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JP2008100484A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッド製造方法、液体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッド製造方法、液体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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JP2008100484A JP2006287027A JP2006287027A JP2008100484A JP 2008100484 A JP2008100484 A JP 2008100484A JP 2006287027 A JP2006287027 A JP 2006287027A JP 2006287027 A JP2006287027 A JP 2006287027A JP 2008100484 A JP2008100484 A JP 2008100484A
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嘉一 上野
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Abstract

【課題】気泡を制御してデッドゾーンを更に少なくして吐出特性が優れ高品質の画像を形成する液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジ、並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】液滴を吐出する液滴吐出部1と、前記液滴吐出部1の液滴吐出口11に連通して液滴を吐出する熱エネルギーが液体に作用する液室2と、前記液室2へ液体を供給する液体供給口3と、前記液室2内に熱エネルギーを発生する発熱抵抗体4と、前記液室2を形成する隔壁5と、前記発熱抵抗体4から離れるに従い前記隔壁5の前記液室2に面する接線50と前記発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大して90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、及びその液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジ、並びに画像形成装置に関する。
従来、液滴吐出ヘッドとしては、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等が知られている。
また、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プロッタ等の記録画像を形成する画像形成装置としてインクジェット記録装置が用いられるが、インクジェット記録装置は、インク滴を吐出する吐出口と、この吐出口が連通する液室及び流路と、この液室及び流路内のインクを加圧するための駆動手段を備える液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。液室及び流路は、インク流路、吐出室、加圧液室、流路とも称される。駆動手段は圧力発生手段とも言われる。
以下に、上記インクジェットヘッドを中心に説明をする。
プリンタ、ファクシミリ装置、複写機等には、ドロップオンディマンド型のインクジェット記録装置が用いられる。ドロップオンディマンド型のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドを用いて、記録信号が入力された時にのみ吐出口からインク滴を吐出飛翔させて、高速高解像度の記録を行うものである。
液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドは、例えばインク滴を吐出する複数の吐出口と、吐出口に接続されかつインクが加圧される液室と、液室内のインクを加圧するためのエネルギー発生手段を備えている。
エネルギー発生手段は、例えば圧電素子や静電素子等の電気機械変換素子(特許文献3、特許文献6を参照)や、例えば熱抵抗体のヒータ等の熱機械変換素子(特許文献2)がある。その他にインク通電方式(特許文献1を参照)や剪断モード型(特許文献5を参照)もある。
インクジェットヘッドは、ヒータや圧電素子等のエネルギー発生手段を任意の周波数にて駆動される。任意の周波数にて駆動することによって液室に圧力を加え、インク滴を吐出飛翔させて記録を行うため、吐出口、液室、及び流路の形状及びサイズによる圧力伝播効率がインク滴の噴射性能に影響を与える。
エネルギー発生手段としての熱抵抗体であるヒータ等の熱機械変換素子は、精度が良い微細化やマルチ化、小型化が極めて容易であり、インク滴の形成とその飛行の運動エネルギーに効率良く変換でき、量産性に富む等と言う利点を有する。
図34は、エッジシューター方式を用いた従来のインクジェットヘッド1000の基本構成の断面図である。
図35は、図34における(A−A)線の断面図である。
図36は、サイドシューター方式を用いた従来のインクジェットヘッド1000の基本構成の断面図である。
図37は、図36における(B−B)線の断面図である。
図38は、従来の液体噴射記録ヘッドの断面図である。
図39は、従来の液体噴射記録ヘッドの図38における開口部の中心を通りこの断面に直行する立断面図である。
図34と図35において、インクジェットヘッド1000のエッジシューター方式は、インクの流れ方向が図示の矢印(C)方向のインク流路1007からインク吐出部1001のインク吐出口1011にかけての形状が直線的である。液体供給口1003からインクが液室1002に供給される。
図34と図35に示したようなエッジシューター方式のインクジェットヘッド1000においては、各部分の精度が良い微細化やオリフィスのマルチ化、あるいは小型化が極めて容易であり、また量産性に富むという利点を有する。然し、その一方で、インク滴吐出の際の応答周波数やインク滴の飛行速度に限界がある。
また、電熱変換素子1004が発熱することでインク中に気泡が発生するが、この気泡が温度低下により収縮し、吐出エネルギー発生体1040の近辺で消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体1040を徐々に破壊する。この現象は、キャビテーション現象と呼ばれ、エッジシューター方式において顕著である。そのため、エッジシューター方式のインクジェットヘッド1000は寿命が比較的短い。
図36と図37において、インクジェットヘッド1000のサイドシューター方式は、インク流路1007内の図示の矢印(C)方向のインクの流れ方向の向きとインク吐出部1001のインク吐出口1011のインク吐出の向きが異なる。
図36と図37に示したようなサイドシューター方式のインクジェットヘッド1000においては、天板1008にオリフィスのインク吐出部1001と、液体供給口1003からインクが供給される液室1002を設けている。インク流路1007内の電熱変換素子1004の吐出エネルギー発生体1040への図示の矢印(C)方向のインクの流れ方向とインク吐出部1001のインク吐出口1011の中心軸とを直角となした構成を有する。
このような構成にすることによって、電熱変換素子1004の吐出エネルギー発生体1040からのエネルギーをより効率良くインク滴の形成とその飛行の運動エネルギーへと変換することが出来る。またインクの供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有し、吐出エネルギー発生体1040に発熱素子の電熱変換素子1004を用いた場合に特に効果的である。
また、特許文献2に記載されているように、発熱抵抗体を加熱することにより生成した気泡を外気と連通させて、温度低下による気泡の収縮が起こらない。
従って、気泡が消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体1040を徐々に破壊する問題、いわゆるキャビテーション現象を回避することが出来る。そのため、インクジェットヘッド1000の寿命が長いという長所を有する。
然し、サイドシューター方式のインクジェットヘッド1000においてもインク吐出時にもインクの流れが生じない、矢印(D)で図示するいわゆるデッドゾーンとなる隅部がある。デッドゾーンとなる隅部により、インク流路1007内に泡が入り込み、この隅部のデッドゾーンに泡が付着した場合には、この泡が固定泡となり、リフィル周波数低下や、インク液滴の飛翔方向が曲がってしまう。
そして被記録材上のインク液滴着弾位置がずれる「ヨレ」等の原因となり、インク吐出は非常に不安定なものとなる。更にこの泡が放置泡として成長してしまうと、インクが不吐出に至ってしまう場合もある。
即ち、発泡室内にインク吐出時の気泡が残り、この隅部に気泡が付着した場合には、吐出体積そのものが変化し、印字にいわゆる「ムラ」や「スジ」を生じてしまう。またこの泡が固定泡となってしまった場合には、リフィル周波数の低下やヨレ等の原因となり、また放置泡による不吐出の原因ともなり得る。またこの隅部においてインク流れが生じないと、インク残りが発生して、この場合も同様にインク吐出は不安定になる。
これらの悪影響は、記録画像の高精細化に対応する吐出インク液滴の小液滴化が進むほど、さらに大きくなることは言うまでもない。
そこで、特許文献2では、図38と図39に示すように、流路形状にパターンニングされた角部に丸みをつけ、外側に凸の曲面をもつ流路形状をもつ液体噴射記録ヘッドが提案されている。
また、同様に特許文献4では、気体或いは液体等を流した際、コーナー部での滞留を抑えるための流路部形状の1つとして、樽形状の提案がなされている。
然し、これらは、液体の流れに対するデッドゾーンをなくし、気泡発生を抑制するものであるが、発生気泡及び残存気泡を制御するものではなく、液体の流れに対するデッドゾーンは残る。そして、この残存するデッドゾーンにより液体中に気泡を発生させる際の応答性が低く、液滴の吐出特性も劣り、形成する画像の品質も低下すると言う不具合が生じていた。
特開平8−276589号公報 特許第3372739号 特開平10−211696号公報 特開2000−25220公報 特開2000−43257公報 特開2001−162791公報
従来の液滴吐出ヘッド、及びその液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置において、残存するデッドゾーンにより液体中に気泡を発生させる際の応答性が低く、吐出特性も劣り形成する画像の画像品質も低下すると言う問題が発生していた。
そこで本発明の課題は、このような問題点を解決するものである。即ち、気泡を制御してデッドゾーンを更に少なくして吐出特性が優れ高品質の画像を形成する液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジ、並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、液滴を吐出する液滴吐出口を設けた液滴吐出部と、前記液滴吐出口に連通する液室と、前記液室へ液体を供給する液体供給口と、該液体供給口及び前記液室を連絡する液体流路と、前記液室内に熱エネルギーを発生させる発熱抵抗体と、前記液室を形成する隔壁と、を備え、前記液室内の前記液体に前記熱エネルギーが作用することで前記液体を前記液滴として吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、前記隔壁は、前記発熱抵抗体から遠ざかるに従い、当該隔壁の接線と前記発熱抵抗体のなす角度が90度になるまで連続的に増大した後で、さらに連続的に減少する形状を備えた液滴吐出ヘッドを特徴とする。
又は、請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液滴吐部は、前記液体供給口から前記液室への液体供給方向と同方向に形成されている液滴吐出ヘッドであることを特徴とする。
又は、請求項3に記載の本発明は、請求項1記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液滴吐出部は、前記液体供給口から前記液室への液体供給方向と異なる方向に形成されていることを特徴とする。
又は、請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室を形成する前記隔壁は、感光性樹脂により形成されている液滴吐出ヘッドであることを特徴とする。
又は、請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室への液体供給方向における前記液室の断面積は、前記液滴吐出口の断面積及び前記液体供給口の断面積より大きい部分を有する液滴吐出ヘッドであることを特徴とする。
又は、請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室は、前記液滴吐出口及び前記液体供給口のそれぞれよりも、前記液室への液体供給方向に直交する方向に広がる形状を備える液滴吐出ヘッドであることを特徴とする。
又は、請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記発熱抵抗体が形成される基板上に被覆樹脂層の被覆樹脂下層を形成する被覆樹脂下層形成工程と、前記被覆樹脂下層の感光性を活性化させるエネルギーでマスクを介して部分的に照射し現像することで前記液体流路の溝の側面を前記曲面とするように形成する曲面形成工程と、前記発熱抵抗体が形成される前記基板上に除去可能な液体流路型材を形成する液体流路型材形成工程と、前記液体流路型材の上に凸形状となる前記曲面の液体流路型を形成する液体流路型形成工程と、前記液体流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる前記被覆樹脂層の被覆樹脂上層を形成し感光性を活性化させるエネルギーでマスクを介して部分的に照射し現像することで前記発熱抵抗体上方の前記被覆樹脂上層に前記液滴吐出部の前記液滴吐出口を形成する液滴吐出口形成工程と、前記液体流路型を溶解除去して前記液体流路を形成する液体流路形成工程と、を備える液滴吐出ヘッド製造方法であることを特徴とする。
又は、請求項8に記載の本発明は、請求項7記載の液滴吐出ヘッド製造方法において、前記基板の上に液滴を形成し、表面張力により前記曲面を残したまま固化することで、前記液体流路型の一部であり前記液室に相当する液室型を形成する液滴固化工程を備える液滴吐出ヘッド製造方法であることを特徴とする。
又は、請求項9に記載の本発明は、請求項7または8に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記液室型は、段差が設けられる前記基板の上に形成され、前記吐出エネルギー発生素子部面に相当する熱エネルギー発生部もしくは前記液体流路に相当する液体流路形成部を下段側に形成する段差形成工程を備える液滴吐出ヘッド製造方法であることを特徴とする。
又は、請求項10に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジであることを特徴とする。
又は、請求項11に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置であることを特徴とする。
本発明によれば、気泡を制御してデッドゾーンを少なくして吐出特性が優れ高品質の画像を形成する液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジ並びに画像形成装置を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドを、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態例にかかる、エッジシューター方式を用いた液滴吐出ヘッド10の基本構成の断面図である。
図2は、図1の(E−E)線の断面図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態例にかかる、サイドシューター方式を用いた液滴吐出ヘッド10の基本構成の断面図である。
図4は、図3の(F−F)線の断面図である。
図1乃至図4において、熱エネルギーを発生させて液滴を吐出する液滴吐出ヘッド10は、液滴を吐出する液滴吐出部1と、液滴吐出部1の液滴吐出口11に連通し、液滴を吐出する熱エネルギーが液体に作用する液室2とを備えている。更に液室2へ液体を供給する液体供給口3と、液室2内に熱エネルギーを発生させる発熱抵抗体4と、感光性樹脂からなって液室2を形成する隔壁5を備えている。そして発熱抵抗体4から離れるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大して90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6も備えている。
本発明の液滴吐出ヘッド10、及びその液滴吐出ヘッド10の製造方法は、発熱抵抗体4が複数設けられるものであれば、どのようなものにも適用可能である。そして液滴吐出ヘッド10は、複数個を配列する液滴吐出部1の液滴吐出口11と、各液滴吐出部1の液滴吐出口11に対応する数の液室2及び液体供給口3を備えることが出来る。
液滴吐出ヘッド10を適用した画像形成装置300は、図32、33に図示するインクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置や印刷装置、複写機、ファクシミリ装置、プロッタあるいはこれらの複合機等であってもよい。
液滴吐出ヘッド10は、また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出することが出来る。
図1乃至図4は、本発明における液滴吐出ヘッド10の構成の一例である。図1と図2に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出口11から液滴を吐出する方向を示す図示の矢印(X)の向きが液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)から直線方向(すなわち液体供給方向と同方向)であるエッジシューター方式である。
そして図3と図4に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出口11から液滴を吐出する図示の矢印(Y)の向きが液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)の向きと異なる方向であるサイドシューター方式である。そして液滴吐出ヘッド10は、図とは上下反転して取り付けられて作動する。
図1と図2に図示するエッジシューター方式、図3と図4に図示するサイドシューター方式のいずれの場合も、液室2を形成する隔壁5の形状は、発生気泡及び残存気泡を制御する曲面6である。そして隔壁5は、感光性樹脂からなり、液室2を形成する。
曲面6は、発熱抵抗体4のから遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後に連続的に減少する形状になっている。
このような曲面6の形状にすることにより、液室2、液体流路7ともに不連続な面が無いため、発生気泡が滞留することなく、かつ、発生気泡が、発熱抵抗体4の直上及び近傍に集まり易い形状となる。
従って、液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後、連続的に減少する曲面6の形状とすることにより、液室2内の気泡の発生が抑制される。発熱抵抗体4近傍の気泡発生部に優先的に気泡集中定点をつくり気泡発生効率を向上させる。また、気泡発生時にも発熱抵抗体4に気泡が集まる形状となっているため、発泡時の核となり応答が速くなる。発泡が大気開放される際には共に排除される。
これらの効果により、発生気泡及び残存気泡を制御してデッドゾーンを更に少なくして気泡による不吐出がなくなり、応答性が良い、吐出特性の優れた液滴吐出ヘッド10を提供することが出来る。
更に、液室2および液室2へ液体を供給するための液体流路7を形成する隔壁5が感光性樹脂を用いて形成されているので形状の寸法精度がよく、信頼性の高い液滴吐出ヘッド10を提供することが出来る。また、気泡による不吐出がなくなり、更に応答性が良く、吐出特性に優れ、簡便に精度よく形成される液滴吐出ヘッド10を提供することが出来る。
以下に、本発明の第2の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10がエッジシューター方式の基本構成の断面図である。
図6は、図5の(H−H)線の断面図である。
図7は、本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10がサイドシューター方式の基本構成の断面図である。
図8は、図7の(J−J)線の断面図である。
図5乃至図8において、液滴吐出ヘッド10は、液滴を吐出する液滴吐出部1と、液滴吐出部1の液滴吐出口11に連通して、液滴を吐出する熱エネルギーが液体に作用する液室2を備えている。更に液室2へ液体を供給する液体供給口3と、液室2内に熱エネルギーを発生する発熱抵抗体4と、感光性樹脂で液室2を形成する隔壁5を備えている。その液室2への液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)方向における液室2の断面積は、液滴吐出口11の断面積及び液体供給口3の断面積より大きくなっている。そして発熱抵抗体4から離れるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大して90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6も備えている。
図5乃至図8に図示する液滴吐出ヘッド10は、第2の実施例における構成の一例である。図5と図6に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出部1の液滴吐出口11の液滴を吐出する方向を示す図示の矢印(X)の向きが液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)の向きから直線方向(すなわち液体供給方向と同方向)であるエッジシューター方式である。そして図7と図8に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出部1の液滴吐出口11の液滴を吐出する図示の矢印(Y)の向きが液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)と異なる方向となるサイドシューター方式である。そして液滴吐出ヘッド10は、図とは上下反転して取り付けられて作動する。
図5と図6に図示するエッジシューター方式、図7と図8に図示するサイドシューター方式のいずれの場合も、液室2を形成する隔壁5の形状は、発生気泡及び残存気泡を制御する曲面6である。
曲面6は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大し、90度となった後、連続的に減少する形状になっている。
このような曲面6の形状にすることにより、液室2、液体流路7ともに不連続な面が無いため、発生気泡が滞留することはない。かつ、発生気泡が、発熱抵抗体4の直上及び近傍に集まり易い形状であり、発泡による液滴吐出時に、気泡が液体流路7側、図6と図8での右側へ逆流および滞留することを抑制する形状となる。
従って、液滴吐出ヘッド10の液室2の断面積は、液滴吐出口11及び液室2へ液体を供給するための液体供給口3の断面積より大きい。液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後、連続的に減少する曲面6の液室2の形状とすることにより、液室2内の気泡の発生が抑制される。発熱抵抗体4近傍の気泡発生部に優先的に気泡集中定点をつくり気泡発生効率を向上させる。また、気泡発生時にも発熱抵抗体4に気泡が集まる形状となっているため、発泡時の核となり応答が速くなる。発泡が大気開放される際には共に排除される。前述の実施例に比べ、発泡が大気開放される際の気泡排出効率が大きくなる。
これらの効果により、気泡による不吐出がなくなり、更に応答性が良い、吐出特性の優れた液滴吐出ヘッド10を提供することが出来る。
以下に、本発明の第3の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10がエッジシューター方式の基本構成の断面図である。
図10は、図9の(K−K)線の断面図である。
図11は、本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10がサイドシューター方式の基本構成の断面図である。
図12は、図11の(L−L)線の断面図である。
図9乃至図12において、液滴吐出ヘッド10は、液滴を吐出する液滴吐出部1と、液滴吐出部1の液滴吐出口11に連通して液滴を吐出する熱エネルギーが液体に作用する液室2を備えている。更に液室2へ液体を供給する液体供給口3と、液室2内に熱エネルギーを発生する発熱抵抗体4と、感光性樹脂で液室2を形成する隔壁5を備えている。その液室2における発熱抵抗体4の直近の液室2の面は、液滴吐出部1の液滴吐出口11及び液室2へ液体を供給する液体供給口3と液体流路7のそれぞれの延長よりも外側の外部に広がる形状になっている。
即ち、液室2の面は、液体供給口3及び液滴吐出口11の正投射領域よりも膨らんで連続的にスムーズである。そして発熱抵抗体4から離れるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と前記発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大して90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6も備えている。
図9乃至図12は、第3の実施例における液滴吐出ヘッド10の構成の一例である。図9と図10に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出部1の液滴吐出口11の液滴を吐出する方向を示す図示の矢印(X)が液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)から直線的な形状となるエッジシューター方式である。そして図11と図12に図示する液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出部1の液滴吐出口11の液滴を吐出する方向を示す図示の矢印(Y)の向きが液体流路7内の液体供給方向の図示の矢印(G)と異なるサイドシューター方式である。そして液滴吐出ヘッド10は、装置に組み付け後、作動時は上下反転する。
図9と図10に図示するエッジシューター方式、図11と図12に図示するサイドシューター方式のいずれの方式の場合も、液室2を形成する隔壁5の形状は、発生気泡及び残存気泡を制御する曲面6である。
曲面6は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大し、90度となった後、連続的に減少する形状になっている。
このような曲面6の形状にすることにより、液室2、液体流路7ともに不連続な面が無いため、発生気泡が滞留することはない。かつ、発生気泡が、発熱抵抗体4の直上及び近傍に集まり易い形状であり、発泡による液滴吐出時に、気泡が液体流路7側、図10と図12での右側へ逆流および滞留することを抑制する形状となる。
このように、図1乃至図4よりも図5乃至図8の方が、発泡による液滴吐出時に気泡の逆流による気泡分断が少なくなる形状である。更に、図1乃至図4、図5乃至図8よりも図9乃至図12の方が、発生気泡が発熱抵抗体4の直上及び近傍によりよく集まり、発泡による液滴吐出時に気泡の逆流による気泡分断が少なくなる形状である。
従って、液滴吐出ヘッド10液室2は、液滴吐出部1の液滴吐出口11及び液室2へ液体を供給するための液体供給口3と液体流路7における最外周の延長線より外部まで広がる形状になっている。液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後、連続的に減少する曲面6の液室2の形状とすることにより、液室2内の気泡の発生が抑制される。発熱抵抗体4近傍の気泡発生部に優先的に気泡集中定点をつくり気泡発生効率を向上させる。また、気泡発生時にも発熱抵抗体4に気泡が集まる形状となっているため、発泡時の核となり応答が速くなる。そして発泡が大気開放される際には共に排除される。前述のそれぞれの各実施例に比べ、気泡発生時に発熱抵抗体4により気泡が集まり易い形状となっており、発泡が大気開放される際の気泡排出効率も大きくなる形状である。
これらの効果により、更に気泡による不吐出がなくなり、更に応答性が良い、吐出特性の優れた液滴吐出ヘッド10を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の各実施形態に係る液滴吐出ヘッド10の製造方法は、それぞれ次の工程を備えている。すなわち被覆樹脂下層形成工程、曲面形成工程、液体流路型材形成工程、液体流路型形成工程、液滴吐出口形成工程と液体流路形成工程である。
図13乃至図18は、第1の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の各工程を説明する模式断面図である。
図13は、被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図14は、曲面形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図15は、液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図16は、液体流路型形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図17は、液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図18は、液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図19乃至図24は、第2の実施形態にかかる液滴と出ヘッドの製造方法の各工程を説明する模式断面図である。
図19は、被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図20は、曲面形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図21は、液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図22は、液体流路型形成工程と液滴固化工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図23は、液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図24は、液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図25乃至図30は、第3の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の各工程を説明する模式断面図である。
図25は、被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図26は、曲面形成工程と段差形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図27は、液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図28は、液体流路型形成工程、液滴固化工程と段差形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図29は、液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
図30は、液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図である。
第1の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法において、まず図13に示す被覆樹脂下層形成工程では、発熱抵抗体4を設けた基板41上に被覆樹脂層8の被覆樹脂下層80を感光性樹脂によって形成する。
続いて、図14に示す曲面形成工程では、被覆樹脂下層80の感光性を活性化させるエネルギーをマスクを介して部分的に照射し現像することで液体流路7の溝の側面を曲面6とするように形成する。
図15に示す液体流路型材形成工程では、発熱抵抗体4が形成される基板41上に除去可能な液体流路型材70を形成する。
図16に示す液体流路型形成工程では、液体流路型材70の上に凸形状となる曲面6の液体流路型71を形成する。
図17に示す液滴吐出口形成工程では、まず液体流路型71上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層8の被覆樹脂上層81を形成し、感光性を活性化させるエネルギーでマスクを介して部分的に照射し現像する。現像することで発熱抵抗体4上方の被覆樹脂上層81に液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成する。
そして図18に示す液体流路形成工程では、液体流路型71を溶解除去して液体流路7を形成することで液滴吐出ヘッド10の製造方法を提供することが出来る。
本発明の液滴吐出ヘッド10の製造方法において被覆樹脂層8は、被覆樹脂下層80と被覆樹脂上層81の2層構造として基板41上に形成する。
次に第2の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法について説明する。
まず、図19に示す1層目の被覆樹脂下層80を形成する被覆樹脂下層形成工程を経た後、図20のように、感光性を活性化させるエネルギーで、マスクを介して部分的に照射し現像することで、液体流路型71相当の溝を形成する曲面形成工程を行う。
次に液体流路型71相当の溝形成上に、液体流路型材70を形成する図21の液体流路型材形成工程と、マスクを介して部分的に照射し現像することで、液体流路型71相当の溝部に液体流路型71を形成する図22の液体流路型形成工程を行う。
そして2層目の被覆樹脂上層81を形成し、マスクを介して部分的に照射し現像することで、液体吐出の発熱抵抗体4上方の被覆樹脂上層81に液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成する図23の液滴吐出口形成工程を行う
特に、1層目の被覆樹脂下層80に溝を形成する際に、溝側面を曲面6にすることを特徴とする。これは、反射膜上に1層目の被覆樹脂下層80を形成する、または1層目の被覆樹脂下層80に感光性を活性化させるエネルギーを反射または吸収させる成分(濃度勾配により仕上がり形状を管理)を含有させることにより実現する。また他の方法としては、マスクにグラデーションマスクを使用することによる実現も可能である。
液体流路型71を形成する際は、液体流路7を上に凸となる曲面6にすることを特徴とする。これは、感光性を活性化させるエネルギーを反射または吸収させる成分(濃度勾配により仕上がり形状を管理)を含有させることにより実現する。また他の方法としては、マスクにグラデーションマスクを使用することによる実現も可能である。
更には、液体流路7を形成する液室2と液滴吐出部1の液滴吐出口11と液体供給口3の流路を別に形成して液室2を液滴吐出部1の液滴吐出口11と液体供給口3の流路の断面積よりも大きく形成する。その際に、液体流路型材70で前述の方法により形成することも可能である。さらに、液滴吐出部1の液滴吐出口11と液体供給口3の流路形成後、液室2に相当する部分にインクジェットにより、液体流路型材70を液滴として形成することも可能である。
図25乃至図30に示す第3の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記第1、第2の実施形態にかかる製造方法と同様である。
何れかの製造方法により製造される液滴吐出ヘッド10は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い、隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後に連続的に減少する曲面6からなる液体流路7の液室2及び液滴吐出部1の液滴吐出口11と液体供給口3の流路の形状となる。
このような曲面6の形状により気泡発生が抑制され、気泡が発生した場合も、気泡が発熱抵抗体4に集まり易い構成となり、吐出安定性に優れる液滴吐出ヘッド10の製造方法を提供することが出来る。
また、発熱抵抗体4を設ける基板41に、図26に図示する、例えばシリコンウェハに予め段差73をつけた基板41を使用することで、液滴吐出ヘッド10の曲面6の窪み形状の実現範囲を広げる。このように、発熱抵抗体4を設ける基板41に予め段差73をつけた基板41を使用することにより吐出特性の設計範囲が広い液滴吐出ヘッド10の製造方法を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の実施例の基本的構成例について説明する。まず、本発明が適用される液滴吐出ヘッド10の基本的態様例について、図の右側に液体供給口3を持ち、液室2の近傍にフォーカスした図13乃至図30中のそれぞれの工程を用いて説明する。
本態様においては、例えば、被覆樹脂下層形成工程では、図13、図19、図25に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等から成る基板41が用いられる。
この基板41は、液体流路7の構成部材の一部として機能し、また、液体供給口3及び液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に特に限定されることなく使用できる。
基板41上には、電気熱変換素子等の発熱抵抗体4が所望個数配置される。このような、発熱抵抗体4によって記録小液滴のインクを吐出させるための吐出エネルギーが液体のインク液に与えられ、記録が行われる。
例えば、発熱抵抗体4として電気熱変換素子が用いられる時には、この電気熱変換素子が近傍の記録液体のインクを加熱することにより、記録液体のインクに状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。
尚、これらの発熱抵抗体4には、これら電気熱変換素子を動作させるための図示しない制御信号入力用電極が接続されている。
また、一般には、これら発熱抵抗体4の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられているが、もちろん本発明においてもこのような機能層を設けることは一向に差し支えない。
そのような基板41上に、液体流路7の形成部材の1層目の下層を形成する。最も一般的な手段としては、樹脂材料で被覆樹脂層8の被覆樹脂下層80を形成する手段が挙げられる。なかでも、感光性材料にて形成する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能である。感光性材料を使用する場合においては、液体流路パターンが溶解可能であるため、ポジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジストの使用が可能である。レジスト層の形成の方法としては、基板41上に図示しない液体供給口3を設けた基板41を使用する場合には、前記感光性材料のドライフイルムを作成し、ラミネートによって形成する。また、図示しない液体供給口3に後工程で除去可能な充鎮物を配置し、通常のスピンコート法、ロールコート法等で被膜を形成しても差支えない。
次いで、曲面形成工程では、図14、図20、図26に示すように、液体流路7の形成部材の1層目の下層の樹脂材料である被覆樹脂層8の被覆樹脂下層80に下に凸となるような曲面6の溝を形成する。最も一般的な手段としては、液体流路7の形成部材上にパターンマスク材を形成し、等方性エッチにより、曲面6の溝を形成する。また、液体流路7の形成部材に感光性材料を使用する際には、グラデーションマスクの使用による曲線溝形成。感光性材料中に、吸収剤(感光性を活性化させるエネルギーを吸収させる成分)を含有させて曲線溝形成。感光性材料中に、反射剤(感光性を活性化させるエネルギーを反射する成分)を含有させて曲線溝形成する。いずれも、感光度合い(光量、感光性)にプロファイルをつけて曲線プロファイルを実現する。
次いで、液体流路型材形成工程では、図15、図21、図27に示すように、液体流路型材70を形成し溶解可能な樹脂を形成する。最も一般的な手段としては、感光性材料にて形成する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能である。感光性材料を使用する場合においては、液体流路型材70が溶解可能であるため、ポジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジストの使用が可能である。レジスト層の形成の方法としては、基板41上に液体供給口3を設けた基板41を使用する場合には、感光性材料のドライフイルムを作成し、ラミネートによって形成する。また、図示しない液体供給口3に後工程で除去可能な充鎮物を配置し、通常のスピンコート法、ロールコート法等で被膜を形成しても差支えない。
更に、液体流路型形成工程では、図16、図22、図28に示すように、パターン形成時に段差73及び上に凸の曲面6を形成する。最も一般的な手段としては、パターン形成後にエッチバックすることにより形成される。段差73の形成には、2段マスク形成後のエッチバックまたは、段差73(液室型72の部分)に相当するエリアにインクジェット等で液滴を塗布する方法をとっても良い。また、パターン形成後に液体流路7のパターン形成樹脂が軟化するように熱をかけて曲面6を得ることも出来る。この熱をかけて曲面6にすることは、上記エッチバックなどで得られた形状にさらに熱を加えて形状変化させることも可能である。
次いで、液滴吐出口形成工程では、図17、図23、図29に示すように、液体流路7の形成部材の2層目の上層を形成する。最も一般的な手段としては、樹脂材料の被覆樹脂層8の被覆樹脂上層81で形成する手段が挙げられる。なかでも、感光性材料にて形成する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能である。感光性材料を使用する場合においては、液体流路パターンが溶解可能であるため、ポジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジストの使用が可能である。レジスト層の形成の方法としては、通常のスピンコート法、ロールコート法等で被膜を形成しても差支えない。さらにリソ+エッチにより液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成する。感光性材料の場合は、エッチングの代わり適当な溶剤を用いて現像することにより液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成する。
次いで、液体流路形成工程では、図18、図24、図30に示すように、液体流路7を形成する溶解可能な樹脂パターンをエッチングまたは現像する。そして液体流路7及び液滴吐出部1の液滴吐出口11を形成した基板41に対して、発熱抵抗体4を駆動するための図示しない電気的接合を行なって、液滴吐出ヘッド10を製造することが出来る。
液室2、液体流路7及び液滴吐出口11の形成に用いる感光性樹脂層を2層化し、1層目の被覆樹脂下層80を形成し、感光性を活性化させるエネルギーを、マスクを介して部分的に照射し現像する。現像することで、液室2、液体流路7の溝の側面を曲面とするように形成する工程と、液体流路型材70を形成し、上に凸となる曲面状の液体流路型71に形成する工程と、2層目の被覆樹脂上層81を形成する。そして感光性を活性化させるエネルギーで、マスクを介して部分的に照射し現像することで、発熱抵抗体4上方の被覆樹脂上層81に液滴吐出口11を形成する工程を有する製造方法を用いる。これにより、液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6を備える液滴吐出ヘッド10が精度良く、簡便に製造することが可能となる。
以下に、本発明の第1の実施形態にかかる液滴吐出ヘッド10の製造方法を、図13乃至図18を基に、特徴のある工程と形状で説明する。
前記曲面形成工程の説明で図14に図示するように、液体流路7の形成部材である1層目の被覆樹脂下層80に下に凸となるような曲面6の溝を形成する。この際、パターンマスク材を形成し、等方性エッチにより、曲面6の溝を形成する。また、液体流路7の形成部材に感光性材料を使用する際には、グラデーションマスクの使用による曲面6の溝を形成。感光性材料中に、吸収剤(感光性を活性化させるエネルギーを吸収させる成分)を含有させて曲面6の溝を形成。感光性材料中に、反射剤(感光性を活性化させるエネルギーを反射する成分)を含有させて曲面6の溝を形成。いずれも、感光度合い(光量、感光性)にプロファイルをつけて曲線プロファイルを実現する。
このときに、曲面6の溝の最下面は、液室2、液体流路7ともに同じ高さレベルとする。
更に、前記液体流路型形成工程を説明すると、図16に図示するように、液体流路型71のパターン形成時に上に凸の曲面6を形成する。一般的な手段としては、パターン形成後にエッチバックすることにより形成される。また、パターン形成後に液体流路パターン形成樹脂が軟化するように熱をかけて曲面6を得ることも出来る。この熱をかけて曲面6にすることは、上記エッチバックなどで得られた形状に、更に熱を加えて形状変化させることも可能である。
このとき、液体流路7のパターンの最上面は、液室2、液体流路7ともに同高さレベルとする。
このような、構成、製造方法が本発明の最も簡便な構造形状であり、最も簡便な製造方法で実現可能な構造形状となる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる液滴吐出ヘッド10の製造方法を、図19乃至図24を基に、特徴のある工程と形状で説明する。
前記曲面形成工程の説明を説明すると、図20に図示するように、液体流路7の形成部材である1層目の被覆樹脂下層80に下に凸となるような曲面6の溝を形成する。この際、パターンマスク材を形成し、等方性エッチにより、曲面6の溝を形成する。また、液体流路7の形成部材に感光性材料を使用する際には、グラデーションマスクの使用による曲面6の溝を形成する。感光性材料中に、吸収剤(感光性を活性化させるエネルギーを吸収させる成分)を含有させて曲面6の溝を形成。感光性材料中に、反射剤(感光性を活性化させるエネルギーを反射する成分)を含有させて曲面6の溝を形成する。いずれも、感光度合い(光量、感光性)にプロファイルをつけて曲線プロファイルを実現する。
このときに、曲面6の溝の最下面は、液室2、液体流路7ともに同高さレベルとする。
更に、前記液体流路型形成工程を説明すると図22に図示するように、液体流路型71のパターン形成時に段差73及び上に凸の曲面6を形成する。2段マスク形成後のエッチバックする方法をとって形成する。または、段差73(液室型72の部分)に相当するエリアにインクジェット等で基板41の上に液滴を塗布して形成し、表面張力による曲面6を残したまま固化する液滴固化工程で形成する。また、パターン形成後に液体流路7のパターン形成樹脂が軟化するように熱をかけて曲面6を得ることも出来る。この熱をかけて曲線にすることは、上記エッチバックなどで得られた形状にさらに熱を加えて形状変化させることも可能である。
このとき、液体流路型71の液体流路7のパターンの最上面は、液室2の高さレベルを液体流路7より高いレベルとする。
このような、製造方法では、第1の実施例の場合に比べて、図示しない液体供給口3側への気泡の逆流の可能性が減り、液滴吐出部1の液滴吐出口11から大気開放される確率が向上する、液滴吐出ヘッド10の製造方法を提供することが出来る。
更に液体流路型71の一部である液室2部に相当する液室型72は、基板41上に液滴を形成し、表面張力による曲面を残したまま固化させることにより形成することにより、液室2部と液体流路7部の型材の高さが独立制御可能となる。かつ、液室2部の型に液滴の表面張力による曲面が形成でき、製造過程での型抜き時及び液滴吐出ヘッド10として使用時の気泡抜けが良くなる。
液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6を備える液滴吐出ヘッド10が精度良く、簡便に製造することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態にかかる液滴吐出ヘッド10の製造方法を、図25乃至図30を基に、特徴のある工程と形状で説明する。
前記前記曲面形成工程を説明すると、図26に図示するように、液体流路7の形成部材である1層目の被覆樹脂下層80に下に凸となるような曲面6の溝を形成する。この際、2段マスクを形成し、等方性エッチにより、他の段差73付き曲面6の溝を形成する。
このときに、曲面6の溝の最下面は、液室2の高さレベルを液体流路7の高さレベルより低いレベルとする。
更に、前記液体流路型形成工程を説明すると、図28に図示するように、液体流路型71のパターン形成時に段差73及び上に凸の曲面6を形成する。2段マスク形成後のエッチバックする方法をとって形成する。または、他の段差73(液室型72の部分)に相当するエリアにインクジェット等で基板41の上に液滴を塗布して形成し、表面張力による曲面6を残したまま固化する液滴固化工程で形成する。またパターン形成後に液体流路7のパターン形成樹脂が軟化するように熱をかけて曲面6を得ることも出来る。この熱をかけて曲線にすることは、上記エッチバックなどで得られた形状にさらに熱を加えて形状変化させることも可能である。
このとき、液体流路型71の液体流路7のパターンの最上面は、液室型72の液室2の高さレベルをより高いレベルとする。
従って、液室型72は、他の段差73が設けられる基板41の上に、熱エネルギー発生部74もしくは液体流路形成部75を下段側に形成する段差形成工程で形成される。熱エネルギー発生部74は発熱抵抗体4に相当し、液体流路形成部75は液体流路7に相当する。
このような製造方法では、実施例1、2に比べて、図示しない液体供給口3側への気泡の逆流の可能性が減り、液滴吐出部1の液滴吐出口11から大気開放される確率が向上する。更に、残存気泡が、発熱抵抗体4の近傍に、集まり易く、応答性の高い、液滴吐出ヘッド10の製造方法を提供することが出来る。
更に液室型72を、熱エネルギー発生部74が、部分的に下がっている、または、液体流路形成部75が部分的に下がっている基板41上に形成することにより、得られる液滴吐出ヘッド10は、精度良く吐出安定性に優れる。また、このような基板41を使用することにより、液室2を形成する隔壁5の面は、発熱抵抗体4から遠ざかるに従い隔壁5の液室2に面する接線50と発熱抵抗体4のなす角度(Z)が連続的に増大する。そして90度となった後に連続的に減少する形状の曲面6を備える液滴吐出ヘッド10がより精度良く、簡便に製造することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジを、図面を参照して詳細に説明する。
図31は、本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10を備える液体カートリッジ200の基本構成の斜視図である。
図31において、液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジ200は、上述したそれぞれの液滴吐出ヘッド10と、液滴吐出ヘッド10に液体を供給する液体供給タンク201を一体化して備えている。
液体カートリッジ200は、液滴吐出部1の液滴吐出口11等を有する上記各実施形態の何れかの液滴吐出ヘッド10と、この液滴吐出ヘッド10に対して液体を供給する液体供給タンク201とを一体化したものである。
液体カートリッジ200が、液体供給タンク201と一体型の液滴吐出ヘッド10の場合、液滴吐出ヘッド10の歩留まり不良は直ちに液体カートリッジ200全体の不良につながる。
従って、液滴吐出ヘッド10の高熱等による液滴の吐出不良を低減することで液体カートリッジ200の歩留まりが向上し製造不良が減少する。そして低コスト化を図れる液滴吐出ヘッド10が一体型の液体カートリッジ200を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態にかかる液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置を、図面を参照して詳細に説明する。
図32は、本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10を備える画像形成装置300の斜視図である。
図33は、本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッド10を備える画像形成装置300の基本構成図である。
図32と図33において、液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置300は、上記したそれぞれの液滴吐出ヘッド10を備えている。その液滴吐出ヘッド10が一体の液体カ−トリッジ200を装着するキャリッジの液滴吐出ヘッド装着部301も備えている。更に液滴吐出ヘッド装着部301に装着される液滴吐出ヘッド10から液滴を吐出して被記録媒体(P)の記録用紙に記録画像を形成する記録画像形成部302を備えている。
記録画像形成部302の内部には、主走査方向に移動可能な液滴吐出ヘッド装着部301、液滴吐出ヘッド装着部301に搭載した液滴吐出ヘッド10が一体の液体カートリッジ200等で構成される印字機構部等を収納している。
装置本体の下方部には、前方側から多数枚の被記録媒体(P)の記録用紙を積載可能な給紙カセット303或いは給紙トレイを抜き差し自在に装着することが出来る。また、被記録媒体(P)を手差しで給紙するための手差しトレイ304を開倒することが出来る。
給紙カセット303或いは手差しトレイ304から給送される被記録媒体(P)に液滴吐出ヘッド10によって所要の画像を記録した後、後面側に装着される排紙トレイ305に排紙する。
記録画像形成部302の印字機構部は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド306と従ガイドロッド307とでキャリッジの液滴吐出ヘッド装着部301を主走査方向に摺動自在に保持している。この液滴吐出ヘッド装着部301には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド10を搭載している。そして液滴吐出ヘッド10を複数の液滴吐出口11を主走査方向と交差する方向に配列し、液滴滴吐出方向を下方に向けて装着している。
また液滴吐出ヘッド装着部301には、液滴吐出ヘッド10に各色の液体を供給するための各液体カートリッジ200を交換可能に装着している。液体カートリッジ200は上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド10へ液体を供給する供給口を、内部には液体が充填された多孔質体を有している。この多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド10へ供給される液体をわずかな負圧に維持している。
また、記録ヘッドとしてここでは各色の液滴吐出ヘッド10を用いているが、各色の液滴を吐出する液滴吐出口11を有する1個の液滴吐出ヘッド10でもよい。
記録画像形成部302の印字機構部では、液滴吐出ヘッド装着部301は後方側の被記録媒体(P)の搬送方向下流側を主ガイドロッド306に摺動自在に嵌装している。前方側の被記録媒体(P)の搬送方向上流側を従ガイドロッド307に摺動自在に載置している。
そして、このキャリッジの液滴吐出ヘッド装着部301を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ308で回転駆動される駆動プーリ309と従動プーリ310との間にタイミングベルト311を張装している。このタイミングベルト311を液滴吐出ヘッド装着部301に固定しており、主走査モータ308の正逆回転により液滴吐出ヘッド装着部301が往復駆動される。
一方、給紙カセット303にセットした被記録媒体(P)を液滴吐出ヘッド10の下方側に搬送するために、給紙カセット303から被記録媒体(P)を分離給装する給紙ローラ312及びフリクションパッド313が配置されている。被記録媒体(P)を案内するガイド部材314と、給紙された被記録媒体(P)を反転させて搬送する搬送ローラ315も配置されている。この搬送ローラ315の周面に押し付けられる搬送コロ316及び搬送ローラ315からの被記録媒体(P)の送り出し角度を規定する先端コロ317を設けている。搬送ローラ315は副走査モータ318によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、液滴吐出ヘッド装着部301の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ315から送り出された被記録媒体(P)を液滴吐出ヘッド10の下方側で案内する被記録媒体ガイド部材である印写受け部材319を設けている。この印写受け部材319の被記録媒体搬送方向下流側には、被記録媒体(P)を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ320と拍車321を設けている。
更に被記録媒体(P)を排紙トレイ305に送り出す排紙ローラ322及び拍車323と、排紙経路を形成するガイド部材324、325を配設している。
記録時には、液滴吐出ヘッド装着部301を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド10を駆動して、停止している被記録媒体(P)に液体を吐出して1行分を記録し、被記録媒体(P)を所定量搬送後に次の行の記録を行う。
記録終了信号または、被記録媒体(P)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ被記録媒体(P)を排出する。
また、液滴吐出ヘッド装着部301の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド10の液滴の吐出不良を回復するための回復装置326を配置している。回復装置326は、図示しないキャップ手段、吸引手段とクリーニング手段を有している。
液滴吐出ヘッド装着部301は印字待機中にはこの回復装置326側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド10をキャッピングされ、液滴吐出口11部を湿潤状態に保つことにより液体乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しない液体を吐出することにより、全ての液滴吐出口11の液体の粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド10の液滴吐出口11を密封し、チューブを通して吸引手段で液滴吐出口11から液体とともに気泡等を吸い出す。そして液滴吐出口11面に付着した液体やゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。
また、吸引された液体は、本体下部に設置された図示しない廃インク溜に排出され、廃インク溜内部の液体吸収体に吸収保持される。
この画像形成装置300においては、本発明を実施した高信頼性の液滴吐出ヘッド10を搭載しているので、高熱による液体の滴吐出不良がなく、液体の吐出特性の変動を抑止し、安定した液体の滴滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
本発明に用いられる記録液体は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
なお、前述したように本発明に係る液滴吐出ヘッド10は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、液体は、インク以外の、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッド10や画像形成装置300にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがエッジシューター方式の基本構成の断面図。 図1の(E−E)線の断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがサイドシューター方式の基本構成の断面図。 図3の(F−F)線の断面図。 本発明の第2の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがエッジシューター方式の基本構成の断面図。 図5の(H−H)線の断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがサイドシューター方式の基本構成の断面図。 図7の(J−J)線の断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがエッジシューター方式の基本構成の断面図。 図9の(K−K)線の断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドがサイドシューター方式の基本構成の断面図。 図11の(L−L)線の断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の曲面形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第1の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の曲面形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型形成工程と液滴固化工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第2の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の被覆樹脂下層形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の曲面形成工程と段差形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型材形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路型形成工程、液滴固化工程と段差形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液滴吐出口形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の第3の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法の液体流路形成工程を説明するエッジシューター方式(a)とサイドシューター方式(b)の場合の模式的断面図。 本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジの基本構成の斜視図。 本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置の斜視図。 本発明の実施の形態例にかかる液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置の基本構成図。 従来のインクジェットヘッドがエッジシューター方式の基本構成の断面図。 図34における(A−A)線の断面図。 従来のインクジェットヘッドがサイドシューター方式の基本構成の断面図。 図36における(B−B)線の断面図。 従来の液体噴射記録ヘッドの断面図。 従来の液体噴射記録ヘッドの図38における開口部の中心を通りこの断面に直行する立断面図。
符号の説明
1 液滴吐出部、2 液室、3 液体供給口、4 発熱抵抗体、5 隔壁、6 曲面、7 液体流路、8 被覆樹脂層、10 液滴吐出ヘッド、11 液滴吐出口、30 液体流路 、41 基板、50 接線、70 液体流路型材、71 液体流路型、72 液室型、73 段差、74 熱エネルギー発生部(発熱抵抗体)、75 液体流路形成部、80 被覆樹脂下層、81 被覆樹脂上層 、200 液体カートリッジ、201 液体供給タンク、300 画像形成装置、301 液滴吐出ヘッド装着部、302 記録画像形成部、303 給紙カセット、304 手差しトレイ、305 排紙トレイ、306 主ガイドロッド、307 従ガイドロッド、308 主走査モータ、309 駆動プーリ、310 従動プーリ、311 タイミングベルト、312 給紙ローラ、313 フリクションパッド、314 ガイド部材、315 搬送ローラ、316 搬送コロ、317 先端コロ、318 副走査モータ、319 印写受け部材、320 搬送コロ、321 拍車、322 排紙ローラ、323 拍車、324、325 ガイド部材、326 回復装置、1000 インクジェットヘッド、1001 インク吐出部、1002 液室、1003 液体供給口、1004 電熱変換素子、1007 インク流路、1008 天板、1011 インク吐出口、1040 吐出エネルギー発生体

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する液滴吐出口を設けた液滴吐出部と、前記液滴吐出口に連通する液室と、前記液室へ液体を供給する液体供給口と、該液体供給口及び前記液室を連絡する液体流路と、前記液室内に熱エネルギーを発生させる発熱抵抗体と、前記液室を形成する隔壁と、を備え、前記液室内の前記液体に前記熱エネルギーが作用することで前記液体を前記液滴として吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記隔壁は、前記発熱抵抗体から遠ざかるに従い、当該隔壁の接線と前記発熱抵抗体とのなす角度が90度になるまで連続的に増大した後で、さらに連続的に減少する形状を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記液滴吐出部は、前記液体供給口から前記液室への液体供給方向と同方向に形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記液滴吐出部は、前記液体供給口から前記液室への液体供給方向と異なる方向に形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記隔壁は、感光性樹脂により形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室への液体供給方向における前記液室の断面積は、前記液滴吐出口の断面積及び前記液体供給口の断面積より大きい部分を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室は、前記液滴吐出口及び前記液体供給口のそれぞれよりも、前記液室への液体供給方向に直交する方向に広がる形状を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記発熱抵抗体が形成される基板上に被覆樹脂層の被覆樹脂下層を形成する被覆樹脂下層形成工程と、前記被覆樹脂下層の感光性を活性化させるエネルギーでマスクを介して部分的に照射し現像することで前記液体流路となる溝の側面を前記曲面とするように形成する曲面形成工程と、前記発熱抵抗体が形成される前記基板上に除去可能な液体流路型材を形成する液体流路型材形成工程と、前記液体流路型材の上に凸形状となる前記曲面の液体流路型を形成する液体流路型形成工程と、前記液体流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる前記被覆樹脂層の被覆樹脂上層を形成し感光性を活性化させるエネルギーでマスクを介して部分的に照射し現像することで前記発熱抵抗体上方の前記被覆樹脂上層に前記液滴吐出部の前記液滴吐出口を形成する液滴吐出口形成工程と、前記液体流路型を溶解除去して前記液体流路を形成する液体流路形成工程と、を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド製造方法。
  8. 請求項7記載の液滴吐出ヘッド製造方法において、前記基板上に液滴を形成し、表面張力により前記曲面を残したまま固化することで、前記液体流路型の一部であり前記液室に相当する液室型を形成する液滴固化工程を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の液滴吐出ヘッド製造方法において、前記基板上に段差を設け、前記熱抵抗体又は前記液体流路形成部を前記段差の下段側に形成することで前記液室型を形成する段差形成工程を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド製造方法。
  10. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体カートリッジ。
  11. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の前記液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。
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