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JP2007191384A - 低放射ガラス - Google Patents

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Kazuhiro Kato
和広 加藤
Kenji Fujii
健司 藤井
Koji Kobayashi
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Abstract

【課題】
高い可視光透過性を有しながら、とりわけ高い遮熱性を有する低放射ガラスの提供を課題とする。
【解決手段】
透明基板上に誘電体膜とAg膜とがこの順に交互に2n層(n≧1)積層されてなり、最上層のAg膜の上に誘電体膜が積層されてなる低放射ガラスにおいて、Ag膜の透明基板側に隣接してZnO膜が積層されてなり、CuKα線を用いたX線回折法による、該ZnO膜の002結晶面による回折ピークの角度2θが33.9°以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低抵抗膜およびその低抵抗膜を用いた低放射ガラスに関するものである。
特許文献1に開示されているような、ガラス板上に誘電体膜とAg膜とを2n+1(n≧1)層繰り返して積層し、最上層を誘電体膜とした、低放射ガラスが知られている。誘電体膜には、金属の透明酸化物膜が用いられている。
前記低放射ガラスは、Ag膜に前後して積層される誘電体膜により可視光の反射を防止して高い可視光透過性を確保しながら、Ag膜の優れた赤外線反射作用により、高い遮熱性を発現する開口部材としてよく知られている。
このような低放射ガラスは、断熱性を十分に活用させるため、建築物の窓ガラスに空気断熱層を備えた複層ガラス構成で使用されることが多い。
この低放射ガラスの誘電体膜やAg膜は、窓に使用するため、大面積のガラス板に成膜ができ、しかも量産性が要求されるため、スパッタリング法によって成膜される。特に、スパッタリングのターゲット背後に磁石を配置し、発生する磁場により、ターゲット表面近傍にプラズマを閉じ込め、ターゲットからスパッタリングされた粒子により成膜を行うマグネトロンスパッタリング法により作製される。
Ag膜を用いる低放射ガラスには、開口部に用いるために、高い遮熱性と可視光の高い透過性が要求されている。
遮熱性の発現には、Ag膜の高い赤外線反射率が必要であり、Ag膜の抵抗が小さいほど赤外線反射率も高くなる。Ag膜の抵抗は、Ag膜の厚みを大きくすることによって下げられるが、厚みを増すとAg膜の可視光の透過率が下がるので、Ag膜の厚みは、Ag膜の透過率と放射率との兼ね合いで決定される。
特開2002−173343号公報
本発明は、高い可視光透過性を有しながら、とりわけ高い遮熱性を有する低放射ガラスの提供を課題とする。
本発明の低放射ガラスは、透明基板上に誘電体膜とAg膜とがこの順に交互に2n層(n≧1)積層されてなり、最上層のAg膜の上に誘電体膜が積層されてなる低放射ガラスにおいて、Ag膜の透明基板側に隣接してZnO膜が積層されてなり、CuKα線を用いたX線回折法による、該ZnO膜の002結晶面による回折ピークの回折角度2θが33.9°以下であることを特徴とする低放射ガラスである。
また、本発明の低放射ガラスは、前記低放射ガラスにおいて、n=1であり、最上層の誘電体膜がZnO膜を含み、第1層の誘電体膜に用いるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあり、第2層のAg膜の厚さが5〜30nmの範囲にあり、第3層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあることを特徴とし、あるいは、n=2であり、最上層の誘電体膜がZnO膜を含み、第1層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあり、第2層のAg膜の厚さが、7.5〜17.5nmの範囲にあり、第3層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが40〜120nmの範囲にあり、第4層のAg膜の厚さが7.5〜17.5nmの範囲にあり、第5層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあることを特徴とする低放射ガラスである。
また、本発明の低放射ガラスは、前記低放射ガラスにおいて、 誘電体膜の少なくとも一つの膜が、ZnO膜のみであることを特徴とする低放射ガラスである。
また、本発明の低放射ガラスは、前記低放射ガラスにおいて、Ag膜の直上に、該Ag膜の酸化を防ぐための、Alを2〜12重量%含む酸化亜鉛層を形成することを特徴とする低反射ガラスである。
また、本発明の低放射ガラスは、前記低放射ガラスにおいて、Ag膜の直上に、Ag膜の酸化を防ぐための保護金属層を形成することを特徴とする低反射ガラスである。
また、本発明の低放射ガラスは、前記低放射ガラスにおいて、保護金属層が、Zn、Sn、Ti、Al、NiCr、Cr、Zn合金、及びSn合金のみから成る群から選択される金属を含んでいて、該金属がAl又はSbを0.0〜10.0重量%含んでいることを特徴とする低反射ガラスである。
本発明の低放射ガラスは、可視光透過率が大きい、採光性に優れた低放射ガラスを提供する。
本発明の低抵抗膜は、透明性が高く、建物の窓の遮熱を目的とする低放射ガラスに用いることが好ましい。
低放射ガラスは、図1に示すように、透明基板3に、透明基板から誘電体膜11とAg膜12とを交互に繰り返して2n(n≧1)層積層され、最上層の膜が誘電体膜11でなる低抵抗膜を形成してなるものである。
透明基板3には、ソーダーライムガラスや石英ガラスなどの板ガラス、ポリカーボネートやポリエステルテレフタレート等の透明な樹脂板あるいはフィルム、等を好適に用いることができる。特に廉価なフロート板ガラスが好適である。
透明基板3に接して積層される誘電体膜11は、透明性基板とAg膜12との密着性や、低抵抗膜を膜相互の密着性を高めて、低放射ガラスの積層膜の強度と耐久性を高めるために、さらには、低放射ガラスの可視光の透過率を高めるために用いられる。
誘電体膜11は、低放射ガラスの好適な膜強度や耐久性および高い透過率を得るために、Ag膜の透明基板側に隣接して、ZnO膜をもちいることが好適である。
さらに誘電体膜11には、ZnO膜の他に、Si、Sn、Al、Ti等の透明酸化物膜、Si、Sn、Zn、Al、Ti等の窒化物膜や窒酸化物膜のなかから少なくとも1種類以上を選んでなる誘電体膜を用いてもよい。
前述する誘電体膜の選択は、光学膜厚、可視域の光の吸収特性、誘電体膜自体の機械強度、隣接する誘電体膜およびAg膜との密着性を考慮して、行うことが望ましい。
透明性基板3に直接成膜される誘電体膜11に用いるZnO膜の厚みと最上層の誘電体膜11に用いるZnO膜の厚みは、20nm〜60nmとすることが好ましく、それ以外の誘電体膜11に用いるZnO膜の厚みは、40〜120nmとすることが好ましい。
さらに、透明性基板3に直接成膜される最下層の誘電体膜11と、低抵抗膜の最上層として成膜される誘電体膜11の厚さは、低抵抗膜の可視域での透過性を高めるために、膜厚を同じ程度にすることが好ましい。
ZnO膜の膜厚の下限値を20nmとするのは、隣接層との密着性を維持するためである。また、ZnO膜の膜厚がその上限値(透明性基板に直接成膜される最下層の誘電体膜11と最上層の誘電体膜11の場合は60nm、その他の誘電体膜の場合は120nm)を越えると、可視域での好ましい透過率を得られなくなる。
n=1の場合、すなわち、Ag膜が1層の場合は、Ag膜12の厚みは5〜30nmの範囲にあることが好ましい。5nm未満の場合、抵抗値が大きく有効な遮熱性能が得られず、また、30nmを越えると、透明性が損なわれ、建物の窓に用いるには好ましいとはいえなくなる。
さらに、n=2の場合、すなわち、Ag膜が2層の場合は、2層のAg膜12の、厚みの合計は、15〜35nmの範囲にあることが好ましい。2層のAg膜の厚みの合計が15nm未満の場合、抵抗値が大きく有効な遮熱性能が得られず、また、厚みの合計が35nmを越えると、透明性が損なわれ、建物の窓に用いるには好ましいとはいえなくなる。
さらに、Ag膜12の酸化を防ぐために、Ag膜12と誘電体膜11の間に保護金属層を成膜することが望ましい。
保護金属層には、Zn、Sn、Ti、Al、NiCr、Cr、Zn合金、Sn合金、および各金属にAl,Sb金属を0.0〜10.0重量%含んだもの等を用いることができる。
また、保護金属層の代わりに、Alを2〜12重量%含む酸化亜鉛(ZnAlOx)(以後AZO膜と呼ぶ)を用いることが好ましい。
Ag膜12および誘電体膜11は、スパッタリング法で成膜することが好ましく、特に図2に示すような、マグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜することが好ましい。
図2に示す成膜装置において、ターゲット1に金属または酸化物ターゲットを用い、透明性基板3を基板ホルダー2に保持させた後、真空チャンバー8内を真空ポンプ5を用いて排気し、さらに、真空チャンバー8内にガス導入管7より、金属酸化物膜を作製する場合にはO2ガスまたはArとO2の混合ガス、Ag膜を作製する場合にはArガスを、マスフローコントローラー(図示せず)により制御して導入し、透明性基板上に低抵抗膜を作製する。
透明酸化物膜は、ターゲット1に金属ターゲットを用い、ガス導入管から酸素ガスを導入して成膜するか、あるいは、ターゲット1に、成膜される酸化物と同じ酸化物ターゲットを用いて成膜することができる。
例えば、ZnOを成膜する場合、Znターゲットをターゲット1に用いて、ガス導入管7から適当な混合比のArガスと酸素ガスを導入して成膜することができる。あるいは、ZnOターゲットをターゲット1に用いて、ガス導入管7からArガスのみを導入し、ZnO膜の成膜をしてもよい。
さらに、ZnO膜は、X線回折測定によるZnO(002)面による回折ピーク最大強度位置が33.9°以下になることが好ましい。成膜時の真空チャンバー8内の圧力は、真空ポンプとマスフローコントローラーにより制御して導入するO2ガス流量とにより調整されるが、安定な放電が維持できる範囲で、できるだけ低い圧力にして成膜することが好ましい。真空チャンバー8内の圧力は、真空計8′によって測定される。
CuKα線を用いたX線回折法により測定される、ZnO(002)面による回折ピーク最大強度の回折角度2θが34°以上になると、Ag膜の単位厚みあたりの抵抗値が大きい。したがって、CuKα線を用いたX線回折法により測定される、ZnO(002)面による回折ピーク最大強度の回折角度2θが34°以上の場合は、Ag膜の抵抗値を小さくするために、Ag膜を厚くしなければならず、好ましい可視光透過率が得にくくなる。
CuKα線を用いたX線回折法により測定される、ZnO(002)面による回折ピーク最大強度の回折角度2θは、成膜中の真空チャンバー内の圧力を調整することによって変えることが望ましい。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
実施例1
図3に示すような、透明性基板3に、誘電体膜11、Ag膜12、誘電体膜11の順に積層した低放射ガラスを作製した。透明性基板としては、厚さ6mmのガラスを用いた。
Ag膜および誘電体膜の成膜は、図2に示すDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて行った。
誘電体膜11として、透明性基板3上にZnO膜を成膜した。ターゲット1にZnターゲットを用い、透明性基板3を基板ホルダーに保持させた後、真空チャンバー8内を真空ポンプ5によって排気した。成膜中、真空ポンプは連続して稼働させた。
真空チャンバー8内の雰囲気ガスは、ガス導入管7より、酸素ガスを導入し、酸素ガスの流量を図示しないマスフローコントローラーにより制御して調整した。
真空ポンプ5にはクライオポンプを用いた。成膜中の真空チャンバ−8内の圧力は、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を20sccmに制御して、0.1Paに調節した。
ZnO膜は、Ag膜と透明性基板との密着性を高めるもので、37nmの膜厚で成膜した。なお、このZnO膜と上層に成膜される透明酸化物膜の膜厚は、低放射ガラスの可視域の透過率を高めるようにしたものである。
次に、真空チャンバー8内を排気した後、Arガスをガス導入管7から図示しないマスフローコントローラーで制御して真空チャンバー8内に導入して、真空チャンバー8内をArガス雰囲気にし、Agターゲットをターゲット1に用いて、ZnO膜11の上にAg膜12を成膜した。Ag膜12の厚みは、10nmとした。
Ag膜12の成膜中、真空チャンバー内の圧力は、真空ポンプ5と開閉バルブ6によって0.5Pa以下を保つようにした。
次に、Ag膜12の上に、AZO(Al2wt%含有ZnO)ターゲットを用い、図3には図示しない、5nmの厚みのAZO膜を成膜した。
AZO膜の成膜中、圧力チャンバー8内のガス雰囲気および圧力は、Ag膜12の成膜と同様にした。
さらに、AZO膜の上にZnO膜を37nmの厚みで成膜した。成膜中の真空チャンバ−8内の圧力は、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を100sccmに制御して、0.5Paに調節した。その他の条件は透明性基板3に成膜したZnO膜と同様にして行った。
実施例2
膜構成および厚みは全て実施例1と同様にした。また、透明性基板3上にZnO膜を成膜するときの、成膜中の真空チャンバ−8内の圧力を、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を60sccmに制御して、0.3Paに調節した他は、成膜条件は全て実施例1と同様にした。
実施例3
膜構成および厚みは全て実施例1と同様にした。また、透明性基板3上にZnO膜を成膜するときの、成膜中の真空チャンバ−8内の圧力を、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を100sccmに制御して、0.5Paに調節した他は、成膜条件は全て実施例1と同様にした。
実施例4
膜構成および厚みは全て実施例1と同様にした。また、透明性基板3上にZnO膜を成膜するときの、成膜中の真空チャンバ−8内の圧力を、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を200sccmに制御して、0.9Paに調節した他は、成膜条件は全て実施例1と同様にした。
比較例1
膜構成および厚みは全て実施例1と同様にした。また、透明性基板3上にZnO膜を成膜するときと、AZO膜の上にZnO膜を成膜するときの、成膜中の真空チャンバ−8内の圧力を、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を100sccmに制御して、1.0〜1.2Paに調節した他は、成膜条件は全て実施例1と同様にした。
比較例2
膜構成および厚みは全て実施例1と同様にした。また、透明性基板3上にZnO膜を成膜するときと、AZO膜の上にZnO膜を成膜するときの、成膜中の真空チャンバ−8内の圧力を、図示しないマスフローコントローラーによりO2ガス流量を200sccmに制御して、1.0〜1.2Paに調節した他は、成膜条件は全て実施例1と同様にした。
実施例1〜4および比較例1〜2で作製した低放射ガラスの、CuKα線を用いたX線回折法により測定される、ZnO(002)面による回折ピーク最大強度の回折角度2θ、比抵抗および光学特性を表1に示す。
表1に示すように、実施例1から実施例4については、回折角が33.7度から33.8度の範囲にあり、比抵抗は5.1×10―6Ωcm以下であった。比較例1と比較例2は、回折角が34度以上であり、比抵抗も6.3×10―6Ωcm以上で、実施例に較べ大きいものであった。
また、実施例1から実施例4の可視光透過率と日射反射率は、表1に示すように、共に比較例1、2よりも大きく、遮熱性能の良い、しかも明るい低放射ガラスとして開口部に用いられるものであった。可視光透過率と日射反射率は、JIS R3106−1998に準じて測定される値である。
実施例5
図4に示すような、透明性基板3に、誘電体膜11とAg膜12を交互にそれぞれ2層成膜し、最上膜に誘電体膜11を成膜して、低放射ガラスを作製した。
Ag膜12および誘電体膜11の成膜は、図2に示すDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて行った。誘電体膜11として、ZnO膜を成膜した。
透明性基板3上および透明基板から数えて4層目に形成するZnO成膜中の真空チャンバ−8内の圧力は、マスフローコントローラーによりO2ガス流量を20sccm以下に制御して、0.1Paに調節し、その他の成膜条件は実施例1と同様とした。
透明性基板3に成膜される透明酸化物膜11の厚みと最上層の透明酸化物膜11の厚みはともに37nmとした。また、2層に成膜したAg膜12の間の、透明酸化物膜11の厚みは、74nmとした。
また、Ag膜12の上に誘電体膜11を成膜する前に、Ag膜12の上に、実施例1と同様に、図示しないAZO膜を成膜した。
2層のAg膜12は同じ膜厚10nmとし、2層の厚みの合計が20nmとなる低放射ガラスを作製した。
実施例6
膜構成および厚みは全て実施例5と同様にした。透明性基板3上および透明基板から数えて4層目に形成するZnO膜成膜中の真空チャンバ−8内の圧力は、マスフローコントローラーによりO2ガス流量を60sccm以下に制御して、0.1Paに調節し、その他の成膜条件は実施例1と同様とした。
実施例7
膜構成および厚みは全て実施例5と同様にした。透明性基板3上および透明基板から数えて4層目に形成するZnO膜成膜中の真空チャンバ−8内の圧力は、マスフローコントローラーによりO2ガス流量を200sccm以下に制御して、0.9Paに調節し、その他の成膜条件は実施例1と同様とした。
比較例3
膜構成および厚みは全て実施例5と同様にした。また、3層のZnO膜の成膜は、比較例1と同様にした。その他の成膜は全て実施例1と同様にした。
実施例5〜7および比較例3で作製した低放射ガラスの、CuKα線を用いたX線回折法により測定される、ZnO(002)面による回折ピーク最大強度の回折角度2θ、比抵抗および光学特性を表2に示す。可視光透過率と日射反射率は、JIS R3106−1998に準じて測定される値である。
表2に示すように、実施例5から実施例7については、回折角が33.6度から33.9度の範囲にあり、比抵抗は5.1×10―6Ωcm以下であった。比較例3は、回折角が34度以上であり、比抵抗も6.5×10―6Ωcm以上で、実施例に較べ大きいものであった。
また、実施例5から実施例7の可視光透過率と日射反射率は、表2に示すように、共に比較例3よりも大きく、遮熱性能の良い、しかも明るい低放射ガラスとして開口部に用いられるものであった。
なお、実施例1〜4、比較例1、2の膜構成と成膜条件を表3に、また実施例5〜7、比較例3の膜構成と成膜条件を表4に示す。
低放射ガラスの膜構成を示す断面図である。 成膜装置の概略図である。 実施例1〜4および比較例1〜2で作製した低放射ガラスの、膜構成を示す断面図である。 実施例5〜7および比較例3で作製した低放射ガラスの、膜構成を示す断面図である。
符号の説明
1 ターゲット
2 基板ホルダー
3 透明基板
4 カソードマグネット
5 真空ポンプ
6 開閉バルブ
7 ガス導入管
8 真空チャンバー
8′ 真空計
9 電源コード
10 DC電源
11 誘電体膜
12 Ag膜

Claims (7)

  1. 透明基板上に誘電体膜とAg膜とがこの順に交互に2n層(n≧1)積層されてなり、最上層のAg膜の上に誘電体膜が積層されてなる低放射ガラスにおいて、Ag膜の透明基板側に隣接してZnO膜が積層されてなり、CuKα線を用いたX線回折法による、該ZnO膜の002結晶面による回折ピークの回折角度2θが33.9°以下であることを特徴とする低放射ガラス。
  2. n=1であり、最上層の誘電体膜がZnO膜を含み、第1層の誘電体膜に用いるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあり、第2層のAg膜の厚さが5〜30nmの範囲にあり、第3層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の低放射ガラス。
  3. n=2であり、最上層の誘電体膜がZnO膜を含み、第1層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあり、第2層のAg膜の厚さが、7.5〜17.5nmの範囲にあり、第3層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが40〜120nmの範囲にあり、第4層のAg膜の厚さが7.5〜17.5nmの範囲にあり、第5層の誘電体膜に用いられるZnO膜の厚さが20〜60nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の低放射ガラス。
  4. 誘電体膜の少なくとも一つの膜が、ZnO膜のみでなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の低放射ガラス。
  5. Ag膜の直上に、該Ag膜の酸化を防ぐための、Alを2〜12重量%含む酸化亜鉛層を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の低反射ガラス。
  6. Ag膜の直上に、Ag膜の酸化を防ぐための保護金属層を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の低反射ガラス。
  7. 保護金属層が、Zn、Sn、Ti、Al、NiCr、Cr、Zn合金、及びSn合金のみから成る群から選択される金属を含んでいて、該金属がAl又はSbを0.0〜10.0重量%含んでいることを特徴とする請求項6に記載の低反射ガラス。
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