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JP2008184493A - 樹脂複合材料とその製造方法、および樹脂複合材料成形品 - Google Patents

樹脂複合材料とその製造方法、および樹脂複合材料成形品 Download PDF

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JP2008184493A JP2007017153A JP2007017153A JP2008184493A JP 2008184493 A JP2008184493 A JP 2008184493A JP 2007017153 A JP2007017153 A JP 2007017153A JP 2007017153 A JP2007017153 A JP 2007017153A JP 2008184493 A JP2008184493 A JP 2008184493A
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Susumu Nakahara
進 中原
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】サーマルリサイクルが可能で、かつ機械的強度に優れた樹脂複合材料を提供する。
【解決手段】樹脂材料中に、強化材として表面処理されたミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有する樹脂複合材料であって、表面処理されたMFCが、樹脂複合材料の母材樹脂のエマルジョンでその表面が被覆されたものであることとする。MFCと母材樹脂のエマルジョンを混合した後、母材樹脂を添加して混練することを特徴とする樹脂複合材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂複合材料とその製造方法、および樹脂複合材料成形品に関するものである。
従来、繊維強化プラスチックに含有される強化材としては、優れた強度を有するガラス繊維が用いられてきた。しかし、このガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックを燃焼させて熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルを行う場合には、ガラス繊維が不燃物であるために、燃焼炉を損傷したり、燃焼効率が低くなる等の問題点があった。また、焼却後の残渣が多くなるという問題点もあった。このため、実際には繊維強化プラスチックのサーマルリサイクルはほとんど行われず、主として埋め立てて廃棄されているのが現状である。
このような問題に対処するために、強化材として植物繊維を用いた複合材料が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、上記のような植物繊維を強化繊維として用いても、十分な補強効果が発揮されていない。この点についてはいくつかの要因が考えられる。
例えば、第1に、植物繊維そのものが強化材として必ずしも適した構造を有さないことである。引張性能を比較した場合、一般的な植物繊維の引張強さ、引張弾性率はガラス繊維等の高強度・高弾性率繊維のそれらの値よりはるかに小さい。これは植物繊維内に多くの構造状の欠陥が存在するためである。例えば、繊維の壁面には壁孔と呼ばれる空隙部が存在する。この空隙部は植物が生育していく過程で水分の水平方向の移動を担うものである。また、植物繊維はストロー状の構造となっており、繊維方向に沿って繊維内に大きな空隙が存在する。この空隙は植物が生育する過程で水分を垂直方向に運ぶためのものである。
第2に、植物繊維の骨格構造を形成するエレメントである次式
Figure 2008184493
で表されるセルロースミクロフィブリル(以下、ミクロフィブリル)の配列方向のことが挙げられる。ミクロフィブリルは直鎖状の高分子であるセルロースが一方向に配向した結晶構造のエレメントであり、ミクロフィブリル単体の強度は既存の高強度・高弾性率繊維に匹敵する性能を示す。このミクロフィブリルが全て繊維方向に沿う形で配列していれば、植物繊維の引張性能は最大になるが、実際には約2割のミクロフィブリルが繊維方向と直交する方向に配列している。
そこで、上記の植物繊維の構造状の欠陥を要因とする問題を解決するために、植物繊維の骨格部分、ミクロフィブリルそのものを分離・回収し、樹脂の強化材として利用した複合材料(例えば、特許文献3)が提案されている。
分離・回収したミクロフィブリルはミクロフィブリル化セルロース(MFC)と称される。植物繊維中のセルロース以外の成分(特にリグニン)を薬品で取り除いた後に、水分の共存下で植物繊維内のフィブリル間に、機械的処理によりせん断力を作用させ、MFCを取り出す手法が一般的である。MFCは水分と共存する状態で生成される。
MFCはその原料となる植物繊維と比較して、2桁ほど大きいアスペクト比を有する。一般的に、アスペクト比の大きな繊維を強化材とした方が、複合材の強度性能は向上する。アスペクト比の観点からもMFCは通常の植物繊維よりも優れた補強効果を示すことが期待される。
特開平5−92527号公報 特開2002−69208号公報 特開2003−201695号公報
MFCは複合材料の強化材として高いポテンシャルを有しているが、その利用は一筋縄にはいかない。樹脂中にMFCを均一に分散した状態で、MFCと樹脂とを複合化することが難しいためである。
これはMFCがセルロースと呼ばれる多糖より構成されることに起因する。セルロースは多数のヒドロキシル基を有する。ヒドロキシル基は極性の高い官能基であり、この官能基を多数有するセルロースより構成されるMFCは非常に極性の高い、親水性に富む成分となる。
MFCは製造プロセス上、多量の水分と共存する形で生成される。MFCと共存する水分を取り除くと、MFC同士が凝集し、互いに強固な水素結合を形成する。いったん、水素結合により結びついたMFC凝集塊を再度、個々の繊維に分離することは極めて難しい。
MFCを樹脂と複合化する際には、複合化の過程でMFCと共存する水分を除去することが必要となる。MFCと水分が共存したままでは水分がMFCの非晶領域に浸透し、非晶領域を構成するセルロース分子鎖の結合力が緩まるため、MFC自身の強度が低減し、樹脂に対する補強効果が弱まることになる。また、複合材料中の水分がその複合材料の使用過程で抜けると、複合材料が収縮したり、あるいは乾燥に伴う内部応力が発生したりする等の問題が生じる。
したがって、MFCを樹脂と複合化する際には、MFCを凝集させずに樹脂中に分散した状態を保ちながら、両者を複合化することがポイントとなる。
しかし、MFCの凝集発生を防止することは困難である。樹脂の大部分はMFCほどの大きな極性を有しないため、MFCと樹脂を単純に混合して水分を除去した場合には、MFC同士が凝集してしまう。例えば、図4(a)はMFC1と樹脂3とを混合した直後の状態を模式的に示しており、MFC1には符号2で表される水分が共存している。この状態から水分2を除去すると、図4(b)に示すように、樹脂3中でMFC1同士が凝縮する。MFC1が樹脂3中に凝集した状態で存在すると、MFC1が有する高いアスペクト比を生かすことができず、高い補強効果を期待することができない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、サーマルリサイクルが可能で、かつ機械的強度に優れた樹脂複合材料を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の樹脂複合材料は、樹脂材料中に、強化材として表面処理されたミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有する樹脂複合材料であって、表面処理されたMFCが、樹脂複合材料の母材樹脂のエマルジョンでその表面が被覆されたものである。
第2に、本発明の樹脂複合材料の製造方法は、MFCと母材樹脂のエマルジョンとを混合して脱水処理した後、母材樹脂を添加して混練する。
第3に、上記第2の発明における脱水処理が、MFCと母材樹脂のエマルジョンとの混合物を乾燥処理して乾燥物を得るものである。
第4に、本発明の樹脂複合材料成形品は、上記第1の発明の樹脂複合材料を成形してなる。
上記第1の発明によれば、強化材として表面処理されたMFCが用いられているので、樹脂複合材料の廃棄時の燃焼処理によって熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルが可能となる。また、母材樹脂中にMFCが効果的に分散され、MFCが有する高いアスペクト比を生かした補強効果の高い樹脂複合材料を得ることができる。さらに、MFCと母材樹脂との界面の接合性が良好であるため、機械的強度、特に耐衝撃性に優れたものとすることができる。
上記第2の発明によれば、サーマルリサイクルが可能で、かつ機械的強度に優れた樹脂複合材料を簡便に得ることができる。
上記第3の発明によれば、上記第2の発明の効果に加えて、さらに機械的強度に優れた樹脂複合材料を効果的に得ることができる。
上記第4の発明によれば、上記の優れた効果を樹脂複合材料成形品として実現することができる。
本発明の樹脂複合材料は、樹脂材料中に、強化材として表面処理されたミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有させたものであり、表面処理されたMFCとして、樹脂複合材料の母材樹脂のエマルジョンでMFCの表面が被覆されたものを含有させるものである。
本発明における樹脂複合材料の母材樹脂の種類としては、MFCを表面処理するためのエマルジョン樹脂を作製可能なものであればよく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の熱可塑性樹脂あるいはデンプン類、アルギン酸等の多糖類等を用いることができる。なかでも、環境面を考慮すると、ポリ乳酸、デンプン類等の植物由来樹脂の使用が好ましい。
本発明は、表面処理されたMFCが用いられる。MFCは、上述したように従来より知られているものを用いることができ、その原料の種類としては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ等の植物由来のものやホヤ等の動物由来のものが挙げられる。環境面、コスト、入手のし易さ等の観点から植物由来のものを用いることが好ましい。このMFCは一般的にはその直径が10〜800nm程度であり、アスペクト比は、原料の解繊プロセスでの繊維切断度合いに大きく依存するが、例えば50〜500000の範囲、特には50〜5000の範囲のものを考慮することができる。なお、MFCは上述したように製造プロセス上、多量の水分と共存する形で生成されている。
MFCは、例えば樹脂複合材料中に重量比で1〜99%の割合で含有され、必要とする樹脂複合材料の強度に応じて、その含有率が適宜に設定される。混練機による樹脂複合材料の混練時において、スクリュー、ローター等への負荷を考慮すると一般的には1〜70%の割合で含有されることが考慮されるが、好ましくは10〜20%の割合である。
表面処理されたMFCは、上記の母材樹脂のエマルジョンでMFCの表面の一部または全部が被覆されているものである。このエマルジョンは、一般的には、母材樹脂のペレットを細紛化して微粒子とし、これを界面活性剤により分散させたものであり、例えば、固形分濃度が10〜60wt%に調製されたものを用いることができる。母材樹脂のエマルジョンで被覆されたMFCは、その表面において、エマルジョン中の水分が揮散すると、微粒子同士が接近、接触し、樹脂連続層が形成されて母材樹脂の被膜が形成される(接着が完了する)。樹脂のガラス転移温度以上においては微粒子が互いに溶融して被膜が形成される。
MFCの表面処理は、後述するが、例えば、母材樹脂のエマルジョンにMFCを添加して混合、攪拌することでMFCの表面を被覆することができる。このときの被覆された母材樹脂のエマルジョンはMFC(全乾)に対して重量比で20〜70%の割合にあることが考慮される。20%未満ではMFC間の凝集を十分に抑制することができない場合があるので好ましくない。70%を超えると母材樹脂のエマルジョン中の界面活性剤が樹脂分を脆くする方向に作用し、得られる樹脂複合材料の強度が低下する場合があるので好ましくない。
母材樹脂のエマルジョンを使用する利点としては、樹脂複合材料の原料として、主にMFCと母材樹脂の2種に限定することが挙げられる。樹脂複合材料を構成する材料の種類が少ないことは、その材料の特性としてMFCと母材樹脂だけでは付与できない特性を持たせるためにその他の添加剤を使用する場合の材料設計の平易化をもたらす。さらには原料調達面でも有利である。
このような表面処理されたMFCは、それを用いて樹脂複合材料を製造する際、MFCに共存する水分を除去するための脱水処理を行っても、MFCの表面は被膜が形成されているためにMFC同士が凝集しない。また、MFCの表面に形成されている被膜は、樹脂複合材料の母材樹脂と同じ種類の樹脂で構成されているため、表面処理されたMFCは母材樹脂と相溶性がよい。このため、表面処理されたMFCと母材樹脂とを混合して得られる樹脂複合材料は、母材樹脂中にMFCが効果的に均一に分散したものとすることができ、MFCと母材樹脂との界面の接合性も良好である。よって、樹脂複合材料を成形して得られる成形品は、補強効果が高く、機械的強度に優れたものとすることができる。
次に、本発明の樹脂複合材料の製造方法について説明する。
本発明は、まず、MFCと母材樹脂のエマルジョンとを混合して脱水処理する。この混合により、MFCの表面に母材樹脂のエマルジョンを被覆させる。脱水処理は、例えば、加熱、乾燥させることにより、MFC同士を凝集させることなくMFCに共存する水分を除去することができる。脱水処理後は、樹脂複合材料を構成する母材樹脂をさらに添加し、これらを混練して樹脂複合材料を得る。混練は、樹脂複合材料の混練機として一般的に用いられているものを用いることができ、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸混練押出機等の各種の混練機を用いることができる。なかでも、MFC表面の母材樹脂のエマルジョンの被覆、脱水処理およびその後の母材樹脂との混練を効率よく行うことができることから、二軸混練押出機を用いることが好ましい。二軸混練押出機におけるスクリューの回転方向は異方向、同方向回転のいずれでもよく、また、スクリューの噛み合いも、完全噛み合い型、不完全噛み合い型、非噛み合い型等の種類があるがいずれの型でもよく特に制限されるものではない。スクリューの回転速度は、例えば50〜400rpmの範囲とすることができ、混練温度は一般的には120〜200℃の範囲が考慮される。
図1(a)はセグメントNo.1〜No.8からなる二軸混練押出機を模式的に表した側面図であり、図1(b)は得られる樹脂複合材料の樹脂材料中のMFCの混合状態を模式的に示した図である。二軸混練押出機を用いたときの樹脂複合材料の製造方法を図1に基づいて説明する。
二軸混練押出機のセグメントNo.1の位置でMFC1と母材樹脂のエマルジョン4を投入し、スクリューの回転により両者を混練する。この混練によりMFC1の表面が母材樹脂のエマルジョン4で被覆され、セグメントNo.6までの混練過程でMFCに共存する水分が蒸発する。そして、セグメントNo.6の位置で母材樹脂を投入して混練することにより、母材樹脂と同じ種類の樹脂で構成される被膜41がその表面に形成されたMFC1と母材樹脂31とが複合化した樹脂複合材料を得る(図1(b))。得られた樹脂複合材料を射出成形、押出成形、圧縮成形等で成形することにより、所定形状の樹脂複合材料成形品を製造することができる。
MFCと母材樹脂のエマルジョンとの混合および脱水処理は、例えば、図2に示すように、水にMFCと母材樹脂のエマルジョンを投入して攪拌してもよい。これにより、MFC1の表面が母材樹脂のエマルジョン4で確実に被覆される。そして、これを乾燥処理することにより、母材樹脂と同じ種類の樹脂で構成される被膜41がその表面に形成されたMFC1を確実に得ることができる。しかも水分除去が効果的に行われるため、最終的に得られる樹脂複合材料成形品は機械的強度がより一層向上したものになる。MFCと母材樹脂のエマルジョンの水への投入の際には、水溶液中のMFC濃度を低く設定することが好ましい。これによって、MFCとエマルジョン中の母材樹脂粒子の分散が促進され、MFCと母材樹脂エマルジョンとの均一な混合が可能となる。
図3はこの母材樹脂のエマルジョンで被覆されたMFCを用いた二軸混練押出機による樹脂複合材料の製造方法を示している。図3によれば、母材樹脂のエマルジョンで被覆されたMFCを母材樹脂とともにセグメントNo.1の位置で投入し、これらを混練する。これにより、MFCと母材樹脂とが複合化した樹脂複合材料を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<実施例1>
MFC(ダイセル化学工業(株)製、セリッシュ KY−100G、固形分:10wt%)400gと植物由来樹脂であるポリ乳酸のエマルジョン(ミヨシ油脂(株)製、ランディ PL−1000、固形分:40wt%)500gを図1に示すセグメントNo.1の位置で投入した。MFCと共存する水分をセグメントNo.3,4,5で取り除き(水蒸気として)、セグメントNo.6の位置で母材樹脂として植物由来樹脂であるポリ乳酸ペレット(三井化学(株)製、LACEA H−100)を1400g投入して混練した。
混練条件は混練温度180℃、送り速度3.2kg/hr、スクリュー回転速度80rpmとした。
混練処理を終えたコンパウンドをペレタイザーにて裁断し、長さ5mmのペレットを調製した。得られたペレットを105℃のオーブン(エスペック(株)製、PV−220)内にて恒量に達するまで乾燥した。
上記で得られたペレットをステンレス枠内に配置し、圧縮成形を行った。圧縮成形機(ASFV−25、(株)神藤金属工業所)を使用し、真空下で成形した。型枠内を充てんするために必要なサンプル量の1.1倍のコンパウンドを圧縮成形した。曲げ性能、耐衝撃性評価用に寸法の異なる2種類の成形物を作成し、それぞれの成形物から所定寸法の試験体を所定本数切り出した。
成形条件、成形物の寸法、試験体の寸法と本数および評価の準拠規格を表1に示す。
Figure 2008184493
<実施例2>
3L容ビーカーに水1985gとともにMFC(ダイセル化学工業(株)製、セリッシュ KY−100G、固形分:10wt%)200gと植物由来樹脂であるポリ乳酸のエマルジョン(ミヨシ油脂(株)製、ランディ PL−1000、固形分:40wt%)25gを投入し、攪拌機(T.K. ホモディスパー、特殊機化工業(株)製、f−Model)により3時間攪拌処理した。回転数は1000rpmとし、液温は終始常温とした。
混合溶液をバット内に流し込み、105℃のオーブン(エスペック(株)製、PV−220)内にて恒量に達するまで乾燥した。結果としてフィルム状のMFC/ポリ乳酸エマルジョン混合物を得た。得られた混合物を10mm角程度の寸法に裁断し、次の工程に供した。
得られた混合物を粉砕機(マグナムブレンダー、MB−911)により粉砕し、3mm角以上のコンパウンドがない状態にした。
上記操作を繰り返し、計300gのMFC/ポリ乳酸エマルジョン混合物を得た。
小型二軸混練押出機に上記MFC/ポリ乳酸エマルジョン混合物300gと母材樹脂として植物由来樹脂であるポリ乳酸ペレット(三井化学(株)製、LACEA H−100)を700g投入して混練した。
混練条件は混練温度180℃、送り速度3.2kg/hr、スクリュー回転速度80rpmとした。
混練処理を終えたコンパウンドをペレタイザーにて裁断し、長さ5mmのペレットを調製した。
得られたペレットで実施例1と同様に曲げ性能、耐衝撃性評価用の試験体を作成した。
<比較例1>
ポリ乳酸ペレット(三井化学(株)製、LACEA H−100)のみで実施例1と同様に曲げ性能、耐衝撃性評価用の試験体を作成した。
<比較例2>
MFC(ダイセル化学工業(株)製、セリッシュ KY−100G、固形分:10wt%)400gと母材樹脂として植物由来樹脂であるポリ乳酸ペレット(三井化学(株)製、LACEA H−100)1600gを図1に示すセグメントNo.1の位置で投入して混練した。MFCと共存する水分を水蒸気としてセグメントNo.3,4で除去した。
混練条件は混練温度180℃、送り速度3.2kg/hr、スクリュー回転速度80rpmとした。
混練処理を終えたコンパウンドをペレタイザーにて裁断し、長さ5mmのペレットを調製した。得られたペレットを105℃のオーブン(エスペック(株)製、PV−220)内にて恒量に達するまで乾燥した。
得られたペレットで実施例1と同様に曲げ性能、耐衝撃性評価用の試験体を作成した。
実施例1〜2および比較例1〜2で作成した試験体について、曲げ性能、耐衝撃性を評価した。試験体におけるMFC、ポリ乳酸エマルジョンおよびポリ乳酸ペレットの含有率とともに、曲げ性能、耐衝撃性の評価結果を表2に示す。なお、熱変形温度は負荷応力0.45MPaにて評価した。
Figure 2008184493
表2の結果より、MFCとポリ乳酸のエマルジョンを混合して得た試験体(実施例1,2)の曲げ弾性率、曲げ強さ、アイゾット衝撃値がMFCを含有していない試験体(比較例1)およびポリ乳酸のエマルジョンを混合していない試験体(比較例2)に比べて高いことが確認できた。特に水溶液中でMFCと母材樹脂のエマルジョンを混合することで、曲げ弾性率、曲げ強さ、アイゾット衝撃値がより向上することが確認できた。
(a)は二軸混練押出機を模式的に表した側面図であり、樹脂複合材料の製造方法を説明するための図である。(b)は樹脂材料中のMFCの混合状態を模式的に示した図である。 表面が母材樹脂のエマルジョンで被覆されたMFCの製造方法を説明するための図である。 樹脂複合材料の製造方法を説明するための別の実施形態を示した二軸混練押出機の側面図である。 (a)はMFCと樹脂とを混合した直後の状態を模式的に示しており、(b)は水分を除去した後の状態を示す図である。
符号の説明
1 ミクロフィブリル化セルロース(MFC)
3 樹脂
4 母材樹脂のエマルジョン

Claims (4)

  1. 樹脂材料中に、強化材として表面処理されたミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有する樹脂複合材料であって、表面処理されたMFCが、樹脂複合材料の母材樹脂のエマルジョンでその表面が被覆されたものであることを特徴とする樹脂複合材料。
  2. MFCと母材樹脂のエマルジョンとを混合して脱水処理した後、母材樹脂を添加して混練することを特徴とする樹脂複合材料の製造方法。
  3. 脱水処理が、MFCと母材樹脂のエマルジョンとの混合物を乾燥処理して乾燥物を得るものであることを特徴とする請求項2に記載の樹脂複合材料の製造方法。
  4. 請求項1に記載の樹脂複合材料を成形してなることを特徴とする樹脂複合材料成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010152080A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toppan Printing Co Ltd 防眩フィルム
JP2010265357A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Konica Minolta Holdings Inc セルロース繊維含有樹脂材料の製造方法
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