるレーザビームは前記した特許に提案されている。この場合、14で示すスクライブ面はガラス全板厚におよび、ブレークが不要になる。
このようにフルカットは優れた技術であるが、実験の結果表面スクライブの場合よりも割断位置精度が劣るという欠点が判明して来た。この欠点を除去すれば、同技術はその有している技術優位性のために広く使用されるであろう。本発明はその欠点を除去して表面スクライブなみの位置精度を実現するものである。同精度は±25μm程度であり、従来の機械的方法を凌駕するものである。
この位置精度の低下は図5のフルカット位置7に示すように、同位置がガラス板の中央部にあるように、フルカット面両側のガラスの熱容量が均等であると発生しないが、同予定位置が71に示すようにガラス端部に近く、両側の熱容量が著しく異なると、実際のフルカット位置15は予定位置71から外れてしまう。
株式会社レミにおける有限要素法熱解析の結果、このフルカット位置ずれの原因はガラス割断を引き起こす熱応力の発生が、各方向における熱伝導の差によって乱されることに起因することが分かった。この事実を図6を参考に説明する。同図に示す比較的ガラス中央部分にある柱状熱源16は、各方向に均等に熱伝導伝播する。これを模式的に、17,171、---------177の熱伝導で示す。比較的ガラス端付近にある柱状熱源161については、18、184、185,186,187の熱伝導は熱源16のものに等しい。しかしながら、ガラス端に向かう熱伝導181,182,183は熱容量が小さくなるので冷却効果が低下し、こちら側のガラス温度は反対側よりも高いものになる。ガラスをフルカットする引張り応力も同側が大きな値になり、フルカット位置をガラス端部に引きずってしまい、これは実験結果と一致する。このように原因が判明したので、その対策をすることによってフルカットの場合でも高い位置精度を維持することができる。
本発明によれば、レーザスクライブとブレークの両工程からなる従来のガラス割断をスクライブだけの一工程にすることができる。レーザによるガラス割断は、多くのすばらしい技術上の利点がありながら、いまだに過去1世紀にわたって使用されてきたダイアモンドカッター方式を置換できないできた。本発明はそうした事態を変革する。本発明のメリットに次に挙げるものがある。
1)割断がスクライブだけの一工程ででき、ブレークが不要である。まして、研磨、洗浄などの後工程は不要である。
2)割断面にカレットの付着がなく、清浄である。
3)曲線割断が可能である。
4)割断位置精度が高い。
5)割断面がガラス表面に対して、十分に垂直である。
6)割断面が鏡面で、面粗さが良好である。
7)割断の自動化ができる。
8)割断が高速度で行える。
このように、レーザによるガラス割断がフラットパネルディスプレィ製造過程に導入されれば、加工速度、加工品質、経済性、難易度の克服などにおいて、その効果にははかり知れないものがある。
本発明ではフルカットだけで割断位置を決定するのでなく、フルカットの前工程として別の手段で高位置精度で表面スクライブを実施する。その後工程としてフルカットを行なえば、割断位置は前工程の精度に依存することになる。
前工程として、COレーザ照射による表面スクライブ法を応用する。この場合、全工程がレーザ法になるので同方法のメリットはそのまま維持される。表面スクライブの場合も、熱応力割断であるのでガラス端付近では前記した熱伝導冷却の方向依存性があるはずである。ところが、実験結果ではこの影響は僅少である。この場合には図4(a)に示すように、熱伝導はガラス面内方向だけでなく、深さ方向にも発生する。ガラス端側の熱容量が低値である効果は、同方向では比較的僅少になるので、この場合スクライブ位置の乱れも僅少になるのである。
図7に本発明の実施例を示す。本発明では、まずガラス板6に対して、前工程としてのCOレーザビーム照射と冷媒噴霧を行い表面スクライブを作成する。 図7における加熱用照射COレーザビーム19と、冷媒噴霧20の組み合わせによって、表面スクライブが実現できることは、周知の技術である。この方法で、ガラス表面上に深さ約100μmのレーザスクライブ面9を得る。前期した理由によって同位置は予定線とほぼ一致し、当社における経験では位置精度は±25μm以内である。
ついで、こうして得られたスクライブ線上に、後工程としてのフルカット用レーザビーム21を照射し、その後方に冷媒噴霧22を行う。このレーザ光としては、COレーザビームのようにガラス内部に透過しないものでも、あるいはYAGレーザビームのように透過はしても吸収されないものでもないものを選択する。同ビームは、ガラスの望むらくは裏面まで透過し、またその一部が吸収されて表面から裏面にいたるまで加熱し、フルカットを実現するものなのである。23がレーザフルカット面である。
一般的にフルカットの場合位置精度低下が発生するが、本発明では前工程で表面スクライブが高位置精度で実現されており、そもそもフルカットが亀裂先端の応力拡大現象に助けられて発生するので、同位置はスクライブ位置に引き込まれ、位置精度が高まるのである。
フルカット用レーザビームとしては、株式会社レミからすでに日本特許出願がなされているものが選択できる。その具体例は、前記した特許文献に明記してある。
フラットパネルディスプレィ用ガラスとしてよく用いられる無アルカリガラスに対しては、波長3μ付近のレーザビームが望ましい。こうしたレーザとしては、Er:YAGレーザや光パラメトリック発振器が考えられる。
また、ガラスに不純物を添加し同不純物に吸収されるレーザビームを照射してもよい。不純物の例としてはYbなどの希土類元素を用い、また照射用レーザとしてInGaAsレーザなどの半導体レーザを用いることができる。
以上説明したのは本発明の機能を実現する一種の実施例であって、本発明の精神はその他の多くの方法で実現可能であることは言を俟たない。
液晶ディスプレィ、プラズマディスプレィなどのフラットパネルデスプレィに用いるガラスの切断が、現在はダイアモンドカッターで行われており、切断後の洗浄工程の必要性や、マイクロクラックの存在などの問題を呈している。本発明によるレーザ割断で、こうした問題を解決することができる。
レーザ照射による熱応力スクライブ発生原理図。 ガラスのレーザスクライブ。 ガラスの機械スクライブ。 レーザ表面スクライブとフルカット時のガラス内部の熱発生。 レーザフルカット位置の予定位置からのずれ。 フルカット熱源の熱伝導伝播。 本発明の原理図。
符号の説明
1 スクライブ用照射レーザビーム
2 ガラス内部の圧縮応力
3 スクライブ用冷媒噴霧
4 ガラス内部の引っ張り応力
5 ガラスに生じるスクライブ面
6 ガラス板
7 レーザビームおよび冷媒の移動方向
71 同
8 初亀裂
9 レーザスクライブ面
10 レーザスクライブ後のブレーク面
11 機械スクライブ面
12 機械スクライブ後のブレーク面
13 吸収熱の熱伝導による伝播
14 透過レーザビーム吸収による熱源
141 同
15 レーザフルカット位置
16 透過レーザビーム
161 同
17 熱伝導
171 同
172 同
173 同
174 同
175 同
176 同
177 同
18 同
181 同
182 同
183 同
184 同
185 同
186 同
187 同
19 表面スクライブ用照射レーザビーム
20 同用冷媒噴霧
21 フルカット用照射レーザビーム
22 同用冷媒噴霧
23 レーザフルカット面

Claims (4)

  1. ガラスなどの脆性材料を透過しその一部が吸収されるレーザビーム照射、あるいは同照射とそれに続く冷却手段の併用によって、同材料の全厚さにおよぶ熱応力加工としてのフルッカットを発生させる割断方法において、同割断の前工程として表面スクライブを発生させ、同位置精度が後工程である割断位置精度を決定するもの。
  2. 請求項1において、前工程としての表面スクライブ発生をCOレーザビーム照射で行うもの。
  3. 請求項1において、後工程としてのフルカットをEr:YAGレーザや光パラメトリック発振器からの出力ビーム照射によって行うもの。
  4. 請求項1において、後工程としてのフルカットをガラスへのYbなど希土類元素不純物添加とInGaAsレーザなど半導体レーザビーム照射によって行うもの。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8539795B2 (en) 2009-05-13 2013-09-24 Corning Incorporated Methods for cutting a fragile material
JP2014069237A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd パターン付き基板の加工方法
CN114845964A (zh) * 2020-02-05 2022-08-02 日本电气硝子株式会社 玻璃板的制造方法

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