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JP2007112231A - 走行制御装置 - Google Patents

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JP2007112231A JP2005304026A JP2005304026A JP2007112231A JP 2007112231 A JP2007112231 A JP 2007112231A JP 2005304026 A JP2005304026 A JP 2005304026A JP 2005304026 A JP2005304026 A JP 2005304026A JP 2007112231 A JP2007112231 A JP 2007112231A
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Yuichiro Tsukasaki
裕一郎 塚崎
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】減速走行制御において、適切な目標減速度の設定による、追突や不必要に強い制動力による危機感や不安感の解消を図る。
【解決手段】減速度設定部63は、目標減速度αa'を、車速Vaに応じた所定の目標車間距離lを確保すること、自車速Vaを先行車速Vfまで落とすこと、および、自車と先行車とは、仮にともに現在の減速度を維持したとき同時に停止することを条件として満たすように構成された関係式から導く。この関係式は、自車の速度Va、車間距離L、目標車間距離l、先行車の速度Vfおよび先行車の減速度αfと、自車の減速度αa'との間の対応関係を示す。制動指示部65は、この目標減速度αa'に基づいて、ブレーキ駆動部3b、スロットルバルブ1aに対して指示を送り、これによって減速を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される走行制御装置に係り、特に、走行車両における先行車両に対する減速制御に関する。
従来より、先行車の減速に合わせて自動的に自車を減速させる走行制御装置が知られている。特許文献1に開示された追突防止装置は、車列に割り込んできた先行車の相対速度と車間距離とから目標減速度を算出し、この目標減速度に基づいてブレーキを制御する。また、特許文献2に開示された走行制御装置は、走行制御での減速中、目標減速度が所定値を超えないように設定する。
特許第2979707号公報 特開平11−11273号公報
上記のような従来の走行制御装置では、それぞれ、所定の条件が設定されて目標減速度が算出されるが、必ずしも適切な値が算出されるとはいえない。その結果、ドライバや同乗者に、追突や不必要に強い制動力による危機感や不安感を抱かせることがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、減速走行制御において、適切な目標減速度の設定による乗員の危機感等の解消を図ることである。
かかる課題を解決するために、本発明は、車両に搭載され、目標減速度に応じて車両の減速を制御する走行制御装置を提供する。この走行制御装置は、車速センサと、プレビューセンサと、先行車情報生成部と、減速度設定部とを有する。車速センサは、自車の速度を検出し、プレビューセンサは、先行車との間の車間距離を検出する。先行車情報生成部は、自車の速度および車間距離に基づいて、先行車の速度を特定する。自車が先行車より速い場合に、減速度設定部は、自車の速度、車間距離、所定の目標車間距離および先行車の速度に基づいて、所定の対応関係における出力として自車の減速度を得る。減速度設定部は、得られた減速度を上記目標減速度として設定する。上記所定の対応関係は、所定の目標車間距離を確保すること、自車の速度を先行車の速度まで落とすこと、および、自車と先行車とは現在の減速度を維持したとき同時に停止することの条件を満たすように構成されている。
本発明において、目標車間距離更新部をさらに有することが好ましい。すなわち、この目標車間距離更新部は、目標減速度の設定に用いられる上記所定の目標車間距離を、検出された自車の速度の減少に応じて減少させる。
本発明によると、減速(制動)制御において、所定の目標車間距離を確保しつつ自車の速度を先行車の速度まで落とし、かつ、自車と先行車とは、仮にともに現在の減速度を維持したとき同時に停止するように、目標減速度が設定されるため、従来生じることがあった追突についての乗員の危機感を解消するとともに、従来生じることがあった不必要に強い制動力から生じる不安感を解消することができる。
図1は、本実施形態に係る走行制御装置6が搭載された車両の概略構成を示す図である。この車両は、四輪駆動車であり、前後左右の四輪すべてを駆動する。本車両は、ブレーキ装置3と、走行制御装置6とによって、先行車に追従するよう減速を制御することが可能である。走行制御装置6は、この際の目標減速度の設定に特徴を有する。
駆動源であるエンジン1には、吸入空気量を調節するスロットルバルブ1aが設けられており、このスロットルバルブ1aは所定のアクチュエータを有する。ドライバによるアクセルペダルの踏込量等に応じた制御信号が走行制御装置6で生成され、この制御信号に応じてアクチュエータが動作することによりスロットルバルブ1aの開度が調節される。そして、この開度に応じた、燃料を含む空気がエンジン1に吸入される。エンジン1による動力は、図示しないディファレンシャル機構を介して前輪側および後輪側の車軸(駆動軸)へとそれぞれ伝達される。各車軸に伝達された動力はそれぞれ車輪2に駆動トルクを生じさせ、これにより、各車輪2に駆動力が付加される。
ブレーキ装置3は、主として、ブレーキ機構3aと、ブレーキ駆動部3bと、ブレーキ制御部3cとから構成される。ブレーキ機構3aは、車輪2毎に設けられており、例えば、マスターシリンダ、ホイールシリンダ、ディスクロータ、キャリパおよびブレーキパッド等から構成された周知の油圧式ブレーキ機構である。個々のブレーキ機構3aは、ブレーキパッドをディスクロータに押圧することにより、摩擦力に応じたブレーキトルクを車輪2に与え、制動力を生じさせる。すなわち、マスターシリンダに接続されたブレーキペダルがドライバによって踏み込まれると、ブレーキフルードがマスターシリンダからブレーキ駆動部3bを経由して各ホイールシリンダに圧達される。このホイールシリンダに供給されるフルード圧により、キャリパがブレーキパッドをディスクロータに押圧し、ブレーキトルクが車輪2に生じる。
ブレーキ駆動部3bは、一般に、ハイドロリックコントロールユニットと呼ばれており、モータ、ソレノイドバルブ、リザーバ等から構成される。このブレーキ駆動部3bは、フルード通路を介して、各ブレーキ機構3aのホイールシリンダおよびマスターシリンダにそれぞれ接続されている。ブレーキ駆動部3bは、ブレーキペダルの踏込量にかかわらず、走行制御装置6からの制御信号に基づいて自動的にブレーキ機構3aを動作させることが可能である。
ブレーキ制御部3cは、ブレーキ機構3aが動作したときに、アンチロックブレーキを行うか否かを判断する。ブレーキ制御部3cには、各車輪2の車輪速に応じて自車の速度Vaを検出する車速センサ4が接続されており、アンチロックブレーキを行うか否かの判断のため、車速センサ4から検出信号が入力される。ブレーキ制御部3cは、アンチロックブレーキを行う場合には、増圧、保持および減圧のうちのいずれかの油圧モードを選択する。この選択されたモードに応じた制御信号がブレーキ駆動部3bに出力される。一方、アンチロックブレーキを行わない場合には、通常ブレーキモードに応じた制御信号がブレーキ駆動部3bに出力される。通常ブレーキモードでは、ブレーキペダルの踏込量、または、後述する走行制御装置6からの制御信号等に応じて、ブレーキ駆動部3bが動作する。
プレビューセンサ5は、先行車と自車との間の車間距離Lを検出するセンサであり、ここでは、一対のCCDカメラおよび画像処理系で構成された周知のステレオ画像処理装置である。このステレオ画像処理装置は、各CCDカメラから得られた一対の画像データに基づいて距離データを算出する。距離データでは、画像データによって規定される二次元領域上の位置と、この位置に写し出された対象物までの距離(または視差)とが対応付けられており、車両前方における対象物までの距離の分布が表される。プレビューセンサ5は、この距離データに基づいて、先行車の位置を三次元空間上で認識した上で、車間距離Lを検出する。なお、このプレビューセンサ5と同等の機能は、単眼カメラ、レーザレーダ、ミリ波レーダ等を単独で用い、また、これらを併用することにより実現することが可能である。
走行制御装置6は、主として、マイクロコンピュータからなり、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等から構成される。走行制御装置6は、ROMに記憶された走行制御プログラムに従って、自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるように、走行制御に関する演算を行い、これによって、先行車に追従した自動走行が行われる。このような演算を行うため車速センサ4およびプレビューセンサ5からの検出値が入力されており、この演算結果に応じた制御信号がスロットルバルブ1aまたはブレーキ駆動部3bに出力される。
図2は、走行制御装置6の特に減速制御に係る主な構成を示すブロック図である。上述のように、走行制御装置6はマイクロコンピュータからなる。ここで実行される減速制御に係るプログラムは、主に、目標車間距離更新部61と、先行車情報生成部62と、減速度設定部63と、ブレーキトルク対応マップ64と、制動指示部65とを有する。目標車間距離更新部61は、車速センサ4により検出された自車の速度Va(四輪についての平均等)に基づいて目標車間距離lを設定する。関数l(Va)は、この自車速Vaの単調増加関数であり(数式1)、すなわち、自車速Vaの減少(増加)に伴って目標車間距離lは減少(増加)する。この関数l(Va)の形は、交通流調査等によって得られたデータに基づいて定めることが可能である。
Figure 2007112231
先行車情報生成部62は、車速センサ4により検出される自車速Vaとプレビューセンサ5により検出される車間距離Lとに基づいて、自車に対する先行車の相対速度Vfaを算出する。すなわち、相対速度Vfaは、時刻tにおける車間距離Lと時刻(t+Δt)における車間距離(L+ΔL)とから、単位時間当たりの車間距離の変化(=ΔL/Δt)として求めることが可能である。相対速度Vfaが正の場合には、自車が先行車から離れていくことを意味し、このVfaが負の場合には、自車が先行車に近づいていくことを意味する。減速度設定部63は、自車速Vaと相対速度Vfaと車間距離Lと目標車間距離lを次の数式2に代入することによって自車の目標減速度αa'を算出する。
Figure 2007112231
すなわち、同数式に示すように、自車の目標減速度αa'は、自車速Vaと相対速度Vfaとの積を、車間距離Lから目標車間距離lを引いたものを2倍したもので割り、これにマイナスを付したものとして算出される。ブレーキトルク対応マップ64は、目標減速度αa'とブレーキトルクとの対応関係を予め記述したマップであり、この対応関係は実験やシミュレーションを通じて設定される。制動指示部65は、このマップ64を参照して、算出された目標減速度αa'に対応するブレーキトルクを特定し、ブレーキ駆動部3bに対してこのブレーキトルクを指示する制御信号を出力する。また、制動指示部65は、同様に、スロットルバルブ1aの開度を指示する。
図3はこれらの減速制御を含む走行制御の手順を示すフローチャートである。走行制御装置6は、この走行制御プログラムを所定間隔毎に呼び出し実行する。特にステップ3〜9が減速制御に関わる。まず、ステップ1において、先行車追従モードであるか否か、つまり、通常モードに0、先行車追従モードに1が対応するモードフラグがいずれの値であるかが判定される。先行車追従モードは、ドライバ自身の操作によって車速を調整する通常モードとは異なり、先行車に追従して車速を自動的に調整するモードである。これら2つのモードは、ドライバが所定の操作スイッチによって適宜選択する。ステップ1において否定判定された場合、すなわち、通常モードが選択されている場合には、ステップ2に進む。一方、ドライバによって先行車追従モードが選択されると、このモードが解除されるまで、すなわち、次に通常モードが選択されるまで、このステップ1で肯定判定され、ステップ3に進む。
ステップ1で通常モードが選択されている場合には、ステップ2において通常の制御が行われる。走行制御装置6は、ドライバのアクセルペダルの操作量に基づいて、スロットルバルブ1aの開度を設定し、この設定量に応じた制御信号をスロットルバルブ1aに向けて出力する。また、ブレーキ装置3は、ドライバのブレーキペダルの操作量に応じて各車輪2に対しブレーキトルクを付加する。これらの後、本ルーチンを抜ける。
追従モードが選択されている場合には、まず、ステップ3において、プレビューセンサ5による車間距離Lの検出値が読み込まれ、ステップ4において、上述のようにこの車間距離Lの時間微分として、相対速度Vfaが算出される。具体的には、本処理の前回実行時であるΔt秒前に読み込まれた車間距離(L-ΔL)と、今回読み込まれた車間距離Lとから相対速度Vfaが算出される。ステップ5においては、車速センサ4による自車速Vaの検出値が読み込まれ、ステップ6において、この自車速Vaに基づいて目標車間距離lが算出される(上記数式1)。ステップ7においては、減速を行うか否かが判断される。具体的には、自車が先行車に接近しているか否か、すなわち、相対速度Vfaが負であるか否か、また、車間距離Lが目標車間距離lに対して適正であるか否か等が判断される。ステップ7で肯定判定され、減速が必要である場合には、ステップ8に進み、また、ステップ7で否定判定され、減速が必要でない場合には、ステップ10に進む。
ステップ7での判断に基づいて減速される場合には、ステップ8において、ステップ3で読み込まれた車間距離Lと、ステップ4で算出された相対速度Vfaと、ステップ5で読み込まれた自車速Vaと、ステップ6で算出された目標車間距離lとが、上記数式2に代入されて、自車の目標減速度αa'が算出される。この減速度αa'については後に詳述するが、仮に、自車が先行車より目標車間距離l手前の地点で追いついたとき、この地点で、先行車速Vfに対応した速度(≒Va)となるような値が設定される。ステップ9においては、この算出された減速度αa'に応じた制動力が付加されるよう減速制御が行われる。具体的には、この減速度αa'に応じたブレーキトルクを指示する制御信号がブレーキ駆動部3bに出力されるとともに、スロットルバルブ1aにも所定の制御信号が出力される。これにより、スロットルバルブ1aが閉弁してエンジン1の出力が低下されつつ、ブレーキ駆動部3bがブレーキ機構3aを動作させて車輪2に所定のブレーキトルクが付加される。これらの後、本ルーチンを抜ける。
ステップ7での判断に基づいて減速されない場合には、ステップ10において、スロットルバルブ1aを制御して自車を加速する。すなわち、車間距離Lが目標車間距離lに近づいていくようにスロットルバルブ1aの開度が調整される。この後、本ルーチンを抜ける。
走行制御装置6は、特に、目標減速度αa'の算出のため用いた数式2および同数式を導出する際に想定した条件等に特徴を有する。このαa'によって、追突に対する危険感を解消することができるとともに、減速制御の初期段階における不必要に強い制動力を抑えることができる。
以下、この目標減速度αa'の導出原理および上記した効果の根拠等について順次詳述する。図4は、先行車を間近にして自車が減速する状況を示す図である。車速Vaの自車が減速度αa(正の値、負の加速度)で減速したとき、t秒後における自車の速度Vaおよび位置xaは、次に示す数式3,4の関係を満たす。
Figure 2007112231
Figure 2007112231
同様に、車速Vfの先行車が減速度αfで減速したとき、t秒後における先行車の速度Vfおよび位置xfは、次の数式5,6の関係を満たす。
Figure 2007112231
Figure 2007112231
ここで、先行車の減速度αfを無視して、先行車から目標車間距離l手前の地点において自車と先行車とが同じ速度になるという条件、すなわち、次の数式7,8を満足する減速度α1は、数式9によって算出される。例えば、特許第2979707号公報では、目標車間距離lについて考慮されていないものの、数式9と同様の数式が開示されている。
Figure 2007112231
Figure 2007112231
Figure 2007112231
同数式による減速度α1に基づいて減速制御を行った場合には、先行車への追突を抑制することが可能である。しかしながら、この減速制御によると、制御や油圧系の遅れ等による減速の遅れに伴って、減速制御開始後に減速度が大きくなり、すなわち、後半での減速が大きくなる傾向がある。このため、ドライバが追突に対する不安感を覚えることがある。
また、例えば、特開平11−11273号公報には、先行車の減速を加味した減速度α2の算出式(数式10)が開示されている。まず、先行車が現在の減速度を維持したとき停止するまでに進む距離を算出し、これを現在の車間距離Lに加算する。この先行車の停止位置から目標車間距離lを引いた位置において自車を停止させる減速度がα2である。すなわち、数式11,12からtを消去して添え字を対応させることにより、数式10が得られる。
Figure 2007112231
Figure 2007112231
Figure 2007112231
特に、ここでの目標車間距離lは、走行制御装置6におけるものと同様に、自車速Vaに応じて可変に設定される。目標減速度α2による減速制御を行った場合には、減速度は、初期に大きく、減速開始後に緩やかに小さくなっていく。この目標減速度α2によると、上述の数式9による減速制御に伴う不都合を解消することが可能であるが、先行車への追突の可能性がある。すなわち、上記の数式4,6において、自車の位置xaと、先行車の位置xfとの差が0になる場合が存在する。例えば、車速20km/hから0.01Gで減速しその後停止する先行車に対して、車速100km/h、車間距離50mで減速を開始した場合である。
以上のように、目標減速度α1,α2ではいずれにおいても追突の可能性があるため、次の数式13に示す目標減速度αaを設定した。このαaの導出においては、数式7,8による条件に加えて、先行車の減速度αfを加味している。目標減速度αaによる減速制御においては、先行車から目標車間距離l手前の地点で、自車速Vaを、先行車速Vfにまで減速させることが可能である。この目標車間距離lは減速制御中速度Vaに応じて適宜更新されていくため、また、先行車の減速度αfが加えられているため、数式9による目標減速度α1のような、追突についての乗員の不安感を解消することができる。
Figure 2007112231
さらに、初期段階での過大な減速を抑えつつ、追突の危険のない目標減速度αa'を設定する。減速度αfを維持したとき先行車が停止する時刻と、減速度αaを維持したとき自車が停止する時刻とが等しいという、次に数式14に示す条件を、数式7,8による条件に加える。すなわち、数式14をαfについて解き、これを数式13に代入すると、数式2の目標減速度αa'を得る。
Figure 2007112231
図5は、数式2によるαa'を用いた減速制御をシミュレーションした結果を示す図である。同図(a)は減速度の経時的変化を示し、同図(b)は車速の経時的変化を示し、また、同図(c)は車間距離の経時的変化を示す。ここでは、車速20km/hから0.1Gで減速して停止する先行車に対し、自車が、車速40km/h、車間距離50mから減速を開始する場合を想定している。同図では、目標減速度αa'(上記数式2)による結果を実線で示し、その比較のために、目標減速度α1(数式9)による結果をAを付した破線で示し、目標減速度α2(数式10)による結果をBを付した破線で示している。特に、同図(a)に示すように、本実施形態の減速制御での目標減速度αa'は、初期において、目標減速度α2よりも小さな値が設定される。また、同図(b),(c)に示すように、減速度αa'による車速および車間距離は、減速度α1によるものよりもスムーズに、それぞれ、0km/hおよび5mへと徐々に推移している。
このように、本実施形態の減速制御で用いられる目標減速度αa'は、車速Vaに応じて更新される所定の目標車間距離lを確保すること(数式8)、自車速Vaを先行車速Vfまで落とすこと(数式7)、および、自車と先行車とは、仮にともに現在の減速度を維持したとき同時に停止すること(数式14)を条件として満たすよう構成された数式2から算出される。このような減速度αa'の設定によって、先行車への追突を防止し、従来のような、減速の遅れ等により乗員が抱く危機感を解消することができるとともに、初期における減速を小さく抑え、従来のような、減速初期の過大な減速による不安感を解消することができる。さらに、この減速制御においては、前半より後半の減速度が小さくなるよう設定されていくため、ドライバの操作によるスムーズな制動に近いといえる。
なお、上記実施形態では、先行車情報生成部62は、プレビューセンサ5により検出した車間距離Lに基づいて、先行車の相対速度Vfa等を算出し、減速度設定部63は、このVfaを用いて、目標減速度αa'を算出した。この相対速度Vfaに代えて、先行車の速度Vfを用いて、目標減速度αa'を算出してもよい。また、各部において、各変数の間の対応関係を示す数式を用いて、先行車の速度および目標減速度等を算出したが、演算結果を予め記憶させたテーブルを用いて、先行車の速度および目標減速度等を特定(設定)することが可能である。
本実施形態に係る走行制御装置6が搭載された車両の概略構成図 走行制御装置6の主な構成を示すブロック図 走行制御の手順を示すフローチャート 先行車を間近にした自車の減速状況を示す図 本減速制御のシミュレーション結果を示す図
符号の説明
1 エンジン
1a スロットルバルブ
2 車輪
3 ブレーキ装置
3a ブレーキ機構
3b ブレーキ駆動部
3c ブレーキ制御部
4 車速センサ
5 プレビューセンサ
6 走行制御装置
61 目標車間距離更新部
62 先行車情報生成部
63 減速度設定部
64 ブレーキトルク対応マップ
65 制動指示部

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、目標減速度に応じて前記車両の減速を制御する走行制御装置において、
    自車の速度を検出する車速センサと、
    先行車との間の車間距離を検出するプレビューセンサと、
    前記自車の速度および前記車間距離に基づいて、前記先行車の速度を特定する先行車情報生成部と、
    前記自車が前記先行車よりも速い場合に、前記自車の速度、前記車間距離、所定の目標車間距離および前記先行車の速度に基づいて、所定の対応関係における出力として前記自車の減速度を得て、当該減速度を前記目標減速度として設定する減速度設定部とを有し、
    前記所定の対応関係は、前記所定の目標車間距離を確保すること、前記自車の速度を前記先行車の速度まで落とすこと、および、前記自車と前記先行車とは、現在の減速度を維持したとき、同時に停止することの条件を満たすように構成されていることを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記目標減速度の設定に用いられる前記所定の目標車間距離を、前記検出された自車の速度の減少に応じて減少させる目標車間距離更新部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された走行制御装置。
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