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JP2007127518A - 角度検出装置 - Google Patents

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JP2007127518A JP2005320437A JP2005320437A JP2007127518A JP 2007127518 A JP2007127518 A JP 2007127518A JP 2005320437 A JP2005320437 A JP 2005320437A JP 2005320437 A JP2005320437 A JP 2005320437A JP 2007127518 A JP2007127518 A JP 2007127518A
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Abstract

【課題】 被検出装置に取り付けたときに、その取り付け角度の微調整を行わなくても、電子制御装置などで要求される検出出力を得ることができる角度検出装置を提供する。
【解決手段】 角度検出装置を内燃機関のスロットルバルブなどの被検出装置に実装した状態で、被検出装置を動作させ、角度検出装置から検出下限値Vminと出力上限値Vmaxを得る。電子制御装置などが要求している検出希望下限値V1および検出希望上限値V2と、前記検出下限値Vminと出力上限値Vmaxとの差からオフセット補正量を求める。角度検出装置の出力に対し出力調整部においてオフセット量調整を行う。その結果、角度検出装置の取り付け角度の調整作業を行うことなく、常に電子制御装置が要求する検出出力を得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転角度を磁気により検出する角度検出装置に係り、特に、実際に被検出装置に実装したときに、その被検出装置の動作角度に対応した検出信号を最少の調整作業で得ることができる角度検出装置に関する。
回転検出装置は、種々の被検出装置の動作角度の検出に使用される。特許文献1に記載のように、内燃機関では、スロットルバルブの開閉角度が角度検出装置により検出され、その角度検出情報が電子制御装置に与えられる。電子制御装置では、前記角度検出情報に基づいて、スロットルバルブの最適な開閉角度を算出し、電子制御装置によってスロットルバルブを開閉するモータなどが制御され、スロットルバルブが最適な開閉角度となるように設定される。
特許文献1に記載の発明では、前記角度検出装置が、基板に設けられた抵抗体と、スロットルバルブの開閉角度に応じて前記抵抗体上を摺動する摺動接点とを備えた可変抵抗器によって構成されている。
また、可変抵抗器以外の角度センサーとして、スロットルバルブなどの開閉動作に基づいて開閉させられる磁石と、磁石から発せられる磁界の方向を検出するホール素子を備えた磁気検出方式も使用されている。
特開平7−217456号公報
図6は、特許文献1に記載のように、角度検出装置によってスロットルバルブなどの被検出装置の動作角度を検出する際の問題点を説明する参考図である。
スロットルバルブなどの被検出装置に角度検出装置を実装した場合、図6において実線で示すように、被検出装置の動作角度が、その使用角度範囲の最小角度αmin(例えばスロットルバルブのアイドリング動作時の開閉角度)となったときに、角度検出装置からその出力信号の下限値が出力され、その使用角度範囲の最大角度αmax(例えばスロットルバルブの最大開放角度)となったときに、角度検出装置からその出力信号の上限値が出力される。電子制御装置に、前記下限値から上限値までのいずれかの値の出力信号入力されることにより、電子制御装置において、被検出装置の動作状態を認識できるようになっている。そのため、前記最小角度αminのときに角度検出装置から得られる出力信号の下限値と、前記最大角度αmaxのときに角度検出装置から得られる出力信号の上限値とが、常に一定の値、例えば規定された一定の電圧値でなければならない。
しかし、実際に角度検出装置をスロットルバルブなどの被検出装置に実装したときには、角度検出装置の取り付け角度の誤差や、角度検出装置の製造上に不可避な構造上の誤差などによって、図6において破線で示すように、角度検出装置から得られる検出信号の使用角度範囲での最小値および最大値が、電子制御装置において要求されている前記下限値および前記上限値に一致できない場合が多くなる。そのため、角度検出装置を被検出装置に実装するときに、実際に検出信号を得てからその出力信号の最小値と前記下限値との差、出力信号の最大値と前記上限値との差を求め、その差が少なくなるように角度検出装置の取り付け角度を微調整する必要がある。
また、図6において破線で示すように、角度検出装置から得られる検出出力の最小値から最大値への変化率(単位角度の変化に対する検出信号の変化率)が、電子制御装置において要求される前記下限値から前記上限値までの信号の変化率(図6において実線で示す変化率)と異なることが多くなる。この場合、角度検出装置の検出信号の最小値を前記下限値に一致させたときに、検出信号の最大値と前記上限値とが一致しなくなる。そのため、検出信号の最小値と前記下限値との差、および検出信号の最大値と前記上限値との差の双方が最小となるように、角度検出装置の取り付け角度を調整することになる。しかし、この状態では、被検出装置が動作したときに、角度検出装置から得られる検出信号と、電子制御装置において本来要求されている出力値とが常に相違することになり、高精度な角度制御ができなくなる。
また、角度検出装置として、回転する磁石と、磁石の磁界の方向を検出するホール素子とを備えた磁気検出方式を使用した場合、ホール素子からの検出信号は、角度変化に対して直線的に変化せず、曲線的に変化する特性を有しているため、さらに、角度検出装置の取り付け角度の調整が難しくなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、被検出装置に取り付けたときに、複雑な取り付け調整をすることなく、被検出装置の動作角度を高精度に検出できる角度検出装置を提供することを目的としている。
本発明は、磁界発生部材と、前記磁界発生部材から発せられる磁界の方向を検出できる磁気検知素子とを有し、前記磁界発生部材と前記磁気検知素子のいずれか一方が回転させられる回転センサーと、前記回転センサーの回転角度に対応した信号を出力する出力回路部とを有する角度検出装置において、
被検出装置に実装された前記回転センサーから得られる出力信号が、所定の動作角度範囲の一方の限界角度に至ったときに、前記出力回路部で得られた出力下限値を出力希望下限値に合わせるオフセット量調整と、前記動作角度範囲の他方の限界角度に至ったときに、前記出力回路部で得られた出力上限値を出力希望上限値に合わせるオフセット量調整の少なくとも一方を行う出力調整部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明での前記出力希望下限値と、前記出力希望上限値は、前記回転センサーが被検出装置に実装された状態で、被検出装置を制御する電子制御装置に与えられるべき出力値である。
本発明の角度検出装置は、被検出装置に取り付けた状態で、被検出装置を動作させ、所定の動作角度範囲の限界において、出力回路部から出力される出力下限値と、出力上限値の少なくとも一方を、出力希望下限値または出力希望上限値に一致させるオフセット量調整が行われる。そのため、角度検出装置の取り付け角度を調整しなくても、被検出装置の所定の動作角度範囲の下限と上限の少なくとも一方において、被検出装置を制御する電子制御装置が要求している値の出力信号を得ることができる。
本発明は、前記出力希望下限値と前記出力希望上限値を保持する記憶部と、前記回転センサーが被検出装置に実装されたときに、前記出力下限値と前記出力希望下限値との差であるオフセット量と、前記出力上限値と前記出力希望上限値との差であるオフセット量の少なくとも一方を演算する制御部とが設けられ、前記オフセット量に基づいて前記出力調整部において前記オフセット量調整が行われるものである。
また、本発明は、好ましくは、前記出力希望下限値と前記出力希望上限値および前記動作角度範囲から算出される感度補正値を保持する記憶手段が設けられており、
前記出力調整部では、被検出装置に実装されたときの、前記出力下限値から前記出力上限値に至る出力信号の変化率が、前記感度補正値によって補正されるものである。
上記のように、記憶手段に感度補正値を保持して、出力回路部から得られる出力信号の角度変化に対する変化率を補正し、且つ出力下限値と出力上限値のいずれか一方のオフセット量を調整することにより、出力下限値と出力上限値の双方を、出力希望下限値と出力希望上限値に合わせることができる。
本発明は、前記回転センサーが被検出装置に実装された状態で、回転センサーが前記動作角度範囲の一方の限界角度に設定されたとき、あるいは前記動作角度範囲の他方の限界角度に設定されたときに、クランプ操作を行う入力部が設けられており、クランプ操作されたときに出力回路部から得られている出力信号が、前記出力下限値または出力上限値とされて、前記オフセット量が算出されるものとすることができる。
上記手段では、被検出装置を動作させて、所定の動作角度範囲の下限または上限となったときにクランプ操作を行うだけで、出力下限値と出力上限値の少なくとも一方を出力希望下限値や出力希望上限値に一致させることができ、角度検出装置の取り付け調整が不要になる。
また本発明は、前記出力希望下限値と、前記出力希望上限値を保持する記憶手段が設けられており、前記出力希望下限値と前記出力希望上限値とから、前記回転センサーの動作角度範囲内における角度変化ごとの出力信号の変化率である感度補正値を演算する制御部が設けられており、出力制御部において、前記出力下限値から前記出力上限値に至る出力信号の変化率が、前記感度補正値によって補正されるものにできる。
上記手段では、被検出装置を所定の動作角度範囲の限界位置に設定して、出力下限値と出力上限値を検出することにより、制御部において感度補正値が演算される。この感度補正値で出力信号の変化率が補正されるため、出力下限値と出力上限値の一方のみをオフセット量調整するだけ、出力下限値と出力上限値の双方を出力希望下限値と出力希望上限値に合わせることができる。
この場合も、前記制御部で演算された前記感度補正値が、前記記憶手段に保持されるものにできる。
また本発明は、好ましくは、前記磁気検知素子は、磁気抵抗効果を利用したものであり、直交する異なる方向からの磁界を検出できるように配置されているものである。
磁気検知素子として磁気抵抗効果を利用したものを使用することにより、出力回路部で得られる出力下限値から出力上限値までの変化率を一次関数または一次関数に近いものにできる。
本発明の角度検出装置は、被検出装置に取り付けられた状態で、複雑な調整作業を行うことなく、被検出装置の使用角度範囲に対応した正確な出力信号を得ることができる。
図1は本発明の第1の実施の形態の角度検出装置に使用されている回転センサーの構造を示す正面図、図2は角度検出装置の回路ブロック図、図3は被検査装置の一例であるスロットルバルブに回転センサーが取り付けられた状態を示す説明図、図4は角度検出装置の動作説明図である。
図1に示す回転センサー1は、固定ベース2に、4つの基板3が取り付けられており、それぞれの基板3に磁気検知素子が2個ずつ設けられている。図1では、それぞれの磁気検知素子がS1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8で示されている。磁気検知素子はS1とS2が対を成して同じ基板3に設けられ、S3とS4、S5とS6、S7とS8が、それぞれ対を成して同じ基板3に設けられている。
磁気検知素子は全て同じ構造であるため、S1を代表させてその構造を説明する。磁気検知素子S1は、巨大磁気抵抗効果は利用したものであり、基板3上に薄膜で形成されている。磁気検知素子S1は、検出部4とこの検出部4の両側に設けられた電極部5を有している。検出部4は、固定磁性層とフリー磁性層とが積層されたものである。固定磁性層は、Co・Fe合金(コバルト・鉄合金)やNi・Fe合金(ニッケル・鉄合金)などの強磁性層で形成されており、この固定磁性層は、Pt・Mn合金(白金・マンガン合金)やIr・Mn合金(イリジウム・マンガン合金)などで形成された反強磁性層に積層されている。反強磁性層と固定磁性層との交換結合磁界により、固定磁性層の磁化方向は一定方向に固定されている。フリー磁性層はNi・Fe合金などの強磁性層で形成されており、このフリー磁性層と前記固定磁性層は、Cu層(銅層)などの非磁性材材料層を挟んで積層されている。
磁気検知素子S1は、フリー磁性層の磁化方向が、外部から与えられる磁界(外部磁界H)に反応し、フリー磁性層の磁化方向は外部磁界Hの方向へ向けられる。フリー磁性層の磁化方向が固定磁性層の固定磁化方向と同じ向きとなったときに、電気抵抗値が最小となり、フリー磁性層の磁化方向が固定磁性層の固定磁化方向と逆向きの方向となったときに電気抵抗値が最大となる。
図1では、各磁気検知素子S1ないしS8の前記固定磁性層の磁化の固定方向を矢印Pで示している。磁気検知素子S1とS2の固定磁性層の磁化の固定方向は+Y方向、磁気検知素子S3とS4の固定磁性層の磁化の固定方向は−Y方向、磁気検知素子S5とS6の固定磁性層の磁化の固定方向は+X方向、磁気検知素子S7とS8の固定磁性層の磁化の固定方向は−X方向である。なお、X方向とY方向は互いに直交する座標を意味している。
固定ベース2の全ての磁気検知素子S1ないしS8の配列中心には軸7が設けられ、回転部材8がこの軸7を中心に回転できるようになっている。回転部材8には、磁界発生部材である第1の磁石M1と第2の磁石M2が固定されている。第1の磁石M1は、前記軸7に対向する内面がN極に着磁されており、第2の磁石M2は、前記軸7に対向する内面がS極に着磁されている。よって、第1の磁石M1から第2の磁石M2に向けて磁界Hが形成され、この磁界Hは、全ての磁気検知素子S1ないしS8に対して同じ方向で横断できるようになっている。
この回転センサー1は、固定ベース2が固定され、回転部材8が被検出装置の回転部に取り付けられ、被検出装置の動作角度に追従して、回転部材8が回転する。そして、固定ベース2と回転部材8との相対角度が変化し、各磁気検知素子S1ないしS8に対する磁界Hの横断方向が変化する。回転部材8が図1に示す回転位相のときには、第1の磁石M1から第2の磁石M2に向けて、磁界Hが−X方向へ与えられる。このとき、磁気検知素子S7とS8の電気抵抗値が最小で、磁気検知素子S5とS6の電気抵抗値が最大となる。また、磁気検知素子S1とS2の電気抵抗値は、最小値と最大値の中間の値となり、磁気検知素子S3とS4の電気抵抗値も、最小値と最大値の中間の値となる。
また、回転部材8が図1の回転位相から時計方向へ90度回転すると、第1の磁石M1から第2の磁石M2に向けて、磁界Hが+Y方向へ与えられる。このとき、磁気検知素子S1とS2の電気抵抗値が最小で、磁気検知素子S3とS4の電気抵抗値が最大となる。また、磁気検知素子S5とS6の電気抵抗値は、最小値と最大値の中間の値となり、磁気検知素子S7とS8の電気抵抗値も、最小値と最大値の中間の値となる。
図2に示すように、固定磁性層の磁化の固定方向が180度相違している磁気検知素子S1とS4とが直列に接続され、同じく磁化の固定方向が180度相違している磁気検知素子S3とS2が直列に接続されており、磁気検知素子S1おおびS3が電源電圧Vccに接続され、磁気検知素子S4とS2が接地側に位置している。また、固定磁性層の磁化の固定方向が180度相違している磁気検知素子S5とS8が直列に接続され、同じく磁化の固定方向が180度相違している磁気検知素子S7とS6が直列に接続されている。そして、磁気検知素子S5とS7が電源電圧Vccに接続され、磁気検知素子S8とS6が接地側に位置している。
磁気検知素子S3と磁気検知素子S2の中間点に接続された中間ライン11では、回転センサー1の回転部材8の回転動作に伴なって三角関数の変化となる、あるいは三角関数に近似した変化となる検出信号が電圧値として出力される。図2では、中間ライン11の検出信号の電圧変化を「+sinθ」と定義している。磁気検知素子S1と磁気検知素子S4との中間点に接続された中間ライン12では、前記中間ラインと位相が180度相違した検出信号が電圧変化として得られる。図2では、中間ライン12の検出信号の電圧変化を「−sinθ」と定義している。磁気検知素子S7と磁気検知素子S6との中間点に接続された中間ライン13からは、前記中間ライン11の電圧変化に対して位相が90度相違する電圧変化が得られる。図2では、中間ライン13の検出信号の電圧変化を「+cosθ」と定義している。また、磁気検知素子S5と磁気検知素子S8との中間点に接続された中間ライン14からの出力信号の電圧変化を「−cosθ」と定義している。
各中間ライン11,12,13,14で得られた検出信号は出力回路部20に与えられる。出力回路部20には、差動増幅器21と22が設けられ、差動増幅器21からの出力信号はA/D変換部(アナログ/ディジタル変換部)23に与えられ、差動増幅器22からの出力信号はA/D変換部24に与えられる。差動増幅器21では、前記中間ライン11の出力信号と中間ライン12の出力信号の差が求められる。よって、差動増幅器21からの出力信号も三角関数の変化、または三角関数に近似した変化となる。図2では、差動増幅器21からの出力信号での電圧変化を「2・sinθ」と定義している。また、差動増幅器22では、中間ライン13の出力信号と中間ライン14の出力信号との差が求められ、「2・cosθ」で定義できる出力信号が得られる。
差動増幅器21からの出力信号はA/D変換部23でディジタル信号に変換されて演算部25に与えられ、差動増幅器22からの出力信号はA/D変換部24でディジタル信号に変換されて演算部25に与えられる。演算部25では、A/D変換された「sinθ」の関数と「cosθ」の関数とが、CORDICアルゴリズムにより演算され、逆三角関数である「arc tan」関数が算出される。演算部25で演算された関数は、出力調整部26を経て、D/A変換部(ディジタル/アナログ変換部)27においてアナログ値に変換され、電圧値として出力される。
演算部25において「arc tan」関数が演算されることにより、D/A変換部27からの出力電圧は、回転センサー1の回転部材8が1回転する間に、その角度変化に対して比例的に変化する電圧、すなわち角度変化に対して一次関数で変化する電圧、または一次関数に近似して変化する電圧となる。
出力回路部20に設けられている出力調整部26は、演算部25で演算された一次関数または一次関数に近似した変化の信号のレベルおよび感度を調整するものであり、その調整は、制御部30による演算結果によって制御される。制御部30には、記憶手段である書き込みと読み出しが可能なメモリ(RAM)31が接続されており、また制御部30は、クランプ操作信号を入力するために入力部32からのアクセスが可能となっている。
図3は、前記回転センサー1が、被検出装置の一例である内燃機関のスロットルバルブ40に取り付けられた状態を示している。
スロットルバルブ40は、回動軸42とこの回動軸42に固定された弁43を有しており、弁43によって、燃料と空気とが混合された混合気の吸気路41を開閉するものである。自動車の原動機として搭載される内燃機関の場合には、機関が動作しているときに、弁43が最小開放角度αminとなったときにアイドリング状態となる。また、弁43の最大開放角度αmaxは、85度程度であり、このときフルスロットル状態となる。また、回動軸42はモータの動力により回動させられる。
前記スロットルバルブ40は、マイクロコンピュータを備えた電子制御装置によって制御される。運転者が操作するアクセルペダルの操作角度は角度検出装置によって検出され、その操作角度が電子制御装置に認識される。そして、電子制御装置からの指令により前記モータが制御されて回動軸42が回動させられ、弁43の開放角度が設定される。このときの弁の開放角度が回転センサー1によって検出される。すなわち、図1に示す回転センサー1の回転部材8が、前記回動軸42に連結されており、弁43の開放角度に応じて、回転部材8の回転位相が決められる。そして、出力回路部20のD/A変換部27から、回転部材8の回転角度すなわち弁43の開放角度が電圧値として出力され、この出力電圧値が前記電子制御装置に与えられる。
電子制御装置では、アクセルペダルの操作角度の検出出力と、前記出力回路部20から得られる電圧値に基づいて、燃料の燃焼効率の良い弁43の開放角度が算出され、弁43の開放角度が最適な値となるように制御される。
前記電子制御装置によって弁43の角度を高精度に制御するためには、出力回路部20のD/A変換部27から、弁43の開放角度に対応した正確な電圧値が出力されることが必要である。すなわち、アイドリング時に弁43が最小開放角度αminに設定されている場合には、予め決められた電圧V1が出力されて電子制御装置に与えられる必要があり、弁43が最大開放角度αmaxに設定されているときには、予め決められた電圧V2が出力されて電子制御装置に与えられなくてはならない。前記電圧V1が、電子制御装置が要求する弁43の開放角度αminに対応する出力希望下限値であり、前記電圧V2が弁43の開放角度αmaxに対応する出力希望上限値である。
弁43の開放角度が前記最小開放角度αminのときに、出力回路部20から前記出力希望下限値V1を出力でき、弁43の開放角度が前記最大開放角度αmaxのときに、出力回路部20から前記出力希望上限値V2を出力できるようにするために、従来は、回転センサー1の取り付け角度を調整する必要があった。この調整は、回動軸42に回転センサー1を取り付けた後に、弁43を最小開放角度αminや最大開放角度αmaxに設定して、そのときに角度検出装置から得られる出力電圧と、前記出力希望下限値V1または出力希望上限値V2との差を目安にして、回動軸42に対する回転センサー1の取り付け角度を変化させる。
しかし、本発明の実施の形態の角度検出装置では、図3に示す被検出装置であるスロットルバルブに回転センサー1が取り付けられた状態で、細かな取り付け角度調整を行うことなく、出力回路部20のD/A変換部27から、電子制御装置に対し、前記出力希望下限値V1と出力希望上限値V2またはこれら値にきわめて近似した出力信号を与えることができる。
図4で実線で示すX0軸とY0軸の直交座標は、角度検出装置から出力される電圧の変化特性を示している。X0軸は回転センサー1の回転部材8の回転角度(度)を示しており、Y0軸は、D/A変換部27からの出力電圧を示している。回転センサー1の回転部材8を回転させると、その回転角度が0度から360度の回転範囲では、D/A変換部27からの出力電圧は、角度変化に対して一次関数または一次関数に近似した直線L1に沿って変化する。また360度から720度の回転範囲では、前記直線L1と同じ傾きの直線L2に沿って出力電圧が変化する。
図4で鎖線で示すX1軸とY1軸の直交座標は、角度検出装置の回転センサー1がスロットルバルブ40の回動軸42に実際に取り付けられた状態を示しており、弁43が最小開放角度αminのときにD/A変換部27から出力される検出下限値をVminで示し、弁43が最大開放角度αmaxのときにD/A変換部27から出力される検出上限値をVmaxで示している。
図4では、角度検出装置の実装状態を示しているX1−Y1座標が、X0−X0座標と位置ずれており、この位置ずれは、回動軸42に対する回転センサー1の取り付け角度のずれ量を意味している。角度検出装置が回転センサー1に対して理想的な取り付け位置からずれている結果、弁43が最小開放角度αminのときの検出下限値Vminが、電子制御装置に入力されるべき出力希望下限値V1から外れており、弁43が最大開放角度αmaxのときの検出上限値Vmaxが、電子制御装置に入力されるべき出力希望上限値V2から外れている。
このように当然想定されるべき回転センサー1の取り付け角度のずれに対応するために、制御部30では次のような制御を行って、出力制御部26において、演算部25で演算された「arc tan」関数の出力信号を調整している。
まず、メモリ31内に、予め電子制御装置に入力されるべき出力希望下限値V1と、出力希望上限値V2を書き込んで保持しておく。さらに、メモリ31内に、感度(ゲイン)補正値を書き込んで保持しておく。この感度補正値とは、回転センサー1の使用角度範囲(αmax−αmin)と出力希望下限値V1および出力希望上限値V2から求めされるものであり、(V2−V1)/(αmax−αmin)で求められる単位角度の変化に対応する出力電圧の変化率である。この感度補正値は、予め算出して、入力部32の操作によって書き込まれる。
制御部30では、前記感度補正値に基づいて出力調整部26へ補正信号を与え、出力調整部26では、演算部25から得られる「arc tan」関数の変化出力のゲインを前記感度補正値に基づいて調整する。その結果、図4に示すように、D/A変換部27から出力される電圧の角度変化に対応する変化率が、(V2−V1)/(αmax−αmin)に一致した角度β1に設定される。
前記のように、出力制御部26において、前記感度補正値により感度補正がされる角度検出装置が、スロットルバルブ40に取り付けられた状態で、実際に内燃機関を動作させる。そして、アイドリングに最適な弁43の最小開放角度αminが設定されたときに、入力部32を操作して、制御部30にクランプ信号を与える。制御部30では、クランプ信号が入力されたときに演算部25から出力されている信号である検出下限値Vminを検出し、この検出下限値Vminをメモリ31に書き込む。さらに実際に内燃機関を動作させ、弁43の解放角度をフルスロットルでしかも燃費効率を考慮した最適な最大開放角度αmaxに設定し、このときに入力部32を操作して制御部30にクランプ信号を与える。制御部30では、クランプ信号が入力されたときに、演算部25から出力されている検出上限値Vmaxを検出し、この検出上限値Vmaxをメモリ31に書き込む。
制御部30では、メモリ31にクランプされて保持された検出下限値Vminと出力上限値Vmax、および出力希望下限値V1と出力希望上限値V2からオフセット量を算出し、このオフセット量の算出値をメモリ31に書き込む。
オフセット量は、検出下限値Vminと出力希望下限値V1との差のみから求めることができ、あるいは検出上限値Vmaxと出力希望上限値V2との差のみから求めることもできる。あるいは、検出下限値Vminと出力希望下限値V1との差と、検出上限値Vmaxと出力希望上限値V2との差との平均値などで求めることもできる。なお、オフセット量を、検出下限値Vminと出力希望下限値V1との差のみから求める場合には、検出上限値Vmaxをメモリ31に書き込むクランプ入力操作は必ずしも必要ではなく、オフセット量を検出上限値Vmaxと出力希望上限値V2との差のみから求める場合にも、検出下限値Vminをメモリ31に書き込むクランプ入力操作は必ずしも必要ではない。
前記入力部32によって前記クランプ入力操作を行い、制御部30においてオフセット量が算出されてメモリ31に保持された後は、弁43が回動し回転センサー1の回転部材8が回転させられると、その出力信号が演算部25で演算され、さらに出力調整部26において、感度補正値に基づくゲイン調整と、オフセット量に基づくオフセット補正が行われる。したがって、弁43が最小開放角度αminのときには、D/A変換部27から、電子制御装置において要求される出力希望下限値V1が出力され、弁43が最大開放角度αmaxのときには、D/A変換部27から、電子制御装置において要求される出力希望上限値V2が出力される。
また、回転センサー1に用いられている磁気検知素子S1ないしS8は、磁気抵抗効果を利用した素子であり、直交する2方向からの磁界を検出可能なように組み合わされたものであるため、演算部25からは、角度変化に対してほぼ一次関数的に変化する「arc tan」関数の出力値が得られる。したがって、弁43の開放角度がαminとαmaxの中間角度に設定されているときでも、その角度を正確に検出した出力信号を得ることができる。
次に、図5は本発明の第2の実施の形態の角度検出装置の動作を示すものである。
図4に示した第1の実施の形態の角度検出装置の動作では、感度(ゲイン)補正値が予め入力部32から入力されるなどしてメモリ31に保持されており、角度検出装置がスロットルバルブ40に実装された時点で、出力調整部26から感度補正(出力変化の傾き補正)が行われた後の出力が得られ、検出下限値Vminが得られたとき、および/または検出上限値Vmaxが得られたときに入力部32を操作して制御部30にクランプ信号を入力し、その後にオフセット量を算出するものである。
これに対し、図5に示す第2の実施の形態の角度検出装置は、予めメモリ31に、出力希望下限値V1と、出力希望上限値V2が書き込まれているが、感度補正値とオフセット補正値の双方はメモリ31に書き込まれていない。したがって、被検出装置であるスロットルバルブに角度検出装置が実装された直後においては、演算部25からの出力信号が、出力調整部26で調整されない。
そのため、弁43を最小開放角度αminに設定したときに得られる検出下限値Vminが出力希望下限値V1に一致しておらず、弁43を最大開放角度αmaxに設定したときの検出上限値Vmaxが、出力希望上限値V2に一致していないだけでなく、角度検出装置からの出力感度(単位角度の変化に対応する出力の変化率:図5の直線Laの傾き角度β2)と、電子制御装置に入力されるべき信号の出力感度(希望出力感度:図5の傾き角度β3)とが一致していない。
この場合においても、角度検出装置をスロットルバルブ40に実装した後に、内燃機関を実際に動作させて、弁43を最小開放角度αminに設定したときに、入力部32を操作して制御部30にクランプ信号を与え、このときに演算部25から得られる検出下限値Vminをメモリ31に書き込む。また弁43を最大開放角度αmaxに設定したときに、入力部32を操作して制御部30にクランプ信号を与え、このときに演算部25から得られる検出上限値Vmaxをメモリ31に書き込む。
制御部30では、書き込まれた検出下限値Vminと、検出上限値Vmaxと、さらに出力希望下限値V1と出力希望上限値V2とから、現状の出力信号の感度(角度β2)と、電子制御装置に入力されるべき出力信号の感度{角度β3:(V2−V1)/(αmax−αmin)}との差を求め、現状の出力信号の感度を、電子制御装置に入力されるべき出力信号の感度に補正するための感度(ゲイン)補正値を演算して、その算出値をメモリ31に書き込む。
さらに、制御部30では、検出下限値Vminと、出力希望下限値V1などから、第1の実施の形態と同様にオフセット量を求め、メモリ31に書き込む。
そして、その後は、演算部25から出力される出力信号に対し、出力調整部26において、メモリ31に保持されている感度補正値とオフセット量補正値を基にして、感度補正とオフセット量補正がなされて、D/A変換部27から出力される。
この第2の実施の形態では、出力希望下限値V1と出力希望上限値V2をメモリに書き込み、角度検出装置が被検出装置に実装された後に、少なくとも2つの出力を得たときに入力部32を操作してクランプ信号を制御部30に与えるのみで、その後は、角度検出装置から、電子制御装置に入力されるべき出力信号を得ることができる。
なお、前記実施の形態では、被検出装置が内燃機関のスロットルバルブである場合を説明したが、本発明の角度検出装置は、自動車のアクセルペダルの操作角度検出、または自動車のステアリングホイールの回転角度の検出、自動車内のシートの設定位置の角度検出などに適用することができる。
いずれによせ、被検出装置に角度検出装置を取り付けたときに、微妙な取り付け調整を行うことが不要であり、実際に被検出装置を動作させて、入力部32でクランプ操作を行うのみで、角度検出装置から、被検出装置の動作角度に対応した正確な出力値を得て、電子制御装置に与えることができる。
また、検出下限値Vminと検出上限値Vmaxは、かならずしもスロットルバルブなどの被検出装置の使用角度範囲での上限と下限に限定されるものではなく、例えば、スロットルバルブなどの被検出装置の動作角度の最小値αminと最大値αmaxの途中の動作角度範囲を検出範囲として設定し、その検出範囲での出力の下限値を検出下限値Vminとし、検出上限値をVmaxとし、それに相当する出力を出力希望下限値V1および出力希望上限値V2としてもよい。
また、回転センサー1は、磁石M1とM2を有する側を固定側とし、磁気検知素子S1ないしS8を有する側を回転側として用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態の角度検出装置に設けられた回転センサーを示す正面図、 角度検出装置の回路ブロック図、 角度検出装置が取り付けられたスロットルバルブの説明図、 第1の実施の形態の角度検出装置の動作説明図、 本発明の第2の実施の形態の角度検出装置の動作説明図、 従来の角度検出装置の問題点の説明図、
符号の説明
1 回転センサー
2 固定ベース
3 基板
4 検出部
5 電極部
8 回転部材
11,12,13,14 中間ライン
20 出力回路部
21,22 差動増幅器
23,24 A/D変換部
25 演算部
26 出力調整部
27 D/A変換部
30 制御部
31 メモリ
32 入力部
S1ないしS8 磁気検知素子
M1 第1の磁石
M2 第2の磁石

Claims (8)

  1. 磁界発生部材と、前記磁界発生部材から発せられる磁界の方向を検出できる磁気検知素子とを有し、前記磁界発生部材と前記磁気検知素子のいずれか一方が回転させられる回転センサーと、前記回転センサーの回転角度に対応した信号を出力する出力回路部とを有する角度検出装置において、
    被検出装置に実装された前記回転センサーから得られる出力信号が、所定の動作角度範囲の一方の限界角度に至ったときに、前記出力回路部で得られた出力下限値を出力希望下限値に合わせるオフセット量調整と、前記動作角度範囲の他方の限界角度に至ったときに、前記出力回路部で得られた出力上限値を出力希望上限値に合わせるオフセット量調整の少なくとも一方を行う出力調整部が設けられていることを特徴とする角度検出装置。
  2. 前記出力希望下限値と、前記出力希望上限値は、前記回転センサーが被検出装置に実装された状態で、被検出装置を制御する電子制御装置に与えられるべき出力値である請求項1記載の角度検出装置。
  3. 前記出力希望下限値と前記出力希望上限値を保持する記憶部と、前記回転センサーが被検出装置に実装されたときに、前記出力下限値と前記出力希望下限値との差であるオフセット量と、前記出力上限値と前記出力希望上限値との差であるオフセット量の少なくとも一方を演算する制御部とが設けられ、前記オフセット量に基づいて前記出力調整部において前記オフセット量調整が行われる請求項1または2記載の角度検出装置。
  4. 前記出力希望下限値と前記出力希望上限値および前記動作角度範囲から算出される感度補正値を保持する記憶手段が設けられており、
    前記出力調整部では、被検出装置に実装されたときの、前記出力下限値から前記出力上限値に至る出力信号の変化率が、前記感度補正値によって補正される請求項1ないし3のいずれかに記載の角度検出装置。
  5. 前記回転センサーが被検出装置に実装された状態で、回転センサーが前記動作角度範囲の一方の限界角度に設定されたとき、あるいは前記動作角度範囲の他方の限界角度に設定されたときに、クランプ操作を行う入力部が設けられており、クランプ操作されたときに出力回路部から得られている出力信号が、前記出力下限値または出力上限値とされて、前記オフセット量が算出される請求項1ないし4のいずれかに記載の角度検出装置。
  6. 前記出力希望下限値と、前記出力希望上限値を保持する記憶手段が設けられており、前記出力希望下限値と前記出力希望上限値とから、前記回転センサーの動作角度範囲内における角度変化ごとの出力信号の変化率である感度補正値を演算する制御部が設けられており、出力制御部において、前記出力下限値から前記出力上限値に至る出力信号の変化率が、前記感度補正値によって補正される請求項1ないし3のいずれかに記載の角度検出装置。
  7. 前記制御部で演算された前記感度補正値が、前記記憶手段に保持される請求項6記載の角度検出装置。
  8. 前記磁気検知素子は、磁気抵抗効果を利用したものであり、直交する異なる方向からの磁界を検出できるように配置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の角度検出装置。
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