従来の建物用シャッターのシャッターカーテンは、全体が鋼板製の硬質部となっているため、シャッターカーテンが下降して出入口を閉鎖するとき、シャッターカーテンの真下に物体が存在すると、その硬さによりこの物体が損傷したり、物体への衝突によってシャッターカーテン自体が損傷するおそれがあった。また、シャッターカーテンの全体重量が物体に作用するため、シャッターカーテンの下からの物体の取り出しは困難であった。
本発明の目的は、建物用シャッターのシャッターカーテン等の開閉体が出入口等の被遮断部を閉じるときに物体の損傷や開閉体の損傷を防止できるようになる開閉体装置および開閉体の閉鎖方法を提供するところにある。
本発明に係る開閉体装置は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体の閉鎖側への移動を止めるストッパ手段とを含んで構成された開閉体装置であって、開閉体は硬質部と軟質部とを有し、軟質部は硬質部の少なくとも一部よりも閉鎖側に配置され、ストッパ手段は、この軟質部が被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖側への移動を止めるものとなっていることを特徴とするものである。
この開閉体装置によると、開閉体の軟質部が被遮断部の縁部に接触したとき、開閉体の閉鎖側への移動はストッパ手段で止められるため、被遮断部の縁部への軟質部の接触で被遮断部の遮断性を確保できるとともに、被遮断部に物体が存在していた場合には、軟質部がこの物体に当たって変形した状態で開閉体の閉鎖移動が停止するため、物体が損傷することおよび開閉体が損傷することを有効に防止できる。また、このとき、軟質部は物体の形状に倣って変形しつつ被遮断部の縁部に接触するため、被遮断部を開閉体で確実に遮断することができる。さらに、開閉体の閉鎖移動が下向きである場合には、ストッパ手段で開閉体の閉鎖移動が止められるため、軟質部に当たっている物体には開閉体の全体重量は作用せず、このため、物体の取り出しを容易に行える。
開閉体の一例は建物用シャッターの上下動するシャッターカーテンである。このシャッターカーテンの場合には、軟質部を例えば可撓性シートとし、このシートでシャッターカーテンの下部を形成することができる。これによると、可撓性シートの下端がシャッターカーテンで開放、閉鎖される被遮断部になっている出入口の下縁部に達すると、シャッターカーテンの下降はストッパ手段で停止されることになる。
なお、以上の可撓性シートには中桟等の補強部材を設けてもよい。
また、この可撓性シートの上端が結合される前記硬質部としての座板は、被遮断部の幅方向に連続した長尺の通しのものでもよく、被遮断部の幅方向に分割され、複数並設された短尺のものでもよい。
また、以上の本発明に係る開閉体装置において、前記硬質部よりも前記閉鎖側とは反対側には別の軟質部、硬質部が設けられ、これらによってシャッターカーテン等の開閉体が構成されていてもよい。
また、本発明に係る開閉体装置は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体の閉鎖側への移動を止めるストッパ手段とを含んで構成された開閉体装置であって、開閉体は第1硬質部と軟質部と第2硬質部とを有し、軟質部は第1硬質部の少なくとも一部よりも閉鎖側に配置され、第2硬質部は軟質部の閉鎖側の端部に配置され、ストッパ手段は、この第2硬質部が被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖側への移動を止めるものとなっていることを特徴とするものである。
この開閉体装置では、開閉体の第2硬質部が被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖側への移動はストッパ手段で止められるため、被遮断部の縁部への第2硬質部の接触で被遮断部を一層確実に遮断できるとともに、被遮断部に物体が存在していた場合は、第2硬質部がこの物体に当たると軟質部が変形するため、この変形で物体への衝突の衝撃が緩和され、物体の損傷および開閉体の損傷が防止されることになる。また、開閉体の閉鎖移動が下向きである場合には、ストッパ手段で開閉体の全体重量が物体に作用するのをなくすことができるため、物体の取り出しを容易に行える。
この開閉体装置における開閉体が建物用シャッターの上下動するシャッターカーテンである場合にも、軟質部を可撓性シートとすることができ、シャッターカーテンの下部を形成するこのシートの下端に設ける第2硬質部を座板とすることができる。
この可撓性シートにも中桟等の補強部材を設けてもよい。
また、この開閉体装置においても、第1硬質部よりも前記閉鎖側とは反対側には別の軟質部、硬質部が設けられ、これらによってシャッターカーテン等の開閉体が構成されていてもよい。
以上のそれぞれの開閉体装置を含めて、開閉体装置の開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンであって、軟質部が可撓性シートである場合には、このシートはシャッターカーテンで開放、閉鎖される出入口の幅方向に連続した1枚のものでもよく、また、出入口の幅方向に並設された複数枚でもよい。
また、この建物用シャッターが防火、防煙のための防災用シャッターである場合や、工場の例えばフォークリフト等が出入りする出入口に配置される工場用シャッター等の場合には、可撓性シートを出入口の幅方向に並設された複数枚とするとともに、これらのシートのうちの少なくとも1枚をめくり自在とし、このシートのめくりにより開閉体に開口部が形成されるようにしてもよい。このようにすると、シートのめくりによって形成された開口部を、防災用シャッターの場合には火災時等の非常時において、シャッターカーテンで仕切られた一方の区域から他方の区域に脱出するための脱出口とすることができ、また、工場用シャッターの場合には、出入口の一部だけを例えば人の出入りのために開け、出入口の大部分を閉めておくことにより、工場内外への空気の流通を抑制して工場内の温度を一定にするなどを達成できるようになる。
なお、めくり自在のシートは他のシートに対して前記遮断部の幅方向に重ね代をもって配置してもよく、また、重ね代なしで配置してもよい。
また、めくり自在のシートは1枚だけでもよいが、出入口の幅方向に複数枚設けてもよく、また、めくり自在のシートをシャッターカーテンの厚さ方向に複数枚設け、これら全部のシートをめくることにより前記開口部が形成されるようにしてもよい。めくり自在のシートをシャッターカーテンの厚さ方向に複数枚設けた場合には、防災用シャッターについてはそれだけ火や煙の有効な遮断を実現でき、工場用シャッターについては工場内の温度の一定化をそれだけ有効に達成できるようになる。
また、本発明に係る開閉体装置は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体の閉鎖側への移動を止めるストッパ手段とを含んで構成された開閉体装置であって、開閉体の閉鎖側の先部の少なくとも一部は可動体となっており、ストッパ手段は、この可動体が被遮断部の縁部に接触したときに前記開閉体の閉鎖側への移動を止めるものとなっているとともに、可動体は、開閉体の開放、閉鎖の方向への変位成分を有して移動可能となっていることを特徴とするものである。
この開閉体装置によると、可動体が被遮断部の縁部に接触すると開閉体の閉鎖側への移動はストッパ手段で止められるため、被遮断部を開閉体で遮断できることになり、また、被遮断部に物体が存在していた場合には、可動体がこの物体に当たると、可動体は物体からの反力で開放側への変位成分を有しながら移動するため、物体への衝突の衝撃は緩和され、物体の損傷および開閉体の損傷は防止される。また、開閉体の閉鎖移動が下向きである場合には、開閉体の全体重量が物体に作用するのをストッパ手段でなくすことができるため、物体の取り出しを容易に行える。
この開閉体装置において、可動体はヒンジ等による回動中心部を中心に回動するものでもよく、スライダのように開閉体の開放、閉鎖方向と同じ方向にスライドできるものでもよく、物体に当たったときに開閉体の開放、閉鎖方向への変位成分を有して移動できるものであれば任意なものでよい。
以上のそれぞれの開閉体装置において、開閉体の閉鎖側への移動を止めるストッパ手段は任意な構造、形式のものを採用でき、開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンである場合には、このストッパ手段は、建物用シャッターに設けられる電気信号または機械的リミット装置からの物理的な力によって作動するブレーキでもよく、シャッターカーテンの上下動を案内するためのガイドレールに設けたシャッターカーテン用鍵部材や係止部材を含むストッパ部材でもよく、シャッターカーテンと巻取部とを連結し、自重で巻取部から繰り出し下降したシャッターカーテンをそれ以上回転しない平衡状態に巻取部に吊り下げ支持する吊り元部材でもよく、ストッパ手段を建物用シャッターの駆動形式等に応じて任意に決めることができる。
また、本発明に係る開閉体の閉鎖方法は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体を閉鎖移動させる開閉体の閉鎖方法であって、この開閉体を、硬質部とこの硬質部よりも閉鎖側に配置された軟質部とを含んで構成し、この軟質部が被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖移動を一旦停止させ、この後、軟質部を変形させながらこの開閉体を再度閉鎖移動させることを特徴とするものである。
この開閉体の閉鎖方法によると、開閉体の閉鎖移動は軟質部が被遮断部の縁部に接触したときに一旦停止するため、被遮断部の縁部への軟質部の接触で被遮断部の遮断性を確保できるとともに、このときに被遮断部に物体が存在していても、軟質部の変形により物体への衝突による衝撃は緩和されて物体の損傷および開閉体の損傷を防止できることと、一旦停止している間に物体の除去を行えることとを達成できる。また、開閉体は、一旦停止後、軟質部を変形させながら再度閉鎖移動するため、最後は変形した軟質部を介して硬質部が被遮断部の縁部に当接することになり、この結果、被遮断部の遮断性を高めることができる。
この開閉体の閉鎖方法を建物用シャッターの上下動するシャッターカーテンに適用した場合には、軟質部をシャッターカーテンの下部を形成する可撓性シートとすることができる。
このようにこの開閉体の閉鎖方法を建物用シャッターのシャッターカーテンに適用した場合には、シャッターカーテンの一旦停止はタイマー等を使用したシャッターカーテンの駆動制御装置の制御によっても行え、また、火災等によって環境温度が一定値以上に上昇したときに溶解する熱ヒューズや熱で変形する形状記憶金属等を使用した機械的構造によっても行える。
また、本発明に係る開閉体の閉鎖方法は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体を閉鎖移動させる開閉体の閉鎖方法であって、この開閉体の閉鎖側の先部には開放、閉鎖の方向への変位成分を有して可動自在となった可動体が設けられ、この可動体が被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖移動を一旦停止させ、この後、開閉体をさらに閉鎖移動させることを特徴とするものである。
この開閉体の閉鎖方法によると、開閉体の閉鎖移動は可動体が被遮断部の縁部に接触したときに一旦停止するため、被遮断部の縁部への可動体の接触で被遮断部の遮断性を確保できるとともに、このときに被遮断部に物体が存在していても、可動体の開放側への変位成分をもった移動により物体への衝突による衝撃は緩和され、このため物体の損傷および開閉体の損傷を防止でき、また、可動体を開放側へ移動させることにより物体を除去できるようになる。
この開閉体の閉鎖方法においても、開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンである場合にこのシャッターカーテンを一旦停止させることは、タイマー等を使用したシャッターカーテンの駆動制御装置の制御によっても行え、また、火災等によって環境温度が一定値以上に上昇したときに溶解する熱ヒューズや熱で変形する形状記憶金属等を使用した機械的構造によっても行える。
なお、この開閉体の閉鎖方法において、開閉体の閉鎖側の先部に設けられる可動体は、例えば、箱状のスライダのように開閉体の開放、閉鎖方向と同じ方向にスライドできるものでもよく、また、ヒンジ等の回動中心部を中心に回動できるようになっているものでもよく、その構造、形状は任意である。また、可動体は、可動体が被遮断部の縁部に接触した後に開閉体がさらに閉鎖移動したとき、可動体を除いた開閉体の残りの部分だけが可動体に対して閉鎖移動できるようになっているものでもよく、また、被遮断部の縁部に接触した可動体が屈曲変形等しながら開閉体の閉鎖移動が行われるようにものになっているものでもよい。
以上のそれぞれの開閉体の閉鎖方法において、開閉体の閉鎖移動の一旦停止は1回だけでもよく、一旦停止後に閉鎖移動させて再度一旦停止させるようにしてもよく、一旦停止を複数回繰り返してもよい。
また、一旦停止後の開閉体の閉鎖移動速度は一旦停止前の速度と同じにしてもよく、これより遅くしてもよく、速くしてもよい。
また、本発明に係る開閉体の閉鎖方法は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体を閉鎖移動させる開閉体の閉鎖方法であって、この開閉体の閉鎖側の先端が被遮断部の縁部から一定距離に達したとき、開閉体の閉鎖移動速度をそれまでの速度よりも低下させ、これ以後、開閉体の閉鎖移動を維持させることを特徴とするものである。
この開閉体の閉鎖方法によると、開閉体の閉鎖側の先端が被遮断部の縁部から一定距離に達すると、開閉体の閉鎖移動速度は低下するため、被遮断部に物体が存在していた場合、物体への開閉体の衝突速度を遅くすることができ、あるいは、開閉体が衝突する前に物体を被遮断部から除去することができ、このため、物体の損傷および開閉体の損傷を防止できる。
なお、この開閉体の閉鎖方法において、被遮断部の縁部から一定距離に達した開閉体が低下した速度で閉鎖移動した後は、この低下速度で一定距離移動してからまたは一定時間経過してから閉鎖速度を速くしてもよい。これによると、被遮断部から物体を除去した後に開閉体を高速で閉鎖移動させることができるようになり、それだけ、開閉体と物体との衝突による物体の損傷および開閉体の損傷を有効に防止しながら、開閉体による被遮断部の遮断を早めることができる。
さらに、本発明に係る開閉体の閉鎖方法は、被遮断部に配設され、この被遮断部を開放、閉鎖する開閉体を閉鎖移動させる開閉体の閉鎖方法であって、この開閉体を、硬質部とこの硬質部よりも閉鎖側に配置された軟質部とを含んで構成し、この軟質部が前記被遮断部の縁部に接触したときに開閉体の閉鎖移動速度をそれまでの速度よりも低下させ、これ以後、軟質部を変形させながら低下した速度で開閉体を閉鎖移動させることを特徴とするものである。
この開閉体の閉鎖方法でも開閉体の閉鎖移動速度は低下せしめられるため、上記開閉体の閉鎖方法と同様な作用効果を達成できるとともに、開閉体の閉鎖移動速度は軟質部が被遮断部の縁部に接触してから低下するため、低下速度で開閉体が閉鎖移動しているあいだ中、被遮断部の遮断性を確保できる。
これらの開閉体の閉鎖方法のように開閉体の閉鎖移動速度を途中から低下させるためには、開閉体が駆動制御装置で駆動される場合には、この駆動制御装置で閉鎖移動速度を低下させてもよく、また、開閉体の移動経路中に機械的な部品による速度低下手段を設け、この手段によって開閉体の閉鎖移動速度を低下させるようにしてもよい。
後者は、開閉体の開放、閉鎖の移動が駆動制御装置で行われる構成となっている場合と、駆動源を使用しない手動や自重等で行われる構成となっている場合との両方について適用でき、また、後者は前者よりも比較的簡単な構造で実現できるという効果を有する。
開閉体が建物用シャッターの上下動するシャッターカーテンである場合において、後者を採用したときは、前記速度低下手段は、シャッターカーテンに対して不動となっている不動部材と、このシャッターカーテンとのうちの少なくとも一方に設けられる。
ここでいう不動部材とは、例えば、シャッターカーテンの開放、閉鎖移動を案内するガイドレールや、シャッターカーテンが開放、閉鎖移動する際に出入りするまぐさが形成されている部材、あるいは、巻取式シャッターカーテンの巻取部を両側で支持し、巻き取られたシャッターカーテンの端面と対面するブラケット等である。
不動部材がガイドレールである場合における速度低下手段の具体的一例は、ガイドレールの内部に配置されてシャッターカーテンの側部と接触する摩擦部材であり、また、他の例は、ガイドレールの内部に配置されるとともに、シャッターカーテンの閉鎖側の先端に取り付けられ若しくはシャッターカーテンの閉鎖側の先端と対向して被遮断部側に設けられたばね等の弾性部材であり、これ以外にも任意な部品からなる速度低下手段を採用できる。また、不動部材がまぐさが形成されている部材である場合における速度低下手段の具体的一例は、シャッターカーテンがまぐさから一定量出たときにまぐさ周縁部に接触してシャッターカーテンの速度を低下させる接触部をシャッターカーテンに設けることである。
さらに、不動部材を上記ブラケットとした場合における速度低下手段の具体例は、巻取部から大部分が繰り出し下降して巻取部に僅かに残っているシャッターカーテンの端面と対面するブラケットの所定箇所に、摩擦部材等のシャッターカーテンの端面と接触する接触部材を配置し、シャッターカーテンの残りの繰り出し下降時に、シャッターカーテンとの間で相対移動が生ずるこの接触部材によってシャッターカーテンの速度を低下させることである。
なお、不動部材が上記ガイドレールやブラケットのように左右2個または複数個ある部材である場合には、速度低下手段はこれらの全部に設けてもよく、これらのうちの一部の部材だけに設けてもよい。
以上のように開閉体の閉鎖移動速度を低下させるようにした場合において、開閉体が建物用シャッターの上下動するシャッターカーテンであって、このシャッターカーテンを、硬質部と、この硬質部よりも閉鎖側に配置された軟質部とを含んで構成するときは、軟質部をシャッターカーテンの下部を形成する可撓性シートとすることができる。
以上説明したそれぞれの本発明において、開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンである場合であって、このシャッターカーテンの構成部材として軟質部が含まれる場合には、この軟質部をそれぞれ前述した可撓性シートとしてもよいが、これに限らず例えばゴムやスポンジ等の多孔質体による弾性部材としてもよく、これらが適用される建物用シャッターはシャッターカーテンの開放、閉鎖の方向が上下方向ではなく、左右方向や水平方向でもよく、上下方向である場合にも、閉鎖の方向が下方向ではなく、上方向でもよい。また、軟質部を可撓性シートとした場合には、このシートは袋状としてもよく、また、その内部にばね等の弾性部材を収納してよい。
また、本発明は、開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンである場合において、その建物用シャッターは窓用シャッター、店舗等の出入口用シャッター、車庫用シャッター、防災用シャッター等の任意な用途に使用されるシャッターでよく、また、その構造、形式は、複数のスラットによるスラット式、単数または複数のパネルによるパネル式、リンクで連結された複数のパイプによるパイプ式等でもよく、さらに、本発明は、巻き取り格納式シャッター、パネル分離並べ格納式シャッター、スライディング型のオーバーヘッドドア式シャッター等の任意なタイプのシャッターに適用できる。
本発明を防災用シャッターに適用し、この防災用シャッターの開閉体であるシャッターカーテンに軟質部としての可撓性シートを使用するときは、この可撓性シートは防火性、防煙性を備えていることが求められる。このため、可撓性シートは、例えば、シリカクロスやガラスクロス、ワイヤメッシュ等の不燃性、耐火性生地に耐火塗料等の耐火被覆材を被覆形成したものとすることができる。
本発明を防災用シャッター以外の建物用シャッターに適用する場合には、可撓性シートは塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂製や木綿や絹等の天然素材製でもよく、また、ワイヤメッシュ製でもよく、これらの混紡でもよい。
また、本発明は、建物用シャッター以外の開閉体、例えば、引き戸、可動間仕切り、開き戸等にも適用でき、開閉体の開放、閉鎖の方向は、上下方向、左右方向、水平方向、回転方向のいずれであってもよい。
また、これらの開閉体が硬質部と軟質部とを有するものであるときは、硬質部は、金属製、合成樹脂製、木製、セラミック製、これらの複合体でもよく、軟質部は、可撓性シート、ゴムやスポンジ等の多孔質体による弾性部材でもよい。軟質部を可撓性シートとした場合には、このシートを袋状とし、その内部にばね等の弾性部材を収納してもよい。
さらに、開閉体で開放、閉鎖される被遮断部は、開閉体の種類、用途に応じて決まるものであって、例えば、出入口、窓、非常口、通路、通用門等でもよい。
そして、開閉体装置は、自動駆動式のものでもよく、手動や自重で開閉体を移動させる非自動駆動式のものでもよい。
また、本発明において、建物用シャッターのシャッターカーテンを含む開閉体が硬質部と軟質部を含んで構成される場合、軟質部等は硬質部等に後付け作業で取り付けるようにしてもよい。これによると、既設の開閉体装置にも本発明を適用できるようになる。
これを具体的に説明すると、開閉体が建物用シャッターのシャッターカーテンである場合、軟質部としての可撓性シートを硬質部である既設のシャッターカーテンの座板に取り付けてもよく、また、可撓性シートの高さ寸法に相当する既設のシャッターカーテンのスラット連設体と座板の部分を取り外し、この代わりに可撓性シートを取り付けてもよい。
また、以上説明した本発明において、開閉体に軟質部としての可撓性シートを設ける場合には、この可撓性シートの全部または一部を透明としてもよい。これによると、可撓性シートの透明部を通して開閉体で遮断された被遮断部の向こう側を視認できるようになり、開閉体装置が防災用シャッターの場合には火災時等の非常時の避難に有効となる。
本発明によると、出入口等の被遮断部を建物用シャッターのシャッターカーテン等の開閉体で閉鎖するとき、被遮断部に物体が存在していても、物体の損傷および開閉体の損傷を防止できるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、建物の防災区画に配置される防災用シャッターの正面図で、天井1と床2を断面で示してある。この防災用シャッターは、天井1、床2、左右の壁3で囲まれた被遮断部である出入口4を開放、閉鎖するシャッターカーテン5を有し、このシャッターカーテン5は左右のガイドレール6に案内されて上下動し、出入口4の下側の縁部になっている床面7にシャッターカーテン5の下端が当接することにより、出入口4は閉鎖される。
通常時、シャッターカーテン5は天井1の内部に配置された巻取部8に巻き取られており、この巻き取りと巻取部8からのシャッターカーテン5の繰り出しのために、巻取部8にスプロケット、チェーン等による駆動力伝達手段を介して開閉機9が接続され、この開閉機9はモータ10とブレーキ11からなる。モータ10を図示しないスイッチ等の駆動手段で駆動させることにより、シャッターカーテン5は回転する巻取部8に巻き取られて上昇するため出入口4を開放し、この後に巻取部8の回転を停止させたブレーキ11の解除が行われると、シャッターカーテン5は巻取部8を回転させながら自重で繰り出し下降し、これにより出入口4は閉鎖される。
開閉機9に隣接して自動閉鎖装置12と制御装置13と手動閉鎖装置14とが配置され、自動閉鎖装置12には制御装置13を介して天井面に取り付けられた火災検出センサ15が接続され、手動閉鎖装置14には壁面に配置されたレバー等による手動機16が機械的に接続されている。センサ15が火災の発生による煙または熱を検出すると、センサ15からの信号で制御装置13を介して自動閉鎖装置12はブレーキ11を解除し、また、手動機16を手動操作した場合には手動閉鎖装置14はブレーキ11を解除し、これにより、シャッターカーテン5は上述の通り巻取部8から自重で繰り出し下降する。
開閉機9の近辺には充電器17とカウンタ18も配置され、充電器17は火災発生時等の非常時用電源であり、カウンタ18は、ブレーキ11の解除でシャッターカーテン5が繰り出し下降したときの巻取部8の回転が伝達されて回転するモータ10の駆動軸の回転数を検出するためのものである。ブレーキ11が解除されてシャッターカーテン5が下降し始めるとその下降量はカウンタ18で常時検出され、シャッターカーテン5の下端が床面7に当接して出入口4が閉鎖されると、カウンタ18からの信号に基づき制御装置13はブレーキ11を自動復帰させ、これにより、シャッターカーテン5はその位置で停止する。
図1の実施形態のシャッターカーテン5は、多数のスラットを上下に連設することにより形成されたスラット連設体19と、このスラット連設体19の下端に結合されて垂下された可撓性シート20とからなる。それぞれのスラットは金属製であるためスラット連設体19は硬質部であり、これに対してシャッターカーテン5の下部を形成している可撓性シート20は軟質部である。このシート20は、例えば、シリカクロスまたはガラスクロスに耐火被覆材としての耐火塗料を塗布したもので形成されている。
図1の実施形態では、スラット連設体19の上端は吊り元部材21を介して巻取部8に連結され、また、左右のガイドレール6の内部には、スラット連結体19の側部だけではなく、可撓性シート20の側部も摺動自在に挿入されており、このシート20のガイドレール6からの抜け出し防止のため、シート20の側部にガイドレール6の内部に摺動自在に係合する係合部材を設けてもよい。
前述した通り、火災発生によりブレーキ11が解除されてシャッターカーテン5が自重で巻取部8から繰り出し下降したとき、この下降量が、床面7に可撓性シート20の下端が達するまでになると、カウンタ13からの信号に基づくブレーキ11の自動復帰によりシャッターカーテン5の下降は停止される。このため、本実施形態において、出入口4を開放、閉鎖する開閉体であるシャッターカーテン5の下降を停止させるためのストッパ手段は、ブレーキ11である。
可撓性シート20の下端が床面7に接触すると、出入口4は遮断されてシャッターカーテン5で仕切られる一方の区域と他方の区域は非連通状態となるため、これらの区域間で煙や炎が流通することはなく、シャッターカーテン5は防煙、防火機能を発揮する。
また、シャッターカーテン5が下降してくる床面7上に可撓性シート20の上下寸法よりも高さが低い物体が存在していた場合には、この物体に可撓性シート20が当たり、このシート20は軟質故に撓み変形してシャッターカーテン5の全体重量は物体に作用しないため、自重で下降するシャッターカーテン5によって物体が損傷することはなく、シャッターカーテン5も物体からの反力で損傷することはない。そして、シート20は物体の形状に倣い変形したまま床面7に接触するため、物体の部分を除いて出入口4を有効に遮断することができる。また、ブレーキ11の自動復帰によりシャッターカーテン5の全体は巻取部8から吊り下げ支持状態となっているため、物体の取り出しを容易に行える。
図2の実施形態では、可撓性シート20のほぼ中央に左右方向に延びる切れ目(スリット)22を形成している。これによると、シート20の下端に物体が当たったとき、シート20の撓み変形は発生し易くなり、物体の損傷およびシャッターカーテンの損傷は一層有効に防止される。
図3の実施形態では、可撓性シート20を出入口4の幅方向に重ね代をもって並設された複数の可撓性短幅シート23で形成している。これらのシート23は上端のみがスラット連設体19に結合されている。この実施形態によると、物体に当たった特定の短幅シート23だけが撓み変形するため、可撓性シート20全体としては一層撓み易くなっている。また、この実施形態ではそれぞれの短幅シート23の側辺と下辺とに切れ目(スリット)24を形成しており、これによっても短幅シート23の撓み変形は一層生じ易くなっている。
図4の実施形態のシャッターカーテン5は、可撓性シート20の下端に金属製の座板25を結合することにより形成されている。すなわち、この実施形態では、スラット連設体19は第1硬質部、可撓性シート20は軟質部、座板25は第2硬質部である。この実施形態によると、シャッターカーテン5で出入口4が遮断されたとき、座板25が床面7に接触するため、出入口4の遮断性は向上し、また、下降中のシャッターカーテン5の座板25にシート20と座板25の合計の上下寸法よりも高さが低い物体が当たると、可撓性シート20は撓み変形し、したがってこのとき物体に作用する荷重はシート20と座板25の合計重量分だけであるため、物体の損傷およびシャッターカーテン5の損傷を防止できる。そして、物体を取り出すときは、座板25を除くシャッターカーテン5の全体重量はストッパ手段である前記ブレーキ11によって物体に作用していないため、この取り出しを容易に行える。
なお、座板25は、通常のシャッターカーテンの座板のように断面逆T字状、断面逆L字状でもよく、また、中空や中実の断面矩形、断面円形、断面楕円等でもよく、さらに、例えば棒状とした座板を可撓性シート20の袋状に丸めた下端に収納してもよい。また、可撓性シート20の袋状に丸めた下端の内部に金属球や砂等を詰め、この部分を第2硬質部としてもよい。
図5の実施形態では、座板25を出入口4の幅方向に分割された複数の短寸座板26の並設で形成している。これによると、座板は出入口4の幅方向に連続した1本ではないため、物体への当たりが生じたとき、可撓性シート20は図4の実施形態よりも有効に撓み変形する。図5の実施形態の場合、隣接する短寸座板26同士は互いに分離させてもよく、ヒンジ、可撓性合成樹脂等による連結部材27で互いに屈曲自在に連結してもよい。
図6と図7は、座板25を出入口4の幅方向に分割されかつ分離している複数の短寸座板28,29の並設で形成した場合を示し、隣接する短寸座板28同士、29同士は、これらの図で示すように互いに噛み合い状態で並設してもよい。
また、図8の実施形態で示すように、座板25を隣接する短寸座板30同士の噛み合わせで形成する場合、シャッターカーテン5の厚さ方向に短寸座板30の一部30A同士が重なるようにしてもよい。これによると、シャッターカーテン5で出入口4を遮断したとき、シャッターカーテン5の厚さ方向に煙や炎が座板25の分割、分離部分を通過してしまうのを防止できる。
図9の実施形態で示されたシャッターカーテン5は、下部の幅方向の一部、図示例では下部の幅方向中央が欠部31となった門形状のスラット連結体32と、上端のみがスラット連結体32に結合されて欠部31に配置された可撓性シート33と、スラット連結体32の欠部31部分を除く下端に取り付けられた座板34と、可撓性シート33の下端に取り付けられた座板35とで形成されている。
すなわち、この実施形態のシャッターカーテン5は、硬質部であるスラット連設体32の一部だけのシャッターカーテン閉鎖側の端部に、軟質部である可撓性シート33が配置されて形成されたもので、シート33の両側はスラット連設体32による硬質部となっているものである。このシャッターカーテン5は、その防災シャッターの用途、種類等により、床面7に置かれる物体の位置がだいたい決まっている場合に適しており、その位置の真上に可撓性シート33を設けるようにする。
また、この実施形態によると、可撓性シート33はめくり自在になっているため、火災時等の非常時において、出入口4がシャッターカーテン5で遮断されていても、シート33をめくることによりシャッターカーテン5に欠部31による開口部を形成でき、この開口部を脱出口とすることができる。
なお、図9のX−X線断面図である図10に示すように、可撓性シート33はシャッターカーテン5の厚さ方向に2枚設けてもよく、1枚でもよい。また、シート33の下端の座板35は省略してもよい。さらに、欠部31を左右のガイドレール6間の内幅寸法と同じとし、この欠部31に被せられる可撓性シート33の両側のスラット連結体の細幅部分だけがガイドレール6の内部に挿入されるようにしてもよい。
また、図9の実施形態において、シート33の下端の座板35が床面7に接触したときにシャッターカーテン5の下降を止めるストッパ手段は、図1で説明したブレーキ11でもよく、また、シート33の座板35が床面7に接触したときにシャッターカーテン5の座板34を床面7に当接させることにより、この座板34をシャッターカーテン5のそれ以上の下降を止めるためのストッパ手段としてもよい。
図11は、図9と同じく非常時の脱出口となる開口部を形成できる実施形態のシャッターカーテン5を示す。スラット連結体19の下端から垂下された可撓性シート20は、出入口4の幅方向に重ね代をもって並設された2枚の短幅可撓性シート36と、さらに短寸の可撓性シート37とからなり、これらのシート36,37は上端のみがスラット連結体19の結合されているため、シート37はシート36からめくり自在である。このめくりにより、シャッターカーテン5に脱出用の開口部を形成できる。
図12の実施形態のシャッターカーテン5は、他の短寸可撓性シート38からめくり自在となった短寸可撓性シート39を出入口4の幅方向に複数枚としたものである。図11、図12に示されているように、シート36〜39の下端に硬質部である座板40を取り付けてもよく、省略してもよい。また、めくり自在のシート37,39は、図シャッターカーテン5の厚さ方向に2枚設けてもよい。
また、図11の実施形態におけるシート36と37のうちの一方だけ、図12の実施形態におけるシート38と39のうちの一方だけにそれぞれ座板をもうけてもよく、また、めくり自在のシート以外の複数のシートにめくり自在のシートの下端を横断する通しの座板を設けてもよい。
図13と図14は、パネル式防災用シャッターの場合を示しており、これらの実施形態における自重で下降するシャッターカーテン45の硬質部は、金属製のパネル46を上下に複数連設したパネル連設体47で形成されている。
図13の実施形態のシャッターカーテン45では、最下部のパネル46が欠部48を有する門形状に形成され、この欠部48に、出入口4の幅方向に重ね代をもって並設された複数の短寸可撓性シート49が、その上端のみが最下部のパネル46に結合されて配置されており、これらのシート49がシャッターカーテン45の軟質部となっいる。それぞれのシート49の下端には、パネル連設体47を第1硬質部としたときの第2硬質部となっている座板50が取り付けられている。
図14の実施形態のシャッターカーテン45では、最下部のパネル46に、出入口4の幅方向に重ね代をもって並設された複数の短寸可撓性シート51が垂下した状態で取り付けられ、それぞれのシート51は上端だけが最下部のパネル46に結合されており、これらのシート51により、シャッターカーテン45の下部の軟質部が形成されている。
図13、図14の実施形態において、シャッターカーテン45の上下動を案内する左右のガイドレール52の内部には、図13では座板50が、図14ではシート51の下端がそれぞれ床面7に達したときに、シャッターカーテン45の側部に突設された突起53が当接してシャッターカーテン45のそれ以上の下降を止めるストッパ部材54が設けられており、これらの突起53とストッパ部材54がこれらの実施形態におけるストッパ手段となっている。
なお、図13の実施形態において、最下部のパネル46におけるシート49の両端部の下端が床面7に達したときにこの両端部でシャッター45の下降を止めるようにすることにより、ストッパ手段をこの両端部としてもよい。
これらのパネル式防災用シャッターにおいても、座板50とシート51の下端がそれぞれ床面7に接触するとシャッターカーテン45によって出入口4は遮断されるとともに、下降中のシャッターカーテン45が床面7に存在していた物体に当たった場合には、シート49,51に撓み変形が生ずることにより物体の損傷およびシャッターカーテン45の損傷が防止される。
また、シート49,51はそれぞれめくり自在であるため、このめくりによってシャッターカーテン45に脱出口となる開口部を形成できる。なお、図13の座板50は省略してもよく、図14のシート51の下端には座板を取り付けてもよい。
また、図11、図12、図13、図14の実施形態のように、他のシートからめくり自在となったシートが設けられるシャッターカーテンでは、これらのシートに取り付けた座板同士、またはこれらのシート同士、またはシートと、このシートに隣接する他のシートに取り付けた座板とにマグネットを設け、シートをめくる時以外はこれらのマグネットで座板間、シート間の気密性を確保するようにしてもよい。
また、図9の実施形態の場合には、欠部31に配置されたシート33の両側部と、これらの両側部と対応するスラット連設体32の部分とに、図13の実施形態の場合には、欠部48に配置された複数のシート49のうちの両端部の2枚のシート49の外側の側部と、これらの側部と対応するパネル46の部分とに、それぞれマグネットを設けてもよい。
さらに、このようなマグネットは、図9の実施形態において、シート33の座板35の両端部と、これらの両端部と対応するスラット連設体32の座板34の端部とに、スラット連設体32に座板34が取り付けられていない場合には、シート33の座板35の両端部と、これらの両端部と対応するスラット連設体32の部分とに、シート33に座板35が取り付けられていない場合には、シート33の下端両端部と、これらの下端両端部に対応するスラット連設体32の座板34の端部とに、それぞれ設けてもよい。
図15は、開閉体が引き戸55である場合の実施形態である。引き戸55は、ガイドレールになっている上枠56、下枠57に沿って手動または図示しない自動駆動装置で左右動し、出入口58を開放、閉鎖する。引き戸55の本体59は金属等からなる硬質部であり、この本体59の閉鎖側の端部に軟質部であるゴム等による弾性部材60が取り付けられている。引き戸55を防災用とするときは、弾性部材60を耐熱性、耐火性を有する例えば合成樹脂製とすればよい。上枠56には下向きにストッパ部材61が突設され、引き戸55の開放側の端部上部には上向きに突起62が突設されている。
弾性部材60が出入口58の図中右側の縁部を形成している縦枠63に当接すると、突起62はストッパ部材61に当たってそれ以上の引き戸55の移動を止める。このため、この実施形態ではストッパ部材61と突起62がストッパ手段の構成部材となっている。
このストッパ手段で引き戸55の閉鎖移動が停止せしめられたとき、弾性部材60は縦枠63に接触するため、出入口58の遮断性は確保される。また、出入口58に物体が存在しているときに引き戸55が閉鎖移動してくると、弾性部材60が物体に当たるため衝突の衝撃は緩和され、物体の損傷および引き戸55の損傷は防止される。
なお、図15の実施形態では引き戸55の本体59に貫通口64が形成され、この貫通口64に上端のみが本体59に結合された不燃性、耐火性の可撓性シート65がめくり自在に配置されている。このため、この実施形態では、火災時等においてシート65をめくることにより、出入口58を遮断した防災用引き戸55の貫通口64を脱出口とすることができる。
また、図面では示されていないが、本体59の閉鎖側の端部の上下全長に弾性部材60を取り付けるのではなく、本体59の閉鎖側の端部に上部を除いて切欠部を形成し、この切欠部だけに弾性部材60を取り付け、引き戸55の閉鎖移動を、弾性部材60が縦枠63に接触したときに切欠されていない本体59の上部が縦枠63に当接することにより、停止させるようにしてもよい。この場合のストッパ手段は、縦枠63に当接する本体59の上部となる。
図16は、開閉体が開き戸75になっている実施形態の場合である。ヒンジ76を中心に手動または図示しない自動駆動装置で回動して出入口77を開放、閉鎖する開き戸75の上端からは、出入口77の上側の縁部を形成する上枠78の当て部79に当接して開き戸75のそれ以上の閉鎖回動を止める突起80が突設されている。また、開き戸75は硬質部である本体81と、図16のXVII−XVII線断面図である図17に示されている通り、本体81の閉鎖側の端部に固定された軟質部としての弾性部材82とからなる。開き戸75の閉鎖回動によって図17の通り弾性部材82が出入口77の側部の縁部を形成している縦枠83に接触したとき、突起80は当て部79に当接して開き戸75の閉鎖回動を止める。このため、この実施形態のストッパ手段は、当て部79と突起80からなる。
この実施形態でも、弾性部材82の縦枠83への接触によって出入口77の遮断性が確保されるとともに、閉鎖回動中の開き戸75が出入口77に存在していた物体に当たったときには、その衝撃は物体が当たる弾性部材82で緩和され、物体の損傷および開き戸75の損傷は防止される。
なお、開き戸75が防災用である場合には、本体81に形成された貫通口84を脱出口とするため、この貫通口84に不燃性、耐火性の可撓性シート85をめくり自在に配置してもよい。
次ぎに説明するそれぞれの実施形態は、再び開閉体が防災用シャッターを含む建物用シャッターのシャッターカーテンの場合である。
図18、図19の実施形態において、上下動することにより出入口を開放、閉鎖する開閉体となっているシャッターカーテン95は、硬質部であるスラット連設体96と、このスラット連設体96の下端に取り付けられた可動体97とを含んで形成されている。可動体97は、スラット連設体96に固定された不動部材97Aと、この不動部材97Aにヒンジ98でシャッターカーテン95の移動方向と同じ上下方向に回動自在に連結された回動部材97Bとからなる。天井には、図1の巻取部8にシャッターカーテン95が巻き取られているときに回動部材97Bを係止する係止部材99が配置されている。
この係止部材99は、図1のセンサ15で火災発生が検出されたときに制御装置13からの信号で作動するソレノイド等による駆動体100に連結され、火災発生により係止部材99は駆動体100で後退せしめられて回動部材97Bの係止を解除するため、図1のブレーキ11の解除に伴ってシャッターカーテン95は巻取部8から自重で繰り出し下降し、この下降量が回動部材97Bの下端が床面7に接触する量に達すると、図1のカウンタ18からの信号によりブレーキ11が自動復帰し、シャッターカーテン95の下降を停止させる。このため、この実施形態において、可動体97が床面7に達したときにシャッターカーテン95の閉鎖移動を止めるストッパ手段は、ブレーキ11となっている。
回動部材97Bが床面7に接触することにより、シャッターカーテン95で開放、閉鎖される出入口の遮断性がシャッターカーテン95で確保され、また、下降中のシャッターカーテン95が床面7に存在していた物体に当たったときには、物体に当たる回動部材97Bが図19の2点鎖線で示すように上向きに回動するため、このときの衝撃を緩和でき、物体の損傷およびシャッターカーテン95の損傷を防止できる。また、物体の高さが図19における回動部材97Bの上下寸法よりも小さいときには、ストッパ手段としてのブレーキ11によって回動部材97Bの重量を除くシャッターカーテン95の全体重量が物体に作用することはないため、物体の取り出しを容易に行える。
なお、回動部材97Bをヒンジ98を中心に自重で自然回動させたときに、回動部材97Bの不動部材97A側の端部形状等によって、図19のように回動部材97Bが不動部材97Aに対して屈曲角度を有するようにしておくと、物体への当たりによる回動部材97Bの2点鎖線への回動を確実に行わせることができる。また、ストッパ手段は、図20のようにガイドレール6の内部途中に設けたストッパ部材101でもよく、図21のようにガイドレール6の内部に床面7から立設させたバー部材102でもよい。
また、図20のストッパ部材101によるストッパ手段、図21のバー部材102によるストッパ手段は、図1〜図14の実施形態に係る建物用シャッターにも適用できる。
図22、図23の実施形態の係るシャッターカーテン95は、図18、図19の実施形態と同じく、スラット連設体96と可動体97とを含んで形成されているが、この実施形態の可動体97は、スラット連設体96に上端がヒンジ103で上下回動自在に連結された第1回動部材97Cと、第1回動部材97Cに上端がヒンジ104で上下回動自在に連結された第2回動部材97Dと、スラット連設体96と第2回動部材97Dとに架設され、第1および第2回動部材97C,97Dの重量を上向きに引っ張るばね105とで構成されており、ばね105のばね力は第1および第2回動部材97C,97Dの合計重量よりも小さい。
この実施形態でも、天井の係止部材99に係止されていた第2回動部材97Dが火災の発生で係止部材99から外れ、シャッターカーテン95が図1巻取部8から自重で繰り出し下降して第2回動部材97Dの下端が図23のように床面7に接触すると、図1のブレーキ11または図20のストッパ部材101または図21のバー部材102によるストッパ手段によってシャッターカーテン95のそれ以上の下降は止められる。このため、この実施形態でも図18、図19の実施形態と同じ作用効果を得られる。
特にこの実施形態では、床面7に存在している物体の高さが大きい場合にも対処できるように図23での可動体97の上下寸法を大きくし、このため、可動体97の重量が大きくなっても、可動体97の重量をばね105で上向きに引き上げているため、可動体97が物体に当たったときに可動体97の全部の重量が物体に作用することはなく、また、可動体97の重量の一部だけが物体に作用するため、物体の取り出しを容易に行えるという効果を得られる。
なお、図18、図19の実施形態と図22、図23の実施形態において、シャッターカーテン95を防災仕様とするときには、ヒンジ98,103,104の部分で煙、炎がシャッターカーテン95を通過するのを防止するため、スラット連設体96の下端から可動体97全体に亘って不燃性、耐火性の可撓性シートを被せてもよい。
図24、図25の実施形態に係るシャッターカーテン95もスラット連設体96と可動体97とを含んで形成されているが、可動体97は中空の箱部材97Eとなっており、この箱部材97Eの内部にスラット連設体96の下端に形成された水平の係止部106が挿入されている。このため、箱部材97Eは、スラット連設体96に対して上下動可能である。シャッターカーテン95が図1の巻取部8に巻き取られている通常時には、図24のように箱部材97Eは、係止部106が箱部材97Eの内部上面に係止しているためスラット連設体96から垂下した状態となっており、火災の発生でシャッターカーテン95が巻取部8から自重で繰り出し下降したときもこのままの状態で箱部材97Eは下降し、箱部材97Eが床面7に接触すると、図1のブレーキ11または図20のストッパ101または図21のバー部材102によるストッパ手段でシャッターカーテン95の下降は止められる。
この実施形態では、箱部材97Eが床面7に接触することによりシャッターカーテン95で開放、閉鎖される出入口の遮断性が確保されるとともに、下降中のシャッターカーテン95が床面7上の物体に当たったときには、箱部材97Eはスラット連設体96に対して相対的に上昇するため、シャッターカーテン95の全体重量は物体に作用しない。このため、物体の損傷およびシャッターカーテン95の損傷を防止でき、また、物体の取り出しも容易に行える。なお、箱部材97Eの上下寸法を大きくすることにより、高さの大きな物体にも対処できるようになる。
なお、以上説明した図1〜図14の実施形態および図18〜図25の実施形態において、シャッターカーテンのそれ以上の下降を止めるためのストッパ手段は、図1の巻取部8とシャッターカーテンとを連結し、シャッターカーテンの下降の最後にシャッターカーテンを巻取部8から平衡状態で吊り下げ支持することになる吊り元部材21としてもよい。
図26、図27の実施形態のシャッターカーテン115は、スラット連設体116と、このスラット連設体116の下端に結合された座板117と、この座板117に上端が結合されて垂下された可撓性シート118とを含んで形成されている。このため、この実施形態では、スラット連設体116と座板117とでシャッターカーテン115の硬質部が形成され、シート118でシャッターカーテン115の下部の軟質部が形成されている。シャッターカーテン115を防災仕様とするときは、シート118を不燃性、耐火性とする。この実施形態ではシート118はシャッターカーテン115の厚さ方向に3枚あり、両側の2枚に対して中央の1枚はシャッターカーテン115で開放、閉鎖される出入口の幅方向に重ね代をもってずれて配置されており、両側の2枚をめくることにより、火災発生時等の非常時に脱出口としての開口部をシャッターカーテン115に形成できるようになっている。
この実施形態において、図1の巻取部8に巻き取られていたシャッターカーテン115は、火災の発生が図1のセンサ15で検出されて図1のブレーキ11が解除されることにより、自重で繰り出し下降し、この下降量が、図26で示すようにシート118の下端が床面7に達した量になったことが図1のカウンタ18で検出されると、ブレーキ11の自動復帰でシャッターカーテン115の下降は停止する。この後、一定時間経過すると図1の制御装置13のタイマーでブレーキ11は再度解除され、このためシャッターカーテン115は再び自重で下降し、この下降量が、図27に示すように落下して扁平変形したシート118を介して座板117が床面7に達する量になったとき、シャッターカーテン115の下降は停止する。この下降停止時には、巻取部8でのシャッターカーテン115の巻き残しがあってもよく、なくてもよい。
この実施形態によると、シャッターカーテン115が図26の状態になると、それ以降、シャッターカーテン115で開放、閉鎖される出入口の遮断性を確保できるとともに、図26の状態になるまでにシート118の上下寸法よりも高さが低い床面7上の物体にシャッターカーテン115が当たっても、シート118は撓み変形してシャッターカーテン115の全体重量は物体に作用しないため、物体の損傷およびシャッターカーテン115の損傷を防止でき、また、シャッターカーテン115はブレーキ11で図26に示すように吊り下げ停止状態となるため、物体の取り出しを容易に行える。
また、シャッターカーテン115は図26の状態に一旦停止した後に再び下降して図27の状態となるため、座板117は変形したシート118を介して床面7に当接することになる。このため、これ以後は出入口を座板117で確実に遮断することができる。
なお、この実施形態において、シャッターカーテン115が図27の状態になったときにシャッターカーテン115のそれ以上の下降を停止させるためには、シャッターカーテン115が図27の状態になったとき、図1で示す巻取部8とスラット連設体116とを連結する図1の吊り元部材21が巻取部8から全部繰り出された状態となるようにすることによっても実現できる。
また、シャッターカーテン115を図26の状態から一旦停止後に図27の状態にするためには、図28および図29で示した構成を採用してもよい。
図28では、巻取部8に吊り元部材21の先端をボルト、リベット等の結合具120で結合するとともに、吊り元部材21の途中を熱ヒューズ121で巻取部8に結合し、巻取部8には熱ヒューズの溶解を検出する図示しないヒューズセンサを配置しておく。図28は、図1のブレーキ11の解除でシャッターカーテン115が巻取部8から自重で繰り出し下降した後、ブレーキ11の自動復帰で図26の状態になったときを示している。図26の状態において、火災の拡大により熱ヒューズ121が溶解すると、これがヒューズセンサで検出され、このセンサからの信号でブレーキ11は再度解除され、この後、吊り元部材21が全部繰り出されるまでシャッターカーテン115は巻取部8から自重で下降し、図27の状態となる。
なお、この実施形態の場合、熱ヒューズ121を吊り元部材21とは別の箇所に配置して巻取部8への吊り元部材21の結合に使用しなくてもよく、また、熱ヒューズを使用せず、火災の拡大で防災シャッター周辺の温度が一定値以上になったことを検出する温度センサを巻取部8やその他の場所に配置し、この温度センサからの信号でブレーキ11を解除することによりシャッターカーテン115を図26の状態から図27の状態にするようにしてもよい。
図29では、巻取部8に円周方向に延びる溝122を形成し、この溝122に吊り元部材21の端部を巻取部8に結合する結合具120を摺動自在に挿入し、溝122に配置した熱ヒューズ123で結合具120の摺動を止めている。図29は、図1のブレーキ11の解除でシャッターカーテン115が巻取部8から自重で繰り出し下降した後、ブレーキ11の自動復帰で図26の状態になったときを示している。図26の状態において、火災の拡大により熱ヒューズ123が溶解すると、シャッターカーテン115の自重で結合具120は溝122の終端まで摺動し、その位置で吊り元部材21とシャッターカーテン115は停止し、図27の状態となる。
この実施形態によると、図26から図27の状態にするためには、ブレーキ11の解除によって巻取部8を回転自在とすることを必要としない。
なお、熱ヒューズは以上のように巻取部8に配置するのではなく、シャッターカーテン115の上下動を案内するガイドレールに配置し、熱ヒューズに係止されて一旦停止したシャッターカーテン115の下降が熱ヒューズの溶解で始まるようにしてもよい。
また、以上のようにシャッターカーテンの下降を一旦停止させることは、図24、図25の箱部材97Eによる可動体97を設けたシャッターカーテン95の実施形態についても実施できる。
これを具体的に説明すると、箱部材97Eが床面7に達してシャッターカーテン95が図25に示す状態になったとき、それまでのシャッターカーテン95の下降量を検出している図1のカウンタ18からの信号に基づき自動復帰するブレーキ11により、シャッターカーテン95の下降を停止させる。この後、図26、図27の実施形態と同様に、一定時間経過すると図1の制御装置13のタイマーでブレーキ11を再度解除し、これによりシャッターカーテン95は、箱部材97Eを除いたスラット連設体96だけが再び自重で下降し、スラット連設体96の下端の水平係止部106が箱部材97Eの内部底面まで落下して二点鎖線106’の状態となる。
この実施形態によると、シャッターカーテン95の一旦停止の前に、箱部材97Eがシャッターカーテン95で遮断される出入口に存在していた物体に当たったときは、箱部材97Eがスラット連設体96に対して相対的に上昇することにより、物体の損傷およびシャッターカーテン95の損傷が防止されるとともに、シャッターカーテン95が一旦停止したときは箱部材97Eが床面7に接触しているため、これ以後の出入口の遮断性を確保でき、また、一旦停止している間は、箱部材97Eの重量だけが物体に作用しているため、この箱部材97Eだけを持ち上げることによって物体を出入口から簡単に取り除くことができる。
なお、この実施形態において、一旦停止後にスラット連設体96を再度下降させることは、図28や図29で示した機械的構造によっても実現でき、また、前述したと同様に、ガイドレールに熱ヒューズを設けることによっても実現できる。
また、一旦停止させるシャッターカーテン95に設ける可動体97は、図24、図25の箱部材97Eによる可動体97だけではなく、図18、図19の不動部材97Aと回動部材97Bとからなる可動体97や、図22、図23の第1回動部材97Cと第2回動部材97Dとばね105とからなる可動体97としてもよい。
したがって、シャッターカーテン95の一旦停止後の可動体97は、この後にシャッターカーテン95の下降が始まっても、床面7にそのまま不動状態で接触しているものでもよく、床面7に接触したままで全体として屈曲等の変形するものでもよい。
図30の実施形態のシャッターカーテン125は、スラット連設体126と座板127で形成されている。ガイドレール6の内部には床面7から所定長さとなった摩擦部材128が立設され、この摩擦部材128は、例えば硬質ゴムからなる。火災の発生で図1のブレーキ11が解除され、これより巻取部8からシャッターカーテン125が自重で繰り出し下降し、座板127が図30に示すように摩擦部材128の高さに達すると、座板127の側面が摩擦部材128に接触しながらシャッターカーテン125は下降するため、摩擦部材128はシャッターカーテン125の下降速度を低下させる速度低下手段129となり、これ以後、シャッターカーテン125は速度を低下させて下降し、出入口4を遮断する。
このため、床面7に摩擦部材128の高さよりも低い物体が存在しているときは、この物体へのシャッターカーテン125の衝突は低速で行われ、物体の損傷およびシャッターカーテン125の損傷は防止される。
図31は速度低下手段129の別実施形態を示す。この実施形態では、座板127が当接すると撓み変形するばね130がガイドレール6の内部に配置されている。シャッターカーテン125はばね130を圧縮しながら下降するため、ばね130はシャッターカーテン125の下降速度を低下させる速度低下手段129となる。なお、ばね130は、座板127の下面に下向きに取り付けてもよい。
図32、図33は速度低下手段129のさらなる別実施形態を示す。ガイドレール6の内部には床面7から立設されたラック部材131が配置され、座板127には、ピニオン132が座板127に回転不能に取り付けられた軸133を中心に回転自在に設けられている。また、図33に示す通り、軸133にはゼンマイ式ばね134が巻回され、このばね134の一端は軸133に結合され、他端はピニオン132に結合されている。このため、火災の発生でシャッターカーテン125が下降し、座板127がラック部材131の高さに達すると、ラック部材131に噛合したピニオン132の回転でばね134は巻き始められる。このため、シャッターカーテン125の下降速度は低下し、ラック部材131とピニオン133とばね134とで速度低下手段129が形成されていることになる。
なお、図31の実施形態と図32、図33の実施形態では、図30の実施形態で説明したのと同じ作用効果を得られるとともに、シャッターカーテン125の下降によりばね130,134が蓄圧され、反発のばね力が次第に蓄えられるため、床面7に存在していて座板127が当たった物体を取り出すとき、シャッターカーテン125を小さな力で持ち上げることができ、したがって物体の取り出しを容易に行える。
なお、図32、図33の実施形態において、ラック部材131をシャッターカーテン125に取り付け、ピニオン132をガイドレール6に配置してもよい。
図34の実施形態のシャッターカーテン135は、スラット連設体126と座板127とからなる硬質部の下端に軟質部としての可撓性シート136を垂下状態で結合したものである。この実施形態でも摩擦部材130のよる速度低下手段129が使用され、シート136の下端が床面7に接触したとき、速度低下手段129でシャッターカーテン135の下降速度は低下し、シート136を撓み変形させてシャッターカーテン135は下降する。このため、速度が低下したシャッターカーテン135の下降は、シート136で出入口4を常に遮断した状態で行われる。
なお、シート136は、シャッターカーテン135を防災仕様とするときは不燃性、耐火性を有するものとする。また、速度低下手段129は、図31や図32、図33によるものでもよい。