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JP2007253786A - 自動車の側部車体構造 - Google Patents

自動車の側部車体構造 Download PDF

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Abstract

【課題】側面衝突時の車室への影響を回避しつつ、前面衝突時の衝撃力を確実に車体後方に伝達できる自動車の側部車体構造を提供する。
【解決手段】ロッカリインホース9を、車両前端部9bから少なくともピラーリインホース7との結合部11の後側部分に位置するよう形成し、上記ピラーリインホース7の上記結合部11の衝撃力に対する耐力を、上記ロッカリインホース9の結合部11の後側部分より大きくし、側面衝突時に、上記ロッカリインホース9の結合部11の後側部分を車内側に変形させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両前後方向に延びるロッカパネルに車両上下方向に延びるセンタピラーの下端部を結合してなる自動車の側部車体構造に関する。
自動車においては、側面衝突時に車室への影響を抑制するための衝撃力吸収構造が採用されている。例えば、特許文献1では、ロッカリインホースの、ピラーリインホースとの結合部の前側部分と後側部分とをそれぞれ分割することにより、側面衝突時にセンタピラーの下端部が、上端部を支点とした振り子のように車内側に入り込むようにした構造が提案されている。
特許第3637141号公報
ところで、上記従来の側部車体構造のように、ロッカリインホースのピラーリインホースとの結合部の前側,後側部分を分割する構造を採用した場合には、側面衝突時には有効であるものの、前面衝突時にはロッカパネルが分割部分で折れ変形し、車両前方からの衝撃力を車体後方に確実に伝達できないという問題がある。
また上記従来構造では、ロッカリインホースの結合部の前側,後側部分が分割されているので、衝撃力の如何によってはロッカリインホースの車室側への進入量が大きくなったり、走行時の車体への入力に対するロッカパネルの捩れ剛性が低下したりするという懸念がある。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、側面衝突時の車室への影響を回避しつつ、前面衝突時の衝撃力を確実に車体後方に伝達でき、さらにはロッカパネルの捩れ剛性を確保できる自動車の側部車体構造を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、車両前後方向に延びるロッカパネル内に配置されたロッカリインホースに、車両上下方向に延びるセンタピラー内に配置されたピラーリインホースの下端部を結合した自動車の側部車体構造において、上記ロッカリインホースを、ロッカパネルの前部から少なくとも上記ピラーリインホースとの結合部の後側部分に渡るよう形成し、上記ピラーリインホースの上記結合部の衝撃力に対する耐力を、上記ロッカリインホースの結合部の後側部分の耐力より大きくし、側面衝突時に、上記ロッカリインホースの結合部の後側部分を車内側に変形させるようにしたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、上記ロッカリインホースの結合部の後部に、該結合部の車幅方向における断面剛性を高めるバルクヘッドが配置されていることを特徴としている。
請求項1の発明に係る側部車体構造によれば、ロッカリインホースを、ロッカパネルの前部から少なくともピラーリインホースとの結合部の後側部分に渡るよう形成し、ピラーリインホースの結合部の耐力をロッカリインホースの結合部の後側部分の耐力より大きくしたので、側面衝突時に、ロッカパネルのセンタピラーとの結合部より後側部分が断点となって車内側に変形し易くなっており、センタピラーが車室側に折れ変形するのを回避でき、よって車室への影響を抑制できる。
また上記ロッカリインホースは、ロッカパネルの前部から少なくともピラーリインホースとの結合部の後側部分まで延びているので、前面衝突時の衝撃力は、ロッカリインホースの前部からセンタピラーとの結合部を介して車体後方に確実に伝達されることとなり、ロッカパネルが途中で折れ変形することによる車室への影響を回避できる。
さらには上記ロッカリインホースは、途中で分割されることなくロッカパネルの前部からピラーリインホースとの結合部より後側部分に渡って配置されているので、走行時の車体への入力に対するロッカパネルの捩れ剛性を高めることができる。
請求項2の発明では、ロッカリインホースの結合部の後部にバルクヘッドを配置したので、結合部の車幅方向における断面剛性を高めることができ、ロッカパネルの結合部より後側部分での変形を確実に誘発することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態による自動車の側部車体構造を説明するための図であり、図1は自動車の側部車体の側面図、図2はセンタピラーとロッカパネルとの結合部の断面図(図1のII-II 線断面図) 、図3は結合部の断面図(図1のIII-III 線断面図)、図4は側面衝突時の側部車体の変形状態を示す模式図である。
図において、1は自動車の側部車体を示しており、これは大略車両上下方向に延びるフロントピラー2の上端部に車体前後方向に延びるルーフサイドレール3の前端部を結合し、上記フロントピラー2の下端部に車両前後方向に延びるロッカパネル4の前端部を結合し、上記フロントピラー2の車両後方に配置された車両上下方向に延びるセンタピラー5の上端部,下端部をそれぞれ上記ルーフサイドレール3,ロッカパネル4に架け渡して結合し、これによりフロントドア開口1a及びリヤドア開口1bを形成した構造を有している。
上記ルーフサイドレール3及びロッカパネル4の後端部は、リヤドア開口1bの後縁部を形成するクォータパネル(不図示)に結合されている。
また左,右のロッカパネル4,4の間にはフロアパネル6が配設されており、該フロアパネル6には前部シート及び後部シート(不図示)が搭載されている。
上記センタピラー5は、横断面大略ハット状のピラーアウタ5aとピラーインナ5bとの間に、該ピラーアウタ5aに略沿うように形成された横断面ハット状のピラーリインホース7を配置し、これらの前,後フランジ部8a,8b同士を溶接により接合した構造を有しており、これにより上下方向に延びる角筒状の閉断面が形成されている。
上記ロッカパネル4は、縦断面大略ハット状のロッカアウタ4aとロッカインナ4bとの間に、該ロッカアウタ4aに略沿うように形成された縦断面ハット状のロッカリインホース9を配置し、これらの上,下フランジ部10a,10b同士を溶接により接合した構造を有しており、これにより前後方向に延びる角筒状の閉断面が形成されている。
上記ピラーアウタ5a及びロッカアウタ4aはプレス成形により一体に形成されている。上記ピラーインナ5cの下フランジ部5dはロッカパネル4の上フランジ部10aに接合されている。
上記ピラーリインホース7の上端部7aは、上記ルーフサイドレール3のルーフリインホース(不図示)に溶接により結合されている。該ピラーリインホース7の下端部7bは、上記ロッカリインホース9の外壁部9aの外側面に溶接により結合されており、この結合部分が結合部11となっている。
上記ロッカリインホース9の前端部9bは、上記フロントピラー2の下端部に結合されている。上記ロッカリインホース9は、フロントピラー2に結合された前端部9bから直線状に後方に延びており、後端部9cが上記ピラーリインホース7との結合部11の後縁より後側に位置するように形成されている。
上記ピラーリインホース7の結合部11の衝撃力に対する耐力は、上記ロッカパネル4との結合部11の後側部分の耐力より大きくなるよう構成されている。詳細には、上記ピラーリインホース7の下端部7bには、ロッカリインホース9の外壁部9aから車幅方向外側に突出する複数の縦壁部7cを有する前後一対の凸条部7d,7dが膨出形成されている。この各凸条部7dにより形成された前,後縁部7e,7f及び中央凹部7gが上記外壁部9aに溶接により結合されており、これにより各凸状部7dとロッカリインホース9の外壁部9aとで上下方向に延びる箱状の閉断面が形成されている。
上記ロッカリインホース9とロッカインナ4bとの間の上記結合部11の後部にはバルクヘッド13が配置されている。このバルクヘッド13は、車幅方向に延びる平板部13aの外縁,内縁にそれぞれ接合部13b,13bを折り曲げ形成した横断面コ字状のものである。
上記バルクヘッド13の内側接合片部13bは上記ロッカインナ4bに溶接により結合されており、外側接合片部13bは上記ロッカリインホース9の外壁部9a及びピラーリインホース7の後縁部7fに重ね合わせて共に溶接により接合されている。
このようにして上記結合部11の耐力を、ロッカパネル4の結合部11の後側部分の耐力より大きくすることにより、側面衝突時に、ロッカパネル4の結合部11の後側部分が車内側に変形する。ここで、上記結合部11の耐力を高めるには、例えば、左,右の結合部11の間に車幅方向に延びるクロスメンバ(不図示)を位置させ、該クロスメンバを結合部間に架け渡して結合してもよい。またフロアパネルの左,右の結合部間に耐力を高めるための高剛性部を形成することも可能である。
本実施形態によれば、ロッカリインホース9を、フロントピラー2の下端部に結合された前端部9bから直線状に後方に延長するとともに、後端部9cをピラーリインホース7との結合部11の後縁より後側に位置するように形成し、ピラーリインホース7の下端部7bに複数の縦壁部7cを有する前後一対の凸条部7d,7dを形成し、これにより上記結合部11の耐力を、ロッカパネル4の結合部11の後側部分の耐力より大きくしたので、側面衝突時の衝撃力Fは、図4に示すように、ロッカパネル4のセンタピラー7との結合部11の後側部分が断点となって車内側に変形することとなり、センタピラー5が折れ変形することによる車室への影響を抑制できる。この場合、上記センタピラー7全体が上端部7aを支点に振り子のように車内側に入り込むように変形することから、上記センタピラー7の折れ変形を防止できる。
本実施形態では、上記ロッカリインホース9を、フロントピラー2に結合されたの前端部9bからピラーリインホース7との結合部11より後側部分まで延びるように形成したので、前面衝突時の衝撃力は、フロントピラー2,ロッカリインホース9からセンタピラー7との結合部11を介して車体後方に確実に伝達されることとなり、ロッカパネル4が途中で折れ変形することによる車室への影響を回避できる。
また上記ロッカリインホース9はロッカパネル4内にこれの大略全長に渡って配置されているので、走行時の車体への入力に対するロッカパネル4の捩れ剛性を高めることができる。
本実施形態では、上記ロッカリインホース9の結合部11の後部にバルクヘッド13を配置したので、結合部11の後部の車幅方向における断面剛性を高めることができ、ロッカパネル4の結合部11の後側部分での変形を確実に誘発することができる。
なお、上記実施形態では、ロッカリインホース9の後端部9cをピラーリインホース7との接合部11の後側部分に位置させたが、本発明では、ロッカリインホース9をフロントピラーからクォータパネルまでのロッカパネルの全長に渡って形成してもよく、この場合にも結合部の耐力をロッカパネルの結合部の後側部分より大きくすることにより、上記実施形態と略同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態による自動車の側部車体を示す側面図である。 上記側部車体のセンタピラーとロッカパネルとの結合部の断面図(図1のII-II 線断面図) である。 上記結合部の断面図(図1のIII-III 線断面図)である。 上記側部車体の側面衝突時の変形状態を示す模式図である。
符号の説明
1 側部車体
4 ロッカパネル
5 センタピラー
7 ピラーリインホース
7b 下端部
9 ロッカリインホース
9b 前端部
9c 後端部
11 結合部
13 バルクヘッド

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延びるロッカパネル内に配置されたロッカリインホースに、車両上下方向に延びるセンタピラー内に配置されたピラーリインホースの下端部を結合した自動車の側部車体構造において、
    上記ロッカリインホースを、ロッカパネルの前部から少なくとも上記ピラーリインホースとの結合部の後側部分に渡るよう形成し、上記ピラーリインホースの上記結合部の衝撃力に対する耐力を、上記ロッカリインホースの結合部の後側部分の耐力より大きくし、側面衝突時に、上記ロッカリインホースの結合部の後側部分を車内側に変形させるようにしたことを特徴とする自動車の側部車体構造。
  2. 請求項1において、上記ロッカリインホースの結合部の後部に、該結合部の車幅方向における断面剛性を高めるバルクヘッドが配置されていることを特徴とする自動車の側部車体構造。
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