JP2007191504A - 硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)一分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有し、25℃での粘度が10〜100,000mm2/sであり、フェニル基及び/又はシクロヘキシル基を含有するオルガノポリシロキサン、(B)SiO2単位と(R1)3SiO0.5単位(R1は独立にビニル基、アリル基又は脂肪族不飽和結合不含有一価炭化水素基、但し、全R1の1個以上は独立にフェニル基又はシクロヘキシル基)とからなるレジン構造のオルガノポリシロキサン、(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン並びに(D)白金族金属系触媒を含有して成り、(B)成分が、(A)及び(B)成分の合計に対して、20〜80質量%の量で存在する硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物。
【選択図】なし
Description
(A)一分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有し、25℃における粘度が10〜100,000mm2/sであり、フェニル基およびシクロヘキシル基のいずれか一方または両方を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)SiO2単位と(R1)3SiO0.5単位(式中、R1は独立にビニル基、アリル基または脂肪族不飽和結合不含有一価炭化水素基であり、ただし、全R1の少なくとも1個は独立にフェニル基またはシクロヘキシル基である。)とからなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサン、
(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに
(D)白金族金属系触媒
を含有して成り、前記(B)成分が、(A)成分と(B)成分との合計に対して、20〜80質量%の量で存在することを特徴とする硬化性シリコーンゴム組成物及び該組成物を硬化させることにより得られる硬化物を提供する。
本発明のシリコーンゴム組成物におけるベース成分(主剤)である(A)成分は、一分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有し、25℃における粘度が10〜100,000mm2/sであり、フェニル基およびシクロヘキシル基のいずれか一方または両方を含有するオルガノポリシロキサンである。このようなオルガノポリシロキサンであれば、如何なるものでも(A)成分として使用することができるが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好適に使用される。本発明組成物の作業性、硬化性などの点から、(A)成分の25℃における粘度は10〜100,000mm2/sである。(A)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。(A)成分の脂肪族不飽和基は分子鎖末端のケイ素原子又は分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子のいずれに結合したものであってもよく、これらの両方に結合したものであってもよいが、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、また、脂肪族不飽和基の含有量は、分子中の全ケイ素原子に対して、0.001〜20モル%、特には、0.01〜10モル%程度であることが望ましい。
(1)
(式中、R2は同種または異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R3はフェニル基およびシクロヘキシル基以外の同種または異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R4は独立にフェニル基またはシクロヘキシル基であり、Lおよびmはおのおの0または正の整数であり、ただし、m=0のとき、全R2の少なくとも1個はフェニル基またはシクロヘキシル基である。)
で表される上記オルガノポリシロキサンが挙げられる。
(B)成分は、SiO2 単位(以下、a単位と呼ぶことがある)と(R1)3SiO0.5 単位(式中、R1は独立にビニル基、アリル基または脂肪族不飽和結合不含有一価炭化水素基であり、ただし、全R1の少なくとも1個、好ましくは全R1の1〜50モル%、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%は独立にフェニル基またはシクロヘキシル基である。)(以下、b単位と呼ぶことがある)とからなるレジン構造(即ち、三次元網状構造)のオルガノポリシロキサンである。(B)成分は、本発明組成物から得られる硬化物の物理的強度および表面タック性を改善するために、該組成物に配合されるものである。該組成物において、(B)成分は、前記(A)成分と(B)成分との合計に対して、20〜80質量%の量で存在する。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した(B)成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で好ましくは500〜10000の範囲内である。(B)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものである。該成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)と(A)成分中のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合ならびに存在する場合には(B)成分中のケイ素原子に結合したビニル基および/またはアリル基とが付加反応することにより、本発明組成物から硬化物が形成される。本成分の分子構造は、直鎖状、分枝鎖状、環状、分枝を有する環状、網状のいずれであってもよい。SiH基の位置には特に制約はなく、(C)成分が分子鎖末端部分を有する場合、SiH基は分子鎖末端部分および分子鎖非末端部分のどちらか一方にのみ存在していてもよいし、その両方に存在していてもよい。(C)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
Hc(R5)dSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R5は脂肪族不飽和結合を含有しない同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、c及びdは、0.001≦c<2、0.7≦d≦2、かつ0.8≦c+d≦3を満たす数である。)
で表され、一分子中にSiH基を少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個、特には4〜100個程度)有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(D)成分の白金族金属系触媒は、本発明の組成物において付加硬化反応を生じさせるために配合されるものであり、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。(D)成分の例としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものが挙げられるが、コスト等の見地から、特に好ましくは白金系のもの、例えば、H2PtCl6・kH2O,K2PtCl6,KHPtCl6・kH2O,K2PtCl4,K2PtCl4・kH2O,PtO2・kH2O,PtCl4・kH2O,PtCl2,H2PtCl4・kH2O(これらの式中、kは正の整数)等や、これらと、炭化水素、アルコールまたはビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等が挙げられる。
本発明の組成物には、上述した(A)〜(D)の成分以外にも、必要に応じて、それ自体公知の各種の添加剤を配合することができる。例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック、酸化亜鉛等の非補強性無機充填剤を、(A)〜(D)成分の合計100質量部当り600質量部以下(例えば、0〜600質量部、通常、1〜600質量部、好ましくは10〜400質量部程度)の範囲で適宜配合することができる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上述した各成分を均一に混合することによって調製されるが、通常は、硬化が進行しないように2液に分けて保存され、使用時に2液を混合して硬化を行なう。勿論、アセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。
本発明組成物は、必要により加熱することにより直ちに硬化して、高い硬度を有し表面タック性を示さない弾性硬化物を形成する。該硬化物は、シリコーン硬化物の粘着性が問題となる用途において広く使用することができる。具体的には、該硬化物は、例えば、電気電子部品および光電子部品の保護コート剤、モールド剤、レンズ剤として、ならびにこれら部品のポッティングおよびキャスティングに、さらにシリコーンゴムキーボードの表面コートに使用することができる。
(a)下記式:
(式中、L=413,m=85である)
で示されるオルガノポリシロキサン(粘度:20,000mm2/s)50部に、(b)SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位42.5モル%およびMePhViSi0.5単位7.5モル%からなるレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)50部、(c)SiH基量が、前記(a)及び(b)成分中のケイ素原子結合ビニル基の合計1モル当り1.5モルとなる量(以下、該SiH基の該ビニル基に対する比を「SiH/SiVi」と表す場合がある。)の、下記式:
(式中、p=2、q=8である)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有量:2質量%)0.05部を加え、よく攪拌して、シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を150℃にて4時間加熱成型して硬化物を形成した。アッベ型屈折率計により、25℃における該硬化物の屈折率を測定し、JIS K 6249に準拠して、該硬化物の引張強さ、硬さ(タイプD硬度)及び切断時伸びを測定した。また表面タック性を指触にて確認した。加えて、綿埃中に硬化物を置き、取り出し後、圧縮空気を吹き付けて硬化物表面の埃が取れるか試験した。さらに、アルミニウム皿(直径6cm、深さ0.6mm)にシリコーンゴム組成物を封入し硬化させて得たサンプルを‐50℃〜150℃の冷熱サイクル(‐50℃で30分間放置後150℃の恒温槽に30分間放置する操作を1サイクルとして繰り返す。)に投入しクラック発生の有無を確認した。各測定結果を表1に示す。
(a)下記式:
(式中、L=70,m=30である)
で示されるオルガノポリシロキサン(粘度:4,000mm2/s)50部に、(b)SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位35モル%およびMePhViSi0.5単位15モル%からなるレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)50部、(c)SiH基量が、前記(a)及び(b)成分中のビニル基の合計1モル当り1.5モルとなる量の、下記式:
(式中、p=4、q=8である)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有量:2質量%)0.05部を加え、よく攪拌して、シリコーンゴム組成物を調製した。実施例1と同様にして、この組成物から硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
実施例1で用いた(a)オルガノポリシロキサン30部および実施例1で用いた(b)PVMQ70部に、実施例1で用いた(c)オルガノハイドロジェンポリシロキサン4.3部および実施例1で用いた(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液0.05部を混合し、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物から硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
実施例2で用いた(a)オルガノポリシロキサン30部および実施例1で用いた(b)PVMQ70部に、実施例1で用いた(c)オルガノハイドロジェンポリシロキサン4.3部および実施例1で用いた(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液0.05部を混合し、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物から硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
(a’)下記式:
(式中、L=450である)
で示されるオルガノポリシロキサン50部に、(b’)SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位42.5モル%およびViMe2SiO0.5単位7.5モル%からなるレジン構造のビニルメチルシロキサン(VMQ)50部、(c)SiH基量が、前記(a’)及び(b’)成分中のビニル基の合計1モル当り1.5モルとなる量の、下記式:
(式中、p=10、q=8である)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有量:2質量%)0.05部を加え、よく攪拌して、シリコーンゴム組成物を調製した。実施例1と同様にして、この組成物から硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表2に示す。
(a’)下記式:
(式中、L=450である)
で示されるオルガノポリシロキサン50部に、(b’)SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位42.5モル%およびViMe2SiO0.5単位7.5モル%からなるレジン構造のビニルメチルシロキサン(VMQ)50部、(c)SiH基量が、前記(a’)及び(b’)成分中のビニル基の合計1モル当り1.5モルとなる量の、下記式:
(式中、p=10、q=8である)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(d)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有量:2質量%)0.05部を加え、よく攪拌して、シリコーンゴム組成物を調製した。実施例1と同様にして、この組成物から硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表2に示す。
市販のシリコーンワニス(商品名:KJR-632、信越化学工業(株)製)を、実施例1と同様にして、硬化させて硬化物を形成し、その物性を測定した。各測定結果を表2に示す。
Claims (4)
- (A)一分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有し、25℃における粘度が10〜100,000mm2/sであり、フェニル基およびシクロヘキシル基のいずれか一方または両方を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)SiO2単位と(R1)3SiO0.5単位(式中、R1は独立にビニル基、アリル基または脂肪族不飽和結合不含有一価炭化水素基であり、ただし、全R1の少なくとも1個は独立にフェニル基またはシクロヘキシル基である。)とからなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサン、
(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに
(D)白金族金属系触媒
を含有して成り、前記(B)成分が、(A)成分と(B)成分との合計に対して、20〜80質量%の量で存在することを特徴とする硬化性シリコーンゴム組成物。 - (A)成分が直鎖状のジオルガノポリシロキサンである請求項1に係る組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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