JP2008179544A - 機能性飲料水 - Google Patents
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Abstract
【課題】 海洋深層水と人体のミネラル成分が略同様であり、難消化性糖質がミネラル成分の人体への吸収効率を促進すること等に注目した機能性飲料水を提供するものである。
【解決手段】 ミネラル含有水1に難消化性糖質4を混合するもので、ミネラル含有水1としてと陸系の天然水3と、海面下200メートル以深の海洋深層水Mより分離して得た脱塩深層水2との少なくとも一方を用い、天然水3として地下から汲み上げたミネラルウォータ3aを用い、海洋深層水Mとして富山湾で採集した日本海固有冷水Nを、脱塩深層水2として多段式電気透析法により分離した日本海固有冷水Nのミネラル濃縮水n3を用い、難消化性糖質4としてデキストリン5、特に還元性デキストリン5aを用い、それらの含有割合がミネラルウォータ3a>ミネラル濃縮水n3>還元性デキストリン5aの関係にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 ミネラル含有水1に難消化性糖質4を混合するもので、ミネラル含有水1としてと陸系の天然水3と、海面下200メートル以深の海洋深層水Mより分離して得た脱塩深層水2との少なくとも一方を用い、天然水3として地下から汲み上げたミネラルウォータ3aを用い、海洋深層水Mとして富山湾で採集した日本海固有冷水Nを、脱塩深層水2として多段式電気透析法により分離した日本海固有冷水Nのミネラル濃縮水n3を用い、難消化性糖質4としてデキストリン5、特に還元性デキストリン5aを用い、それらの含有割合がミネラルウォータ3a>ミネラル濃縮水n3>還元性デキストリン5aの関係にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、日常生活に用いる機能性飲料水に関するものであり、具体的にはデキストリンを配合し、主に血糖値の安定化を目指した飲料水である。
水道水を直接飲んだり、これを用いて調理や炊飯をすると、水道水中に残留する殺菌剤によってカルキ臭がすることがある。そのため、日本各地の地下水や湧水の天然水(ミネラルウォータとも称する)をペットボトルに充填して販売されるに至っており、これらを飲料、炊飯、煮出し、鍋物、お茶、コーヒー等への利用を目的としている。
天然水は、ミネラル成分を適度に含有しているので口当たりが良く、料理やお茶等に適するが、含有ミネラル成分の種類が人体を構成しているミネラル成分に比較して少なく、含有量も少ないことから、微量ミネラル補給効果に関してはほとんど期待できない。
天然水は、ミネラル成分を適度に含有しているので口当たりが良く、料理やお茶等に適するが、含有ミネラル成分の種類が人体を構成しているミネラル成分に比較して少なく、含有量も少ないことから、微量ミネラル補給効果に関してはほとんど期待できない。
厚生労働省が平成14年に実施した糖尿病実態調査によると「糖尿病が強く疑われる人」、「糖尿病の可能性が否定できない人」の総計は約1,620万人と推計されている。その数は前回平成9年の1,370万人と比べ大きく増加しており、今後も高齢化に伴い益々増大するものと予想される。
糖尿病の成因は、(1)1型糖尿病、(2)2型糖尿病、(3)その他(4)妊娠糖尿病に分類され、日本人に多いといわれる2型糖尿病では、遺伝的素因と共に食習慣、運動、加齢、ストレス、飲酒といった生活習慣が発症要因として深く関与していると考えられており、その予防および軽症状緩和を目的として、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、豆鼓(トウチ)エキス、白甘藷由来糖ペプチド、バナバ抽出エキス等、各種食品素材の活用が検討されている。
難消化性デキストリンは、澱粉を加熱・酵素処理して調整される低粘性の水溶性食物繊維であり、食事とともに摂取した際、食物に含まれる二糖類以上の炭水化物の吸収を遅延させ、食後の血糖値およびインスリン分泌の上昇を穏やかにする耐糖能改善効果が確認されており、この効果を利用して「血糖値が気になりはじめた方の食生活の改善に役立つ」旨の表示を許可された特定保健用食品が数多く上市されている。
特公平5−19554
特許第3420445号
特許第3545742号
天然水は適度にミネラル成分を含んでいるので美味しいが、含有ミネラルの種類が人体を構成しているミネラル成分に比較して少なく、ミネラル補給効果は乏しいものである。
我々は、難消化性デキストリンを水素添加することにより、還元末端を糖アルコール化し、水に溶かした場合でも着色しない還元タイプ難消化性デキストリンを用い、無色透明、無味無臭で食事との相性を選ばず、飽きることなく摂取可能な水感覚の清涼飲料水を開発し、その食後血糖値上昇に与える影響および12週間の長期摂取における安全性について検討した。
そこでこの発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人体の約80%が水分であること、近年注目されている海洋深層水のミネラル成分が、人体を構成しているミネラル成分と略同様であること等に注目し、これらを利用した新規機能性飲料水を開発するに至ったものである。
我々は、難消化性デキストリンを水素添加することにより、還元末端を糖アルコール化し、水に溶かした場合でも着色しない還元タイプ難消化性デキストリンを用い、無色透明、無味無臭で食事との相性を選ばず、飽きることなく摂取可能な水感覚の清涼飲料水を開発し、その食後血糖値上昇に与える影響および12週間の長期摂取における安全性について検討した。
そこでこの発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人体の約80%が水分であること、近年注目されている海洋深層水のミネラル成分が、人体を構成しているミネラル成分と略同様であること等に注目し、これらを利用した新規機能性飲料水を開発するに至ったものである。
上記目的を達成するために、本発明の機能性飲料水は、請求項1として、ミネラル含有水と難消化性デンプンとを、主に食後血糖値の上昇抑制に寄与し得るように混合していることを特徴とする。
請求項2は、請求項1の機能性飲料水において、ミネラル含有水として陸系の天然水と、海面下200メートル以深の海洋深層水より分離して得た脱塩深層水との少なくとも一方を用いていることを特徴とする。
請求項3は、請求項2の機能性飲料水において、天然水が地下から汲み上げたミネラルウォーターであり、海洋深層水が富山湾で採集した日本海固有冷水であり、脱塩深層水が多段式電気透析法により分離した日本海固有冷水のミネラル濃縮水であることを特徴とする。
請求項2は、請求項1の機能性飲料水において、ミネラル含有水として陸系の天然水と、海面下200メートル以深の海洋深層水より分離して得た脱塩深層水との少なくとも一方を用いていることを特徴とする。
請求項3は、請求項2の機能性飲料水において、天然水が地下から汲み上げたミネラルウォーターであり、海洋深層水が富山湾で採集した日本海固有冷水であり、脱塩深層水が多段式電気透析法により分離した日本海固有冷水のミネラル濃縮水であることを特徴とする。
ここで機能性飲料水とは、人体に有益な成分を天然水より多種類含有している水分の総てを言い、使用目的は飲用は勿論、食べ物の調理時、及び御飯の炊き上げ時も含まれる。
ここでミネラル含有水とは、ミネラルを含む飲料可能な水の総てを言い、天然水とは、陸上において湧き出す湧水、陸上において地下から汲み上げる地下水は勿論、現在市販されているミネラルウォータ等を言う。
ここで血糖値の安定化に寄与するとは、
ここでミネラル含有水とは、ミネラルを含む飲料可能な水の総てを言い、天然水とは、陸上において湧き出す湧水、陸上において地下から汲み上げる地下水は勿論、現在市販されているミネラルウォータ等を言う。
ここで血糖値の安定化に寄与するとは、
ここで海洋深層水とは、海面下200メートル以深の海水を言い、日本海固有冷水とは、富山湾の容積の約65%を占めており、特開2000−290168号、特開2000−290161号等に記載した通り、高知県の外洋深層水と若干異なり、その性状として、年間を通じて2℃以下の低温で水温変化がほとんどなく、塩分(34.0〜34.1psu)も安定しており、表層水と比較して栄養塩類が豊富に含まれ、有機物や細菌類が非常に少ないという特徴が挙げられる。
ここで脱塩深層水とは、海洋深層水より逆浸透膜を用いて脱塩したもの、イオン交換膜を利用して脱塩したもの、電気分解により脱塩したもの、出願人が先に発明した多段式電気透析法に依って脱塩したミネラル濃縮水等を言う。
ここで多段式電気透析法とは、第一処理装置にて日本海固有冷水を淡水と濃縮深層水とに分離し、第二処理装置にて濃縮深層水をミネラル濃縮水と濃縮塩水とに分離することを言い、ミネラル濃縮水には人体と略同様のミネラル成分をバランス良く、しかも豊富に含んでいる。また、濃縮塩水にもミネラル成分を含むので、これを所定の倍率で希釈して用いることもできる。
ここで脱塩深層水とは、海洋深層水より逆浸透膜を用いて脱塩したもの、イオン交換膜を利用して脱塩したもの、電気分解により脱塩したもの、出願人が先に発明した多段式電気透析法に依って脱塩したミネラル濃縮水等を言う。
ここで多段式電気透析法とは、第一処理装置にて日本海固有冷水を淡水と濃縮深層水とに分離し、第二処理装置にて濃縮深層水をミネラル濃縮水と濃縮塩水とに分離することを言い、ミネラル濃縮水には人体と略同様のミネラル成分をバランス良く、しかも豊富に含んでいる。また、濃縮塩水にもミネラル成分を含むので、これを所定の倍率で希釈して用いることもできる。
請求項4は、請求項1,2,3の機能性飲料水において、難消化性デンプンがデキストリンであることを特徴とする。
請求項5は、請求項4記載の機能性飲料水において、デキストリンが還元性デキストリンであることを特徴とする。
請求項6の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>ミネラル濃縮水>還元性デキストリンの関係にあるることを特徴とする。
請求項7の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>ミネラル濃縮水=還元性デキストリンの関係にあるることを特徴とする。
請求項8の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>還元性デキストリン>ミネラル濃縮水の関係にあるることを特徴とする。
請求項9の機能性飲料水は、請求項6,7,8の機能性飲料水において、ミネラルウォータとミネラル濃縮水と還元性デキストリンとを、血糖値の上昇抑制に作用し、安定化に寄与するように混合していることを特徴とする。
請求項5は、請求項4記載の機能性飲料水において、デキストリンが還元性デキストリンであることを特徴とする。
請求項6の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>ミネラル濃縮水>還元性デキストリンの関係にあるることを特徴とする。
請求項7の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>ミネラル濃縮水=還元性デキストリンの関係にあるることを特徴とする。
請求項8の機能性飲料水は、ミネラルウォータと日本海固有冷水より分離したミネラル濃縮水と還元性デキストリンとから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ>還元性デキストリン>ミネラル濃縮水の関係にあるることを特徴とする。
請求項9の機能性飲料水は、請求項6,7,8の機能性飲料水において、ミネラルウォータとミネラル濃縮水と還元性デキストリンとを、血糖値の上昇抑制に作用し、安定化に寄与するように混合していることを特徴とする。
ここで難消化性デンプンとは、人体に及ぼす悪影響が皆無に等しく、しかも人体へのミネラル類の吸収効率を高めたり、血糖値の改善効果等を有するものを言い、デキストリンとは、インスリンの分泌をも抑制し、インスリン非依存性の糖尿病の治療、又は予防に有益なものを言い、還元性デキストリンとは、デキストリンを還元したもので、デキストリンと同等の作用を示すものを言う。
デキストリンとして、難消化性デキストリンとサイクロデキストリン(CYCLO DECXTRIN)等も知られており、難消化性デキストリンは、糖分を吸着する植物繊維で、食後の急激な血糖値の上昇をコントロールして糖尿病を防ぐ。平常時の血糖値を下げすぎない。サイクロデキストリンとは、澱粉類に微生物酵素を作用させて得られる環状オリゴ糖である。
デキストリンとして、難消化性デキストリンとサイクロデキストリン(CYCLO DECXTRIN)等も知られており、難消化性デキストリンは、糖分を吸着する植物繊維で、食後の急激な血糖値の上昇をコントロールして糖尿病を防ぐ。平常時の血糖値を下げすぎない。サイクロデキストリンとは、澱粉類に微生物酵素を作用させて得られる環状オリゴ糖である。
本発明の機能性飲料水は上記構造のとおりであるから、次に記載する効果を奏する。
請求項1の機能性飲料水は、難消化性デンプンとミネラル含有水とが、主に血糖値の安定化に寄与するように混合されているので、これを飲用することで血糖値の安定化が計られる。
請求項2の機能性飲料水は、請求項1の特徴に加えて、ミネラル含有水として陸系の天然水を用いると、口当たりを柔らかくし、味覚を向上させることができる。また、ミネラル含有水として脱塩深層水を用いていると、他から補給することの出来にくい微量ミネラルの補給に有益である。
請求項3の機能性飲料水は、請求項2の特徴に加えて、天然水としてミネラルウォーターをもちいると、一段と口当たりを柔らかくなるし、味覚も向上する。また、海洋深層水として日本海固有冷水を用いると、ミネラル成分のバランスが通年を通して一定し、しかも低温で清浄性が高い。その結果、安定な原料として有益である。また、脱塩深層水として多段式電気透析法により分離したミネラル濃縮水を用いているので、即ち、機能性飲料水に一定濃度の微量ミネラルが含まれていることになり、微量ミネラルの不足を補給する効果もあることが理解される。
請求項1の機能性飲料水は、難消化性デンプンとミネラル含有水とが、主に血糖値の安定化に寄与するように混合されているので、これを飲用することで血糖値の安定化が計られる。
請求項2の機能性飲料水は、請求項1の特徴に加えて、ミネラル含有水として陸系の天然水を用いると、口当たりを柔らかくし、味覚を向上させることができる。また、ミネラル含有水として脱塩深層水を用いていると、他から補給することの出来にくい微量ミネラルの補給に有益である。
請求項3の機能性飲料水は、請求項2の特徴に加えて、天然水としてミネラルウォーターをもちいると、一段と口当たりを柔らかくなるし、味覚も向上する。また、海洋深層水として日本海固有冷水を用いると、ミネラル成分のバランスが通年を通して一定し、しかも低温で清浄性が高い。その結果、安定な原料として有益である。また、脱塩深層水として多段式電気透析法により分離したミネラル濃縮水を用いているので、即ち、機能性飲料水に一定濃度の微量ミネラルが含まれていることになり、微量ミネラルの不足を補給する効果もあることが理解される。
請求項4の機能性飲料水は、請求項1,2,3の特徴に加えて、難消化性デンプンとしてデキストリンを用いているので、血糖値の安定化に寄与する。
請求項5の機能性飲料水は、請求項4の特徴に加えて、デキストリンとして還元性デキストリンを用いているから、好みの色に着色し得る。
請求項6,7,8の機能性飲料水は、ミネラルウォータとミネラル濃縮水と還元性デキストリンの配合割合を、血糖値の安定化に最適であるように調整することができる。
請求項9の機能性飲料水は、請求項6,7,8の特徴に加えて、血糖値の上昇抑制に作用し、安定化に寄与する。
請求項5の機能性飲料水は、請求項4の特徴に加えて、デキストリンとして還元性デキストリンを用いているから、好みの色に着色し得る。
請求項6,7,8の機能性飲料水は、ミネラルウォータとミネラル濃縮水と還元性デキストリンの配合割合を、血糖値の安定化に最適であるように調整することができる。
請求項9の機能性飲料水は、請求項6,7,8の特徴に加えて、血糖値の上昇抑制に作用し、安定化に寄与する。
本発明による機能性飲料水の第一実施形態を図1に基づき詳細に説明すれば、少なくともミネラル含有水1と難消化性デンプン4とを含有するもので、ミネラル含有1として天然水3と海面下200メートル以深の海洋深層水Mより分離した脱塩深層水2とを用い、具体的には天然水3として、地下から汲み上げたミネラルウォータ3aを用い、海洋深層水Mとして、日本海富山湾の沖合の海面下32.1メートルから汲み上げた日本海固有冷水Nより分離したミネラル濃縮水N3を用い、難消化性デンプン4として還元性デキストリン5aを用い、これらを主に血糖値の安定化に寄与し得るように混合している。
脱塩深層水2は、出願人が先に発明した図2の如く多段式電気透析法により分離して得たミネラル濃縮水n3を配合するものであり、多段式電気透析法はイオン交換膜11を用いた第一電気透析装置10にて日本海固有冷水Nを淡水n1と濃縮深層水n2とに分離し、一価イオン選択性に優れているイオン交換膜21を用いた第二処理装置20にて、前記濃縮深層水n2を濃塩水n4(一価の塩素イオンやナトリウムイオン等を濃縮した)とミネラル濃縮水n3(一価イオンを取り除いて得た多価イオンのミネラルを主とする有用微量ミネラル)とに分離する。
本発明による機能性飲料水の第二実施形態を、第一実施形態と相違する点について説明すれば、第二実施形態の機能性飲料水は、難消化性デンプン4としてデキストリン5を、脱塩深層水2としてミネラル濃縮水n3を用い、直接使用し得るよう硬度を20〜2000、望ましくは100〜500に調製し、且つデキストリン5の濃度として0・1〜10%、好ましい濃度として0・1〜5%、最適な濃度として0・2〜2%に調製するか、またデキストリン5の配合量として500ml当たり0・5〜25g、好ましい配合量として500ml当たり1〜10g、最適な配合量として500ml当たり2〜4gに調製するものである。
配合量が500ml当たり1g未満であると効果が発揮されにくくなるし、配合量が500ml当たり10gを超えると味覚を損ねる傾向にある。
配合量が500ml当たり1g未満であると効果が発揮されにくくなるし、配合量が500ml当たり10gを超えると味覚を損ねる傾向にある。
本発明による機能性飲料水の第三実施形態を、第二実施形態と相違する点について説明すれば、第三実施形態の機能性飲料水は、希釈使用し得るよう濃縮状態にしておくものであり、濃縮状態の硬度として100〜20000、望ましくは1000〜10000に調製し、濃縮状態のデキストリン5の濃度として2〜70%、好ましい濃度として5〜50%、最適な濃度として10〜30%に調製し、使用目的に応じて希釈して使用する。
実験例
1・試料素材
(1)ミネラルウォータ3a;出願人が製造販売する「アルプス精水」
アルプス精水に含まれるミネラル成分は、以下の通りである。
(2)ミネラル濃縮水n3;日本海固有冷水Nを多段式電気透析法により分離して得たものであり、ミネラル成分は図3の通りである。
(3)デキストリン5;還元性デキストリン5a
1・試料素材
(1)ミネラルウォータ3a;出願人が製造販売する「アルプス精水」
アルプス精水に含まれるミネラル成分は、以下の通りである。
(2)ミネラル濃縮水n3;日本海固有冷水Nを多段式電気透析法により分離して得たものであり、ミネラル成分は図3の通りである。
(3)デキストリン5;還元性デキストリン5a
デキストリン5の効果として、
A,難消化性(低エネルギー性)
胃及び小腸では分解・吸収されず大腸に到達し、一部の腸内細菌によって代謝され、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸となって排出され、大腸粘膜より吸収され、エネルギー源となる。
B,ミネラル吸収促進
短鎖脂肪酸により腸内pHが低下する。
A,難消化性(低エネルギー性)
胃及び小腸では分解・吸収されず大腸に到達し、一部の腸内細菌によって代謝され、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸となって排出され、大腸粘膜より吸収され、エネルギー源となる。
B,ミネラル吸収促進
短鎖脂肪酸により腸内pHが低下する。
本発明の機能性飲料水に必要なミネラル成分としては、海洋深層水M、特に日本海固有冷水Nが好適である。その理由は、日本海固有冷水Nに含有するミネラル成分と、人体を構成しているミネラル成分とが略一致し、しかもミネラル成分のバランスも近似している点にある。また、1年間を通して1〜2℃と低温であること、その低温により微生物の発生が少なく、清浄性が高い点である。
ミネラル濃縮水n3の代わりに濃塩水n4を用いることも可能であるが、その際に天然水3を用いて希釈する。即ち、所定量の天然水3を加えることにより、本発明の機能性飲料水を得ることができる。
濃縮タイプの機能性飲料水を希釈する場合、水道水を用いることも可能であるが、天然水3を用いることが好ましい。
天然水(ミネラルウォータ3a)を多くすると味覚的に軟らかくなる。
濃縮タイプの機能性飲料水を希釈する場合、水道水を用いることも可能であるが、天然水3を用いることが好ましい。
天然水(ミネラルウォータ3a)を多くすると味覚的に軟らかくなる。
本発明による還元性デキストリン配合飲料水(以下、LS配合飲料水とする)を説明すると、天然水3と脱塩深層水2と還元性デキストリン5aとから成り、天然水3としてミネラルウォータ3aを採用し、脱塩深層水2としてミネラル濃縮水n3を採用し、それらの含有割合がミネラルウォータ3a>ミネラル濃縮水n3>還元性デキストリン5aの関係にある。
具体的には、500ml容ペットボトルタイプの本発明LS配合飲料水を開発し、14日間の摂取時(還元性デキストリン5aとして1日当たり3.0g)の健常女子学生に及ぼす影響を、血糖値に及ぼす影響、臨床検査値に及ぼす影響により検討した。
更に、LS配合飲料水の常用量の3倍量摂取の安全性を腹部症状に及ぼす影響を中心に調査した。
具体的には、500ml容ペットボトルタイプの本発明LS配合飲料水を開発し、14日間の摂取時(還元性デキストリン5aとして1日当たり3.0g)の健常女子学生に及ぼす影響を、血糖値に及ぼす影響、臨床検査値に及ぼす影響により検討した。
更に、LS配合飲料水の常用量の3倍量摂取の安全性を腹部症状に及ぼす影響を中心に調査した。
試験方法
1.実験方法
1)被験者
三重県久居市周辺に在住で、職場における健康診断でFBG値が126mg/dl未満の正常域及び境界域に属する成人男女46名(単回摂取試験28名、平均年齢40.9±9.5歳、長期摂取試験18名、平均年齢38.2±6.6歳)を対象とした。
尚、試験は「ヘルシンキ宣言」の精神を遵守して、被験者には事前に試験内容を十分に説明し、文書による試験参加の同意を得た上で、試験実施病院である藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所倫理委員会(平成16年9月2日承認)及び藤田保健衛生大学倫理委員会(平成16年8月10日承認)の承認を得て、医師の監理下で行った。
1.実験方法
1)被験者
三重県久居市周辺に在住で、職場における健康診断でFBG値が126mg/dl未満の正常域及び境界域に属する成人男女46名(単回摂取試験28名、平均年齢40.9±9.5歳、長期摂取試験18名、平均年齢38.2±6.6歳)を対象とした。
尚、試験は「ヘルシンキ宣言」の精神を遵守して、被験者には事前に試験内容を十分に説明し、文書による試験参加の同意を得た上で、試験実施病院である藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所倫理委員会(平成16年9月2日承認)及び藤田保健衛生大学倫理委員会(平成16年8月10日承認)の承認を得て、医師の監理下で行った。
2.試験飲料
試験飲料は、250ml中に還元タイプ難消化性デキストリン由来の食物繊維を5.0g配合した清涼飲料水を用いた。還元タイプ難消化性デキストリンは、松谷化学工業(株)製のファイバーソル2Hを用いた。ファイバーソル2Hは、粗製デキストリンに酵素(α―アミラーゼ、アミログルコシダーゼ)を作用させ、クロマト分画により分離したデキストリンに水素を添加して糖アルコール化したものである。水溶液状態での着色度は低く、透明度が高いことを特長とする。試験飲料は、このファイバーソル2Hと海洋深層水をミネラルウォーターに溶解して製したものであり、プラセボ飲料には、試験飲料からファイバーソル2Hを除いたものを用いた。試験飲料(難消化性デキストリン含有清涼飲料水)の栄養成分及びファイバーソル2Hの成分規格を表1と表2に示した。
試験飲料は、250ml中に還元タイプ難消化性デキストリン由来の食物繊維を5.0g配合した清涼飲料水を用いた。還元タイプ難消化性デキストリンは、松谷化学工業(株)製のファイバーソル2Hを用いた。ファイバーソル2Hは、粗製デキストリンに酵素(α―アミラーゼ、アミログルコシダーゼ)を作用させ、クロマト分画により分離したデキストリンに水素を添加して糖アルコール化したものである。水溶液状態での着色度は低く、透明度が高いことを特長とする。試験飲料は、このファイバーソル2Hと海洋深層水をミネラルウォーターに溶解して製したものであり、プラセボ飲料には、試験飲料からファイバーソル2Hを除いたものを用いた。試験飲料(難消化性デキストリン含有清涼飲料水)の栄養成分及びファイバーソル2Hの成分規格を表1と表2に示した。
3.試験スケジュールと摂取方法
空腹時血糖値(FBG)は、前日21時から採血直前の当日9〜10時までの12時間において摂水以外は絶食として測定した。また採血は、来院後30分以上安静にし、座位にてシリンジで採血後、指定の採血管に必要量を分注し、GHbAlc測定用、インスリン測定用にはEDTA2Kを、血糖値測定用にはNaF加EDTA2Kの抗凝固剤を用い十分に転倒混和した。更に生化学検査用には3.000rpm,10分遠心分離し上清を用いた。またGHbAlc検査用と血液検査用は遠心分離をせずに全血を用いた。試験飲料及びプラセボ飲料常用量摂取有効性試験、安全性試験のスケジュールを図4に示した。
空腹時血糖値(FBG)は、前日21時から採血直前の当日9〜10時までの12時間において摂水以外は絶食として測定した。また採血は、来院後30分以上安静にし、座位にてシリンジで採血後、指定の採血管に必要量を分注し、GHbAlc測定用、インスリン測定用にはEDTA2Kを、血糖値測定用にはNaF加EDTA2Kの抗凝固剤を用い十分に転倒混和した。更に生化学検査用には3.000rpm,10分遠心分離し上清を用いた。またGHbAlc検査用と血液検査用は遠心分離をせずに全血を用いた。試験飲料及びプラセボ飲料常用量摂取有効性試験、安全性試験のスケジュールを図4に示した。
イ・単回摂取試験(有効性試験)
被験者(男子20名、女子8名)には、試験前日午後9時以降、水以外を摂取しないよう指導した。試験当日、午前9時に採血し、空腹時血糖値を測定した。その後、試験飲料又はプラセボ飲料250mlとともに負荷食(市販おにぎり320g/3個:たんぱく質13.2g、脂質4.4g、炭水化物112.5g、総エネルギー541Kcal)を15分以内に摂取させ、食べ終えてから30,60,120分後に採血し、血糖値及びインスリン値を測定した。試験は、飲料の順序を被験者に伏せてランダムに割り付け、試験飲料とプラセボ飲料を1週間の間隔を設けてクロスオーバーさせ、両飲料間の血糖値上昇及びインスリン分泌量を比較した。
被験者(男子20名、女子8名)には、試験前日午後9時以降、水以外を摂取しないよう指導した。試験当日、午前9時に採血し、空腹時血糖値を測定した。その後、試験飲料又はプラセボ飲料250mlとともに負荷食(市販おにぎり320g/3個:たんぱく質13.2g、脂質4.4g、炭水化物112.5g、総エネルギー541Kcal)を15分以内に摂取させ、食べ終えてから30,60,120分後に採血し、血糖値及びインスリン値を測定した。試験は、飲料の順序を被験者に伏せてランダムに割り付け、試験飲料とプラセボ飲料を1週間の間隔を設けてクロスオーバーさせ、両飲料間の血糖値上昇及びインスリン分泌量を比較した。
ロ・長期摂取試験(安全性試験)
男女18名(男子5名、女子13名)に対し、12時間絶食させた後に、採血、採尿、更に問診及び生理学的検査を行った。その後、1週間以内の適当な時期から、毎食事毎に試験飲料250mlを摂取させた。摂取期間は12週間とし、4週目ごとに12時間絶食後の問診、採血、採尿を行った。また、被験者には摂取期間を通じて、食事量、試験飲料摂取の有無及び腹部症状をアンケート用紙に記入させた。
尚、摂取期間中、非日常的な暴飲暴食は慎むよう指導したが、それ以外の食生活を含む生活習慣については、これまでの生活習慣を変えることのないよう指示した。
男女18名(男子5名、女子13名)に対し、12時間絶食させた後に、採血、採尿、更に問診及び生理学的検査を行った。その後、1週間以内の適当な時期から、毎食事毎に試験飲料250mlを摂取させた。摂取期間は12週間とし、4週目ごとに12時間絶食後の問診、採血、採尿を行った。また、被験者には摂取期間を通じて、食事量、試験飲料摂取の有無及び腹部症状をアンケート用紙に記入させた。
尚、摂取期間中、非日常的な暴飲暴食は慎むよう指導したが、それ以外の食生活を含む生活習慣については、これまでの生活習慣を変えることのないよう指示した。
4.観察項目と評価方法
全試験において主治医が問診及び検査項目の指示を行った。また長期摂取試験には、試験飲料摂取量(飲み残し量)、腹部症状のアンケートを加えた。
尚、生理学的検査、血液生化学検査、血液検査、尿検査は藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所と一部は臨床検査会社 株式会社エスアールエル(東京)にて行った。
全試験において主治医が問診及び検査項目の指示を行った。また長期摂取試験には、試験飲料摂取量(飲み残し量)、腹部症状のアンケートを加えた。
尚、生理学的検査、血液生化学検査、血液検査、尿検査は藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所と一部は臨床検査会社 株式会社エスアールエル(東京)にて行った。
4−1・観察項目:
1)医師による問診:自覚症状(頭痛・頭重感、倦怠感、口渇、消化器症状など)
2)アンケート項目:食事調査、試験飲料摂取量、腹部症状など
3)生理学的検査:身長、体重、体脂肪率、BMI、血圧、脈拍数
4)血液生化学検査:FBG、GHbAlc、総タンパク(total.protein)、アルブミン(albU/min)、A/G比、
総コレスレロール(total choleserol)、中性脂肪(triglyceride)、遊離脂肪酸(free fatty acids)、HDL、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GTP、LDH、CPK、ALP、LAP、BUN、クレアチニン(creatinine)、尿酸(urin acid)、総ビリルビン(total bilirubin)、直接ビリルビン(direct bilirubin)、Na,K,CL,Ca,Mg,鉄、フェリチン(******)
5)血液検査:白血球(WBC)、赤血球(RBC)、ヘモグロビン(hemoglobin)、ヘマトクリット(hematocrit)、MCV、MCH、MCHC、血小板(platelet)
6)尿検査:尿pH(urinary pH)、尿比重(U.specific gravity)、尿タンパク(U.protein)、尿糖定性(u.glucose)、尿ウロビリノゲン(*****)、尿ビリルビン(u.bilirubin)、尿ケトン体(****)、尿潜血(*****)を行った。
1)医師による問診:自覚症状(頭痛・頭重感、倦怠感、口渇、消化器症状など)
2)アンケート項目:食事調査、試験飲料摂取量、腹部症状など
3)生理学的検査:身長、体重、体脂肪率、BMI、血圧、脈拍数
4)血液生化学検査:FBG、GHbAlc、総タンパク(total.protein)、アルブミン(albU/min)、A/G比、
総コレスレロール(total choleserol)、中性脂肪(triglyceride)、遊離脂肪酸(free fatty acids)、HDL、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GTP、LDH、CPK、ALP、LAP、BUN、クレアチニン(creatinine)、尿酸(urin acid)、総ビリルビン(total bilirubin)、直接ビリルビン(direct bilirubin)、Na,K,CL,Ca,Mg,鉄、フェリチン(******)
5)血液検査:白血球(WBC)、赤血球(RBC)、ヘモグロビン(hemoglobin)、ヘマトクリット(hematocrit)、MCV、MCH、MCHC、血小板(platelet)
6)尿検査:尿pH(urinary pH)、尿比重(U.specific gravity)、尿タンパク(U.protein)、尿糖定性(u.glucose)、尿ウロビリノゲン(*****)、尿ビリルビン(u.bilirubin)、尿ケトン体(****)、尿潜血(*****)を行った。
4−2・評価方法
各測定値は平均値±標準偏差で示した。有意差検定は、統計ソフトStatcelを使用した。単回摂取試験における被験者の群分けは、空腹時血糖値が126mg/dl未満の正常域及び境界域の被検者を血糖値の高い順に順次振り分け、2群の母分散のバラツキをF検定にて検定し、偏りがないことを確認した。群間または摂取期間同士の比較検定はpaired t−testを行い、両側検定で危険率5%未満を統計的に有意な差として解析処理を行った。
各測定値は平均値±標準偏差で示した。有意差検定は、統計ソフトStatcelを使用した。単回摂取試験における被験者の群分けは、空腹時血糖値が126mg/dl未満の正常域及び境界域の被検者を血糖値の高い順に順次振り分け、2群の母分散のバラツキをF検定にて検定し、偏りがないことを確認した。群間または摂取期間同士の比較検定はpaired t−testを行い、両側検定で危険率5%未満を統計的に有意な差として解析処理を行った。
2.実験結果
1)被験者の背景
1−1・単回摂取試験(有効性試験)
28例の被験者を対象として単回摂取試験を実施したが、負荷食摂取後の血糖値が200mg/dl以上を示した者が4例存在した。既報に従い、これら糖尿病型に属すると思われる4例を不採用とした。また、プラゼボ飲料摂取後の血糖値上昇が認められなかった者が1例いた。この1例についても、既報に従い、本試験の目的である食後血糖値の上昇抑制効果を評価することが不可能と判断し、不採用とした。また、負荷食の摂取時間がきわめて遅い被験者1名についても、血糖値の頂値のずれがあり不採用とした。よって残り22例を採用した。更に、難消化デキストリンを用いて評価した既報に従い、プラゼボ飲料摂取後平均血糖値の頂値(食後30分値:149.8±18.0mg/dl)を求め、それを境にプラセボ飲料摂取時の食後30分値が平均値以上である食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)と平均値未満である食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)に分けて、各々について解析を行った。
各グループの被験者背景因子(単回摂取試験)を図5に示した。
1)被験者の背景
1−1・単回摂取試験(有効性試験)
28例の被験者を対象として単回摂取試験を実施したが、負荷食摂取後の血糖値が200mg/dl以上を示した者が4例存在した。既報に従い、これら糖尿病型に属すると思われる4例を不採用とした。また、プラゼボ飲料摂取後の血糖値上昇が認められなかった者が1例いた。この1例についても、既報に従い、本試験の目的である食後血糖値の上昇抑制効果を評価することが不可能と判断し、不採用とした。また、負荷食の摂取時間がきわめて遅い被験者1名についても、血糖値の頂値のずれがあり不採用とした。よって残り22例を採用した。更に、難消化デキストリンを用いて評価した既報に従い、プラゼボ飲料摂取後平均血糖値の頂値(食後30分値:149.8±18.0mg/dl)を求め、それを境にプラセボ飲料摂取時の食後30分値が平均値以上である食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)と平均値未満である食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)に分けて、各々について解析を行った。
各グループの被験者背景因子(単回摂取試験)を図5に示した。
1−2・長期摂取試験(安全性試験)
長期摂取試験は、男子5名(平均年齢36.0±3.2歳)、女子13名(平均年齢39.1±7.4歳)の計18名(FBG:90.7±6.27mg/dl)を対象に行った。生理学的検査値の変動(長期摂取試験)を図6に示した。
長期摂取試験は、男子5名(平均年齢36.0±3.2歳)、女子13名(平均年齢39.1±7.4歳)の計18名(FBG:90.7±6.27mg/dl)を対象に行った。生理学的検査値の変動(長期摂取試験)を図6に示した。
2)試験1.(単回摂取試験:有効性試験)
図7(イ)に被験者全体(22名)の試験飲料又はプラセボ飲料摂取時における負荷食摂取後の血糖値の変動を示した。試験飲料摂取時の30分値が138.7±22.7mg/dl、60分値が113.7±23.2mg/dlであったのに対し、プラセボ飲料摂取時は、各々149.8±17.9mg/dl、126.7±22.6mg/dlであった。何れも摂取30分後に頂値を示し、試験飲料摂取時の30,60分値はプラセボ飲料摂取時に対し有意(P<0.005)に低値を示した。
一方、血中インスリン値については、図8(イ)の如く負荷食及び試験飲料であった血糖値が試験飲料摂取群、プラセボ飲料摂取群とも摂取30分後に血中濃度がピークとなったが、両群間に差は認められなかった。
次に、食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)10例の平均の結果を図7(ロ)に示した。負荷食+試験飲料摂取後の30分値が140.1±28.4mg/dl、60分値が112.4±32.1mg/dlであったのに対し、負荷食+プラセボ飲料摂取後は各々165.1±12.8mg/dl、136.7±26.3mg/dlとなり、負荷食+試験飲料摂取後の30,60分値は負荷食+プラセボ飲料摂取後に対し有意(P<0.05)に低値を示した。また、図8(ロ)の如く血中インスリン値は負荷食+試験飲料摂取前に低値となる傾向を示したが、両飲料間に有意差は認められなかった。
更に、食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)12例の結果を図7(ハ)に示した。負荷食+試験飲料摂取後の30分値は137.5±17.8mg/dl、60分値は114.8±13.4mg/dlとなり、負荷食+プラセボ飲料摂取後に対し、有意差は認められなかった。また、図8(ハ)の如く血中インスリン値は負荷食+試験飲料摂取後の30分値が負荷食+プラセボ飲料摂取後の30分値に対し、低値となる傾向を示したが、有意差は認められなかった。
図7(イ)に被験者全体(22名)の試験飲料又はプラセボ飲料摂取時における負荷食摂取後の血糖値の変動を示した。試験飲料摂取時の30分値が138.7±22.7mg/dl、60分値が113.7±23.2mg/dlであったのに対し、プラセボ飲料摂取時は、各々149.8±17.9mg/dl、126.7±22.6mg/dlであった。何れも摂取30分後に頂値を示し、試験飲料摂取時の30,60分値はプラセボ飲料摂取時に対し有意(P<0.005)に低値を示した。
一方、血中インスリン値については、図8(イ)の如く負荷食及び試験飲料であった血糖値が試験飲料摂取群、プラセボ飲料摂取群とも摂取30分後に血中濃度がピークとなったが、両群間に差は認められなかった。
次に、食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)10例の平均の結果を図7(ロ)に示した。負荷食+試験飲料摂取後の30分値が140.1±28.4mg/dl、60分値が112.4±32.1mg/dlであったのに対し、負荷食+プラセボ飲料摂取後は各々165.1±12.8mg/dl、136.7±26.3mg/dlとなり、負荷食+試験飲料摂取後の30,60分値は負荷食+プラセボ飲料摂取後に対し有意(P<0.05)に低値を示した。また、図8(ロ)の如く血中インスリン値は負荷食+試験飲料摂取前に低値となる傾向を示したが、両飲料間に有意差は認められなかった。
更に、食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)12例の結果を図7(ハ)に示した。負荷食+試験飲料摂取後の30分値は137.5±17.8mg/dl、60分値は114.8±13.4mg/dlとなり、負荷食+プラセボ飲料摂取後に対し、有意差は認められなかった。また、図8(ハ)の如く血中インスリン値は負荷食+試験飲料摂取後の30分値が負荷食+プラセボ飲料摂取後の30分値に対し、低値となる傾向を示したが、有意差は認められなかった。
3)長期摂取試験(安全性試験)
3−1・アンケート調査、問診及び自覚症状
被験者全体の12週間における試験飲料の配布総量1,134Lに対し、項目(A)に示すアンケート調査から算出された18名の飲み残し(摂取残量)総量は、32.16L(残率2.8%)であった。また、個別においては、85.6%の摂取率から100%完飲まで見られ、その平均摂取率は97%であった。腹部症状においては、腹痛、膨満感、吐き気、下痢の訴えがみられ、アンケート項目Bに示した。12週間の摂取期間中、膨満感を感じた被験者が18名中11名見られ、その出現率は全日数の15%を占めた。また腹痛を訴えた被験者の発症日数は、全日数の0.8%であった。
試験飲料摂取状況及び副次作用発生率(長期摂取試験)を図9に示した。
3−1・アンケート調査、問診及び自覚症状
被験者全体の12週間における試験飲料の配布総量1,134Lに対し、項目(A)に示すアンケート調査から算出された18名の飲み残し(摂取残量)総量は、32.16L(残率2.8%)であった。また、個別においては、85.6%の摂取率から100%完飲まで見られ、その平均摂取率は97%であった。腹部症状においては、腹痛、膨満感、吐き気、下痢の訴えがみられ、アンケート項目Bに示した。12週間の摂取期間中、膨満感を感じた被験者が18名中11名見られ、その出現率は全日数の15%を占めた。また腹痛を訴えた被験者の発症日数は、全日数の0.8%であった。
試験飲料摂取状況及び副次作用発生率(長期摂取試験)を図9に示した。
3−2・生理学的検査値
検査項目のうち、男子は体重、収縮期(最高)血圧及び体脂肪率の各検査項目に、女子は体脂肪率に有意差が認められた。また、男女とも摂取前に対し、摂取期間中に高い数値を示した(図6)。
検査項目のうち、男子は体重、収縮期(最高)血圧及び体脂肪率の各検査項目に、女子は体脂肪率に有意差が認められた。また、男女とも摂取前に対し、摂取期間中に高い数値を示した(図6)。
3−3・糖代謝関連検査値
血液生化学検査のうち糖代謝に関連するFBG、GHbAlc、フルクトサミン及びインスリンの変動(糖代謝関連検査値)を図10に示した。FBG値は、摂取前が90.7±6.27 mg/dlであったのに対し、摂取4週目が90.1±6.13 mg/dl、8週目が92.48±6.61mg/dl、12週目が89.8±6.51mg/dlとなり、各摂取期間毎の比較において、何れも有意差は認めれらなかった。またGHbAlc、フルクトサミンについても、各摂取期間毎の比較において有意差は認められなかった。一方、インスリン値の12週目においては、他の摂取期との間に大差が認められた。
血液生化学検査のうち糖代謝に関連するFBG、GHbAlc、フルクトサミン及びインスリンの変動(糖代謝関連検査値)を図10に示した。FBG値は、摂取前が90.7±6.27 mg/dlであったのに対し、摂取4週目が90.1±6.13 mg/dl、8週目が92.48±6.61mg/dl、12週目が89.8±6.51mg/dlとなり、各摂取期間毎の比較において、何れも有意差は認めれらなかった。またGHbAlc、フルクトサミンについても、各摂取期間毎の比較において有意差は認められなかった。一方、インスリン値の12週目においては、他の摂取期との間に大差が認められた。
3−4・血液生化学検査
総タンパク値に変化は認められなかった。一方、アルブミンは、摂取4週目の値が他の摂取期の値よりも低い傾向にあり、摂取前に対し有意差(paired t−test:P<0.05)が認められた。また、脂質代謝に関しては、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロールなどに差は認められなかったが、遊離脂肪酸において摂取前に対し12週目に有意差(paired t−test:P<0.05)が認められた。肝機能に関連するAST、ALT、γ―GTPにおいては、摂取期間中に正常値範囲内での変動がみられたが、有意差は認められなかった。また、腎機能に関連するBUN,クレアチニン、尿酸値に異常は認められなかった。
一方、血中における電解質系のNa、Clは摂取前に対し、高値(paired t−test:P<0.005〜P<0.001)を示したが、正常値内での変動であった。また総ビリルビン値は摂取前が0.67±0.267 mg/dlであったのに対し、摂取12週目が0.52±0.26.6 mg/dlとなり、有意(paired t−test:P<0.05)な低下が認められた。直接ビリルビンにおいては変化が認められなかった。
血液生化学検査値の変動(長期摂取試験)を図11に示した。
総タンパク値に変化は認められなかった。一方、アルブミンは、摂取4週目の値が他の摂取期の値よりも低い傾向にあり、摂取前に対し有意差(paired t−test:P<0.05)が認められた。また、脂質代謝に関しては、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロールなどに差は認められなかったが、遊離脂肪酸において摂取前に対し12週目に有意差(paired t−test:P<0.05)が認められた。肝機能に関連するAST、ALT、γ―GTPにおいては、摂取期間中に正常値範囲内での変動がみられたが、有意差は認められなかった。また、腎機能に関連するBUN,クレアチニン、尿酸値に異常は認められなかった。
一方、血中における電解質系のNa、Clは摂取前に対し、高値(paired t−test:P<0.005〜P<0.001)を示したが、正常値内での変動であった。また総ビリルビン値は摂取前が0.67±0.267 mg/dlであったのに対し、摂取12週目が0.52±0.26.6 mg/dlとなり、有意(paired t−test:P<0.05)な低下が認められた。直接ビリルビンにおいては変化が認められなかった。
血液生化学検査値の変動(長期摂取試験)を図11に示した。
3−5・血液学検査
平均赤血球血色素量(MCH)において、摂取前と摂取8週目との間に有意差(paired t−test:P<0.05)が認められたが、他の検査項目に変化は認められなかった。
血液学検査値及び尿検査値の変動(長期摂取試験)を図12に示した。
平均赤血球血色素量(MCH)において、摂取前と摂取8週目との間に有意差(paired t−test:P<0.05)が認められたが、他の検査項目に変化は認められなかった。
血液学検査値及び尿検査値の変動(長期摂取試験)を図12に示した。
3−6・尿検査
図12の如く、尿pH、尿比重に変化は認められず、定性検査においても、尿タンパク、尿糖及び潜血反応に陽性者は認められなかった。また、肝機能、腎機能障害を示す定性反応は認められなかった。
考察
デンプンの部分分解物である焼成デキストリンのうち、酵素(α―アミラーゼ、グルコアミラーゼ)処理した後、難消化性成分のみを精製し調整した水溶性食物繊維は難消化性デキストリンと呼ばれ、便性改善、脂質代謝改善、糖代謝改善などの生理作用が報告されている。通常のデキストリン同様に低粘性、低甘味、高安定性などの物性を有し、さまざまな食品に加工し易い利点がある。しかしながら、還元末端のメイラード反応による着色度及び経時的な着色度の増加により、透明性が要求され、着色が商品価値に影響を与える加工食品などへの利用は困難であった。そこで、その改善を目的に、着色に対して安定な還元タイプ難消化性デキストリンが開発された。これは、難消化性デキストリンに水素を添加し、還元末端を糖アルコール化することによって褐変などに対する安定性を高めたものであり、通常の難消化性デキストリン同様に便通改善効果、過剰摂取及び長期摂取における安全性が証明されている。
図12の如く、尿pH、尿比重に変化は認められず、定性検査においても、尿タンパク、尿糖及び潜血反応に陽性者は認められなかった。また、肝機能、腎機能障害を示す定性反応は認められなかった。
考察
デンプンの部分分解物である焼成デキストリンのうち、酵素(α―アミラーゼ、グルコアミラーゼ)処理した後、難消化性成分のみを精製し調整した水溶性食物繊維は難消化性デキストリンと呼ばれ、便性改善、脂質代謝改善、糖代謝改善などの生理作用が報告されている。通常のデキストリン同様に低粘性、低甘味、高安定性などの物性を有し、さまざまな食品に加工し易い利点がある。しかしながら、還元末端のメイラード反応による着色度及び経時的な着色度の増加により、透明性が要求され、着色が商品価値に影響を与える加工食品などへの利用は困難であった。そこで、その改善を目的に、着色に対して安定な還元タイプ難消化性デキストリンが開発された。これは、難消化性デキストリンに水素を添加し、還元末端を糖アルコール化することによって褐変などに対する安定性を高めたものであり、通常の難消化性デキストリン同様に便通改善効果、過剰摂取及び長期摂取における安全性が証明されている。
そこで、本研究では、難消化性デキストリンを5g〜10g用いた、これまでの食後血糖値上昇抑制における検討結果に準じ、還元タイプ難消化性デキストリンを250ml中に5g含有する清涼飲料水(試験飲料)を調製し、その食後血糖値上昇に与える影響及び長期摂取における有効性及び安全性について検討した。
食後の血糖値上昇抑制に与える影響については、負荷食+試験飲料又はプラセボ飲料摂取による単回摂取試験を、ダブルブラインド・クロスオーバー法にて行った。その結果、試験飲料摂取群における30、60分後の血糖値はプラセボ飲料摂取群に対し、有意に低値(P<0.05)であった。更に、プラセボ飲料摂取群の30分値が平均値以上であった食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)においては、その効果がより顕著であった(30分値P=0.0195)。一方、平均値未満であった食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)では差が認められなかった。以上より、還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水は、難消化性デキストリンを用いたこれまでの食後血糖値上昇抑制における検討結果と同様に、食後血糖値及び食後血糖値が上がりやすい被験者の血糖値上昇を有意に抑制することが示された。
一方、血中インスリン値は、全例、Hグループ及びLグループのいずれにおいても、両飲料間に有意差は認められず、海野らの報告と異なる結果となった。その要因として、本試験(被験者数:男子15名、女子7名)では、インスリン濃度の頂値が30分値であったのに対し、海野らの試験(被験者数:男子23名)では60分値であったこと、また、本試験の負荷食摂取条件が、おにぎり320g(541Kcal)の15分以内における摂取であったのに対し、海野らの摂取条件が、米飯300g(453Kcal)の5〜10分以内での摂取であったことが考えられ、負荷食摂取時間及び男女の混在比に起因した、血糖値上昇に伴うインスリン分泌閾値の個人差による影響が考えられた。
食後の血糖値上昇抑制に与える影響については、負荷食+試験飲料又はプラセボ飲料摂取による単回摂取試験を、ダブルブラインド・クロスオーバー法にて行った。その結果、試験飲料摂取群における30、60分後の血糖値はプラセボ飲料摂取群に対し、有意に低値(P<0.05)であった。更に、プラセボ飲料摂取群の30分値が平均値以上であった食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)においては、その効果がより顕著であった(30分値P=0.0195)。一方、平均値未満であった食後血糖値の上がりにくいグループ(Lグループ)では差が認められなかった。以上より、還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水は、難消化性デキストリンを用いたこれまでの食後血糖値上昇抑制における検討結果と同様に、食後血糖値及び食後血糖値が上がりやすい被験者の血糖値上昇を有意に抑制することが示された。
一方、血中インスリン値は、全例、Hグループ及びLグループのいずれにおいても、両飲料間に有意差は認められず、海野らの報告と異なる結果となった。その要因として、本試験(被験者数:男子15名、女子7名)では、インスリン濃度の頂値が30分値であったのに対し、海野らの試験(被験者数:男子23名)では60分値であったこと、また、本試験の負荷食摂取条件が、おにぎり320g(541Kcal)の15分以内における摂取であったのに対し、海野らの摂取条件が、米飯300g(453Kcal)の5〜10分以内での摂取であったことが考えられ、負荷食摂取時間及び男女の混在比に起因した、血糖値上昇に伴うインスリン分泌閾値の個人差による影響が考えられた。
長期摂取による安全性については、アンケート調査問診、自覚症状、生理学検査、糖代謝関連検査、血液生化学検査,血液学検査、尿検査値の各検査項目より評価した。
アンケート調査及び問診、自覚症状において、治療を必要とする有害事項の発現は認められなかった。しかしながら、腹部症状のうち愁訴が最も多かった膨満感を訴えた被験者が18名中11名見られ、その出現率が12週間の摂取期間中、全日数の15%を占める軽視できない副次作用の発現が認められた。この原因として、難消化性デキストリン由来の食物繊維の大部分が、消化されずに大腸に到達することから、その発酵により生じたガスが大腸内に充満し膨満感を誘発したものと考えられた。但しこれは、難消化性デキストリンをよく資化するBifidobacteriumの腸内細菌叢における占有率が次第に高まることによって、改善されていくことが知られており、本試験における膨満感の愁訴率においても、摂取期の後半に減少が認められた。一方、その他の愁訴は、何れも一過性の発症と考えられ、持続的な発現はみられなかった。
アンケート調査及び問診、自覚症状において、治療を必要とする有害事項の発現は認められなかった。しかしながら、腹部症状のうち愁訴が最も多かった膨満感を訴えた被験者が18名中11名見られ、その出現率が12週間の摂取期間中、全日数の15%を占める軽視できない副次作用の発現が認められた。この原因として、難消化性デキストリン由来の食物繊維の大部分が、消化されずに大腸に到達することから、その発酵により生じたガスが大腸内に充満し膨満感を誘発したものと考えられた。但しこれは、難消化性デキストリンをよく資化するBifidobacteriumの腸内細菌叢における占有率が次第に高まることによって、改善されていくことが知られており、本試験における膨満感の愁訴率においても、摂取期の後半に減少が認められた。一方、その他の愁訴は、何れも一過性の発症と考えられ、持続的な発現はみられなかった。
生理学検査においては、男女とも体重、体脂肪率が摂取前に対し、摂取期間に高い値を示した(図9)。その理由として、摂取した期間が10月〜12月であったことから、冬場に向かい体重増加の変動を受けた可能性が考えられた。
糖代謝関連検査においては、FBG、GHbAlc、フルクトサミン及びインスリン値に変化は認められなかった(図10)。その理由として、被験者(FBG:90.7±6.27mg/dl)の糖代謝機能による影響が考えられ、食後血糖値の上がりにくい被験者に対する低血糖などの懸念から、安全性を裏付ける有用な特性と考えられた。一方、インスリン値の12週目が他期と大差を示した。その原因は、18名中1名の12週目値が70.6μU/mlであったことに起因するが、この被験者の摂取前が8.35μU/ml、4週目が10.1μU/ml、8週目が8.6μU/ml であったこと、更に、12週目の空腹時血糖値が87mg/dlであったことから、一過性の変動と判断された。また、血液生化学検査においては、いくつかの項目で摂取期間毎の比較において有意差が認められ、数値の散見がみられたが、何れも、正常値以内の変動であり、試験飲料が影響を与えるものではないと考えられた。一方、血液学検査、尿検査値には変化は認められなかった(図11,図12)。
糖代謝関連検査においては、FBG、GHbAlc、フルクトサミン及びインスリン値に変化は認められなかった(図10)。その理由として、被験者(FBG:90.7±6.27mg/dl)の糖代謝機能による影響が考えられ、食後血糖値の上がりにくい被験者に対する低血糖などの懸念から、安全性を裏付ける有用な特性と考えられた。一方、インスリン値の12週目が他期と大差を示した。その原因は、18名中1名の12週目値が70.6μU/mlであったことに起因するが、この被験者の摂取前が8.35μU/ml、4週目が10.1μU/ml、8週目が8.6μU/ml であったこと、更に、12週目の空腹時血糖値が87mg/dlであったことから、一過性の変動と判断された。また、血液生化学検査においては、いくつかの項目で摂取期間毎の比較において有意差が認められ、数値の散見がみられたが、何れも、正常値以内の変動であり、試験飲料が影響を与えるものではないと考えられた。一方、血液学検査、尿検査値には変化は認められなかった(図11,図12)。
以上より、還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水は、難消化性デキストリンを用いたこれまでの食後血糖値上昇抑制における検討結果と同様に、食後の血糖値上昇を有意に抑制し、長期摂取においても、臨床上問題のないことが確認された。
還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水の食後血糖値上昇に与える影響及び長期摂取における安全性について検討した。その結果、
(1)還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水の摂取は、食後の血糖値上昇を有意に抑制することが示された。
(2)また、その効果は食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)においてより顕著であった。一方、上がりにくいグループ(Lグループ)においては、有意差が認められず、他の難消化性デキストリンの報告結果と一致した。
長期摂取時の安全性について、12週間連続摂取時における腹部症状及び臨床検査値を指標に評価した結果、異常所見は認められなかった。
(1)還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水の摂取は、食後の血糖値上昇を有意に抑制することが示された。
(2)また、その効果は食後血糖値の上がりやすいグループ(Hグループ)においてより顕著であった。一方、上がりにくいグループ(Lグループ)においては、有意差が認められず、他の難消化性デキストリンの報告結果と一致した。
長期摂取時の安全性について、12週間連続摂取時における腹部症状及び臨床検査値を指標に評価した結果、異常所見は認められなかった。
以上本研究により、還元タイプ難消化性デキストリン含有清涼飲料水の食後血糖値上昇抑制効果及び長期摂取における安全性が確認され、糖尿病予防における補助手段としての有用性が示唆された。
血糖値の安定化以外に、便秘の改善、中性脂肪の減少にも寄与し得るものと倣される。
血糖値の安定化以外に、便秘の改善、中性脂肪の減少にも寄与し得るものと倣される。
本発明による還元性デキストリン配合飲料水は、ミネラルウォータ3a>ミネラル濃縮水n3>還元性デキストリン5aに限定されるものではなく、ミネラルウォータ3a>ミネラル濃縮水n3=還元性デキストリン5aに配合したり、ミネラルウォータ3a>還元性デキストリン5a>ミネラル濃縮水n3に配合することも可能でsる。
1 ミネラル含有水
2 脱塩深層水
3 天然水、3a ミネラルウォータ
4 難消化性糖デンプン
5 デキストリン、5a 還元性デキストリン
10 第一処理装置、11 イオン交換膜
20 第二処理装置、21 イオン交換膜
M 海洋深層水、N 日本海固有冷水
m1,n1 淡水、m2,n2 濃縮深層水
m3,n3 ミネラル濃縮水、m4,n4 濃塩水
2 脱塩深層水
3 天然水、3a ミネラルウォータ
4 難消化性糖デンプン
5 デキストリン、5a 還元性デキストリン
10 第一処理装置、11 イオン交換膜
20 第二処理装置、21 イオン交換膜
M 海洋深層水、N 日本海固有冷水
m1,n1 淡水、m2,n2 濃縮深層水
m3,n3 ミネラル濃縮水、m4,n4 濃塩水
Claims (9)
- ミネラル含有水(1)と難消化性デンプン(4)とを、主に血糖値の安定化に寄与し得るように混合していることを特徴とする機能性飲料水。
- ミネラル含有水(1)として陸系の天然水(3)と、海面下200メートル以深の海洋深層水(M)より分離して得た脱塩深層水(2)との少なくとも一方を用いていることを特徴とする請求項1記載の機能性飲料水。
- 天然水(3)が地下から汲み上げたミネラルウォーター(3a)であり、海洋深層水(M)が富山湾で採集した日本海固有冷水(N)であり、脱塩深層水(2)が多段式電気透析法により分離した日本海固有冷水(N)のミネラル濃縮水(n3)であることを特徴とする請求項2記載の機能性飲料水。
- 難消化性デンプン(4)がデキストリン(5)であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の機能性飲料水。
- デキストリン(5)が還元性デキストリン(5a)であることを特徴とする請求項4記載の機能性飲料水。
- ミネラルウォータ(3a)と、日本海固有冷水(N)より脱塩したミネラル濃縮水(n3)と、還元性デキストリン(5a)とから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ(3a)>ミネラル濃縮水(n3)>還元性デキストリン(5a)の関係にあることを特徴とする機能性飲料水。
- ミネラルウォータ(3a)と、日本海固有冷水(N)より脱塩したミネラル濃縮水(n3)と、還元性デキストリン(5a)とから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ(3a)>ミネラル濃縮水(n3)=還元性デキストリン(5a)の関係にあることを特徴とする機能性飲料水。
- ミネラルウォータ(3a)と、日本海固有冷水(N)より脱塩したミネラル濃縮水(n3)と、還元性デキストリン(5a)とから成り、それらの含有割合がミネラルウォータ(3a)>還元性デキストリン(5a)>ミネラル濃縮水(n3)の関係にあることを特徴とする機能性飲料水。
- ミネラルウォータ(3a)とミネラル濃縮水(n3)と還元性デキストリン(5a)とを、血糖値の上昇抑制と高血糖値の降下とに作用し、安定化に寄与するように混合していることを特徴とする請求項6,7または8記載の機能性飲料水。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007012436A JP2008179544A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 機能性飲料水 |
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JP2007012436A JP2008179544A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 機能性飲料水 |
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JP2008179544A true JP2008179544A (ja) | 2008-08-07 |
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JP2007012436A Pending JP2008179544A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 機能性飲料水 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008179544A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018065929A (ja) * | 2016-10-19 | 2018-04-26 | 日本ペイント株式会社 | 二液混合形塗料組成物 |
-
2007
- 2007-01-23 JP JP2007012436A patent/JP2008179544A/ja active Pending
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