JP2008192543A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体が衝突した時や、補助電源のバッテリから負荷装置への電力供給配線に漏電が生じた時に、バッテリから負荷装置への電力供給を遮断すると共にバッテリの残留電力を安全に放出することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】漏電検出装置3は、電力供給配線である正規配線Lnが漏電し、所定の大きさを越える電流が流れた時に、放電指示信号Sdをスイッチング装置4に送出する。スイッチング装置4は、この放電指示信号Sdを受けて、回路配線を、バッテリ2からの供給電力を放電装置5を介して放出させる回路配線側に切換える。これにより、正規配線Lnの通電は絶たれ、同時に漏洩ルートの通電も絶たれる。
【選択図】図1
【解決手段】漏電検出装置3は、電力供給配線である正規配線Lnが漏電し、所定の大きさを越える電流が流れた時に、放電指示信号Sdをスイッチング装置4に送出する。スイッチング装置4は、この放電指示信号Sdを受けて、回路配線を、バッテリ2からの供給電力を放電装置5を介して放出させる回路配線側に切換える。これにより、正規配線Lnの通電は絶たれ、同時に漏洩ルートの通電も絶たれる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに係り、特に補助電源のバッテリから負荷装置である補機への電力供給配線に漏電が生じる場合に対処可能な燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムには、ハイブリッド燃料電池システム、即ち、燃料電池本体と負荷装置の他に、補助電源のバッテリ(またはキャパシタ)と、該燃料電池本体と該補助電源との出力電圧差を解消して双方からの電力供給を図るためのDC−DCコンバータとを備えているものが多い。
また、このハイブリッド燃料電池システムでは、負荷装置がコンプレッサや冷却ポンプ等の補機である場合、該負荷装置は補助電源の出力側に直結されることが多い。この場合、燃料電池の出力が途絶えた場合でも、この補助電源からの電力供給を図ることができるが、反面、移動体が衝突した場合には社内での感電や発火等の原因となることがある。また、電力供給配線に漏電が生じた場合はインバータの加熱損傷や燃料電池本体への悪影響がもたらされることがある。
なお、一般的な電源回路の一例として、例えば、特許文献1では、キャパシタを備える電源回路において、一次電源の電力を接続あるいは切断する手動のスイッチの状態を検出する検出部を備えると共に、この検出部の出力に応じて前記キャパシタの電荷を放電させる放電部を備える電源回路が提案されている。
また、前述の燃料電池システムにおける移動体衝突時や漏電時の問題点に対処するものとして、例えば、特許文献2では、移動体の衝突時に燃料電池または燃料電池収容ケースのいずれかが移動することで燃料電池の正極と負極とを短絡させて燃料電池に蓄えられた電力を放電させる電気自動車が提案されている。
さらに、前述の燃料電池システムの運転停止時に関して、例えば、特許文献3では、制御装置を介して燃料電池の発電を停止させた時に、電力放出手段を介して燃料電池の残留電力を放出させる燃料電池システムの制御装置が提案されている。
実開平5−62999号公報(段落0011等)
特開2003−189415号公報(段落0024等)
特開2004−281315号公報(段落0026等)
ところで、上記従来の燃料電池システムにあっては、前述のとおり、特許文献1〜3では、移動体の衝突や漏電時の対策が燃料電池本体を主体として考案されている。
しかしながら、特許文献1の電源回路では、ユーザがキャパシタの電荷を放電させる必要性について判断し、手動スイッチを切り換えるものであり、人手を介しているため十分安全な漏電対策にはなっていなかった。また、特許文献2の電源回路では、衝突という激しい衝撃によって放電回路が動作するものであり、部品や配線の劣化等による漏電には対応できなかった。また、特許文献3の電力放出は、燃料電池の停止動作の一環として実施されるものであり、衝突や部品・配線の劣化等により発生する漏電に対応できるものではなかった。
特に、特許文献2や3では燃料電池の放電を行う技術であるところ、コンプレッサや冷却ポンプ等の補機には、前述のとおり、補助電源であるバッテリからの電力供給がなされている場合が多く、この場合には、燃料電池本体とは別に、移動体の衝突や漏電検出時に、このバッテリの残留電力を安全に放出する手段が講じられなければならない。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、補助電池から負荷装置への電力供給配線に漏電が生じた場合に、補助電池からの漏電を自動的に防止する燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、補助電池と、前記燃料電池と前記補助電池との電圧変換を行う電圧変換装置と、電力を消費する負荷装置とを備えた燃料電池システムにおいて、前記補助電池に蓄えられている電力を放出させる放電手段と、前記補助電池から前記負荷装置へ電力を供給する配電経路に漏電が生じたことを検出する漏電検出手段と、前記漏電検出手段により漏電が検出された場合に前記配電経路を遮断すると共に前記放電手段を介して前記補助電池に蓄えられている電力を放出させる切換手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システムを提供するものである。
このように構成したので、補助電池から負荷装置への配電経路に漏電が生じた場合に、漏電を自動的に検出し、この補助電池から負荷装置への電力供給を遮断すると共に、この補助電源の残留電力を安全に放出することができる燃料電池システムを実現することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記漏電検出手段は、配電経路に所定の電流値を超える過電流が流れた場合に漏電が生じたことを検出することを特徴とする。
このように構成すれば、漏電現象は、配電経路に過電流をもたらすことがあることを見越した上で、漏電検出手段には、この過電流を検出させることでもって機能させることになるので、簡単な構成の漏電検出手段を構築することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記漏電検出手段は、配電経路において他の部材に比べ相対的に前記補助電池に近い位置に設置されたものであることを特徴とする。
このように構成すれば、漏電によって最も過電流が流れ易い補助電池付近の配電経路上で過電流を検出することができるので、漏電検出を確実に行うことができると共に、配電経路のほぼ全長に渡る広い範囲で漏電を検出することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記漏電検出手段は、配電経路において他の部材に比べ相対的に前記電圧変換装置または前記負荷装置に近い位置に設置されたものであることを特徴とする。
このように構成すれば、漏電を生じ易い電圧変換装置や負荷装置の近辺において漏電を検出することができると共に、電圧変換装置や負荷装置を漏電による損傷から保護することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記漏電検出手段は、抵抗器とスイッチング素子とを含むことができる。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記漏電検出手段は、抵抗器とコンパレータとを含むことができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記切換手段は、抵抗器とラッチ回路と切換スイッチとを含むことができる。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記切換手段は、抵抗器とサイリスタを使用した転流回路とを含むことができる。
本発明によれば、補助電池から負荷装置への電力供給配線に漏電が生じた場合に、これを検出して補助電池から負荷装置への電力供給を遮断すると共に補助電池の残留電力を安全に放出するので、衝撃や手動のスイッチ切換に依らず自動的に漏電を検出し、補助電池の放電をすることができ、燃料電池システムの安全性を向上させることができる効果がある。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、電気自動車に搭載するハイブリッド燃料電池システムに本発明を適用したものである。以下の実施形態は本発明の適用形態の単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(実施形態)
この実施形態は、本燃料システムを搭載する移動体が衝突した時や、補助電源のバッテリから負荷装置の補機への電力供給配線に漏電が生じた時には、前記配線に過電流が流れることから、この過電流を検出する手段を備えて、過電流が検出された時には、バッテリから補機への電力供給を遮断すると共にバッテリの残留電力を安全に放出する燃料電池システムを構成するものである。
この実施形態は、本燃料システムを搭載する移動体が衝突した時や、補助電源のバッテリから負荷装置の補機への電力供給配線に漏電が生じた時には、前記配線に過電流が流れることから、この過電流を検出する手段を備えて、過電流が検出された時には、バッテリから補機への電力供給を遮断すると共にバッテリの残留電力を安全に放出する燃料電池システムを構成するものである。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの主要な構成を示す構成図である。
図1に示す燃料電池システムは、燃料電池1と、補助電源のバッテリ2と、漏電を検出する漏電検出装置3と、電力供給経路を切換えるスイッチング装置4と、バッテリ2の残留電力を放出させる放電装置5と、負荷装置6と、燃料電池1とバッテリ2との出力電圧の差を解消するDC−DCコンバータ10と、逆流防止ダイオードD0と、を備えて構成される。
この他に、燃料電池1の状態を監視したり、燃料電池1への燃料供給を制御したりするための制御部、燃料電池1の充放電状態を監視するバッテリコンピュータ、及び燃料電池1に燃料等を供給する機械系等が存在するが、図示及び説明を省略する。
燃料電池1は、セル(単セル)を複数積層したスタック構造を備えている。各セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly )と呼ばれる発電体を有している。MEAは高分子電解質膜をアノード極及びカソード極の二つの電極で挟み込んだ構造をしている。アノード極は燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極は空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成される。その他、燃料電池の形態として、リン酸型、溶融炭酸塩型等を用いることが可能である。MEAは水素ガス、空気、冷却水の流路を有するセパレータの間に挟み込まれた構造をしている。
燃料電池1は水の電気分解の逆反応を起こすものであり、アノード(陰極)極側には図示しない燃料ガス供給系統からアノードガスである水素ガスが供給される。カソード(陽極)極側には図示しないカソードガス供給系統から酸素を含んだカソードガスである空気が供給される。アノード極側では式(1)のような反応を、カソード極側では式(2)のような反応を生じさせて電子を循環させ電流を流すものである。
H2 → 2H++2e- …(1)
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
バッテリ2は、充放電可能な二次電池である。バッテリ2としては、鉛蓄電池の他、リチウム電池、ニッケルー水素電池等、様々な種類の二次電池を用いることができる。二次電池の代わりに、充放電が可能な蓄電装置(例えば電力用コンデンサ)を用いることも可能である。バッテリ2は、一定電圧で発電するバッテリーユニットを複数積層し直列接続することによって高電圧を出力可能とすることができる。
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
バッテリ2は、充放電可能な二次電池である。バッテリ2としては、鉛蓄電池の他、リチウム電池、ニッケルー水素電池等、様々な種類の二次電池を用いることができる。二次電池の代わりに、充放電が可能な蓄電装置(例えば電力用コンデンサ)を用いることも可能である。バッテリ2は、一定電圧で発電するバッテリーユニットを複数積層し直列接続することによって高電圧を出力可能とすることができる。
DC−DCコンバータ10は、電圧変換を行って一次側と二次側との電圧差を解消し、双方向の電力供給を可能とするものである。DC−DCコンバータ10の回路構成は、入力された直流電圧を一旦交流に変換するインバータ機能を有する回路部分と、得られた交流を再び整流して、異なる直流電圧に変換する回路部分とが組み合わされたものである。例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を備えた三相ブリッジ形コンバータとしての回路構成を有する。
負荷装置6は、本実施形態では、燃料電池1からの高出力電力を要さず、バッテリ2からの電力供給のみで動作可能な部品であり、具体的には、例えば、コンプレッサや冷却ポンプ等の補機である。これら補機類は、燃料電池1の発電が開始していない、電気自動車の電源をキーでONした段階で電力供給されるものである。
燃料電池1とバッテリ2とが共に正常動作している場合は、互いの規格の直流電圧値がDC−DCコンバータ10を介して変換されることで、燃料電池1とバッテリ2の双方から、負荷装置6への電力供給が相補的に行われるようになっている。
(本発明に係る構成と動作)
次に本発明に係る構成及び動作について説明する。
次に本発明に係る構成及び動作について説明する。
本発明の漏電時のバッテリ放電機能は、正規配線Lnの漏電を検出する漏電検出装置3の機能、漏電検出時にバッテリ2からの正規配線Lnを介した負荷装置6への電力供給を停止すると共に放電装置5を介してバッテリ2の残留電力を放出させるスイッチング装置4の機能とによって実現される。
電気自動車が衝突した場合や部品・配線が摩耗・経年変化により劣化した場合には、正規配線Lnから漏電が発生する。漏電検出装置3は、電力供給配線である正規配線Lnに漏電が生じたことを検出すると、放電指示信号Sdをスイッチング装置4に送出する。
漏電検出装置3における該漏電検出手段としては、例えば、正規配線Lnに所定の大きさを越える電流(即ち過電流)が流れたことを検出するように構成することができる。
スイッチング装置4は、本発明の切換手段に相当し、放電指示信号Sdに基づいて放電装置5を接続したり遮断したりするよう構成されている。漏電が検出されない場合、すなわち漏電検出装置3が放電指示信号Sdを出力しない場合には、図1におけるb側に接続されており、放電指示信号Sdが出力されると、a側に接続されることになる。
漏電検出装置3が検出する過電流検出設定値は、負荷装置6に正常な利用状態の場合に流される電流の最大値よりも大きな電流値に設定しておくことが好ましい。正常時に利用される電流では漏電検出がされず、それを越す電流が流れた場合に漏電検出装置3が漏電を検出することが好ましいからである。このように漏電検出装置3の過電流検出設定値を設定しておけば、負荷装置6に電力が供給されている動作時において漏電検出が可能である。
また、負荷装置6は、エアコンのコンプレッサ、映像音響機器など複数の補機が並列接続されたものとなっている場合には、補機の使用状態に応じて過電流検出設定値を動的に変化させてもよい。使用されている補機の種類が定まれば、その補機で利用されうる最大電流値が推測可能であり、その推測可能な最大電流値を超える電流が流れていることが検出された場合には漏電が発生していると推測できるからである。
さらに漏電検出装置3が漏電を検出するタイミングを、負荷装置6に電流が流れていないタイミングに限定するよう構成してもよい。この場合には過電流検出設定値は、相当程度に小さな値に設定することが可能である。負荷装置6である補機が動作を停止しているタイミングであれば、本来バッテリ2からは電流が流れないはずである。もしも僅かでも電流が流れ出しているなら、漏電が発生していると推測できる。
なお、漏電が発生したと漏電検出装置3が判定した場合には、DC−DCコンバータ10の電力変換動作を停止させることが好ましい。このように構成すれば、漏電時において燃料電池1からDC−DCコンバータ10を介しての負荷装置6への電力供給が遮断され、燃料電池1が接続されるDC−DCコンバータ10の二次側はバッテリ2が接続される一次側と切り離されることになり、漏電量を些少に抑えることが可能だからである。
図2は、電力供給配線における漏電現象を説明する説明図である。
図2に示すように、正規配線Lnの少なくとも2箇所が他の導電体と接触すると、漏洩ルートLeが形成され、正規配線Lnに漏電が生じる。この漏洩ルートLeは、このまま放置しておくと、場合によっては、通電による発熱によって部品や配線が焼損したり発火したりする不都合や、移動体の乗員に対する不都合をもたらす可能性を有している。このようにして形成された漏洩ルートLeを流れる電流も、結局はバッテリ2から流出するものであるから、正規配線Lnのバッテリ近辺では、電流量が所定の最大値を越えるという現象(即ち過電流現象)となって出現する。
よって、漏電検出装置3は、バッテリ2に距離的に近い正規配線Ln上に設置しておくことが好ましい。このとき、漏電検出装置3は、バッテリ2の正極側または負極側のどちら側に設置してもよい。
なお、電気自動車の衝突時には、多くの箇所で正規配線Lnが他の導電体と接触する可能性があり、それに従って、バッテリ2から流出するこの過電流も大きくなる可能性がある。電気自動車のように配線経路上のどの位置で漏電が発生しうるかが不確定なシステムの場合には、なるべくバッテリ等の電力供給源の近傍で過電流を検出するように構成することが好ましい。
但し、バッテリ2に経路上の距離が近い位置に漏電検出装置3を配置する他、漏電を生じ易いDC−DCコンバータ10や負荷装置6の近辺に漏電検出装置3を配置してもよい。このように配置した場合には、DC−DCコンバータ10や負荷装置6を漏電による損傷から保護することができる。
スイッチング装置4は、前記の放電指示信号Sdを受けて、回路配線を、バッテリ2からの供給電力を、放電装置5を介して放出させる回路配線側に切換える。これにより、正規配線Lnの通電は絶たれ、同時に漏洩ルートLeの通電も絶たれる。
放電装置5は抵抗R1を備え、この抵抗R1にバッテリ2から供給される電流を通過させることによってバッテリ2が蓄えていた電力を消費させる。このとき、抵抗R1は発熱を伴うので、放電装置5は、この発熱に耐えられる構造であると共に、他の機器類に悪影響を与えない場所に設置されるものとする。
なお、放電装置5としては抵抗器を利用する他、モータ類、ニクロム線等の発熱体、発光体、その他電力消費量の大きいものを利用することが可能である。
以上、本実施形態によれば、バッテリ2から負荷装置5への電力供給配線に漏電が生じた場合に、漏電検出装置3がこれを検出してスイッチング装置4に放電指示信号Sdを出力してバッテリ2から負荷装置6への電力供給を遮断すると共にバッテリ2の残留電力を放電装置5に消費させるので、衝撃や手動のスイッチ切換に依らず自動的に漏電を検出し、補助電池の放電をすることができ、燃料電池システムの安全性を向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、漏電検出装置3を、電力供給配線上の過電流の検出手段として構成するので、漏電検出装置の構成を簡単にすることができる。
また、本実施形態によれば、漏電検出装置3を、漏電によって最も過電流が流れ易いバッテリ2付近の配電経路上に設けたので、漏電検出の信頼度が向上すると共に、配電経路のほぼ全長に渡る広い範囲で漏電を検出することができる。
さらに、本実施形態によれば、漏電検出装置3における検出可能な過電流検出設定値を負荷装置6の状態に応じて種々に設定可能なので、負荷装置6の動作の有無に拘わらず漏電が発生したことを正確に検出し、放電処理をすることが可能である。
(実施例1)
図3は、漏電検出装置3とスイッチング装置4の一構成例を示す回路図である。
図3は、漏電検出装置3とスイッチング装置4の一構成例を示す回路図である。
図3に示す漏電検出装置3Aは、スイッチング素子31Aと、スイッチング素子31Aのベース電位を形成するための抵抗R2と、を備える。
図3に示すスイッチング装置4Aは、リレーを備えた切換えスイッチ41と、切換えスイッチ41に接続されたラッチ回路(フリップフロップ)42と、抵抗R3と、を備える。
抵抗R2は、バッテリ2から負荷6への電力供給配線(即ち、正規配線Ln)に直列に接続されており、その両端は、スイッチング素子31Aのベースとエミッタに接続されている。これにより、抵抗R2による電圧降下に相当する電圧(即ち、正規配線Lnを流れる電流と、抵抗R2の抵抗値との積)がスイッチング素子31Aのベース−エミッタ間に印加される。
スイッチング素子31Aのベースに印加される電圧の電圧値が所定の電圧値に達すると、スイッチング素子31Aはオン状態となって導通し、抵抗R3が通電状態となる。これにより、スイッチング装置4Aのラッチ回路42の上段側に電位“0”(グランド電位)が入力されると共にラッチ回路42の下段側には電位“1”が入力される。これにより、ラッチ回路42が記憶する電位は上下段で反転し、切換えスイッチ41は、バッテリ2からの電力を放電装置5側に供給させるように切換え動作する。
なお、スイッチング素子31Aが導通していない時には、抵抗R3による電圧降下が無いために、ラッチ回路42には、上段側に電位“1”(バッテリ2の正極電位)が付与されると共にラッチ回路42の下段側には電位“0”が付与され、これにより、切換えスイッチ41は、バッテリ2からの電力を負荷6側に供給させている。
上記実施例1において、スイッチング素子31Aがオン状態となる電圧は、スイッチング素子のベース−エミッタ間オン電圧Vbeであるため、比較的小さな電流が流れた場合に漏電が検出されることになる。このため、実施例1の回路を利用する場合には、原則負荷装置6が動作していないタイミングで漏電検出するように構成することが好ましい。
なお、過電流検出設定値を上昇させるには、スイッチング素子31Aのエミッタに直列にツェナーダイオードを挿入しておく。ツェナーダイオードの逆方向電圧値は、検出したい過電流が流れた場合の抵抗R2における電圧降下量に相当する電圧値に設定しておけばよい。
(実施例2)
図4は、漏電検出装置3とスイッチング装置4の他の1構成例を示す回路図である。
図4は、漏電検出装置3とスイッチング装置4の他の1構成例を示す回路図である。
図4に示す漏電検出装置3Bは、コンパレータ31Bと、コンパレータ31Bで比較される電圧値を形成するための抵抗R2と、を備える。符号Erは、所定の基準電圧値を示す。またスイッチング装置4Bは、リレーを備えた切換えスイッチ41と、切換えスイッチ41に接続されたラッチ回路(フリップフロップ)42と、を備える。
抵抗R2は、バッテリ2から負荷6への電力供給配線(即ち、正規配線Ln)に直列に接続されており、その電流流入側の端子は、コンパレータ31Bの比較電圧端子に接続されている。これにより、抵抗R2による電圧降下に相当する電圧(即ち、正規配線Lnを流れる電流と、抵抗R2の抵抗値との積)がコンパレータ31Bの比較電圧端子に印加される。この電圧の電圧値が所定の基準電圧値Erに達すると、コンパレータ31Bからは電位“1”が出力され、スイッチング装置4Aのラッチ回路42の上段側に電位“0”を付与すると共にラッチ回路42の下段側に電位“1”を付与する。これにより、ラッチ回路42が記憶する電位は上下段で反転し、切換えスイッチ41は、バッテリ2からの電力を放電装置5側に供給させる。なお、コンパレータ31Bから電位“0”が出力されている時には、ラッチ回路42には、上段側に電位“1”が付与されると共にラッチ回路42の下段側には電位“0”が付与され、これにより、切換えスイッチ41は、バッテリ2からの電力を負荷6側に供給させている。
上記実施例2において、コンパレータ31Bがオン状態となる電圧は、基準電圧値Erにより設定される。この基準電圧値Erを、所望の過電流検出設定値と同一にしておけばよい。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態や実施例に限定することなく、種々に変形して適用することが可能である。
本発明は、上記実施形態や実施例に限定することなく、種々に変形して適用することが可能である。
上記実施形態では、漏電検出装置3は放電対象となる補助電池であるバッテリ2の近傍に配置したが、これに限定されない。例えば、漏電検出装置3を、DC−DCコンバータ10または負荷装置6の近辺に設置してもよい。このように配置した場合には、DC−DCコンバータ10や負荷装置6を漏電による損傷から保護することができる。この場合、漏電検出装置3の漏電検出方法は、前述の正規配線Ln上の過電流を検出する方法に限定されるものではない。
また、上記実施例としては、スイッチング装置4としては、前述のリレーとラッチ回路42とを使用する回路を例示したが、これに限定されるものではなく、他の回路を使用可能である。例えば、正規配線Lnと放電装置5との間に直列にサイリスタを挿入した公知の転流回路を適用することも可能である。漏電検出装置3の漏電検出電圧は、サイリスタの制御端子に接続しておく。サイリスタは、半導体スイッチの一種であり、一度オンすると電流がゼロになるまでオフしない。このため、一旦放電が始まると、バッテリ2の残存電力が無くなり、放電装置5を経由する放電回路に電流が流れなくなるまで、オン状態が持続する。そして完全に放電しサイリスタがオフ状態となることで、漏電検出装置は復帰した状態となる。サイリスタを使用する場合、ラッチ回路42は不要となり回路が簡単になるという利点がある。
また、上記各実施形態では移動体である車両上に搭載されるハイブリッド燃料電池システムを例示したが、本発明は、自動車のみならず、他の移動体、例えば、船舶、航空機等に搭載されるものであってもよい。また、定置型のハイブリッド燃料電池システムにおいて本発明を適用しても無論よい。
1…燃料電池(本体)、2…バッテリ、3,3A,3B…漏電検出装置、4,4A,4B…スイッチング装置、5…放電装置、6…負荷装置、10…DC−DCコンバータ、31A…スイッチング素子、31B…コンパレータ、41…切換えスイッチ、42…ラッチ回路、Er…基準電圧、D0…整流素子、Le…漏洩ルート、Ln…正規配線 Sd…放電指示信号、R1,R2,R3…抵抗
Claims (8)
- 燃料電池と、補助電池と、前記燃料電池と前記補助電池との電圧変換を行う電圧変換装置と、電力を消費する負荷装置とを備えた燃料電池システムにおいて、
前記補助電池に蓄えられている電力を放出させる放電手段と、
前記補助電池から前記負荷装置へ電力を供給する配電経路に漏電が生じたことを検出する漏電検出手段と、
前記漏電検出手段により漏電が検出された場合に前記配電経路を遮断すると共に前記放電手段を介して前記補助電池に蓄えられている電力を放出させる切換手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記漏電検出手段は、前記配電経路に所定の電流値を超える過電流が流れた場合に漏電が生じたことを検出することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記漏電検出手段は、前記配電経路において他の部材に比べ相対的に前記補助電池に近い位置に設置されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。
- 前記漏電検出手段は、前記配電経路において他の部材に比べ相対的に前記電圧変換装置または前記負荷装置に近い位置に設置されたものであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記漏電検出手段は、抵抗器とスイッチング素子とを含むものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記漏電検出手段は、抵抗器とコンパレータとを含むものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記切換手段は、抵抗器とラッチ回路と切換スイッチとを含むものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記切換手段は、抵抗器とサイリスタを使用した転流回路とを含むものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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- 2007-02-07 JP JP2007027834A patent/JP2008192543A/ja active Pending
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