JP2007218860A - 歪み測定装置及び歪み測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】励起レーザ光が波長ドリフトしても、励起レーザ光の波長に対するラマン散乱光の波長シフトの測定が高精度に行えるようにするため、励起レーザ光及びラマン散乱光の波長を同時に補正できるようにする。
【解決手段】試料Sからのラマン散乱光及び励起レーザ光1に起因するレーリー散乱光と基準光13とを多波長同時検出手段8に導入し、各散乱光1aのスペクトル及び基準光13のスペクトルを測定する。各スペクトルをガウス関数などを用いてフィッティングしてピーク波長位置を求め、基準光13の既知波長に基づいて補正値を求める。補正値を用いて各スベクトルのピーク位置を補正し、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換して差分を求め、ラマンシフトを求める。
【選択図】図1
【解決手段】試料Sからのラマン散乱光及び励起レーザ光1に起因するレーリー散乱光と基準光13とを多波長同時検出手段8に導入し、各散乱光1aのスペクトル及び基準光13のスペクトルを測定する。各スペクトルをガウス関数などを用いてフィッティングしてピーク波長位置を求め、基準光13の既知波長に基づいて補正値を求める。補正値を用いて各スベクトルのピーク位置を補正し、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換して差分を求め、ラマンシフトを求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料に励起レーザ光を照射したときに生ずるラマン散乱光の波長変動に基づいて試料の歪みを測定する歪み測定装置及び歪み測定方法に関する。
従来、試料に励起レーザ光を照射したときに生ずるラマン散乱光の波長(波数)シフト(波長(波数)変動)を分光器を用いて検出し、この検出結果に基づいて、試料の歪みを測定するラマン分光法を応用した歪み測定方法が提案されている。
このような歪み測定方法として、特許文献1には、図7に示すように、可視光と紫外光を励起光として共通光軸で発生できる励起光源101a,101bを用いて、試料102に励起光を投射し、この試料102からのラマン散乱光を分光器103により分光する歪み測定方法が記載されている。そして、この歪み測定方法においては、演算手段104により、分光器103からの出力に基づいて、試料102の歪みを演算する。
また、このような歪み測定方法において、0.01nm以下の高精度波長(波数)シフト測定を行う場合には、分光器のドリフトを補正するため、発光波長が既知であるネオン(Ne)や水銀(Hg)などの発光線(スペクトル線)、あるいは励起レーザ光源からの波長既知のプラズマ発光線を基準光として分光器により同時に測定している。そして、基準光の測定波長と既知の発光波長と差に基づいて、分光器のドリフトを補正するようにしている。
上述のように、ラマン分光法を応用した歪み測定方法においては、励起レーザ光の波長に対するラマン散乱光の波長(波数)シフトの測定が重要であるため、ラマン散乱光と同時に、発光波長が既知の基準光を測定して補正する技術が用いられている。
しかしながら、このような補正は、分光器のドリフトの補正にのみ有効であり、励起レーザ光の波長がドリフトする場合には、励起レーザ光の波長とラマン散乱光の波長とを同時に補正することが必要となる。
また、ラマン分光法では、励起波長に対するラマン散乱光の波数単位でのシフトが測定上の意味を有するが、分光器において回折格子などの波長差に基く分散素子を用いて分光を行う場合には、直接的に測定されるのは、波長に対する散乱光強度分布である。ここで、透過波長帯域が十分に狭くなされた出射スリット及び光量子増倍管などを用いて、順次的に波長を掃引して測定するようにした分光器においては、波長掃引をコセカントバーにすることにより、波数に対する散乱光強度分布を得ることができる。
しかし、高感度、かつ、高速測定に適したCCD素子などを用いた多波長同時分光法では、CCD素子の各画素は波長に対する散乱光強度分布を検出するため、測定されるスペクトルは、波長に対してリニアなデータとなっている。このように波長リニアなスペクトルデータを波数リニアに変換すると、波長領域ではガウス分布、あるいは、ローレンツ分布などのように対称な形状のスペクトル分布が、非対称な分布となってしまい、分光器のドリフト及び励起レーザ光の波長ドリフトの補正を行ううえで不都合である。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、励起レーザ光の波長がドリフトする場合においても、励起レーザ光の波長とラマン散乱光の波長とを同時に補正することが可能で、励起レーザ光の波長に対するラマン散乱光の波長(波数)シフトの測定を高精度に行うことができ、また、ラマン散乱光のスペクトルデータを波数リニアに変換して扱っても不都合が生じないようになされた歪み測定装置及び歪み測定方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る歪み測定装置は、励起用レーザ光源と、励起レーザ光源からの励起レーザ光を試料に対して照射するとともにこの試料からのラマン散乱光と励起レーザ光に起因するレーリー散乱光とを導く光学系と、試料からのラマン散乱光のスペクトル領域に発光波長を有しこの波長の基準光を発して光学系に入射させる基準光源と、光学系を介して試料からの各散乱光及び基準光が入射されこれら各散乱光及び基準光を分光しラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び基準光のスペクトルを測定する多波長同時検出手段と、多波長同時検出手段による検出結果に基づく演算を行う演算手段とを備え、演算手段は、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルを、各スペクトル形状に最も一致するガウス関数、ローレンツ関数、または、フォークト関数を用いてフィッティングして、ピーク波長位置、または、半値幅を求めるとともに、このフィッティングによって求められた基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長とこの基準光の既知波長との差分を補正値として求め、この補正値を用いてラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正し、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換し、波数単位に変換したラマンスペクトルのピーク波長位置と波数単位に変換したレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置との差分を求めることにより、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量を求めることを特徴とするものである。
また、上述の課題を解決するため、本発明に係る歪み測定方法は、励起レーザ光を試料に対して照射し、試料からのラマン散乱光と励起レーザ光に起因するレーリー散乱光とを多波長同時検出手段に導入するとともに試料からのラマン散乱光のスペクトル領域の波長を有する基準光を多波長同時検出手段に導入し、多波長同時検出手段により各散乱光及び基準光を分光しラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び基準光のスペクトルを測定し、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルを各スペクトル形状に最も一致するガウス関数、ローレンツ関数、または、フォークト関数を用いてフィッティングして、ピーク波長位置、または、半値幅を求め、フィッティングによって求められた基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長とこの基準光の既知波長との差分を補正値として求め、補正値を用いてラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正し、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換し、波数単位に変換したラマンスペクトルのピーク波長位置と波数単位に変換したレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置との差分を求めることにより、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量を求めることを特徴とするものである。
本発明に係る歪み測定装置及び歪み測定方法においては、基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長とこの基準光の既知波長との差分を補正値として用いて、レーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置に対するラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量(ラマンシフト)を求めることにより、励起レーザ光源の発振波長が変動した場合でも、補正値による補正を行わない場合に比較して、1桁程度高い精度のラマンシフト測定を行うことができる。
また、この歪み測定装置及び歪み測定方法においては、補正値を用いてラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正した後に、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換するので、分光器のドリフト及び励起レーザ光の波長ドリフトの補正を行ううえでの不都合を生じない。
すなわち、本発明は、励起レーザ光の波長がドリフトする場合においても、励起レーザ光の波長とラマン散乱光の波長とを同時に補正することが可能で、励起レーザ光の波長に対するラマン散乱光の波長(波数)シフトの測定を高精度に行うことができ、また、ラマン散乱光のスペクトルデータを波数リニアに変換して扱っても不都合が生じないようになされた歪み測定装置及び歪み測定方法を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る歪み測定装置の構成を示す側面図である。
本発明に係る歪み測定装置は、図1に示すように、試料Sに対し、励起用レーザ光源より導入された励起レーザ光1を照射し、この照射により試料Sから生ずるラマン散乱光及びレーリー散乱光を多波長同時検出手段により検出する装置である。この歪み測定装置においては、試料Sとして、例えば、シリコン(Si)基材等を対象とし、このシリコン基材における歪みを測定することができる。すなわち、多波長同時検出手段によって試料Sから生ずるラマン散乱光の波長シフト、すなわち、ラマンシフト(ラマン散乱スペクトルのピーク波長位置のレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置に対する差分)を検出することにより、検出された波長シフト量に基づいて、試料Sの歪みを測定することができる。また、本発明に係る歪み測定方法は、本発明に係る歪み測定装置が動作することによって実行される。
励起用レーザ光源としては、連続発振またはパルス発振するレーザ光源が使用される。この励起用レーザ光源から発せられた励起レーザ光1は、光学系2を介して、試料Sに対して照射される。この光学系2において、励起レーザ光1は、偏光子(ポラライザ)3であるビームスプリッタ及びミラー4を経て、エッジフィルタ5に入射される。このエッジフィルタ5は、所定の波長光を透過または反射し、他の波長光を反射または透過する光学フィルタである。エッジフィルタ5において反射された励起レーザ光1は、ミラー6及び集光レンズ7を介して、試料Sに照射される。なお、試料Sは、図示しない3次元ステージ(X−Y−Zステージ)により支持されており、任意の3次元方向に移動操作可能となされている。
そして、試料Sからのラマン散乱光及び励起レーザ光に起因するレーリー散乱光は、光学系2によって、多波長同時検出手段8に導かれる。すなわち、試料S上に集光された励起レーザ光1は、この試料Sにより各散乱光1aを含んで反射され、集光レンズ7、ミラー6を経て、エッジフィルタ5に戻る。このエッジフィルタ5において、試料S上の被測定箇所からの励起レーザ光1の反射光と各散乱光1aとは、このエッジフィルタ5の反射光と透過光とに分離される。すなわち、エッジフィルタ5は、励起レーザ光1を反射させ、他の波長の各散乱光1aを透過されることにより波長弁別を行う。エッジフィルタ5を透過した各散乱光1aは、検光子9であるビームスプリッタを透過し、リレーレンズ10を経て部分透過ミラー11により反射され、ピンホール12を介して、多波長同時検出手段8に導かれる。
また、この歪み測定装置は、試料Sからのラマン散乱光のスペクトル領域に既知の発光波長を有する基準光源を備えている。この基準光源は、既知の波長の基準光13を発する。この基準光源としては、水銀(Hg)ランプ、超高圧水銀ランプ、ナトリウムランプ等の放電ランプを使用することができる。また、励起レーザが該当する波長領域に波長既知のプラズマ発光線を有する場合は、これを基準光として使用することができる。基準光源から発せられた基準光13は、光学系2に入射され、ND(Neutral Density)フィルタ14を透過して、部分透過ミラー11を透過し、ピンホール12を介して、多波長同時検出手段8に導かれる。
多波長同時検出手段8は、光学系2を介して試料Sからの各散乱光1a及び基準光13が入射される。この多波長同時検出手段8は、これら各散乱光1a及び基準光13を分光し、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び基準光13のスペクトルを測定する。すなわち、この多波長同時検出手段8においては、各散乱光1a及び基準光13は、ミラー15及び凹面鏡16を経て、反射型回折格子17に入射される。この反射型回折格子17は、入射光を分光(波長分散)する光学素子である。反射型回折格子17を経た各散乱光1a及び基準光13は、凹面鏡18を経て、光電子増倍管(PMT)19、または、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Devices)20により検出される。これら光電子増倍管19及び電荷結合素子20は、光路変換ミラー21の位置を切り替えることにより、いずれかが選択される。光電子増倍管19は、主として波長幅の広い蛍光スペクトルの検出に使用する。また、電荷結合素子20は、主として多数の微細構造を示すラマン散乱光等の検出に使用する。
図2は、上記歪み測定装置を構成する多波長同時検出手段において検出されるスペクトルを示すグラフである。
この多波長同時検出手段8においては、電荷結合素子20を使用することにより、図2に示すように、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び基準光13のスペクトルを同時に検出することができる。
そして、この歪み測定装置は、この装置内の各部分の動作を制御し、また、測定されたデータを信号処理するための演算手段となる図示しない制御回路部を備えている。この制御回路部には、電荷結合素子20による検出結果が送られる。この制御回路部においては、多波長同時検出手段8による検出結果に基づいて、以下に述べる所定の演算を行う。
(1)すなわち、制御回路部は、まず、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルを、各スペクトル形状に最も一致する関数(ガウス関数、ローレンツ関数、または、フォークト関数等)を用いてフィッティングし、各スペクトルのピーク波長位置、または、半値幅を求める。
(2)次に、制御回路部は、(1)のフィッティングによって求められた基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長と、この基準光の既知波長との差分を補正値として求める。
(3)そして、制御回路部は、(2)で求めた補正値を用いて、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正する。
(4)次に、制御回路部は、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波長単位から波数単位に変換する。
(5)さらに、制御回路部は、波数単位に変換したラマンスペクトルのピーク波長位置と、波数単位に変換したレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置との差分を求めることによって、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量(ラマンシフト)を求める。
この歪み測定装置においては、試料Sとして、例えば、シリコン(Si)基材等を対象とし、上述のようにして、多波長同時検出手段8によって試料Sから生ずるラマン散乱光の波長シフトを検出し、検出された波長シフト量に基づいて、試料Sの歪みを測定することができる。
この歪み測定装置においては、多波長同時分光手段8において、高感度、かつ、高速測定に適した電荷結合素子(CCD)20などを用いて波長に対する散乱光強度分布を検出するが、波長領域において、ガウス分布、あるいは、ローレンツ分布などのように対称な形状のスペクトル分布を用いて補正したうえで、スペクトルデータを波数リニアに変換するので、分光器のドリフト及び励起レーザ光の波長ドリフトの補正を行ううえで不都合が生じない。
〔測定例1〕
図3は、本発明に係る歪み測定装置において、試料Sの測定深さ(μm)に対し、測定されたラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルの波長差(nm)(測定例1)を示すグラフである。
図3は、本発明に係る歪み測定装置において、試料Sの測定深さ(μm)に対し、測定されたラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルの波長差(nm)(測定例1)を示すグラフである。
上述の歪み測定装置を用いて、図3に示すように、試料Sの測定深さ(μm)を順次変えてゆき、各測定深さについて、上述したように、各散乱光のスペクトル及ぴ基準光のスペクトルを求め、フィッティングを行い、各スペクトルのピーク波長位置等を求めたうえ、基準光の既知波長との差分である補正値により、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正した。この演算により、各測定深さについて、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置の波長差が求められる。
図4は、本発明に係る歪み測定装置において、制御回路部による補正及び演算処理を経て得られた試料Sの測定深さ(μm)に対するラマンシフト(測定例1)を示すグラフである。
そして、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波長単位から波数単位に変換し、各スペクトルのピーク波長位置の差分を求めることによって、図4に示すように、各測定深さについて、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量(ラマンシフト)を求めた。
〔測定例2〕
図5は、本発明に係る歪み測定装置において、試料Sの測定深さ(μm)に対し、測定されたラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルの波長差(nm)(測定例2)を示すグラフである。
図5は、本発明に係る歪み測定装置において、試料Sの測定深さ(μm)に対し、測定されたラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及ぴ基準光のスペクトルの波長差(nm)(測定例2)を示すグラフである。
上述の歪み測定装置を用いて、測定例1と同様に、図5に示すように、試料Sの測定深さ(μm)を順次変えてゆき、各測定深さについて、各散乱光のスペクトル及ぴ基準光のスペクトルを求め、フィッティングを行い、各スペクトルのピーク波長位置等を求めたうえ、基準光の既知波長との差分である補正値により、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正した。この演算により、各測定深さについて、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置の波長差が求められる。
図6は、本発明に係る歪み測定装置において、制御回路部による補正及び演算処理を経て得られた試料Sの測定深さ(μm)に対するラマンシフト(測定例2)を示すグラフである。
そして、測定例1と同様に、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波長単位から波数単位に変換し、各スペクトルのピーク波長位置の差分を求めることによって、図6に示すように、各測定深さについて、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量(ラマンシフト)を求めた。
測定例1と測定例2とを比較すると、基準光に対するラマンスペクトルの波長差及び基準光に対するレーリー散乱スペクトルの波長差は異なっているが、各測定深さに対するラマンシフトは同様の結果となっている。すなわち、本発明に係る歪み測定装置においては、励起レーザ光の波長が変動しても、高精度のラマンシフト測定を行うことができることが確認された。この歪み測定装置におけるラマンシフト測定の精度は、制御回路部による上述の補正処理を行わない従来の歪み測定装置に対して、1桁以上(10倍以上)高い精度となっている。
1 励起レーザ光
1a 各散乱光
8 多波長同時検出手段
S 試料
1a 各散乱光
8 多波長同時検出手段
S 試料
Claims (2)
- 励起用レーザ光源と、
上記励起レーザ光源からの励起レーザ光を試料に対して照射するとともに、この試料からのラマン散乱光と、上記励起レーザ光に起因するレーリー散乱光とを導く光学系と、
上記試料からのラマン散乱光のスペクトル領域に発光波長を有し、この波長の基準光を発して、上記光学系に入射させる基準光源と、
上記光学系を介して、上記試料からの上記各散乱光及び上記基準光が入射され、これら各散乱光及び基準光を分光し、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び上記基準光のスペクトルを測定する多波長同時検出手段と、
上記多波長同時検出手段による検出結果に基づく演算を行う演算手段と
を備え、
上記演算手段は、上記ラマンスペクトル、上記レーリー散乱スペクトル及ぴ上記基準光のスペクトルを、各スペクトル形状に最も一致するガウス関数、ローレンツ関数、または、フォークト関数を用いてフィッティングして、ピーク波長位置、または、半値幅を求めるとともに、このフィッティングによって求められた基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長と、この基準光の既知波長との差分を補正値として求め、この補正値を用いて、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正し、上記ラマンスペクトル及び上記レーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換し、波数単位に変換したラマンスペクトルのピーク波長位置と、波数単位に変換したレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置との差分を求めることにより、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量を求める
ことを特徴とする歪み測定装置。 - 励起レーザ光を試料に対して照射し、
上記試料からのラマン散乱光と上記励起レーザ光に起因するレーリー散乱光とを多波長同時検出手段に導入するとともに、上記試料からのラマン散乱光のスペクトル領域の波長を有する基準光を上記多波長同時検出手段に導入し、
上記多波長同時検出手段により、上記各散乱光及び上記基準光を分光し、ラマンスペクトル、レーリー散乱スペクトル及び上記基準光のスペクトルを測定し、
上記ラマンスペクトル、上記レーリー散乱スペクトル及ぴ上記基準光のスペクトルを、各スペクトル形状に最も一致するガウス関数、ローレンツ関数、または、フォークト関数を用いてフィッティングして、ピーク波長位置、または、半値幅を求め、
上記フィッティングによって求められた基準光のスペクトルの多波長同時検出手段における波長と、この基準光の既知波長との差分を補正値として求め、
上記補正値を用いて、ラマンスペクトル及びレーリー散乱スベクトルのピーク位置を補正し、
上記ラマンスペクトル及び上記レーリー散乱スペク卜ルのピーク波長位置を波数単位に変換し、
波数単位に変換したラマンスペクトルのピーク波長位置と、波数単位に変換したレーリー散乱スペクトルのピーク波長位置との差分を求めることにより、ラマンスペクトルのピーク波長位置の変動量を求める
ことを特徴とする歪み測定方法。
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