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JP2007211221A - インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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JP2007211221A JP2006035823A JP2006035823A JP2007211221A JP 2007211221 A JP2007211221 A JP 2007211221A JP 2006035823 A JP2006035823 A JP 2006035823A JP 2006035823 A JP2006035823 A JP 2006035823A JP 2007211221 A JP2007211221 A JP 2007211221A
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淳一郎 杉本
Masaya Fujioka
昌也 藤岡
Kazuma Goto
数摩 後藤
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Abstract

【課題】インクジェット記録装置のニッケル又は42合金から構成されているインクジェットヘッドと接触しても腐食を生じず、着色剤が顔料であってもインクに良好な分散性を付与し、良好な噴射安定性を示し、更に、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現することと、ライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることとを両立できるインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】少なくとも水、着色剤、水溶性有機溶剤及び界面活性剤を含有し、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから噴射するためのインクジェット記録用水性インクに、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーを0.01〜1.0重量%で配合し、且つインクジェット記録用水性インクのpHを6〜9とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式において、インクジェットヘッドのノズルから水性インク小滴を噴射する駆動力として、ヘッドに組み込んだ圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方法がある。このような圧電素子は、強誘電体材料、一般的にはチタン酸バリウムから形成されている。このため、インクジェットヘッドの構成材料としては、チタン酸バリウムとの熱線膨張係数を考慮し、ニッケル又は42合金が広く用いられている。
ところで、インクジェット記録の際に、インクジェット記録用水性インクとして、そのpHを酸性側に調整したものを使用した場合、特に長期にわたり使用した場合には、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドを構成する種々の金属部材、特にニッケル又は42合金に酸性腐食が生じ易いという問題があった。また、そのような酸性のインクジェット記録用インクの着色剤が顔料である場合には、顔料の分散が不安定となり、顔料の凝集が生じ、インクジェットヘッドノズルからのインクの噴射安定性の低下や、ノズルの目詰まりが発生することが懸念される。
一方、pHをアルカリ側に調整したインクジェット記録用水性インクを使用した場合には、インクジェット記録装置に用いられている種々の金属部材が腐食する可能性は低くなり、顔料分散性も比較的安定する。しかし、インクジェットヘッドのノズル面を払拭するためのワイパーやインクジェットヘッドのノズル面と外界とを遮断するためのキャップを構成するゴム部材やその他の有機材料部材が、アルカリ性のインクジェット記録用水性インク中に溶出し、ゴム部材やその他の有機材料部材それ自体の変形、インクジェット記録用水性インク中に析出物を生じさせる等の問題がある。
このため、従来より、インクジェット記録用水性インクにpH緩衝剤を配合することにより、その液性を弱アルカリ性から中性付近に調整している(特許文献1)。
特開平5−125306号公報
しかしながら、インクジェット記録用水性インクの液性をpH調整剤等で弱アルカリ性に調整しても、インクを長期にわたり使用した場合には、インクジェット記録用水性インクのpHが経時的に低下していくため、依然として、インクジェット記録装置に使われている種々の金属部材、特にインクジェットヘッドを構成しているニッケル又は42合金の酸性腐食の問題が生じていた。
更に、インクジェット記録用水性インク全般に該当する問題として、インクジェット記録装置でインクジェット記録用水性インクを使用して印字を行う際に、フェザリング、ブリーディング及び紙面乾燥性等の印字品質に関する問題がある。また、別の問題として、インクジェット記録用水性インクの記録紙への浸透性が大きい場合、ライン幅が太くなるためベタ部分の印字においてバンディングが生じず、紙面乾燥性も向上するが、シャープなエッジが確保できないといったトレードオフの問題がある。逆に、インクジェット記録用水性インクの記録紙への浸透性が小さい場合、シャープなエッジが得られるが、ライン幅が細くなるためベタ部分の印字においてバンディングが生じ、紙面乾燥性も劣るといったトレードオフの問題がある。このように、インクジェット記録用水性インクの設計において、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現することと、ライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることとを両立させることは、未だ達成されていないのが現状である。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、インクジェット記録装置のニッケル又は42合金から構成されているインクジェットヘッドと接触しても腐食を生じず、着色剤が顔料であってもインクに良好な分散性を付与し、良好な噴射安定性を示し、更に、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現することと、ライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることとを両立できるインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも水と着色剤とを含有し、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから噴射するためのインクジェット記録用水性インクに、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する重合体を防錆剤(防錆用ポリマー)として特定範囲量で添加することにより、ニッケル又は42合金の酸性腐食を抑制することができ、インクのpHを6〜9に調整することにより、その酸性腐食を抑制できるだけでなく、着色剤として顔料を使用した場合でも顔料の分散性を損なうことがなく、更にゴム材料等を溶解することがなく、また、水溶性有機溶剤及び界面活性剤を配合することにより、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現でき、且つライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。ここで、本発明において、42合金とは42%ニッケルを含有するニッケル−鉄合金のことをいう。
即ち、本発明は、少なくとも水、着色剤、水溶性有機溶剤及び界面活性剤を含有し、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから噴射するためのインクジェット記録用水性インクにおいて、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーを0.01〜1.0重量%で含有し、且つpHが6〜9であることを特徴とするインクジェット記録用水性インクを提供する。
また、本発明は、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから上述のインクジェット記録用水性インクを、被記録媒体に対し噴射し付着させることによりインクジェット画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
更に、本発明は、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドと該インクジェットヘッドに連通しているインクカートリッジとを有するインクジェット記録装置において、該インクカートリッジに上述のインクジェット記録用水性インクが充填されていることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
水と着色剤とを含有する本発明のインクジェット記録用水性インクは、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーを0.01〜1.0重量%で含有し、且つpHが6〜9に調整されているので、インクジェットヘッドを構成しているニッケル又は42合金の酸性腐食の発生を抑制することができる。また、着色剤として顔料を使用した場合であっても、顔料の分散性を低下させないようにできる。従って、インクジェットヘッドのノズルからのインクの良好な噴射安定性を維持することができ、また、ノズルの目詰まりも防止することができる。更に、水溶性有機溶媒と界面活性剤とを含有しているので、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現することと、ライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることとを両立させることができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、少なくとも水、着色剤、水溶性有機溶剤及び界面活性剤とを含有し、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから噴射するためのものであり、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーを0.01〜1.0重量%で含有し、且つpHが6〜9に調整されている。
このような防錆用ポリマーを添加することによりニッケル又は42合金の腐食を抑制できる理由は、明確ではないが、この防錆用ポリマーがニッケル又は42合金の表面を被覆するためであると考えられる。また、防錆用ポリマーの配合量を、インクジェット記録用水性インク全量に対して、0.01〜1.0重量%とした理由は、0.01重量%未満の場合にはニッケル又は42合金の表面上を被膜するには不充分であり、着色及び腐食を招く可能性が懸念され、1.0重量%を超える場合にはインクジェット記録用水性インク中の水分が蒸発した状態でインクの増粘が生じ、インクジェットヘッドのノズル面にキャップを装着せずに印字操作を長期に中断した後の印字の際に吐出不良を生じ、噴射安定性が損なわれるからである。さらに好ましい防錆用ポリマーの配合量は、インクジェット記録用水性インク全量に対して、0.01〜0.5重量%である。
また、インクジェット記録用水性インクのpHを6〜9とする理由は、pHが6未満であると、着色剤として顔料を使用した場合にその分散安定性が低下し、顔料の凝集が生ずるからであり、更に、ゴム部材がインク中に溶出し、ノズルの目詰まり等を生じることも懸念される。また、pHが9を超える場合には、ゴム部材やその他の有機部材自体がインク中に溶出し、ノズルの目詰まり等を生じることが懸念される。
カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆ポリマー及びスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーとは、カルボキシル基とスルホ基の少なくとも一方を分子内に有するポリマーであって、それらの少なくとも一部、好ましくはすべてがアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩となっているポリマーのことである。このようなポリマーは、カルボキシル基もしくはスルホ基又はそれらの前駆体基(アルコキシカルボニル基、アルコキシスルホニル基等)を有する重合性モノマー{(例えば、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、p−カルボキシスチレン等)、不飽和カルボン酸アルキルエステル(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、p−メトキシカルボニルスチレン等)、不飽和スルホン酸(p−スルホスチレン等)、不飽和スルホン酸アルキルエステル(p−メトキシスルホニルスチレン等)}のホモポリマーもしくはコポリマー、又は他の重合性モノマーとのコポリマーである。
アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンを挙げることができる。また、アンモニウム塩を構成するアンモニウムイオンとしては、−NH の他、モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルもしくはテトラアルキルアンモニウムイオンを挙げることができる。
なお、好ましい防錆用ポリマーと着色剤との重量比(防錆剤:着色剤)は、低すぎると防錆効果が期待できず、高すぎると着色剤の分散性が不安定となるので、一般に0.002:1〜0.5:1、好ましくは0.005〜0.4:1である。
本発明のインクジェット記録用水性インクには、防錆用ポリマーに加えて、インクジェット記録用水性インクに一般的に用いられているベンゾトリアゾール系防錆剤を併用することができる。このような併用により、ニッケル又は42合金の腐食をいっそう抑制することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクを構成する水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが好ましい。水の配合量は、インクジェット記録用水性インクを構成する他の成分組成、所望のインク特性に応じて広い範囲で決定されるが、インクジェット記録用水性インク全量に対して、一般に10〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクを構成する着色剤としては、特に限定されず、染料又は顔料のいずれであってもよいが、耐光性の点からは顔料を使用することが好ましい。
本発明で使用し得る顔料としては特に限定されず、無機顔料又は有機顔料のいずれであってもよい。上記顔料のうち白黒での記録に好適なものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック及びチャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン等の金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料;等を挙げることができる。
顔料のうちカラー記録に好適なものとしては、例えば、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、ピクトリアピュアブルー、アルカリブルートナー、ファーストイエロー10G、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローHR、ジスアゾイエローAAOA、黄色酸化鉄、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアントファーストカーレット、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、ベンガラ、ファフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファーストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナホワイト、アルミニウム、ブロンズ、昼光蛍光顔料、パール顔料、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローG、ジスアゾイエローAAA、アルカリブルーGトナー等及び顔料の表面を特定の官能基で処理した表面改質顔料等を挙げることができる。
着色剤として顔料を使用した場合、顔料の配合量は、所望される印字濃度や色彩により異なるが、インクジェット記録用水性インク全量に対して、一般的には0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%である。
また、本発明で使用し得る染料の例としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を挙げることができる。なかでも、鮮明性、水溶性、安定性及び耐光性等の性能を満たす特に好適なものとしては、具体的には、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154及び168;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106及び199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83及び227;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132及び142;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46及び60;C.I.ダイレクトバイオレット47及び48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112及び118;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229及び234;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、289、315及び317;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61及び71;C.I.アシッドオレンジ7及び19;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.ベーシックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28及び29;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14及び37;C.I.ベーシックバイオレット7、14及び27;C.I.フードブラック1及び2等を挙げることができる。
着色剤として染料を使用した場合、染料の配合量は、一般にはインクジェット記録用水性インク全量に対して0.1〜20重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクを構成する水溶性有機溶媒は、主として記録紙面上での乾燥速度を速くする浸透剤と、インクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥防止効果を有する湿潤剤とを含む。
本発明において浸透剤を使用する場合、その具体例としては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル等のエチレン系グリコールエーテル;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレン系グリコールエーテルを挙げることができる。中でも、少量の配合量で浸透性を制御できる点でプロピレン系グリコールエーテルを好ましく使用することができる。
浸透剤の配合量は、少なすぎると充分な浸透効果が得られず、多すぎるとインクの紙への浸透性が高くなりすぎ、滲みの発生が懸念されるので、インクジェット記録用水性インク全量に対して、一般的には0.2〜5重量%、好ましくは0.4〜3重量%である。特に、プロピレン系グリコールエーテルの場合には、0.4〜2.5重量%が好ましい。
一方、湿潤剤としては特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール;グリセリン;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。中でも、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好適である。
湿潤剤の配合量は、本発明のインクジェット記録用水性インク全量に対して、一般には0〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクを構成する界面活性剤としては、インクジェット記録用水性インクに従来より用いられている界面活性剤を使用することができるが、中でも、一般式(1)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤及び一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤の少なくともいずれか一方を使用することが好ましい。
Figure 2007211221
上記式中、m及びnはm+n=0〜50、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10を満たす数であり、R、R、R及びRはそれぞれ独立的に炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びブチル基等を表す。
Figure 2007211221
上記式中、Rは炭素数12〜15の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、例えば、ドデシル基(炭素数12)及びトリデシル基(炭素数13)等であり、MはNa又はNH(CHCHOH)であり、lは2〜4の数である。
本発明において、界面活性剤の合計配合量は、少なすぎると充分な浸透性が得られないために、ライン幅が細くなりベタ部分の印字においてバンディングが生じ、また、紙面乾燥性も劣るため好ましくなく、多すぎると浸透性が高すぎるために、ライン幅が太くなりシャープなエッジが確保できないため好ましくないので、インクジェット記録用水性インク全量に対して、好ましくは0.002〜0.5重量%、より好ましくは0.002〜0.3重量%である。
本発明において、界面活性剤として一般式(1)のアセチレングリコール系界面活性剤及び一般式(2)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤の少なくとも一方を使用する場合、インクジェット記録用水性インク全量に対するそれぞれの配合量に関し、前者については、少なすぎると充分な浸透性が得られないために、ライン幅が細くなりベタ部分の印字においてバンディングが生じ、また、紙面乾燥性も劣るため好ましくなく、多すぎると浸透性が高すぎるために、ライン幅が太くなりシャープなエッジが確保できないため好ましくないので、好ましくは0.01〜0.30重量%、より好ましくは0.05〜0.20重量%であり、後者については、少なすぎると充分なインク導入回復性を得られなくなり、多すぎるとブリードが悪化するので、好ましくは0.002〜0.20重量%、より好ましくは0.005〜0.15重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、インクのpHを6〜9に調整するのに適したpH調整剤(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン及びモノエタノールアミン等)を含有してもよい。中でも、取り扱いの点からトリエタノールアミンを好ましく使用することができる。
また、本発明のインクジェット記録用水性インクのインク粘度は、低すぎるとインクジェットヘッドのノズル先端部にできるインクのメニスカスの振動が収まりにくくなりインクの噴射安定性が低下し、高すぎるとメニスカスが振動しにくいため小さなインク液滴をインクジェットヘッドのノズルから吐出しにくくなるので、好ましくは2.5〜2.7 mPa・sに調整する。なお、粘度の測定は、温度25℃、回転数60rpmの条件下で、回転粘度計(例えば、BROOKFIELD社製;型式:DV−II+)により行うことができる。粘度の調整は、使用するインク成分組成を調整することや、粘度調整剤(例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等)を配合すること等により行うことができる。
上述の浸透剤(例えば、プロピレングリコールエーテル系浸透剤)と上述のアセチレングリコール系界面活性剤及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤との配合量をコントロールすることで、充分なライン幅を確保しバンディングを生じず、紙面乾燥性に優れ、且つシャープなエッジを確保した印字品質を得ることができる。また、インク中にポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤を添加することによって、インクの噴射安定性を向上させることが可能である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、必要に応じて、表面張力調整剤、防黴剤等の従来公知の添加剤を含有していてもよい。
また、以上説明した本発明のインクジェット記録用水性インクは、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから、被記録媒体(例えば、紙)に対し、高電圧印加による静電吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱して発泡させ、生じた圧力を利用する方式等により噴射させ付着させることによりインクジェット画像を形成することができる。このインクジェット記録方法も本発明の一部となる。
また、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドに連通しているインクカートリッジを有するインクジェット記録装置の当該インクカートリッジに、以上説明した本発明のインクジェット記録用水性インクを充填することにより、印字が可能なインクジェット記録装置を構成することができ、このインクジェット記録装置も本発明の一部となる。ここで、インクジェットヘッド並びにインクカートリッジ、更に、インクジェット記録装置を構成する搬送系、制御系などの他の構成は、従来のインクジェット記録装置と同様の構成とすることができる。
本発明を以下の実施例を参照しながら説明する。
実施例1〜8、比較例1〜5
表1に示すインク組成成分を、充分に混合攪拌した後、0.8μmのメンブランフィルタで濾過することによってインクジェット記録用水性インクを調製した。得られたインクジェット記録用水性インクについて、(a)ニッケル及び42合金の浸漬評価、(b)ゴム析出評価、(c)噴射安定性評価、(d)耐久噴射安定性評価、(e)ライン幅評価、(f)ラギットネス評価、(g)紙面乾燥性評価及び(h)総合評価の評価試験を行い、得られた結果を表1に示す。
なお、(c)噴射安定性評価、(d)耐久噴射安定性評価、(e)ライン幅評価、(f)ラギットネス評価及び(g)紙面乾燥性評価の評価試験での印字には、インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;DCP−110C)にインクジェット記録用水性インクを充填したインクカートリッジを装着して使用した。また、印字に使用した記録紙は、坪量65〜100g/cm2、紙厚80〜110μm、白色度80%以上、不透明度75%以上のものを使用すればよく、実際にはM−real社製のData Copyを使用した。
(a)ニッケル及び42合金の浸漬評価
各インクジェット記録用水性インクを密閉容器にそれぞれ10mL入れ、そこへ縦50mm×横10mm×厚さ1mmの寸法に加工したニッケル又は42合金サンプルを1枚浸漬し、60℃の恒温槽中に2週間放置した。その後、浸漬したサンプルを取り出し、目視観察を行い、以下の基準に従って評価した。
浸漬評価基準
◎…ニッケル又は42合金に着色及び腐食なし
○…ニッケル又は42合金に着色があるが腐食はなし
×…ニッケル又は42合金に着色及び腐食あり
(b)ゴム析出評価
各インクジェット記録用水性インクを密閉容器にそれぞれ10mL入れ、その中へ縦50mm×横10mm×厚さ1mmの寸法に加工したゴムサンプルを1枚浸漬し、60℃の恒温槽中に2週間放置した。その後、浸漬したサンプルを取り出し、残ったインクを電鋳フィルター(孔径:13μm、有効濾過面積:8cm)で濾過し、濾過に要する時間を計測した。また、対照として、ゴムサンプルを浸漬させていないインクジェット記録用水性インクのみを同条件(60℃、2週間)で放置し、同一規格の電鋳フィルターで濾過し、濾過に要する時間(基準時間)を求めた。ゴムサンプルを浸漬させたインクの濾過に要した時間の基準時間に対する割合を求め、以下の基準で評価した。なお、濾過後の電鋳フィルターを顕微鏡観察したところ、上述の濾過時間の基準時間に対する割合が大きいほど析出物の量が多かった。
ゴム析出評価基準
◎…基準時間の130%未満の濾過時間を要する
○…基準時間の130%以上200%未満の濾過時間を要する
△…基準時間の200%以上400%未満の濾過時間を要する
×…基準時間の400%以上の濾過時間を要する

(c)噴射安定性評価
1億ドット(約3万枚)の連続印字を行い、以下の基準に従って評価した。
噴射安定性評価基準
◎…連続印字中において、不吐出及び吐出曲がり全くなし
○…連続印字中において、不吐出及び/又は吐出曲がりが僅かにあり、不吐出及び/又は吐出曲がり共に5回以内のパージによって回復
×…連続印字中において、不吐出及び吐出曲がり多数有り;不吐出及び吐出曲がり共に短時間で回復せず
(d)耐久噴射安定性評価
上述の噴射安定性評価試験後、インクカートリッジが装着された状態のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機を60℃の恒温槽中に2週間放置し、その後、1億ドット(約3万枚)の連続印字評価を行い、以下の基準に従って評価した。
耐久噴射安定評価基準
◎…連続印字中において、不吐出及び吐出曲がり全くなし
○…連続印字中において、不吐出及び/又は吐出曲がり僅かにあり、不吐出及び/又は吐出曲がり共に5回以内のパージによって回復
×…連続印字中において、不吐出及び吐出曲がり多数有り、不吐出及び吐出曲がり共に短時間で回復せず
(e)ライン幅評価
1ドットラインを解像度600×600dpiで印字し、そのライン幅をQEA社製のIAS測定器を使用して測定し、以下の基準に従って評価した。
ライン幅評価基準
◎…1ドットライン幅が60μm以上100μm以下
○…1ドットライン幅が100μmを超えて120μm以下
×…1ドットライン幅が60μm未満又は120μmを超えた場合
(f)ラギットネス評価
評価試験は、1ドットラインを解像度600×600dpiで印字し、そのラインに対するRagをQEA社製のIAS測定器を使用して測定し、以下の基準に従って評価した。なお、Ragとは、ISO13660で定義されたラインのラギットネスであり、ラギットなラインとは、本来スムーズで真っ直ぐなはずの理想のラインエッジに対してがたがたと波打っている状態を示す。
ラギットネス評価基準
◎…1ドットラインのRagが10以下
○…1ドットラインのRagが10を超えて20以下
×…1ドットラインのRagが20を超えている
(g)紙面乾燥性評価
縦1cm×横2cmの領域を解像度600×600dpiで100%被覆されるように印刷し、印刷されてからインクが乾燥するまでの時間を計測した。具体的には、1枚の紙に上記印字領域を複数印字し、50Nに調整したテンションゲージを使用して上記の印字部分を5秒間隔で擦り、インクが擦れなくなる時間を計測し、以下の基準に従って評価した
紙面乾燥性評価基準
◎…上記印字領域の乾燥時間が30秒以下
○…上記印字領域の乾燥時間が30秒を超えて60秒以下
×…上記印字領域の乾燥時間が60秒を超えている
(h)総合評価
各インクにおいて、上記の結果から以下の評価基準により総合評価を行った。
総合評価基準
G…すべての評価結果が◎又は○である
NG…評価結果のいずれかに△又は×がある











































Figure 2007211221

<表1注>
インク組成中の“( )”の中の数値は、有効成分換算の重量%を表す
表1の結果から、各実施例及び比較例について得られた知見は以下のとおりである。
※1 自己分散型カーボンブラック; 顔料固形分濃度=15重量%; キャボット社製
※2 自己分散型カーボンブラック; 顔料固形分濃度=15重量%; キャボット社製
※3 C.I.Pigment Blue 15:3; 顔料固形分濃度=40重量%; クラリアント社製
※4 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール; 有効成分=100% ; 有効成分=100%; 三洋化成工業(株)製
※5 アセチレングリコール系界面活性剤; 有効成分=100%; 日信化学工業 (株)製
※6 アセチレングリコール系界面活性剤; 有効成分=100%; 日信化学工業 (株)製
※7 ポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤; 有効成分=28% ; ライオン(株)製
※8 ポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤; 有効成分=25% ; 花王(株)製
※9 ポリアクリル酸ナトリウム水溶液; 有効成分=40%; 日本純薬(株)製
※10 ポリカルボン酸アンモニウム塩(Mw=10000); 有効成分=44%; 第一工業製薬(株)製
※11 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩; 有効成分=37%; ライオン(株) 製
※12 低分子量スチレン−マレイン酸共重合体アンモニウム塩; 有効成分=30%; 荒川化学工業(株)製
※13 ポリアクリル酸(Mw=10000); 有効成分=45%; 日本触媒(株) 製
※14 4−ニトロベンゾトリアゾールと5−ニトロベンゾトリアゾールの混合物; 有効成分=100%; (株)大和化成研究所製
※15 比較例5の有効成分重量比は、(比較化合物/着色剤)を表す
実施例1のインクジェット記録用水性インクは、特定の防錆用ポリマーが添加されているので、インクジェットヘッドの金属部材であるニッケル及び42合金と接触しても腐食を生じさせず、噴射安定性評価結果も問題ないレベルであった。また、インク粘度が2.4mPa・sであるため、インク液滴量が増加したが、紙面乾燥性は問題ないレベルであった。
実施例2のインクジェット記録用水性インクは、特定の防錆用ポリマーの添加量が少ないため、ニッケル及び42合金との接触で若干の着色が見られたものの、噴射安定性評価結果は問題ないレベルであった。また、インク粘度が2.8mPa・sであるため、インク液滴量が減少しライン幅が若干細くなる傾向があったが、プロピレングリコールエーテル系浸透剤及びアセチレングリコール系界面活性剤が添加されているので充分なライン幅が確保できた。
実施例3のインクジェット記録用水性インクは、特定の防錆用ポリマーの添加量が多いため、ニッケル及び42合金と接触しても着色及び腐食を生じさせず、また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤が添加されているので、安定した噴射性能が得られた。
実施例4及び5のインクジェット記録用水性インクは、プロピレングリコールエーテル系浸透剤、アセチレングリコール系界面活性剤及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤の添加量が少ないため、インクの紙への浸透性が低下したが、ライン幅や紙面乾燥性は問題ないレベルであった。
実施例6及び7のインクジェット記録用水性インクは、プロピレングリコールエーテル系浸透剤、アセチレングリコール系界面活性剤及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤の添加量が比較的多いため、インクの紙への浸透性が高く、ライン幅が太くなり、紙面乾燥性が良好になる傾向があった。
実施例8のインクジェット記録用水性インクは、pH調整剤が添加されていないので、インクのpHは6.5であるが、42合金の浸漬評価結果及びゴム析出評価結果は問題のないレベルであった。
比較例1のインクジェット記録用水性インクは、特定の防錆用ポリマーが添加されていないため、インクジェットヘッドの金属部材であるニッケル及び42合金に腐食を生じさせ、噴射安定性及び耐久噴射安定性に問題があった。また、プロピレングリコールエーテル系浸透剤、アセチレングリコール系界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤のいずれも含んでいないため、ライン幅が細くなりベタ部分の印字においてバンディングが生じ、同時に紙面乾燥性も劣っていた。
比較例2のインクジェット記録用水性インクは、特定の防錆用ポリマーが添加されていないため、インクジェットヘッドの金属部材であるニッケル及び42合金が腐食を生じ、耐久噴射安定性に問題があった。
比較例3のインクジェット記録用水性インクは、アセチレングリコール系界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤がいずれも添加されておらずインクの記録紙への浸透性が小さいため、ライン幅が細くなりベタ部分の印字においてバンディングが生じ、同時に紙面乾燥性も劣っていた。また、インクのpHが10と高いためゴムの浸漬評価試験において析出物が生じてしまった。
比較例4のインクジェット記録用水性インクは、インクのpHが3と低いためニッケル及び42合金の浸漬評価試験で腐食が生じ、ゴムの析出試験でも析出が生じた。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、インクジェット記録装置のニッケル又は42合金から構成されているインクジェットヘッドと接触しても腐食を生させず、着色剤が顔料であってもインクに良好な分散性を付与し、良好な噴射安定性を示し、更に、インクジェット印字物にシャープなエッジを実現することと、ライン幅及び紙面乾燥性等の印字品質を向上させることとを両立できる。

Claims (15)

  1. 少なくとも水、着色剤、水溶性有機溶剤及び界面活性剤を含有し、ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから噴射するためのインクジェット記録用水性インクにおいて、カルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基又はスルホ基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する防錆用ポリマーを0.01〜1.0重量%で含有し、且つpHが6〜9であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 該防錆用ポリマーが、アクリル酸及び/又はマイレン酸モノマーユニットに由来するカルボキシル基のアルカリ金属塩残基もしくはアンモニウム塩残基を有する請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 該防錆用ポリマーと着色剤との重量比(防錆用ポリマー:着色剤)が、0.002:1〜0.5:1である請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 更に、ベンゾトリアゾール誘導体を、インクジェット記録用水性インク全量に対して0.01〜0.5重量%で含有する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 該着色剤が、顔料である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 該顔料が、カーボンブラックである請求項5記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. 該水溶性有機溶剤が、アルキレングリコールエーテル系浸透剤である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. 該アルキレングリコールエーテル系浸透剤を、インクジェット記録用水性インク全量に対して0.2〜5.0重量%で含有する請求項7記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. 該界面活性剤が、一般式(1)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤及び/又は一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤
    Figure 2007211221
    (式中、m及びnはm+n=0〜50を満たす数であり、R、R、R及びRはそれぞれ独立的に炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を表す。)

    Figure 2007211221
    (式中、Rは炭素数12〜15の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基であり、MはNa又はNH(CHCHOH)であり、lは2〜4の数である。)
    を含有する請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  10. インクジェット記録用水性インク全量に対して、アセチレングリコール系界面活性剤を0.01〜0.30重量%及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル系アニオン界面活性剤を0.002〜0.20重量%で含有する請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  11. 更に、pH調整剤を含有する請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  12. 該pH調整剤が、トリエタノールアミンである請求項11記載のインクジェット記録用水性インク。
  13. インク粘度が、2.5〜2.7 mPa・sである請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  14. ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドから請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクを、被記録媒体に対し噴射し付着させることによりインクジェット画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. ニッケル又は42合金から構成されたインクジェットヘッドと該インクジェットヘッドに連通しているインクカートリッジとを有するインクジェット記録装置において、該インクカートリッジに請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクが充填されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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