JP2007300891A - 香り付け装置および香り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望の香りを簡易で安価に取得して、食品に香り付け可能な香り付け装置の提供。
【解決手段】 食品1が収容される処理槽3、この処理槽3内の空気を外部へ吸引排出して処理槽3内を減圧する減圧手段4、減圧された処理槽3内へ外気を導入して処理槽3内を復圧する復圧手段5の他、各種食品の加熱調理装置6を備える。加熱調理装置6における加熱調理時に生ずる香り気体は、減圧された処理槽3内の復圧時に、復圧手段5による空気と共に処理槽3内へ供給される。たとえば、処理槽3内で米飯1を真空冷却後、その復圧時に、加熱調理装置6としての炊飯装置からの香り気体を処理槽3内へ供給して、米飯1への香味付けを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 食品1が収容される処理槽3、この処理槽3内の空気を外部へ吸引排出して処理槽3内を減圧する減圧手段4、減圧された処理槽3内へ外気を導入して処理槽3内を復圧する復圧手段5の他、各種食品の加熱調理装置6を備える。加熱調理装置6における加熱調理時に生ずる香り気体は、減圧された処理槽3内の復圧時に、復圧手段5による空気と共に処理槽3内へ供給される。たとえば、処理槽3内で米飯1を真空冷却後、その復圧時に、加熱調理装置6としての炊飯装置からの香り気体を処理槽3内へ供給して、米飯1への香味付けを行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、食品(食材を含む)への香り付け装置と香り付け方法とに関するものである。特に、香り高い米飯を製造するための香り付け装置と香り付け方法とに関するものである。
たとえば、コンビニエンスストアなどで販売される弁当を製造するために、炊飯された温かい米飯を真空冷却しようとすると、米飯が収容された処理槽内の空気を外部へ真空引きすることに伴い、米飯の香りが損なわれるおそれがあった。その一方、真空冷却した際に食材から抜ける香味成分の再付着を図るために、下記特許文献1に開示される真空含浸装置が提案されている。
特開2005−312348号公報
しかしながら、米飯の好ましい香り成分は十分解明されておらず、その合成は困難な状況にある。また、前記特許文献1に記載の発明を適用するに際し、米飯から香り成分を抽出し濃縮して、含浸用気体供給源とするには、手間とコストを要するものであった。
本発明が解決しようとする課題は、各種食品,たとえば米飯の好ましい香りを、簡易で安価に取得可能な香り付け装置と香り付け方法とを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される処理槽と、この処理槽内を減圧する減圧手段と、前記食品と同種または異種の食品が収容されて加熱調理され、この加熱調理時に生ずる気体を、減圧された前記処理槽内の復圧時に前記処理槽内へ供給する加熱調理装置とを備えることを特徴とする香り付け装置である。
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内の食品と同種または異種の食品を加熱調理し、その際に発生する気体を、処理槽内の復圧時に処理槽内へ供給することで、簡易で安価な香り付けが可能である。ここで、処理槽内の復圧時に処理槽内へ供給する気体は、香り発生のためだけに用意してもよい。あるいは、加熱調理装置とその加熱調理後の真空冷却装置とを備える食品製造ラインに適用して、加熱調理済み食品の真空冷却後の復圧時に、現在加熱調理中の食品から出る気体を導入することを順次に行ってもよい。
請求項2に記載の発明は、炊飯された米飯が収容される処理槽と、この処理槽内を減圧する減圧手段と、炊飯装置から構成され、その炊飯時に生ずる気体を、減圧された前記処理槽内の復圧時に前記処理槽内へ供給する加熱調理装置とを備えることを特徴とする香り付け装置である。
請求項2に記載の発明によれば、炊飯装置からの気体を、処理槽内の復圧時に処理槽内の米飯へ供給することで、簡易で安価な香り付けが可能である。ここで、炊飯装置では、香り発生のためだけに炊飯を行う構成とできる。あるいは、炊飯装置とその炊飯後の真空冷却装置とを備える米飯製造ラインに適用して、炊飯後の温かい米飯の真空冷却後の復圧時に、現在炊飯中の炊飯装置から出る気体を導入することを順次に行ってもよい。
請求項3に記載の発明は、前記炊飯装置では、香り米,くず米またはお粥が炊かれることを特徴とする請求項2に記載の香り付け装置である。
請求項3に記載の発明によれば、炊飯装置では、香り米,くず米またはお粥を炊くことで、安価で香り高い米飯の製造ができる。
請求項4に記載の発明は、前記加熱調理装置と、これにより加熱調理された食品を冷却する真空冷却装置とから構成され、この真空冷却装置は、前記処理槽と前記減圧手段とを有すると共に、前記減圧手段により減圧された前記処理槽内を復圧するための空気導入管路に、前記加熱調理装置からの気体が導入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の香り付け装置である。
請求項4に記載の発明によれば、真空冷却した際に食品から抜ける香りを、真空冷却後の復圧時に導入する気体により回復することができる。
請求項5に記載の発明は、食品が収容された処理槽内を減圧して前記食品を真空冷却後、前記処理槽内の復圧時に、前記食品と同種または異種の食品の加熱調理装置から、その加熱調理時に生ずる気体を前記処理槽内へ供給することを特徴とする香り付け方法である。
請求項5に記載の発明によれば、処理槽内の食品と同種または異種の食品を加熱調理し、その際に発生する気体を、処理槽内の復圧時に処理槽内へ供給することで、簡易で安価な香り付けが可能である。
さらに、請求項6に記載の発明は、炊飯された米飯を処理槽内へ収容する工程、この処理槽内を減圧して前記米飯を真空冷却する工程、真空冷却後の前記処理槽内の復圧時に、炊飯装置による炊飯時に生ずる気体を前記処理槽内へ供給する工程を含むことを特徴とする香り付け方法である。
請求項6に記載の発明によれば、米飯を真空冷却しても、真空冷却後の復圧時に導入する炊飯装置からの気体により香りを保つことができる。従って、簡易で安価に、香り高い米飯を製造することができる。
本発明の香り付け装置および香り付け方法によれば、各種食品,たとえば米飯の好ましい香りを、簡易で安価に取得して香り付けできる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の香り付け装置は、食品(食材を含む)が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された処理槽内へ外気を導入して処理槽内を復圧する復圧手段と、食品を加熱調理すると共にその際に生ずる気体(香り気体という)を処理槽内へ供給する加熱調理装置と、処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの検出圧力などに基づき前記各手段を制御する制御手段とを備える。
本実施形態の香り付け装置は、食品(食材を含む)が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された処理槽内へ外気を導入して処理槽内を復圧する復圧手段と、食品を加熱調理すると共にその際に生ずる気体(香り気体という)を処理槽内へ供給する加熱調理装置と、処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの検出圧力などに基づき前記各手段を制御する制御手段とを備える。
前記処理槽は、食品を収容可能な中空構造に形成され、典型的には略矩形のボックス状に形成された金属製の缶体である。この処理槽は、一側面へ開口して中空部を有する処理槽本体と、この処理槽本体の開口部を開閉する扉とから構成される。この扉が閉められた状態では、前記中空部は密閉される。但し、処理槽の構成はこれに限らず、たとえば、上方へ開口する有底円筒状の処理槽本体と、この上部開口部を開閉可能に閉じる扉とから構成してもよい。
処理槽には、処理槽内の圧力を検出する圧力センサが設けられる。但し、処理槽内の圧力と温度とは所定の関係にあるから、圧力センサに代えて、処理槽内の温度を検出する温度センサを用いてもよい。その他、処理槽には、処理槽内に収容される食品の温度を検出する品温センサを設置してもよい。
前記減圧手段は、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、処理槽内を減圧する手段である。この減圧手段は、真空ポンプ,蒸気エゼクタまたは水エゼクタなどを備える。これらは、いずれか単独で用いてもよいし、複数個または複数種のものを組み合わせてもよい。このような減圧手段を作動させることで、処理槽内の気体は排気管を介して外部へ吸引排出され、処理槽内の減圧が図られる。処理槽内の減圧の有無は、減圧手段の作動の有無を切り替えることでなされる。あるいは、排気管の中途に真空弁を設け、その開閉を操作してもよい。
減圧手段として蒸気エゼクタを用いる場合、排気管には蒸気エゼクタより下流側に、凝縮器としての熱交換器が通常備えられる。また、減圧手段として真空ポンプを用いる場合、排気管には真空ポンプより上流側に、凝縮器としての熱交換器を備えるのが望ましい。ここで、熱交換器は、排気管内の蒸気を冷却し凝縮させる凝縮器であり、処理槽内を減圧することで食品から生じる蒸気や、蒸気エゼクタのノズルからの蒸気を、冷却し凝縮させる。この冷却および凝縮作用をなすために、熱交換器には冷却用水が供給され、排気管の冷却が図られる。熱交換器の下流側に真空ポンプが配置される場合、排気管中の蒸気を予め熱交換器で凝縮させておくことで、その後の真空ポンプの負荷を軽減して、減圧能力を高めることができる。
このような構成の減圧手段を作動させることで、処理槽内の気体は排気管を介して外部へ吸引排出され、処理槽内の減圧が図られる。処理槽内の減圧の有無は、減圧手段の作動の有無を切り替えることでなされる。具体的には、たとえば、蒸気エゼクタは、そのノズルへの蒸気供給の有無を切り替え、熱交換器は、その冷却用水の供給の有無を切り替え、真空ポンプはその作動の有無を切り替えればよい。
前記復圧手段は、減圧手段により減圧された処理槽内へ外気を導入して、処理槽内を復圧する手段である。処理槽内への外気の導入は、衛生面を考慮して、フィルターを介して行うのが望ましい。フィルターを介した清浄空気は、給気管(空気導入管路)を介して、処理槽内へ供給される。給気管の中途に設けた給気弁を開閉することで、処理槽内への外気導入の有無が切り替えられる。
前記加熱調理装置は、所望の食品を収容して加熱調理し、この加熱調理時に生ずる気体を、減圧された処理槽内へ供給する手段である。具体的には、復圧手段の給気管の中途には、加熱調理装置からの香り導入管が接続される。香り導入管の中途に設けた香り導入弁を開閉することで、加熱調理装置から処理槽内への香り気体の導入の有無が切り替えられる。
但し、香り導入管は、給気管ではなく、処理槽へ直接に接続してもよい。また、復圧手段による外気は、加熱調理装置へ一旦供給後、その加熱調理装置内の香り気体と共に処理槽内へ供給してもよい。いずれにしても、加熱調理装置からの香り気体は、処理槽内へ導入可能とされる。
加熱調理装置で調理される食品は、処理槽内に収容した食品と同種の食品であってもよいし、異種の食品であってもよい。また、加熱調理の方法は、炊飯,煮物,蒸し物など、その種類を問わない。
ところで、前記真空弁,前記給気弁および前記香り導入弁は、それぞれ開度調整可能に構成するのが好ましい。この場合、前記減圧手段による処理槽内の減圧,前記復圧手段による処理槽内の復圧および前記加熱調理装置から処理槽内への香り気体の導入について、それぞれその能力が調整可能となる。また、減圧手段を一定能力で作動させた状態で、真空弁および/または給気弁の開度を調整して、処理槽内の圧力ひいては温度の調整が容易となる。但し、これに代えてまたはこれに加えて、処理槽内の減圧時に、エゼクタなどの減圧手段自体の減圧能力や作動の有無を制御して、処理槽内の圧力ひいては温度の調整を行うこともできる。
前記制御手段は、前記減圧手段および前記復圧手段などを制御する制御器である。逆にいうと、これら各手段は、制御手段により制御され、予め設定されたプログラムに従い、所定の運転工程が順次になされる。その際、処理槽内の圧力を検出する圧力センサからの検出圧力や、経過時間を利用して制御される。また、処理槽内の食品の温度を検出する品温センサを設ける場合には、その品温センサからの検出温度も用いて制御される。
次に、本実施形態の香り付け装置を用いた香り付け方法について説明する。まず、処理槽内に食品を収容し、処理槽内を密閉した状態で、減圧手段により処理槽内を所望圧力まで減圧する。この際、処理槽に設けた圧力センサの検出圧力を監視しながら、減圧手段を制御して処理槽内を減圧すればよい。温かい食品を処理槽内に収容して減圧する場合、減圧レベルや減圧後の保持時間を調整して、その食品の真空冷却を図ることができる。この際、前記品温センサの検出温度により、食品の温度が目標温度になったか否かの確認が可能である。
このようにして処理槽内を減圧し、所望により食品の真空冷却を図った後、処理槽内は復圧手段により大気圧まで復圧される。すなわち、減圧手段の作動を停止した状態で、給気弁を開いて処理槽内へ外気を導入する。この際、香り導入弁を開くことで、加熱調理装置からの香り気体を処理槽内へ導入して、処理槽内の食品へ香り付けを行うことができる。処理槽内への香り気体の導入時、加熱調理装置は、典型的には加熱調理中であるが、予熱などにより香り気体が生じる状態であれば、加熱調理中でなくてもよい。そして、処理槽内へ供給する気体として、加熱調理装置からの香り気体が含まれていれば、香り気体と外気との混合割合は特に問わない。
ところで、上述したように、加熱調理装置で調理される食品は、処理槽内に収容した食品と同種の食品であってもよいし、異種の食品であってもよい。特に、同種の食品の場合、加熱調理装置とその加熱調理後の真空冷却装置とを備える食品製造ラインに適用して、加熱調理済み食品の真空冷却後の復圧時に、現在加熱調理中の食品から出る香り気体を、処理槽内へ導入することを順次に行うことができる。
たとえば、加熱調理装置としての炊飯装置と、その炊飯後の真空冷却装置とから構成される米飯製造ラインに適用して、炊飯装置にて炊飯された温かい米飯を真空冷却装置にて真空冷却後、その復圧時に現在炊飯中の炊飯装置から出る香り気体を、真空冷却装置の処理槽内へ供給すればよい。処理槽内の空気を外部へ吸引排出して真空冷却を図る際には、多少なりとも香りが抜けるが、その香りを復圧時に回復することができる。ところで、米飯は、典型的には白米であるが、場合により炊き込み御飯などであってもよい。
このような食品製造ラインに適用した場合、真空冷却装置は、前記処理槽,前記減圧手段および前記復圧手段を制御可能に備えると共に、前記香り導入弁の開閉も制御する。一方、加熱調理装置は、調理内容に応じて炊飯装置などから構成される。この加熱調理装置は、真空冷却装置と統一的に制御してもよいし、独立的に制御してもよい。
ところで、加熱調理装置では、香り気体を発生させるためだけに、食品を加熱調理してもよい。この場合において、加熱調理装置がたとえば炊飯装置の場合、通常の米飯を炊く以外に、香り米,くず米またはお粥を炊いてもよい。この場合も、真空冷却装置に炊飯装置を併設して、真空冷却後の復圧時に、炊飯装置からの香り気体にて香味付けを行うことができる。そして、その際、香り気体発生専用の炊飯装置では、香り米やお粥を炊けば米の使用量を軽減することができるし、くず米を炊けばコストの低減を図ることができる。
さらに、加熱調理装置で調理される食品は、処理槽内に収容した食品と異種の食品であってもよい。この場合、たとえば、処理槽内にはドライカレーを収容し、加熱調理装置ではカレーを調理しておき、その気体を前記処理槽内へ供給する。
以上のとおり、本実施形態によれば、所望の香りを簡易で安価に取得することができる。また、食品から香り成分を抽出し濃縮して、含浸用気体供給源として香り付けをする場合、食品表示法により、原材料として「香料」と表示する必要があるが、本実施形態によれば、香料を用いていないため、原材料として「香料」と表示する必要もない香り付けをなすことができる。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の香り付け装置の一実施例を示す概略構成図であり、米飯の真空冷却装置に適用した例を示している。本実施例の香り付け装置および香り付け方法は、炊き上げられた温かい米飯1を迅速で衛生的に真空冷却すると共に、その真空冷却によっても米飯1の香りを損なうことなく、香り高い米飯製品を製造するための真空冷却装置2および真空冷却方法である。
図1は、本発明の香り付け装置の一実施例を示す概略構成図であり、米飯の真空冷却装置に適用した例を示している。本実施例の香り付け装置および香り付け方法は、炊き上げられた温かい米飯1を迅速で衛生的に真空冷却すると共に、その真空冷却によっても米飯1の香りを損なうことなく、香り高い米飯製品を製造するための真空冷却装置2および真空冷却方法である。
本実施例の香り付け装置は、炊き上げられた温かい米飯1が収容される中空構造の処理槽3と、この処理槽3内の空気を外部へ吸引排出して処理槽3内を減圧する減圧手段4と、減圧下の処理槽3内へ外気を導入して復圧する復圧手段5と、米飯を加熱調理すると共にその際に生ずる香り気体を処理槽3内へ供給する加熱調理装置としての炊飯装置6と、処理槽3内の圧力を計測する圧力センサ7と、この圧力センサ7の検出圧力などに基づき前記各手段4,5を制御する制御手段8とを備える。
本実施例の処理槽3は、一側面へ開口して中空部を有する処理槽本体9と、この処理槽本体9の開口部を開閉する扉10とを備えた金属製の缶体である。このような構成であるから、扉10を閉じることで、処理槽本体9の中空部は密閉される。処理槽3内への米飯1の収容は、処理槽3に出し入れされるワゴン(不図示)を介して行ってもよいし、図示例のように処理槽3内に設けた棚板11に対し直接に行ってもよい。
処理槽3には、処理槽3内の空気を外部へ吸引排出して、処理槽3内を減圧する減圧手段4が接続される。本実施例では、減圧手段4は、真空ユニット12を備え、この真空ユニット12は排気管13を介して処理槽3に接続される。真空ユニット12は、典型的には真空ポンプを備えて構成されるが、これに代えてまたはこれに加えて、水エゼクタや蒸気エゼクタなどを備えていてもよい。減圧手段4による処理槽3内の減圧は、真空ユニット12の作動や、排気管13に設けた真空弁(不図示)の開閉を制御することでなされる。その際、真空ユニット12の減圧能力や、真空弁(不図示)の開度を調整可能に構成するのが好ましい。
処理槽3には、圧力センサ7が設けられる。この圧力センサ7により、処理槽3内の圧力が検出される。また、処理槽3内に収容される米飯1の温度を検出可能に、品温センサ(不図示)をさらに設けてもよい。
処理槽3には、減圧手段4にて減圧された後、復圧するための復圧手段5が接続される。本実施例の復圧手段5は、処理槽3に接続された給気管14が、除菌フィルター15を介して外気と連通可能に設けられて構成される。この給気管14の中途には、給気弁16が開閉可能に設けられており、この給気弁16の開放により、処理槽3内は大気圧に開放可能とされる。
給気管14には、給気弁16よりも下流側(処理槽3側)に、炊飯装置6からの香り気体が導入可能とされる。本実施例の炊飯装置6は、従来公知の業務用炊飯装置と同様の構成であり、香り導入管17を介して給気管14の中途に接続される。この香り導入管17には、炊飯装置6にて炊飯することで生じる香り気体が通される。また、香り導入管17の中途には、香り導入弁18が開閉可能に設けられる。この香り導入弁18に代えてまたはそれに加えて、香り導入管17には、香り気体を強制的に処理槽3内へ送り込むためのポンプやファン(不図示)などを設けてもよい。
前記減圧手段4および前記復圧手段5などは、制御手段8により制御される。この制御手段8は、それが把握する経過時間や前記圧力センサ7からの検出信号などに基づいて、前記各手段4,5を制御する制御器19である。具体的には、真空弁(不図示),真空ユニット12,給気弁16,香り導入弁18,圧力センサ7などは、制御器19に接続される。そして、制御器19は、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽3内に収容した米飯1の真空冷却を図ると共に、真空冷却後の復圧時に炊飯装置6からの香り気体により香味付けを図る。
ところで、本実施例では、炊飯装置6の運転は、炊飯装置6に付属の制御盤(不図示)にてなされるが、前記制御器19にて制御するよう構成してもよい。つまり、制御器19は、前記処理槽3,減圧手段4および復圧手段5を備える真空冷却装置2の他、香り気体発生用の炊飯装置6をも制御するよう構成できる。
次に、本実施例の香り付け装置を用いた香り付け方法について説明する。それには、炊飯された温かい米飯1をトレー20に入れるなどして、処理槽3内に収容する。そして、扉10を閉じて処理槽3内を密閉した状態で、減圧手段4により処理槽3内を減圧する。すなわち、給気弁16および香り導入弁18を閉じた状態で、真空ユニット12により処理槽3内の空気を外部へ吸引排出する。
この際、制御器19は、圧力センサ7により処理槽3内の圧力を監視しながら、真空ユニット12を制御することで、処理槽3内を所望の圧力に調整することができる。そして、処理槽3内を所望圧力にて所望時間だけ保持することで、米飯1の真空冷却を図ることができる。また、品温センサ(不図示)を用いて、処理槽3内の米飯1の温度を監視することで、目標温度までの真空冷却を確実に行うことができる。
このようにして真空冷却を図った後、真空弁(不図示)を閉じると共に、真空ユニット12の作動を停止する。その後、給気弁16を開いて処理槽3内を復圧するのであるが、その際、香り導入弁18を開いて、処理槽3内へ炊飯装置6からの香り気体を、復圧用空気と共に供給して米飯1へ香味付けを行う。これにより、真空冷却時に米飯1から抜ける香りの回復を図ることができる。
ところで、炊飯装置6から処理槽3内へ香り気体を導入する際には、通常、炊飯装置6では、炊飯蒸気が発生する程度に炊飯が進んでおり、あるいは蒸らしの状態とされている。そして、その蒸気を含んだ香り気体が、香り導入管17を介して、処理槽3内へ供給される。炊飯装置6からは蒸気を含んだ香り気体が処理槽3内へ供給されるが、復圧用空気に混ぜて処理槽3内へ供給されるので、真空冷却後の米飯1を不当に再加熱するおそれはない。ところで、炊飯装置6では、簡易で安価に香り気体を得るために、香り米,くず米またはお粥を炊いてもよい。
このようにして、炊飯された温かい米飯1を真空冷却すると共に、その真空冷却後の復圧時に、炊飯装置6からの香り気体にて米飯1に香り付けを行うことができる。最終的に、処理槽3内が大気圧まで復圧されると、扉10を開けて、処理槽3内の米飯1の出し入れが可能である。
本発明の香り付け装置および香り付け方法は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、米飯1の真空冷却後の復圧時に、炊飯装置6からの香り気体を導入する例を示したが、処理対象は米飯1に限らず、その他の食品にも同様に適用可能である。そして、処理対象の食品1に応じて、香り気体発生用の装置6も炊飯装置に限らず、その他の加熱調理装置を採用できる。しかも、真空冷却装置2と加熱調理装置6とで処理する食品は、同種の食品に限らず、異種の食品であってもよい。たとえば、処理槽3内にはドライカレーを収容する一方、香り気体発生用の加熱調理装置6では、カレールーの調理を行ってもよい。
また、前記実施例では、処理槽3内に収容した食品1を真空冷却すると共に、その真空冷却後の復圧時に食品1への香り付けを行う例を示したが、真空冷却を目的としない単なる香り付けのためにも、同様に適用可能である。その場合も、香り付けを行いたい食品1を処理槽3内に収容後、処理槽3内を一旦減圧して、その復圧時に処理槽3内へ加熱調理装置6から香り気体を導入すればよい。
また、前記実施例では、加熱調理装置6からの香り導入管17は、給気管14の中途に接続したが、給気管14ではなく、直接に処理槽3へ接続してもよい。さらに、香り付けは、同一または異なる香りを、複数回に分けて処理槽3内へ供給してもよい。
1 食品(米飯など)
2 真空冷却装置
3 処理槽
4 減圧手段
5 復圧手段
6 加熱調理装置(炊飯装置など)
14 給気管(空気導入管路)
17 香り導入管
2 真空冷却装置
3 処理槽
4 減圧手段
5 復圧手段
6 加熱調理装置(炊飯装置など)
14 給気管(空気導入管路)
17 香り導入管
Claims (6)
- 食品が収容される処理槽と、
この処理槽内を減圧する減圧手段と、
前記食品と同種または異種の食品が収容されて加熱調理され、この加熱調理時に生ずる気体を、減圧された前記処理槽内の復圧時に前記処理槽内へ供給する加熱調理装置と
を備えることを特徴とする香り付け装置。 - 炊飯された米飯が収容される処理槽と、
この処理槽内を減圧する減圧手段と、
炊飯装置から構成され、その炊飯時に生ずる気体を、減圧された前記処理槽内の復圧時に前記処理槽内へ供給する加熱調理装置と
を備えることを特徴とする香り付け装置。 - 前記炊飯装置では、香り米,くず米またはお粥が炊かれる
ことを特徴とする請求項2に記載の香り付け装置。 - 前記加熱調理装置と、これにより加熱調理された食品を冷却する真空冷却装置とから構成され、
この真空冷却装置は、前記処理槽と前記減圧手段とを有すると共に、前記減圧手段により減圧された前記処理槽内を復圧するための空気導入管路に、前記加熱調理装置からの気体が導入される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の香り付け装置。 - 食品が収容された処理槽内を減圧して前記食品を真空冷却後、前記処理槽内の復圧時に、前記食品と同種または異種の食品の加熱調理装置から、その加熱調理時に生ずる気体を前記処理槽内へ供給する
ことを特徴とする香り付け方法。 - 炊飯された米飯を処理槽内へ収容する工程、
この処理槽内を減圧して前記米飯を真空冷却する工程、
真空冷却後の前記処理槽内の復圧時に、炊飯装置による炊飯時に生ずる気体を前記処理槽内へ供給する工程
を含むことを特徴とする香り付け方法。
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JP2013031434A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-02-14 | Asahi Food & Healthcare Ltd | 香味付与物の製造方法、香味付与物の製造装置、並びに香味付与飲料及び食品 |
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- 2006-05-15 JP JP2006135334A patent/JP2007300891A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013031434A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-02-14 | Asahi Food & Healthcare Ltd | 香味付与物の製造方法、香味付与物の製造装置、並びに香味付与飲料及び食品 |
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