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JP2007515347A - 摩擦値が不均一な走路でのブレーキ圧の制御方法 - Google Patents

摩擦値が不均一な走路でのブレーキ圧の制御方法 Download PDF

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JP2007515347A
JP2007515347A JP2006546173A JP2006546173A JP2007515347A JP 2007515347 A JP2007515347 A JP 2007515347A JP 2006546173 A JP2006546173 A JP 2006546173A JP 2006546173 A JP2006546173 A JP 2006546173A JP 2007515347 A JP2007515347 A JP 2007515347A
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ドレット・アントニー
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コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
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Abstract

この発明は、摩擦係数が不均一な走路上でのブレーキプロセスの間に、少なくとも二つの、有利には、車両の一つの車軸に配備された車輪ブレーキのブレーキ圧を制御する方法に関する。この方法は、摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方を検知することと、車両の走行状態を表す安定性指数を生成することと、この摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数を評価することと、この安定性指数の値に応じて、並びにこの摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数の評価結果に応じて、少なくとも一つの車輪ブレーキのブレーキ圧を変更することとを特徴とする。この発明は、更にこの方法を実施するのに適した装置に関する。

Description

この発明は、摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の車軸に配備された少なくとも一つの車輪ブレーキのブレーキ圧を制御する方法に関する。
更に、この発明は、摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の摩擦値が小さい側の車輪ブレーキのブレーキ圧と摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧との間のブレーキ圧差を制御するための装置に関する。
車両の左と右の縦方向側で摩擦値が異なる不均一な走路上でのブレーキ操作においては、車両をその垂直軸の周りの回転運動状態に移行させるヨーイングモーメントを引き起こす非対称的なブレーキ力が発生する可能性が有る。この場合に車両の横滑りを防止するために、運転者は、好適な操舵動作によって、この非対称的なブレーキ力によって起こるモーメントに対抗して作用する補償ヨーイングモーメントを生成しなければならない。この場合、車輪のロックは、このロックと同時に生じる、車輪の伝達可能な横抗力の大きな低下が、必要な補償モーメントの生成を妨げる可能性が有るので、摩擦値が小さい車両側においても回避されるべきである。
アンチロックブレーキシステム(ABS)を備えた車両では、車輪のロックは、コントローラによって防止されている。この場合、前述した種類の状況では、一方において、通常使用されている制御方針は、摩擦値が大きい車両側の車輪ブレーキの出来る限り大きなブレーキ圧によって、車両を短い制動距離で減速させることを目指している。他方において、運転者は、摩擦値が大きい側と小さい側での異なるブレーキ力により生じるヨーイングモーメントによって、過大な要求を強いられるべきではない(対抗した操舵における運転者の反応時間)。
従って、考察している状況での制御は、所謂、ヨーイングモーメント上昇遅延(GMA)にもとづき、運転者に、安定化させる操舵動作を実行するのに十分な時間を与えるために、車両の前車軸において、摩擦値が大きい側と小さい側のブレーキ圧間の差を、ただゆっくりと上昇させる形で行われる。後車軸の車輪ブレーキでは、ブレーキ圧は、操舵介入により車両を安定化させることができるのに十分な横抗力を後車軸に生成させるために、摩擦値が低い方の側に対して許容される値に制限される(「セレクトロウ」)。
ここで述べた措置は、確かに運転者が簡単に車両を支配することを可能とするが、摩擦値が大きい側の摩擦値ポテンシャルが、車両を減速するために最適に活用されていない。
特許文献1により、摩擦値が大きい側に有る車輪、所謂、高い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧を、車両のヨーレイトと車両操作者が設定した操舵角から計算した目標ヨーレイトとの間の偏差に応じて生成させる、車両の走行状態を表す変量にもとづき制御することが知られている。このようにして、前述したセレクトロウ制御に代わって、車輪個々のブレーキ圧制御を行っている。
しかしながら、車両が、摩擦値が大きい側の方向にヨーイングした場合、高い方の車輪の圧力上昇は、車両のヨーイング運動を増大させることとなる。そのため、この周知の方法は、場合によっては起こり得る走行状況において、車両の走行状態を不安定化させる可能性が有るとの欠点を持つ。
ドイツ特許公開明細書第19707106−A1号
以上のことから、この発明の課題は、不均一な走路上でのブレーキ操作時における車両の制動挙動を改善すると同時に、車両の走行安定性を確実に保証することである。
この発明では、この課題は、請求項1にもとづく方法によって解決される。
更に、この発明では、この課題は、請求項23にもとづく装置によって解決される。
この発明の方法及び装置の目的に適った改善構成は、従属請求項の対象である。
この発明は、摩擦係数が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の車軸に配備された少なくとも一つの車輪ブレーキのブレーキ圧を制御する方法において、
・車両の摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方を検知することと、
・車両の走行状態を表す安定性指数を生成することと、
・摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数を評価する ことと、
・この安定性指数の値に応じて、並びにこの摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方 又は一方にもとづく安定性指数の評価結果に応じて、少なくとも一つの車輪ブレーキの ブレーキ圧を変更することと、
を実行するものと規定する。
この方法は、車両のどの縦方向側が、摩擦値が小きい側又は摩擦値が大きい側であるかを決定し、それに続いて、摩擦値が小きい側にもとづく安定性指数の評価を行うという利点を有する。こうすることによって、車輪ブレーキのブレーキ圧の変更、特に後車軸の高い方の車輪の車輪ブレーキの圧力上昇が、摩擦値が大きい側の方向への車両のヨーイング運動を増大させて、それにより車両の走行状態を不安定化させる可能性が有るか否か、或いはそのような車輪ブレーキのブレーキ圧変更の不利な作用が見込まれないか否かを評価することが可能である。
そのため、特に、そのことが車両の安定性を妨げることとならない走行状況では、車両の後車軸の高い方の車輪における車輪ブレーキのブレーキ圧を上昇させることが可能である。そのような状況において、この発明による方法にもとづき、制動能力を効果的に向上させることができる。
この場合、有利には、このブレーキ圧の変更は、ABS制御に重畳される。従って、この発明の有利な実施構成では、摩擦値が小さい側の車輪に対して、ABS制御を実行すること、並びに摩擦値が大きい側の車輪ブレーキと摩擦値が小さい側の車輪ブレーキのブレーキ圧間のブレーキ圧差を求めることと規定され、その際これらの車輪ブレーキは、有利には、車両の一方の車軸に配備されているものである。
このため、セレクトロウ制御を修正して、走行状態が安定している場合に、摩擦値が大きい側の後輪のブレーキ圧を上昇させ、それにより車両の制動距離を短縮させることができる。
有利には、車両挙動を客観的に評価することができるように、車両の操舵可能な車輪の操舵角と車両のヨーレイト/ヨーレイト偏差の両方又は一方にもとづき安定性指数を生成する。
このため、車両のヨーイング挙動を表現又は直接左右する変量を安定性指数に考慮することができる。それにより、安定性指数の評価にもとづき、車両のヨーイング挙動の直接的な評価を行う。
この場合、この発明の有利な実施構成では、瞬間的な操舵角と摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの始めにおける操舵角との間の偏差にもとづき、安定性指数を求めるものと規定する。
そうすることによって、安定性指数にもとづき、車両の運転者が、不均一な走路上での制動プロセスの間に、摩擦値が大きい側と小さい側での異なるブレーキ力によって発生する外力によるヨーイングモーメントに対抗して作用し、それが存在すると、高い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧を確実に上昇させることが可能であるヨーイングモーメントを生成するために、対抗して操舵しているか否かを検出することができる。
この発明の更に有利な実施構成では、車両の瞬間的なヨーレイトと制動プロセスの始めにおける操舵角により車両モデルで算出した基準ヨーレイトとの間の偏差にもとづき、安定性指数を求める。
この場合、このようにして算出した基準ヨーレイトは、運転者の要求に対応したヨーレイトを表す。従って、この基準ヨーレイトと車両の瞬間的なヨーレイトとの間の偏差にもとづき、又もや運転者が、外力によるヨーイングモーメントを補償するのに適した措置を採ったか否かを検知することができる。
特に有利には、この発明による方法は、目標操舵角を計算して、例えば、オーバーライディング操舵制御又はステアバイワイヤ操舵制御を用いて、運転者の指令に関係無く設定することができる車両で実行することができる。
この場合、この発明の有利な実施構成では、車両操作者が指示した操舵角と車両の操舵可能な車輪に設定された目標操舵角との間の偏差にもとづき、安定性指数を算出し、それによって、車両の走行状態の客観的な評価が得られる。
この場合、有利には、目標操舵角は、外力によるヨーイングモーメントにもとづき、車両モデルで算出した制御成分を含む。
そのため、目標操舵角は、特に、この操舵角が、外力によるヨーイングモーメントを補償するヨーイングモーメントを引き起こすように決定することができる。
有利には、目標操舵角は、同様に、車両の瞬間的なヨーレイトと基準ヨーレイトとの間のヨーレイト偏差にもとづき決定された調整成分を含む。
こうすることによって、操舵角の変化に対する車両の反応を基準操舵角に考慮するとともに、特に、安全かつ確実に基準操舵角を設定することができる。
このため、不均一な走路上でのブレーキ操作の間の運転者のコース指令を、運転者が指示した操舵角にもとづき検出する一方、操舵可能な車輪に対して、車両の走行状態を速くかつ確実に安定化させる操舵角を設定することができる。そのため、ブレーキ圧を適合させるために、走行状態と特に車両のヨーイング挙動を、既に述べた通り、運転者が指示した操舵角と目標操舵角との間の偏差にもとづき算出、評価することができる。
同様に、この理由から、特に目標操舵角の自動設定に関して適した、この発明の別の有利な実施構成では、車両のヨーレイトと車両操作者が設定する少なくとも一つの変量、有利には、操舵角により車両モデルで算出した目標ヨーレイトとの間の偏差にもとづき、安定性指数を生成するものと規定する。
同様に、車両の横加速度に応じて、安定性指数を算出するのが有利である。
更に、横滑り角と横滑り角速度の両方又は一方にもとづき、安定性指数を算出するのが有利である。
この発明の有利な実施構成では、摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数を評価するために、摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数の正負の符号を算出するものと規定する。
このような安定性指数の正負の符号の選択によって、安定性指数によるブレーキ圧の適合の際に、摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方に関して、更に場合を弁別することが、もはや不要となる。
ここで、ブレーキ圧は、有利には、安定性指数と少なくとも一つの閾値との比較結果にもとづき変更される。
この場合、この発明の有利な実施構成は、安定性指数が、所定の閾値を上回った場合に、摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧に対して、摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧を上昇させることを特徴とする。
この場合、車両の走行安定性を特に確実に保証するために、有利には、摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧と摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧との間のブレーキ圧差を制限する。
この場合、この発明の有利な実施構成では、ブレーキ圧差の制限は、車両の速度に応じて行う。
ここで、車両固有の動特性により、速度が速い場合、走行挙動が不安定となる傾向がより大きくなり、そのため、速度が速い場合、有利には、セレクトロウ制御に対応して、後車軸における横方向力ポテンシャルを大きく、或いは横方向力マージンを大きく保持するために、ブレーキ圧差をほんの僅か許容するか、或いは許容しない。
更に、この発明の同じく有利な実施構成では、摩擦値が小きい側と大きい側の交替が、しばしば不安定な走行状態に繋がるので、摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側が交替した場合、ブレーキ圧の変更を許容しない。この場合に必要なブレーキ圧差は、零に等しく、安定性指数によって、客観的に安定した走行挙動が再び示されるまでそのまま保持される。その後、安定性指数にもとづき、再び、新たに圧力を上昇することも可能である。
この発明の別の有利な実施構成では、後車軸におけるブレーキ圧差は、ABS制御により設定されるブレーキ圧差と前車軸におけるブレーキ圧比の両方又は一方の所定の成分に制限される。
ABS制御は、前車軸での摩擦値の比を考慮しており、そのため、前進走行の場合、この比率が時間的に遅れて到達する後車軸に関して、この比率を見込むことができる。
後車軸における周知のセレクトロウ制御により確保された横方向力ポテンシャルは、特に、カーブ走行内において、車両の安定化及びコースに沿った誘導の際の安全性向上に資するものである。
従って、この発明の有利な実施構成では、車両の直線走行を検出した場合にのみ、ブレーキ圧の変更を実行するものと規定する。
そして、カーブ走行時には、制動距離を長くすることに関連しているが、軌道に沿った車両の特に高い安定性を保証する従来のABS制御を実行することができる。しかし、カーブ走行を検知した場合、セレクトロウの軟化も考えられる。しかし、車両にカーブ走行に対する十分な横方向力マージンを提供するためには、圧力の上昇は、勾配を低くして行うべきであり、摩擦値が大きい側の車輪と小さい側の車輪間におけるブレーキ圧差又はブレーキ圧比は、より強く制限すべきである。
更に、この発明は、この方法を実施するための装置を提供する。その装置は、摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の摩擦値が小さい側の車輪ブレーキと摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧間のブレーキ圧差を制御するための装置において、
・摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方を検知するための検知手段と、
・車両の走行状態を表す安定性指数を求めるための決定手段と、
・この検知手段で検知した摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづ く安定性指数を評価するための評価手段と、
・この安定性指数の値に応じて、並びにこの摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方 又は一方にもとづく安定性指数の評価結果に応じて、ブレーキ圧差を算出するための計 算手段と、
を備えた装置である。
この発明の更なる利点、特徴及び目的に適った改善構成は、従属請求項及び以下における図面にもとづく有利な実施例の記述から明らかとなる。
例として、車両の車輪において、車輪のスリップを制御するためのABS制御を実行することが可能な形に構成された油圧式ブレーキ設備を備えた、二つの車軸の四輪自動車を出発点とする。この場合、車両は、特に、そのために必要な当業者に周知のセンサー、例えば、車輪回転数及びブレーキ圧センサーなどと、例えば、車輪ブレーキシリンダーに対する制御可能な圧力供給部や制御可能なバルブなどのアクチュエータと、これらのアクチュエータを制御するための一つ以上の制御機器とを備えている。
しかし、この発明は、同じく、例えば、電気式又は空気圧式ブレーキ設備などの別のブレーキ設備を備えた車両に簡単な手法で転用することができる。
有利には、車両は、更に、運転者が指示した操舵角δDRV を追加操舵角Δδに重畳させることができる操舵システムを備えている。この場合、車両は、所謂、操舵系統に採用した遊星歯車変速機により、運転者の操舵動作を追加操舵動作に重畳させることができるオーバーライディング操舵制御を備えることができる。同様に、所謂、ステアバイワイヤ操舵制御を採用することができる。この場合、後輪を能動的に操作するための機器を使用することも可能である(例えば、電気機械式後輪操舵システムや後輪操舵角を制御するための能動的に駆動可能な後方軸箱などの能動的な後輪操舵システム)。
このように装備した車両により、所謂、μスプリットブレーキ操作、即ち、摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの間に、追加操舵角Δδにもとづき、摩擦値が大きい(高μ)側と摩擦値が小さい(低μ)側での異なるブレーキ力によって起こる外力によるヨーイングモーメントMz を補償するヨーイングモーメントを生じさせる目標操舵角δSollを設定することが可能である。そのようにして、μスプリットブレーキ操作の際に、車両を速くかつ確実に安定化させることができる。
このことにより、μスプリット状況において、「より積極的な」ブレーキ圧制御を採用することが可能となる。この場合、特に、後車軸における車輪ブレーキシリンダーのブレーキ圧間に、摩擦値が小きい側の車輪(低い方の車輪)の車輪ブレーキのブレーキ圧pLow に対して、摩擦値が大きい側の車輪(高い方の車輪)の車輪ブレーキのブレーキ圧pHighを高めたブレーキ圧差Δpを設定するものと規定する。これは、μスプリットブレーキ操作の際に、車両のより急激な減速を引き起こす、最初に説明したセレクトロウ制御を修正することに対応する。
この場合、μスプリット状況を検知するために、走行ダイナミック制御が供給することが可能な、車両のセンサーで測定した、並びに見積もった走行動特性変量とブレーキ操作変量を参照する。その制御を、ヨーレイト制御ESP(電子式安定化プログラム)とアンチロックブレーキシステム(ABS)の両方又は一方とすることができる。
更に、車両の直線走行の間又はカーブ走行の間のμスプリットブレーキ操作であるか否かを調べる。この場合、直線又はカーブ走行は、特に、例えば、ヨーレイトセンサーで測定することができる車両のヨーレイト
Figure 2007515347
と、例えば、横加速度センサーで測定することができる車両の横加速度ay と、運転者が、車両の操舵可能な車輪に設定する操舵角δDRV とにもとづき決定される。
この場合、これらの信号から、車両が、直線走行中又はカーブ走行中に有るのか否かが検出される。ここで、カーブ走行は、例えば、前記の信号の値が、それぞれ所定の閾値を上回る場合にだけ検知され、その際これらの信号の正負の符号にもとづき、右カーブであるか、左カーブであるかを検出することができる。それに対応して、直線走行の検知は、前記の信号の値が、所定の閾値より小さい場合に行われる。しかし、これらの信号は、カーブ指数(例えば、カーブ指数=1/3*[K1*ヨーレイト+K2*操舵角+K3*横加速度])の形式で表すこともでき、カーブ走行の検知は、このカーブ指数が、カーブ走行に関する閾値を上回った場合に行われる。このカーブ指数が、カーブ走行に関する閾値を上回らない場合、そのことは、直線走行を示唆しており、それに対応して、その場合には、直線走行が検知される。この閾値には、カーブ走行条件と直線走行条件との間の移行に対して、ヒステリシスを考慮すべきである。
不均一な走路上での制動プロセスは、特に、車両の速度vにもとづき、並びに右前輪(i=vr)、左前輪(i=vl)、右後輪(i=hr)及び左後輪(i=hl)における車輪速度vi と車輪ブレーキのブレーキ圧pi にもとづき検知される。
この場合、車輪iの縦方向のスリップλは、車輪が、どの程度ロックする傾向に有るのかを示す車輪速度vi と車両速度vを比較することによって算出することができる。走行状況及び特に車輪の縦方向スリップλの同様の検知は、ブレーキ圧pi の保持又は低下によって、車輪のロックを防止するABS制御を作動するために行われる。
そのため、μスプリットブレーキ装置の検知、操舵角制御の作動、及び後車軸におけるブレーキ圧の差分Δpの決定を行うために、以下に記載する制御を使用することができる。この場合、これらの制御は、既に最初に述べた前車軸でのヨーイングモーメント制限及び後車軸でのセレクトロウ制御のABS制御方針にも準拠している。
直線走行中のμスプリットブレーキ操作の開始は、以下の条件の中の一つが満たされた場合に検知される。
a)一方の前輪が、所定の継続時間の間、ABS制御状態に有る一方、他方の前輪が、A BS制御状態に無い、
b)両方の前輪が、ABS制御状態に有り、前輪でのブレーキ圧pi の差分が、所定の閾 値を上回る、
c)両方の前輪が、所定の継続時間の間、ABS制御状態に有り、少なくとも一つの前輪 でのABSロック圧が、所定の閾値を上回り、一方の前輪でのABSロック圧が、他方 の前輪のロック圧の所定の倍数である。
直線走行中のμスプリットブレーキ操作の終了は、以下の条件の中の一つが満たされた場合に検知される。
a)どの前輪もABS制御状態に無い、
b)両方の前輪におけるABSロック圧が、所定の継続時間の間、所定の閾値よりも小さ い、
c)一方の前輪のABSロック圧が、他方の前輪のABSロック圧の所定の倍数より小さ い、
カーブ走行中のμスプリットブレーキ操作の開始は、以下の条件の中の一つが満たされた場合、値0から値1にセットされる。
a)カーブ外側の車輪が、カーブ内側の車輪よりも時間的に前にABS制御状態となった 、
b)両方の前輪が、所定の継続時間の間、ABS制御状態に有り、少なくとも一つの前輪 が、所定の閾値を上回るABSロック圧を持ち、カーブ内側の前輪のABSロック圧が 、少なくともカーブ外側の前輪のABSロック圧の所定の倍数である。
カーブ走行中のμスプリットブレーキ操作の終了は、以下の条件の中の一つが満たされた場合に検知される。
a)どの前輪もABS制御状態に無い、
b)両方の前輪のABSロック圧が、所定の継続時間の間、所定の閾値よりも小さい、
c)カーブ内側の前輪のABSロック圧が、カーブ外側の前輪のABSロック圧の所定の 倍数よりも小さい。
操舵角制御の作動は、作動信号にもとづき、この信号が値1を採る場合に実行される。
エンジンを始動した場合、この作動信号は、値0にセットされる。特に、前述した通り、μスプリットブレーキ操作が検知された場合、値1への変更が行われる。
しかし、有利には、作動信号が値1を採るためには、同じく一つ以上の更なる条件を満たさなければならない。このような条件は、同じく、例えば、前車軸におけるヨーイングモーメント上昇遅延又は後車軸におけるセレクトロウ制御などの所定のABS制御方針を作動するために調べられる。
例えば、更に、ABSコントローラで見積もられた右側と左側の車輪に関する摩擦値μの差分が、所定の閾値を上回る場合に、作動信号は、値1にセットされる。更に、ABSシステムとESPシステムの両方又は一方で算出される走行状況検知結果は、操舵角制御を作動する際に考慮することができる。
作動信号は、μスプリットブレーキ操作の終了が検知されるとともに、残る考慮条件の中の一つ以上が最早満たされなくなった場合に、値1から値0にリセットされる。ここで、それらの条件において、変量と閾値の比較にもとづく場合、有利には、その前の作動時とは異なる閾値を使用し、その結果制御が、ヒステリシスによって安定化される。
目標操舵角δSollを設定するための操舵角コントローラ110の有利な実施構成が、ブロック接続図で図1に図示されている。このコントローラは、追加操舵角Δδz を求めるブロック120を有し、この追加操舵角は、外力によるヨーイングモーメントMz の見積値
Figure 2007515347
にもとづき算出される。この場合、追加操舵角要求Δδz の設定は、外力によるヨーイングモーメントMz を補償するための設定変量の制御成分にもとづく外力のフィードフォワードに対応する。更に、更なる外力及び特に車両の反応を考慮した追加操舵角Δδの調整成分ΔδR を求める走行状態コントローラ130が配備されている。
運転者が設定した操舵角δDRV を重畳された追加操舵角Δδは、制御成分Δδz と調整成分ΔδR の合計として得られる。
追加操舵角Δδの制御成分Δδz を求めるためのブロック120の有利な実施構成は、図2に図示されている。ブロック120の入力信号としては、車両の操舵可能な車輪の操舵角δWHL 、車輪ブレーキのブレーキ圧pi 、車両の車輪の角速度ωi 及び車両の基準速度vが用いられる。
ブロック210において、μスプリット状況での車両の車輪における異なるブレーキ圧Fx,i (i=vr,vl,hr,hl)によって生じる、外力によるヨーイングモーメントMz を見積る。
この場合、車両の垂直軸の周りの回転モーメントに関するバランス条件から、以下の式となる。

z =cos(δWHL )・[s1 ・Fx,vl−sr ・Fx,vr
−sin(δWHL )・lv ・[Fx,hl−Fx,hr]+sl ・Fx,hl−sr ・Fx,hr

ここで、sl は、車両の横方向に関する車両の重心と左車輪の接続点の間の間隔を、sr は、車両の横方向に関する車両の重心と右車輪の接続点の間の間隔を、lv は、車両の縦方向に関する車両の重心と前車軸の間の間隔を表す。
この発明の有利な実施構成では、車両の車輪のロックが、ABS制御によって防止される。そのため、車輪のブレーキ圧Fx,i と車輪ブレーキのブレーキ圧pi の間の線形的な関係を出発点とすることができ、その結果ブレーキ圧Fx,i は、以下の関係により求められる。

x,i =Kpi・pi (i=vr,vl,hr,hl)

ここで、比例定数Kpiは、例えば、走行試験で決定されるが、例えば、ブレーキ摩擦値、ブレーキディスクの有効半径、ブレーキピストンの直径などのブレーキパラメータから求めることも可能であり、ブロック210内に保存される。
当然のことながら、ブレーキ力Fx,i を求めるために、同じく、側壁ねじれセンサーや測定リムなどの、ブレーキ圧Fx,i を直接測定するセンサーを用いることができる。
ブロック210からブロック220に伝えられる外力によるヨーイングモーメントMz に関する見積値
Figure 2007515347
にもとづき、追加操舵角Δδの制御成分Δδz を反転式車両モデルで求め、その場合有利には、線形的な単一トラックモデルをベースとし、外力によるヨーイングモーメントMz と操舵角は、定常的な走行状態に関して線形的である。
この場合、制御成分Δδz は、外力によるヨーイングモーメントMz に増幅係数KM を掛け算することによって算出される。

Δδz =KM ・Mz

この場合、この関係は、車両速度vとブレーキ圧pi に対して依存性を持つことが分かっている。そのため、増幅係数KM は、それらの変量に依存して、例えば、走行試験で計算した特性線にもとづき適合した形で求められる。

Δδz =KM (v,{pi })・Mz

更に、後車軸の車輪ブレーキのブレーキ圧phrとphlは、僅かな影響しか持たないことが分かっている。更に、前車軸の車輪ブレーキのブレーキ圧pvrとpvlを纏めることができる。従って、ブロック220の有利な実施構成では、追加操舵角成分Δδz は、以下の形の関係にもとづき求められる。

ΔδR =KM (v,pvl+pvr/2)・Mz

既に説明した通り、この成分は、場合によっては、他の外力と重畳して、外力によるヨーイングモーメントMz を見積る際に不正確さを生じさせる可能性が有る(この場合、純粋な制御としての外力補償の特性のために、パラメータの不正確さが、制御誤差として制御信号に直接入り込む)ので、各走行状況において、追加操舵角成分Δδz にもとづき、外力によるヨーイングモーメントを理想的に補償することが不可能である。このことは、例えば、車輪ブレーキのブレーキ圧pi を求める際の不正確さから、或いは例えば、動作温度の変化などの動作条件の変化のために、或いは動作時間が長くなるために起こる可能性が有るブレーキ設備の摩擦係数の変化から生じるものである。
従って、図1に図示した通りのブロック120での外力のフィードフォワードは、ブロック130での走行状態制御に重畳される。ブロック130では、例えば、車両のヨーレイト
Figure 2007515347
などの走行状態変量に従って、並びに任意選択により更に車両の横加速度ay 又は横滑り角βにも従って、追加操舵角Δδの調整成分ΔδR を求める。この場合、ブロック130の有利な実施構成は、図3にブロック接続図として図示されている。
調整成分ΔδR は、特に、車両のヨーイング挙動にもとづく。このヨーイング挙動を評価するために、ブロック310において、車両モデルにより、運転者が指示した操舵角δDRV と車両速度vに従って、基準ヨーレイト
Figure 2007515347
を算出する。このことは、車両の参照モデルを使用して行われ、その場合、例えば、線形的な単一トラックモデルをベースとする。この場合、有利な実施形態では、例えば、測定した横加速度ay により求めることができる(平均的な)走路摩擦値μに関する見積値
Figure 2007515347
を考慮する車両モデルを選択する。それにより、残った摩擦値ポテンシャルも、基準ヨーレイト
Figure 2007515347
に取り込まれる。
追加操舵角成分ΔδR を求めるために、有利には、比例差動式コントローラ(PDコントローラ)として構成された適応型車両状態コントローラ320を使用する。この場合、追加操舵角成分ΔδR は、P成分ΔδR,P とD成分ΔδR,D の合計として得られる。

ΔδR =ΔδR,P +ΔδR,D

P成分ΔδR,P に関する制御変量は、ヨーレイト偏差
Figure 2007515347
である。このP成分から得られる操舵要求成分に関して、以下の制御ルールが成り立つ。
Figure 2007515347
この場合、ヨーレイト偏差
Figure 2007515347
は、車両の測定したヨーレイト
Figure 2007515347
と基準ヨーレイト
Figure 2007515347
との間の差分として定義される。
Figure 2007515347
車両のヨーレイト
Figure 2007515347
は、ヨーレイトセンサーを用いて直接測定される。ヨーレイトセンサーは、横加速度センサーと共に、センサークラスターに統合され、そこでは、ヨーレイト
Figure 2007515347
及び横加速度ay も、冗長構成のセンサー素子により測定される。
ヨーレイト偏差
Figure 2007515347
をコントローラにフィードバックするための増幅係数KFB,P(v)は、その時点の車両速度vに渡って適合される。車両速度は、基本的に、車両の走行挙動に影響を及ぼすので、このことは、コントローラの増幅に、そのためコントローラによって閉じられた車両の制御ループにも考慮される。
追加操舵角成分ΔδR のD成分ΔδR,D に関する制御変量は、ヨーイング加速度偏差
Figure 2007515347
である。このD成分から得られる操舵要求成分に関して、以下の制御ルールが成り立つ。
Figure 2007515347
ヨーイング加速度偏差
Figure 2007515347
は、ヨーレイト偏差
Figure 2007515347
の微分によって算出される。
Figure 2007515347
そのため、ヨーイング加速度偏差
Figure 2007515347
は、ヨーレイト偏差
Figure 2007515347
と同じ信号源にもとづいており、その信号源から微分器を用いて求められる。
ヨーイング加速度偏差
Figure 2007515347
のコントローラへのフィードバック用の増幅係数KFB,Dは、車両速度vに渡って適合される。車両速度vは、基本的に車両の走行挙動に影響を及ぼすので、これは、コントローラでの増幅に、そのため、コントローラにより閉じられた車両の制御ループにも考慮される。
図示したヨーレイト制御と同様の制御は、同じく車両の横加速度ay と複数の走行状態変量から見積もられる横滑り角βの両方又は一方に対しても実施することができる。そして、この場合、制御変量は、車両の横加速度ay と基準横加速度ay,ref 間の偏差又は車両の見積もった横滑り角
Figure 2007515347
と基準横滑り角βref 間の偏差であり、その場合基準横加速度ay,ref 及び基準横滑り角βref は、例えば、相応の閾値によって設定することができる。しかし、有利には、横加速度又は横滑り角に関する相応の基準変量は、モデルをベースとして、運転者の指令から求められる(例えば、単一トラックモデル)。
横加速度ay と横滑り角βの両方又は一方を更に考慮する場合、ブロック320で、有利には、Pコントローラ又はPDコントローラによって、追加操舵角成分ΔδR の相応の成分を算出して、それに続いてアービトレーションを実施する。
制御成分Δδz と調整成分ΔδR は、加算器で加算されて、両方の成分の合計として得られた追加操舵角要求Δδは、操舵系統に組み込まれたアクチュエータの制御ユニットに、例えば、オーバーライディング操舵制御の制御ユニットに伝えられて、このアクチュエータによって設定される。
このようにして、車両の操舵可能な車輪の操舵角δWHL は、運転者が指示した操舵角δDRV と追加操舵角Δδの合計として得られる。

δWHL =δDRV +Δδ

この場合、μスプリットブレーキ操作の際の安定化に必要な操舵角δWHL の決定と操舵角の設定は、平均的な運転者が、相応の状況を検知して、それに対抗する操舵により反応することができるよりもずっと速く行われる。この制御システム及び能動的な操舵システムの素早い反応により、電子ブレーキシステムABSが、個々の車輪(特に摩擦値が大きい側)で、より良好に摩擦値ポテンシャルを活用することができる形で適合することが可能となる。
このために、μスプリットブレーキ操作の際のABSの制御方針を修正する。
前車軸でのヨーイングモーメントの生成遅延を大きく緩和し、その結果前車軸において、高い方の車輪と低い方の車輪間の大きな圧力差が、より速く生成されるようにする、即ち、高い方の車輪に、より大きな圧力上昇勾配を設定するようにする。
この圧力差の生成とほぼ同時に、車両の垂直軸の周りにヨーイングモーメントが発生する。ブレーキ圧情報からの、或いはタイヤの力を直接測定するシステムを用いた、外力によるヨーイングモーメントMz の見積にもとづき、運転者が、未だ車両のヨーイング挙動の状況を検知することができない内に、直ちに制御システムによって、対抗する操舵が行われる。
特に、車両の後車軸におけるABSのセレクトロウ制御を同様に修正する。この場合、その修正は、セレクトロウ制御の「軟化」に対応し、その制御では、高い方の車輪のブレーキ圧pHighと低い方の車輪のブレーキ圧pLow の間の圧力差Δpを安定化指数Sにもとづき算出するものである。
この場合、この発明の有利な実施構成では、このセレクトロウ制御の修正を、ABSコントローラが実施するセレクトロウ制御に重畳する。
この場合、低い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧pLow は、専らABSコントローラによって決定されるとともに、高い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧pHighは、許容される圧力差Δpにもとづき算出される。
セレクトロウ制御を修正するための制御システム460の基本的な構造は、図4にブロック接続図として図示されている。このシステムに対する入力信号は、ABSコントローラと、ここではブロック410で模式的に表示した前記の操舵角コントローラとによって提供される。この制御システムは、コントローラ機能を作動するための論理回路を含むブロック420と、圧力差ΔpSellow,Reqを求めるためのブロック430と、圧力差ΔpSellow,Reqを制限するためのブロック440を有する。
制限済みの圧力差ΔpSellow,limは、ブレーキ圧に関する設定要求Δpに対応し、この要求は、高い方の車輪の車輪ブレーキの圧力上昇、圧力低下又は圧力維持の形で、例えば、ABS制御機器によって、後車軸に対して設定される。
セレクトロウ制御の修正は、ブロック420で計算されるセレクトロウ要求ビットが、値1を採る場合にのみ実施される。このセレクトロウ要求ビットが、値0を持つ場合、後車軸の車輪ブレーキのブレーキ圧間の圧力差Δpは許容されない。このことは、図4で乗算点450により模式的に示されており、この点は、セレクトロウ要求ビットが、値1を採る場合にのみ、制限済みの圧力差pSellow,limの0と異なる値を送り出す。
エンジンを始動した場合、セレクトロウ要求ビットは、ブロック420で値0にセットされる。少なくとも以下の条件が満たされる場合、制御機能を作動するために、セレクトロウ要求ビットは、値0から値1にセットされる。
a)μスプリットブレーキ操作が検知される、
b)直線走行が検知される、
c)摩擦値が小きい側が検知される。
この場合、摩擦値が小きい側の検知に続いて、車両の右と左の縦方向側における車輪ブレーキのブレーキ圧間の差分にもとづき、走行状態コントローラ410でのμスプリットブレーキ操作が開始される。この場合、車輪ブレーキのブレーキ圧が、車両の他方の縦方向側におけるブレーキ圧よりも所定の閾値だけ小さい車両の縦方向側が、摩擦値が小きい側として検知される。
当然のことながら、ここで、これに追加して、或いはこれに代わって、摩擦値が大きい側を同様の手法で検知するものと規定することもできる。
セレクトロウ要求ビットは、前記の条件が最早満たされない場合、値1から値0にリセットされる。
この発明の有利な実施構成では、ブレーキ圧差ΔpSellow,Reqを求めるためのブロック430において、図5に図示したフローチャートにより示したステップを実行する。
圧力差ΔpSellow,Reqは、高い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧pHighが、低い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧pLow に対して高くなっているブレーキ圧値を示す。ブレーキ圧pHighの値pLow 以下への低下は、規定されない。
先ずは、操舵角コントローラ110で求めた追加操舵角Δδとヨーレイト偏差
Figure 2007515347
から、以下の変量S* を計算する。
Figure 2007515347
この場合、増幅係数K1 とK2 は、正であり、例えば、走行試験で算出される。
この変量S* にもとづき、車両が正の回転方向(即ち、左向き)又は負の回転方向(即ち、右向き)でヨーイングしているのか、或いは正又は負の追加操舵角Δδにもとづき、正又は負の回転方向のヨーイング運動と見込まれるのかを検出することができる。しかし、変量S* にもとづき、運転者又は運転者を支援する運転者支援システムが、摩擦値が低い方向に、対抗した操舵を行ったか否かを検知することもできる。
更に、この発明の別の実施構成では、車両の測定した横加速度ay と基準横加速度ay,ref の間の係数で重み付けした偏差と、車両の見積もった横滑り角βと基準横滑り角βref の間の偏差の両方又は一方を、更なる被加算数として、変量S* に追加して考慮するものと規定する。
この場合、基準横加速度ay,ref と基準速度βref は、例えば、閾値にもとづき定めることができる。しかし、有利には、横加速度又は横滑り角に関する相応の基準変量は、モデルにもとづき、運転者の指示により決定される(例えば、単一トラックモデル)。
摩擦値が小きい側(μが低い側)にもとづく変量S* の評価は、質問510により行われて、安定性指数Sを決定することとなる。この場合、特に、安定性指数Sの正負の符号は、摩擦値が小きい側が、車両の縦方向に関して右に有るか左に有るかに応じて決定するものと規定し、そのことは、質問510により決定される。以下の通りとなる。
Figure 2007515347
このようにして決定された安定性指数Sの値にもとづき、車両が、(摩擦値が小さい側が左/右の場合に、正/負の回転方向であることにより)摩擦値が小きい側の方向にヨーイングしているのか、車両が、(摩擦値が大きい側が左/右の場合に、正/負の回転方向であることにより)摩擦値が大きい側の方向にヨーイングしているのかを検出することができる。
この場合、Sの値が正であることは、車両が、摩擦値が小きい側の方向にヨーイングしていることを示す。安定化指数Sの値が正である場合、μスプリット状況での車両の走行状態は、安定している。
Sの値が負又は非常に小さいことは、車両が、摩擦値が大きい側の方向にヨーイングしており、そのため、車両の走行状態が、操舵介入によって、未だ安定化することができていないことを示す。
ここで、変量S* の評価は、当然のことながら、摩擦値が大きい側にもとづいても実施することができる。この場合、安定化指数Sを決定するために、前記の摩擦値が小きい側にもとづく評価と同様の手法により、摩擦値が大きい側が左である場合、負の符号がセットされる。
圧力差ΔpSellow,Reqを決定する場合、先ずは、安定化指数Sの値に関係無く、質問520により、後車軸の高い方の車輪が、ロックする傾向を持つか否かを調べる。この場合、この質問は、ブロック520での高い方の車輪のスリップλと所定の閾値との比較を含む。高い方の車輪の車輪スリップλが閾値を上回る場合、この車輪のブレーキ圧が、スリップλに応じて低下される。しかし、この場合、高い方の車輪のブレーキ圧pHighは、ABSシステムのセレクトロウ制御に対応して、低い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧の値pLow を下回らない。
高い方の車輪が、ロックする傾向を示さない場合、各制御サイクルにおいて、質問530による安定化指数Sの評価にもとづき、ブレーキ圧差Δpの変化を算出する。
この場合、安定化指数Sの値が、所定の正の閾値pinc_thrを上回る場合、圧力差Δpの増大とそのため高い方の車輪の圧力上昇が行われる。この状況では、圧力上昇は、車両を不安定化させることにはならず、車両の安定した走行状態でのμスプリットブレーキ操作の際に、制動距離を短縮させる役割を果たす。
この場合、ブロック430の出力信号として、瞬間的なブレーキ圧差Δpよりも所定の値Δxだけ大きいブレーキ圧差が、以下の通り得られる。

ΔpSellow,Req=Δp+Δx

安定化指数Sの値が、所定の閾値pdec_thrを下回る場合、圧力差Δpを低減し、そのため高い方の車輪の圧力低下を起こす。この場合、圧力の増大は、摩擦値が大きい側の方向への車両のヨーイング運動を増幅させ、そのため走行状態を不安定化させることとなる。しかし、圧力低下は、後車軸の横方向力ポテンシャルを高めるとともに、運転者又は操舵角コントローラ110が、場合によっては起こり得る不安定な走行状態に効果的に対抗して制御可能とすることができる。
ここで、ブロック430の出力信号として、瞬間的なブレーキ圧差Δpよりも所定の値Δyだけ小さいブレーキ圧差が、以下の通り得られる。

ΔpSellow,Req=Δp−Δy

この場合、値Δyは、値Δxと一致することができる。
安定化指数Sの値が、両方の閾値pdec_thrとpinc_thrの間に有る場合、ブレーキ圧差Δpは、一定に保たれる。この場合、「極限値の」走行状態が出現し、この状態は、次の制御サイクルで新たに評価されて、場合によっては、高い方の車輪の圧力低下を行うか、或いは圧力上昇を許容する。
この場合、ブロック430の出力信号として、次の圧力差が得られる。

ΔpSellow,Req=Δp

前記のステップは、ブロック430において、各制御サイクルに一回実行され、その結果高い方の車輪において、値Δx又はΔyから得られる勾配での階段状の圧力上昇又は低下、或いはブレーキ圧の維持が行われる。
有利には、ブレーキ圧差ΔpSellow,Reqの走行状況に依存した制限を規定する。この場合、ブレーキ圧差ΔpSellow,Reqを制限するためのブロック440の有利な実施構成は、図6にフローチャートにより図示されている。
この実施構成では、先ずは、速度に応じた制限をステップ610で行い、その場合例えば、特性曲線にもとづき制限を実行する。この場合、車両は、速度が速い場合、より大きく不安定となる傾向があるので、速度が速い場合、圧力差Δpを僅かだけ許容するか、或いは全く許容しない。そのため、この制限によって、速度が速い場合に、安定化マージンとして、後車軸の大きな横方向力ポテンシャルが保持される。
質問620により、摩擦値が小さい側の交替が確認された場合、圧力差ΔpSellow,Reqが、値0に低減される。摩擦値が小きい側が交替した場合、不安定な走行状態の発生に対する重大なリスクが生じる。従って、車両の安定化に関して、運転者又は操舵角コントローラを支援するために、このような交替では、安定化指数により、再び客観的に安定した走行挙動が示されない限りにおいて、セレクトロウ制御に頼ることとなる。
質問630において、その時点の後車軸での圧力差を検出して、前車軸での圧力差と圧力比の両方又は一方と比較する。ステップ640では、後車軸での圧力差ΔpSellow,Reqと圧力比の両方又は一方の前車軸での圧力差と圧力比の両方又は一方の、例えば、50%への制限を、それを上回っている場合に行う。
ABS制御によって、前車軸でのブレーキ圧を、前車軸での摩擦値に従って設定する。この場合、前車軸(ここでは、前進走行の場合、この車軸を出発点とする)の圧力差に、後車軸にも短時間後に遅れて生じる摩擦係数を考慮する。そのため、前車軸のブレーキ圧は、変化した摩擦値に早期に適合する。しかし、後車軸での圧力差の前述した制限にもとづき、この変化は、制御システムによって、早くも見込むことができる。
圧力差ΔpSellow,Reqを制限するためのブロック440の出力信号は、ブレーキ圧差Δpに関する設定要求に対応する制限済みの圧力差ΔpSellow,limであり、後車軸の高い方の車輪の車輪ブレーキの圧力上昇、圧力低下或いはブレーキ圧pHighの維持により設定される。しかし、この場合、低い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧pLow の値は、高い方の車輪の車輪ブレーキのブレーキ圧を下回る。
この発明のこれまでに図面に図示した実施構成では、外力によるヨーイングモーメントMz を補償するヨーイングモーメントを引き起こすとともに、セレクトロウ制御の修正を可能とする操舵角を、操舵角コントローラ110によって設定することを出発点としている。
しかし、同じく、運転者が対抗する操舵を行う場合にも、同様の修正を実施することが可能である。
この発明のこの実施構成では、異なる手法で変量S* を決定する。この場合、運転者がμスプリットブレーキ操作の始めの時点t0 で設定した操舵角δDRV (t0 )とこの操舵角にもとづき時点t0 で計算された基準ヨーレイト
Figure 2007515347
を保存し、例えば、以下の形式で、変量S* を決定するものと規定する。
Figure 2007515347
ここで、
Figure 2007515347
Figure 2007515347
は、所定の定数である。更なる修正は、不要である。
この場合、操舵角δDRV (t0 )又はヨーレイト
Figure 2007515347
は、運転者のコース要求を表す。この値と操舵可能な車輪の操舵角の瞬間的な値δWHL 及び車両のヨーレイト
Figure 2007515347
との比較にもとづき、運転者が、特に、対抗した操舵などの安定化させる措置を採ったか否かを検出し、そのことにより、前記の手法でセレクトロウ制御の修正が可能である。
更に、これまでに、セレクトロウ制御の修正は、車両の直線走行が検知された場合にのみ実施するものと述べてきた。このことは、セレクトロウ制御によって保証される車両のトラック安定性を損なうものではない。しかし、同じく、前記のセレクトロウ制御の修正を同様の手法でカーブ走行に対しても行うことが可能である。この場合、例えば、ブレーキ圧差の限定的な制限を行うか、直線走行時よりもゆっくりとした圧力上昇を実施するか、或いはその両方を実行することができる。
操舵角コントローラのブロック接続図 図1に図示した操舵角コントローラの、追加操舵角の制御成分を求めるためのブロックのブロック接続図 図1に図示した操舵角コントローラの、追加操舵角の調整成分を求めるためのブロックのブロック接続図 セレクトロウ制御を修正するための制御システムのブロック接続図 ブレーキ圧差を求めるための方法のフローチャート ブレーキ圧差を制限するための方法のフローチャート

Claims (37)

  1. 摩擦係数が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の車軸に配備された少なくとも一つの車輪ブレーキのブレーキ圧を制御する方法において、
    ・車両の摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方を検知することと、
    ・車両の走行状態を表す安定性指数を生成することと、
    ・摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづく安定性指数を評価する ことと、
    ・この安定性指数の値に応じて、並びにこの摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方 又は一方にもとづく安定性指数の評価結果に応じて、少なくとも一つの車輪ブレーキの ブレーキ圧を変更することと、
    を特徴とする方法。
  2. 摩擦値が小さい側の車輪に対して、ABS制御を実行することと、
    摩擦値が大きい側の車輪ブレーキと摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧のブレーキ圧差を求め、その場合有利には、一つの車両の車軸に、車輪ブレーキが配備されていることと、
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 車両の操舵可能な車輪の操舵角と車両のヨーレイトの両方又は一方にもとづき、当該の安定性指数を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 瞬間的な操舵角と摩擦値が不均一な走路上での制動プロセスの始めにおける操舵角との間の偏差にもとづき、当該の安定化指数を求めることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
  5. 瞬間的なヨーレイトと制動プロセスの始めにおける操舵角により車両モデルで算出した基準ヨーレイトとの間の偏差にもとづき、当該の安定化指数を求めることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
  6. 車両操作者が指示した操舵角と車両の操舵可能な車輪に設定された目標操舵角との間の偏差にもとづき、当該の安定化指数を算出することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
  7. 当該の目標操舵角が、外力によるヨーイングモーメントにもとづき、車両モデルで算出される制御成分を含むことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
  8. 当該の目標操舵角が、車両のヨーレイトと車両の基準ヨーレイトとの間のヨーレイト偏差にもとづき決定される調整成分を含むことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
  9. 車両のヨーレイトと車両操作者が指示した少なくとも一つの変量により車両モデルで算出した目標ヨーレイトとの間の偏差にもとづき、当該の安定化指数を生成することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
  10. 車両の横加速度にもとづき、当該の安定化指数を算出することを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
  11. 横滑り角と横滑り角速度の両方又は一方にもとづき、当該の安定化指数を算出することを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
  12. 摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづき、当該の安定化指数の正負の符号を算出することを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
  13. 当該の安定化指数と少なくとも一つの閾値との比較結果にもとづき、当該のブレーキ圧を変更することを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法。
  14. 当該の安定化指数が、所定の閾値を上回る場合、摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧に対して、摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧を高めることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載の方法。
  15. 摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧と摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧との間のブレーキ圧差を制限することを特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載の方法。
  16. 車両の速度にもとづき、当該のブレーキ圧差の制限を行うことを特徴とする請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
  17. 摩擦値が小きい側と摩擦値が大きい側が交替した場合、ブレーキ圧差を許容しないことを特徴とする請求項1から16までのいずれか一つに記載の方法。
  18. 後車軸のブレーキ圧差を、前車軸のブレーキ圧差の所定の成分に制限することを特徴とする請求項1から17までのいずれか一つに記載の方法。
  19. 後車軸のブレーキ圧比を、前車軸のブレーキ圧比の所定の成分に制限することを特徴とする請求項1から18までのいずれか一つに記載の方法。
  20. 車両の直線走行が検出された場合に、ブレーキ圧の変更を行うことを特徴とする請求項1から19までのいずれか一つに記載の方法。
  21. カーブ走行の場合、よりゆっくりとした圧力上昇とより速い圧力低下を実行するとともに、後車軸のブレーキ圧差とブレーキ圧比の両方又は一方の限定的な制限を行うことを特徴とする請求項1から20までのいずれか一つに記載の方法。
  22. ヨーレイト、操舵角及び横加速度から得られるカーブ指数を用いて、カーブ走行の検知が行われることを特徴とする請求項1から21までのいずれか一つに記載の方法。
  23. 摩擦係数が不均一な走路上での制動プロセスの間に、車両の摩擦値が小きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧と摩擦値が大きい側の車輪ブレーキのブレーキ圧との間のブレーキ圧差を制御するための装置において、
    ・摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方を検知するための検知手段と、
    ・車両の走行状態を表す安定性指数を求めるための決定手段と、
    ・この検知手段で検知した摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方又は一方にもとづ く安定性指数を評価するための評価手段と、
    ・この安定性指数の値に応じて、並びにこの摩擦値が小さい側と摩擦値が大きい側の両方 又は一方にもとづく安定性指数の評価結果に応じて、ブレーキ圧差を算出するための計 算手段と、
    を備えた装置。
  24. 摩擦値が小さい側の車輪ブレーキのブレーキ圧を制御するABSコントローラを有することを特徴とする請求項23に記載の装置。
  25. 車両の操舵可能な車輪の制動プロセスの始めにおける操舵角を保存するための保存手段を有することを特徴とする請求項23又は24に記載の装置。
  26. 操舵角センサーで測定した操舵角と当該の保存手段に保存していた操舵角とを比較するための第一の操舵角比較手段を有することを特徴とする請求項23から25までのいずれか一つに記載の装置。
  27. ヨーレイトセンサーで測定した車両のヨーレイトと当該の保存していた操舵角により車両モデルで計算した基準ヨーレイトとを比較するための第一のヨーレイト比較手段を有することを特徴とする請求項23から26までのいずれか一つに記載の装置。
  28. 当該の安定化指数を求めるための決定手段が、当該の第一の操舵角比較手段で実行された比較結果と当該の第一のヨーレイト比較手段で実行された比較結果の両方又は一方を参照することを特徴とする請求項26又は27に記載の装置。
  29. 目標操舵角を算出するための操舵角コントローラを有することを特徴とする請求項23から27までのいずれか一つに記載の装置。
  30. 当該の操舵角コントローラが、外力によるヨーイングモーメントにもとづき、当該の目標操舵角の制御成分を求めるための手段を有することを特徴とする請求項29に記載の装置。
  31. 当該の操舵角コントローラが、車両の測定したヨーレイトと基準ヨーレイトとの偏差にもとづき、当該の目標操舵角の調整成分を求めるための手段を有することを特徴とする請求項29から30までのいずれか一つに記載の装置。
  32. 当該の目標操舵角を設定するための手段を有することを特徴とする請求項29から31までのいずれか一つに記載の装置。
  33. 当該の目標操舵角を設定するための手段が、オーバーライディング操舵制御部であることを特徴とする請求項32に記載の装置。
  34. 当該の目標操舵角を設定するための手段が、ステアバイワイヤ操舵制御部であることを特徴とする請求項32に記載の装置。
  35. 当該の目標操舵角と運転者が指示した操舵角とを比較するための第二の操舵角比較手段を有することを特徴とする請求項29から34までのいずれか一つに記載の装置。
  36. 車両の測定したヨーレイトと運転者が指示した操舵角により車両モデで算出した基準ヨーレイトとを比較するための第二のヨーレイト比較手段を有することを特徴とする請求項29から35までのいずれか一つに記載の装置。
  37. 当該の安定化指数を求めるための決定手段が、当該の第二の操舵角比較手段で実行された比較結果と当該の第二のヨーレイト比較手段で実行された比較結果の両方又は一方を参照することを特徴とする請求項35又は36に記載の装置。
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