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JP2007186851A - 車両用電子キーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】メカニカルキーのすり替えを検出できる車両用電子キーシステムを提供すること。
【解決手段】車両に搭載された車載装置3が該車両のユーザが携帯する携帯機2を認証して該車両を解錠する車両用電子キーシステム1において、携帯機2は、着脱可能に収納したメカニカルキー21と、該メカニカルキー21を認証する認証手段28と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のドアを施解錠する車両用電子キーシステムに関する。
従来、車両のドアに触れなくても施錠又は解錠が可能な電子キーシステムが自動車などドアのある物に採用されている。電子キーシステムでは、車両のユーザが電子キーである携帯機を携帯して車両に接近すると、携帯機は車載装置から送信されるリクエスト電波に応じてID情報を送信する。車載装置は、携帯機から受信したID情報と当該車載装置のメモリ内に予め登録されているID情報とが一致していれば、ドアの解錠の許可といった所定の動作を行う。
また、電子キーシステムでは、携帯機の不具合に備えて、携帯機の本体に設けられた収納部に、通常のメカニカルキーが着脱可能に収納されている。したがって、例えば、携帯機のバッテリがなくなりリクエスト電波に応答できない場合、ユーザはメカニカルキーを取り出し、ドアの解錠やエンジン始動が行える。
ところで、携帯機に不具合がなければメカニカルキーを使用する必要はないため、メカニカルキーを普段使用することは少ない。このため、メカニカルキーがすり替えられていても、所有者がそのことに気付かず携帯機を所持している場合がある。
そこで、携帯機にメカニカルキーが挿入されているか否かを検出可能な携帯機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載の携帯機では、携帯機の収納部にメカニカルキーの有無を検知する検知センサが設けられており、メカニカルキーが収納されていない場合、警告信号を車両に送信したり、携帯機のインジケータを点灯してユーザに知らせることができる。
特開2004−190323号公報
しかしながら、特許文献1記載の携帯機のキー検知スイッチは接触可動式のマイクロスイッチであるので、正規のメカニカルキーでなくても何らかのメカニカルキーが挿入されていると、メカニカルキーが挿入されていることを検出してしまう。すなわち、接触可動式の検知センサでは、メカニカルキーのすり替えに対応することができないという問題がある。
携帯機からメカニカルキーを容易に分離できないように携帯機を構成することも考えられるが、コストや意匠性等の観点から不都合が多い。
本発明は、上記課題に鑑み、メカニカルキーのすり替えを検出できる車両用電子キーシステムを提供することを目的とする。
上記問題に鑑み、本発明は、車両に搭載された車載装置が該車両のユーザが携帯する携帯機を認証して該車両を解錠する車両用電子キーシステムにおいて、携帯機は、着脱可能に収納したメカニカルキーと、該メカニカルキーを認証する認証手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、携帯機がメカニカルキーを認証することで、メカニカルキーのすり替えを検出することができる。認証手段とは、例えば、トランスポンダ送受信回路とマイコン22である。
また、本発明の一形態において、メカニカルキーは、固有のID情報を記憶した記憶部と、認証手段からの要求に応じてID情報を携帯機に送信する送信手段(トランスポンダチップ26)と、を有し、認証手段は、メカニカルキーにID情報の送信を要求する要求送信手段(トランスポンダ送受信回路28)と、メカニカルキーから送信されたID情報を受信する受信手段(トランスポンダ送受信回路)と、を有し、受信したID情報が予め当該携帯機が格納するID情報と一致するか否かに基づきメカニカルキーを認証することを特徴とする。
本発明によれば、メカニカルキーが固有のID情報を送信するので、携帯機は送信されたID情報が正しいか否かに基づきメカニカルキーを認証できる。
また、本発明の一形態において、携帯機は、認証手段によりメカニカルキーが認証されない場合、メカニカルキーが挿入されていないことをユーザに報知する報知手段を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、メカニカルキーが認証されない場合、ユーザに報知することができる。
また、本発明の一形態において、携帯機は、認証手段によりメカニカルキーが認証されない場合、メカニカルキーが収納されていないことを示すメカキーなし信号を車両に送信するメカキーなし信号送信手段(例えば、送信回路23とマイコン22)を有し、車載装置は、メカキーなし信号を受信して、所定の車載装置の機能を制限する、ことを特徴とする。
本発明によれば、メカニカルキーが認証されない場合、車載装置は所定の車載装置の機能を制限するので、ユーザはメカニカルキーを分離した携帯機を安心して他の者に貸与することができる。
メカニカルキーのすり替えを検出できる車両用電子キーシステムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。車両用電子キーシステムは、車両のユーザによって携帯される携帯機と、車両に設けられた送受信装置とを備えている。車両用電子キーシステムにおいて、車両が定期的に車両の所定領域にリクエスト電波を発信すると、携帯機がリクエスト電波に応答してIDコードを送信する。車両の送受信装置は送信されたIDを記憶しているIDと照合して照合結果に基づいて、ドアを施解錠する。
図1は、車両用電子キーシステム1の構成図を示す。車載装置3は、マイコン34、コイルアンテナ33a、アンテナ32a及びコイルアンテナ31aとを有する。
コイルアンテナ33aは、車外の所定領域にリクエスト電波を送信する。アンテナ32aは、リクエスト電波に応じて携帯機2が送信するIDコード電波を受信する。コイルアンテナ31aは、車室内の所定領域に電磁誘導式無線通信用の電磁界を発生させると共に、その電磁界に応じて携帯機2から送信されるトランスポンダ電波を受信する。なお、コイルアンテナ31aが電磁界を発生させる車室内の所定領域は、例えば、エンジンを始動させる際にオンされるスタートボタンを中心とした半径60〜70cm程度の領域である。
また、車載装置3は、送信回路33、受信回路32及びトランスポンダ送受信回路31とを有する。送信回路33は、マイコン34から出力されるリクエスト信号で搬送波を変調することにより該リクエスト信号を含むリクエスト電波を生成し、そのリクエスト電波をコイルアンテナ33aに送信させる。受信回路32は、アンテナ32aにより受信されたIDコード電波を復調して、その電波に含まれていたIDコードをマイコン34に入力させる。
トランスポンダ送受信回路31は、マイコン34から指令される周波数の電磁界をコイルアンテナ31aに発生させると共に、コイルアンテナ31aによって受信されたトランスポンダ電波を復調して、その電波に含まれていたIDコードをマイコン34に入力させる。
携帯機2は、マイコン22、アンテナ25a、受信回路25、コイルアンテナ23a、送信回路23及びバッテリ24を有する。
アンテナ25aは、車載装置3からのリクエスト電波を受信する。受信回路25は、アンテナ25aによって受信されたリクエスト電波を復調して、その電波に含まれていたリクエスト信号をマイコン22に入力させる。コイルアンテナ23aは、IDコード電波を送信する。送信回路23は、マイコン22から出力されるIDコードで搬送波を変調することにより該IDコードを含むIDコード電波を生成し、そのIDコード電波をコイルアンテナ23aに送信させる。バッテリ24は、マイコン22、受信回路25及び送信回路23に動作用の電力を供給する。
マイコン22が送信回路23に出力するIDコードは、当該携帯機2に固有のものであり、車載装置3がドアの施解錠を行うか否かの認証を行うためのドア施解錠認証用IDコードである。IDコードは、マイコン22内の不揮発性メモリ22aに予め記憶されている。
また、携帯機2には、車載装置3のコイルアンテナ31aによって発生される所定の周波数の電磁界を受けると、電磁界から電力を生成して、その電力により動作するトランスポンダチップ26が備えられている。トランスポンダチップ26は、車載装置3が車外に向けて発生させる周波数の電磁界を受けて動作すると、トランスポンダチップ26内の不揮発性メモリに予め記憶されているIDコードを含んだトランスポンダ電波を送信する。
また、携帯機2は、マイコン22から指令される周波数の電磁誘導式無線通信用の電磁界をコイルアンテナ28aに発生させると共に、コイルアンテナ28aによって受信されたトランスポンダ電波を復調して、その電波に含まれていたIDコードをマイコン22に入力させるトランスポンダ送受信回路28とを有している。
携帯機2は、インジケータ19及び操作ボタン18(複数あってもよい)を有し、それぞれマイコン22に接続されている。マイコン22は操作ボタン18が操作された場合、予め定めた作動内容、例えば、インジケータ19の点灯・点滅、車載装置3との通信、バッテリ残量の表示等を行う。
マイコン22は、メモリ22aに格納されたプログラムを実行することで、車載装置3からリクエスト電波を受信した場合にIDコード(ドア施解錠認証用IDコード)を送信するよう送信回路23を制御し、トランスポンダチップ21aからトランスポンダ電波を受信した場合はIDコード(メカニカルキー認証用IDコード)がメモリ22aに記憶されているものと一致するか否か判定する。また、マイコン22は、メモリ22aに格納されたプログラムを実行して、メカキーありモード又はメカキーなしモードの切り替え、インジケータ19の点灯等を行う。
また、操作ボタン18が操作された場合、マイコン22は送信回路23からIDコード電波を発信させると共にインジケータ19を点滅させる。これは、携帯機2がバッテリ切れしていないことや、携帯機2からIDコード電波が発信されていることを示すための機能である。
携帯機2には、分離可能なメカニカルキー21がキー収納部29に収納されており、メカニカルキー21が収納されるとスイッチがオンとなるスイッチ機構27を備える。スイッチ機構27は、例えば、接触可動式のマイクロスイッチが使用されており、メカニカルキー21の先端部がマイクロスイッチを押圧することで、メカニカルキー21を検知する。スイッチ機構27は、キー収納部29に収納されるメカニカルキー21の先端部に接触するようにキー収納部29の内奥部に配置されている。
キー収納部29にメカニカルキー21が収納されるとオン信号が、取り出されるとオフ信号がマイコン22に入力され、マイコン22はオン信号を入力された場合はメカキー有りモードに、オフ信号が入力された場合はメカキーなしモードに相互に移行する。
また、メカニカルキー21には、携帯機2のコイルアンテナ28aによって発生される所定の周波数の電磁界を受けると、電磁界から電力を生成して、その電力により動作するトランスポンダチップ21aが備えられている。トランスポンダチップ21aは、携帯機2が発生させる所定の電磁界を受けて動作すると、トランスポンダチップ21a内の不揮発性メモリに予め記憶されているIDコードを含んだトランスポンダ電波を送信する。なお、コイルアンテナ28aは、例えば、メカニカルキー21のトランスポンダチップ21aを中心とした半径10〜20cm程度の領域に電磁界を発生させる。
なお、コイルアンテナ31aが発生させる電磁波の周波数と、コイルアンテナ28aが発生させる電磁波の周波数は異なるので、トランスポンダチップ26はトランスポンダ送受信回路31による電磁界に応答し、トランスポンダチップ21aはトランスポンダ送受信回路28による電磁界に応答する。
また、2つのトランスポンダチップ26と21aがトランスポンダ電波としてそれぞれ送信する各IDコードは、いずれも当該携帯機2に固有のものであるが、それらは互いに異なるコードである。トランスポンダチップ26が送信するIDコードは、エンジンを始動させるか否かの認証を行うためのエンジン始動認証用IDコードであり、トランスポンダチップ21aが送信するIDコードは、メカニカルキー21をキー収納部29に挿入した時に当該メカニカルキー21が正規のメカニカルキーであることを携帯機2に認識させるためのメカニカルキー認証用IDコードである。
図2は、携帯機2から分離されたメカニカルキー21を示す。携帯機2は、例えば樹脂製のカバーの内部にキー収納部29と上述した回路の基板が配設されている。キー収納部29はメカニカルキー21を脱着可能に収納する。通常の状態では、キー収納部29にメカニカルキー21が挿入されて収納されている。
なお、メカニカルキー21は、バッテリ24の電力がなくなって携帯機2のコイルアンテナ23aからIDコード電波を送信することができなくなった場合、車両のドアに設けられているキーシリンダに差し込んで該ドアを解錠又は施錠するために用いられる他、トランクや車室内のグローブボックスを解錠又は施錠するためにも用いられる。
図2では、メカニカルキー21を認証するための回路のみを示した。また、メカニカルキー21の認証は、メカニカルキー21がキー収納部29に収納された状態で行われるが、トランスポンダチップ21aとトランスポンダ送受信回路28との間で送受信される電波を記した。
〔車載装置3による携帯機2の認証〕
正規のメカニカルキー21が携帯機2に収納されている場合、車両用電子キーシステム1において、車両のドアがロック状態からアンロックされるまでに携帯機2と車載装置3とで行われる動作の内容について説明する。
マイコン34は車載装置3のコイルアンテナ33aから、車外の所定領域にリクエスト電波を一定時間毎に送信する。所定領域は、例えば、車両の各ドアやトランクから半径1〜2m程度である。
携帯機2が所定領域に入ると、携帯機2では、車載装置3からのリクエスト電波がアンテナ25aにより受信され、受信回路25からマイコン22にリクエスト信号が入力される。携帯機2のマイコン22は、リクエスト信号が入力されると、メモリ22aから送信回路23にIDコード(ドア施解錠認証用IDコード)を出力して、そのIDコードを含んだIDコード電波をコイルアンテナ23aから送信させる。
車載装置3のアンテナ22aは、携帯機2から送信されたIDコード電波を受信し、車載装置3では、IDコード電波に含まれていたIDコードが受信回路32からマイコン34に入力される。マイコン34は、携帯機2から受信したIDコードとメモリ35に格納されているドア施解錠認証用IDコードとが一致しているか否かを判定し、両コードが一致していれば、ドアロック制御装置(図示省略)にアンロック許可信号を出力する。
これにより、例えば、アンロック許可信号を出力されてから一定時間以内に、人が車両のドアノブ付近に設けられているタッチセンサに触ると、ドアロック制御装置が、そのドアのドアロックアクチュエータを駆動して解錠することとなる。
このように、正規のメカニカルキー21がキー収納部29に収納されている場合、携帯機2を運転者が携帯してドアノブのタッチセンサに触れればドアを解錠させることができる。
〔エンジンの始動時〕
ユーザが車両に乗車すると、トランスポンダ送受信回路31は、マイコン34から指令される周波数の電磁界をコイルアンテナ31aに発生させる。ユーザが携帯する携帯機2のトランスポンダチップ26は、その電磁界から電力を生成して、その電力を使用してトランスポンダチップ26内の不揮発性メモリに予め記憶されているIDコード(エンジン始動認証用IDコード)を含んだトランスポンダ電波を送信する。
トランスポンダ送受信回路31は、コイルアンテナ31aによって受信されたトランスポンダ電波を復調して、その電波に含まれていたIDコードをマイコン34に入力させる。マイコンは、予めメモリ35に格納されているエンジン始動認証用IDコードと携帯機2から送信されたIDコードが一致するか否かを判定し、エンジンECUにエンジン始動許可信号を出力する。このままエンジンを始動してもよいし、ユーザによるエンジン始動ボタンの操作がある場合、エンジンECUがエンジンを始動させる。
〔携帯機2によるメカニカルキー21の認証〕
続いて、正規のメカニカルキー21が携帯機2に収納されているか否かに基づきメカニカルキー21を認証する認証手順について図3のフローチャート図に基づき説明する。正規のメカニカルキー21が携帯機2に収納されていない場合とは、何らかのメカニカルキーがキー収納部29に収納されているが正規のメカニカルキー21でない状態(メカニカルキーがすり替えられた状態。以下、正規なメカニカルキー以外のメカニカルキーを不正なメカニカルキーという。)、及び、メカニカルキー21が分離された状態の双方がある。
まず、携帯機2からメカニカルキー21が分離された場合(S1のYes)、スイッチ機構27がオフ信号をマイコン22に入力する(S2)。これにより、マイコン22は携帯機2をメカキーなしモードに移行する。
メカキーなしモードにおいて、マイコン22は、不正なメカニカルキー又はメカニカルキー21がキー収納部29に収納されると、スイッチ機構27はオン信号をマイコン22に入力し(S3のYes)、マイコン22はメカニカルキー21の認証作業を開始する。不正なメカニカルキー又はメカニカルキー21が収納されない場合、マイコン22はメカキーなしモードのままである。
オン信号を入力されたマイコン22は、コイルアンテナ28aに所定の周波数の電磁界を発生させる(S4)。メカニカルキー21のトランスポンダチップ21aは、その電磁界から電力を生成して、その電力により動作し、トランスポンダチップ21a内の不揮発性メモリに予め記憶されているIDコード(メカニカルキー認証用IDコード)を含んだトランスポンダ電波を送信する(S5)。
コイルアンテナ28aがトランスポンダチップ21aから送信されたトランスポンダ電波を受信するので(S6)、トランスポンダ送受信回路28は、トランスポンダ電波を復調して、トランスポンダ電波に含まれていたIDコードをマイコン22に入力する。
マイコン22は、予めメモリ22aに記憶しているメカニカルキー認証用IDコードとメカニカルキー21から受信したIDコードとが一致しているか否かを判定する(S7)。そして、両コードが一致している場合(S7のYes)、メカキーありモードに移行する(S8)。両コードが一致していなかったりトランスポンダ電波が受信できない場合(S7のNo)、メカキーなしモードのままである。
〔メカキーなしモード〕
メカキーなしモードにおけるマイコン22のよる携帯機2の制御例について説明する。
A.メカキーなしモードでは、マイコン22はインジケータ19をメカキーありモードと異なる点灯をさせる。例えば、以下のような制御を行う。
・メカキーありモードのインジケータ19が点灯なしであれば、メカキーなしモードではインジケータ19を点灯させる。
・メカキーありモードのインジケータ19が所定の色で点灯していれば、メカキーなしモードではインジケータ19を別の色で点灯させる。
・メカキーありモードのインジケータ19が点灯なし又は所定の色で点灯するのであれば、メカキーなしモードではインジケータ19を所定の色で点滅させる。
B.メカキーありモードでは操作ボタン18を操作するとインジケータ19を点滅させるが、マイコン22は、メカキーなしモードではインジケータ19を点滅させない。
C.メカキーなしモードでは携帯機2からブザーを吹聴したり、所定のディスプレーを設けメカニカルキー21が収納されていない旨を表示する。
このようにA〜Cのような制御を行えば、携帯機2にメカニカルキー21が挿入されていないことをユーザが認識できる。携帯機2を貸与して、返却された場合にメカニカルキーがすり替えられていても、インジケータ19や音、ディスプレーの表示により正規のメカニカルキー21が挿入されていないことをすぐに認識できる。
特に、レンタカーや運転代行などの車両の利用形態では、車両の所有者以外の者が携帯機2をいったん携帯することとなり、携帯機2を返却する際にメカニカルキーがすり替えられる可能性があるが、本実施の形態の車両用電子キーシステム1では、ユーザがメカニカルキー21のすり替えを即座に認識できる。メカニカルキー21をすり替えた者が後日車両を盗みに来ることもあるので、本実施の形態の車両用電子キーシステム1は車両の盗難も防止できる。
D.また、メカキーなしモードでは、上記のような自動的な車載装置3による携帯機2の認証を不可とする。すなわち、メカキーなしモードでは、ユーザが携帯機2を携帯して車両に接近しても、コイルアンテナ23aからIDコード電波が送信されないので、ユーザがドアノブ付近に設けられているタッチセンサに触れても解錠されない。これにより、ユーザは携帯機2に何らかの異常があることを認識できる。
解錠できない場合、ユーザはメカニカルキー21をキーシリンダに挿入して解錠しようとするので、メカニカルキー21がすり替えられていること(又はメカニカルキー21がないこと)に気づくことができる。なお、この場合、ユーザが操作ボタン18を予め定めた所定の方法で操作すればIDコード電波が送信されるものとし、これによりドアがアンロックされ、ユーザは車内にはいることができる。
車内に入れば、車載装置31のトランスポンダ送受信回路31がコイルアンテナ31aにより生成する電磁界に、携帯機2のトランスポンダチップ26が応答してIDコード電波を送信するので、エンジンの始動等が許可される。
E.メカキーなしモードでは、携帯機2は車載装置3からのリクエスト電波に対し、メカキーなし電波を車両5に送信し、車窓装置3は携帯機2がメカキーなしモードである場合、所定の制御を車両5の種々の車載装置に実行する。
送信回路23はメカキーなし信号により搬送波を変調しメカキーなし信号を含むメカキーなし電波を生成し、コイルアンテナ23aから車両に送信する。車載装置3の受信回路32は復調したメカキーなし電波からメカキーなし信号をマイコン34に入力させる。マイコン34は、携帯機2がメカキーなしモードであると認識すると、例えば、車両にトランク及びグローブボックスの解錠を禁止する。
従来、ホテルなどでバレーパーキングする場合、ユーザは携帯機2からメカニカルキー21を取り出し、グローブボックス内の「トランクオープンキャンセルスイッチ」をオンにして(トランクが開かないようにして)、グローブボックスをメカニカルキー21で施錠してからメカニカルキー21が収納されていない携帯機2をホテルマン等に手渡していた。グローブボックスはメカニカルキー21により施錠されているので、このような作業により、バレーパーキング時にグローブボックス及びトランクがホテルマン等により解錠されることがなくなる。
しかしながら、ユーザにとって係る一連の作業を行うことは面倒である。そこで、本実施の形態の車両用電子キーシステム1では、携帯機2がメカキーなしモードの場合、車両はトランク及びグローブボックスの解錠を禁止する。これにより、バレーパーキング時にユーザは面倒な作業を行う必要がなくなる。なお、ここでは車載装置の一例としてグローブボックス及びトランクの解錠を禁止したが、その他の小物入れの解錠や個人情報などを表示装置に表示することを禁止してもよい。
以上のように、本実施の形態の車両用電子キーシステム1は、メカニカルキー21のすり替えを検知できる。また、正規なメカニカルキー21が収納されていない場合又は不正なメカニカルキー21が収納されている場合はメカキーなしモードとなり、車載装置の機能を制限できる。
車両用電子キーシステムの構成図である。 携帯機から分離されたメカニカルキーを示す図である。 正規のメカニカルキーが携帯機に収納されているか否かに基づきメカニカルキーを認証する認証手順のフローチャート図である。
符号の説明
1 車両用電子キーシステム
2 携帯機
3 車載装置
18 操作ボタン
19 インジケータ
21 メカニカルキー
22、34 マイコン
23、33 送信回路
25、32 受信回路
28、31 トランスポンダ送受信回路
21a、26 トランスポンダチップ
27 スイッチ機構
29 キー収納部

Claims (4)

  1. 車両に搭載された車載装置が該車両のユーザが携帯する携帯機を認証して該車両を解錠する車両用電子キーシステムにおいて、
    前記携帯機は、着脱可能に収納したメカニカルキーと、
    該メカニカルキーを認証する認証手段と、を有する、
    ことを特徴とする車両用電子キーシステム。
  2. 前記メカニカルキーは、固有のID情報を記憶した記憶部と、
    前記認証手段からの要求に応じて前記ID情報を前記携帯機に送信する送信手段と、を有し、
    前記認証手段は、前記メカニカルキーに前記ID情報の送信を要求する要求送信手段と、
    前記メカニカルキーから送信された前記ID情報を受信する受信手段と、を有し、
    受信した前記ID情報が予め当該携帯機が格納する前記ID情報と一致するか否かに基づき前記メカニカルキーを認証する、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用電子キーシステム。
  3. 前記携帯機は、前記認証手段により前記メカニカルキーが認証されない場合、前記メカニカルキーが挿入されていないことを前記ユーザに報知する報知手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用電子キーシステム。
  4. 前記携帯機は、前記認証手段により前記メカニカルキーが認証されない場合、前記メカニカルキーが収納されていないことを示すメカキーなし信号を車両に送信するメカキーなし信号送信手段を有し、
    前記車載装置は、前記メカキーなし信号を受信して、所定の車載装置の機能を制限する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用電子キーシステム。



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