JP2007124933A - リグノセルロースの前処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リグノセルロース原料を酵素加水分解する際の前処理方法であって、投入エネルギーを低く抑えて低コストで処理でき、糖の過分解を抑え低コストで収率よく糖を得るためのリグノセルロースの前処理方法を提供すること。
【解決手段】リグノセルロースの酵素加水分解の前処理方法であって、リグノセルロース原料を酸処理する酸処理工程と、前記酸処理工程の反応物を中和する中和工程と、前記中和工程の反応物を湿式粉砕処理する粉砕処理工程とを含むことを特徴とするリグノセルロースの前処理方法。
【選択図】図1
【解決手段】リグノセルロースの酵素加水分解の前処理方法であって、リグノセルロース原料を酸処理する酸処理工程と、前記酸処理工程の反応物を中和する中和工程と、前記中和工程の反応物を湿式粉砕処理する粉砕処理工程とを含むことを特徴とするリグノセルロースの前処理方法。
【選択図】図1
Description
本発明はリグノセルロースの前処理方法に関する。
近年再生可能資源であるバガスや稲わら、木材チップなどの天然系の資源からエタノールを製造し、エネルギーや化学原料として利用する試みが内外で進められている。原料としては種々のバイオマスが使用されるが、将来的に有用な資源として木質バイオマスのようなリグノセルロースが注目されている。リグノセルロースは、植物の茎葉等の主成分であり、主にセルロース、ヘミセルロース及びリグニンから構成されている。セルロースは、木材の50%程度の含有量であり、グルコースが直鎖状に結合した比較的安定な高分子である。ヘミセルロースは、木材の20〜30%程度の含有量であり、結合がセルロースのように規則的でなく、加水分解しやすい。リグニンは、木材の20〜30%程度の含有量であり、主にベンゼン核を有する不定形の高分子である。
木質バイオマスのようなリグノセルロースからエタノールを製造するには、まず酸やアルカリでヘミセルロースを加水分解し、ヘミセルロース由来の糖液を得る。ヘミセルロースを構成する糖は、主にキシロース、アラビノースといった五炭糖と、グルコース、ガラクトース、マンノースといった六炭糖であり、これらの量比率は木質系バイオマスの種類によって異なっている。
次いで、上記のヘミセルロース由来の糖を得た後の残渣をさらに酸や酵素で処理しセルロース由来の糖を得るが、この処理に希硫酸を用いるとグルコース収率が40%程度と低いことに加え、ギ酸やレブリン酸、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などの糖の過分解物質が生じやすく、これらの過分解物質はエタノールへの発酵に悪影響を与える。
上記の酸やアルカリ処理に代わる方法として酵素による加水分解が研究されているが、酵素反応を有効に行うための前処理は、原料によって適切な方法を選定する必要がある。
次いで、上記のヘミセルロース由来の糖を得た後の残渣をさらに酸や酵素で処理しセルロース由来の糖を得るが、この処理に希硫酸を用いるとグルコース収率が40%程度と低いことに加え、ギ酸やレブリン酸、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などの糖の過分解物質が生じやすく、これらの過分解物質はエタノールへの発酵に悪影響を与える。
上記の酸やアルカリ処理に代わる方法として酵素による加水分解が研究されているが、酵素反応を有効に行うための前処理は、原料によって適切な方法を選定する必要がある。
リグノセルロース原料に共通する性質の一つに、ヘミセルロースとセルロースの加水分解条件に差があることが挙げられる。ヘミセルロースは比較的酸やアルカリで分解されやすく、90%以上の高い回収率で糖が得られるのに対し、セルロースの分解はより厳しい条件で行われ、糖の過分解がほぼ同じ速度で生じてしまうため糖の回収率が低くなる。そこで、まず酵素加水分解の前処理を兼ねた一次加水分解でヘミセルロース由来の糖をできるだけ回収する方法が望ましい。
一次加水分解法としてよく研究されているのは酸またはアルカリを用いる方法である。
酵素加水分解の前処理としてはいずれも効果があるが、一次加水分解でヘミセルロース由来の糖を得ようとする場合、アルカリ条件下では糖の過分解が進みやすいため、酸を用いた処理が有利である。ヘミセルロース原料に対する一次加水分解処理として、苛性ソーダ蒸煮、酸化条件下での石灰処理も報告されているが、いずれもヘミセルロース由来の糖の収率は低い。
酵素加水分解の前処理としてはいずれも効果があるが、一次加水分解でヘミセルロース由来の糖を得ようとする場合、アルカリ条件下では糖の過分解が進みやすいため、酸を用いた処理が有利である。ヘミセルロース原料に対する一次加水分解処理として、苛性ソーダ蒸煮、酸化条件下での石灰処理も報告されているが、いずれもヘミセルロース由来の糖の収率は低い。
一方、酸を用いる一次加水分解処理では、糖は回収できるが原料によっては酵素加水分解の前処理として不十分な場合がある。例えば、木材の中でも広葉樹を酸や爆砕で一次処理した後の残渣は比較的容易に酵素で糖化されるが、針葉樹はリグニンを含む構造が広葉樹より強固なため、一次処理した後の残渣をそのまま使用すると酵素加水分解率は低い。
国内で有効利用が望まれている廃建材はスギ、ツガ、マツなどの針葉樹が主体であるため、針葉樹に対する前処理方法の確立は特に国内において重要である。
国内で有効利用が望まれている廃建材はスギ、ツガ、マツなどの針葉樹が主体であるため、針葉樹に対する前処理方法の確立は特に国内において重要である。
このような観点から、一次処理した残渣を酵素加水分解に供する前に二次処理を行い、酵素加水分解率を高める方法も研究されている。例えば、オゾン、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウムなどによる処理が報告されている。しかし、これら薬品の使用はコストが大きいだけでなく、後段の発酵において微生物に阻害的に働く場合が懸念されるので、発酵前に除去する工程を設ける必要がある。
また、セルロースやヘミセルロースを含む木材等のリグノース原料を加水分解する前に微粉砕処理する前処理方法も報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照。)。同様にリグノース原料を微粉砕してから酵素加水分解を行った後、再度固形物残渣を粉砕する方法も報告されている(例えば、特許文献4参照。)。また、アルカリ加水分解処理と機械的粉砕処理とを組み合わせた前処理方法についても報告されている(特許文献5参照。)。
一方、本発明の発明者らは鋭意検討を行い、リグノセルロース原料にまず酸加水分解処理を施し、固液分離して酸で比較的容易に回収できるヘミセルロース由来の糖を得た後、固形残渣に湿式粉砕処理を行うことにより、続く酵素加水分解の効率を高めることができる前処理方法を見いだしている。この前処理方法では、原料のリグノセルロースは、まず酸処理工程において主に原料中のヘミセルロースを加水分解し、続く固液分離工程で糖液と残渣とに分離され、残渣は、粉砕処理工程において粉砕される(以上、前処理方法。)。その後、酵素加水分解工程において糖へと加水分解され発酵によってエタノールが製造される。一方、固液分離工程で回収された糖液からも、中和された後発酵によってエタノールが製造される。
特開昭55−9758号公報
特開昭59−91893号公報
特開昭63−137690号公報
特開昭63−137692号公報
特開昭55−45306号公報
上述のようにリグノセルロース原料をボールミル等で微粉砕処理する前処理方法は、工程が少なくてすむ反面、投入エネルギーをかなり高くしないと前処理としての効果が得られない。また、アルカリ条件下での加水分解では糖の過分解が進みやすいという問題があった。さらに、ヘミセルロース由来の糖の収率についてはほとんど言及されていない。
また、リグノース原料を酸加水分解した後固液分離してから固形残渣を粉砕処理する前処理方法の場合は、ヘミセルロース由来の糖とセルロース由来の糖とを分離して別々に発酵を行うものであり、工程数が多くなってしまうため機器、配管等も多くなり、コスト高につながり設備化が困難になるという問題点があった。
さらに、前処理に粉砕を行う場合、コスト削減および環境への配慮等の点から、消費動力を低減できる粉砕機の使用が望まれていた。
さらに、前処理に粉砕を行う場合、コスト削減および環境への配慮等の点から、消費動力を低減できる粉砕機の使用が望まれていた。
本発明は、上述の背景技術の問題点を鑑みてなされたものであり、リグノセルロース原料を酵素加水分解する際の前処理方法であって、投入エネルギーを低く抑えて低コストで処理でき、糖の過分解を抑えて収率よく糖を得るためのリグノセルロースの前処理方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、リグノセルロース原料にまず酸加水分解処理を施し、該酸処理工程の反応物を中和した後に湿式粉砕処理を行うことにより、粉砕の投入エネルギーを低く抑えて低コストに処理でき、かつ続く酵素加水分解の効率を高めることができる前処理方法を見いだすに至った。
すなわち本発明は、リグノセルロースの酵素加水分解の前処理方法であって、リグノセルロース原料を酸処理する酸処理工程と、前記酸処理工程の反応物を中和する中和工程と、前記中和工程の反応物を湿式粉砕処理する粉砕処理工程とを含むことを特徴とするリグノセルロースの前処理方法である。
本発明によれば、酸でヘミセルロースを加水分解した反応物について中和を行ってから、湿式粉砕処理することによって、前処理の工程短縮化が可能となり、工程機器が減って設備費、運転費を抑えることができ、低コストで効率よく酵素加水分解における糖の収率を向上させ、続く発酵でのエタノール収率の向上を達成することが可能となる。工程が短縮化されるため、酸処理工程の反応物を固液分離する場合と比較して、密閉系での操作がしやすくなり製造過程での細菌等の汚染を防ぎやすくなる。また、固液分離を行う場合は系内に固形物洗浄のための水を添加する必要があるが、本発明の前処理方法では水の添加が必要なくなるため糖の濃度を高めることができる。これによって製品となるエタノールを分離するエネルギーの削減が行える。
本発明によると、酸加水分解による一次処理に引き続き二次処理に過酸化水素等の薬剤を用いる前処理方法に比べ、着色廃水の量が低減できる。また、一次加水分解で一部未反応のヘミセルロース由来の糖(キシロースなど)の回収量も二次処理に薬剤を用いる方法より多く、原料に含まれる糖をより有効に利用することができる。
また、希硫酸等の酸による反応で、ヘミセルロース由来の糖が溶出していること、及びリグニンの一部が溶出していることにより、反応物が柔らかくなっているため、少ない投入エネルギーで、酵素加水分解の効果を大きく高めることができる。
さらに、粉砕工程に叩解機を用いると、ボールミル等の粉砕機を用いる場合と比較して格段に粉砕動力が低減できるため低コスト化を実現できる。
また、希硫酸等の酸による反応で、ヘミセルロース由来の糖が溶出していること、及びリグニンの一部が溶出していることにより、反応物が柔らかくなっているため、少ない投入エネルギーで、酵素加水分解の効果を大きく高めることができる。
さらに、粉砕工程に叩解機を用いると、ボールミル等の粉砕機を用いる場合と比較して格段に粉砕動力が低減できるため低コスト化を実現できる。
本発明のリグノセルロースの酵素加水分解の前処理方法は、リグノセルロース原料を希硫酸処理する酸処理工程と、酸処理工程の反応物を中和する中和工程と、中和工程の反応物を湿式粉砕処理する粉砕処理工程とを含む。
図1は、リグノセルロースを原料とし、本発明の前処理方法を含むエタノールの製造方法の一例をフローチャートで示したものである。
原料のリグノセルロースは、まず酸処理工程において主に原料中のヘミセルロースを加水分解し、酸処理された反応物は続く中和工程において中和される。中和工程の反応物は粉砕処理工程において湿式粉砕された(以上、本発明における前処理)後、酵素加水分解工程において糖へと加水分解され発酵によってエタノールが製造される。
図1は、リグノセルロースを原料とし、本発明の前処理方法を含むエタノールの製造方法の一例をフローチャートで示したものである。
原料のリグノセルロースは、まず酸処理工程において主に原料中のヘミセルロースを加水分解し、酸処理された反応物は続く中和工程において中和される。中和工程の反応物は粉砕処理工程において湿式粉砕された(以上、本発明における前処理)後、酵素加水分解工程において糖へと加水分解され発酵によってエタノールが製造される。
本発明に用いられる原料のリグノセルロースは、特に限定されないが、例えば木材、稲わら、籾殻、バガスなどが利用できる。特に国内では発生量が多く、収集ルートが確立している廃建材を用いることが望ましい。廃建材は主に木造家屋の解体によって発生し、用いられている樹種としては、杉、松、栂などの針葉樹の比率が高い。
本発明に用いられるリグノセルロース原料は、あらかじめ破砕機を用いて1〜20mm、特に5〜10mmのサイズに破砕することが好ましい。破砕後のチップサイズはできるだけ小さい方が糖化の効率が高くなるが、破砕のための所要エネルギーも大きくなる。そこで適正なチップサイズが存在する。この破砕工程は酸加水分解後の粉砕処理工程とは異なり、一次加水分解である酸処理工程において原料と硫酸や蒸気の接触を良くしヘミセルロースから糖を回収しやすくするためである。
次いで、リグノセルロース原料を酸処理する。用いる酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸又はそれらの混合物が挙げられるが、このうち硫酸、特に希硫酸が好ましい。さらに、本発明における酸処理は、加熱しながら行うことが好ましい。反応に用いられる硫酸濃度は0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。反応温度は140〜230℃、特に160〜210℃の範囲が望ましい。反応時間は1〜20分、特に5〜10分であることが好ましい。硫酸濃度、反応温度および反応時間が上記の範囲内であると、酸処理工程においてヘミセルロースを効率的に加水分解し、糖を回収することができる。
次に上記酸処理工程の反応物は、中和工程において中和される。中和に用いるアルカリとしては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が挙げられるが、特に水酸化カルシウムが好ましい。中和に用いられるアルカリ濃度は、0.5〜5%、特に1〜3%が好ましい。反応温度は10〜100℃、特に40〜70℃の範囲が好ましい。反応時間は0.1〜10時間、特に0.5〜2時間であることが好ましい。アルカリ濃度、反応温度および反応時間が上記の範囲内であると、酸処理工程で生じた糖の過分解物等の発酵阻害物質を適切に除去することができる。また、残渣中のリグニンの一部が溶解し、後段の酵素による加水分解性が向上する。中和された後の反応物のpHは8〜11、特に9〜10であることが好ましい。
なお、本中和工程は、後述する粉砕処理工程の後、酵素加水分解の前段階で行うことも可能であるが、低pHで粉砕処理を行う場合、例えば叩解機を耐酸性にする必要がありコストが高くなってしまうため、粉砕処理の前に中和を行う方がより好ましい。
上記中和工程に供する酸処理工程の反応物にはヘミセルロース由来の糖であるグルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース等が含まれている。本発明の前処理方法では酸処理工程における糖の過分解物の生成が抑えられるが、この反応物には糖の過分解物であるフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、レブリン酸、ギ酸等がある程度の量は含まれている。これらは後段の微生物による発酵を阻害するため前処理が必要であるが、本中和工程においてフルフラール、HMFの一部除去も行われるため、特段の処理を必要としない。
上記中和工程の反応物は、粉砕処理工程において湿式粉砕される。粉砕される反応物の水分含量は50〜95%、特に60〜90%であることが好ましい。この反応物は、希硫酸による加水分解反応でヘミセルロース由来の糖が溶出していること、およびリグニンの一部が溶出していることにより柔らかくなっている。従って少ない投入エネルギーで粉砕しても、続く酵素加水分解の効果を大きく高めることができる。粉砕処理工程に用いられる粉砕機は、湿式で叩解効果が得られる粉砕機であればいずれでもよいが、叩解機、スタンプミル、ボールミルが好ましく、叩解機が特に好ましい。本粉砕処理工程は、湿式粉砕であるため、粉塵爆発や火災の危険がなく、また熱による変性で糖成分の一部が分解することもほとんどない。
粉砕処理工程に用いられる叩解機は、原料が固定刃と回転刃の間を通過する際に破砕を行い、刃の材質や形状を適宜選択し刃間の間隔、回転数等を設定制御することにより微粉砕から粗粉砕まで自由に粒度を変えて木材等を破砕することができる粉砕機である。叩解機を用いる場合、ボールミルやスタンプミル等の粉砕機と比較して粉砕時の消費動力が格段に低減できるため、エネルギー効率がよく低コストで粉砕処理を行うことができる。叩解機を用いる粉砕処理により、数μm〜300μm程度の粒度を有する残渣が得られる。
上記したように、リグノセルロースを前処理することにより、その後の酵素加水分解、発酵によるエタノール生成を、投入エネルギーを低く抑えて低コストでかつ効率よく行うことができる。
上記したように、リグノセルロースを前処理することにより、その後の酵素加水分解、発酵によるエタノール生成を、投入エネルギーを低く抑えて低コストでかつ効率よく行うことができる。
上記のように粉砕処理工程において粉砕された反応物は酵素加水分解に供されて糖が製造される。酵素加水分解の酵素としては、セルラーゼが用いられる。すなわち、粉砕された残渣を懸濁した液にセルラーゼを添加し、攪拌しながら、例えばpH4〜6、30〜60℃、10〜120時間反応させる。
この酵素による加水分解液には、セルロース由来の糖であるグルコースおよびヘミセルロース由来の糖であるグルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース等が含まれる。この糖液に窒素、リンを含む栄養源とエタノール発酵微生物を添加し、糖をエタノールに変換する。発酵微生物としては、五炭糖を変換できる微生物を単独で使用しても、五炭糖を変換できる微生物と六炭糖を変換できる微生物とを併用してもよい。
この酵素による加水分解液には、セルロース由来の糖であるグルコースおよびヘミセルロース由来の糖であるグルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース等が含まれる。この糖液に窒素、リンを含む栄養源とエタノール発酵微生物を添加し、糖をエタノールに変換する。発酵微生物としては、五炭糖を変換できる微生物を単独で使用しても、五炭糖を変換できる微生物と六炭糖を変換できる微生物とを併用してもよい。
本発明によれば、酸でヘミセルロースを加水分解した反応物について中和を行ってから、湿式粉砕処理することによって、前処理の工程短縮化が可能となり、工程機器が減って設備費、運転費を抑えることができ、低コストで効率よく酵素加水分解に供する糖の収率を向上させ、続く発酵でのエタノール収率の向上を達成することが可能となる。工程が短縮化されるため、酸処理工程の反応物を固液分離する場合と比較して、密閉系での操作がしやすくなり製造過程での細菌汚染を防ぎやすくなる。また、固液分離を行う場合は、ろ過を行う際、系内の固形物洗浄のための水を添加する必要があるが、本発明の前処理方法では水の添加が必要なくなるため糖の濃度を高めることができる。これによって製品となるエタノールを分離するエネルギーの削減が行える。
また、本発明によると、酸加水分解による一次処理に引き続き二次処理に過酸化水素等の薬剤を用いる前処理方法に比べ、着色廃水の量が低減できる。また、一次加水分解で一部未反応のヘミセルロース由来の糖(キシロースなど)の回収量も二次処理に薬剤を用いる方法より多く、原料に含まれる糖をより有効に利用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
酸処理工程:原料として廃建材(ボード原料用チップ)を用い、加水分解機として連続式加水分解機(処理量:120kg/時間)を用い、硫酸濃度1%、反応温度170℃、反応時間10分で一次加水分解を行った。反応物は、主にヘミセルロース由来の糖を9%含む糖液と、主にセルロースとリグニンからなる残渣の混合物であった。残渣の固形物としての濃度は約10%であった。反応物の量は原料100gに対して305gであった。
中和工程:酸処理工程の反応物に水酸化カルシウムを濃度1.8%で添加し、反応温度60℃、反応時間30分で中和を行った。
粉砕工程:叩解機に中和工程の反応物27kg(湿潤重量、水分含量90%)を入れ、約10秒間粉砕を行った。粉砕前の粒度は十数μm〜数mmの分布であったのに対し、粉砕後は数μm〜300μm程度の分布であり50%Dは約60μmであった。
中和工程:酸処理工程の反応物に水酸化カルシウムを濃度1.8%で添加し、反応温度60℃、反応時間30分で中和を行った。
粉砕工程:叩解機に中和工程の反応物27kg(湿潤重量、水分含量90%)を入れ、約10秒間粉砕を行った。粉砕前の粒度は十数μm〜数mmの分布であったのに対し、粉砕後は数μm〜300μm程度の分布であり50%Dは約60μmであった。
酵素加水分解兼アルコール発酵工程(以下、同時糖化発酵工程):250mLの三角フラスコに、残渣固形物を約10%含む、粉砕した反応物を100g添加した。続いてコーンスティープリカー(日本食品加工株式会社製)を5g添加し、pHを6.5に調整した。続いてセルラーゼ(GC 220、ジェネンコア・インターナショナルジャパン・リミテッド)を残渣の固形物1gに対して0.24g添加した。さらに、エタノール発酵性遺伝子組換え大腸菌(株名:KO11)と酵母(株名:Saccharomyces cerevisiae TJ-1)の前培養液をそれぞれ5gずつ添加した。これを反応温度35℃、100rpmで振とうし、100時間同時糖化発酵を行った。なお、前培養は、組換え大腸菌の場合、キシロース4%を含むLuria−Bertani(LB)培地で12時間好気的に培養した。酵母の場合、グルコース5%、コーンスティープリカー0.5%、尿素0.08%、リン酸二水素カリウム0.02%を含む培地で12時間好気的に培養した。
分析:同時糖化発酵前後の発酵液中のエタノールをガスクロマトグラフで分離、定量した。ガスクロマトグラフのカラムとしては、ジーエルサイエンス社のCP−Wax 52CBを使用した。また、同時糖化発酵前後の単糖をHPLCで分離、定量した。HPLCのカラムとしてはBIO−RAD社のHPX−87Pを使用した。同時糖化発酵液中のエタノール濃度から、原料100g(乾物)あたりのエタノール収量を計算した。酸処理工程で上記と硫酸を、中和工程で水酸化カルシウムを、原料同時糖化発酵においてコーンスティープリカーと前培養液をそれぞれ添加していることを考慮して、以下の式を用いた。
原料100gあたりのエタノール収量[g]=(発酵液中のエタノール濃度[%]−発酵前のエタノール濃度[%])×(305/100)×(118/100)×((100+5+5+5)/100)
原料100gあたりのエタノール収量[g]=(発酵液中のエタノール濃度[%]−発酵前のエタノール濃度[%])×(305/100)×(118/100)×((100+5+5+5)/100)
(比較例1)
一次加水分解の反応物を、粉砕処理を行わずにそのまま酵素加水分解に用いたこと以外は上記の実施例1と同様にしてエタノールを得た。
上記実施例1および比較例1のエタノール濃度の経時変化を図2に、エタノール収量を表1に示す。
一次加水分解の反応物を、粉砕処理を行わずにそのまま酵素加水分解に用いたこと以外は上記の実施例1と同様にしてエタノールを得た。
上記実施例1および比較例1のエタノール濃度の経時変化を図2に、エタノール収量を表1に示す。
実施例1および比較例1における同時糖化発酵で得られたエタノール収量の結果より、実施例1のように酸加水分解の反応物を中和、粉砕処理することによって、比較例1のように粉砕処理しなかった場合よりも大幅にエタノール収量が向上することがわかった。
本発明のリグノセルロースの前処理方法は、木質バイオマスを原料とする糖化およびエタノールの製造に有用である。
Claims (8)
- リグノセルロースの酵素加水分解の前処理方法であって、リグノセルロース原料を酸処理する酸処理工程と、前記酸処理工程の反応物を中和する中和工程と、前記中和工程の反応物を湿式粉砕処理する粉砕処理工程とを含むことを特徴とするリグノセルロースの前処理方法。
- 湿式粉砕処理を叩解機により行うことを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- 前記酸処理を、希硫酸を用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- 前記酸処理工程において、希硫酸の濃度が0.1〜5%であることを特徴とする請求項3に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- 前記酸処理工程において、反応温度が140〜230℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- 前記酸処理工程において、反応時間が1〜20分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- 前記リグノセルロース原料が廃建材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリグノセルロースの前処理方法。
- リグノセルロースを、酸処理前に破砕処理を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリグノセルロースの前処理方法。
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