JP2007256944A - トナーおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機感光体とトナーとの摩擦係数を規定することにより、有機感光体へのトナー成分が付着せず、良好な感光体表面を維持でき、長期使用において安定した画質を保持できるトナーを提供することである。
【解決手段】潜像担持体として有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを備えた画像形成装置に使用するトナーであって、前記有機感光体とトナーとの摩擦係数が0.30〜0.65である。前記トナーは表面上に無機微粒子を少なくとも1つ以上含み、その無機微粒子の1つはシリカである。
【選択図】なし
【解決手段】潜像担持体として有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを備えた画像形成装置に使用するトナーであって、前記有機感光体とトナーとの摩擦係数が0.30〜0.65である。前記トナーは表面上に無機微粒子を少なくとも1つ以上含み、その無機微粒子の1つはシリカである。
【選択図】なし
Description
本発明は、複写機、プリンターやファクシミリに好適に用いられるトナーおよび画像形成装置に関する。
近年、有機感光体はセレン系感光体、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体に比して素材の選択の幅が広いこと、環境適性に優れていること、生産コストが安いことなど他の感光体に対して多くの有利な点があるため、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。しかし、機械的強度が弱く異物が付着しやすいこと、化学的な耐久性が弱く、多数枚の印刷時に感光体の静電特性の劣化や、感光体表面の擦過傷の発生などの欠点もある。
したがって、有機感光体は、該感光体上に形成されたトナー像を紙等の転写材に転写する時や感光体上の残留トナーをクリーニングする時等に加えられる機械的な外力で発生する表面の異物付着やキズに対する耐久性が要求されている。
すなわち、クリーニング手段などによる接触摩擦に対する耐摩耗性が十分でなく、多数枚の印刷などで感光体表面層が摩耗されていくと、感光体表面に筋状の擦り傷が発生し、またトナー成分のシリカ等の無機外添剤が付着して、有機感光体の表面がこれら外添剤成分で汚染されて、ダッシュマーク(小さなすじ状の黒点)が発生しやすく、ハーフトーン画像が荒れた画像になりやすいといった問題がある。
そこで、上記の問題を解決するために、トナーと感光体との摩擦係数を制御する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。特許文献1,2では、トナーと感光体との摩擦係数を制御するためにトナーの円形度を調整することによりトナーの動摩擦係数を規定する方法が提案されている。また、特許文献3,4では、感光体の偏摩耗の発生を抑えるために、トナー表面の外添剤に影響されるトナー動摩擦係数を所定の範囲の値とする方法が提案されている。しかしながら、例えば、特許文献3では、前記摩擦係数はトナーをペレット状にしたサンプルを用いて測定したものであり、また特許文献5では、摩擦係数として動摩擦係数ではなく静止摩擦係数により規定しており、必ずしも実際のプリンター内での状態を反映したものではなく、長期使用においては感光体の耐摩耗性には問題がある。
また、有機感光体ドラムを搭載した画像形成装置において、外添剤としてトナーの流動性向上のための小粒子径シリカや研摩効果を持たせるための低抵抗酸化チタンを用いた場合に、ダッシュマークが発生するといった問題がある。これは、有機感光体ドラム表面に低抵抗酸化チタンを含むトナー成分が付着すると、トナー付着部では非印字部であっても電荷がリークしてしまい、白紙部に黒点画像が発生すると考えられ、また、小粒子径のシリカは、クリーニングブレードをすり抜けやすく、すり抜ける際にトナーも進入し、ブレードの圧接力により感光体表面にそのトナーが付着するということが原因と考えられる現象である。
本発明の主たる課題は、有機感光体へトナー成分が付着せず、良好な感光体表面を維持でき、長期使用において安定した画質を保持できるトナーを提供することである。
本発明の主たる課題は、有機感光体へトナー成分が付着せず、良好な感光体表面を維持でき、長期使用において安定した画質を保持できるトナーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機感光体との摩擦係数が所定の範囲内にあるトナーを用いることにより、長期使用においても良好な感光体の表面を維持できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のトナーは、潜像担持体としての有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを備えた画像形成装置に使用され、前記有機感光体との摩擦係数が0.30〜0.65である。
本発明の画像形成装置は、潜像担持体として有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを含み、前記した有機感光体との摩擦係数が0.30〜0.65であるトナーを用いる。
本発明の画像形成装置は、潜像担持体として有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを含み、前記した有機感光体との摩擦係数が0.30〜0.65であるトナーを用いる。
本発明によれば、上記のように有機感光体と、クリーニングブレードとを含む画像形成装置に使用するトナーの有機感光体との摩擦係数を前記した範囲に規定されることにより、有機感光体表面へのトナー成分の付着がなく、長期に亘って良好な感光体表面を維持することができ、安定した画質を出力することができる。
以下に、本発明に係るトナーについて詳細に説明をする。
本発明のトナーは、上記したように、潜像担持体として有機感光体を用い、転写工程後に前記感光体上に残留したトナーをクリーニングブレードで除去する工程を備える画像形成装置に使用され、前記感光体との摩擦係数が0.30〜0.65である。
前記有機感光体と前記トナーとの摩擦係数が0.30未満であると、感光体に対する研摩効果が低下するため、感光体表面に凹凸が残り、ダッシュマークが発生しやすくなる。また0.65を超えると、トナーはクリーニングブレードをすり抜けやすくなり、ブレードに圧接されて感光体表面に付着しやすくなる。
本発明のトナーは、前記トナー表面上に外添剤として無機微粒子を少なくとも1つ以上含んでいるのがよい。無機微粒子としては、例えばシリカが挙げられる。
感光体との摩擦係数を上記範囲に設定するうえで、外添剤として添加するシリカと前記有機感光体との摩擦係数は0.4〜0.75であるのが好ましい。すなわち、外添剤はトナーの表面に存在しているために、感光体との摩擦係数に大きな影響を有し、特にシリカは、酸化チタンなどの他の外添剤に比べてトナー表面の被覆率が高いことが多いため、感光体との摩擦係数を決定する最も大きな要因となりうる。
すなわち、有機感光体と前記トナーとの摩擦係数を前記範囲内に設定するためには、シリカと有機感光体との摩擦係数が前記範囲内にあるのが好ましく、そのためには使用するシリカの粒径(平均凝集粒子径およびその標準偏差)、シリカの表面処理およびシリカ添加量を後述する範囲内にあるように調整することが好ましい。
本発明のトナーは、上記したように、潜像担持体として有機感光体を用い、転写工程後に前記感光体上に残留したトナーをクリーニングブレードで除去する工程を備える画像形成装置に使用され、前記感光体との摩擦係数が0.30〜0.65である。
前記有機感光体と前記トナーとの摩擦係数が0.30未満であると、感光体に対する研摩効果が低下するため、感光体表面に凹凸が残り、ダッシュマークが発生しやすくなる。また0.65を超えると、トナーはクリーニングブレードをすり抜けやすくなり、ブレードに圧接されて感光体表面に付着しやすくなる。
本発明のトナーは、前記トナー表面上に外添剤として無機微粒子を少なくとも1つ以上含んでいるのがよい。無機微粒子としては、例えばシリカが挙げられる。
感光体との摩擦係数を上記範囲に設定するうえで、外添剤として添加するシリカと前記有機感光体との摩擦係数は0.4〜0.75であるのが好ましい。すなわち、外添剤はトナーの表面に存在しているために、感光体との摩擦係数に大きな影響を有し、特にシリカは、酸化チタンなどの他の外添剤に比べてトナー表面の被覆率が高いことが多いため、感光体との摩擦係数を決定する最も大きな要因となりうる。
すなわち、有機感光体と前記トナーとの摩擦係数を前記範囲内に設定するためには、シリカと有機感光体との摩擦係数が前記範囲内にあるのが好ましく、そのためには使用するシリカの粒径(平均凝集粒子径およびその標準偏差)、シリカの表面処理およびシリカ添加量を後述する範囲内にあるように調整することが好ましい。
前記シリカは凝集粒子からなり、その平均凝集径が30〜200nmで、かつその粒子径分布の標準偏差が65nm以下であるのが好ましい。このような凝集シリカ粒子の平均凝集径が30nm未満であると、トナーと感光体との摩擦係数が大きくなりトナーがクリーニングブレードをすり抜けやすくなり、そのため感光体に付着しやすくなる。一方、200nmを超えると逆に摩擦係数が小さくなり感光体に対する研摩効果が低下し、ダッシュマークの発生が起こりやすい。また、前記標準偏差が65nmを超えると、粒子径分布が広がり小粒子径のシリカの割合が増加し摩擦係数が大きくなる傾向になるので好ましくない。
前記シリカ(凝集シリカ粒子)のトナー表面への添加量は、添加する前のトナー量に対して0.5〜2.5質量%であるのが好ましい。前記凝集シリカ粒子の総量が0.5質量%未満であると、トナー粒子に対する被覆率が減少しすぎてトナー帯電量が過帯電となりチャージアップしやすくなる。また、流動性が低下するためクリーニングブレードで滞留する割合が増しブレードをすり抜ける確率が高くなることが考えられ、このためトナーの感光体への付着をもたらす。また、前記凝集シリカ粒子の総量が2.5質量%を超えると、トナーと感光体との摩擦係数が大きくなり、トナーがクリーニングブレードをすり抜けやすくなって、感光体に付着しやすくなる。
ここで、前記トナーと感光体との摩擦係数の測定方法は、実際の画像形成装置内で使用される状態に近い形で測定するのがよい。例えば、シリカなどの外添剤を添加したトナーを平らな板の上に薄い層を成して形成し、その上に感光体を置く。そして該感光体の両端のシャフトに垂直方向に所定の荷重をかけ、該感光体を水平方向にバネばかりで引くことによりトナーと感光体との動摩擦係数を測定することができる。
本発明に使用される凝集シリカ粒子は、環状シラザンで表面処理されているのが好ましい。環状シラザンを用いることにより、シリカ表面が均一に表面処理され、良好な帯電性および流動性を保持することができる。
環状シラザン化合物としては、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R1及びR2は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよびアリールオキシから選ばれる少なくとも1種を有し、R3は、水素、(CH2)nCH3、C(O)(CH2)nCH3,C(O)NH2、C(O)NH(CH2)nCH3、およびC(O)N[(CH2)nCH3](CH2)mCH3(式中、nおよびmは、0〜3の整数である)、R4は、[(CH2)a(CHX)b(CHY)c](式中、X、YおよびZは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよびアリールオキシから選ばれる少なくとも1種を有し、a、bおよびcは、a+b+cが2〜6の間の整数に等しいという条件を満たす0〜6の整数である)により表される。)なお、環状シラザン処理されたシリカなどの金属酸化物は、特開平10-330115号公報に記載されている。
環状シラザン化合物としては、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
(トナーの製造方法)
本発明で用いられるトナーは、所定量の結着樹脂に、離型剤、着色剤および電荷制御剤を添加し、それをヘンシェルミキサーなどの混合装置で攪拌混合して得ることができる。前記攪拌混合して得られる混合物を二軸押出機などで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルやジェットミルなどの粉砕機で粉砕する。次に、風力分級機などの分級機を用いて、分級した後、所定の大きさの粒径のトナー粒子を得る。次に、得られたトナー粒子に対して、所定量の前記外添剤を添加し、ヘンシェルミキサーなどの混合装置で撹拌混合して製造することができる。
本発明で用いられるトナーは、所定量の結着樹脂に、離型剤、着色剤および電荷制御剤を添加し、それをヘンシェルミキサーなどの混合装置で攪拌混合して得ることができる。前記攪拌混合して得られる混合物を二軸押出機などで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルやジェットミルなどの粉砕機で粉砕する。次に、風力分級機などの分級機を用いて、分級した後、所定の大きさの粒径のトナー粒子を得る。次に、得られたトナー粒子に対して、所定量の前記外添剤を添加し、ヘンシェルミキサーなどの混合装置で撹拌混合して製造することができる。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、特に限定はなく、例えばスチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。もちろん、必要により、これらの樹脂にその他の樹脂を併用する、またはこれらの樹脂を2種以上用いてもよい。
前記結着樹脂としては、特に限定はなく、例えばスチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。もちろん、必要により、これらの樹脂にその他の樹脂を併用する、またはこれらの樹脂を2種以上用いてもよい。
上記スチレン−アクリル樹脂の基体となる単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
上記各種単量体の混合物は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法で重合し、本発明で使用する結着樹脂とすることができる。かかる重合に際し、使用できる重合開始剤としては過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の重合開始剤を使用することができる。これら重合開始剤は単量体総重量に対して0.1〜15質量%の範囲で使用するのが好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものであって、多価カルボン酸類としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、メチルメジック酸等の脂環式ジカルボン酸;これらカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用される。
ここで3価以上の成分の含有量は架橋度に依存し、所望の架橋度とするためにはその添加量を調整すればよい。一般的には、3価以上の成分の含有量は15mol%以下が好ましい。
ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族多価アルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、分子量の調整や反応の制御を目的として、モノカルボン酸、モノアルコールを必要により使用してもよい。モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸、トルエンカルボン酸、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸及びステアリン酸等が挙げられる。モノアルコールとしては、ベンジルアルコール、トルエン−4−メタノール、シクロヘキサンメタノールなどのモノアルコールが挙げられる。
結着樹脂のガラス転移温度は、54〜62℃の範囲のものが好ましい。ガラス転移温度が54℃未満の場合、現像装置やトナーカートリッジ内で固まるおそれがあり、他方62℃を超える場合、紙などの被転写物にトナーが十分に定着しないことがあるからである。
(離型剤)
離型剤としては、例えば、各種ワックス類、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス、低分子量オレフィン系樹脂などを使用することができる。ワックス類としては、例えば脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の高級アルコールエステル、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物、天然ワックスなどが挙げられる。低分子量オレフィン系樹脂としては、例えば、数平均分子量が1,000〜10,000、特に2,000〜6,000の範囲にあるポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等が挙げられる。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましい。
離型剤としては、例えば、各種ワックス類、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス、低分子量オレフィン系樹脂などを使用することができる。ワックス類としては、例えば脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の高級アルコールエステル、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物、天然ワックスなどが挙げられる。低分子量オレフィン系樹脂としては、例えば、数平均分子量が1,000〜10,000、特に2,000〜6,000の範囲にあるポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等が挙げられる。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましい。
(着色剤)
磁性トナーにおいては、磁性粉によりトナー色彩は黒になるので、黒色トナーとして用いる場合には一般に着色剤を用いる必要がないが、着色補強としてアセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラックをトナー粒子中に分散混合しても構わない。この場合の着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましい。
磁性トナーにおいては、磁性粉によりトナー色彩は黒になるので、黒色トナーとして用いる場合には一般に着色剤を用いる必要がないが、着色補強としてアセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラックをトナー粒子中に分散混合しても構わない。この場合の着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、これまで公知の電荷制御剤を使用できる。正帯電性電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等が挙げられる。負帯電性電荷制御剤としては、例えば、オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等が挙げられる。電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましい。
電荷制御剤としては、これまで公知の電荷制御剤を使用できる。正帯電性電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等が挙げられる。負帯電性電荷制御剤としては、例えば、オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等が挙げられる。電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましい。
(磁性粉)
本発明のトナーは磁性1成分トナーであるのが好ましい。トナーを磁性トナーとする場合、トナーに磁性粉を用いる。磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトを初めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1μm、特に0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で、上述した結着樹脂中に均一に分散される。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
また磁性粉は、トナー中に30〜60質量部、特に45〜55質量部の量で含有されていることが好ましい。上記範囲よりも多量に磁性粉を用いると、画像濃度の耐久性が悪くなり、また、定着性が極度に低下する傾向があり、上記範囲よりも少量では、画像濃度耐久性におけるカブリが悪くなってしまう。
ただし、本発明で用いる磁性粉は形状は特に規定しないが、含有される磁性粉の形状を球形ではなくエッジを有した多面体(8面体、6面体など)であると、トナー表面からその磁性粉の一角もしくは複数の角が露出していることが期待でき、さらに、磁性粉含有量は40〜55質量%の範囲に入ることでより効果的に、ブレードエッジに溜まるトナー電位がブレードとの摩擦帯電により感光体の絶縁破壊電位に至る前に、磁性粉のエッジより徐々に滞留トナーの電荷を放電していく効果を得ることができる。
磁性粉の形状の観察においては、必要に応じて、透過型電子顕微鏡(TEM)H−700H、H−800、H−7500(いずれも日立製作所製)または走査型電子顕微鏡(SEM)S−800またはS−4700(いずれも日立製作所製)を用い、20000倍から200000倍で撮影し、1〜10倍の焼き付け倍率として、任意の倍率で試料を観察することができる。
本発明のトナーは磁性1成分トナーであるのが好ましい。トナーを磁性トナーとする場合、トナーに磁性粉を用いる。磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトを初めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1μm、特に0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で、上述した結着樹脂中に均一に分散される。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
また磁性粉は、トナー中に30〜60質量部、特に45〜55質量部の量で含有されていることが好ましい。上記範囲よりも多量に磁性粉を用いると、画像濃度の耐久性が悪くなり、また、定着性が極度に低下する傾向があり、上記範囲よりも少量では、画像濃度耐久性におけるカブリが悪くなってしまう。
ただし、本発明で用いる磁性粉は形状は特に規定しないが、含有される磁性粉の形状を球形ではなくエッジを有した多面体(8面体、6面体など)であると、トナー表面からその磁性粉の一角もしくは複数の角が露出していることが期待でき、さらに、磁性粉含有量は40〜55質量%の範囲に入ることでより効果的に、ブレードエッジに溜まるトナー電位がブレードとの摩擦帯電により感光体の絶縁破壊電位に至る前に、磁性粉のエッジより徐々に滞留トナーの電荷を放電していく効果を得ることができる。
磁性粉の形状の観察においては、必要に応じて、透過型電子顕微鏡(TEM)H−700H、H−800、H−7500(いずれも日立製作所製)または走査型電子顕微鏡(SEM)S−800またはS−4700(いずれも日立製作所製)を用い、20000倍から200000倍で撮影し、1〜10倍の焼き付け倍率として、任意の倍率で試料を観察することができる。
(外添剤)
外添剤としては、トナーの帯電制御性や流動性などを調整するために、上記したシリカの他に、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用することができる。前記外添剤の添加量は、トナー粒子当たり0.1〜5.0質量%の範囲が好ましい。当該外添剤とトナー粒子との混合は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー等を用いて行うことができる。
また、前記無機微粉末の表面は、未処理であっても良く、また必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシランカップリング剤、アミノシラン、シリコーンオイル、またはチタネートカップリング剤により表面処理されていても良い。
外添剤としては、トナーの帯電制御性や流動性などを調整するために、上記したシリカの他に、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用することができる。前記外添剤の添加量は、トナー粒子当たり0.1〜5.0質量%の範囲が好ましい。当該外添剤とトナー粒子との混合は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー等を用いて行うことができる。
また、前記無機微粉末の表面は、未処理であっても良く、また必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシランカップリング剤、アミノシラン、シリコーンオイル、またはチタネートカップリング剤により表面処理されていても良い。
シランカップリング剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン(例えば、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、エトキシトリメチルシラン等);オルガノクロルシラン(例えば、トリクロルメチルシラン、ジクロルジメチルシラン、クロルトリメチルシラン、トリクロルエチルシラン、ジクロルジエチルシラン、クロルトリエチルシラン、トリクロルフェニルシラン等);オルガノシラザン(例えば、トリエチルシラザン、トリプロピルシラザン、トリフェニルシラザン等);オルガノジシラザン(例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン等);その他オルガノシラン等が挙げられる。これらは単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。上記のシランカップリング剤の中でも、オルガノクロルシラン、オルガノシラザン、オルガノジシラザンが好適に使用される。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。必要に応じて、架橋剤や熱処理により、上記のシリコーンオイルを硬化させてもよい。上記のシリコーンオイルの中でも、ジメチルシリコーンオイルが好適に使用される。
チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリクルミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。上記のチタネートカップリング剤の中でも、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが好適に使用される。
上記の表面処理剤の使用量は、外添剤100重量部に対して、0.05〜20重量部が好ましい。
(画像形成装置)
本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる画像形成装置の概略構成を示す。本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、潜像担持体である有機感光体ドラム10と、有機感光体ドラム10の表面に接触して帯電電圧を印加する接触帯電部材である帯電ローラ11と、有機感光体ドラム10の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段(図示せず)と、有機感光体ドラム10上の静電潜像に所定の極性の帯電トナーを付着させてトナー画像を形成する現像スリーブ12a等の現像手段12と、給紙および搬送手段13によって給紙・搬送された転写材16に転写電圧を印加して、有機感光体ドラム10上のトナー画像を転写材16に転移させる接触転写ローラ等の転写部材14と、潜像担持体10上に残留した未転写のトナーを回収する潜像担持体清掃手段15(クリーニングブレード15a)とを備えている。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる画像形成装置の概略構成を示す。本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、潜像担持体である有機感光体ドラム10と、有機感光体ドラム10の表面に接触して帯電電圧を印加する接触帯電部材である帯電ローラ11と、有機感光体ドラム10の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段(図示せず)と、有機感光体ドラム10上の静電潜像に所定の極性の帯電トナーを付着させてトナー画像を形成する現像スリーブ12a等の現像手段12と、給紙および搬送手段13によって給紙・搬送された転写材16に転写電圧を印加して、有機感光体ドラム10上のトナー画像を転写材16に転移させる接触転写ローラ等の転写部材14と、潜像担持体10上に残留した未転写のトナーを回収する潜像担持体清掃手段15(クリーニングブレード15a)とを備えている。
有機感光体ドラム10は、導電性基体と、この基体表面に設けられ少なくとも電荷発生剤および電荷輸送剤を含有する感光層とからなる。また、感光層の表面に保護層が設けられていてもよい。導電性基体としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。
感光層は、単層型と積層型とが知られており、本発明ではいずれのタイプの有機感光体も使用可能である。
単層型電子写真感光体は、公知の電荷発生剤、電子輸送剤、バインダ樹脂、必要に応じて正孔輸送剤や他の添加剤を適当な溶剤と共に混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。乾燥後の感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmであるのがよい。
積層型感光体とする場合は、公知の電荷発生剤および電荷輸送剤(電子輸送剤または正孔輸送剤)をそれぞれ適当なバインダ樹脂および溶剤と共に混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。乾燥後の各層の厚さは、電荷発生層で0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層で2〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよい。積層順序は特に限定されない。
なお、具体的には特開2005−55870に開示された有機感光体を使用することができる。従って、特開2005−55870の記載内容は、本明細書の一部をなすものである。
画像形成時は、有機感光体ドラム10が接触帯電部材11によって一様に帯電され、露光装置から有機感光体ドラム10の表面上にレーザービーム等が照射されて静電潜像が形成される。即ち、光照射部の電位が低下し、静電潜像が形成されるわけである。現像装置12は、有機感光体ドラム10と対向配置された回転自在な現像スリーブ12aを備えており、現像スリーブ12a表面に担持された現像剤(トナー)を潜像担持体ドラム10表面の静電潜像に付着させてトナー像として現像(可視像化)するものである。即ち、現像装置12内の現像剤は、攪拌部材によって攪拌され、有機感光体ドラム10の帯電極性と同極性に摩擦帯電されて現像スリーブ12a側に搬送される。現像スリーブ12aは、有機感光体ドラム10に対して所定のギャップを設けて配置され、現像スリーブ12a表面の現像剤は規制ブレードにより層厚規制を受けて所定層厚に形成される。そして、現像スリーブ12aに現像バイアスを印加することにより、帯電トナーが前述した画像露光によって電位が低下した部分に付着することにより、有機感光体ドラム10表面にトナー像が形成されることとなる。このトナー像は、接触転写ローラ14により、給紙・搬送された転写材16に転写電圧が印加され、有機感光体ドラム10上のトナー像が転写材16に転写される。有機感光体ドラム10上の残留トナーは、クリーニングブレード15aにより除去され回収される。
感光層は、単層型と積層型とが知られており、本発明ではいずれのタイプの有機感光体も使用可能である。
単層型電子写真感光体は、公知の電荷発生剤、電子輸送剤、バインダ樹脂、必要に応じて正孔輸送剤や他の添加剤を適当な溶剤と共に混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。乾燥後の感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmであるのがよい。
積層型感光体とする場合は、公知の電荷発生剤および電荷輸送剤(電子輸送剤または正孔輸送剤)をそれぞれ適当なバインダ樹脂および溶剤と共に混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。乾燥後の各層の厚さは、電荷発生層で0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層で2〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよい。積層順序は特に限定されない。
なお、具体的には特開2005−55870に開示された有機感光体を使用することができる。従って、特開2005−55870の記載内容は、本明細書の一部をなすものである。
画像形成時は、有機感光体ドラム10が接触帯電部材11によって一様に帯電され、露光装置から有機感光体ドラム10の表面上にレーザービーム等が照射されて静電潜像が形成される。即ち、光照射部の電位が低下し、静電潜像が形成されるわけである。現像装置12は、有機感光体ドラム10と対向配置された回転自在な現像スリーブ12aを備えており、現像スリーブ12a表面に担持された現像剤(トナー)を潜像担持体ドラム10表面の静電潜像に付着させてトナー像として現像(可視像化)するものである。即ち、現像装置12内の現像剤は、攪拌部材によって攪拌され、有機感光体ドラム10の帯電極性と同極性に摩擦帯電されて現像スリーブ12a側に搬送される。現像スリーブ12aは、有機感光体ドラム10に対して所定のギャップを設けて配置され、現像スリーブ12a表面の現像剤は規制ブレードにより層厚規制を受けて所定層厚に形成される。そして、現像スリーブ12aに現像バイアスを印加することにより、帯電トナーが前述した画像露光によって電位が低下した部分に付着することにより、有機感光体ドラム10表面にトナー像が形成されることとなる。このトナー像は、接触転写ローラ14により、給紙・搬送された転写材16に転写電圧が印加され、有機感光体ドラム10上のトナー像が転写材16に転写される。有機感光体ドラム10上の残留トナーは、クリーニングブレード15aにより除去され回収される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。特に、以下の実施例においては、トナーを磁性1成分現像剤として用いているが、本発明はトナーとキャリアーとからなる2成分現像剤でも問題なく適用可能である。
[実施例1](トナーの製造)
結着樹脂としてのスチレン−アクリル共重合体49質量部、磁性粉(戸田工業株式会社製マグネタイト)45質量部、正電荷制御剤として4級アンモニウム塩(ボントロンP−51:オリエント化学工業株式会社製)3質量部、離型剤としてのフィッシャートロプシュワックス(H1:サゾール社製)3質量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、2軸押出機を用いて混練して冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の平均粒子径が8.0μmである磁性トナーを作製した。
そして、このトナー粒子100重量部に、環状シラザンで表面処理をしたシリカ(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製、TG−820)1.0重量部と、酸化チタン(チタン工業社製、EC−100)2.0重量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、本発明のトナーを作製した。
結着樹脂としてのスチレン−アクリル共重合体49質量部、磁性粉(戸田工業株式会社製マグネタイト)45質量部、正電荷制御剤として4級アンモニウム塩(ボントロンP−51:オリエント化学工業株式会社製)3質量部、離型剤としてのフィッシャートロプシュワックス(H1:サゾール社製)3質量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、2軸押出機を用いて混練して冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の平均粒子径が8.0μmである磁性トナーを作製した。
そして、このトナー粒子100重量部に、環状シラザンで表面処理をしたシリカ(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製、TG−820)1.0重量部と、酸化チタン(チタン工業社製、EC−100)2.0重量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、本発明のトナーを作製した。
(感光体の作成)
有機感光体として、特開2005−55870の実施例1に開示された単層型有機感光体を調整した。具体的には、第1の電子輸送材料として、式(1)で表されるET−1を20重量部と、第2の電子輸送材料として、式(3)で表されるET´−3を15重量部と、正孔輸送材料として、式(14)で表されるスチルベン誘導体を50重量部と、電荷発生剤として、式(7)で表されるX型無金属フタロシアニン(CG1−1)を2.7重量部と、結着樹脂として、式(15)で表されるポリカーボネート樹脂100重量部と、を溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部に対して添加した。次いで、ボールミルを用いて50時間混合分散して、単層型感光層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布した後、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
有機感光体として、特開2005−55870の実施例1に開示された単層型有機感光体を調整した。具体的には、第1の電子輸送材料として、式(1)で表されるET−1を20重量部と、第2の電子輸送材料として、式(3)で表されるET´−3を15重量部と、正孔輸送材料として、式(14)で表されるスチルベン誘導体を50重量部と、電荷発生剤として、式(7)で表されるX型無金属フタロシアニン(CG1−1)を2.7重量部と、結着樹脂として、式(15)で表されるポリカーボネート樹脂100重量部と、を溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部に対して添加した。次いで、ボールミルを用いて50時間混合分散して、単層型感光層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布した後、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
(トナー粒子径測定)
トナー粒子の体積平均粒子径の測定は、ベックマン・コールター社製のコールターカウンターであるマルチサイザ−3(商品名)を使用し、100μmのアパチャーチューブを用いて、トナー粒子の粒度分布を測定し、トナーの体積から体積平均粒子径を得た。
トナー粒子の体積平均粒子径の測定は、ベックマン・コールター社製のコールターカウンターであるマルチサイザ−3(商品名)を使用し、100μmのアパチャーチューブを用いて、トナー粒子の粒度分布を測定し、トナーの体積から体積平均粒子径を得た。
(シリカの粒子径測定)
シリカの凝集粒子径の測定は、SEM(走査電子顕微鏡:日本電子社製 JSM−880)により3万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を必要に応じてさらに拡大して行い、それぞれの粒子について任意の100個の粒子について定規、ノギス等を用い、その個数平均粒子径を測定した。
シリカの凝集粒子径の測定は、SEM(走査電子顕微鏡:日本電子社製 JSM−880)により3万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を必要に応じてさらに拡大して行い、それぞれの粒子について任意の100個の粒子について定規、ノギス等を用い、その個数平均粒子径を測定した。
(摩擦係数の測定)
感光体ドラムとトナーとの摩擦係数は、図2に示す方法により測定した。まず、平行平坦な板47の上に薬包紙を載せて、その上にトナー43を固定するための両面テープ44を貼り付けた。そして、その両面テープ44上に酸化チタンおよびシリカの外添剤を有するトナー43を載せて塗りつけて、トナー43の層を均一かつより単層状態にするためエアーを吹きかけた。
次に、前記両面テープ44上に塗ったトナー43面上に感光体ドラム素管41を置いた。そして該素管41のシャフト42の一端にバネ秤46を引っ掛けて一定の速さで引っ張り、バネ秤46の値を読むことにより摩擦力測定を行った。バネ秤46を引く速さは、0.1〜0.3m/秒であった。なお、感光体ドラム素管41のシャフト42の両端には重り45を吊り下げてあり、これを増加させて荷重をかけていき、その都度摩擦力の測定を行った。
なお、前記重り45は、200〜500gの範囲で変化させ、得られた結果を平均して摩擦係数を算出した。
感光体ドラムとシリカとの摩擦係数の測定は、前記両面テープ44上にシリカのみを載せて塗りつけた以外は前記感光体ドラムとトナーの場合と同様に行った。
感光体ドラムとトナーとの摩擦係数は、図2に示す方法により測定した。まず、平行平坦な板47の上に薬包紙を載せて、その上にトナー43を固定するための両面テープ44を貼り付けた。そして、その両面テープ44上に酸化チタンおよびシリカの外添剤を有するトナー43を載せて塗りつけて、トナー43の層を均一かつより単層状態にするためエアーを吹きかけた。
次に、前記両面テープ44上に塗ったトナー43面上に感光体ドラム素管41を置いた。そして該素管41のシャフト42の一端にバネ秤46を引っ掛けて一定の速さで引っ張り、バネ秤46の値を読むことにより摩擦力測定を行った。バネ秤46を引く速さは、0.1〜0.3m/秒であった。なお、感光体ドラム素管41のシャフト42の両端には重り45を吊り下げてあり、これを増加させて荷重をかけていき、その都度摩擦力の測定を行った。
なお、前記重り45は、200〜500gの範囲で変化させ、得られた結果を平均して摩擦係数を算出した。
感光体ドラムとシリカとの摩擦係数の測定は、前記両面テープ44上にシリカのみを載せて塗りつけた以外は前記感光体ドラムとトナーの場合と同様に行った。
実施例2〜7、比較例1〜6
表1に示す組合せとした他は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。比較例1のアミノシランとしては、信越化学(株)製のKBE903を用いた。
(評価試験および評価方法)
実施例および比較例で作製したトナーのいずれかを用いて、有機感光体ドラム搭載の京セラミタ株式会社製プリンタ(FS−1030D)にて、初期および30万枚印刷後の画像特性の評価試験を行った。
常温常湿(20℃、65%RH)環境下で、初期時に前記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後30万枚連続印字(印字率5%程度)を行い、再度画像評価パターンを印字して連続印字後の画像を評価した。
表1に示す組合せとした他は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。比較例1のアミノシランとしては、信越化学(株)製のKBE903を用いた。
実施例および比較例で作製したトナーのいずれかを用いて、有機感光体ドラム搭載の京セラミタ株式会社製プリンタ(FS−1030D)にて、初期および30万枚印刷後の画像特性の評価試験を行った。
常温常湿(20℃、65%RH)環境下で、初期時に前記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後30万枚連続印字(印字率5%程度)を行い、再度画像評価パターンを印字して連続印字後の画像を評価した。
画像は、画像濃度、かぶりおよびダッシュマークの各特性について評価した。評価方法および評価基準は、以下の通りである。
画像濃度(ID)は、フルカラーソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定して評価を行った。評価基準は、IDが1.30以上を○、1.2以上1.3未満を△、1.2未満を×、とした。
また、カブリ(FD)は、反射濃度計(東京電飾社製、TC−6D)を用いて測定し評価を行った。評価基準は、FDが0.010以下を○、0.011以上0.020未満を△、0.020以上を×、とした。
また、ダッシュマークは、目視により測定を行った。評価基準は、ドラム表面上にトナー成分の付着がなく、画像欠陥がない場合を○、ドラム表面上にはトナー成分が付着しているが、画像には影響がない場合を△、ドラム表面上にトナー成分が付着し、画像に影響を与える場合を×、とした。
画像濃度(ID)は、フルカラーソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定して評価を行った。評価基準は、IDが1.30以上を○、1.2以上1.3未満を△、1.2未満を×、とした。
また、カブリ(FD)は、反射濃度計(東京電飾社製、TC−6D)を用いて測定し評価を行った。評価基準は、FDが0.010以下を○、0.011以上0.020未満を△、0.020以上を×、とした。
また、ダッシュマークは、目視により測定を行った。評価基準は、ドラム表面上にトナー成分の付着がなく、画像欠陥がない場合を○、ドラム表面上にはトナー成分が付着しているが、画像には影響がない場合を△、ドラム表面上にトナー成分が付着し、画像に影響を与える場合を×、とした。
表1、2に示すように、シリカ表面処理をアミノシランで行った比較例1は、摩擦係数が大きくなり、連続印刷が1万枚過ぎた所で画像が悪化した。
シリカ凝集粒子径が大きい比較例2は、摩擦係数が低くなり、そのため研磨性能の低下によりダッシュマークが発生しやすくなったと考えられる。更には、連続印刷を重ねる毎に画像濃度が薄くなり、カブリも悪化した。
シリカ凝集粒子径が小さい比較例3は、摩擦係数が大きくなり、そのため0.5万枚付近で画像が悪化した。
シリカの粒子径分布の標準偏差が大きい比較例4は、1万枚過ぎた所で画像が悪化した。これは、小粒子径のシリカの割合が増加し、摩擦係数が大きくなり付着しやすくなったと考えられる。
シリカ添加量が多い比較例5は、摩擦係数が小さくなり、0.5万枚付近で画像が悪化した。シリカ添加量が多すぎることによりトナー帯電量が低く、画像濃度が初期から低くかぶりも発生しやすくなった。
シリカ添加量が少ない比較例6は、トナー粒子に対して被覆率が減少しトナー帯電量が過剰帯電となり、チャージアップしやすくなり画像濃度の低下やかぶりの悪化を招いた。また、トナーの流動性が悪くなり、そのため摩擦係数が高くなって、クリーニングブレード部において滞留しやすくなり、ブレードをすり抜ける確率が高くなって感光体に付着しやすくなったと考えられる。
これに対して、摩擦係数が本発明の範囲内である実施例1〜7では、初期および30万枚印刷後においても、良好な画像濃度を維持し、かぶりおよびダッシュマークも発生せず、良好な画像が得られることを確認できた。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、クレームに記載の範囲内で種々の改善や変更が可能である。例えば、外添剤はシリカに限定されるものではなく、有機感光体も実施例に記載のものに限定されるものではなく、従来から当業者に知られている外添剤、トナー、有機感光体がいずれも使用可能である。
シリカ凝集粒子径が大きい比較例2は、摩擦係数が低くなり、そのため研磨性能の低下によりダッシュマークが発生しやすくなったと考えられる。更には、連続印刷を重ねる毎に画像濃度が薄くなり、カブリも悪化した。
シリカ凝集粒子径が小さい比較例3は、摩擦係数が大きくなり、そのため0.5万枚付近で画像が悪化した。
シリカの粒子径分布の標準偏差が大きい比較例4は、1万枚過ぎた所で画像が悪化した。これは、小粒子径のシリカの割合が増加し、摩擦係数が大きくなり付着しやすくなったと考えられる。
シリカ添加量が多い比較例5は、摩擦係数が小さくなり、0.5万枚付近で画像が悪化した。シリカ添加量が多すぎることによりトナー帯電量が低く、画像濃度が初期から低くかぶりも発生しやすくなった。
シリカ添加量が少ない比較例6は、トナー粒子に対して被覆率が減少しトナー帯電量が過剰帯電となり、チャージアップしやすくなり画像濃度の低下やかぶりの悪化を招いた。また、トナーの流動性が悪くなり、そのため摩擦係数が高くなって、クリーニングブレード部において滞留しやすくなり、ブレードをすり抜ける確率が高くなって感光体に付着しやすくなったと考えられる。
これに対して、摩擦係数が本発明の範囲内である実施例1〜7では、初期および30万枚印刷後においても、良好な画像濃度を維持し、かぶりおよびダッシュマークも発生せず、良好な画像が得られることを確認できた。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、クレームに記載の範囲内で種々の改善や変更が可能である。例えば、外添剤はシリカに限定されるものではなく、有機感光体も実施例に記載のものに限定されるものではなく、従来から当業者に知られている外添剤、トナー、有機感光体がいずれも使用可能である。
1 画像形成装置
10 潜像担持体ドラム(有機感光体ドラム)
11 接触帯電部材(帯電ローラ)
12 現像手段(現像器)
12a 現像スリーブ
13 給紙および搬送手段
14 転写部材
15 清掃手段
15a クリーニングブレード
16 転写材
10 潜像担持体ドラム(有機感光体ドラム)
11 接触帯電部材(帯電ローラ)
12 現像手段(現像器)
12a 現像スリーブ
13 給紙および搬送手段
14 転写部材
15 清掃手段
15a クリーニングブレード
16 転写材
Claims (8)
- 潜像担持体としての有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを備えた画像形成装置に使用するトナーであって、前記有機感光体とトナーとの摩擦係数が0.30〜0.65であることを特徴とするトナー。
- 前記トナー表面上に無機微粒子を少なくとも1つ以上含み、その無機微粒子の1つはシリカであることを特徴とする請求項1記載のトナー。
- 前記シリカは、環状シラザン処理されていることを特徴とする請求項2記載のトナー。
- 前記シリカは、凝集粒子からなり、その平均凝集径が30〜200nmで、かつその粒子径分布の標準偏差が65nm以下であることを特徴とする請求項2または3記載のトナー。
- 前記シリカと前記有機感光体との摩擦係数は0.40〜0.75であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記シリカの添加量はトナー量に対して0.5〜2.5質量%であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーは磁性1成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 潜像担持体としての有機感光体と、転写工程後に前記有機感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとを備えた画像形成装置であって、請求項1〜7のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-02-27 JP JP2007046531A patent/JP2007256944A/ja active Pending
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