本発明の目的は、固体燃料が使用される閉鎖釜付きの小型の壁掛け暖炉、すなわち、使用が極めて容易で、かつマンションあるいは戸建て住宅に設置可能な暖炉の提供にある。
本発明はまた着火、燃料供給、清掃等々の主な機能が単純でかつ自動機能付きの壁掛け暖炉もその目的とする。
このように、望ましい実用使用上の利点が得られるよう、この暖炉では釜から自動補給される固体燃料、特に、木材と一体となった貯蔵場所が利用される。この補給はまた迅速、気軽、清潔、かつ危険無く行われる。
この暖炉の使用は一般的に時間が制限されるので、貯蔵場所は一晩に相当する2〜3時間程度の平均継続時間に関して計算される固体燃料の能力から構成され得る。
この技術課題を解決するため、本発明による暖炉には、ディスプレイガラス、格子が設置された釜、好ましくは、遠隔着火装置、釜に自動供給される木材の貯蔵場所、灰受け容器、燃焼空気の二重供給および煙および燃焼ガスの排出が含まれ、すべては暖炉が小型である、つまりは暖炉が出来る限り小さな奥行を呈するように設置される。
この目的では、本発明の各構成要素は、これら複数の利点により得られる製品の魅力が構成される全体成果に一致協力して向かうように考えられる。
このように、ディスプレイガラスはできるだけ大きいものが好ましく、さらには釜について一目ですべて見える程度でも好ましい。該ディスプレイガラスは釜の直近にあり、これにより、薪の火により得られる情景の恩恵が十分に受けられるようになる。ディスプレイガラスはこれがある部品の中に少しの空間しか占めないように、釜がはめ込まれ得る壁から少しだけ突き出るにすぎないことが好ましい。
同様に、釜の格子下にある灰受け容器が壁内で長く伸びることが都合が良い。こうして容器が空にされるため容易にこれに近づけるようになる。
機能ならびに自動性が向上するために、釜の支持格子あるいは灰受け格子は、特定の制御による交互移動の動きにより、また格子が固定される空気取入口の正面調節弁の動きによっても動かされる。
着火装置には、釜の格子により支持される木材の薪の着火が、電気的に、遠隔で、かつ危険無く可能となる、少なくともひとつの遮蔽抵抗器が含まれるのが好ましい。
木材の貯蔵場所は例えば鉛直な区画から形成され、その深さは薪の平均直径を軽く越える。この区画は暖炉の背後にあると同時に、釜の燃焼の二次空気の取入口にも利用される、断熱されかつ好ましくは空洞の仕切壁により分離される釜に隣接する。
この燃料貯蔵場所は貯蔵区画の大きさに合わせた平均直径の薪、あるいは丸太あるいは木材片の積み上げにより満たされる。この貯蔵場所の下部部分で傾斜した平面は、最初の薪あるいは最初の丸太が消費されてしまった時に新たな薪あるいは新たな丸太がその場所に置き換わるように、薪あるいは丸太を釜の高さまで走らせるかあるいは滑らせ得ることが都合が良い。この貯蔵場所は、暖炉の脇あるいは背後からの再投入のために、該貯蔵場所がはめ込まれる壁の対向面が開かれて、あるいは全く別の手段で手が届き得ることが好ましい。
この自動供給板では、貯蔵場所に薪あるいは丸太の投入引き出しが含まれ得る。この投入引き出しは、すでに積み上げられた薪あるいは丸太が入れられるのに使用されるカセットにより満たされるように設置可能で、これにより余分な時間が稼がれるために前もって木材の投入が予定され得る。
燃焼新鮮空気の取入口は2通りの道を通って実施される。一次燃焼空気用の主たる道は空気取入口の正面調節弁を通り前面面の下部を通って来る。もう一つの道を通って燃焼と再燃焼の二次空気がもたらされる。この二次空気の道は釜の背後の下部部分が起点とされると同時に分離仕切壁を通って釜の下部に通じるとともに、ここから一部はこの分離仕切壁の下端まで、他はさらに高所にある再燃焼空気孔列を通って外に出る。この二次空気は従って予熱されると同時にこの配置によってまた分離仕切壁中に断熱を形成する空気層の創出も可能となり、これにより貯蔵場所の木材および加熱ガスの自由な燃焼が回避される。
このため、分離仕切壁は2枚のほぼ平行かつ鉛直な板の形をなすのが好ましく、その隔りにより断熱の平板空間が区切られる。この二次燃焼空気の供給仕切壁により追加の空気の流れが得られ、これにより、一次空気とともに釜の格子上の然るべき場所の薪あるいは丸太ならびに往々にして不完全燃焼となる揮発性物質の完全燃焼と再燃焼が確保される。
分離仕切壁からの出口にある空気排気口はすっかり開放されるか、あるいはその適切な配置により支燃性空気の最適な分配が可能となる一連の孔で構成される。
最後に、排煙装置は釜の上部にある暖炉の高所部分にある。これは鉛直排出口あるいは水平エルボー反転部にある煙箱の形をなすのが好ましい。これは暖炉タイプあるいは例えば超小型換気口タイプの排出ダクトにより構成されるのが好ましい。
本発明のその他の特徴および利点は付録の図が参照されて行われる説明、すなわち以下に続く詳細説明を読めば明らかになろう。
本発明による暖炉が今度は様々な図が参照されて詳細に説明される。これらの図に示される同じ要素には同じ参照番号が振られる。
この説明では、暖炉の前面の面はディスプレイガラスが含まれる面と、そして背後面は壁に掛けられるか、あるいはその内部にあるのでその隠れた面と理解される。
図では暖炉1の全体外観は、平行六面体の平板さらには超極平板の小箱の外観、あるいは前面の面上でディスプレイ兼覗きガラス3により塞がれる開口部をなす閉鎖釜が形成される厚みの薄い箱2の外観である。
このディスプレイガラス3は釜の正面閉鎖のため閉鎖位置に維持されるが、釜内部への接近ならびにその清掃のために取り外し可能であるか、あるいは例えば上下動により無くしやすくなっている。このため、このガラスは例えば小箱2内部の釜への接近が確保されるように前面の方に移動して開く骨組により支えられるのが好ましい。
平板小箱2には、いわゆる釜が形成されるとともに前面に配置される燃焼室4、ならびに背後にあると同時に、ここで例えば薪あるいは丸太7状の天然あるいは人工圧縮された木材固体燃料の貯蔵場所6に収納されるよう充てられる燃料の貯蔵室、あるいは区画5の隣接する2室が収納される。
2室4および5はその高さの大部分が仕切壁の形の分離仕切壁8により分離される。この分離壁8は機械的な分離機能をもつが、また燃料貯蔵場所6との熱の伝達すなわち貯蔵区画5の過度な温度上昇が回避されるための断熱の機能ももつ。この分離仕切壁8はこの後で分かるようにさらに別の機能も示し得る。
分離仕切壁8はそれぞれほぼ平行かつ鉛直の前面9および後面10の2枚の板の形をなすのが好ましく、これらの板の間がそのままか、あるいは断熱材で満たされ得る、平板でかつ薄い内部空間11が両板間に定められる。
好ましい実施例では、内部空間11はそのままでかつそれ故不動あるいは好ましくは下降する流れに応じて移動する空気層12の形の空気で満たされる。この手段の設置により、板、特に分離仕切壁8の前面板9と接触して加熱される外部から来る燃焼新鮮空気の追加供給の実現が可能となる。この空気はこの後、二次空気と呼ばれる。
一次燃焼空気はこの後で分かるように小箱2の前面の面の内部部分にある空気取入口から来る。
興味深い変型例によると、分離仕切壁8は、直接にせよ、エルボーになったかあるいは傾斜した延長部を通るにせよ、あるいはその他のあらゆる形態にせよ、釜近くの下部の方の好ましくは釜の右に見えるその下部の横縁13で終わり、釜背後の取入口に実際の空気吸入の空気孔列がこうして形成される。
再燃焼が開始され得る燃焼区画4の空間に加熱新鮮空気をもたらす目的で、仕切壁8の上部部分に空気排出口の中間空気孔列が用意されることも可能である。
この空気孔列はスリットあるいはその他の幾何形状の形で単純な空気排出口であり得る。
高さの異なる燃焼二次新鮮空気排出口が複数設置されることも可能である。
このように、分離仕切壁8の内部を移動する空気により、消費される途中の薪上部で燃焼室4に燃焼新鮮空気が供給されるようになり得る。薪は、外部に取り出されると同時に燃焼室あるいは釜4の高さまで届く強制空気の配管通風論的流れにより好ましくは例えば機械的に投入されることになる。
薪が分離仕切壁8を横断して前進する時に、炎との接触および釜の輻射によって仕切壁の前面板9を横断して加熱されるようになり、こうして大量の熱量がその下降する動きにもたらされる。新鮮空気層12によりこうして断熱の盾が、釜の背後にあると同時に中に木材の貯蔵場所6のある貯蔵区画5のために構成され、該場所で釜の熱の直接伝達により過度に生じる温度による勝手な燃え上がりが回避され得る。
分離仕切壁8の出口で釜の燃焼室4に供給される燃焼二次空気の排出口は、様々な図で示されるように、少なくともその下部横縁13の高さにある。該縁は完全に自由で開放され得る。しかしながら、これは空気の流れが外へ出るよう仕向けられるように、例えばその適当な配置により支燃性空気の最適な分配を可能とする導管、あるいは好ましくは一連の孔が穿孔される帯の形で形成され得る。
新鮮空気は好ましくは調節可能な二次空気下部取入口14から分離仕切壁8まで持ってこられると同時に、貯蔵区画5の後面仕切壁15の内部に、そして次に引き続きその上部仕切壁16へと進み分離仕切壁8へと下降する。
空気取入口14は、ある変型実施例では、一定温度に保たれ得る、すなわち様々なパラメーター、例えば部品の温度あるいは火の様子のある程度の調節のために暖炉の近傍温度に応じて調節可能である。
再燃焼、つまり、釜の中心で不完全燃焼した揮発性物質とガスの燃焼の実現のために、再燃焼空気孔列17が釜の少し上部に設置される。示されるように、これは分離仕切壁8の下縁にほぼ平行に直線状に配置されて調整される一連の穿孔される孔の問題であり得る。これらの孔から出る予熱された新鮮空気により、必要な酸素と同時にこれら不完全燃焼物の燃え上がりと燃焼の維持が可能となる適切な温度がもたらされる。こうして、全体の熱効率が改善される追加熱量の供給の恩恵が受けられる。生態環境上の懸念における不完全燃焼物質や燃料ガスの大気への投棄も回避される。
燃焼一次空気は調節可能な一次空気の取込口18のある小箱2の前面の面の下部部分からくる(図14)。この一次空気の取込口18は、空気流量つまりは燃焼速度の調節のため穿孔群の前を移動する同一連続穿孔21が提供される平行移動部品20により、多かれ少なかれ覆われる線状配置の穿孔(19)からできるような一連の孔の形で製作可能である。この平行移動部品は線状に、例えば、対応する固定ねじ釘24および25と直線に並ぶ2つの孔22および23の協力により直線移動可能に取付けられる。平行移動部品は操作レバー26により移動が作動される。正面位置にある一次燃焼空気取込口18の全体が空気取入口27正面調節弁となる。これは保護板28により保護される。
ここでまた、一次燃焼空気取込口も一定温度に保たれ得る、つまり、その調節すなわち通風は火の様子が修正され、かつ調整されるために上記で指摘された様々なパラメーターにより変化する。
いわゆる釜は、灰あるいは灰皿31用の容器が含まれる機械全体30上部に取付けられる支持格子あるいは灰受け格子29から形成される。薪がガラス張り面からある程度距離をおいて維持されるようたきぎ台32が格子の上に載せられる。
美観上と技術的な形が尊重されるために、灰皿31は好ましくは引き出し状兼平板であると同時に例えば横面の一面上に容易に手が届くように製作されよう。
貯蔵区画5から、釜の灰受け格子29が、ここでは木材であるのが好ましい固体燃料の自動供給領域33の終点部分を構成する。この供給領域33は主として木材の薪、あるいは丸太7の積み上げられる貯蔵区画5の底が形成される傾斜路34から構成される。
この傾斜路34により貯蔵区画5に含まれる薪あるいは丸太7が、消費される薪7を徐々に置き換えるよう燃焼室4に入ると同時に、灰受け格子29まで到着するため滑ってさらには転がって重力により前進可能となる。
薪あるいは丸太7は相互に接触するようになるが、薪あるいは丸太7の積み上げにより、燃料の挿入要素の介在および/または釜の横方向取込口の長広舌あるいは本発明の枠から逸脱しない限りの全面的あるいは徐々の受入れに相当する手段の存在が必要となり得る。
勿論、薪あるいは丸太7状態の木材が利用され得るが、木材屑あるいは類似の固体材料および燃料から適合される、例えば、圧縮され、寄せ集められ、そして形成されるその他のタイプの木材も適合され得る。
使い易さを補うために、適切な操作レバー35が提供される灰受け格子29の移動は、空気取入口の正面調整弁27の平行移動部品20の移動に固定される。
この固定は図15で分かるように2つの貫通要素36、37、例えば、ねじ釘あるいはその他のその両端がそれぞれ灰受け格子29とつながっている貫通方向受け溝に入る結合要素により単純に実現可能である。こうして、空気取入口調節弁27の平行移動部品20が動かされる時に、あおりが自動的に生ずる。
さらにまた使い易さを向上するために、釜には例えば、遠隔制御可能な自動着火装置が装備される。
図15で目に付くように、これは、特に、格子上の然るべき場所にある薪7と直接接触状態にあるように灰受け格子29の上部部分と同じ高さに並ぶ少なくともひとつの環状遮蔽電気抵抗器38の問題であり得る。例えば、暖炉の前面の面あるいは近傍にある開閉器の形の遠隔制御により、調節可能な時限タイマーによって着火の遮蔽抵抗器電気供給の制御が可能となる。着火抵抗器38はその後白熱した状態になり、釜への接近用扉が開かれる必要もマッチの利用の必要もなく暖炉の火が容易に着火するので格子29上にある薪7が直接燃え上がり得るようになる。こうして多くの事故あるいは汚れの危険が回避される。
木材の貯蔵区画5から発する万一の汚れもまた灰受け容器31内に見つかるよう木材供給傾斜路34に沿って重力により落ちる点に注目することが重要である。これにより、暖炉全体がきれいに保たれ得る。
小箱は横面全体を塞ぐ2枚の横扉39および40により両側面が閉鎖される。これらの扉は前面軸廻りの回転により、例えば取り外し可能な握り部41により毎回開くよう操作可能である。
図8および図9で見て取れるように、小箱の少なくとも一横面により燃料投入のための固体燃料貯蔵区画5の横からの接近口といった開口部42が提供される。釜から来る熱がある程度解放されるこの開口部は、扉本体への熱の伝達を回避する枠取りされると同時に断熱被覆される領域43により、扉に関する空間が保護される必要があった。枠取りされると同時に断熱被覆される灰取出口31に関する領域44についても同様である。
釜4は、炎が見られるようにする特別なガラスで取り外しできるディスプレイガラス3の表面により前面が閉鎖される。内部前面の面は前面防熱板45により上部部分が閉鎖される。
灰受け格子31の上部にあると同時に断熱分離仕切壁8および小箱ディスプレイガラス3の間に含まれる燃焼室4部分により炎が発達する空間が構成される。この燃焼室4部分は、煙箱46と呼ばれる空間詰め物、あるいは真っ直ぐな48、あるいはエルボー付き49の煙および燃焼ガスの排気管に導管47を通って到達する同様な物により高所の方に延びる。
好ましい変型実施例によると、燃焼室4の上部部分を占める煙箱46の空間には、煙および燃焼ガスを排気管48あるいは49の入口に向けて方向を与えるのに利用されると同時に、この排気管に接続部品として役立つ導管47にはめ込まれるようになる一枚あるいは複数枚の偏向板50がさらに含まれ得る。この導管47はまた超小型換気口タイプの同軸配管52により板51を貫通して後部排出口を構成するよう配され得る。小箱上部は補強格子53により覆われる。排気口もまた鉛直であり得る。導管47はその後に高所の方に向けられると同時に、なおかつ鉛直48あるいはエルボー49の排気口に接続されるよう格子53を貫通する。この排気口は見える場合と見えない場合があり得る。見える場合には、同時にカバーとしても使用される閉鎖マスク54がこれに設けられる。このカバーは排出管48により発散される回収熱量の含まれる熱い空気の流れを該部品の上の方に排出可能にする口55を通じて上部部分が開放される。
小箱2の前面の面は全高にわたり保護兼補強兼覗き回転主扉56により閉鎖される。この主扉56は左あるいは右の横方向軸廻りに回転するよう接合される。この扉には閉鎖位置での固定手段が含まれる。
この主扉56は二重となっている。これはディスプレイガラス3に関する中央覗き窓58が長方形形状となるその表面部分が不透明にされたガラスの主パネル57から構成される。図2から図5で見て取れるように、主パネル57の全体形態は長方形あるいは楕円形である。勿論、その他の美的形状もあり得る。
主パネル57はある距離だけ離れて支持されるとともにガラスあるいはその他の耐熱類似材料製の透明二次パネル59の背後面上に置かれる。これは例えば枠骨組により維持されると同時に扉の閉鎖時は小箱2のディスプレイガラス3上に取付けられるようになる。主扉56はこのように二重ガラス張りとして考えられ得る。炎までのこのガラスの連続により炎が直接見ることができるようになるばかりでなく、炎の光景の魅力および魔法をさらに強める炎の反射や追加の像も見られるようになる。
全体装置における小箱2や暖炉1の特に平板な性格により、大変な技術作業を必要としなくても数多くの支持材にはめ込まれるかあるいは一体化される組立のしやすさが与えられる。
この特に有利な特徴のおかげで、平板あるいは超極平板暖炉1は、全体的あるいは部分的に壁60に埋め込まれ得るか、あるいは薄い突出部、つまり、仕切壁あるいは図10および図11に示されるように壁の前部面と同じ面に並び得る前面面しか呈さない。
しかしながら、暖炉を取付ける普通の方法は、図12および図13に示されるように、人の平均身長の高さの壁60に断熱兼美観用の取付板61を間に挟んで壁掛けで固定することである。
既に指摘されたように、技術上の配置の可能性に応じて、壁ガスボイラーのような超小型換気口タイプの同軸配管52により壁を貫通する直接排気口、あるいはカバーマスク54および回収熱風排出口55付きの鉛直排気管の排出口48が選択されよう。
本発明による暖炉1ではあらゆるタイプの宿泊施設あるいは住居に適用されると同時に、床上に置かれる従来の暖炉とは反対に必要に応じて様々な高さに設置され得る点に注目することが重要である。本暖炉は、また、台座上にも取付け可能であるか、または仕切壁あるいは壁の任意の高さにも吊り下げ可能である。
暖炉はいかなる整備工事も必要としないので、その壁掛け版に関する取付けは十分簡単である。その使い方も暖炉の火の着火には木材が投入されるとともに着火装置の遠隔操作が行われるだけで十分であるので極めて単純である。その維持もまた暖炉の清掃が必要とされないのでさらに簡単である。灰受け容器31は定期的に空にされるとともに、あおりの大部分が一次空気の取入口の正面調節弁27を操作して行われるので貯蔵区画5が木材で一杯にされるだけで良い。
純粋に手動の変型例によると、貯蔵区画5に次々に丸太が導入されかつ相互に上に重ねられて置かれながら木材が補給される。
この特徴は、快適な設備の観点からさらに改善可能であり、予め装備されるかあるいは購入して装備された後、直接または貯蔵区画5への投入器により導入される装填マガジンあるいは交換部品62が利用されて作動され得る。
図16に示される別の実施形態例によると、木材の貯蔵場所6には、交換部品62および、木材が一杯になると傾斜滑り路のように閉鎖板64に助けられる平行移動により貯蔵区画5に横方向に導入されることになる投入引き出し63状態の支持材が含まれる。
空の投入引き出し63が予め一杯にされる満杯の別の引き出しにより置き換えられる、また必要な場合には交換標準ユニット、つまり装填委託さえも可能な空の引き出しのような形で、空あるいは満杯で市販されることもまた考えられる。
図17に示されるように、貯蔵場所6が形成される貯蔵区画5には、薪あるいは丸太7が中に置かれる交換部品62が受入れられる外側の方に飛び出る横方向開口部67のある受入れケース66つきの箱の形をなす特別な投入器65が受入れ可能である。暖炉全体が出来るだけ平たくなるためには、特別な投入器65の奥行が制限されるとともに含まれる薪あるいは丸太7の直径とほぼ一致させる。その全高さは暖炉の高さに依存するが一般的に数時間の燃焼に十分な木材量が含まれ得るよう設置される。
壁に埋め込まれる暖炉のために壁の向こう側の背後の木材投入器もまた設置され得る。
一般的な方法では、燃料特に木材の貯蔵場所6は暖炉の作動中であっても必要な際に毎回補給され得る。これが行われるためには、空の引き出しに補給されるかあるいは満杯の引き出しにより置き換えられなくてはならない。
また本発明の範囲を外れない前出の実施形態例の多くの変型例も考えられる。
正方形あるいは長方形の暖炉しか考えられなかった。しかしながらその他の形態、例えば、暖炉が構成される様々な部品が結果として採用される三角形あるいは円形も考えられるとともに実施され得る。
さらに、着火装置に関する遠隔制御手段はまた、遠隔操作装置が利用されて遠隔作動される開閉器、あるいは暖炉が設置される宿泊施設の様々な場所にある1つあるいは複数の開閉器、あるいは例えば着火抵抗器の電気供給が信号化される遠赤外線放射器などによるその他のあらゆる遠隔制御手段も考えられる。
断熱分離仕切壁8のため、この分離仕切壁8を通じて貯蔵場所6の薪あるいは丸太7に伝達される釜からくる熱は、これらの燃え上がりが引き起こされるには十分ではない。しかしながら、本仕切壁により薪あるいは丸太の入念な乾燥が実現可能となり、これによりこれらの燃えやすさがほぼ改善される。