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JP2007107909A - 振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法 - Google Patents

振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法に関して、振動型慣性力検知センサの検出精度を向上させる検出信号処理方法を提供するものである。
【解決手段】この目的を達成するために、振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法に関して、特に、振動型慣性力検知センサの検出系回路5において同期検波された信号から高調波成分を除去し、この高調波成分を除去した信号を増幅し、この増幅された信号を平滑することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法に関する。
例えば、振動型慣性力検知センサの一例である振動型角度センサは図1に示すように、駆動手段1と検知手段2を設けたセンサ素子3と、駆動手段1に制御電圧を印加しセンサ素子3を振動させるとともにその振動を制御する駆動制御回路4と、検知手段2から出力された検知信号を処理する検出系回路5を備えた構成であり、検出系回路5においては検知手段2から出力された検知信号を差動アンプ6を用いて差動増幅し、この差動増幅された信号とこの検知信号を反転アンプ7を用いて反転した信号とを同期検波器8を用いて同期検波し、その後、ローパスフィルタ9を用いて平滑することにより、外部衝撃などの外乱ノイズを抑制した信号を出力する手法が知られている。
そして、従来のローパスフィルタ9は、図示したものとは異なるが同期検波後の信号を先ずプリアンプにより増幅してから平滑回路を用いて平滑したり、アクティブフィルタを用いて増幅しながら平滑したりしていた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−267448号公報
しかしながら、同期検波後の信号は図6に示されるよう鋸刃状の波形(同期検波出力8a)となっているため、この波形の切り替わり部分10においては増幅処理能力が追従しきれずに、平滑時のオフセット11の原因となる波形誤差12を含んでしまい高い精度での平滑処理が行えず、結果として、振動型慣性力検知センサの性能を検出系回路5の内部処理にて低下させてしまうという問題を有していた。
そこで、本発明はこのような問題を解決し、振動型慣性力検知センサの検出精度を向上させる検出信号処理方法を提供するものである。
この目的を達成するために本発明は、特に振動型慣性力検知センサの検出系回路において同期検波された信号から高調波成分を除去し、この高調波成分を除去した信号を増幅し、この増幅された信号を平滑することとしたのである。
この方法を用いることにより、振動型慣性力検知センサの検出精度を向上させることが出来るのである。
以下、本発明の一実施の形態について図を用いて説明する。なお、上述した背景技術と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
図1は振動型慣性力検知センサの一例である振動型角速度センサを示すブロック図であり、その基本構成はセンサ素子3と、このセンサ素子3の振動を制御する駆動制御回路4と、センサ素子3から出力された信号を処理する検出系回路5を備えている。
また、センサ素子3は図2に示されるごとくシリコン基板からなる音叉型の振動子13から延出された一対の駆動アーム14にそれぞれPZTからなる圧電薄膜の上下面を電極で挟み込んだ駆動手段1となる駆動電極1aおよび検知手段2となる検知電極2aが設けられ、駆動アーム14の付け根部分にもPZTからなる圧電薄膜の上下面を電極で挟み込んだモニタ手段15となるモニタ電極15aが設けられた構成であり、駆動電極1aに図1に示す駆動制御回路4から駆動電極を印加することにより駆動アーム14が矢印で示すよう側方に振動し、この振動状態において検出軸回りに角速度が加わることでコリオリ力により駆動アーム14に図面における前後方向に撓みが生じ、この撓みにより検知電極2aから検出信号を図1に示す検出系回路5に出力するものである。
また、図2に示すモニタ電極15aは、駆動アーム14の振幅量を検知してその情報を駆動制御回路4にフィードバックすることにより先に述べた振幅量を規定状態となるよう駆動制御回路4から駆動電極1aに印加する制御電圧を調節するために用いられるものである。
そして、図1に示される検出系回路5においては、センサ素子3に設けられた2つの検知電極2aから出力される検出信号(図3に示す検知出力2b、2c)が、先ずそれぞれの検知信号をカレントアンプやチャージアンプなどの増幅器16を用いて増幅し、この2つの増幅信号を差動アンプ6を用いて差動増幅し、この差動増幅された信号(図3における差動アンプ出力6a)を位相シフタ17で位相を90度遅延させ、その遅延信号(図3における位相シフタ出力17a)を分岐させ一方の信号を直接的に同期検波器8に入力するとともに、他方の信号を反転アンプ7で位相を反転させてその信号(図3における反転アンプ出力7a)を同期検波器8に入力し、これら2つの信号(図3における位相シフタ出力17aと反転アンプ出力7a)をモニタ手段15から出力される信号(図3におけるモニタ信号15a)から形成した同期信号(図3における検波CLK出力18a)で検波を行い、図3に示す鋸刃状の同期検波出力8aを形成するのである。
なお、この図3に示す検波CLK出力18aは、モニタ回路15から出力されるモニタ信号15aを検波クロック18を用いてパルス波形に変換したものである。
そして、この振動型角速度センサにおいては、鋸刃状の同期検波出力8aを平滑する図1に示すローパスフィルタ9の構成を、同期検波出力8aの高調波成分を除去するパッシブフィルタ19を通した後に、アンプ20で増幅し、その後、積分器などの平滑回路21を用いて平滑する構成としており、これにより従来の同期検波出力8aを先ず増幅してから平滑するものに比べて検出系回路5における検出精度の低下を抑制でき、結果として、振動型慣性力検知センサの検出精度を向上させることが出来るのである。
すなわち、従来のプリアンプやアクティブフィルタのように同期検波出力8aを先ず増幅し追って平滑するものであるため、図6に示されるように、鋸刃状の同期検波出力8aをプリアンプやアクティブフィルタで増幅することで、アンプの追従性に起因して波形の切り替わり部分10においてタイムラグ10aが生じ実波形と増幅波形とで波形誤差12が生じてしまい、この波形誤差12を含んだ状態で平滑することにより、その出力にオフセット11が生じることになる。
しかしながら、同期検波出力8aは、そもそも図5に示されるように基本波成分19aに対して2次高調波成分19bや3次高調波成分19cなど高調波成分が合成された信号であるため、この高調波成分を除去するパッシブフィルタ19を通して高調波成分を除去した後に、残る正弦波的ななめらかな基本波19aを図4に示されるように増幅し、この増幅されたアンプ出力20aを平滑することで、図6に示すような波形誤差12を含むことがなく、出力オフセット11の発生を抑制でき、結果として検出系回路5における検出精度の低下が抑制でき、ひいては振動型慣性力検知センサの検出精度を向上させることが出来るのである。
なお、検出信号の高調波成分を除去するパッシブフィルタ19の構成としては、特に図示していないが検出信号経路に対して直列に抵抗素子を配置し、この抵抗素子の少なくとも一端と基準電位間にコンデンサ素子を配置する一般的な高調波抑制回路を用いることで実現することができる。
また、上述した一実施の形態においては振動型慣性力検出センサとして振動型角速度センサを例に挙げて説明したが、本発明はこれに制限されるものではなく、駆動アームを振動させることにより慣性力、例えば加速度などを検知する構成において同様の作用、効果を奏するものである。
本発明にかかる電子機器は、振動型慣性力検出センサにおいてより高い検出精度を可能と出来るという効果を有し、特に慣性力に対して高い検知精度を要する電子機器向けの用途に有用である。
本発明の一実施形態における振動型慣性力検知センサを示すブロック図 振動型慣性力検知センサに用いられるセンサ素子3を示す上面図 同振動型慣性力検知センサにおける検出波形の推移を示した波形図 同振動型慣性力検知センサにおける同期検波後の処理における検出波形の推移を示した波形図 同同期検波後の波形成分を示す模式図 従来の振動型慣性力検知センサにおける同期検波後の処理における検出波形の推移を示した波形図
符号の説明
1 駆動手段
2 検知手段
4 駆動制御回路
5 検出系回路
14 駆動アーム
15 モニタ手段

Claims (1)

  1. 駆動アームと、この駆動アームに設けられて前記駆動アームを振動させる駆動手段と、前記駆動アームに慣性力が加わることで生じる撓みにより検出信号を発生させる検知手段と、前記駆動アームの振動をモニタリングするモニタ手段と、前記駆動アームの振動量を制御する駆動制御回路と、前記検知信号を処理する検出系回路とを備え、前記検出系回路において、前記検出手段により検出された位相が180度異なる2つの検出信号を差動増幅し、この差動増幅された信号を前記モニタ手段から出力されたモニタ信号を用いて同期検波し、この同期検波された信号から高調波成分を除去し、この高調波成分を除去した信号を増幅し、この増幅された信号を平滑することを特徴とする振動型慣性力検知センサの検出信号処理方法。
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