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JP2007260771A - 自動スポット溶接方法 - Google Patents

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JP2007260771A JP2006194931A JP2006194931A JP2007260771A JP 2007260771 A JP2007260771 A JP 2007260771A JP 2006194931 A JP2006194931 A JP 2006194931A JP 2006194931 A JP2006194931 A JP 2006194931A JP 2007260771 A JP2007260771 A JP 2007260771A
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Yoshitoshi Kai
美利 甲斐
Masao Ieyumi
正雄 家弓
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Abstract

【課題】全面にわたって下部電極として働く板状のテ−ブル電極の上に被溶接材をのせて上部電極の溶接ガンを3次元方向に人手によらずに移動させて自動的に溶接打点を溶接する方法を提案する。
【解決手段】表面のいずれのところも下部電極として働く板状の電極、つまりテ−ブル電極110の上に被溶接材Wをおき、この被溶接材Wの各溶接打点のところに所定のプログラムに基づいてコンピュ−タなどの電子制御機構200からの指令によって溶接ガン130を下部電極として働かせながらテ−ブル電極110を幅方向にまたぐ門型枠120を介在させて3次元方向に移動、昇降、加圧させて溶接打点を順次にスポット溶接するスポット溶接法である。
【選択図】図1

Description

本発明は自動スポット溶接方法に係り、詳しくは、下部電極として板状のテ−ブル電極を用いて全面のいずれのところも下部電極として働かせるのに対し、テ−ブル電極の上のいずれのところにも棒状の溶接ガンを移動させて溶接する一方、この溶接ガンの移動および溶接態様をコンピュ−タなどの電子制御機構により被溶接材の材質、板厚などを含む溶接条件に応じて演算処理されたプログラムにしたがって制御して被溶接材などの溶接打点を順次に溶接するスポット溶接方法であって、なかでも、テ−ブル電極で被溶接材の一連の溶接打点を連続的にほとんど人手によらずに溶接できる自動スポット溶接方法に係る。
なお、この明細書において自動的溶接あるいは溶接作業のロボット化と称するのは、被溶接物のセット、溶接作業にほとんど人手が介在しないことのほかに、その一部が人手によらずに溶接できることも含まれる。また、被溶接材などの中には金属板その他の材料の板状材、型材のほかに、箱や容器、枠体などのように、一般に構造物といわれるものも含まれる。
例えば圧延鋼板、アルミニウムおよびその合金材、およびZnめっき鋼板などの被溶接材などを接合する場合に、少なくとも2枚またはそれ以上の被溶接材などを重ね、これを上下から一対の電極で挾んで加圧、通電して溶接するスポット溶接が用いられる。この溶接法は電気エネルギを溶接熱源とすることから、電気溶接法といわれ、圧接であり融接でもあり、最も普及されている溶接法であり、自動車産業のほか金属加工、板金加工の分野でも利用されている。
スポット溶接機は、一つのナゲットの形成に要する時間は僅か数秒であり、このナゲットが重ね合わせた被溶接材の間で空気中の酸素によるアタック(酸化)をうけることなく形成されるため、不活性ガスなどのシ−ルドガスや添加材などを必要としないという利点をもっている。また、この利点に伴って、被溶接材などの材質に応じて、溶接電流、加圧力などの溶接条件を一度設定すると、ロボットなどを用いて溶接ができる利点がある。このところの向上を目的として安定溶接作業のロボット化、自動化の技術が数多く開発され、このような技術を挙げると枚挙にいとまがないほど、多数提案されている技術のほとんどがロボット化技術であるといっても過言でない。
用途に応じて大きく分けると、スポット溶接機はうちで大型の自動車ボディなどの量産用専用機と多品種小ロッドの板金加工用の小型のものとに分けられるが、何れも、一定の場所に据付けられ上下の電極が固定されている定置型といわれるものである。
すなわち、前者は自動車工業の発達に合わせて技術的改善を積み重ねたもので、具体的には、モデルチェンジのきわめて多い自動車ボディの製造などの分野の専用機としての用途のほかに、溶接の無人化、ロボット化の目的をもって開発されたものである。要するに、溶接技術そのものよりもむしろ所謂溶接ロボットそのものを提案するものである。これに反し、定置型スポット溶接機に代表される後者の小ロッド多品種の工作物の加工に用いられるスポット溶接機はほとんど改善されることなく数十年にわたっている。要するに、自動化、ロボット化という技術改善はほとんど見当らない。
要するに、スポット溶接の原理は大型の自動車ボディ専用溶接機やバッチ式の定置型の溶接機も同じである。いずれも定置型スポット溶接機であって、2枚の被溶接材などを重ね合わせ、これらを固定されている上下一対の棒状電極ではさみ加圧通電する型式のものである。すなわち、2枚の被溶接材をはさみ加圧力と溶接電流とを加える一対の溶接電極を銅などの棒状材から構成し、通電する電流を絞るとともに加圧力を高め溶接部を局部的に加圧、溶融して溶接する。形成されるナゲットは、短時間に大電流を流し高い圧力で加圧するため、点弧状の溶接部の所謂ナゲットである。それ故に、上下の電極はともに棒状であることが必要であり、とくに、先端部を絞って被溶接材などへの通電面積を絞って加圧力と電流量を高める構造そのものを改善する試みはほとんど成されていない。
このため、このようにスポットといわれる溶接部の形成手段が考えられていることから、自動車ボディなどの製造ラインの一部として組込まれる大型スポット溶接機であって、溶接部形成手段の改善されることなく、溶接すべき部品の搬送や溶接などに必要とされる治具の分野の開発であり、その開発によってもたらされるのが溶接作業のロボット化、自動化である。これに反し、所謂板金加工などの用途に供されている定置型スポット溶接機は、バッチ方式であることもあって、ロボット化、自動化のものはほとんど提案されていないし、必要とされる治具の開発や改善も全くといってもいいほどない。
また、所謂板金加工では、金属枠や金属箱などの容器を金属板を切断加工接合してつくることが多く、内部に溶接すべき溶接打点があることが多い。このような溶接打点は棒状の溶接ガンによっては外部から直接打つことができないが、溶接ガン3を側方から差し込める構造のため、この欠点を解決したものでもある。
要するに、複雑な形状の構造物の内部に溶接打点がある場合には、上下の電極の間に溶接打点をはさんで溶接する定置型溶接機では溶接できないといっても過言でない。どうしても溶接しようとするときは、作業者自からが手によって被溶接材そのものを内部に棒状の溶接ガンを侵入できる位置に保持し、その姿勢で溶接することになる。この作業はきわめて重筋労働である。多数の作業者が必要になって好ましくない。また、上下の電極の先端の溶接チップは絞られており、このような溶接チップに加圧力を加えると、どうしても溶接打点に溶接きずや溶接あとなどが残り、この除去作業がきわめてはん雑であって大きな重筋労働であり、これによって溶接コストがかさむ。
このところから、先に、本発明者らは、先に、上下から被溶接材をはさむ一対の電極のうちの一方の電極を板状のテ−ブル電極として構成し、この電極の表面のいずれのところも電極として働くことのできる溶接機を提案した。この溶接機は小ロッドで複雑な形状の構造物、なかでも、内部に溶接すべき溶接打点があるような構造物であっても、その溶接打点の位置に応じて、それに合致する溶接姿勢が選択でき、溶接にともなう加工や組立てなどの作業も併せて達成できるスポット溶接機である。(特許第3445636号明細書参照)
このスポット溶接機1は、図6に示すとおりであって、下部の電極2として平坦な導電性の板状材から成るテ−ブル電極あるいはシ−ト状電極を働かせ、上部の電極として棒状の溶接ガン3を働かさせる溶接機である。このテ−ブル電極2は表面のいずれのところでも下部の電極として働くことができるほか、その上で金属材などの被溶接材Wの加工、組立もできる利点をもつものである。このスポット溶接機1は、テ−ブル電極2上におかれた被溶接材Wに向って棒状の溶接ガン3を縦向き姿勢で下降させて被溶接材Wをテ−ブル電極2と棒状の溶接ガン3との間にはさみ溶接するものである。この装置は板状のテ−ブル電極2の表面全体を下部電極として働かさせるものであるため、溶接ガン3は伸縮自在の支持ビ−ム4および支持ア−ム5により支持し、テ−ブル電極2の表面全体にわたって溶接ガン3が自由に平行移動できるように構成する必要がある。要するに、支持ア−ム5の伸縮によって溶接ガン3を移動させて溶接打点に達したところで溶接ガン3を下降させて溶接できるようにする。
このスポット溶接機1であると、テ−ブル電極2の表面は下部電極として働かさせるほか、作業面としても利用できる。このため、一つの被溶接材に多数の溶接打点があっても、被溶接材は動かすことなく、置いたままで支持ア−ム5の伸縮操作によって溶接ガン3を移動させて溶接できる。テ−ブル電極の表面全体にわたって冷却水通路を設けることができ、冷却能力もきわめて大きい。溶接時の加圧力もテ−ブル電極2の表面で分散して局部的に支持できるため、溶接跡も残らない。さらに、溶接ガン3は横向き姿勢でてこ機構の一つの部品を成しているところから、加圧力を高められて圧接されることから、強度の高い溶接継手を得ることができる。
一方、このようなテ−ブル電極を用いる溶接機の開発にともなって、このスポット溶接機は小ロッドといわれていた板金業界にとどまらず、大型の配電盤や、電子機器や家電製品のハウジングなどのように、内部の溶接が必要とされるものの製造にも使用されるようになっている。しかしながら、先に提案した溶接機は上部電極として働く溶接ガン3が旋回自在の支持ア−ム5を組み合わせて各支持ア−ム5を旋回させることによって伸縮させる構造に構成されている。しかし、この機構は大型化し、それに伴って冷却機構や通電機構の溶接ガンが付設され、これらを支持ア−ム5、5の旋回自在の組み合わせにより支持されることになって、個々の支持ア−ムの運動などを一定のル−ルにもとずいて連続化や自動化することがきわめてむづかしい。このところから、溶接ガンの支持機構の改善をはかり、それによって板状のテ−ブル電極2の上で溶接ガン3を3次元的に移動させるところを自動化又はロボット化することが望まれているのにも拘らず、この要求を満足するものでなかった。
特許第3445636号明細書
本発明は上記欠点の解決を目的とし、先に提案したスポット溶接機と同じように、テ−ブル電極の表面を下部電極として働かさせると共に、作業面としても利用する一方、テ−ブル電極上で上部電極として働く溶接ガンを門型枠を介在させて支持し、この門型枠に対する溶接ガンの変位を位置情報の一部として利用して、溶接ガンの位置決め、溶接作業などの自動化、ロボット化を達成できるスポット溶接法を提案する。
すなわち、本発明方法は下部電極として働く固定したテ−ブル電極上において、溶接すべき溶接打点の位置および溶接条件に応じた所定のプログラムにより上部電極として働く溶接ガンを電子制御機構からの指令によって3次元方向に移動、昇降、加圧させて溶接打点を順次にスポット溶接するスポット溶接法において、溶接ガンを昇降自在に搭載した門型枠をテ−ブル電極の幅方向にわたってまたがせ、この門型枠をプログラムにしたがってテ−ブル電極上で縦方向に移動させる移動変位を検出して、これを溶接ガンのテ−ブル電極上の縦方向の移動変位として電子制御機構に入力する一方、門型枠に沿って移動する溶接ガンの移動変位を検出して、これを溶接ガンのテ−ブル電極上の横方向に移動変位として電子制御機構に入力して、溶接ガンをテ−ブル電極上に位置決めし、この位置決めされた溶接打点に向い、門型枠から電子制御機構からの指令により溶接ガンを下降させ、この加圧時の負荷電流が設定値に達したときに一つの溶接打点の溶接を完了することを特徴とする。
以上のとおり、本発明方法はこのように一方の電極を表面のいずれのところも下部電極として働く板状のテ−ブル電極から成って、上部電極として働く溶接ガンがその上を自由に移動できる。被溶接材をおいたままで自由にスポット溶接を打つことができる。また、溶接ガンは門型枠を介して移動又は下降し、この移動、下降はコンピュ−タなどの電子制御機構を介して自動的に達成できる。電子制御機構には被溶接材の材質、寸法などの溶接条件を組込んだプログラムからの指令によって溶接ガンが移動、下降、加圧し、板金加工分野におけるスポット溶接においてもロボット化が達成できる。
そこで、本発明の好適な一つの実施例について図面によって説明すると、つぎのとおりである。
なお、図1は本発明方法の一つの好適な実施態様のフロ−シ−トである。
図2は図1に示す本発明方法を実施する例の一つの説明図である。
図3は本発明方法によって一つの構造物の内部に存在する溶接打点を溶接する際の説明図である。
図4は図1に示す自動溶接機を方法を実施する溶接機の一つの端面からみた端面図である。
図5は図4に示す溶接機の平面図である。
図6は先に出願人が提案した従来例に係るスポット溶接機の説明図である。
まず、図1は先にのべたとおり、本発明方法の一つの態様を示すフロ−シ−トであって、符号100はこの方法によって溶接する際に使用されるスポット溶接機を一般的に示している。この符号100で示されるスポット溶接機の具体的な構造は図4および図5に示す通りである。このスポット溶接機100は例えばコンピュ−タなどの電子制御機構200に接続され、この電子制御機構200には後記の操作ボックス250を経て被溶接材の材質、板厚、加圧力その他の入力デ−タが入力されて演算処理され、それに基づくプログラムに従って電子制御機構200は作動して溶接ガン130に指令が送られ、それによって溶接ガン130は後記の門型枠120を介して3次元方向に移動又は昇降、さらに旋回し、操作ボックス250から材質や板厚などの入力デ−タを入力するだけで、ほとんど人手によることなく自動的に溶接される。
すなわち、電子制御機構200には、図1に示すとおり、操作ボックス250や手動操作ボックス260、さらに入力コンピュ−タ251などの入力部が接続され、これら入口部によって、予め、溶接すべき被溶接材の材質、形状、構造などのデ−タが入力され、それにもとずいてプログラムが作成され、記憶されている。溶接をはじめるときには、これらプログラムの中から溶接すべき材料の材質、厚さなどの溶接条件に合わせて選択されるプログラムや、電子制御機構200内での演算処理の結果として得られるプログラムに応じて溶接機100における溶接ガン130やそれを搭載する門型枠120の各起動モ−タ211、212、220、230、240を回転起動させる。この結果として溶接ガン130は、予め定めたとおり、移動、昇降、加圧し、人手によらずに順次に被溶接材Wの各溶接打点が順次に溶接される。
このような自動スポット溶接に使用されるスポット溶接機100は、図4および図5に示されるとおり、下部電極として働くテ−ブル電極110と上部電極として働く溶接ガン130とから成っている。テ−ブル電極110は、平坦な導電板(好ましくは、銅板あるいはその合金板)から成っており、このようなテ−ブル電極110の構造は図6に示す先に本発明者が提案したものと同等である。テ−ブル電極110はコントロ−ラ180を経た電源E(図5参照)の一方の極に接続され、表面全体が下部電極として働いている。一方、テ−ブル電極110上において溶接ガン130そのものを3次元方向に移動させることなく、テ−ブル電極110上に門型枠120を移動自在に配置させるのに対し、門型枠120を移動させ、門型枠120を介して溶接ガン130を3次元方向に移動自在に構成する。すなわち、テ−ブル電極110の上において幅方向にまたがって門型枠120が橋絡されるように設けられる。門型枠120に溶接ガン130を搭載し、この門型枠120の移動、又は変位を電子制御機構200内のプログラムにもとずく指令により制御して溶接ガン130の位置決めを行ない、溶接打点を順次に自動的に溶接する。図4に示す門型枠120はその一例である。アングル材を門型に枠組みして構成できるが、このように構成すると安定して溶接ガン130やその昇降モ−タなど保持でき、とくに、2つの門型枠を平行に並べこれを一体として走行できるようにも構成できる。後記の如く、テ−ブル電極110上においてその縦方向に走行できるように構成されているならば、門型枠120はいずれにも構成できる。
下部電極として働くテ−ブル電極110上において、上部電極として働く溶接ガン130は、テ−ブル電極110の縦、横ならびに高さの3つの方向、つまり3次元方向に移動させ、とくに、予めプログラム化した移動経路にしたがって所望の溶接打点のところに移動し、位置決めされる。位置決め後は、テ−ブル電極110と溶接ガン130との間に被溶接材Wをはさむように溶接ガン130を下降させ、加圧通電してスポット溶接する。このような3次元移動の目的だけを達成するのであれば、必ずしも門型枠120を介在させることなく、先に提案した溶接機のように、図6における溶接ガン130のように、旋回自在に連結されている支持ア−ム5の先端で溶接ガン130をつかみ支持ア−ム5を旋回させて溶接ガン130を移動させることによってもその目的は達成できる。あるいは、溶接ガンを支持する枠体をテ−ブル電極110上でけん引して移動できるように構成してもその目的が達成できる。しかし、このように構成すると、溶接ガンの附属設備、すなわち、大径で高重量の水冷ケ−ブルなどまでも移動させることになって、これらを正確に位置決めすることがきわめてむづかしい。このような欠点を解決する手段として、本発明方法においては、門型枠120を介在させ、介在させる門型枠120を縦移動方向に対し常に直交する状態に電子制御機構200により制御保持して縦移動させ、このような門型枠120の移動をベ−スとして溶接ガン130の移動を制御して溶接ガン130をテ−ブル電極110上で位置決めをする。
上部電極として働く溶接ガン130は門型枠120に搭載させ、門型枠120を溶接ガン130とともにテ−ブル電極110の幅方向にわたって平行に移動させる。すなわち、門型枠120のテ−ブル電極110上の縦方向移動変位を検出確認し、これを溶接ガン130のテ−ブル電極110上の縦方向の移動変位として電子制御機構200に与え、このようにして門型枠120の移動を制御する。
例えば、テ−ブル電極110上の表面の縦方向をX軸方向とすると、溶接ガン130が直接X軸方向に移動したX軸方向の移動した値としてそれを搭載する門型枠120の移動変位を入力する。このように取扱うのには、門型枠120が常に平行で同程度づつ移動されていることが必要である。この点についても、介在させる枠が2つの脚部をもつ門型であると、2つの脚部を個別的に例えばサ−ボモ−タにより駆動し、これらの駆動力、すなわち、サ−ボモ−タ間の回転角度の制御を電子制御機構200で所定の制御プログラムのもとで行なう。このため、支障なく門型枠120を平行かつ同程度づつ移動変位させることができる。
溶接ガン130は搭載される門型枠120が平行にX軸方向に横移動できることから、門型枠120に沿って移動する溶接ガン130はテ−ブル電極110の幅方向、すなわち、X軸に直交するY軸方向に移動することとなる。この門型枠120に沿って溶接ガン130が移動するY軸方向の移動変位を検出し、これを溶接ガンのテ−ブル電極上の横方向又は幅方向の移動変位としてみなすことができる。これを電子制御機構200に入力し、電子制御機構200において選択したプログラムによる設定値に基づいて溶接ガン130を位置決めすることができる。この位置決めされた溶接打点の溶接は電子制御機構200からの指令により開始され、溶接機100において溶接ガン130を下降させて開始され、溶接が終了すると溶接機100から完了信号が電子制御機構200に発せられる。それにもとずいて溶接ガン130は上昇し、次の溶接打点のところに移動し、溶接がくり返される。
なお、この場合、一つの溶接打点毎の溶接完了は、被溶接材の材質、形状などに応じた溶接条件毎に下降時の負荷にもとずく電流値に対応する基準値を設定しておき、この電流値の変化を電子制御機構200に入力しておくと、その値が予め設定した基準値に達したときに電子制御機構200からの指令により一つの溶接打点の溶接を完了させる。
以上のとおり、本発明方法では溶接ガン130をテ−ブル電極110上で被溶接材の材質などに応じて選択されるプログラムにより門型枠120を介して3次元移動させて、溶接打点を順次に溶接する。この溶接ガン130の移動に介在する門型枠120は、図4および図5に示すように構成することができる。
まず、門型枠120の縦方向の移動、X軸方向の移動は、縦方向移動装置160により行なう。溶接ガン130のY軸方向の移動は門型枠120上で横方向走行装置170より行なう。門型枠120に搭載される溶接ガン130は昇降加圧装置150より垂直、つまりZ軸方向に昇降する。また、溶接ガン130は旋回装置140により門型枠120上で旋回する。
要するに、溶接ガン130は、図1に示すように、電子制御機構200からの指令により、テ−ブル電極110上で2次元のX軸方向(テ−ブル電極110の長さ方向)およびY軸方向(テ−ブル電極110の幅方向)に移動するとともに、Z軸(テ−ブル電極110に対する垂直方向)に沿って昇降し、さらに、Z軸を中心としての旋回方向(溶接ガン130の回転C方向)に旋回する。
以上の通り、下部電極として働くテ−ブル電極110の上において電子制御機構200の記憶、処理、指定により門型枠120を介して溶接ガン130をX、YおよびZ軸方向に移動、Z軸を中心として回転自在させて溶接するが、溶接機100において、これらの移動、回転などの変位はサ−ボモ−タ211(X1軸の移動)、212(X2軸の移動)、220(Y軸の移動)、230(Z軸の移動)、240(Z軸を中心とする回転)によって達成される。なお、図1では、門型枠のX方向の移動は、上記のところから明らかなとおり、門型枠120の両脚部121、121で行なわれるため、これを2つに分けて示している。
また、図1において符号211、212、220、230、240はそれぞれ溶接機100の縦方向移動装置160(X軸方向)、横方向移動装置170(Y軸方向)、昇降加圧装置150(Z軸方向)、旋回装置140(Z軸を中心とする回転)を回転駆動する各サ−ボモ−タに対応して溶接機100の一部として設けられている。これらサ−ボモ−タの回転は電子制御機構200内の演算処理部などでの処理結果にもとずいてプログラム通りの回転数だけ各サ−ボモ−タは回転する。なお、これらサ−ボモ−タは回転力そのものが不足し易く、増幅などを行なって回転力を高めるのが好ましい。
また、電子制御機構200においてプログラムを組むに当って、材質、加圧力、厚さその外の溶接条件を入力させるために、入力手段として操作ボックス250や手動操作ボックス260、さらに入力手段の一つとしてのパ−ソナルコンピュ−タ251が接続されている。とくに、パ−ソナルコンピュ−タ251を入力手段として接続すると、例えば、3次元のキャドデ−タなどを電子制御機構200にそのまま読み込ませることができ、それによるプログラムにもとずいて順次に各溶接打点を順次に溶接できる。
また、図3に示すように、上部に張り出し部W1があり内部にも突出部があって内部に溶接打点がある被溶接材W、例えば枠体や箱などの容器がある。このような被溶接材Wは縦向き姿勢のままで棒状の溶接ガン130を下降させても、先端のチップがこの張り出し部W1に当って溶接できない。このような被溶接材Wであっても、溶接ガン130として、図3に示すように、一部に凹部133(コ字状凹部、その一部の図示は欠いている。)がある溶接チップ131を先端に具えるものを用いると溶接できる。すなわち、このような溶接ガン130であると、コ字状凹部133のところに被溶接材Wの張り出し部W1が吸収でき、図3のとおり、この部分に侵入させると、張り出し部W1によっておおわれている溶接打点も縦向き姿勢のままで溶接できる。このような溶接ガン130を用いる場合に、先端の溶接チップ131は溶接ガン130の軸心と一致させる必要があり、このような条件で加圧する場合には、加圧力を高めても支障がない。
以上のとおり、本発明法によると、入力部からのデ−タ入力により自動的にほとんど人手によることなく溶接できるが、その一例を挙げると、図2に示すとおりである。
まず、図2に示す被溶接材Wは図3で断面構造の一部が示されるものである。この被溶接材Wは枠組構造物で、この被溶接材Wは中央の開放部W2が開放され、この中央の開放部W2は先にのべた鋼板などを折り曲げた張り出し部W1に囲まれ、張り出し部W1によりわく取りされている。この構造の立体構造物、つまり、箱又は型枠を溶接するときには、テ−ブル電極110上におき、予め溶接ガン130の先端の溶接チップ131を凹部133のところに図3に示すように張り出し部W1を侵入させてその下の溶接打点の位置に当てながら順次に移動させる。このような各溶接打点の位置情報を電子制御機構200に入力し、溶接チップ131の移動軌跡と併せてプログラム化し記憶させる。すなわち、各溶接打点ごとに溶接ガン130を順次に移動させ、コ−ナ部に達したときに旋回させ、各溶接打点の位置情報(X軸、Y軸の変位、さらにZ軸を中心とする回転角)などからなる溶接ガンの移動軌跡のプログラムを操作ボックス250を介し、電子制御機構200に入力しておく。
続いて、この入力デ−タにもとずくプログラムを記憶し、これによって順次に溶接ガン130を移動させて順次に溶接打点で溶接する。コ−ナ部に達したときにはプログラムにもとずいて溶接ガン130を回転して方向を変えることになり、溶接打点列を順次に溶接する。
このような情報にもとずくプログラムは被溶接材Wの形状や構造がその変化が大きく複雑になる。予め手動操作によってその形状に応じて溶接打点をトレ−スすることもできるが、形状の定まった箱などの容器はコンピュ−タ251に読み込ませてある3次元のキャドデ−タをそのまま入力でき、このようにすると、溶接作業の一層のロボット化も達成できる。
すなわち、複数の溶接を連続的に達成するのには、図示は省略するが、テ−ブル電極110上に設けられているX軸およびY軸の両方向の基準スケ−ルに被溶接材Wを位置合わせする。この位置合わせしたプログラムの移動軌跡に基づいて溶接ガン130を連続的に移動させて複数の被溶接物の溶接を達成できる。
更に、形状などの異なる被溶接物の溶接を同時に達成するときには、個々の被溶接物についてプログラムを予め作成し、これらを集合させてテ−ブル電極110上の位置情報をとって、これらを全体としてプログラム化し、これによって順次に溶接ガン130を移動させて溶接することもできる。
なお、溶接に当って、溶接ガン130による被溶接材Wへの加圧と併せて昇降を達成する昇降加圧装置150は、図4に示すように、旋回装置140と一体化させて構成し、昇降モ−タ151にボ−ルナット機構152を介して、昇降モ−タ151の回転により溶接ガン130が昇降加圧できるように構成することもできる。また、昇降モ−タ151に代って直接エア−シリンダ(図示せず)から構成することもできるが、昇降モ−タ151であると、先に説明したとおり、加圧時の負荷が昇降モ−タ151の電流量の推移として検出でき、溶接の自動化が容易に達成できる。
また、旋回装置140の中にサ−ボモ−タ240を設け、これによって溶接ガン130が中心軸芯を中心として旋回できるように構成できる。
テ−ブル電極110は平坦な銅又はその合金の導電材料からなる板状材である。これには溶接電源170の一方の極に接続し、下部電極として働く。テ−ブル電極110は板状のシ−ト状であり、シ−ト電極ともいわれ、全表面が電極として働くところに特徴がある。それ故に、その上においてX、Y、Z軸のほかにその溶接ガン130自体を自由に旋回でき、定置式スポット溶接機では不可能といわれた自動化、ロボット化が達成できる。
すなわち、元来板金加工などで金属容器の接合には、棒状の溶接ガンを下向きに押圧して各溶接打点を溶接することが行なわれている。このところを機械化するために先に提案したスポット溶接機では棒状の溶接ガンを伸縮自在の支持ア−ムに組み込んだものを提案している。しかし、この支持ア−ムではその伸縮を自動化又はロボット化することは機構的にも構造的にも複雑になり、その改善が求められている。
このところから、本発明方法は、テ−ブル電極110が板状のシ−ト状電極とし、これを下部電極として働かさせることを前提とし、このテ−ブル電極110に門型枠120を介在させ、この門型枠120は縦方向移動装置160によってテ−ブル電極110の長さ方向に移動させるようにする。この長さ方向に移動する門型枠120には、テ−ブル電極110との間で被溶接材Wをはさみ上部電極として働く溶接ガン130が取付けられている。
要するに、門型枠120の介在により、それを利用して溶接ガン130の3次元移動のプログラム化が達成できる。
以上のとおり、一般に板金加工といわれる分野で広く利用できるものであり、なかでも、構造、形状が入り組んだ構造物の製造過程でその接合するスポット溶接の分野で利用できる。
本発明方法の一つの好適な実施態様のフロ−シ−トである。 図1に示す本発明方法を実施する例の一つの説明図である。 本発明方法によって一つの構造物の内部に存在する溶接打点を溶接する際の説明図である。 図1に示す自動溶接機を方法を実施する溶接機の一つの端面からみた端面図である。 図4に示す溶接機の平面図である。 先に出願人が提案した従来例に係るスポット溶接機の説明図である。
符号の説明
100 スポット溶接機
110 テ−ブル電極
120 門型枠
130 溶接ガン
180 コントロ−ラ
200 電子制御機構
E 電源

Claims (5)

  1. 下部電極として働く固定したテ−ブル電極上において、溶接すべき溶接打点の位置および溶接条件に応じた所定のプログラムにより上部電極として働く溶接ガンを電子制御機構からの指令によって3次元方向に移動、昇降、加圧させて溶接打点を順次にスポット溶接するスポット溶接法において、
    前記溶接ガンを昇降自在に搭載した門型枠を前記テ−ブル電極の幅方向にわたってまたがせ、この門型枠を前記プログラムにしたがって前記テ−ブル電極上で縦方向に移動させる移動変位を検出して、これを前記溶接ガンの前記テ−ブル電極上の縦方向の移動変位として前記電子制御機構に入力する一方、前記門型枠に沿って移動する前記溶接ガンの移動変位を検出して、これを前記溶接ガンの前記テ−ブル電極上の横方向に移動変位として前記電子制御機構に入力して、前記溶接ガンを前記テ−ブル電極上に位置決めし、この位置決めされた溶接打点に向い、前記門型枠から前記電子制御機構からの指令により前記溶接ガンを下降させ、この加圧時の負荷電流が設定値に達したときに一つの溶接打点の溶接を完了することを特徴とする自動スポット溶接方法。
  2. 前記テ−ブル電極の縦方向に走行する前記門型枠においてその両脚部を個々にサ−ボモ−タによって駆動走行させる一方、これらサ−ボモ−タの回転数を個々に前記電子制御機構に入力させ、前記電子制御機構においてこの入力デ−タにもとずいて演算処理して前記門型枠に前記テ−ブル電極の縦方向に直交する横方向と一致して移動するよう制御信号を送ることを特徴とする請求項1記載の自動スポット溶接方法。
  3. 前記棒状ガンがその軸線を中心として回転する回転角度を前記電子制御機構に入力し、溶接打点の一つの位置情報とすることを特徴とする請求項1又は2記載の自動スポット溶接方法。
  4. 溶接に先立って前記テ−ブル電極の上に被溶接材をのせて、その形状、構造に合わせて溶接ガンを手動により移動させて所望の溶接打点を通過する移動経路を入力することを特徴とする請求項1、2又は3記載の自動スポット溶接方法。
  5. 一つの溶接打点の溶接における加圧時の負荷電流が設定値に達したとき完了信号を前記電子制御機構に送ることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の自動スポット溶接方法。
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