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JP2008002648A - シールリング - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
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Abstract

【課題】摺動による摩耗を抑制しつつ、密封流体の漏れの抑制を図ったシールリングを提供する。
【解決手段】側壁面20に、内径側端面から外径側の中途位置まで設けられる第1溝21、及び外径側端面から内径側の中途位置まで設けられる第2溝22が、径方向の領域に対して周方向に投影すると一部重なるように備えられ、外周面50に、密封流体側端面から非密封流体側の中途位置まで設けられる第3溝51、及び非密封流体側端面から密封流体側の中途位置まで設けられる第4溝52が、密封流体側から非密封流体側に向かう方向の領域に対して周方向に投影すると一部重なるように備えられると共に、各溝には、側壁面の表面側端部に、表面に向かうにつれて開口領域を大きくするように傾斜する傾斜面21a,22a,51a,52aがそれぞれ設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シールリングに関するものである。
互いに相対回転自在に組付けられる2部材のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着され、かつ該環状溝の非密封流体側の側壁面及び他方の部材の周面に対してそれぞれ摺動自在に設けられて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングが知られている。
かかるシールリングにおいて、摺動面の摩耗を抑制するために、シールリング側の摺動面に溝を設けて、密封流体である油を摺動面に供給する技術が知られている。このような技術においては、摺動面全体に油を供給するために、密封流体が密封された領域から非密封流体側の領域に至るような溝を設けるのが一般的である。しかしながら、このような溝を設けた技術においては、油の漏れ量が比較的多くなり易く、問題になることもある。例えば、近年、自動車には、より一層の低燃費化が求められており、自動車用AT・CVTに対して、油の許容リーク量が低下してきている。そのため、従来例に係るシールリングでは、許容リーク量の低下に対して対応できなくなってきている。
また、油のリーク量を低下させるために、油を供給するための溝の配置や形状を工夫した技術も知られている。しかしながら、2部材の回転挙動が様々な場合、特に、摺動面が側壁面側となったり、周面側となったりするような場合に対応できるような技術は知られていない。
なお、関連する技術としては、特許文献1〜4に開示されたものがある。
特開2002−81551号公報 特開平10−141506号公報 実開昭58−175262号公報 実開平6−18764号公報
本発明の目的は、密封流体の漏れを抑制しつつ、摺動による摩耗の抑制を図ったシールリングを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のシールリングは、
互いに相対回転自在に組み付けられる2部材のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着され、かつ該環状溝の非密封流体側の側壁面及び他方の部材の周面に対してそれぞれ摺動自在に設けられて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、
前記環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動する側壁面に、内径側端面から外径側の中途位置まで設けられる第1溝、及び外径側端面から内径側の中途位置まで設けられる第2溝が、周方向の領域に対しては重ならず、かつ径方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられており、
前記他方の部材の周面に摺動する周面に、密封流体側端面から非密封流体側の中途位置まで設けられる第3溝、及び非密封流体側端面から密封流体側の中途位置まで設けられる
第4溝が、周方向の領域に対しては重ならず、かつ密封流体側から非密封流体側に向かう方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられると共に、
第1溝,第2溝,第3溝及び第4溝には、周方向の両側壁面のうちの少なくともいずれか一方の側壁面の表面側端部に、表面に向かうにつれて開口領域を大きくするように傾斜する傾斜面がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、第1溝,第2溝,第3溝及び第4溝は、密封流体が密封された領域から非密封流体側の領域に至るような構成ではないことから、密封流体の漏れを抑制することができる。そして、第1溝と第2溝は、周方向の領域に対しては重ならず、かつ径方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられているので、側壁面側が摺動面となった場合に、摺動面全体に密封流体が供給される。また、第3溝と第4溝は、周方向の領域に対しては重ならず、かつ密封流体側から非密封流体側に向かう方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられているので、周面側が摺動面となった場合にも、摺動面全体に密封流体が供給される。このように、本発明によれば、側壁面側が摺動面となった場合、周面側が摺動面となった場合のいずれについても、摺動面全体に密封流体を供給することができる。
また、本発明によれば、溝の側壁面の表面側端部に設けた傾斜面から密封流体が供給され、動圧が発生する。これにより、摺動部分の面圧が低下し、より一層摺動による摩耗を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、密封流体の漏れを抑制しつつ、摺動による摩耗の抑制を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1〜図7を参照して、本発明の実施例に係るシールリングについて説明する。
<シールリング>
図1〜図4を参照して、本発明の実施例に係るシールリングの構成等について説明する。図1は本発明の実施例に係るシールリングの一部を破断した状態を示す斜視図である。図2は本発明の実施例に係るシールリングの平面図の一部である。なお、図2は図1中、X方向に見た図の一部である。図3は本発明の実施例に係るシールリングの側面図の一部である。なお、図3は図1中、Y方向に見た図の一部である。図4は本発明の実施例に係るシールリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図4中のシールリングは、図3中のCC断面に相当する。
本実施例に係るシールリング10は、互いに相対回転自在に組み付けられた軸60とハウジング70との間の環状隙間をシールするものである。また、シールリング10は、軸60に設けられた環状溝61に装着される。そして、シールリング10は、環状溝61の非密封流体側(A)の側壁面61a、及びハウジング70の軸孔の内周面71のそれぞれに対して摺動自在に設けられる。
本実施例に係るシールリング10においては、一対の側壁面のうちの一方の側壁面20
に、第1溝21と第2溝22が、周方向に対して交互に複数備えられている。ここで、一方の側壁面20は、上述した環状溝61の非密封流体側(A)の側壁面61aに摺動する側の側壁面である。
第1溝21は、内径側端面(内周面40)から外径側(外周面50側)の中途位置まで設けられている。また、第2溝22は、外径側端面から内径側の中途位置まで設けられている。そして、これらの第1溝21及び第2溝22は、周方向の領域に対しては重ならず、かつ径方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なる(図2中、L1参照)ように備えられている。
また、本実施例に係るシールリング10においては、外周面50に、第3溝51と第4溝52が、周方向に対して交互に複数備えられている。
第3溝51は、密封流体側Oの端面(他方の側壁面30)から非密封流体側A(一方の側壁面20側)の中途位置まで設けられている。また、第4溝52は、非密封流体側Aの端面(一方の側壁面20)から密封流体側Oの中途位置まで設けられている。そして、これらの第3溝51及び第4溝52は、周方向の領域に対しては重ならず、かつ密封流体側Oから非密封流体側Aに向かう方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なる(図3中、L2参照)ように備えられている。
なお、本実施例においては、第2溝22と第4溝52は繋がるように配置されているが、これらは繋がらないように配置しても良い。
また、本実施例に係るシールリング10においては、第1溝21,第2溝22,第3溝51及び第4溝52には、周方向の両側壁面のうちの一方の側壁面の表面側端部に、表面に向かうにつれて開口領域を大きくするように傾斜する傾斜面21a,22a,51a,52aがそれぞれ設けられている。
<シールリングの動作>
本発明の実施例に係るシールリング10の動作について説明する。
まず、シールリング10の側壁面側を摺動させる場合の摺動動作について、特に図2を参照して説明する。本実施例においては、シールリング10の一方の側壁面20と、軸60に設けられた環状溝61の非密封流体側(A)の側壁面61aとが摺動し得る。なお、摺動時においては、図2中、軸60はシールリング10に対して時計回り方向に回転する。
摺動時においては、密封流体である油O1が密封されている内径側から、シールリング10に設けられた第1溝21に油O1が進入する(矢印R1)。そして、この第1溝21に進入した油O1は、軸60の回転により傾斜面21aに導かれる。そして、傾斜面21aに導かれた油O1によって、摺動面(一方の側壁面20と環状溝61の側壁面61aとの摺動面)に油膜が形成される。これにより、径方向領域において、第1溝21が設けられている領域の範囲には、油膜が形成される。
そして、上記の通り、第1溝21及び第2溝22は、径方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なる(図2中、L1参照)ように備えられていることから、油膜の一部の油O1が第2溝22に進入する(矢印R2)。そして、この第2溝22に進入した油O1は、傾斜面22aを通って摺動面へと導かれる(矢印R3)。これにより、径方向領域において、第2溝22が設けられている領域の範囲にも、油膜が形成される。
以上により、一方の側壁面20と環状溝61の側壁面61aとの摺動面全体に油膜が形成される。
また、油O1が傾斜面21aを通って摺動面へ導かれる際、及び、油O1が傾斜面22aを通って摺動面へ導かれる際には動圧が発生する。そのため、傾斜面21aの付近や傾斜面22aの付近においては、シールリング10に対して、一方の側壁面20と環状溝61の側壁面61aとを離間させる方向に力が働く。
次に、シールリング10の外周面側を摺動させる場合の摺動動作について、特に図3を参照して説明する。本実施例においては、シールリング10の外周面50と、ハウジング70の軸孔の内周面71とが摺動し得る。なお、摺動時においては、図3中、シールリング10の外周面50に対して、ハウジング70の軸孔の内周面71は右側に移動する。
摺動時においては、密封流体である油O1が密封されている密封流体側Oから、シールリング10に設けられた第3溝51に油O1が進入する(矢印S1)。そして、この第3溝51に進入した油O1は、傾斜面51aを通って摺動面(シールリング10の外周面50と、ハウジング70の軸孔の内周面71との摺動面)へと導かれる。これにより、密封流体側Oから非密封流体側Aに向かう方向の領域において、第3溝51が設けられている領域の範囲には、油膜が形成される。
そして、上記の通り、第3溝51及び第4溝52は、密封流体側Oから非密封流体側Aに向かう方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なる(図3中、L2参照)ように備えられていることから、油膜の一部の油O1が第4溝52に進入する(矢印S2)。そして、この第4溝52に進入した油O1は、傾斜面52aを通って摺動面へと導かれる(矢印S3)。これにより、密封流体側Oから非密封流体側Aに向かう方向の領域において、第4溝52が設けられている領域の範囲にも、油膜が形成される。
以上により、シールリング10の外周面50と、ハウジング70の軸孔の内周面71との摺動面全体に油膜が形成される。
また、油O1が傾斜面51aを通って摺動面へ導かれる際、及び、油O1が傾斜面52aを通って摺動面へ導かれる際には動圧が発生する。そのため、傾斜面51aの付近や傾斜面52aの付近においては、シールリング10に対して、シールリング10の外周面50とハウジング70の軸孔の内周面71とを離間させる方向に力が働く。
<密封流体(油)を供給するための溝の形状例>
図5〜図7を参照して、密封流体である油O1を供給するための溝の形状例について説明する。図5〜図7は本発明の実施例に係るシールリングに設けられる溝の断面図である。なお、これら図5〜図7に示す溝の断面図は、図2におけるAA断面、図3におけるBB断面に相当する。
図5に示した溝M1は、図1〜図4に示した第1溝21,第2溝22,第3溝51及び第4溝52のタイプのものである。この溝M1は、周方向の両側壁面のうち一方の側壁面の表面側端部に平面状の傾斜面M11が設けられている。この傾斜面M11に油O1が導かれることで、動圧が発生することについては、上述の通りである。
図6に示した溝M2は、周方向の両側壁面のうち一方の側壁面の表面側端部に湾曲した傾斜面M21が設けられている。湾曲した傾斜面M21の場合であっても、上記の平面状の傾斜面M11の場合と同様に、油O1が導かれる際に動圧を発生させることができることは言うまでもない。
このように、傾斜面に関しては、傾斜面を油O1が導かれる際に動圧が発生するように構成されていれば、その形状は特に限定されるものではない。なお、傾斜面が表面に向かうにつれて開口領域を大きくするように傾斜していれば、油O1が導かれる際に、徐々に隙間が狭くなり動圧を発生させることができる。
図7に示した溝M3は、周方向の両側壁面の両方の側壁面の表面側端部にそれぞれ傾斜面M31,M32が設けられている。この溝M3によれば、油O1がいずれの方向に導かれる場合であっても、いずれか一方の傾斜面M31,M32付近で動圧を発生させることができる。なお、図7においては、傾斜面M31,M32が平面状のものを示したが、勿論、これらを湾曲したものとしても良いことは上記の通りである。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係るシールリング10によれば、摺動面に油O1を供給するための第1溝21,第2溝22,第3溝51及び第4溝52は、いずれも油O1が密封された領域から非密封流体側の領域に至るような構成ではない。そのため、油O1の漏れを抑制することができる。
また、シールリング10の側壁面側が摺動する場合であっても、外周面側が摺動する場合であっても、摺動面全体に油膜が形成される。従って、シールリング10,軸60及びハウジング70における摺動部分の摩耗を抑制することができる。そして、側壁面側のみ摺動する場合、外周面側のみ摺動する場合、及び回転挙動に応じて側壁面側と外周面側のいずれもが摺動し得る場合のいずれの場合にも、摺動部分の摩耗を抑制することができる。したがって、本実施例に係るシールリング10は、各種の装置に適用することができ、汎用性に優れる。
更に、本実施例に係るシールリング10によれば、傾斜面21a,22a,51a,52a,M11,M21,M31,M32に油O1が導かれる際に動圧が発生する。これにより、これらの傾斜面の付近においては、シールリング10に対して、一方の側壁面20と環状溝61の側壁面61aとを離間させる方向や、シールリング10の外周面50とハウジング70の軸孔の内周面71とを離間させる方向に力が働く。そのため、摺動部分の面圧が低下し、より一層摺動による摩耗を抑制することができる。特に、図7に示すように、溝における周方向の両側壁面のいずれにも傾斜面を設けておけば、シールリング10に対する軸60またはハウジング70の相対的な回転方向に関係なく、上記動圧を発生させることができる。従って、より一層汎用性を高めることができる。
<その他>
上述の実施例においては、軸にシールリングを装着する環状溝を設ける場合を示したが、本発明はこれに限らず、ハウジングの軸孔内周に環状溝を設ける場合にも適用できる。なお、この場合には、シールリングの内周面と軸の外周面が摺動する。
図1は本発明の実施例に係るシールリングの一部を破断した状態を示す斜視図である。 図2は本発明の実施例に係るシールリングの平面図の一部である。 図3は本発明の実施例に係るシールリングの側面図の一部である。 図4は本発明の実施例に係るシールリングの使用状態を示す模式的断面図である。 図5は本発明の実施例に係るシールリングに設けられる溝の断面図である。 図6は本発明の実施例に係るシールリングに設けられる溝の断面図である。 図7は本発明の実施例に係るシールリングに設けられる溝の断面図である。
符号の説明
10 シールリング
20 (一方の)側壁面
21 第1溝
21a 傾斜面
22 第2溝
22a 傾斜面
30 (他方の)側壁面
40 内周面
50 外周面
51 第3溝
51a 傾斜面
52 第4溝
52a 傾斜面
60 軸
61 環状溝
61a 側壁面
70 ハウジング
71 (軸孔の)内周面
M1,M2,M3 溝
M11,M21,M31,M32 傾斜面
O 密封流体側
O1 油
A 非密封流体側

Claims (1)

  1. 互いに相対回転自在に組み付けられる2部材のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着され、かつ該環状溝の非密封流体側の側壁面及び他方の部材の周面に対してそれぞれ摺動自在に設けられて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、
    前記環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動する側壁面に、内径側端面から外径側の中途位置まで設けられる第1溝、及び外径側端面から内径側の中途位置まで設けられる第2溝が、周方向の領域に対しては重ならず、かつ径方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられており、
    前記他方の部材の周面に摺動する周面に、密封流体側端面から非密封流体側の中途位置まで設けられる第3溝、及び非密封流体側端面から密封流体側の中途位置まで設けられる第4溝が、周方向の領域に対しては重ならず、かつ密封流体側から非密封流体側に向かう方向の領域に対しては周方向に投影すると一部重なるように備えられると共に、
    第1溝,第2溝,第3溝及び第4溝には、周方向の両側壁面のうちの少なくともいずれか一方の側壁面の表面側端部に、表面に向かうにつれて開口領域を大きくするように傾斜する傾斜面がそれぞれ設けられていることを特徴とするシールリング。
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