JP2008158273A - 電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
気光学装置を提供する。
【解決手段】素子基板11と対向基板70との間隙に封入された液晶Eと、素子基板11
上に形成されて外部環境の明るさを検知するPINダイオード31と、PINダイオード
31からの光電流信号に基づいて、バックライトの輝度を調節する制御部とを備える。P
INダイオード31に対する外光L2の入射経路上であって、PINダイオード31より
も表示面側に、緑色の光を強調した上で外光L2をPINダイオード31に出射する誘電
体多層膜からなる波長選択フィルタ50を設けた。
【選択図】図2
Description
徴を有しており、様々な分野で広く利用されている。とくに、薄型化の観点から、携帯電
話の表示画面、テレビ等の表示ディスプレイ、広告用ディスプレイ等の電子機器への応用
が広がっている。
明に見えるように、表示部の輝度が十分高く設定されている。しかしながら、このように
表示部の輝度が設定されると、外部環境が暗い(外光照度が低い)場合でも、表示部の輝
度が外部環境に対して高いままであり、消費電力を低減することができないという問題が
ある。とくに、携帯電話のような携帯型の電子機器の場合には、消費電力を抑えることは
重要な問題である。
的に調節する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1
の液晶表示装置は、外部環境の明るさを検知する受光素子を備え、その受光素子により検
知される外部環境の明るさに応じてバックライトの輝度を調節するようになっている。な
お、有機EL表示装置についても、特許文献1と同様の受光素子を備え、その受光素子に
より検知される外部環境の明るさに応じて、各有機EL素子に供給されるデータ信号の最
大値を調節することにより、表示部の輝度を自動的に調節することが考えられる。
この受光素子の分光感度特性が人間の目で感じる視感度とは特性が大きく異なっている。
すなわち、この種の受光素子の分光感度は、赤外光領域に広がっており、555nm付近
にピーク感度を持つ視感度特性とは大きく特性が異なる。従って、この種の受光素子を利
用した場合には、人間が感じる外部環境の明るさに応じて表示部の輝度を正確に調節する
ことができないため、結果的に十分な低消費電力化を実現できないという問題がある。
る外部環境の明るさに応じて表示部の輝度を調節することのできる電気光学装置を提供す
ることにある。
されて外部環境の明暗を検知する受光素子と、前記受光素子による検知結果に基づいて、
前記表示素子の輝度を調節する制御部とを備えた電気光学装置において、前記受光素子に
対する入射光の入射経路上であって、前記受光素子よりも該入射光の入射面側に、緑色の
光を強調した上で前記入射光を前記受光素子に出射するように透過率が設定された誘電体
多層膜からなる波長選択フィルタを設けた。
0nm〜560nmの範囲の波長の光)を強調して、すなわち入射光のうち緑色の光を他
の色の波長の光よりも多く透過させて、受光素子に出射する。従って、この波長選択フィ
ルタを介して入射光が入射される受光素子の分光感度特性は、約555nmにピーク感度
を持ち緑色の光に対する感度が高い人間の視感度特性と近似した特性となる。これにより
、人間が感じる外部環境の明るさに応じて表示素子の輝度を調節することができるように
なる。その結果、この電気光学装置の低消費電力化を十分に実現することができる。また
、受光素子を表示素子の形成された素子基板上に形成したため、外付けの受光素子を設け
る場合に比べてコストを低減することができる。すなわち、上記構成によれば、外付けの
受光素子を設ける場合に必要となる、独立して受光素子を製造する工程と、その受光素子
と電気光学装置とを結合する工程とが必要ないため、製造工程数及びコストを低減するこ
とができる。
素子を含んで構成される複数の画素回路を備え、前記波長選択フィルタの少なくとも一部
の誘電体膜が前記各画素回路におけるゲート絶縁膜を兼ねるようにしてもよい。
設けられているゲート絶縁膜として兼用されるため、波長選択フィルタを形成することに
よる装置の大型化を抑制することができる。
縁膜の最下層を兼ねるようにしてもよい。
この電気光学装置によれば、より多くの誘電体膜を、従来から設けられているゲート絶
縁膜として兼用することも可能となる。
素子を含んで構成される複数の画素回路を備え、前記波長選択フィルタの少なくとも一部
の誘電体膜が前記各画素回路における各ゲート電極の上面に形成される層間絶縁膜を兼ね
るようにしてもよい。
設けられている層間絶縁膜として兼用されるため、波長選択フィルタを形成することによ
る装置の大型化を抑制することができる。とくに、波長選択フィルタの最下層の誘電体膜
がゲート電極の最下層を兼ねる場合には、波長選択フィルタの略全ての誘電体膜を、従来
から設けられているゲート絶縁膜及び層間絶縁膜として兼用することも可能となる。これ
により、波長選択フィルタの形成による装置の大型化をより好適に抑制することができる
。
m Transistor)からなるとともに、前記受光素子は、ポリシリコンからなるフォトダイオ
ードあるいはフォトトランジスタから構成されるようにしてもよい。
とができるため、製造工程数の増大を抑制することができる。
この電気光学装置によれば、前記波長選択フィルタを構成する前記誘電体多層膜は、低
屈折率の誘電体からなる低屈折率層と、前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率の誘電
体からなる高屈折率層とが交互に積層されてなるようにしてもよい。
膜により、入射光のうち緑色の光が強調されて受光素子に出射される。
この電気光学装置によれば、前記低屈折率層はシリコン酸化膜からなるとともに、前記
高屈折率層はシリコン窒化膜からなるようにしてもよい。
窒化膜から形成される。従って、この電気光学装置によれば、従来から設けられるゲート
絶縁膜や層間絶縁膜と同一の材料及び製造方法により波長選択フィルタが形成されるため
、該波長選択フィルタを形成するための新たな材料及び製造装置等を必要とせず、容易に
波長選択フィルタを形成することができる。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1は、電気光学装置としての液晶表示装置の回路構成を示すブロック図、図2は、表
示部における画素回路と光センサの要部断面図である。
は、液晶分子を封入した四角形状の表示部12が形成されている。この表示部12には、
スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)20を含む画素回路Pがマトリク
ス状に配置された画素領域13が備えられている。すなわち、画素領域13内の各画素回
路Pは、行方向(図1において横方向)に沿って延設された複数の走査線Sと、列方向(
図1において縦方向)に沿って延設された複数のデータ線Dとの交差部にそれぞれ配設さ
れている。各走査線S及び各データ線Dは、表示部12の外側に形成されている走査線駆
動回路14及びデータ線駆動回路15にそれぞれ接続されている。また、表示部12であ
って画素領域13の外側には、複数の光センサ30が形成されている。これら光センサ3
0は、外部環境の明るさを検知する。詳しくは、各光センサ30は、外光を受光してその
外光に基づく光電流信号を制御部16に出力する。なお、各光センサ30の上面には、後
述する波長選択フィルタ50(図2参照)が設けられている。また、本実施形態では、各
光センサ30は、PINダイオード31(図2参照)から構成されている。
ち、制御部16は、図示しない外部装置から入力される表示データに基づいて、走査線駆
動回路14及びデータ線駆動回路15へ送る各種信号を生成する。
の下面に設けられたバックライト17の平面光L1の光量(輝度)を調節する。制御部1
6は、例えば光センサ30からの光電流信号とバックライト17の平面光L1の輝度との
相関を予め設定したテーブル値に基づいて、バックライト17の平面光L1の輝度を調節
する。詳述すると、制御部16は、光センサ30からの光電流信号が大きい(外部環境が
明るい)場合には、バックライト17の平面光L1の輝度を高くするとともに、光センサ
30からの光電流信号が小さい(外部環境が暗い)場合には、バックライト17の平面光
L1の輝度を低くする。
駆動回路15は、制御部16からの信号に基づいてデータ信号を生成する。液晶表示装置
10は、走査線駆動回路14の走査信号及びデータ線駆動回路15のデータ信号に基づい
て、表示部12内の各画素回路P毎に液晶分子の配向状態を制御するようになっている。
そして、液晶表示装置10は、上記素子基板11の下面に設けられたバックライト17か
らの平面光L1を液晶分子の配向状態によって変調して、表示部12に所望の画像を表示
するようになっている。このとき、バックライト17は、制御部16によって、その平面
光L1の輝度が外部環境の明るさに応じて調節されている。
15及び制御部16は、それぞれが独立した電子部品(例えば、1チップの半導体集積回
路装置)によって構成されてもよい。また、表示部12、走査線駆動回路14、データ線
駆動回路15及び制御部16の全部もしくは一部が一体となった電子部品として構成され
ていてもよい。例えば、表示部12に、走査線駆動回路14とデータ線駆動回路15とが
一体に形成されていてもよい。表示部12、走査線駆動回路14、データ線駆動回路15
及び制御部16の全部若しくは一部がプログラマブルなICチップで構成され、その機能
がICチップに書き込まれたプログラムによりソフトウェア的に実現されてもよい。
って説明する。
図2に示すように、素子基板11の素子形成面11aにおける表示部12には、バック
ライト17からTFT20への平面光L1の入射を遮断するための遮光膜41と、バック
ライト17から光センサ30への平面光L1の入射を遮断するための遮光膜42が形成さ
れている。両遮光膜41,42の上側には、素子形成面11aの表示部12略全面を覆う
ように堆積されたシリコン酸化膜(SiO2)等からなる絶縁膜43が形成されている。
シリコンからなる半導体層22が形成されている。半導体層22は、その中央位置に形成
されたP型のチャネル領域22cを備え、そのチャネル領域22cの両側にN型のソース
領域22s及びドレイン領域22dを有している。
イオード31が形成されている。PINダイオード31は、その中央位置に形成されたI
型のポリシリコンからなるI型領域32iを備え、そのI型領域32iの両側にポリシリ
コンからなるN型領域32n及びP型領域32pを有している。
全面を覆うように堆積されたシリコン酸化膜等からなるゲート絶縁膜46が形成されてい
る。このゲート絶縁膜46の上面であって半導体層22のチャネル領域22cの上方には
、上記走査線Sから延出されたゲート電極24が形成されている。なお、ソース領域22
s及びドレイン領域22dは、このゲート電極24をマスクにしたリンイオンのイオン注
入により自己整合的に形成されている。これらゲート電極24,ソース領域22s及びド
レイン領域22dによりスイッチング素子としてのTFT20が形成されている。
ルBHが形成されている。このビアホールBH内、すなわちPINダイオード31のI型
領域32i上には、波長選択フィルタ50が形成されている。この波長選択フィルタ50
は、液晶表示装置10の外部(図2において上側)から入射される入射光としての外光L
2を、緑色の光(500nm〜560nmの範囲の波長の光)を強調した上で、その波長
選択フィルタ50の下方に形成されたPINダイオード31に出射する。詳しくは、波長
選択フィルタ50は、図3に示すように、500nm〜620nmの範囲の波長の光に対
して高い透過率を有し、とくに530nm〜580nmの範囲の波長の光に対して非常に
高い透過率を有し、約555nmの波長の光を略100%透過させる透過率特性を有して
いる。従って、この波長選択フィルタ50を透過した外光L2が入射されるPINダイオ
ード31の分光感度特性は、約555nm付近にピーク感度を持ち緑色の光に対する感度
が高い人間の視感度特性に近似した特性となる。
図2に示すように、PINダイオード31のI型領域32i、ゲート電極24及びゲー
ト絶縁膜46の上側には、素子形成面11aの表示部12略全面を覆うように堆積された
シリコン窒化膜(SiN)からなる第1誘電体膜51が形成されている。この第1誘電体
膜51は、その膜厚が約75nmになるように形成されている。第1誘電体膜51の上側
略全面には、シリコン酸化膜からなる第2誘電体膜52が形成されている。この第2誘電
体膜52は、その膜厚が約90nmになるように形成されている。
されている。この第3誘電体膜53は、その膜厚が約75nmになるように形成されてい
る。第3誘電体膜53の上側略全面には、シリコン酸化膜からなる第4誘電体膜54が形
成されている。この第4誘電体膜54は、その膜厚が約90nmになるように形成されて
いる。
されている。この第5誘電体膜55は、その膜厚が約75nmになるように形成されてい
る。第5誘電体膜55の上側略全面には、シリコン酸化膜からなる第6誘電体膜56が形
成されている。この第6誘電体膜56は、その膜厚が約90nmになるように形成されて
いる。
シリコン窒化膜)と、そのシリコン窒化膜の屈折率よりも低い屈折率の誘電体からなる低
屈折率層(シリコン酸化膜)とを交互に積層した誘電体多層膜からなる。図3に示した波
長選択フィルタ50の透過率特性は、該波長選択フィルタ50を構成する各誘電体膜の膜
厚及び屈折率により調節される。すなわち、本実施形態では、波長選択フィルタ50の透
過率特性は、約555nmの波長の光に対して最大透過率(例えば、100%の透過率)
を有し、緑色の光に対して高い透過率(例えば、90%以上の透過率)を有するように、
各誘電体膜の材料及び膜厚が設定されている。このように波長選択フィルタ50の透過率
特性を設定することにより、PINダイオード31の分光感度特性を人間の視感度特性に
近似させることができる。
択フィルタ50として機能するとともに、TFT20を含む表示部12では、第1層間絶
縁膜61として機能する。すなわち、表示部12における第1層間絶縁膜61は、波長選
択フィルタ50(第1誘電体膜51〜第6誘電体膜56)から構成されている。
しての第1誘電体膜51〜第6誘電体膜56を貫通するコンタクトホールH1が形成され
ている。このコンタクトホールH1内には、アルミニウム等からなる導電膜によってソー
ス領域22sに電気的に接続された上記データ線Dが形成されている。一方、半導体層2
2のドレイン領域22d上には、ゲート絶縁膜46及び第1層間絶縁膜61としての第1
誘電体膜51〜第6誘電体膜56を貫通するコンタクトホールH2が形成されている。こ
のコンタクトホールH2内には、アルミニウム等からなる導電膜によってドレイン領域2
2dに電気的に接続されたドレイン電極62が形成されている。
1〜第6誘電体膜56を貫通するコンタクトホールH3が形成されている。このコンタク
トホールH3内には、アルミニウム等からなる導電膜によってN型領域32nに電気的に
接続された第1電極63が形成されている。一方、PINダイオード31のP型領域32
p上には、ゲート絶縁膜46及び第1誘電体膜51〜第6誘電体膜56を貫通するコンタ
クトホールH4が形成されている。このコンタクトホールH4内には、アルミニウム等か
らなる導電膜によってP型領域32pに電気的に接続された第2電極64が形成されてい
る。そして、PINダイオード31は、これら第1電極63及び第2電極64を介して制
御部16(図1参照)に接続されている。このPINダイオード31は、波長選択フィル
タ50を透過して入射される外光L2を受光し、その外光L2に基づく光電流信号を制御
部16に出力する。このとき、PINダイオード31は、前述のように分光感度特性が人
間の視感度特性に近似しているため、人間が感じる外部環境の明るさに応じた光電流信号
を制御部16に出力する。制御部16は、PINダイオード31からの光電流信号に基づ
いて、バックライト17の平面光L1の輝度を調節する。従って、これら波長選択フィル
タ50、PINダイオード31及び制御部16により、人間が感じる外部環境の明るさに
応じてバックライト17の平面光L1の輝度を調節することができる。
縁膜61を覆うように、シリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁膜65が形成されている
。
されている。このコンタクトホールH5内には、ITO等からなる透明導電膜によってド
レイン電極62に電気的に接続された画素電極66が画素回路P毎に形成されている。
上に形成されたTFT20に対向する位置には、対向基板70の上面(表示面)から入射
される外光L2のTFT20への入射を遮断する遮光性材料からなるブラックマトリクス
BMが形成されている。このブラックマトリクスBMの両側には、特定の波長の光(例え
ば、赤色の光、緑色の光、青色の光等)のみを透過させるカラーフィルタCFが形成され
ている。このカラーフィルタCFにより、バックライト17の光L1のうちの特定の波長
の光のみが表示光として表示面に出射されるようになっている。
うようにアクリル樹脂等からなる有機平坦化膜71が形成されている。有機平坦化膜71
の下面には、ITO(Indium-Tin-Oxide)等の光透過性の導電材料からなる対向電極72
が、画素電極66に対する共通電極として画素回路P毎に区画されずに対向基板70全面
にわたって形成されている。この対向電極72は、図示しない電源回路に電気的に接続さ
れ、その電源回路から所定の電圧が供給されるようになっている。
かい合うように配置されて、その画素電極66と対向電極72との間には、液晶Eが封入
されている。
(1)本実施形態によれば、PINダイオード31の上部、詳しくはPINダイオード
31に対する外光L2の入射経路上であって、PINダイオード31よりも表示面側に、
波長選択フィルタ50を設けた。この波長選択フィルタ50は、低屈折率層と高屈折率層
が交互に積層された誘電体多層膜からなり、緑色の光に対して高い透過率を有するように
設定された。これにより、この波長選択フィルタ50を透過した外光L2が入射されるP
INダイオード31の分光感度特性を、人間の視感度特性に近似させることができる。そ
して、制御部16は、このPINダイオード31からの光電流信号に基づいてバックライ
ト17の平面光L1の輝度を調節する。従って、これら波長選択フィルタ50、PINダ
イオード31及び制御部16により、人間が感じる外部環境の明るさに応じてバックライ
ト17の平面光L1の輝度を調整することができる。その結果、液晶表示装置10の低消
費電力化を十分に実現することができる。
56を、表示部12において第1層間絶縁膜61として兼用した。この第1層間絶縁膜6
1は、波長選択フィルタ50が形成されない液晶表示装置においても通常形成されるもの
であるため、波長選択フィルタ50を形成することによる液晶表示装置10の大型化を好
適に抑制することができる。
ックライト17からの光L1は、その第1層間絶縁膜61(波長選択フィルタ50)によ
り緑色の光が強調されてカラーフィルタCFに入射される。通常、カラーフィルタCFを
使用してカラー画像を表示する表示装置では、人間の視感度特性に合わせるために、RG
Bの三原色のカラーフィルタのうち緑色(G)のカラーフィルタの数(領域)を、他の赤
色(R)や青色(B)のカラーフィルタと比べて多く(大きく)形成している。これに対
して、本実施形態の液晶表示装置10の場合には、緑色の光が強調された光がカラーフィ
ルタCFに入射されるため、RGBのカラーフィルタを均一に形成したとしても、カラー
画像を好適に表示することができる。
形成され、高屈折率層がシリコン窒化膜から形成される。これらシリコン酸化膜及びシリ
コン窒化膜は、従来の液晶表示装置におけるゲート絶縁膜及び層間絶縁膜としてよく利用
される材料である。従って、波長選択フィルタ50を、従来使用される材料や製造方法に
よって容易に形成することができる。また、このようなシリコン酸化膜及びシリコン窒化
膜から波長選択フィルタ50を形成したことにより、本実施形態のように、高温処理の必
要なポリシリコンTFT20を備えた液晶表示装置にも波長選択フィルタ50を適用する
ことができる。
TFT20と、受光素子としてポリシリコンからなるPINダイオード31とを形成した
。これにより、TFT20とPINダイオード31とを同一プロセスにより同時に形成す
ることができるため、製造工程数の増大を抑制することができる。
設ける場合に比べてコストを低減することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。先の図1〜
図3に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素につ
いての詳細な説明は省略する。
いる。この波長選択フィルタ80は、外光L2を、緑色の光を強調した上で、その波長選
択フィルタ80の下方に形成されたPINダイオード31に出射する。詳しくは、波長選
択フィルタ80は、図5に示すように、510nm〜590nmの範囲の波長の光に対し
て高い透過率を有し、とくに530nm〜560nmの範囲の波長の光に対して非常に高
い透過率を有し、約550nmの波長の光に対して最大透過率となる透過率特性を有して
いる。従って、この波長選択フィルタ80を透過した外光L2が入射されるPINダイオ
ード31の分光感度特性は、緑色の光に対する感度が高い人間の視感度特性に近似した特
性となる。
半導体層22及びPINダイオード31の上側には、素子形成面11aの表示部12略
全面を覆うように堆積されたシリコン酸化膜からなる第1誘電体膜81が形成されている
。この第1誘電体膜81は、その膜厚が約80nmになるように形成されている。第1誘
電体膜81の上側略全面には、シリコン窒化膜からなる第2誘電体膜82が形成されてい
る。この第2誘電体膜82は、その膜厚が150nmになるように形成されている。
線Sから延出されたゲート電極24が形成されている。これより、第1誘電体膜81及び
第2誘電体膜82は、PINダイオード31上では、波長選択フィルタ80として機能す
るとともに、TFT20を含む表示部12では、ゲート絶縁膜46として機能する。すな
わち、ゲート絶縁膜46は、第1誘電体膜81及び第2誘電体膜82とから構成される。
に堆積されたシリコン酸化膜からなる第3誘電体膜83が形成されている。この第3誘電
体膜83は、その膜厚が80nmになるように形成されている。第3誘電体膜83の上側
略全面には、シリコン窒化膜からなる第4誘電体膜84が形成されている。この第4誘電
体膜84は、その膜厚が80nmになるように形成されている。第4誘電体膜84の上側
略全面には、シリコン酸化膜からなる第5誘電体膜85が形成されている。この第5誘電
体膜85は、その膜厚が20nmになるように形成されている。
誘電体膜85から構成され、比較的屈折率の低い(低屈折率の)誘電体からなる低屈折率
層(シリコン酸化膜)と、そのシリコン酸化膜の屈折率よりも高い屈折率の誘電体からな
る高屈折率層とを交互に積層した誘電体多層膜からなる。図5に示した波長選択フィルタ
80の透過率特性は、該波長選択フィルタ80を構成する各誘電体膜の膜厚及び屈折率に
より調節される。すなわち、本実施形態では、波長選択フィルタ80の透過率特性は、約
550nmの波長の光に対して最大透過率を有し、緑色の光に対して高い透過率を有する
ように、各誘電体膜の材料及び膜厚が設定されている。
択フィルタ80として機能するとともに、TFT20を含む表示部12では、第1層間絶
縁膜61として機能する。
以下の効果を奏する。
(5)本実施形態によれば、波長選択フィルタ80の第1誘電体膜81(最下層の誘電
体膜)を、表示部12においてゲート絶縁膜46の最下層として兼用するとともに、第2
誘電体膜82を、表示部12において残り全てのゲート絶縁膜46として兼用した。この
ゲート絶縁膜46は、波長選択フィルタ80が形成されない液晶表示装置においても通常
形成されるものであるため、波長選択フィルタ80を形成することによる液晶表示装置1
0の大型化を好適に抑制することができる。さらに、波長選択フィルタ80の残り全ての
誘電体膜である第3誘電体膜83〜第5誘電体膜85を、表示部12において第1層間絶
縁膜61として兼用した。これにより、波長選択フィルタ80を形成することによる液晶
表示装置10の大型化をより好適に抑制することができる。
46の最下層として兼用した。そのため、第1実施形態のように、波長選択フィルタ80
とは別にゲート絶縁膜46を形成する工程と、PINダイオード31上のゲート絶縁膜4
6をエッチングする工程とを省略することができ、製造工程数の増大を抑制することがで
きる。
膜81をシリコン酸化膜により形成した。すなわち、ポリシリコンからなる半導体層22
及びPINダイオード31の上面と接する層を、安定した絶縁性を有するシリコン酸化膜
により形成した。これにより、高い電気的・物理的安定性を維持することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、受光素子としての光センサ30をPINダイオード31により
構成するようにしたが、例えば光センサ30をフォトトランジスタ、PNダイオードによ
り構成するようにしてもよい。
もよい。詳しくは、絶縁膜43上にゲート電極91が形成され、そのゲート電極91の上
側にゲート絶縁膜46が形成される。そして、このゲート絶縁膜46上面に、ポリシリコ
ンからなる半導体層92が形成される。なお、この半導体層92は、その中央位置に形成
されたP型のチャネル領域92c、そのチャネル領域92cの両側にN型のソース領域2
2s及びドレイン領域22dを有している。これらゲート電極91及び半導体層92から
フォトトランジスタ90が構成される。そして、上記半導体層92の上面に、例えば第2
実施形態における波長選択フィルタ80を形成することにより、第1実施形態及び第2実
施形態と略同様の効果を得ることができる。なお、図6に示すフォトトランジスタ90を
受光素子として使用する場合には、TFT20についてもフォトトランジスタ90と同様
の構造となるように形成することが好ましい。
電体膜56の全てを第1層間絶縁膜61として兼用するようにしたが、例えば図7に示す
ように、少なくとも1つの誘電体膜(ここでは、第1誘電体膜51)をゲート絶縁膜46
の一部として兼用するようにしてもよい。
1層間絶縁膜61を兼ねるようにしたが、例えば波長選択フィルタ50,80の誘電体膜
の少なくとも一部が第2層間絶縁膜65を兼ねるようにしてもよい。
電体膜56の全てを第1層間絶縁膜61として兼用するようにしたが、例えば第1誘電体
膜51〜第6誘電体膜56のうち1〜5つの誘電体膜(例えば、第1誘電体膜51のみ)
を第1層間絶縁膜61として兼用するようにしてもよい。
誘電体膜を2層としたが、例えばゲート絶縁膜46として兼用される誘電体膜を1層とし
てもよく、三層以上としてもよい。
ダイオード31及び表示部12上部全面に渡って形成するようにしたが、例えば波長選択
フィルタ50,80の少なくとも一部の誘電体膜を、PINダイオード31のI型領域3
2i上のみに形成するようにしてもよい。なお、この場合には、PINダイオード31の
I型領域32i以外の領域をフォトレジスト等でマスクして誘電体膜を形成する必要があ
る。
シリコン酸化膜により形成するようにしたが、例えば第1誘電体膜81をシリコン窒化膜
により形成するようにしてもよい。
率を有する透過率特性を有するように設定されれば、波長選択フィルタ50,80を構成
する誘電体膜数、各誘電体膜の膜厚及び材料は特に制限されない。
略するようにしてもよい。すなわち、液晶Eは、表示部12において画素領域13にのみ
封入されるようにしてもよい。
、素子基板11上であれば配置場所は特に制限されない。例えば、表示部12の四隅に光
センサ30を設けるようにしてもよい。
表示素子としての液晶Eの輝度を調節したが、これに限らず、例えば各TFT20に供給
されるデータ信号の最大値を調節することにより、液晶Eの輝度を調節するようにしても
よい。
れに限らず、例えばバックライト17側に対向基板70を配設する構成であってもよい。
・上記各実施形態では、フルカラー画像が表示可能な液晶表示装置10に具体化したが
、例えばモノクロ画像のみが表示可能な液晶表示装置に変更してもよい。
有機EL素子、無機EL素子を表示素子としてもよい。すなわち、各実施形態の波長選択
フィルタ50,80を、例えば有機EL表示装置に適用することもできる。この場合、人
間の感じる外部環境の明るさに応じて表示素子に供給されるデータ信号の最大値を調節す
ることにより、表示素子の輝度を調節することが好ましい。
対向する位置に緑色のカラーフィルタを形成する方法が考えられる。しかしながら、有機
EL表示装置の場合には、カラーフィルタを使用せずにカラー画像を表示させる場合があ
る。このような有機EL表示装置の場合には、緑色のカラーフィルタにより視感度特性に
近似させる方法では、緑色のカラーフィルタ分だけ装置が大型化することとなる。さらに
、カラーフィルタを形成するための新たな製造装置を必要とし、製造コストが増大するこ
ととなる。これに対して、上記各実施形態の波長選択フィルタ50,80の場合には、従
来から設けられるゲート絶縁膜及び層間絶縁膜として形成されるため、装置の大型化を好
適に抑制することができる。さらに、新たな製造装置を必要とせず従来の製造方法により
、波長選択フィルタ50,80を形成することができるため、製造コストの増大を抑制す
ることができる。
用するようにしたが、波長選択フィルタ50,80を反射型あるいは半透過型の液晶表示
装置に適用するようにしてもよい。この場合、人間が感じる外部環境の明るさに応じて各
TFT20に供給されるデータ信号の最大値を調節することにより、液晶Eの輝度を調節
するようにしてもよい。
らず、例えばMIM(Metal Insulator Metal)素子などの薄膜ダイオード素子(TFD
素子:Thin Film Diode素子)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置に適用し
てもよい。
ィブマトリクス方式の液晶表示装置に具体化したが、パッシブマトリクス方式の液晶表示
装置に適用してもよい。
成したが、例えばTFT20及びPINダイオード31をアモルファスシリコンにより形
成してもよい。
学装置としての液晶表示装置、11…素子基板、16…制御部、20…スイッチング素子
としての薄膜トランジスタ、24…ゲート電極、30…受光素子としての光センサ、31
…受光素子としてのPINダイオード、46…ゲート絶縁膜、61…第1層間絶縁膜、5
0,80…波長選択フィルタ、51〜56,81〜85…誘電体多層膜を構成する誘電体
膜、90…フォトトランジスタ。
Claims (7)
- 素子基板上に形成された表示素子と、前記素子基板上に形成されて外部環境の明暗を検
知する受光素子と、前記受光素子による検知結果に基づいて、前記表示素子の輝度を調節
する制御部とを備えた電気光学装置において、
前記受光素子に対する入射光の入射経路上であって、前記受光素子よりも該入射光の入
射面側に、緑色の光を強調した上で前記入射光を前記受光素子に出射するように透過率が
設定された誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを設けたことを特徴とする電気光学装
置。 - 前記素子基板上にマトリクス状に形成され、スイッチング素子を含んで構成される複数
の画素回路を備え、
前記波長選択フィルタの少なくとも一部の誘電体膜が前記各画素回路におけるゲート絶
縁膜を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記波長選択フィルタの最下層の誘電体膜が前記ゲート絶縁膜の最下層を兼ねることを
特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記素子基板上にマトリクス状に形成され、スイッチング素子を含んで構成される複数
の画素回路を備え、
前記波長選択フィルタの少なくとも一部の誘電体膜が前記各画素回路における各ゲート
電極の上面に形成される層間絶縁膜を兼ねることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
つに記載の電気光学装置。 - 前記スイッチング素子は、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)からなるとと
もに、前記受光素子は、ポリシリコンからなるフォトダイオードあるいはフォトトランジ
スタから構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の電気光学装置
。 - 前記波長選択フィルタを構成する前記誘電体多層膜は、
低屈折率の誘電体からなる低屈折率層と、前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率の
誘電体からなる高屈折率層とが交互に積層されてなることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか1つに記載の電気光学装置。 - 前記低屈折率層はシリコン酸化膜からなるとともに、前記高屈折率層はシリコン窒化膜
からなることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
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