JP2008055123A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】歯垢除去効果を高め、なおかつ口腔内での操作性の高い安全安心な歯ブラシを目指すことを目的とした、樹脂の再利用に重点をおいた地球に優しい歯ブラシおよびその製造方法の提供。
【解決手段】糸巻きボビン1に巻かれた刷毛束1aを上下ロボット3に固定された整列用櫛4に通す。整列した刷毛束1aを整列用櫛4で掴み上下ロボット3で上昇させる。刷毛束1aはセンサー2により自動供給される。成形用上金型押え板10が下降し、成形用上金型6に蓋をする。この際、正確に位置を決めるため、ガイド穴10aにテーパーピンをガイドとして挿入する。成形用上金型押え板10下降完了と同時に、樹脂注入装置11より樹脂注入穴11aを通し、樹脂が注入される。樹脂は、グラム制御により正確に一定量注入される。
【選択図】図1
【解決手段】糸巻きボビン1に巻かれた刷毛束1aを上下ロボット3に固定された整列用櫛4に通す。整列した刷毛束1aを整列用櫛4で掴み上下ロボット3で上昇させる。刷毛束1aはセンサー2により自動供給される。成形用上金型押え板10が下降し、成形用上金型6に蓋をする。この際、正確に位置を決めるため、ガイド穴10aにテーパーピンをガイドとして挿入する。成形用上金型押え板10下降完了と同時に、樹脂注入装置11より樹脂注入穴11aを通し、樹脂が注入される。樹脂は、グラム制御により正確に一定量注入される。
【選択図】図1
Description
本発明は、一般家庭で利用される歯ブラシに関する。
市販される従来の歯ブラシは、適量の刷毛を中心部分から二つに折り曲げ、歯ブラシ柄に成形された植毛穴に真鍮(銅と亜鉛の合金)または、アルミニウムの板を植毛穴直径(大半が直径1.7mm)より大きい2mmくらいに切断し打ち込み、刷毛の束を固定した植毛歯ブラシが主流となっている。
普及型の歯ブラシと同形状でありながら、植毛ではなく、適量の刷毛の束を溶着し、柄の成形金型にインサートして製造された溶着歯ブラシも少量市販されている。
その他にも、360度形状で方向性のない歯ブラシやローラー状の歯ブラシ、刷毛の束を植毛する際、内側に1度〜1.3度位角度をつけ刷毛の密度を高めた歯ブラシ、刷毛の先端部分を薬品によりテーパー加工し植毛した歯ブラシ等、昨今の健康思考を反映して多種多様な製品が販売されている。
以上述べた従来の普及型歯ブラシでは、金属(主に真鍮)を使用しているため、樹脂の再利用を考える際、刷毛をすべて抜き取り金属を取り除く作業が必要で、リサイクルが遅々として進まないのが現状である。
また、日本国だけで考えてみれば、歯磨きの際使用される水道水は石灰分の少ない軟水(酸性水)である。普及型歯ブラシの刷毛止めに使用される真鍮は、酸性に非常に弱く腐食しやすい。このような金属を口腔内で使用することは、安全衛生面において良好とは言えずこれを打開する必要がある。それに加え幼児等の呑み込み事故も考える必要がある。
少量ながら市販されだした溶着歯ブラシに対しても、その製造方法が1990年前後に、ヨーロッパで開発された従来の成形金型の中に適量の刷毛束をインサートし成形する方法であり、設備費の面からも圧力に対応する(従来の射出成形材料であるナイロン、PBT,ABS等を成形する場合、射出圧力は数百kg〜1t/cm2以上必要である。)大規模なものとなり高価となる。
それに加え、樹脂の注入及び、乾燥に時間を要し(樹脂により乾燥に必要な時間は異なるが樹脂注入後、金型を開くまでに、最低でも1分程度必要である。)従来の植毛歯ブラシと比べ、コスト高な面が普及を遅らせていると考えられる。
普及型の植毛歯ブラシは、その製造方法から機構面において限界があり、刷毛の一束の中に混糸、例えば直径0.09mmと0.20mmを混合させることは不可能とされた。それは金属板で止めた際、直径の細い刷毛が抜け落ちる心配があるからである。また、24〜36位ある植毛穴に植毛される刷毛の太さも製造コスト面から2種類位が限度とされている。
他にも、金型の構造面からも制約を受け、前に述べたように、1.3度以上の角度植毛が難しく製造コスト面からも問題が多い。
幼児の歯磨き練習のために、前、中、後と刷毛の色を変える歯ブラシを製造する場合においても、植毛の場合、色の数だけ工程数が増え(例えば30の植毛穴に白刷毛10株、黄刷毛10株、青刷毛10株植毛する場合、全製品に対し白刷毛植毛を完成させ刷毛を交換し、黄、青と作業する。)コスト高となり普及に問題があった。
植毛穴においても主流は、直径1.7mm、植毛引張強度JIS規格8N/cm2が必要であり(ISO規格も同様)植毛穴の深さは3.5mmが主流となっている。これにより、植込みブラシの台座は最低5mm位と厚くなり、口腔内での操作性が悪く傷つける事故も多数発生した。
本発明は、このような従来の構造が有していた問題を解決しようとするものであり、構造を全く変えることで歯垢除去効果を高め、なおかつ口腔内での操作性の高い安全安心な歯ブラシを目指すことを目的とするものである。また、小さい事ながら樹脂の再利用に重点をおいた地球に優しい歯ブラシの製造を考えた。
本発明の歯ブラシは、上述目的を達成するために予め、先端部分を溶着固定した刷毛の束を、離剥性を高めるためテフロン、フッソコーティングされた金型に差し込み、ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂を流し込み接着し、同時にブラシ台座部分を成形加工する。樹脂の乾燥と同時に金型を開き、刷毛のカット、先丸加工、消毒終了後に製品を自動的に取り出す。合理的かつ、衛生的なものとした。
この方法で、製造された歯ブラシ先端部分を従来のブラシハンドルに差し込み使用したり、インサート成形により溶着する方法等で使用もでき、電動歯ブラシの先端歯ブラシとしても使用が考えられる。
コストと生産量から考え、ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂により歯ブラシ柄全体を成形加工することで、一工程で歯ブラシ全体を製造することが可能となった。
上述したように本発明の歯ブラシは、金属(真鍮等)を使用する必要がないため、口腔内においての脱落による呑み込み事故や、腐食による衛生面の問題がなくなった。
従来の植毛歯ブラシにおいては、植込み穴の深さを3.5mm以上にする必要が引張強度工業規格の面からあり、5mm前後のブラシ台座の寸法が最低でも必要とされた。よってブラシ部分をコンパクトにすることが構造上できず、口腔内における操作性の悪さや、事故、最後臼歯奥面に対するブラッシングに問題があった。その問題に対し本発明の溶着歯ブラシでは、ブラシ台座部分の寸法をおさえ、ブラシ丈を確保し、かつブラシ部分をコンパクトにでき、問題を解消することができた。
金属(真鍮等)を使用せず、ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂にすることで刷毛の樹脂成分と化学的に同成分となり、再利用が容易にできるようになった。
歯ブラシの構造の面から考えても、刷毛の束に角度をつけることが容易にでき、角度も従来の1.3度位が限界(金型構造上)に対し5度位の角度は容易につけることができる。
また、刷毛一束の中に直径の異なる2種類以上の糸を混合することが可能となり、従来の普及型の歯ブラシと比べ歯垢除去効果の高い製品となった。その理由を簡単に説明すると、太い糸が歯間の歯垢除去に対し効果的であり、細い密集糸が歯肉のマッサージ及び、テーパー毛が歯垢除去するとPRされている歯周ポケット等極少空間の歯垢除去に効果的である。
それに加え、従来の普及型の歯ブラシでは、植毛コストの関係からできなかった一束ごとに色の変化をつけることが容易にでき、幼児に歯磨きを正確に指導する面からも必要性が高い。
一束の刷毛の量を自由に調整することができ、従来の歯ブラシと異なり、一株の形状、大きさを変えることができる。よって密度の極めて高い歯ブラシや密度の低い歯ブラシを簡単に製造することができる。
上述した発明の効果のように、製造コストを抑えながら、歯垢除去能力に優れた歯ブラシを製造することができた。また、資源再利用の面からも優れており、簡単にリサイクルできるようになった。
上述したダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂は、当発明者が平成17年11月10日特許出願した、渦巻きブラシとその製造方法(2005−355385)における渦巻きブラシ単体と柄の接着にも優れており、低コストで完全な接着が可能となった。
以下、本発明の実施の形態を図1〜12に基づいて説明する。
図において、図1は本発明を実施するために使用する装置の全体図である。
最初に、糸巻きボビン1に巻かれた刷毛束1aを上下ロボット3に固定された整列用櫛4に通す。整列した刷毛束1aを整列用櫛4で掴み上下ロボット3で上昇させる。刷毛束1aはセンサー2により自動供給される。(図1〜3)
刷毛束1aは、整列用櫛4上部にある下金型5中に恒に位置し、上下ロボット3上昇により成形用上金型6中に差し込まれる。この際、下金型5と成形用上金型6の穴位置が恒に一直線上に位置するよう、テーパーガイドピン等を利用し正確な位置決めをする。4aは整列用櫛下降点、5aは下金型下降点を示す。(図4,5)
成形金型6に差し込まれた刷毛束1aを次に、ヒーター7によって溶着する。刷毛束1aが差し込まれるとヒーター7は、ヒーター下降点7aまで下降し、溶着を開始する。溶着方法は、刷毛束1aに色をつけない点から考え、エアー熱による方法が最適と考えられるが他の方法でも簡単に溶着できる。(図6、7)
溶着が完了すると同時に刷毛丈に合わせ、刷毛カット装置8によりカットされる。カットされた刷毛部分は、コンベアー9により次の工程に送られる。(溶着の際、刷毛束1aの先端部分が球形状に拡大するため成形用上金型6から刷毛束1aの脱落は起こらない。)
次に、成形用上金型押え板10が下降し、成形用上金型6に蓋をする。この際、正確に位置を決めるため、ガイド穴10aにテーパーピンをガイドとして挿入する。
成形用上金型押え板10下降完了と同時に、樹脂注入装置11より樹脂注入穴11aを通し、樹脂が注入される。樹脂は、グラム制御により正確に一定量注入される。(図8)
前記したように、ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂は、従来使用されるナイロン、PBT、ABS等と異なり、低圧(30〜50kg/cm2)で成形することが可能であり、金型や製造設備を小型化することができる。よって設備コストも低く抑えることができ、また、成形性も高く、成形効率も高い。
成形樹脂の乾燥が終了すると、成形品取り出し装置12により歯ブラシが取り出される。この方法は、従来の金型取り出し方法のように、歯ブラシ柄部分の2〜3箇所をピンで押す構造が普通である。
電動歯ブラシや取替え型歯ブラシの場合は、台座部成形品13を使用し、一般使用品としては全体成形品14とする。(図9,10)
また、このダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂は、接着性に優れている点から、渦巻き型の円筒ブラシの接着にも有効である。15は渦巻きブラシ、16は樹脂注入装置(渦巻きブラシ用)、17は渦巻きブラシハンドル、18は完成した渦巻き歯ブラシを示す。
上記樹脂は、食品衛生法、食品、添加物等の規格基準に(昭和34年厚生省告示第370号)テストの結果適合した。発行日平成18年5月10日証明書を参考のため添付する。
ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂は、樹脂以外にも金属に対する接着性にも優れている。よって、工業用に使用される各種ブラシにおいても多方面に利用可能である。これにより、工業用ブラシ界においても、低コスト、リサイクルブラシの製造が容易となり、発展も考えられる。現時点で、ナイロン、アルミニウム等の実験結果は良好といえる。
1 糸巻きボビン
1a 刷毛束
2 センサー
3 上下ロボット
4 整列用櫛
4a 整列用櫛下降点
5 下金型
5a 下金型下降点
6 成形用上金型
7 ヒーター
7a ヒーター下降点
7b 刷毛束溶着完了形状
8 刷毛カット装置
9 コンベアー
10 成形用上金型押え板
10a ガイド穴
11 樹脂注入装置
11a 樹脂注入穴
12 成形品取り出し装置
13 台座部成形品
14 全体成形品
15 渦巻きブラシ
16 樹脂注入装置(渦巻きブラシ用)
17 渦巻きブラシハンドル
18 渦巻き歯ブラシ
1a 刷毛束
2 センサー
3 上下ロボット
4 整列用櫛
4a 整列用櫛下降点
5 下金型
5a 下金型下降点
6 成形用上金型
7 ヒーター
7a ヒーター下降点
7b 刷毛束溶着完了形状
8 刷毛カット装置
9 コンベアー
10 成形用上金型押え板
10a ガイド穴
11 樹脂注入装置
11a 樹脂注入穴
12 成形品取り出し装置
13 台座部成形品
14 全体成形品
15 渦巻きブラシ
16 樹脂注入装置(渦巻きブラシ用)
17 渦巻きブラシハンドル
18 渦巻き歯ブラシ
Claims (5)
- 歯ブラシにおいて、先端部分を溶着固定した刷毛の束をダイマー酸ベー熱可塑性ポリアミド樹脂で接着し、同時にブラシ台座部分を成形加工した歯ブラシ。
- 歯ブラシにおいて、先端部分を溶着固定した刷毛の束をダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂で接着し、同時に歯ブラシ柄全体を成形加工した歯ブラシ。
- 請求項1に示す歯ブラシの製造方法。
- 請求項2に示す歯ブラシの製造方法。
- 片手で握り往復移動させることができる形状の柄と、その柄の先端部分に設けられる渦巻き状の円筒刷毛の歯ブラシにおいて、渦巻き状の円筒刷毛を柄に固定する方法として、ダイマー酸ベースの熱可塑性ポリアミド樹脂で接着した歯ブラシ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265927A JP2008055123A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 歯ブラシ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265927A JP2008055123A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 歯ブラシ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008055123A true JP2008055123A (ja) | 2008-03-13 |
Family
ID=39238552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006265927A Pending JP2008055123A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 歯ブラシ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008055123A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015104666A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 方誠 | 一体成型のシームレス・ブラシ及びその製造方法の調整方法 |
CN105979857A (zh) * | 2014-01-30 | 2016-09-28 | 皇家飞利浦有限公司 | 降低菌斑检测流探针的堵塞 |
JP2017512107A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-05-18 | ユエン,リー フック | オーバーモールド成形されたブラシ片を製造する方法 |
-
2006
- 2006-08-31 JP JP2006265927A patent/JP2008055123A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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