JP2007303560A - ガス供給装置およびガス供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載タンクの最高到達温度を抑えつつ短時間でガスの充填が可能なガス供給装置およびガス供給方法を提供すること。
【解決手段】本発明のガス供給装置1は,蓄ガス器11と,蓄ガス器11に貯蔵されたガスを車載タンク4へ供給するディスペンサ12とを有するガス供給装置1であって,ディスペンサ12内のガス流路に設けられた流量コントロール弁33と,流量コントロール弁33の開度の制御により,車載タンク4への供給の初期には流量コントロール弁33を第1の開度にして急速供給を行い,その後,流量コントロール弁33をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う制御装置36とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のガス供給装置1は,蓄ガス器11と,蓄ガス器11に貯蔵されたガスを車載タンク4へ供給するディスペンサ12とを有するガス供給装置1であって,ディスペンサ12内のガス流路に設けられた流量コントロール弁33と,流量コントロール弁33の開度の制御により,車載タンク4への供給の初期には流量コントロール弁33を第1の開度にして急速供給を行い,その後,流量コントロール弁33をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う制御装置36とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は,例えば,燃料電池自動車等へ燃料である水素ガスを供給する水素供給ステーション等に設けられるガス供給装置およびそのガス供給装置によるガス供給方法に関するものである。さらに詳細には,圧縮したガスを貯蔵タンクに貯蔵してディスペンサによって供給するガス供給装置およびガス供給方法に関するものである。
例えば,燃料電池自動車に水素ガスを供給するための水素供給ステーションでは,都市ガス等から水素を製造するための水素製造装置と,製造された水素を供給するためのガス供給装置とを有している。そして,ガス供給装置は,水素製造装置で製造された水素を圧縮保管するための蓄ガス器と,蓄ガス器に保管されているガスを燃料電池自動車等に搭載されているタンク(車載タンク)に供給するためのディスペンサとを有している。一般に,水素製造装置により製造された水素は、圧縮機により所定の圧力以上(例えば40MPaG)まで昇圧され、一旦蓄ガス器に貯蔵される。そして,燃料電池自動車の車載タンク等には,ディスペンサによって,所定の圧力(例えば35MPaG)に達するまで水素が充填される。
従来,燃料電池自動車の車載タンクに水素ガスを充填する際は,ディスペンサ内の流量コントロール弁を自動制御することによって行われる。その制御方法は,例えば,次のようにしている。まず,所定の速度で流量コントロール弁を所定開度まで開き,その開度を保って充填を続ける。そして,車載タンクが満タン状態に近づき,設定供給量または設定圧力に達した時点で流量コントロール弁を閉じるのである。例えば,特許文献1に記載のガス供給装置では,被充填タンクの残り充填量が所定値以上であるときは高速充填を行い,残り充填量が所定値以下となったら低速で充填する制御方法が開示されている。これにより,短時間で精度良くガスの充填ができるとされている。
しかし一般に,高圧ガスを容器に充填する際は、容器内でガスの断熱圧縮が起こるとみなせるため、容器内のガス温度が上昇する。車載タンク等に水素ガスを充填する際においても同様な現象が発生するため,車載タンク内に充填されたガスの温度が上昇し,それに伴って車載タンク自体の温度も上昇する。特に空に近いタンクに急速に充填した場合にこの温度上昇の程度が大きくなり,車載タンクの温度が相当に高くなるおそれがある。
また,このような車載タンクには,鋼鉄製容器の他に軽量材料のライナーを繊維で補強した複合容器が用いられており,容器の容量も様々である。この軽量材料としては例えば,アルミニウムやプラスチックが使用され,補強用の繊維としては例えば炭素繊維が使用されている。以下では,このような複合容器を繊維複合容器という。鋼鉄製容器は伝熱性が比較的高く,容器内のガス温度の上昇がそのまま容器自体の温度上昇となるが,容器表面からの放熱も大きい。一方繊維複合容器では,容器の断熱性が比較的高く,容器外への放熱が少ないため,一旦,容器内のガス温度が上昇するとなかなか低下しない。さらに,プラスチックなどの耐熱性のやや低い材質が部分的に使用されているものでは,温度が上がりすぎると,タンクの変形や破損等を引き起こすおそれがある。そのようなタンクでは一般に,許容される温度範囲が定められている。
そのため,従来のガス供給装置では,車載タンクに充填する水素の流量または圧力をある程度まで制限することにより,タンク内の温度上昇を抑えるようにしている。例えば,特許文献2には,空のガス容器にガスを充填する際,初めは十分に低い初期速度で充填し始め,次第にガス流量を増加する充填方法が開示されている。この文献の充填方法によれば,空の容器に充填するときにはガスをゆっくり導入することによって,ガス容器の過剰な昇温を防止できるとされている。
一方,ガスシリンダやガスボンベの場合と異なり,車載タンクの場合では充填開始時に必ずしも空に近い状態であるとは限らず,例えば,半分程度残った状態から充填開始される場合もある。そこで,本発明者らは,充填開始時の残ガス量がある程度多い場合には,初めから急速に充填する充填方法を既に提案した(特許文献3参照。)。残ガス量がある程度多い場合には,急速に充填してもガスの温度上昇はさほどでないので,急速に充填すれば短時間で充填終了できるからである。一方,充填開始時の残ガス量が少ない場合には,まず低速で所定量まで充填した後,急速に充填するとした。
特許第3589753号公報
特開平10−318496号公報
特開2006−29424号公報
しかしながら,前記した従来のガス供給方法では,次のような問題点があった。ガス温度の過剰な上昇を回避するために,充填するガスの流量を制限する方法では,車載タンク等への充填時間が長くかかることとなり好ましくない。また,ガスの圧力を制限する方法では,車載タンクの到達ガス圧力が低くなり,充填できるガスの量が減ってしまうおそれがある。
また,一般に鋼鉄製のタンクでは比較的速く熱が逃げるため,ガス温度の最高到達温度がタンクの許容温度範囲内となるように制御すればよい。しかし,断熱性の良い繊維複合容器では,タンク内にガス温度がそのまま蓄熱されていく傾向があることが判った。そのため,空に近いタンクへ低速で充填することによりガス温度の最高到達温度をタンクの許容温度範囲内に抑えても,その後の充填につれてさらにタンクの温度が上昇するおそれがあった。
本発明は,前記した従来のガス供給装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,車載タンクの最高到達温度を抑えつつ短時間でガスの充填が可能なガス供給装置およびガス供給方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のガス供給装置は,ガス貯蔵容器と,ガス貯蔵容器に貯蔵されたガスを供給先容器へ供給するディスペンサとを有するガス供給装置であって,ディスペンサ内のガス流路に設けられた開度調整弁と,開度調整弁の開度の制御により,供給先容器への供給の初期には開度調整弁を第1の開度にして急速供給を行い,その後,開度調整弁をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う開度制御部とを有するものである。
本発明のガス供給装置によれば,ガス貯蔵容器に貯蔵されたガスが供給先容器へ供給される際に,ディスペンサ内の開度調整弁の開度によって,そのガス流量が調整される。この開度制御部では,供給先容器への供給の初期にはある程度ガス温度の上昇を予測した上で急速供給を行い,その後,低速供給に切り替えるため,タンクの温度上昇は比較的ゆっくりしたものとなる。そこで,供給の初期に急速供給を行えば,供給にかかる時間を短縮できる。
さらに本発明では,開度制御部による開度制御を行うか否かを決定するモード決定部を有することが望ましい。このモードによる開度制御を行わない場合には,例えば,供給先容器への供給の初期には開度調整弁を第3の開度にして低速供給を行い,その後,開度調整弁をより大きい第4の開度に切り替えて急速供給を行う制御方法がある。
さらに本発明では,モード決定部が,供給先容器が繊維複合容器である場合に開度制御部による制御を行うと決定することが望ましい。繊維複合容器は断熱性が比較的高く,蓄熱される傾向があるため,このような制御が適している。
さらに本発明では,供給先容器のガス量に関する情報を取得する残量取得手段を有し,開度制御部は,供給開始前における供給先容器のガス量が所定の水準より低い場合に限り,急速供給の途中で供給先容器のガス量が所定の水準に達すると低速供給に切り替えることが望ましい。供給先容器のガス残量がある程度以上あれば,急速供給を続けてもガス温度の上昇幅はある程度の範囲内に押さえられる。
また本発明は,ガス貯蔵容器に貯蔵されたガスをディスペンサを介して供給先容器へ供給するガス供給方法であって,ディスペンサ内のガス流路に開度調整弁を設けておき,供給先容器への供給の初期には開度調整弁を第1の開度にして急速供給を行い,その後,開度調整弁をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う第1供給モードによりガスの供給を行うガス供給方法にも及ぶ。
さらに本発明のガス供給方法では,供給先容器が繊維複合容器である場合に第1供給モードによるガス供給を行うことが望ましい。
さらに本発明のガス供給方法では,供給先容器のガス量に関する情報を取得する残量取得手段を設けておき,供給開始前における供給先容器のガス量が所定の水準より低い場合に限り,急速供給の途中で供給先容器のガス量が所定の水準に達すると低速供給に切り替えることが望ましい。
本発明のガス供給装置およびガス供給方法によれば,車載タンクの最高到達温度を抑えつつ短時間でガスの充填が可能となる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,燃料電池自動車に水素ガスを供給するための水素供給ステーションに使用されるガス供給装置に本発明を適用したものである。
本形態のガス供給装置1は,図1に示すように,水素供給ステーションの水素製造装置2に接続されて水素ガスの供給を受けるとともに,燃料電池自動車3の車載タンク4に対して水素ガスを供給するためのものである。水素製造装置2で製造された水素ガスは圧縮機5で圧縮されて,ガス供給装置1に貯蔵される。
ガス供給装置1は,図1に示すように,蓄ガス器11とディスペンサ12とを有している。蓄ガス器11は,複数のガスタンク21,22を有し,そのそれぞれに対して流入用と流出用の開閉弁23,24,25,26および圧力計27,28が接続されている。なお,この図では2つのガスタンク21,22を示しているが,より多数のものを備えていても良い。これらのガスタンク21,22は,同様の構成であるが,使用時には区別して使用される。
また,ディスペンサ12は,その流路中に開閉弁31,質量流量計32,流量コントロール弁33,圧力計34が接続され,充填ホース35によって車載タンク4と接続可能である。また,ディスペンサ12には,制御装置36が備えられ,各圧力計27,28,34や質量流量計32の検出結果の入力を受けるとともに,各開閉弁23〜26,31と流量コントロール弁33を制御する。
水素製造装置2で製造された水素ガスは,圧縮機5によって40MPaG程度に圧縮され,開閉弁23または25が開放されて蓄ガス器11のガスタンク21または22に一旦保管される。この水素ステーションに水素ガスの充填を希望する燃料電池自動車3が到着すると,その車載タンク4に充填ホース35を接続し,ガスタンク21,22のいずれかから車載タンク4へ水素ガスが充填される。また,充填の途中でガスタンク内の水素ガス圧が低下すれば,他方のガスタンクに切り換えられる。ガスタンク21,22のガス圧力は圧力計27,28によって検出され,燃料電池自動車3へ水素ガスを充填した後は,水素製造装置2から水素ガスを導入して適度な圧力に制御されている。
燃料電池自動車3の車載タンク4へ水素ガスを充填する際には,一般に,ガスタンク21のガス圧をそのまま車載タンク4にかけることはしない。流量コントロール弁33の開度によって車載タンク4に供給するガス圧力またはガス流量を制限する。以下,単に弁開度と記載しているのは,流量コントロール弁33の開度を示す。また,弁開度0とは,弁閉状態を表している。
ここで発明者らは,弁開度を図2(a)に示すように変化させて,残量のごく少ないタンクにガスを充填した場合のタンク温度の変化を調べた。すなわち,まず所定の速度で所定の弁開度(p1)まで弁開し,所定時間(t1〜t2)の間,その弁開度を保つ。さらに,その後所定の速度で弁閉する。このような充填を行った場合,鋼鉄製のタンクでは,およそ図2(b)のように,繊維複合容器では,およそ図2(c)のように温度変化することが判った。
すなわち,鋼鉄製のタンクでは,初めのうちガス残量が少ない状態での急速充填により,急激に温度上昇した。しかし,放熱によってすぐにある程度温度が低下し,弁開度一定の間はおよそ一定の温度を保った。これに対し,繊維複合容器では,弁開度一定の間も温度が上昇し続け,弁閉し始めてからやっと温度が下がり始めたのである。このため,鋼鉄製のタンクでは,急速充填によるガスの最高到達温度(s1に相当する)が,タンクの許容温度範囲を超えないように制御すれば良かったのに対し,繊維複合容器では,最高到達温度(s2)の算出には充填時間をも考慮に入れなければならない。
さらに,特許文献3の充填方法では,充填開始時の車載タンク4のガス残量が少ない場合には,図3(a)に示すように弁開度を変化させた。すなわち,まず所定の速度で比較的小さい所定の弁開度(p2)まで弁開し,所定時間(t4〜t5)の間,その弁開度を保つ。そして,タンクの中にある程度の量のガスが溜まった後,比較的大きい所定の弁開度(p3)まで弁開する。その状態で所定時間(t6〜t7)保持した後,所定の速度で弁閉する。
このような充填を行った場合,鋼鉄製のタンクでは,およそ図3(b)のように,繊維複合容器では,およそ図3(c)のように温度変化することが判った。すなわち,鋼鉄製のタンクでは,2度の弁開時の直後にそれぞれピーク(s3,s4)があった。弁開度の変化量や弁開度一定の保持時間を調整することで,このs3とs4とのピークの差を小さくすることができ,s3やs4の予測は比較的容易である。そこで,これらのピークがいずれも許容温度範囲を超えないように制御すればよい。このように2段階に分けることにより,車載タンク4が空に近い状態から充填開始したとしても,最高到達温度が上がりすぎないように制御できる。
しかし,繊維複合容器では,およそ図3(c)のように温度変化した。2度の弁開によってさらに温度が上昇し,最高到達温度(s5)は2度目の弁開の後にあった。また,低開度で保持している間もタンク内温度は上昇し続けていた。そのため,最高到達温度(s5)の予測は困難であることが判った。さらに,低開度で長く保持すればそれだけ充填時間が長くなり,それだけ最高到達温度(s5)も高くなりがちであることが判った。
そこで,本発明者らは,繊維複合容器に適した充填装置として,図4(a)に示す充填方法を考案した。この方法では,まず比較的大きい弁開度(p4)まで弁開し,所定時間(t9〜t10)保持する。その後,開度をやや小さくして(p5),所定時間(t11〜t12)保持した後弁閉する。このようにするとタンク内温度は,初めの弁開によって急激に上昇するものの,その後は緩やかな上昇となった。最高到達温度(s6)には,t10より後で到達した。またこのように充填すれば,より短時間で正確に充填できることも判った。
そこで,本形態では,充填前にタンクの種類やガス残量を取得し,それに合わせて充填方法を変更する。本形態のガス供給装置1の制御装置36では,まず,充填に訪れた燃料電池自動車3の車載タンク4に残っているガス量を検出する。そのために,全ての弁が閉じている状態で充填ホース35を車載タンク4に接続し,車載タンク4の弁を開いて圧力計34によって車載タンク4の残ガス圧を検出する。
このとき,同時に,燃料電池自動車3の車種や車載タンク4の種類等の入力を受けて,車載タンク4の全容量を取得する。あるいは,車両のクラスの入力を受けて,そのクラスの標準的な車載タンクの容量を車載タンク4の容量としても良い。そして,車載タンク4の容量と残ガス圧とから,残ガス量を求める。その結果,残ガス量がある程度大きい場合には,図2(a)に示すように,比較的急速に充填する。この場合はタンク内に比較的多量のガスが残っており,すぐに急速充填しても温度上昇はあまり大きくないからである。残ガス量を求めず,残ガス圧そのもので判断しても良い。なお,車載タンク4の種類の取得は,オペレータの手動選択としても良いし,車両から情報を取得して自動選択できるようにしても良い。
一方,残ガス量が小さい場合には,先に取得したタンクの種類に応じて,2通りの充填方法から適切な方を選択する。鋼鉄製タンクの場合は,図3(a)に示すように,ガス流量を小さくして充填し始め,所定量まで充填したら充填速度を上げる。すなわち,所定の充填量となるまではゆっくり充填し,その後は急速に充填することで,ガス温度の過剰な上昇を防止しつつ短時間で充填することができる。一方,タンクが繊維複合容器であれば,図4(a)に示すように,まず大きく弁開し,所定の充填量または所定の充填圧力に達した後は弁の開度を小さくする。このようにすれば,容器温度の上昇を許容温度範囲内に抑えつつ,短時間で充填することができる。
このガス供給装置1によるガス供給方法を,図5のフローチャートに基づいて説明する。ガスの充填を受ける燃料電池自動車3が到着すると,制御装置36はこのガス充填処理を開始する。この処理を開始するとまず,車載タンク4の容量,圧力,種類等の情報を取得する(S101)。車載タンク4の圧力は,圧力計34の検出結果から取得できる。また,車載タンク4の容量や種類は,タンクを調べて作業者が手動入力することによっても良いし,車両の制御装置等から自動で取得できるようにしても良い。
続いて,S101の結果から,車載タンク4に残っているガス量を求める(S102)。そして,S102で求められたガス量が所定量以上であるかどうかを判断する(S103)。
残ガス量が所定量以上であった場合は(S103:Yes),そのまま急速に充填しても問題ない。そこで,開閉弁24,31を開とするとともに,流量コントロール弁33を急速充填開度まで開く(S104)。この段階が,図2の時間0〜t1までの間に相当する。図2では,時間t1に急速充填弁開度p1まで弁開されている。そして,この状態で車載タンク4への水素ガス充填を行う(S105)。この段階が,図2の時間t1〜t2までの間に相当する。
次に,車載タンク4の内圧または充填済みガス量等を検出し,充填完了したかどうかを判断する(S106)。充填完了でない場合は(S106:No),弁開度をp1に保ってさらに充填を続ける(S105)。充填完了したら(S106:Yes),流量コントロール弁33と,開閉弁24,31を閉止する(S107)。この段階が,図2の時間t2〜t3までの間に相当する。これで,車載タンク4の残ガス量が多かった場合の充填が終了である。
次に,車載タンク4の残ガス量が少ない場合の処理について説明する。すなわち,S103でNoと判断された場合である。この場合は,タンクの種類によってこの後の処理が異なる。そこで,予め取得してあるタンクの種類に応じて(S108),鋼鉄製タンクの場合はS109へ,繊維複合容器の場合はS115へそれぞれ進む。
まず,鋼鉄製タンクの場合について説明する。この場合は,S109へ進み,開閉弁24,31を開とするとともに,流量コントロール弁33を低速充填弁開度まで開く。この段階が,図3の時間0〜t4までの間に相当する。図3では,時間t4に低速充填弁開度p2まで弁開されている。この低速充填弁開度p2は,急速充填弁開度p1より小さい弁開度である。
そして,この弁開度p2でしばらく充填する(S110)。この段階が,図3の時間t4〜t5までの間に相当する。そして,充填された水素ガス量が所定量に達したかどうかを判断する(S111)。この所定量は,S103の判断基準とほぼ同じとしても良いし,その時点でのガス温度等を考慮して調整するようにしても良い。そして,所定量までのガスの充填が終了していない場合は(S111:No),さらに弁開度p2での充填を継続する(S110)。
次に,所定量までガスが充填されたと判断されたら(S111:Yes),流量コンロトール弁33を制御して急速充填弁開度まで弁開する(S112)。図3では,時間t5〜t6までの間で弁開度p2から弁開度p3まで弁開されている。なお,この弁開度p3は,図2の弁開度p1と同じ開度としても良い。この急速充填弁開度p3は,低速充填弁開度p2よりも大きい弁開度である。
そして,この状態で車載タンク4への水素ガス充填を行う(S113)。この段階が,図3の時間t6〜t7までの間に相当する。また,車載タンク4の内圧または充填済みガス量等を検出し,充填完了したかどうかを判断する(S114)。充填完了まで弁開度をp3に保ってさらに充填を続け(S113),充填完了したら(S114:Yes),流量コントロール弁33と,開閉弁24,31を閉止する(S107)。この段階が,図3の時間t7〜t8までの間に相当する。これで,車載タンク4の残ガス量が少なく,車載タンク4が鋼鉄製であった場合の充填が終了である。
続いて,繊維複合容器の場合について説明する。この場合は,S115へ進み,開閉弁24,31を開とするとともに,流量コントロール弁33を急速充填弁開度まで開く。この段階が,図4の時間0〜t9までの間に相当する。図4では,時間t9に急速充填弁開度p4まで弁開されている。この急速充填弁開度p4は,急速充填弁開度p3あるいは急速充填弁開度p1と同じ弁開度としても良い。
そして,この弁開度p4でしばらく充填する(S116)。この段階が,図4の時間t9〜t10までの間に相当する。そして,充填された水素ガス量が所定量に達したかどうかを判断する(S117)。この所定量は,タンクの大きさに応じて予め決めておいても良いし,その時点でのガス温度等を考慮して調整するようにしても良い。そして,所定量までのガスの充填が終了していない場合は(S117:No),さらに弁開度p4での充填を継続する(S116)。
次に,所定量までガスが充填されたと判断されたら(S117:Yes),流量コンロトール弁33を制御して低速充填弁開度p5まで弁閉する(S118)。図4では,時間t10〜t11までの間で弁開度p4から弁開度p5まで弁閉されている。なお,この低速充填弁開度p5は,図3の低速充填弁開度p2と同じ弁開度としても良い。この低速充填弁開度p5は,急速充填弁開度p4よりも小さい弁開度である。なお,この時の弁閉方法としては,一気に弁開度p5まで弁閉しても良いし,緩やかに少しずつ弁閉しても良い。またあるいは,ステップ状に何回かに分けて弁閉しても良い。
そして,この状態で車載タンク4への水素ガス充填を行う(S119)。この段階が,図4の時間t11〜t12までの間に相当する。また,車載タンク4の内圧または充填済みガス量等を検出し,充填完了したかどうかを判断する(S120)。充填完了まで弁開度をp5に保ってさらに充填を続け(S119),充填完了したら(S120:Yes),流量コントロール弁33と,開閉弁24,31を閉止する(S107)。この段階が,図4の時間t12〜t13までの間に相当する。これで,車載タンク4の残ガス量が少なく,車載タンク4が繊維複合容器であった場合の充填が終了である。以上で,このガス充填処理の説明を終了する。
なお,ここでは,車載タンク4へのガス充填をガスタンク21のみから行うとして説明した。しかし,ガスタンク21の残ガス圧と車載タンク4のガス圧との関係から,ガスタンク21のみでは充填完了まで至らない場合もある。その場合には,開閉弁24を閉止して開閉弁26を開放することにより,続いてガスタンク22から充填する。これを,バンク切り替えと呼んでいる。充填処理中にバンク切り替えが行われた場合でも,流量コントロール弁33の弁開度はそのまま保持すればよい。
以上詳細に説明したように本形態のガス供給装置およびガス供給方法によれば,車載タンク4の残ガス量をあらかじめ検出し,残ガス量がある程度多い場合には急速に充填する。残ガス量が多い場合には,急速に充填してもガスの温度上昇はさほどでないので,急速に充填すれば短時間で充填終了できるからである。一方,残ガス量が少ない場合には,タンクの種類に応じた供給モードを選択する。タンクが鋼鉄製のものであれば,まず低速で所定量まで充填した後,急速で充填する。あるいは,タンクが繊維複合容器であれば,まず急速で所定量まで充填した後,低速で充填する。
鋼鉄製のタンクでは弁開時直後の温度上昇を抑えるために,比較的低速で充填を開始する。その一方で,放熱性も良いので,一旦弁開した後は所定量まで急速充填開度を保持して充填できる。また,繊維複合容器では,断熱性や蓄熱性がよく,低速で充填しても次第に熱が溜まる。そこでまず,容器が低温のうちに比較的急速で短時間の充填を行う。これにより全体としての充填時間を短縮できる。このようにすれば,車載タンク4の最高到達温度を抑えつつ短時間でガスの充填が可能である。さらに,流量コントロール弁33の弁開度の制御は2〜3段階でよいので,複雑な制御を必要とせず,容易に実施できる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の形態では,図5のS103,S111,S117において,車載タンク4内のガス量によって判断している。しかし,この判断の基準はガス量に限らず,タンク容量中の残ガス量の割合や,車載タンク4のガス圧力等によって判断することもできる。S103においてタンク圧力による判断を採用する場合には,S102における残ガス量の算出は省略しても良い。また例えば,制御装置36は,ディスペンサ12内に限らず蓄ガス器11に備えられたり,あるいはディスペンサ12や蓄ガス器11とは別に単独で設けられても良い。また例えば,上記の形態では,燃料電池自動車に水素ガスを供給する水素ガス供給ステーションに本発明を適用しているが,水素ガスに限らず,圧縮天然ガス等の他のガスを供給する装置にも適用可能である。
例えば,上記の形態では,図5のS103,S111,S117において,車載タンク4内のガス量によって判断している。しかし,この判断の基準はガス量に限らず,タンク容量中の残ガス量の割合や,車載タンク4のガス圧力等によって判断することもできる。S103においてタンク圧力による判断を採用する場合には,S102における残ガス量の算出は省略しても良い。また例えば,制御装置36は,ディスペンサ12内に限らず蓄ガス器11に備えられたり,あるいはディスペンサ12や蓄ガス器11とは別に単独で設けられても良い。また例えば,上記の形態では,燃料電池自動車に水素ガスを供給する水素ガス供給ステーションに本発明を適用しているが,水素ガスに限らず,圧縮天然ガス等の他のガスを供給する装置にも適用可能である。
1 ガス供給装置
4 車載タンク(供給先容器)
11 蓄ガス器(ガス貯蔵容器)
12 ディスペンサ
33 流量コントロール弁(開度調整弁)
34 圧力計(残量取得手段)
36 制御装置(開度制御部)
4 車載タンク(供給先容器)
11 蓄ガス器(ガス貯蔵容器)
12 ディスペンサ
33 流量コントロール弁(開度調整弁)
34 圧力計(残量取得手段)
36 制御装置(開度制御部)
Claims (7)
- ガス貯蔵容器と,前記ガス貯蔵容器に貯蔵されたガスを供給先容器へ供給するディスペンサとを有するガス供給装置において,
前記ディスペンサ内のガス流路に設けられた開度調整弁と,
前記開度調整弁の開度の制御により,供給先容器への供給の初期には前記開度調整弁を第1の開度にして急速供給を行い,その後,前記開度調整弁をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う開度制御部とを有することを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1に記載するガス供給装置において,
前記開度制御部による開度制御を行うか否かを決定するモード決定部を有することを特徴とするガス供給装置。 - 請求項2に記載するガス供給装置において,前記モード決定部は,
供給先容器が繊維複合容器である場合に前記開度制御部による制御を行うと決定することを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載するガス供給装置において,
供給先容器のガス量に関する情報を取得する残量取得手段を有し,
前記開度制御部は,供給開始前における供給先容器のガス量が所定の水準より低い場合に限り,急速供給の途中で供給先容器のガス量が所定の水準に達すると低速供給に切り替えることを特徴とするガス供給装置。 - ガス貯蔵容器に貯蔵されたガスをディスペンサを介して供給先容器へ供給するガス供給方法において,
前記ディスペンサ内のガス流路に開度調整弁を設けておき,
供給先容器への供給の初期には前記開度調整弁を第1の開度にして急速供給を行い,その後,前記開度調整弁をより小さい第2の開度に切り替えて低速供給を行う第1供給モードによりガスの供給を行うことを特徴とするガス供給方法。 - 請求項5に記載するガス供給方法において,
供給先容器が繊維複合容器である場合に前記第1供給モードによるガス供給を行うことを特徴とするガス供給方法。 - 請求項5または請求項6に記載するガス供給方法において,
供給先容器のガス量に関する情報を取得する残量取得手段を設けておき,
供給開始前における供給先容器のガス量が所定の水準より低い場合に限り,急速供給の途中で供給先容器のガス量が所定の水準に達すると低速供給に切り替えることを特徴とするガス供給方法。
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