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JP2008103147A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ Download PDF

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JP2008103147A
JP2008103147A JP2006283621A JP2006283621A JP2008103147A JP 2008103147 A JP2008103147 A JP 2008103147A JP 2006283621 A JP2006283621 A JP 2006283621A JP 2006283621 A JP2006283621 A JP 2006283621A JP 2008103147 A JP2008103147 A JP 2008103147A
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Wataru Matsutani
渉 松谷
Osamu Yoshimoto
修 吉本
Kenji Nunome
健二 布目
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】Ptを主成分とし、Rhを含有する貴金属チップと電極とが接合されるスパークプラグに関し、貴金属チップの「割れ」を抑制し、耐久性の向上を図る。
【解決手段】中心電極5先端部と貴金属チップ31とが溶融部41を形成することで接合され、接地電極27先端部と貴金属チップ32とが溶融部42を形成することで接合される。貴金属チップ31,32は、溶融部41,42で被覆されない露出部43,44を備える。両貴金属チップ31,32の隙間が火花放電間隙33となっている。貴金属チップ31,32を構成するPt−Rh合金には添加物質として周期律表の3A族元素、4A族元素に、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種が含まれ、それら添加物質の総含有量が2質量%以下とされる。これにより、高温下での再結晶化が抑制される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグとして、例えば中心電極や接地電極の先端部に貴金属合金よりなるチップが溶接されたものがある。上記貴金属チップを構成する素材としては、白金(Pt)を主成分とする貴金属合金が挙げられる。また、近年では、Ptと比較して融点が高いロジウム(Rh)をPt合金に含有することで、耐火花消耗性の向上を図ることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、貴金属チップを電極より突出させるとともに、貴金属チップとして細径化されたものを用いることで、着火性や火花伝播性の向上を図ることが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
そこで、上述のPt−Rh合金を採用するとともに、細径化した貴金属チップを突出状態で設けることで、着火性や耐酸化性等に優れたスパークプラグを得ることが考えられる。但し、その前提として、貴金属チップと電極との接合が確実になされていることが必要である。そこで、レーザ溶接によって貴金属チップと電極とを溶かし合い、溶融部を形成することで両者の確実な接合を図る技術がある(例えば、特許文献3参照)。
特開昭58−198886号公報 特開2001−345162号公報 特開2005−93221号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載されるように、Pt−Rh合金(具体的には、Pt−20Rh)を用いて、先端が電極より0.3mm以上突出するようにした円柱状の貴金属チップをレーザ溶接したスパークプラグを試作し、種々の実験を行ったところ、貴金属チップに「割れ」が発生した。この問題について検証したところ、表1に示すような結果を得た。
Figure 2008103147
すなわち、貴金属チップのうち溶融部で被覆されていない部位(露出部)における貴金属チップの先端面に直交する方向に沿った長さ(露出長)が長くなるほど、貴金属チップの「割れ」が発生しやすいという傾向が認められた。特に、露出部を有する可能性が高い針状の貴金属チップ(露出長が0.30mm以上)においては、この問題は特に顕著となるといえる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、Pt−Rh合金から構成され、かつ溶融部が形成されることで電極と接合されるとともに、露出部を有する貴金属チップを備えるスパークプラグに関し、貴金属チップの「割れ」を抑制し、耐久性の向上を図ることができる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、中心電極と、前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するよう配置された接地電極とを備え、
前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有する内燃機関用スパークプラグであって、
前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部のうち少なくとも一方には、貴金属チップが接合されており、前記電極と前記貴金属チップとは溶融部を形成することで接合され、
前記貴金属チップは、少なくともその側面において前記溶融部で被覆されない露出部を有するとともに、
Ptを主成分とし、Rhを含み、かつ添加物質として周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種を含んでおり、前記添加物質の総含有量が2質量%以下であることを特徴とする。
ここで、「主成分」とあるのは、材料中、最も質量比の高い成分を指すものである。また、「少なくともその側面において前記溶融部で被覆されない露出部を有する」とあるのは、貴金属チップが柱状をなしているという前提の下、少なくともその側面が露出しているという意味である。尚、貴金属チップは、その基端部側において電極に接合されるものである。それ故、溶融部は、貴金属チップの基端部側に位置し、また、露出部は、貴金属チップの先端部側に位置しているといえる。
上記構成1によれば、中心電極及び接地電極のうち少なくとも一方に貴金属チップが接合されている。また、当該貴金属チップは、Ptを主成分とするとともに、さらにRhが含まれている。従って、高温下における耐火花消耗性の向上を図ることができる。その結果、貴金属チップの消耗が抑制され、耐久性の向上を図ることができる。一方で、貴金属チップは露出部を有しているため、貴金属チップに「割れ」が生じることが懸念される。ここで、貴金属チップのうち溶融部で覆われた部位においては貴金属チップの径方向への膨張収縮が溶融部により抑制されるが、一方で、露出部においては貴金属チップの径方向への膨張収縮が抑制されない。このため「割れ」が露出部において起こりやすくなると考えられる。これに対し、本構成の貴金属チップにおいては、添加物質として、周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種が含まれており、当該添加物質の総含有量が2質量%以下とされている。これにより、高温下においても再結晶化が起こりにくくなり、たとえ露出部を有していたとしても、当該露出部における「割れ」を抑制することができる。その結果、貴金属チップの更なる耐久性の向上を図ることができる。一方、Rhを含有することによる粒界強度の低下も懸念されるところであるが、前記添加物質を含有することにより、再結晶化による粒径の増大を抑制でき、ひいては粒界強度の低下の抑制を図ることができる。
尚、添加物質の総含有量が2質量%を超えると、加工性が悪化するおそれがあり望ましくない。また、上述した作用効果は、貴金属チップ先端面に直交する方向に沿った露出部の長さ(以下、「露出長」という)が0.3mm以上である場合において、より効果的に奏せられる。さらに、「添加物質」としては、例えば、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(Zr23)、酸化ランタン(La23)、酸化イットリウム(Y23)等が好適に用いられる。
構成2.本構成のスパークプラグは、構成1において、前記添加物質には、Zr及びZr23のうち少なくとも一方が含まれることを特徴とする。
構成2によれば、貴金属チップには、少なくともZrやZr23が含まれる。これにより、高温下における再結晶化をより抑制できるため、構成1における作用効果を効果的に奏することができる。尚、ZrとZr23とを比較すると、Zr23の方が「割れ」をより一層抑制できる。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線C1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線C1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。また、中心電極5には、その先端に貴金属チップ31が溶接により接合されている(これについては後述する)。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線C1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端部(貴金属チップ31)と対向するように配置されている。当該接地電極27には、前記貴金属チップ31に対向するようにして貴金属チップ32が設けられている。そして、これら貴金属チップ31,32間の隙間が火花放電間隙33となっている。
図2に示すように、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、接地電極27は、Ni合金等で構成されている。
中心電極5は、その先端側が縮径されるとともに、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。ここに円柱状をなす上記貴金属チップ31を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、電子ビーム溶接、或いは抵抗溶接等を施すことにより貴金属チップ31と中心電極5とが溶け合い、溶融部41が形成される。すなわち、貴金属チップ31は、中心電極5先端に対し、溶融部41で固着されることで接合されている。また、貴金属チップ31は、その先端面及び先端側の側面において溶融部41で被覆されない露出部43を有している。一方、これに対向する貴金属チップ32は、接地電極27の所定位置上に貴金属チップ32を位置合わせし、その接合面外縁部に沿って溶接して、溶融部42が形成されることにより接合される。加えて、貴金属チップ31と同様、貴金属チップ32についても、その先端面及び先端側の側面において溶融部42で被覆されない露出部44を有している。尚、貴金属チップ31及びこれに対向する貴金属チップ32のうちいずれか一方(のチップ)を省略する構成としてもよい。この場合には、貴金属チップ31と接地電極27の本体部との間、或いは対向する貴金属チップ32と中心電極5の本体部との間で火花放電間隙33が形成される。
本実施形態において、前記貴金属チップ31,32は、白金(Pt)を主成分としており、ロジウム(Rh)を含む。さらに、添加物質として周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種を含む。尚、3A族元素、4A族元素としては、Zr(ジルコニウム)、ランタン(La)、イットリウム(Y)などが好適に用いられる。特に、貴金属チップ31,32に含まれる前記添加物質の総含有量が2質量%以下とされる。
次に、これら貴金属チップ31,32の製造方法について説明する。まず、主成分をPtとするインゴットを用意し、所定の組成となるよう各合金成分(本実施形態では、Rh,Zr等)を配合・溶融し、当該溶融合金に関し再度インゴットを形成し、その後、当該インゴットについて熱間鍛造、熱間圧延(溝ロール圧延)を施す。その後、線引き加工を施すことで、棒状素材を得た後、それを所定長に切断することで、円柱状の貴金属チップ31,32を得る。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni系合金(例えばインコネル系合金等)からなる接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部14が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
さらに、接地電極27の先端部には、上述した貴金属チップ32が、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該貴金属チップ32の溶接を、後述する組付けの後に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅合金からなる内層5Aが設けられる。そして、その先端部には、上述した貴金属チップ31が抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして、最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端に設けられた貴金属チップ31及び接地電極27に設けられた貴金属チップ32間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認するべく、各種条件を変更することで種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
先ずサンプルとしては、いずれも主成分をPtとし、他の成分の含有割合が異なる各種サンプルを作製した(サンプル1〜23)。そして、各サンプルを用いて、加工性評価試験、耐酸化性試験、耐火花消耗性試験、及び、割れ発生評価試験を行った。その評価結果を表2に示す。
但し、加工性評価試験については、直径0.7mmの棒状素材に加工できた場合には「○」の評価を下し、加工できなかった場合には「×」の評価を下すこととした。尚、加工性評価試験において、「×」の評価を下したサンプルについては、他の試験を実施することができないため、他の試験についての評価欄を空欄とし、総合評価を「×」とした。
また、耐酸化性試験については、当該実験用のサンプルとして、長さ(高さ)が0.8mm、直径が0.7mmである円柱状のサンプルを用意した。次に、当該サンプルを電気炉内に投入し、1100℃の大気雰囲気下において、100時間放置した。そして、試験前におけるサンプルの質量に対する試験後におけるサンプルの質量の減少分を測定した。その結果、試験後におけるサンプルの質量の減少分が、試験前におけるサンプルの質量に対して5%以下であった場合には、耐酸化性に問題がないとして「○」の評価を下すこととした。一方、減少分が5%を超えた場合には、耐酸化性に問題があるとして「×」の評価を下すこととした。
さらに、耐火花消耗性試験については、各成分割合の異なる円柱状の貴金属チップを具備するスパークプラグのサンプルを用意し、気圧が0.6MPaの窒素雰囲気下で1秒間に60回の頻度で点火試験を500時間実施した(但し、燃料は噴射せず、初期の火花放電間隙を1.1mmとした)。そして、初期の火花放電間隙に対する試験後の火花放電間隙の増加分を測定した。但し、当該試験においては、接地電極に設けられる貴金属チップとして、表2に示す各成分割合のものを用いた。また、この場合における貴金属チップの長さを0.8mm、直径を0.7mm、露出長を0.35mmとした。一方、中心電極側の貴金属チップについては、いずれのスパークプラグについても、直径が0.6mm、長さが0.8mmであり、かつ、イリジウム(Ir)を主成分とし、酸化イットリウム(Y23)が含有されたものを採用することとした。当該試験において、中心電極側の貴金属チップの消耗は同程度であると考えられるため、接地電極側の貴金属チップの消耗度合によって、火花放電間隙の増加分が決定されるといえる。また、火花放電間隙の増加分が0.3mm未満であれば、「○」の評価を下し、0.3mm以上であれば、「×」の評価を下すこととした。
また、割れ発生評価試験については、各成分割合の異なる円柱状の貴金属チップを具備するスパークプラグのサンプルを用意し、直列6気筒排気量2000ccのエンジンに当該スパークプラグを取付けた。そして、当該エンジンを5000rpmで1分間回転させた後、アイドリング状態を1分間継続させ、これを1サイクルとして100時間繰返した。その結果、接地電極に接合された貴金属チップに外観上「割れ」が発生しなかった場合には、「割れ」を十分に抑制できているものとして「○」の評価を下すこととした。一方、外観検査において「割れ」が認められた場合には、当該「割れ」が発生した箇所と貴金属チップの中心点とを通るよう貴金属チップを切断し、当該切断面における「割れ」の長さを計測した。その結果、当該長さが0.1mm未満であれば「割れ」を抑制できているものとして「○」の評価を下し、一方、当該長さが0.1mm以上の場合には「割れ」を十分に抑制できていないものとして「×」の評価を下すこととした。尚、接地電極に設けられる貴金属チップとして、表2の各成分割合のものを用いることとした。また、この場合における貴金属チップとしては、直径0.7mm、長さ0.8mmの円柱状とし、露出長を0.35mmとした。一方、中心電極側の貴金属チップについては、上記耐火花消耗性試験と同様のものを用いた。
Figure 2008103147
表2に示すように、周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のいずれもが含有されていないサンプル(サンプル1〜4)に関しては、「割れ」の抑制が不十分であることがわかる。
これに対し、添加物質として周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種を、それらの総含有量が2質量%以下となるよう含有してなるサンプル(サンプル5〜17)については、加工性に問題がなく、耐酸化性、火花消耗性に優れ、「割れ」を抑制できることが明らかとなった。これは、たとえ露出部が比較的長いものであったとしても、高温下における再結晶化が起こりにくくなっているためであると考えられる。
また、上記添加物質に加え、タングステン(W)やニッケル(Ni)が含有されたサンプル(サンプル18〜22)についても、加工性に問題がなく、耐酸化性、火花消耗性に優れ、「割れ」を効果的に抑制できることが認められた。表2からは、WやNiが含有されることで、火花消耗をより効果的に抑制することができるといえる。但し、Wの含有量については、耐酸化性の悪化を防止するという観点からは、5質量%以下であるのが好ましい。また、Niの含有量については、加工性の悪化を防止するという観点からは、3質量%以下であるのが望ましい。
一方で、上記添加物質を含有していても、添加物質の総含有量が2質量%を超えるサンプル(サンプル23)については、加工性の面で問題が生じてしまった。
また、Zrと、酸化ジルコニウム(Zr23)とを比較すると、Zr23を含有するサンプル(サンプル6,8)がより効果的に「割れ」を抑制できることが明らかとなった(サンプル5〜8参照)。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ31と貴金属チップ32とが、Ptを主成分とし、Rhを含み、さらに、周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種を含み、それらの総含有量が2質量%以下とされている。この点、貴金属チップ31及び貴金属チップ32のいずれか一方のみを、上記組成により構成されることとしてもよい。また、上述したことではあるが、中心電極5又は接地電極27のうち一方にのみ貴金属チップを設けるよう構成してもよい。
(b)上記実施形態において、貴金属チップ31,32がそれぞれ露出部43,44を備えていたが、貴金属チップ31,32の一方のみが露出部を備えていてもよい。また、露出部43の露出長や露出部44の露出長が、0.3mm以上である場合に、上記作用効果が一層効果的に奏せられる。
(c)上記実施形態の中心電極5は、その先端側が縮径されているものであるが、必ずしも縮径されていなくてもよく、全体として棒状(円柱状)をなしていても何ら差し支えない。また、中心電極5は、内層5A及び外層5Bからなる2層構造を具備しているが、1層からなっていても差し支えない。
(d)Rhの含有量については、特に限定されるものではないが、Ptの機能を存分に発揮させるという観点においては、30質量%以下であることが望ましい。
(e)上記実施形態では、主成分をPtとするインゴットを用意し、所定の組成となるよう各合金成分を配合・溶融し、当該溶融合金を元に貴金属チップ31,32を得ているが、所定の組成となるよう各合金成分の粉体(又は粒体)を混合した混合粉末を圧粉成形し、当該成形体を焼結した焼結合金を元に貴金属チップ31,32を得ることとしてもよい。
(f)スパークプラグのタイプについては、上記実施形態のものに特に限定されるものではない。従って、複数本の接地電極を具備するタイプに具現化することもできる。例えば、図3に示すように、2本(勿論、3本以上であってもよい)の接地電極27A,27Bを有し、両接地電極27A,27Bの先端面にそれぞれ溶融部42A,42Bが形成されることで、貴金属チップ32A,32Bが接合されてなるスパークプラグを用いてもよい。このように複数本の接地電極を具備する場合、中心電極5側の貴金属チップ31における露出部43の側面と、両貴金属チップ32A,32Bにおける両露出部44A,44Bの先端面とが対向することとなり、前記露出部43の側面に「割れ」が生じやすくなるという懸念が生じる。しかしながら、上記実施形態における組成を採用した貴金属チップを用いることで「割れ」を効果的に抑制できるため、前記懸念を払拭することができる。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの部分拡大断面図である。 他の実施形態におけるスパークプラグの部分拡大断面図である。
符号の説明
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、5…中心電極、27,27A,27B…接地電極、31,32,32A,32B…貴金属チップ、33…火花放電間隙、41,42,42A,42B…溶融部、43,44,44A,44B…露出部。

Claims (2)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
    前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
    前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するよう配置された接地電極とを備え、
    前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有する内燃機関用スパークプラグであって、
    前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部のうち少なくとも一方には、貴金属チップが接合されており、
    前記電極と前記貴金属チップとは溶融部を形成することで接合され、
    前記貴金属チップは、少なくともその側面において前記溶融部で被覆されない露出部を有するとともに、
    白金を主成分とし、ロジウムを含み、かつ添加物質として周期律表の3A族元素、4A族元素、及び、それらの酸化物のうち少なくとも1種を含んでおり、前記添加物質の総含有量が2質量%以下であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記添加物質には、ジルコニウム及び酸化ジルコニウムのうち少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
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