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JP2007254636A - コーティングフィルムとその製造方法 - Google Patents

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JP2007254636A
JP2007254636A JP2006082509A JP2006082509A JP2007254636A JP 2007254636 A JP2007254636 A JP 2007254636A JP 2006082509 A JP2006082509 A JP 2006082509A JP 2006082509 A JP2006082509 A JP 2006082509A JP 2007254636 A JP2007254636 A JP 2007254636A
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Kazuko Murata
佳寿子 村田
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】
カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤を含むコーティング剤をコーティングし、電子線照射装置により電子線照射し、短時間でコーティング膜を形成したコーティングフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、コーティング剤をコーティングし、電子線照射装置により電子線照射し、硬化させてなることを特徴とするコーティングフィルムにおいてカチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤を含むことを特徴とするコーティングフィルムおよびその製造方法
【選択図】なし

Description

本発明は、耐擦傷性に優れた透明で短時間に形成可能なコーティングフィルム、および該コーティングフィルムの製造方法に関する。
従来コーティング製造方法としては、紫外線照射を行うUV硬化方法が一般的である。
これらの硬化方法は、液状のコーティング剤(材料)を基材にコーティングし何らかの手段によってコーティング剤(材料)を硬化し硬質の膜とする。硬化方法に対応してコーティング剤も異なる。適当なコーティング剤(塗膜の原料)と対応する硬化手段の組み合わせによって様々な種類のコーティングが基材の上に形成される。基材を物理的に保護するのが主な目的であるからコーティングは硬質で傷つきにくいと言う事が要求される。さらに化学的にも基材を保護するという作用もある。そのコーティング形成を行う場合、膜硬化手段によって本体である基材が失透し劣化し着色したり、特に基材がフィルムの場合、硬化物の収縮によるカールが起きてはいけない。基材の品質を維持したままコーティングをその上に形成する事が望まれる。
特許文献は以下の通り。
特開2004−162000 特開2005−325199
膜硬化手段の代表的な方法としてUV硬化法が挙げられる。UV硬化方法は、安価な設備費で狭い設置面積に紫外線硬化装置を設置できる、比較的高速処理が可能である等の利点が挙げられる。しかし紫外線の照射エネルギーが小さいため、コーティングフィルムの膜厚が厚い場合、着色顔料等を含む場合等、表面層しか硬化できないという欠点があった。
UV硬化方法に用いられる材料系としては、主に重合性化合物が挙げられる。重合性化合物には、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物に大別できる。ラジカル重合性化合物は重合時に収縮が起こりやすく、カチオン重合性化合物ではUV照射後にポストキュアーを行わないと硬化が進行しないという欠点があった。
一方、EB硬化方法は、電子線照射装置を使うので比較的広い設置面積が必要であるが、低加速電圧型装置であれば比較的狭い設置面積に装置を設置できる。さらに電子線照射により瞬時に硬化するため高速処理が可能である。また照射エネルギーが大きいため、着色塗料による塗膜や厚い塗膜でも硬化可能である。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討の結果、電子線照射装置を用いるのが好ましく、150kV以下、好ましくは20〜80kVの低加速電圧を照射することにより、従来の電子線照射の問題であったフィルムへのダメージを最小限にとどめ、かつカチオン重合性化合物をポストキュアーなしで硬化させることが可能になった。
本発明は、(1)電子線照射装置を用い、電子線硬化型樹脂組成物を塗布したプラスチ
ックフィルムに、150kV以下、好ましくは20〜80kVの超低加速電圧の電子線を照射し、フィルム上のコーティング剤を硬化させる、(2)10〜100kGyの低照射線量の電子線を照射することを特徴とし、フィルムへのダメージを最小限にとどめ、コーティングフィルムおよびその製造方法を提供する。
具体的には、第1の発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、コーティング剤をコーティングし、電子線照射装置により電子線照射し、硬化させてなることを特徴とするコーティングフィルムにおいてカチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤を含むことを特徴とするコーティングフィルムを提供するものである。
第2の発明は、膜厚が20μm以下のコーティング層を形成してなることを特徴とする第1発明のコーティングフィルムを提供するものである。
第3の発明は、電子線照射装置の加速電圧が150kV以下で、電子線照射することを特徴とするコーティングフィルムを提供するものである。
第4の発明は、電子線照射装置の加速電圧が20kV以上80kV以下で、電子線照射することを特徴とするコーティングフィルムを提供するものである。
第5の発明は、電子線照射装置の加速電圧が150kV以下で、電子線照射することを特徴とするコーティングフィルムの製造方法を提供するものである。
第6の発明は、電子線照射装置の加速電圧が20kV以上80kV以下で、電子線照射することを特徴とするコーティングフィルムの製造方法を提供するものである。
なお、この様な第3および第4の発明において電子線照射装置の加速電圧の特定を用いて物であるコーティングフィルムを特定しているが、この様な電子線照射装置の加速電圧により膜構造が実際に変化しているものであり、表面以外の硬化度も高く、特に膜厚が厚い場合や着色した場合であっても硬化度が内部でも高く、フィルムへのダメージが低いという膜構造が従来のコーティングフィルムと異なるものであり、その様な膜構造を特定するために電子線照射装置の加速電圧で表現したものである。
コーティング剤に電子線照射するEB硬化方法により、紫外線照射するUV硬化方法のようにポストキュアーを必要としない。そのためEB硬化方法はUV硬化方法と比較して短時間で硬化を実現することができる。
ポストキュアを必要としないことにより、熱に弱いプラスチックフィルムを用いることが出来る。
本発明に係るコーティングフィルムは、基本的にはプラスチックフィルムの少なくとも一方の面にコーティング層が形成された構造を有している。
プラスチックフィルムは、特に限定されるものではなく、公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロハン、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリル系フィルム、耐熱性・エンプラ系フィルム、フッ素樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィル
ム等のプラスチックフィルムが挙げられる。
コーティング剤に含まれるカチオン重合硬化性化合物は、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基を有するものであれば、特にその構造は限定されない。カチオン重合硬化性化合物は、活性エネルギー線照射、又は加熱によりコーティングとして十分な硬度を得るため、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上の重合性基を含む多官能モノマーもしくはオリゴマーを含んでいることが好ましい。
このようなカチオン重合硬化性化合物のうち、環状エーテル基を有する化合物としては、例えばエポキシ基や脂環エポキシ基、オキセタニル基を有する化合物が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物として、具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂類、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、エピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製、エポキシ樹脂)等が挙げられる。
また、脂環エポキシ基を有する化合物として、具体的には、2,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂)等が挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物として、具体的には、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
カチオン重合硬化性化合物のうち、ビニルエーテル基を有する化合物として、具体的には、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ポリエステルジビニルエーテル、ポリウレタンポリビニルエーテル等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、紫外線照射でルイス酸等のカチオン重合触媒を生成するものであれば特に限定されないが、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩等のオニウム塩を用いることができる。具体的には、アリールジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、アリールジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、アリールジアゾニウムテトラフルオロボレート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジアリールヨードニウムテトラフルオロボレート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリアリールスルフォニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。これらは、単独又は、2種以上を混
合しても良い。
コーティング剤のプラスチックフィルムへのコーティング方法は、特に限定されるものではないが、実用的には、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等によるコーティングが一般的である。
この様に、電子線照射装置で低エネルギーの電子線を用いることにより、低深度で電子線を作用させることが可能となり、20μm以下の薄膜を効率良く硬化、架橋、乾燥させることができ、プラスチックフィルム基材へのダメージが少ないコーティングフィルムが得られる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、部は特に断りの無い限り重量基準である。
<実施例1>
エピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)100部、UVI6992(ダウ・ケミカル日本社製)5部、酢酸メチル50部、2−ブタノン50部を混合し、コーティング剤を調液した。
次に厚さ80μmのPETフィルムの片面に、上記のコーティング剤をバーコーターにて塗工し、塗工層側より電子線照射装置 Min−EB(東洋インキ製造株式会社製)を用い、加速電圧80kV、吸収線量45KGy、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度200ppm)の条件で照射して硬化することにより、約8μmのコーティング層を設けたコーティングフィルムを得た。
<実施例2>
実施例1のエピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)100部をEHPE3150(ダイセル化学工業(株)製)100部に代える以外は、実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<実施例3>
実施例1のエピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)100部をエピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)60部、OXT−211(東亞合成社製)40部 に代える以外は実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<実施例4>
実施例1のエピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)100部をエピコート828(シェルジャパンケミカルズ社製)60部、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル(日本カーバイド工業(株)製40部、に代える以外は実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<実施例5>
実施例1のUVI6992(ダウ・ケミカル日本社製)5部をイルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)5部に代える以外は実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<比較例1>
実施例1のカチオン重合開始剤 UVI6992(ダウ・ケミカル日本社製) 5部を
用いない以外は実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<比較例2>
実施例1の電子線照射装置 Min−EB(東洋インキ製造株式会社製)を紫外線照射装置(岩崎電気社製 F600V−10、パワー 80%、搬送速度 15m/min条件)に代えた以外は実施例1と同様の操作でコーティングフィルムを得た。
<評価方法>
実施例1〜4、比較例1、2で作製したコーティングフィルムについて、以下に示した方法にて評価した。また、実施例及び比較例で作製したコーティングフィルムの評価結果を表に示した。
・塗膜厚さ:膜厚測定器(モデル;205−0020、FILMETORICS社製)で測定した。
・鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠し、500g加重で測定した。
・ カール:10×10cmに切ったサンプルのエッジの浮き上がりで評価した。
○;浮き上がりが2cm未満、△;浮き上がりが2cm以上、×;浮き上がりが筒状である。
・密着度:塗膜に碁盤目の切り込み(1mm×1mm、100枡)を入れ、セロハン粘着テープによる剥離試験を実施した。数値は残存数で示した(100;塗膜剥がれ無し、0;すべて剥離)。
実施例1〜4および比較例1、2の結果を表1にまとめた。
Figure 2007254636

Claims (6)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤を含むコーティング剤をコーティングし、電子線照射装置により電子線照射し、硬化させてなることを特徴とするコーティングフィルム。
  2. 膜厚が20μm以下のコーティング層を形成してなることを特徴とする請求項1記載のコーティングフィルム。
  3. 電子線照射装置の加速電圧が150kV以下であることを特徴とする請求項1記載のコーティングフィルム。
  4. 電子線照射装置の加速電圧が20kV以上80kV以下であることを特徴とする請求項3記載のコーティングフィルム。
  5. 電子線照射装置の加速電圧が150kV以下で、電子線照射することを特徴とする請求項1記載のコーティングフィルムの製造方法。
  6. 電子線照射装置の加速電圧が20kV以上80kV以下で、電子線照射することを特徴とする請求項5記載のコーティングフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102392385A (zh) * 2011-09-06 2012-03-28 红云红河烟草(集团)有限责任公司 一种环保型电子束固化直接真空镀铝纸用涂料及其制备方法

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