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JP2007270645A - 排気後処理装置 - Google Patents

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JP2007270645A
JP2007270645A JP2006094216A JP2006094216A JP2007270645A JP 2007270645 A JP2007270645 A JP 2007270645A JP 2006094216 A JP2006094216 A JP 2006094216A JP 2006094216 A JP2006094216 A JP 2006094216A JP 2007270645 A JP2007270645 A JP 2007270645A
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嘉則 ▲高▼橋
Yoshinori Takahashi
Nobuhiro Kondo
暢宏 近藤
Kenji Kodama
健司 児玉
Yoshihisa Takeda
好央 武田
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Abstract

【課題】DPFの連続再生を行いつつ吸蔵型NOx触媒のNOx浄化率を高く維持可能な排気後処理装置を提供する。
【解決手段】吸蔵型NOx触媒(20)を第1の吸蔵型NOx触媒(22)と第2の吸蔵型NOx触媒(24)とに分割してそれぞれDPF (10)の排気上流側と排気下流側とに配設する。この際、第1の吸蔵型NOx触媒(22)の容量を内燃機関が所定の低速低負荷運転状態にあるときに所定の高NOx浄化率となる第1の吸蔵型NOx触媒の第1のSV値と内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに所定の低NOx浄化率となる第1の吸蔵型NOx触媒の第2のSV値とに基づいて第2の吸蔵型NOx触媒(24)の容量に対して同等以下に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気後処理装置に係り、特に、吸蔵型NOx触媒に関する。
内燃機関(エンジン)の排気通路には一般に排気後処理装置として排気浄化触媒が介装されており、当該排気浄化触媒により排気中の有害物質(CO、HC、NOx等)が酸化或いは還元されて除去される。
特に、エンジンがディーゼルエンジンのようにNOxを排出し易いエンジンの場合には、排気浄化触媒として、酸化雰囲気(リーン空燃比下)においてNOxを吸蔵する一方、還元雰囲気(リッチ空燃比下)において当該吸蔵したNOxを放出し還元除去(NOxパージ)してNOxを浄化可能な吸蔵型NOx触媒が広く採用されている。
また、ディーゼルエンジンからは煤等のパティキュレートマター(PM)が比較的多く排出されることから、エンジンの排気通路には排気後処理装置として当該PMを捕集して燃焼除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)も配設されている。
このようなDPFとして、最近では、DPFの排気上流側に酸化触媒を設け、当該酸化触媒で排気中のNOをNOに酸化し、生成されたNOを酸化剤としてPMを連続的に燃焼除去する連続再生式DPFが広く採用されている。
そして、これら吸蔵型NOx触媒とDPFとは、一般に吸蔵型NOx触媒が酸化触媒をも併せ有していることから、また吸蔵型NOx触媒が比較的高温に保たれることから、当該吸蔵型NOx触媒の酸化触媒で連続再生式DPFを構成すべく、通常は吸蔵型NOx触媒を排気上流側に配設し、排気下流側にDPFを配設するようにしている(特許文献1参照)。
特開2001−73748号公報
しかしながら、上述の如く吸蔵型NOx触媒とDPFとを排気上流側からこの順番で配設すると、酸化触媒によって生成されたNOの多くが吸蔵型NOx触媒によって浄化されてしまい、酸化触媒とDPFとが連続再生式DPFとして十分に機能しないという問題がある。この場合、DPFに捕集されたPMを強制的に燃焼除去する強制再生の頻度が増加することになり好ましいことではない。
そこで、吸蔵型NOx触媒をDPFの排気下流側に配設することが考えられるが、この場合にはDPFの連続再生のためにDPFの排気上流側に酸化触媒が確実に別途必要となり、また、エンジンが低速低負荷運転状態にある場合のように排気温度が低い場合において、最下流側にある吸蔵型NOx触媒の温度が低下し易く、吸蔵型NOx触媒のNOx浄化率を高く維持できないという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、DPFの連続再生を行いつつ吸蔵型NOx触媒のNOx浄化率を高く維持可能な排気後処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の排気後処理装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートマターを捕捉するフィルタと、前記排気通路に前記フィルタの排気上流側に位置して設けられ、酸化雰囲気にあるときNOxを吸蔵する一方、還元雰囲気にあるとき該吸蔵したNOxを放出し還元除去する第1の吸蔵型NOx触媒と、前記排気通路に前記フィルタの排気下流側に位置して設けられ、酸化雰囲気にあるときNOxを吸蔵する一方、還元雰囲気にあるとき該吸蔵したNOxを放出し還元除去する第2の吸蔵型NOx触媒と、前記第1の吸蔵型NOx触媒の排気上流側に設けられた酸化触媒とを備え、前記第1の吸蔵型NOx触媒の容量を、内燃機関が所定の低速低負荷運転状態にあるときに所定の高NOx浄化率となる前記第1の吸蔵型NOx触媒の第1のSV値と内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに所定の低NOx浄化率となる前記第1の吸蔵型NOx触媒の第2のSV値とに基づいて前記第2の吸蔵型NOx触媒の容量に対して同等以下に設定したことを特徴とする。
また、請求項2の排気後処理装置では、請求項1において、前記第1の吸蔵型NOx触媒と前記第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量を、内燃機関が前記所定の高速高負荷運転状態にあるときに該吸蔵型NOx触媒全体で前記所定の高NOx浄化率となるように設定したことを特徴とする。
また、請求項3の排気後処理装置では、請求項1または2において、前記第1のSV値と前記第2のSV値との比が0.3〜0.5の範囲内であることを特徴とする。
請求項1の排気後処理装置によれば、吸蔵型NOx触媒を第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒とに分割してそれぞれフィルタの排気上流側と排気下流側とに配設するが、第1の吸蔵型NOx触媒の容量を内燃機関が所定の低速低負荷運転状態にあるときに所定の高NOx浄化率となる第1の吸蔵型NOx触媒の第1のSV値と内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに所定の低NOx浄化率となる第1の吸蔵型NOx触媒の第2のSV値とに基づいて第2の吸蔵型NOx触媒の容量に対して同等以下に設定したので、内燃機関が低速低負荷運転状態にあるときには、排気温度が低いためにフィルタの排気下流側の第2の吸蔵型NOx触媒は低温になり易くNOxを十分に浄化できない一方、フィルタの排気上流側の第1の吸蔵型NOx触媒はある程度昇温しているので当該第1の吸蔵型NOx触媒によって排気中のNOxを浄化可能であり、この際、第1の吸蔵型NOx触媒は第2の吸蔵型NOx触媒よりも容量が同等以下であるものの、当該容量は内燃機関が所定の低速低負荷運転状態で排気流量の少ないときに所定の高NOx浄化率となるような第1のSV値(小さなSV値)に基づいて設定されているので、排気流量の少ない低速低負荷運転状態において高いNOx浄化率を確保することができる(図2参照)。
一方、内燃機関が高速高負荷運転状態にあるときには、排気温度が高いためにフィルタの排気下流側の第2の吸蔵型NOx触媒も十分に昇温しており、当該第2の吸蔵型NOx触媒によって排気中のNOxを十分に浄化可能であり、この際、上述のように第1の吸蔵型NOx触媒は内燃機関が所定の高速高負荷運転状態で排気流量の多い運転状態のときに所定の低NOx浄化率となるような第2のSV値(大きなSV値)に基づいて容量が設定されていることにもなるので、排気流量が多い高速高負荷運転状態ではNOx浄化率が低く、故に排気上流側の酸化触媒で生成されたNOは第1の吸蔵型NOx触媒をそのまま通過することになり、当該NOによってフィルタを良好に連続再生することができる(図2参照)。
これにより、フィルタ(DPF)の連続再生を行いつつ吸蔵型NOx触媒のNOx浄化率を高く維持することができる。
請求項2の排気後処理装置によれば、第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量を、内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに該吸蔵型NOx触媒全体で所定の高NOx浄化率となるように設定したので、内燃機関が高速高負荷運転状態にあるときには、第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒によって十分に高いNOx浄化率を確保でき、排気中のNOxを確実に浄化可能である。
請求項3の排気後処理装置によれば、第1のSV値(小さなSV値)と第2のSV値(大きなSV値)との比が0.3〜0.5の範囲内であるようにして第1の吸蔵型NOx触媒の容量を設定するようにしたので、第1の吸蔵型NOx触媒は、実際には、第1のSV値と第2のSV値との比が高すぎると排気流量の多い高速高負荷運転状態でNOx浄化率が高くなってNOを十分に通過させることができず、逆に第1のSV値と第2のSV値との比が低すぎると排気流量の少ない低速低負荷運転状態で高いNOx浄化率を確保できないおそれがあるのであるが、当該設定により、排気流量の多い高速高負荷運転状態では十分に低いNOx浄化率によって多くのNOを通過させることができ、排気流量の少ない低速低負荷運転状態では十分に高いNOx浄化率を確保するようにできる(図2参照)。
特に、第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量を内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに吸蔵型NOx触媒全体で所定の高NOx浄化率となるように設定すると、このときの第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量でのSV値は第1の吸蔵型NOx触媒の第1のSV値に等しくなることから当該第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量でのSV値と第2のSV値との比が0.3〜0.5となり、第1の吸蔵型NOx触媒の容量を吸蔵型NOx触媒全体の容量に基づいて容易に設定するようにできる。即ち、第1の吸蔵型NOx触媒の容量を第1の吸蔵型NOx触媒と第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量の0.3〜0.5の容量として容易に設定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る排気後処理装置の一実施形態を説明する。
図1は本発明に係る排気後処理装置の構成図を示す。
本発明に係る排気後処理装置は、図示しないディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の排気通路1に配設されており、大きくは排気中の煤等のパティキュレートマター(PM)を捕集し燃焼除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)10とNOxを浄化するNOx吸蔵触媒(吸蔵型NOx触媒)20とから構成されている。
NOx吸蔵触媒20は前段NOx吸蔵触媒(第1の吸蔵型NOx触媒)22と後段NOx吸蔵触媒(第2の吸蔵型NOx触媒)24の二つに分割され、前段NOx吸蔵触媒22がDPF10の排気上流側に配設され、後段NOx吸蔵触媒24がDPF10の排気下流側に配設されている。これら前段NOx吸蔵触媒22及び後段NOx吸蔵触媒24は、酸化雰囲気(リーン空燃比)で排ガス中のNOxを吸蔵するとともに還元雰囲気(リッチ空燃比)で吸蔵させたNOxを放出し還元除去(NOxパージ)する触媒である。ここでは、例えばDPF10とNOx吸蔵触媒20の排気上流側に軽油添加インジェクタ30が設けられており、NOxを放出し還元除去する際には、当該軽油添加インジェクタ30から軽油(還元剤)を噴射して前段NOx吸蔵触媒22及び後段NOx吸蔵触媒24を還元雰囲気にすることが可能である。
また、前段NOx吸蔵触媒22の排気上流側には酸化触媒12が配設されており、当該酸化触媒12とDPF10とからDPF10に捕集されたPMを連続的に燃焼除去可能な連続再生式DPFが構成されている。つまり、酸化触媒12によって排気中のNOをNOに酸化し、当該生成したNOを酸化剤として使用してDPF10に捕集されたPMを連続的に燃焼除去可能である。
なお、前段NOx吸蔵触媒22も一般に酸化触媒機能を有しており、当該前段NOx吸蔵触媒22の酸化触媒機能によってもNOを一部生成でき、DPF10を連続再生可能である。
また、DPF10に捕集されたPMを連続再生だけで十分に燃焼除去できない場合には、上記軽油添加インジェクタ30から軽油を噴射し、酸化触媒12において発生する軽油の酸化熱でDPF10を加熱しPMを燃焼させてDPF10の強制再生を行うことも可能である。
ところで、上記のように構成された排気後処理装置では、DPF10の排気上流側に酸化触媒12と前段NOx吸蔵触媒22とがこの順番に配設されていることから、酸化触媒12により生成されたNOが前段NOx吸蔵触媒22によって吸蔵されるという懸念がある。
しかしながら、本発明に係る排気後処理装置では、通常の高速高負荷運転状態では後段NOx吸蔵触媒24が機能し、前段NOx吸蔵触媒22については特にエンジンが低速低負荷運転状態であって排気温度が低いような場合にのみ機能するように図っており、以下、これら前段NOx吸蔵触媒22及び後段NOx吸蔵触媒24の設定手順について説明する。
NOx吸蔵触媒容量VとNOx浄化率との間には、図2に示すような関係があり、NOx吸蔵触媒容量Vが小さくなるにつれてNOx浄化率は低下する。
また、同図にはパラメータとしてSV値(=排気流量Q/触媒容量V)が併せて示されているが、NOx吸蔵触媒容量VはSV値に置換でき、SV値が大きくなるにつれてNOx浄化率は低下する。
先ず、前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量について考えると、エンジンが所定の高速高負荷運転状態にあって排気流量が多い運転状態のときに、前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体で十分にNOxを浄化するように全体の容量を設定する。
エンジンが所定の高速高負荷運転状態にあるときの排気流量を高排気流量Qhiとすると、図2によれば、例えばNOx浄化率90%を確保できるSV値は触媒特性等に基づき一義的にX0と求まる。これより前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量V2が設定される(V2=Qhi/X0)。
次に、前段NOx吸蔵触媒22について考えると、前段NOx吸蔵触媒22については、エンジンが所定の低速低負荷運転状態にあって排気流量が少ない運転状態のときに十分にNOxを浄化するとともに、所定の高速高負荷運転状態にあって排気流量が多い運転状態のときに酸化触媒12により生成されたNOが当該前段NOx吸蔵触媒22を通過するように前段容量V1を設定する。
エンジンが所定の低速低負荷運転状態にあるときの排気流量を低排気流量Qloとし、このとき例えばNOx浄化率90%(所定の高NOx浄化率)を確保するものとすれば、上記よりNOx浄化率90%を確保できるSV値はX1(第1のSV値)である。なお、この場合90%であって同一NOx浄化率であるので、ここではX1=X0である。
一方、エンジンが上記所定の高速高負荷運転状態にあって排気流量が高排気流量Qhiであるときに例えばNOx浄化率40%(所定の低NOx浄化率)とすれば、このときのSV値は図2より一義的にX2(>X1、第2のSV値)と求まる。
そして、これらV1、V2、X0、X1、X2の関係を見てみると、これらの間には上記SV値の定義に基づいて以下式(1)〜(7)のような関係がある。
V2=Qhi/X0 …(1)
V1=Qlo/X1=Qlo/X0 …(2)
これら式(1)、(2)より、V1/V2=Qlo/Qhi …(3)
一方、V1=Qhi/X2 …(4)
式(2)より、V1=Qlo/X1 …(5)
これら式(4)、(5)より、Qhi/X2=Qlo/X1
故に、X1/X2=Qlo/Qhi …(6)
そして、式(3)より V1/V2=Qlo/Qhi であるから、
V1/V2=X1/X2 …(7)
これより、前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1は、低排気流量Qloのときに例えばNOx浄化率90%を確保できるSV値=X1、高排気流量Qhiのときに例えばNOx浄化率40%となるSV値=X2及び前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量V2を用いて次式(8)のように求められる。
V1=V2・X1/X2(=V2・X0/X2) …(8)
つまり、X2>X1であることより、前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1は、前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量V2よりもX1/X2(=X0/X2)の比だけ小さい容量として容易に設定される。
これにより、エンジンが低速低負荷運転状態にあって排気温度が低いときには、後段NOx吸蔵触媒24は温度低下によりNOxの浄化性能が低減するのであるが、前段NOx吸蔵触媒22についてはエンジンが所定の低速低負荷運転状態で低排気流量Qloのときに例えばNOx浄化率90%を確保するようなSV値=X1(小さなSV値)に基づいて容量が設定されているので、排気流量の少ない低速低負荷運転時には前段NOx吸蔵触媒22によって高いNOx浄化率を確保することができる。
一方、エンジンが高速高負荷状態にあって排気温度が高いときには、排気温度が高いために後段NOx吸蔵触媒24も十分に昇温しているので、当該後段NOx吸蔵触媒24と前段NOx吸蔵触媒22を合わせたNOx吸蔵触媒20全体によって排気中のNOxを十分に浄化可能であり、この際、上述のように前段NOx吸蔵触媒22についてはエンジンが所定の高速高負荷運転状態で高排気流量Qhiのときに例えばNOx浄化率40%となるようなSV値=X2(大きなSV値)に基づき容量が設定されていることにもなるので、排気流量が多い高速高負荷運転状態では前段NOx吸蔵触媒22のNOx浄化率は低く、故に排気上流側の酸化触媒12で生成されたNOの殆どが前段NOx吸蔵触媒22をそのまま通過することになり、当該NOによってDPF10を良好に連続再生することができる。
ところで、エンジンが所定の低速低負荷運転状態である場合の低排気流量Qloと所定の高速高負荷運転状態である場合の高排気流量Qhiとを具体的に考えてみると、高排気流量Qhiを100%とした場合に低排気流量Qloは現実的には30%〜50%と考えられる。つまり、高排気流量Qhiと低排気流量Qloとの比率はおおよそ1:0.3〜0.5、即ちQlo/Qhi=0.3〜0.5であると考えられる。
このように考えると、上記式(6)よれば Qlo/Qhi=X1/X2(=X0/X2)=0.3〜0.5であり、X1/X2(=X0/X2)=0.3〜0.5とすることで、前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1を現実に即して適切に設定することができる。
即ち、前段NOx吸蔵触媒22は、X1/X2の比率が高すぎる(X1/X2>0.5)と排気流量の多い高速高負荷運転時にNOx浄化率が高くなってしまいNOを十分に通過させることができず、逆にX1/X2の比率が低すぎる(X1/X2<0.3)と排気流量の少ない低速低負荷運転時に高いNOx浄化率を確保できないおそれがあるのであるが、X1/X2=0.3〜0.5とすることで、排気流量の多い高速高負荷運転時には低いNOx浄化率で多くのNOを通過させることができ、排気流量の少ない低速低負荷運転時には高いNOx浄化率を確保するようにできる。
また、X1/X2(=X0/X2)=0.3〜0.5とすれば、上記式(8)より、前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1を後段NOx吸蔵触媒24と合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量V2の0.3〜0.5の容量として容易に設定することができる。このとき、後段NOx吸蔵触媒24の容量はV2−V1となり,前段NOx吸蔵触媒22の容量は後段NOx吸蔵触媒24の容量と同等以下である。
なお、ここでは低排気流量Qloのときに例えばNOx浄化率90%を確保できる前段NOx吸蔵触媒22のSV値=X1と高排気流量Qhiのときに例えばNOx浄化率90%を確保できる前段NOx吸蔵触媒22と後段NOx吸蔵触媒24を合わせたNOx吸蔵触媒20全体の容量でのSV値=X0とが一致するようにし(X1=X0)、つまり低排気流量Qloのときに例えばNOx浄化率90%を確保できるように前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1を設定するようにしているが、これに限られるものではなく、高排気流量Qhiのときに必要な低いNOx浄化率を基準に前段NOx吸蔵触媒22の前段容量V1を設定するようにしてもよい。この場合、X1/X2=0.3〜0.5では低排気流量QloでのNOx浄化率が若干変動することになるが、十分に高いNOx浄化率を維持でき、上記効果が損なわれることはない。
このように、本発明に係る排気後処理装置によれば、DPF10の連続再生を行いつつNOx吸蔵触媒20のNOx浄化率を高く維持することができる。これにより、軽油添加インジェクタ30によるDPF10の強制再生の頻度を低減し、燃費の向上を図り、排気後処理装置の耐久性の向上を図りながら、エンジンの運転状態に拘わらずNOxを良好に浄化することができる。
なお、ここでは前段NOx吸蔵触媒22の排気上流側に酸化触媒12を設けた場合を例に説明したが、前段NOx吸蔵触媒22の酸化触媒機能だけでDPF10を十分に連続再生可能であれば酸化触媒12を特に設けなくてもよい。これにより、排気後処理装置の低コスト化、コンパクト化をも図ることができる。
本発明に係る排気後処理装置の構成図である。 NOx吸蔵触媒容量V、SV値とNOx浄化率との関係を示す図である。
符号の説明
1 排気通路
10 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
12 酸化触媒
20 NOx吸蔵触媒(吸蔵型NOx触媒)
22 前段NOx吸蔵触媒(第1の吸蔵型NOx触媒)
24 後段NOx吸蔵触媒(第2の吸蔵型NOx触媒)
30 軽油添加インジェクタ

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートマターを捕捉するフィルタと、
    前記排気通路に前記フィルタの排気上流側に位置して設けられ、酸化雰囲気にあるときNOxを吸蔵する一方、還元雰囲気にあるとき該吸蔵したNOxを放出し還元除去する第1の吸蔵型NOx触媒と、
    前記排気通路に前記フィルタの排気下流側に位置して設けられ、酸化雰囲気にあるときNOxを吸蔵する一方、還元雰囲気にあるとき該吸蔵したNOxを放出し還元除去する第2の吸蔵型NOx触媒と、
    前記第1の吸蔵型NOx触媒の排気上流側に設けられた酸化触媒とを備え、
    前記第1の吸蔵型NOx触媒の容量を、内燃機関が所定の低速低負荷運転状態にあるときに所定の高NOx浄化率となる前記第1の吸蔵型NOx触媒の第1のSV値と内燃機関が所定の高速高負荷運転状態にあるときに所定の低NOx浄化率となる前記第1の吸蔵型NOx触媒の第2のSV値とに基づいて前記第2の吸蔵型NOx触媒の容量に対して同等以下に設定したことを特徴とする排気後処理装置。
  2. 前記第1の吸蔵型NOx触媒と前記第2の吸蔵型NOx触媒を合わせた吸蔵型NOx触媒全体の容量を、内燃機関が前記所定の高速高負荷運転状態にあるときに該吸蔵型NOx触媒全体で前記所定の高NOx浄化率となるように設定したことを特徴とする、請求項1記載の排気後処理装置。
  3. 前記第1のSV値と前記第2のSV値との比が0.3〜0.5の範囲内であることを特徴とする、請求項1または2記載の排気後処理装置。
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