JP2007218875A - 反応キット処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サンプルに反応を起こさせる反応容器及びサンプルの反応に使用される試薬を収容した試薬容器を少なくとも備えた反応プレートの表面側の上部空間が気密性のあるカバーで覆われ、反応プレート上で液の移送を行なう分注チップ20の先端側がカバーで覆われた空間の内側、基端部が外側になるように配置され、かつ反応プレートの表面に対して面内方向と垂直方向に移動可能に支持されている反応キット80を扱うために、反応キット80を装着する反応キット装着部のテーブル82と、分注チップ20の基端部と係合し分注チップ20の移動と分注動作を駆動する駆動ユニット36と、反応プレートでの反応生成物と相互作用した光又は反応性生物から発生した光を受光して反応生成物を光学的に検出する検出ユニット38と、駆動ユニット36による分注動作及び検出ユニット38による検出動作を少なくとも制御する制御部とを備えている。
【選択図】 図20
Description
そこで、本発明は反応プレートの外部からの異物の進入や、外部への環境汚染を防ぐことができる反応キットを用いて分析を行なうための反応キット処理装置を提供することを目的とするものである。
反応プレートが反応又は分析の際に温度制御が必要なものである場合もある。例えば、反応キットが遺伝子の分析を対象とする場合には、反応プレートはその表面側に遺伝子増幅反応を行なう遺伝子増幅部を備えていることがある。遺伝子増幅反応にはPCR法やLAMP法などが含まれ、遺伝子増幅部は所定の温度サイクルで温度制御される。分析にも温度制御が必要なものもある。そのような場合、この反応キット処理装置はそれらの温度制御のための温調ユニットをさらに備えている。
検出手段のさらに他の形態は、反応プレートが反応生成物の分析を電気泳動分離により行なう電気泳動部を備えたものに対するものであり、その検出手段は電気泳動部に泳動電圧を印加する電源装置と、電気泳動部で分離された反応生成物の成分を光学的に検出する光学検出装置を備えたものである。
そのようなプローブ配置領域の例は、DNAチップやハイブリダイズ領域である。
分注チップがカバーの外側から操作するシリンジを備えているものとすれば、本発明の反応キット処理装置にノズル機構を別途設ける必要がなくなる。
遺伝子増幅反応を行なう場合には外部からサンプルに他のDNAなどが侵入する問題が生じる。また、増幅された遺伝子が他のサンプルを汚染する問題も生じる。本発明では遺伝子増幅反応も閉じた空間内で行ない、分析終了後はその空間に閉じたまま廃棄処理するので、外部からの汚染を阻止することができるとともに、他のサンプルを汚染する虞もなくなる。
図1に示されるように、反応プレート2は基板3の表面側にサンプルに反応を起こさせる反応容器4及びサンプルの反応に使用される試薬を収容しフィルム14で封止された試薬容器12を備えている。
カバー24の素材も特に限定されるものではなく、反応プレート2の表面側の上部空間を気密を保って覆うことができるものであればよいが、この反応キットが使い捨て可能であることから、安価に入手可能な素材があることが好ましい。そのような素材として、カバー本体26には例えばポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂素材、ベローズフィルム28にはナイロン(登録商標)、ポリ塩化ビニール、シリコーンゴムその他のゴム素材などが好ましい。
この反応キットは使い捨て可能なものであり、1つのサンプルについて分析を行なった後は反応プレート2がカバー24で覆われた状態のままでこの反応キット全体を破棄する。
分析に先立ち、サンプルは開口31からサンプル容器32に注入され、その後サンプル容器32により開口31が閉じられることによってカバー本体26にサンプル容器32が固着されて、サンプルがこの反応キットのカバー24で覆われた空間内に導入された状態で外部と遮断される。
まず、図4に示されるように、シリンジ駆動部であるプランジャホルダ36bが下降してシリンジ22のプランジャと係合する。
続いて、図5に示されるように、チップホルダ36aも下降して分注チップ20に圧入されて分注チップ20を保持する。
続いて分注チップ20は試薬容器12へ移動させられ、フイルム14を貫通して試薬容器12から試薬を反応容器4へ分注して、反応に供される。この反応時に、必要に応じて反応容器4が外部の熱源と接触させられ、所定の温度に制御される。
図7は吸光度検出器からなる検出ユニットの例である。この場合、反応容器4は測定光の入射面と出射面となる互いに平行な一対の平面を備えていることが好ましい。
この検出ユニット38aでは光源40aからの光から反応生成物の検出に適した波長をフィルタ44a,54aにより選択し、その波長での吸光度を測定して反応生成物の検出を行なう。
この検出ユニット38bは励起光学系として光源40bと、光源40bからの光を集めていったん平行光とした後、反応容器4に集光して照射するための一対のレンズ42bと、レンズ42bで平行光とされた光線の光路に配置されて光源からの光から所定の励起光波長を選択するフィルタ44bとを備えている。また、受光光学系として光検出器48bと、反応容器4から発生する蛍光を受光し、いったん平行光とした後、集光して検出器48bに入射させる一対のレンズ52bと、レンズ52bにより平行光とされた蛍光の光路に配置され、所定の蛍光波長を選択するフィルタ54bとを備えている。ここでも、レンズ42b,52bでそれぞれの光をいったん平行光にするのは、フィルタ44b,54bにおける波長選択の精度を高めるためである。
この検出ユニット38cは、反応容器4からの発光を検出するために、光検出器48cと、反応容器4からの発光を受光して光検出器48cに導くためのレンズ52cと、集められた光から所定の発光波長を選択するフィルタ54cを備えている。
この検出ユニット38cでは反応容器4中の反応生成物からの化学発光又は生物発光による光がレンズ52cで集められ、フィルタ54cで波長が選択されて光検出器48cで検出される。
流路102,104の端にはリザーバが設けられ、分離バッファ液容器15に収容された分離バッファ液はそれらのリザーバに入れられる。
この反応キットを遺伝子の分析に使用する場合の一例を示すと、試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
電気泳動チップ100では、分注チップ20によって分離バッファ液を分離バッファ液容器15から電気泳動チップ100のリザーバを介して流路102,104に供給する。
電気泳動分離された試料成分を検出するために、処理装置には検出ユニット38dが設けられている。
ここでは、反応容器4をPCR反応容器として使用しているが、反応容器4とは別にPCR反応容器を設けてもよい。
この反応キットを遺伝子の分析に使用する場合の一例を示すと、試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
分注チップ20でプローブと結合した反応生成物を検出するために、処理装置には検出ユニット38eが設けられている。
反応プレート2cも、その表面側に、DNAチップ120においてプローブと結合した反応生成物から結合しなかった反応生成物を分離して除去するための洗浄液を収容し分注チップ20の先端で挿入可能なフィルムで封止された洗浄液容器17を備えている。試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
図12又は図14の反応キットにおいて、DNAチップ110,120をハイブリダイズ用の領域に替えても同様に遺伝子を測定することができる。
この反応キットでは分注チップ20を移動可能に支持するカバーが剛性をもった素材で構成されている。カバー24aのカバー本体60は反応プレート2の上方に開口62をもち、その開口62にはその開口62の範囲内で分注チップ20を移動可能に支持するためのカバープレート64が設けられている。カバー本体60は開口部62の周辺が隙間をもつ二重構造になっており、カバープレート64はその周辺にシール材66を備え、シール材66がカバー本体60の開口部62の周辺の二重構造の隙間に挟まれてX方向に移動することにより、カバープレート64が水平面内でX方向に移動することができる。カバープレート64には分注チップ20が他のシール材68を介して垂直方向(Z方向)に摺動可能に支持されている。
80は上記に示される反応キットを表わしている。反応キット80は反応キット装着部であるテーブル82上に装着される。テーブル82は反応キット80の下面側に開口をもち、テーブル82の下部には反応キット82の反応容器4の反応生成物を光学的に検出する検出ユニット38が配置されている。テーブル82上には反応キット82の温度制御を行なう温調(温度調節)ユニット83も配置されている。反応キットの反応容器4又は別に設けた遺伝子増幅反応容器により遺伝子増幅反応を行なうものである場合には、温調ユニット83はその遺伝子増幅反応のための温度制御を行なうものとなる。また、反応キットが温度制御を必要とする分析部を備えている場合には、温調ユニット83はその分析部の温度制御を行なうものとなる。温調ユニット83はそれらの両方の機能を備えたものであるものも含む。検出ユニット38は図7〜図9、図11、図13又は図14に示された検出手段を包括的に示したものである。テーブル82は前後方向(X方向)に移動し、一方、検出ユニット38はそれに直交する横方向(Y方向)に移動するように支持されている。検出ユニット38は検出方式によっては固定されていてもよい。
3 基板
4 反応容器
12 試薬容器
14 フィルム
20 分注ノズル
22 シリンジのプランジャ
23 フィルタ
24 カバー
26 カバー本体
28 ベローズフィルム
32,32a サンプル容器
36 駆動ユニット
38 検出ユニット
64,64a,71 カバープレート
66,68,72 シール材
80 反応キット
82 テーブル
83 温調ユニット
84 制御部
86 パーソナルコンピュータ
100,110,120 DNAチップ
106 電極
102 電気泳動分離用流路
Claims (9)
- サンプルに反応を起こさせる反応容器を少なくとも備えた反応プレートの表面側の上部空間が気密性のあるカバーで覆われ、前記反応プレート上で液の移送を行なう分注チップの先端側が前記カバーで覆われた空間の内側、基端部が外側になるように配置され、かつ前記分注チップが前記反応プレートの表面に対して面内方向と垂直方向に移動可能に支持されている反応キットを扱う処理装置であって、
前記反応キットを装着する反応キット装着部と、
前記分注チップの基端部と係合し分注チップの移動と分注動作を駆動する駆動ユニットと、
前記反応プレートでの反応生成物を検出する検出手段と、
前記駆動ユニットによる分注動作及び前記検出手段による検出動作を少なくとも制御する制御部と、を備えた反応キット処理装置。 - 前記分注チップは分注動作を行なうシリンジを備えたものであり、
前記駆動ユニットは前記シリンジを介して分注動作を行なうものである請求項1に記載の反応キット処理装置。 - 前記反応プレートは反応又は分析の際に温度制御が必要なものであり、
この反応キット処理装置はその温度制御のための温調ユニットをさらに備えている請求項1又は2に記載の反応キット処理装置。 - 前記検出手段は前記反応プレートの外部から反応生成物に測定光を照射する照射光学系と、その反応生成物により吸収を受けた前記測定光を受光して検出する受光光学系とを備えた吸光度検出器からなるものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。
- 前記検出手段は前記反応プレートの外部から反応生成物に励起光を照射する励起光学系と、その励起光により励起された反応生成物から発生した蛍光を受光して検出する受光光学系とを備えた蛍光検出器からなるものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。
- 前記検出手段は前記反応プレートの外部に配置され、反応生成物からの発光を受光して検出する受光光学系を備えた発光検出器からなるものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。
- 前記反応プレートは反応生成物の分析を電気泳動分離により行なう電気泳動部を備えたものであり、
前記検出手段は前記電気泳動部に泳動電圧を印加する電源装置と、前記電気泳動部で分離された反応生成物の成分を光学的に検出する光学検出装置を備えたものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。 - 前記反応プレートは反応生成物の分析を遺伝子と反応するプローブが配置されている領域を備えたものであり、
前記検出手段は前記プローブが配置領域のプローブと結合した反応生成物の成分を光学的に検出する光学検出装置を備えたものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。 - 前記反応プレートは反応生成物の分析を遺伝子と反応するプローブが配置されている領域を備えたものであり、
前記検出手段は前記プローブが配置領域のプローブと結合した反応生成物の成分を電気的に検出する検出装置を備えたものである請求項1から3のいずれかに記載の反応キット処理装置。
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