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JP2007267493A - 積層鉄心および積層鉄心の製造方法 - Google Patents

積層鉄心および積層鉄心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、優れた電磁気特性を有するとともに、コストを低減でき、かつ長寿命で、信頼性に優れた積層鉄心を製造することが可能な積層鉄心および積層鉄心の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明に関わる積層鉄心は、金属薄板t、uから打抜かれた鉄心片10、20が互いにカシメられ積層された積層鉄心1であって、電磁鋼板tから所望形状に打抜かれるとともにカシメ部k1が形成される電磁鋼板製鉄心片10と、低炭素鋼板uから電磁鋼板製鉄心片10と同一形状に打抜かれるとともにカシメ部k2が形成される低炭素鋼板製鉄心片20とが、交互にまたは所定枚数ごと交互にカシメ部k1、k2を介してカシメて積層され、熱処理されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属薄板から打抜いた鉄心片を互いにカシメて積層する積層鉄心および積層鉄心の製造方法に関する。
図5に示す積層鉄心100は、回転電機、例えばモーターの主要部品として使用されている。 なお、図5(a)、(b)は、それぞれ積層鉄心100の上面図および側面図であり、巻線を省略して示している。
回転電機は多種多様あるが、高効率化、高出力化することを望まれ、これに対応すべく積層鉄心が薄い電磁鋼板(例えば、板厚0.24mm以下)から製造することが検討されている。 こうした背景から、薄い電磁鋼板から鉄心片を打抜き、積層鉄心を製造することにより高効率化、高出力化が図られ電磁気特性の優れた積層鉄心が得られるようになってきている。
一方、積層鉄心は、生産コストの低減が重要であるが、特に高駆動力を出力する大型の回転電機では積層鉄心のサイズが大きく鉄心片材料を多く要することなどから、材料費が嵩みコスト高となるので、なお更である。
コストを低減する技術として、従来、積層鉄心の固定子積層鉄心を分割固定子鉄心片から製造するものがある。 これは、固定子鉄心片101を、例えば、磁極部b毎にヨーク部100yを分割して電磁鋼板から打き抜き形成して分割固定子鉄心片とすることにより、電磁鋼板の歩留りを高めてコスト低減を図っている。
なお、本願に係る文献公知発明として、下記の特許文献1がある。
特開平8−186958号公報
ところで、積層鉄心100を、分割固定子鉄心片を積層して形成する場合、分割固定子鉄心片を積層し、真円度、直角度等の組立て精度に注意を配り積層分割鉄心を組立てねばならず、高度なモーター組立て技術を要する。
また、積層分割鉄心からなる積層鉄心では、過酷な使用環境下での寿命等の理由から十分にその使用に適合し得ないものがあり、コスト低減を図りながら、電磁気特性が優れ、かつ長寿命の積層鉄心を得るという課題がある。
本発明は上記実状に鑑み、優れた電磁気特性を有するとともに、コストを低減でき、かつ長寿命で、信頼性に優れた積層鉄心を製造することが可能な積層鉄心および積層鉄心の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明に関わる請求項1の積層鉄心は、金属薄板から打抜かれた鉄心片が互いにカシメられ積層された積層鉄心であって、電磁鋼板から所望形状に打抜かれるとともにカシメ部が形成される電磁鋼板製鉄心片と、低炭素鋼板から前記電磁鋼板製鉄心片と同一形状に打抜かれるとともにカシメ部が形成される低炭素鋼板製鉄心片とが、交互にまたは所定枚数ごと交互に前記カシメ部を介してカシメて積層され、熱処理されている。
本発明に関わる請求項2の積層鉄心は、講求項1記載の積層鉄心において、前記積層鉄心の熱処理は、前記低炭素鋼板製鉄心片の再結晶温度以上の温度での熱処理である。
本発明に関わる請求項3の積層鉄心は、金属薄板から鉄心片を打抜き、該鉄心片を互いにカシメて積層する積層鉄心の製造方法であって、電磁鋼板から電磁鋼板製鉄心片を所望形状に打抜きするとともにカシメ部を形成し、他方、低炭素薄鋼板から前記電磁鋼板製鉄心片と同一形状の低炭素鋼板製鉄心片を打抜きするとともにカシメ部を形成し、前記電磁鋼板製鉄心片と前記低炭素鋼板製鉄心片とを交互にまたは所定枚数ごと交互に前記カシメ部を介してカシメて積層した後、熱処理する。
本発明に関わる請求項4の積層鉄心は、講求項3記載の積層鉄心の製造方法において、前記積層鉄心の熱処理を、前記低炭素鋼板製鉄心片の再結晶温度以上の温度で行う。
以上、詳述した如く、本発明の請求項1に関わる積層鉄心および本発明の請求項3に関わる積層鉄心の製造方法によれば、積層鉄心が電磁鋼板製鉄心片と低炭素鋼板製鉄心片とが混積されることにより高価な電磁鋼板の使用が減り、コストの低下が図れる。
また、混積された積層鉄心を熱処理することにより、低炭素鋼板製鉄心片は、透滋率、磁束密度および鉄損が電磁鋼板製鉄心片の透磁率、磁束密度.および鉄損の向上代以上に向上し、積層鉄心を全て電磁鋼板製鉄心片で構成したものと近似した電磁気特性を有する積層鉄心が製造される。
また、積層鉄心を構成する電磁鋼板製鉄心片、低炭素鋼板製鉄心片とも一枚板からなる
鉄心片なので、分割鉄心片を用いて形成した場合に比べ、過酷な使用環境下で長期間使用にも信頼性高く稼動し、長寿命である。
本発明の請求項2に関わる積層鉄心および本発明の請求項4に関わる積層鉄心の製造方法によれば、低炭素鋼板製鉄心片が打抜き加工歪みを受けた箇所が再結晶またさらに結晶粒成長を生じ、透磁率、磁束密度.および鉄損が電磁鋼板製鉄心片の透磁率、磁束密度.および鉄損の向上代以上に向上する。
そのため、積層鉄心を全て電磁鋼板製鉄心片で構成したものと遜色のない積層鉄心が製造される。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1に示す本発明を適用して製造される積層鉄心1は、モーターの固定子に用いられるものであり、巻線(図示せず)される多数の磁極2と、巻線を流れる電流の電磁誘導による磁界が形成されるヨーク3と、鉄心片10、20間のカシメ固定に用いられるカシメ部kとを具えている。
この積層鉄心1は、電磁鋼板製鉄心片10(図2参照)と、電磁鋼板製鉄心片10と同一形状に形成した低炭素鋼板製鉄心片20(図2参照)とを、交互にまたは所定枚数毎交互にカシメ部k(k1、k2)を介して互いにカシメて積層した後、熱処理を施して製造されている。
積層鉄心1を構成する電磁鋼板製鉄心片10、低炭素鋼板製鉄心片20は、それぞれ板厚の薄い電磁鋼板(金属薄板)t、低炭素鋼板(金属薄板)uを打ち抜いて形成されるものであり、図2に示すように、積層鉄心1の多数の磁極2を形成する磁極部12、22と、積層鉄心1のヨーク3を形成するヨーク部13、23と、鉄心片10、20間のカシメ固定に用いられるカシメ部k1、k2とが形成されている。
このカシメ部k1、k2は、図2(a)のA−A線断面図の図3(aに示す半抜き突起以外に、図2(a)のA−A線断面図の図3(b)に示す中央部を下方に突出して形成する断面v字形を呈するv形突起、または図2(a)のA−A線断面図の図3 (c)に示す切り起し突起等が適宜、選択され形成されている。
次に、上記構成の積層鉄心1の製造方法を説明する。
積層鉄心1を製造するプレス金型装置(図示せず)は、図4に示すように、電磁鋼板製鉄心片10を形成するための電磁鋼板製鉄心片形成ラインL1と、低炭素鋼製鉄心片20を形成してカシメ積層ステーションである加工ステーションS5に送込む低炭素鋼製鉄心片送込みラインL2とを備えている。 なお、図4は、電磁鋼板製鉄心片形成ラインL1と低炭素鋼製鉄心片送込みラインL2とを用いて積層鉄心1を製造する工程を示す上面図である。
電磁鋼板製鉄心片10は、板厚の薄い帯状の電磁鋼板tが電磁鋼板製鉄心片形成ラインL1を間欠搬送されてプレス加工により打ち抜き形成される。 この電磁鋼板製鉄心片形成ラインL1は、間欠搬送される母材の電磁鋼板tに対して、順次、所定のプレス加工を実施するための加工ステーションS1〜S5を具備している。
プレス金型装置を用いた積層鉄心1の製造は、下記のように行なわれる。
まず、加工ステーションS1において、電磁鋼板製鉄心片10の内径n(図2(a)参照)を電磁鋼板tから打ち抜き形成する。
続いて、加工ステーションS2において、電磁鋼板製鉄心片10における磁極部12間のスロットs(図2(a)参照)を電磁鋼板tから打ち抜き形成する。
続いて、加工ステーションS3において、電磁鋼板製鉄心片10におけるカシメ部k1(図2(a)、図3参照)、例えば、半抜き突起、v形突起、および切り起し突起等のカシメ突起の形成が行なわれる。 なお、積層1枚目の電磁鋼板製鉄心片10または低炭素鋼製鉄心片20に形成されるカシメ部k1、k2は打ち抜き穴である。
続いて、加工ステーションS4において、電磁鋼板製鉄心片10の外形g抜き用補助パイロット孔p1を電磁鋼板tから打ち抜き形成する。
続いて、カシメ積層ステーションである加工ステーションS5において、電磁鋼板製鉄心片10の外形gを電磁鋼板tから打ち抜き形成する。
一方、低炭素鋼製鉄心片送込みラインL2においては、別途、上記電磁鋼板製鉄心片形成ラインL1の加工ステーションS1〜S4と同様な加工ステーションを用いて板厚の薄い低炭素鋼板uから低炭素鋼板製鉄心片20を形成するとともに外形抜きしてからプッシュバックし、該低炭素鋼板製鉄心片20を電磁鋼板製鉄心片10と交互に加工ステーションS5に送込み、このプッシュバックした低炭素鋼製鉄心片20を抜き落として、電磁鋼板製鉄心片10と交互に積層し、電磁鋼板製鉄心片10のカシメ部k1と低炭素鋼板製鉄心片20のカシメ部k2を介して互いにカシメて接合する。
なお、上記例では、電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20とを1枚ずつ交互に積層する場合を例示したが、電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20とを所定枚数ごと交互に、例えば、電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20とを、同じ枚数ごと交互に、或いは、2枚、4枚、2枚、…または2枚、4枚、3枚、5枚…等の異なる枚数ごと交互に積層してもよい。
このようにして、電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20とを交互にまたは所定枚数ごと交互に混積して積層鉄心1を製造した後、低炭素鋼板製鉄心片20の再結晶温度以上、例えば600℃以上の温度域で熱処理する。
電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20の混積方法は、上記実施例に限定されず、例えば、電磁鋼板と低炭素板鋼板を重ねてプレス金型装置で鉄心片を打ち抜き、カシメ積層する方法等で行なうことも可能である。
上記構成によれば、電磁鋼板tから電磁鋼板製鉄心片10を所望形状に打抜きするとともにカシメ部k1を形成した電磁鋼板製鉄心片10と、低炭素薄鋼板uから電磁鋼板製鉄心片10と同一形状に打抜きするとともにカシメ部k2を形成した低炭素鋼板製鉄心片20とを交互に又は所定枚数ごと交互にカシメ部k1、k2を介してカシメ積層した後、熱処理して積層鉄心1を構成する。
そのため、積層鉄心1が電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20とが混積されて形成されるので、高価な電磁鋼板tの使用が減り生産コストの低下が図られる。
また、混積された積層鉄心1の熱処理を、低炭素鋼板製鉄心片20の再結晶温度以上の温度域で行うので、低炭素鋼板製鉄心片20が打抜きによる加工歪みを受けた箇所が再結晶、またさらに結晶粒成長を生じ、低炭素鋼板製鉄心片20は、透磁率、磁束密度および鉄損が電磁鋼板製鉄心片10の透磁率、磁束密度および鉄損の向上代以上に向上し、電磁鋼板製鉄心片10と低炭素鋼板製鉄心片20の差が少なくなり、積層鉄心1を全て電破鋼板製鉄心片10で構成したものと近似した電磁気特性を有する積層鉄心1が製造される。
また、積層鉄心1を構成する電磁鋼板製鉄心片10、低炭素鋼板製鉄心片20とも、それぞれ一枚板から形成される鉄心片であるので、分割鉄心片を用いて形成した場合に比べて過酷な使用環境下で長期間の使用にも信頼性高く稼動し、長寿命である。
これにより、積層鉄心1を全て電磁鋼板製鉄心片10で構成したものと遜色のない積層鉄心1が製造される等の効果がある。
本発明の活用例として、モーターの固定子積層鉄心の製造以外に、回転子積層鉄心の製造にも適用できるとともに、鉄心片を積層した同様な構成の積層鉄心に幅広く適用可能である。
本発明の実施例に関わる積層鉄心を示す斜視図。 (a)および(b)は、実施例の積層鉄心を構成する電磁鋼板製鉄心片と低炭素鋼板製鉄心片を示す上面図、および側面図。 (a)、(b)、および(c)は、図2(a)のA−A線断面図。 電磁鋼板製鉄心片形成ラインと低炭素鋼板製鉄心片送込みラインとにより積層鉄心を製造する工程を示す上面図。 (a)および(b)は、従来の積層鉄心を示す上面図、および側面図。
符号の説明
1…積層鉄心、
10…電磁鋼板製鉄心片、
20…低炭素鋼板製鉄心片、
k1…電磁鋼板製鉄心片のカシメ部、
k2…低炭素鋼板製鉄心片のカシメ部、
t…電磁鋼板(金属薄板)、
u…低炭素鋼板(金属薄板)。

Claims (4)

  1. 金属薄板から打抜かれた鉄心片が互いにカシメられ積層された積層鉄心であって、
    電磁鋼板から所望形状に打抜かれるとともにカシメ部が形成される電磁鋼板製鉄心片と、低炭素鋼板から前記電磁鋼板製鉄心片と同一形状に打抜かれるとともにカシメ部が形成される低炭素鋼板製鉄心片とが、交互にまたは所定枚数ごと交互に前記カシメ部を介してカシメて積層され、熱処理されていることを特徴とする積層鉄心。
  2. 前記積層鉄心の熱処理は、前記低炭素鋼板製鉄心片の再結晶温度以上の温度での熱処理である
    ことを特徴とする講求項1記載の積層鉄心。
  3. 金属薄板から鉄心片を打抜き、該鉄心片を互いにカシメて積層する積層鉄心の製造方法であって、
    電磁鋼板から電磁鋼板製鉄心片を所望形状に打抜きするとともにカシメ部を形成し、他方、低炭素薄鋼板から前記電磁鋼板製鉄心片と同一形状の低炭素鋼板製鉄心片を打抜きするとともにカシメ部を形成し、前記電磁鋼板製鉄心片と前記低炭素鋼板製鉄心片とを交互にまたは所定枚数ごと交互に前記カシメ部を介してカシメて積層した後、熱処理する
    ことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  4. 前記積層鉄心の熱処理を、前記低炭素鋼板製鉄心片の再結晶温度以上の温度で行う
    ことを特徴とする講求項3記載の積層鉄心の製造方法。
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