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JP2007171527A - 補正方法及び表示装置 - Google Patents

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JP2007171527A JP2005368731A JP2005368731A JP2007171527A JP 2007171527 A JP2007171527 A JP 2007171527A JP 2005368731 A JP2005368731 A JP 2005368731A JP 2005368731 A JP2005368731 A JP 2005368731A JP 2007171527 A JP2007171527 A JP 2007171527A
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Abstract

【課題】LCDモニタ等の表示装置に表示される表示画像の色ムラを解消することが可能な補正方法及び表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し(S101)、色成分毎の測定結果に基づき色成分毎の第1目標輝度を設定し(S102)、設定した第1目標輝度に補正する第1画面領域を決定し(S103)、第1目標輝度の各色成分の比率を算出し(S104)、第1画面領域以外の第2画面領域の夫々について基準色成分を選択し(S105)、選択した基準色成分を基準として、算出した第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎の第2目標輝度を各第2画面領域に対して夫々設定し(S106)、第1画面領域の輝度を第1目標輝度に補正し、かつ各第2画面領域の夫々の輝度を夫々の第2目標輝度に補正する。
【選択図】図9

Description

本発明は、複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、測定装置にて測定した結果に基づく目標輝度に補正する補正方法、及び該補正方法を適用した表示装置に関し、特に表示画像の色ムラを補正する補正方法及び表示装置に関する。
LCD(Liquid Crystal Display)モニタ、EL(Electro Luminescence)モニタ、PDP(Plasma Display Panel)モニタ、プロジェクタ等の表示装置の表示画面は、その製造品質のバラツキで輝度ムラ、色ムラ等の表示ムラが生じてしまうという問題がある。例えばLCDモニタの表示部である液晶パネルの場合、液晶層の厚みのバラツキ、駆動用トランジスタの動作特性のバラツキ及びバックライトの発光分布のバラツキを表示ムラの原因として例示することができる。
従来の表示装置の表示ムラの補正方法を説明する。最初に表示装置の輝度ムラの補正方法について説明する。表示装置の輝度ムラを補正するため、先ず表示装置の輝度ムラの測定を行う。輝度ムラの測定は、特定の階調値に基づく白色画像を表示装置の表示画面全体に表示し、表示されている画像の輝度を測定装置にて測定することにより行われる。
図15は、表示装置の表示画面の輝度を測定した結果を示す図表である。図15では、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に輝度を測定し、測定により得られた値を画面領域毎に示している。図15に示す様に画面全体に同じ階調値に基づく画像を表示させた場合でも画面領域毎に輝度が異なっており、一般的には、画面中央部の輝度が最も高く周辺部程輝度が低くなる傾向がある。そこでこの様な輝度ムラを補正するため画面領域毎に輝度の補正が行われる。輝度の補正は、通常、輝度を低くする方向で実施される。これは輝度を高くする方法で補正した場合、高輝度で飽和することを回避するためである。
図16は、表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。図16では、図15に示した輝度に基づいて設定される輝度の補正の目標となる目標輝度を示している。通常、画面領域は、図12に例示する様に細かく分割されるが、図15及び図16では、説明を容易にするため、簡略化して3×3に分割した図表を例示している。図16に示す様に目標輝度は、必ずしも各画面領域で一定の値が設定される訳ではない。測定値が最も低い画面領域の輝度、例えば図15の例では、136cd/m2 以下に目標輝度を設定すれば、全画面領域で輝度を均一化することが可能となる。ところが測定値が最も低い画面領域の輝度に目標輝度を設定した場合、輝度の過剰な低下を招くことになる。そこで低下が許容できる輝度に目標輝度を設定し、目標輝度未満の画面領域については輝度の補正を行わないのが一般的である。
図16に示す例では、目標輝度を中央の画面領域の輝度の90%、即ち157cd/m2 ×0.9=141cd/m2 に設定した場合の各画面領域の目標輝度を示している。測定した輝度が目標輝度以上である画面領域については、輝度の均一性が図られているが、図16中斜線にて示す目標輝度未満の画面領域については、輝度の均一性が図られていない。ただし全画面領域についての輝度ムラの解消はできないものの過度な輝度低下を招くことはないため、一般的にはこの様にして目標輝度の設定が行われる。そして画像信号として入力された階調値に対し、各画面領域について設定された目標輝度に基づく補正を行った輝度の画像が、表示装置の表示画面に表示される。
次に表示装置の色ムラの補正方法について説明する。色ムラの補正は、白色画像に基づいて行った輝度ムラの補正を、画像を構成する各色成分の輝度ムラに対して行うものである。表示装置の色ムラを補正するため、先ず表示装置の色ムラの測定を行う。輝度ムラの測定が白色画像を表示させて行ったことに対し、色ムラの測定は、単色の色成分、即ちR(Red)成分、G(Green)成分及びB(Blue)成分の夫々の特定の階調値に基づく単色画像を表示装置の表示画面全体に表示し、表示されている単色画像の輝度を測定装置にて測定することにより行われる。
図17は、表示装置の表示画面の輝度を測定した値を示す図表である。図17では画面領域毎の輝度の測定値を示しており、図17(a)がR成分の単色画像に基づく測定値、図17(b)がG成分の単色画像に基づく測定値、そして図17(c)がB成分の単色画像に基づく測定値を示している。色ムラについても、輝度ムラと同様に輝度を低くする方向での補正が実施される。
図18は、表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。図18では、図17に示した輝度に基づいて設定される輝度の補正の目標となる目標輝度を示しており、図18(a)がR成分の目標輝度、図18(b)がG成分の目標輝度、そして図18(c)がB成分の目標輝度を示している。目標輝度の設定は、輝度ムラと同様であり、各色成分について中央の画面領域の輝度の90%の値を夫々の色成分の目標輝度とし、図18中斜線にて示す目標輝度未満の画面領域については、測定値を目標輝度として設定する。そして画像信号として入力された各色成分の階調値に対し、各画面領域について設定された色成分毎の目標輝度に基づく補正を行った輝度の画像が、表示装置の表示画面に表示される。
上述した様な色ムラを補正する装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−343954号公報
しかしながら従来の補正方法では、目標輝度となる様に色成分の補正が行われた画面領域と、補正が行われなかった領域とで、RGB比に相違が生じるため、色ムラが完全に解消していないという問題がある。例えば図18に示した例では、目標輝度に基づく補正を行った画面領域では、輝度のRGB比が48.5:81.6:12.1になるのに対し、補正を行っていない画面領域、例えば左上の画面領域では、輝度のRGB比が44.5:81.2:11.8となる。なお測定値が最も低い画面領域の輝度に目標輝度を設定し、全ての画面領域について補正を行った場合には、色ムラは解消するが、その場合、画面全体の輝度の低下を生じさせるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みて成されたものであり、色成分毎の測定結果に基づき色成分毎に設定された目標輝度に補正しない画面領域に対し、目標輝度の色成分比率に基づく比率に色成分を補正することにより、不要な輝度低下を招くことなく色ムラを解消することが可能な補正方法、及び該補正方法を適用した表示装置の提供を目的とする。
第1発明に係る補正方法は、複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、測定装置にて測定した結果に基づく目標輝度に補正する補正方法において、画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき前記表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し、色成分毎の測定結果に基づき色成分毎の第1目標輝度を設定し、設定した第1目標輝度に補正する第1画面領域を、測定結果及び第1目標輝度の関係に基づいて決定し、第1目標輝度の各色成分の比率を算出し、第1画面領域以外の画面領域である第2画面領域の夫々に対し、算出した第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎の第2目標輝度を夫々設定し、第1画面領域の輝度を第1目標輝度に補正し、かつ各第2画面領域の夫々の輝度を夫々の第2目標輝度に補正することを特徴とする。
第2発明に係る補正方法は、複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、測定装置にて測定した結果に基づく目標輝度に補正する補正方法において、前記測定装置は、画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき前記表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し、前記表示装置は、測定結果に基づき決定された第1画面領域の輝度を、色成分毎の測定結果に基づき設定した色成分毎の第1目標輝度に補正し、かつ第1画面領域以外の画面領域である各第2画面領域の夫々の輝度を、第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で夫々設定した色成分毎の第2目標輝度に補正することを特徴とする。
第3発明に係る補正方法は、第1発明又は第2発明において、前記第2目標輝度は、各色成分の測定結果の色成分比率と、第1目標輝度の色成分比率との差異に基づき選択された一の色成分の測定結果に基づいて設定されることを特徴とする。
第4発明に係る補正方法は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記色成分毎の輝度の補正は、無彩色の表示画像の測定結果に基づく各画面領域の輝度の補正後に行うことを特徴とする。
第5発明に係る表示装置は、複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に設定された色成分毎の目標輝度に補正する表示装置において、第1画面領域の輝度を、色成分毎に設定されている第1目標輝度に補正し、かつ第1画面領域以外の画面領域である各第2画面領域の夫々の輝度を、第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で夫々設定されている色成分毎の第2目標輝度に補正する手段を備えることを特徴とする。
本発明では、第2画面領域の輝度を、第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎に設定された第2目標輝度に補正することにより、例えば第1目標輝度より輝度が低いために第1目標輝度に補正しない第2画面領域の色成分比率が、第1画面領域の色成分比率と同様になるため、画面全体の色成分比率が一定となるので、色ムラを解消することが可能であり、しかも画面全体の輝度を、最も輝度が低い画面領域の輝度に調整する必要がないので、画面全体の輝度の低下を防止することが可能である。
また本発明では、第2目標輝度の設定の基準となる色成分を、各色成分の測定結果及び第1目標輝度の差異に基づいて選択することにより、各色成分の表示特性に応じて画面領域毎に最適な補正を行うことが可能である。
さらに本発明では、輝度ムラの補正と併用することにより、輝度ムラ及び色ムラを含む表示ムラの高精度な補正を実現することが可能である。
本発明に係る補正方法及び表示装置は、画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、各色成分について夫々測定し、色成分毎の測定結果に基づき色成分毎の第1目標輝度を設定し、設定した第1目標輝度に補正する第1画面領域を、測定結果及び第1目標輝度の関係に基づいて決定し、第1目標輝度の各色成分の比率を算出し、第1画面領域以外の第2画面領域の夫々に対し、算出した第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎の第2目標輝度を夫々設定し、第1画面領域の輝度を第1目標輝度に補正し、かつ各第2画面領域の夫々の輝度を夫々の第2目標輝度に補正する。
この構成により、本発明では、例えば第1目標輝度より輝度が低いために第1目標輝度に補正しない第2画面領域の色成分比率が、第1画面領域の色成分比率と同様になるため、画面全体の色成分比率が一定となるので、色ムラを解消することが可能である等、優れた効果を奏する。しかも画面全体の輝度を、最も輝度が低い画面領域の輝度に調整する必要がないので、画面全体の輝度の低下を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
また本発明では、各色成分の測定結果及び第1目標輝度の夫々の差異に基づき選択された一の色成分の測定結果に基づいて第2目標輝度を設定することにより、各色成分の表示特性に応じて画面領域毎に最適な補正を行うことが可能である等、優れた効果を奏する。
さらに本発明では、白色等の無彩色の表示画像の測定結果に基づき各画面領域の輝度を補正する輝度ムラの補正後に、色ムラの補正を行うことにより、輝度ムラ及び色ムラを含む表示ムラの高精度な補正を実現することが可能である等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す画面について詳述する。
図1は、本発明の表示装置の外観の一例を示す斜視図である。図1中1は、LCDモニタ等の表示装置であり、表示装置1は、パーソナルコンピュータ等の処理装置2に接続されており、処理装置2から出力される画像信号の入力を受け付け、受け付けた画像信号の階調値に基づく輝度値の表示画像を液晶パネル等の表示部10の表示画面に表示させる。処理装置2から表示装置1へ出力される画像信号は、複数の色成分、即ちR(Red)成分、G成分(Green)成分及びB(Blue)成分の夫々についての階調値を含んでいる。なお表示装置1としては、LCDモニタに限らず、ELモニタ、PDPモニタ、プロジェクタ等の装置を用いてもよく、また処理装置2としては、パーソナルコンピュータに限らず、テレビ用チューナ、DVDプレーヤ、ゲーム機等の装置を用いてもよい。
図2は、本発明の補正方法における表示ムラの測定例を概念的に示す斜視図である。表示装置1の表示ムラの測定は、表示部10の表示画面全体に同一の階調値の画像信号に基づく画像を表示させ、測定装置3を用いて表示画面の輝度を測定することにより行う。輝度の測定の対象として同一の階調値の画像信号に基づき表示させる画像とは、各色成分の単色画像、即ちR成分、G成分及びB成分の夫々の単色画像、並びに白色画像等の無彩色画像である。これにより階調値と、表示画面全体に表示される画像の輝度との関係を求めることができ、また階調値に対する表示画面全体の輝度の分布、即ち表示ムラを求めることができる。
本発明の補正方法では、図2に例示したように表示装置1の表示部10に表示される画像の輝度を測定装置3で測定して求めた表示ムラに対し、表示画面全体の輝度が一様となるように輝度ムラ及び色ムラを解消することにより行う。表示画面全体の輝度を一様にするため表示装置1では、表示部10の表示画面を複数の画面領域に区分した画面領域毎に輝度の補正の目標となる目標輝度を設定し、画面領域毎に輝度が目標輝度になるように受け付けた画像信号の階調値を補正する。
次に測定した結果に基づく表示ムラの補正方法について説明する。先ず表示ムラとして輝度ムラを補正する方法について説明する。図3は、本発明の表示装置1の表示画面の輝度を測定した結果を示す図表である。図3では、表示部10の表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に輝度を測定し、測定結果である輝度値を画面領域毎に示している。図3では、表示部10の画面を9個の画面領域に区分する形態を示したが、本発明はこれに限らず、9以外の数、例えば10以上の多数の画面領域に区分することも可能であり、更には画素毎に区分することも可能である。そして区分する画面領域の数が多い程、高精度の輝度ムラ補正が可能となる。
図4は、本発明の表示装置1の各画面領域の目標輝度を示す図表である。図4では、図3に示した輝度に基づいて設定される輝度の補正の目標となる目標輝度を示している。本発明の表示装置1では、中央の画面領域を基準画面領域とし、基準画面領域の輝度の90%の輝度を目標輝度とする。但し、測定した輝度が目標輝度未満の画面領域については、測定結果を目標輝度とする。即ち測定した輝度が目標輝度以下の画面領域については輝度の補正を行わない。図4に示す例では、中央の画面領域の輝度の90%、即ち157cd/m2 ×0.9=141cd/m2 が目標輝度となる。但し、図4中斜線で示した画面領域の測定輝度は、141cd/m2未満であるので、測定結果が目標輝度となる。この様にして画像信号の各階調値に対し画面領域毎の目標輝度を設定する。なお必ずしも全ての階調値に対して画面領域毎の目標輝度を設定する必要はなく、例えば階調値が0,32,64,…というように32おきの階調値に対する目標輝度を設定する様にし、設定していない階調値に対しては、他の階調値に対する目標輝度を加重平均して設定する目標輝度を算出する様にしても良い。
次に表示ムラとして色ムラを補正する方法について説明する。図5は、本発明の表示装置1の輝度を測定した値を示す図表である。図5では画面領域毎の輝度の測定値を示しており、図5(a)がR成分の単色画像に基づく測定値、図5(b)がG成分の単色画像に基づく測定値、そして図5(c)がB成分の単色画像に基づく測定値を示している。図5では、表示部10にR成分、G成分及びB成分の単色画像を表示し、画面領域毎に輝度を測定して、測定結果である輝度値を画面領域毎に示している。
図6は、本発明の表示装置1の各画面領域の目標輝度を示す図表である。図6では、図5に示した輝度に基づいて設定される輝度の補正の目標輝度を示しており、図6(a)がR成分の目標輝度、図6(b)がG成分の目標輝度、そして図6(c)がB成分の目標輝度を示している。本発明の表示装置1では、各色成分の輝度について、中央の画面領域を基準画面領域とし、基準画面領域の輝度の90%の輝度を夫々の色成分の第1目標輝度とする。但し、測定した輝度が第1目標輝度未満である斜線で示した画面領域については、以下に示す方法により算出する第2目標輝度を画面領域毎に設定する。以降の説明において必要がある場合、第1目標輝度が設定された画面領域を第1画面領域、第2目標輝度が設定された画面領域を第2画面領域として表現する。なお図5の上部中央の画面領域の様に測定値が第1目標輝度以上である色成分と第1目標輝度未満である色成分とが混在する場合、当該画面領域は、第2画面領域として扱う。
第2目標輝度の設定に際し、先ず第1目標輝度のR成分、G成分及びB成分の比率を算出する。図6の例では、R成分、G成分及びB成分の第1目標輝度の比率は、48.5:81.6:12.1となる。
そして第1目標輝度を設定していない各画面領域について、夫々対応しているR成分、G成分及びB成分の輝度の測定結果の色成分比率と、第1目標輝度の色成分比率との差異に基づいて基準色成分を選択する。各画面領域についてのR成分、G成分及びB成分の輝度の測定結果の色成分比率は、白色輝度成分中の各色成分の含有比率から導出する。具体的には、下記の式1にてR成分の含有比率を算出し、式2にてG成分の含有比率を算出し、そして式3にてB成分の含有比率を算出する。
R成分の含有比率=R成分の輝度/(R成分の輝度+G成分の輝度+B成分の輝度)
……式1
G成分の含有比率=G成分の輝度/(R成分の輝度+G成分の輝度+B成分の輝度)
……式2
B成分の含有比率=B成分の輝度/(R成分の輝度+G成分の輝度+B成分の輝度)
……式3
例えば図5中の左上の画面領域は、R成分の輝度、G成分の輝度及びB成分の輝度は、夫々44.5cd/m2 、81.2cd/m2 及び11.8cd/m2 であるからR成分の含有比率、G成分の含有比率及びB成分の含有比率は、0.324、0.590及び0.086と算出される。
R成分、G成分及びB成分の第1目標輝度の比率は、48.5:81.6:12.1=0.341:0.571:0.091であるから、第1目標輝度の各色成分の比率から各色成分の含有比率を減じることにより算出される差異は、R成分が0.017、G成分が−0.019、そしてB成分が0.005となる。この様にして算出した差異がマイナス方向に最も大きい色成分、ここではR成分が基準色成分として選択される。図5及び図6に例示した図表では、全ての第2画面領域でR成分が基準色成分となるが、画面領域毎に基準色成分が異なっても良いことは言うまでもない。なお基準色成分の輝度の測定結果は、当該画面領域における当該色成分の第2目標輝度となる。
さらに第1目標輝度を設定していない各画面領域について、基準色成分の輝度を基準として、R成分、G成分及びB成分の比率が第1目標輝度の比率と同様となるように、基準色成分以外の色成分の輝度を算出する。そして算出した輝度を、当該画面領域における当該色成分の第2目標輝度とする。例えば左上の画面領域では、G成分の第2目標輝度が74.8cd/m2 となり、B成分の第2目標輝度が11.1cd/m2 となる。このように差異がマイナス方向に最も大きい色成分を基準色成分とすることにより、必ず下げる方向への補正となるので、輝度が飽和することがない。
図7は、本発明の表示装置1の各画面領域の目標輝度の比を示す図表である。図7は、各画面領域について設定した第1目標輝度又は第2目標輝度の色成分間の比を、R成分の目標輝度を1.00として示した図表であり、図7(a)がR成分、図7(b)がG成分、そして図7(c)がB成分を示している。図7(a)、(b)及び(c)から明らかな様に、全ての画面領域で各色成分の輝度の比は一定となっている。
図8は、表示装置1の各画面領域の目標輝度の比を示す図表である。図8は、図7との比較用に示した図表であり、第1目標輝度のみを設定し、第2目標輝度は設定せずに、測定結果である輝度を目標輝度として示している。R成分の目標輝度を1.00とし、図8(a)にR成分、図8(b)にG成分、そして図8(c)にB成分の目標輝度を示している。図8に示す様に第1目標輝度を設定した画面領域の輝度の比は一定であるが、斜線で示した第1目標輝度を設定していない画面領域では、色成分間の比は画面領域毎に異なっている。図7及び図8を比較すると明らかな様に第2目標輝度を設定することにより、色ムラを解消することが可能になる。
上述した色ムラを補正するための目標輝度の設定方法を、フローチャートを用いて説明する。図9は、本発明の補正方法における色ムラ補正のための目標輝度の設定方法を示すフローチャートである。本発明の補正方法では、画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき表示装置1の表示画面に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し(S101)、色成分毎の測定結果に基づき色成分毎の第1目標輝度を設定し(S102)、設定した第1目標輝度に補正する第1画面領域を、測定結果及び第1目標輝度の関係に基づいて決定し(S103)、第1目標輝度の各色成分の比率を算出し(S104)、第1画面領域以外の第2画面領域の夫々に対し、各色成分の測定結果の色成分比率と、第1目標輝度の色成分比率との差異に基づき基準色成分を選択し(S105)、選択した基準色成分を基準として、算出した第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎の第2目標輝度を各第2画面領域に対して夫々設定する(S106)。この様にして画像信号の各階調値に対し画面領域毎の各色成分の第1目標輝度又は第2目標輝度を設定する。なお必ずしも全ての階調値に対して目標輝度を設定する必要はなく、例えば階調値が0,32,64,…というように32おきの階調値に対する目標輝度を設定するようにし、設定していない階調値に対しては、他の階調値に対する目標輝度を加重平均して設定する目標輝度を算出する。
図10は、本発明の表示装置1の構成例を示すブロック図である。表示装置1は、処理装置2から画像信号の入力を受け付ける入力部11と、入力部11から受け付けた画像信号に対する変換処理等の処理を実行し、変換処理後の画像信号を出力する画像コントローラ等の画像処理部12とを備えており、画像処理部12から出力された画像信号は、表示部10から表示画像として出力される。さらに表示装置1は、装置全体を制御するMPU(Micro Processing Unit) 等の制御部13と、制御部13の制御に要するプログラム及びデータ等の情報を記録しているEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の記録部14とを備えている。なお入力部11から受け付けた画像信号がアナログ信号である場合には、適宜アナログ/デジタル変換が行われる。
画像処理部12は、入力部11から受け付けた画像信号に基づく画像に対する画質調整を行う画質調整部121と、画質調整部121により画質調整された画像信号に対して表示ムラを補正する表示ムラ補正部122とを備えている。
画質調整部121は、入力を受け付けた画像信号に対する輝度補正を行う第1調整回路(YCORRECT)1211、色温度の調整を行う第2調整回路(MATRIX)1212及びガンマ補正を行う第3調整回路(GAMMA)1213を備えている。第1調整回路1211は、画質調整に要するγテーブル1214a等のデータを記録したSRAM(Static Random Access Memory) 等のメモリ1214からデータを読み取ることが可能であり、第3調整回路1213は、画質調整に要するγテーブル1215a等のデータを記録したSRAM等のメモリ1215からデータを読み取ることが可能である。
表示ムラ補正部122は、輝度ムラを補正する輝度ムラ補正回路1221と、色ムラを補正する色ムラ補正回路1222とを備えている。輝度ムラ補正回路1221は、輝度ムラ補正に要する輝度ムラ補正テーブル1223a等のデータを記録したSRAM等のメモリ1223からデータを読み取ることが可能であり、色ムラ補正回路1222は、色ムラ補正に要する色ムラ補正テーブル1224a等のデータを記録したSRAM等のメモリ1224からデータを読み取ることが可能である。輝度ムラ補正テーブル1223aとは、図4に示した階調値毎の目標輝度に基づいて設定されたテーブルであり、受け付けた階調値に基づき出力される輝度を、目標輝度に補正すべく階調値を補正するための補正係数が画面領域毎に記録されている。色ムラ補正テーブル1224aとは、図6に示した階調値及び色成分毎の目標輝度に基づいて設定されたテーブルであり、受け付けた階調値に基づき出力される輝度を、目標輝度に補正すべく階調値を補正するための補正係数が画面領域毎に記録されている。なお輝度ムラ補正テーブル1223a及び色ムラ補正テーブル1224aに記録される補正係数は、測定装置3を用いて表示画像を測定した結果に基づく階調値及び測定した輝度との関係に基づいて導出した数値である。
次に本発明の表示装置1の処理について説明する。図11は、本発明の表示装置1にて実行される処理を示すフローチャートである。表示装置1では、入力部11にて画像信号の入力を受け付け(S201)、受け付けた画像信号に対して、画質調整部121が備える第1調整回路1211、第2調整回路1212及び第3調整回路1213により画像信号に基づく画像の画質を調整する(S202)。
そして表示装置1は、表示ムラ補正部122の輝度ムラ補正回路1221により、画質を調整した画像信号にて示される各画面領域に含まれる画素の階調値を判別し(S203)、判別した各画面領域の画素の階調値に対応する輝度ムラ補正テーブル1223aを画素毎に選択し(S204)、選択した輝度ムラ補正テーブル1223aに記録されている補正係数を画素毎に抽出し(S205)、表示画像の輝度を目標輝度にすべく、抽出した補正係数にて各画面領域の階調値を補正する(S206)。ステップS206による補正は、階調値に補正係数を乗じることにより行われる。
ステップS203〜S206にて示した無彩色の表示画像の測定結果に基づく輝度ムラ補正の方法は、表示画像の測定結果に基づく補正方法で有れば、様々な方法を適用することが可能である。例えば受け付けた階調値に対し、補正を行わない場合に表示される画像の輝度と、補正の目標となる目標輝度との差を輝度補正量として算出し、算出した輝度補正量に対し、予め設定されている補正係数を乗じて階調値の補正量を算出するという様な補正方法を適用することができる。またその様な補正方法を適用する場合に、どの様な演算回路を用い、どの様なデータが記録されたテーブルを用いるか等の実装形態については、表示装置1の仕様に応じて適宜設計することが可能である。
そして表示装置1は、表示ムラ補正部122の色ムラ補正回路1222により、輝度ムラを補正した画像信号にて示される各画面領域に含まれる画素の色成分毎の階調値を判別し(S207)、判別した各画面領域の画素の階調値に対応する色ムラ補正テーブル1224aを各画素の色成分毎に選択し(S208)、選択した色ムラ補正テーブル1224aに記録されている補正係数を各画素の色成分毎に抽出し(S209)、表示画像の輝度を目標輝度にすべく、抽出した補正係数にて各画面領域の色成分毎の階調値を補正する(S210)。ステップS210による補正は、階調値に補正係数を乗じることにより行われる。またステップS210における目標輝度とは、図9を用いて説明した目標輝度の設定方法にて示した目標輝度であり、第1画面領域では第1目標輝度であり、第2画面領域では第2目標輝度である。
そして表示装置1は、輝度を補正した画像を表示部10の表示画面に表示する(S211)。
ステップS207〜S210にて示した色ムラの補正の方法は、表示画像の色成分毎の測定結果に基づく色成分毎の補正方法で有れば、様々な方法を適用することが可能である。例えば受け付けた階調値に対し、補正を行わない場合に表示される画像の輝度と、補正の目標となる目標輝度との差を輝度補正量として算出し、算出した輝度補正量に対し、予め設定されている補正係数を乗じて階調値の補正量を算出するという様な補正方法を適用することができる。またその様な補正方法を適用する場合に、どの様な演算回路を用い、どの様なデータが記録されたテーブルを用いるか等の実装形態については、表示装置1の仕様に応じて適宜設計することが可能である。また図9を用いて説明した目標輝度の設定方法にて示す手順の一部、例えばステップS102〜S106の手順を、この段階で実行する処理として構成する様にしても良い。
上述した処理は、図10に例示した表示装置1の画像処理部12内の各種ハードウェア及びソフトウェアが協働して、適宜処理を分担して実行されるが、パーソナルコンピュータ等の処理装置2を接続し、接続した処理装置2とも協同して実行する様にしても良い。
次に本発明の補正方法による補正の結果について説明する。図12、図13及び図14は、本発明の補正方法による色ムラ分布を示す説明図である。図12、図13及び図14は、いずれも表示画面を形成する画素毎の色度を、表示画面上の画素の位置に対応付けて配置したグラフとして示している。図12は、表示画面の色ムラの分布を、国際照明委員会(CIE)にて制定されたYxy表色系のx座標のみで示した図であり、表示画面を形成する各画素の色度のYxy表色系におけるx座標の値を、中心の画素のx座標の値との差異とし、その差異が同じとなる画素を結んだ等色度差線にて表示画面の色ムラの分布を示している。なお図12(a)は、補正前の色ムラ分布であり、図12(b)は、補正後の色ムラ分布である。図13は、表示画面の色ムラの分布を、Yxy表色系のy座標のみで示した図であり、表示画面を形成する各画素の色度のYxy表色系におけるy座標の値を、中心の画素のy座標の値との差異とし、その差異が同じとなる画素を結んだ等色度差線にて表示画面の色ムラの分布を示している。なお図13(a)は、補正前の色ムラ分布であり、図13(b)は、補正後の色ムラ分布である。図14は、表示画面の色ムラの分布を、L*** 表色系を用いて示した図であり、表示画面を形成する各画素の色度として下記の式4にて示す色差ΔE*abを、明度差ΔL* を固定して示し、色差ΔE* abが同じとなる画素を結んだ等色差線にて表示画面の色ムラの分布を示している。なお図14(a)は、補正前の色ムラ分布であり、図14(b)は、補正後の色ムラ分布である。
ΔE* ab=[(ΔL*2 +(Δa*2 +(Δb*21/2 ……式4
図12、図13及び図14のいずれの図も濃い色で示した領域程、色ムラが顕著であることを示している。図12、図13及び図14から明らかな様に本発明の補正方法を適用することにより、全画面領域に渡って色ムラが解消している。
前記実施の形態では、輝度ムラの補正後、色ムラを補正する形態を示したが、本発明はこれに限らず、色ムラのみを補正する形態に適用することも可能であり、その場合、特定の画面領域、例えば中央の画面領域のみが第1画面領域となり、他の画面領域が第2画面領域となる。
また本発明では、色ムラ補正後、輝度ムラ補正を行う様にしても良く、更には輝度ムラ補正、色ムラ補正、輝度ムラ補正と繰り返し実行し、一定値に収束するまで表示ムラの補正を実行することも可能である。
さらに本発明は、RGBだけでなく、W(White)、Y(Yellow)等の様々な色成分に係るフィルタを付加した画素を設けた表示装置に対しても適用することが可能である。
本発明の表示装置の外観の一例を示す斜視図である。 本発明の補正方法における表示ムラの測定例を概念的に示す斜視図である。 本発明の表示装置の表示画面の輝度を測定した結果を示す図表である。 本発明の表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。 本発明の表示装置の輝度を測定した値を示す図表である。 本発明の表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。 本発明の表示装置の各画面領域の目標輝度の比を示す図表である。 表示装置の各画面領域の目標輝度の比を示す図表である。 本発明の補正方法における色ムラ補正のための目標輝度の設定方法を示すフローチャートである。 本発明の表示装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の表示装置にて実行される処理を示すフローチャートである。 本発明の補正方法による色ムラ分布を示す説明図である。 本発明の補正方法による色ムラ分布を示す説明図である。 本発明の補正方法による色ムラ分布を示す説明図である。 表示装置の表示画面の輝度を測定した結果を示す図表である。 表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。 表示装置の表示画面の輝度を測定した値を示す図表である。 表示装置の各画面領域の目標輝度を示す図表である。
符号の説明
1 表示装置
2 処理装置
3 測定装置
10 表示部
11 入力部
12 画像処理部
121 画質調整部
122 表示ムラ補正部
1221 輝度ムラ補正回路
1222 色ムラ補正回路

Claims (5)

  1. 複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、測定装置にて測定した結果に基づく目標輝度に補正する補正方法において、
    画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき前記表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し、
    色成分毎の測定結果に基づき色成分毎の第1目標輝度を設定し、
    設定した第1目標輝度に補正する第1画面領域を、測定結果及び第1目標輝度の関係に基づいて決定し、
    第1目標輝度の各色成分の比率を算出し、
    第1画面領域以外の画面領域である第2画面領域の夫々に対し、算出した第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で色成分毎の第2目標輝度を夫々設定し、
    第1画面領域の輝度を第1目標輝度に補正し、かつ各第2画面領域の夫々の輝度を夫々の第2目標輝度に補正する
    ことを特徴とする補正方法。
  2. 複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に、測定装置にて測定した結果に基づく目標輝度に補正する補正方法において、
    前記測定装置は、
    画像信号にて示される一の色成分の階調値に基づき前記表示装置の表示画面に表示される表示画像の輝度を、各色成分について夫々測定し、
    前記表示装置は、
    測定結果に基づき決定された第1画面領域の輝度を、色成分毎の測定結果に基づき設定した色成分毎の第1目標輝度に補正し、かつ第1画面領域以外の画面領域である各第2画面領域の夫々の輝度を、第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で夫々設定した色成分毎の第2目標輝度に補正する
    ことを特徴とする補正方法。
  3. 前記第2目標輝度は、各色成分の測定結果の色成分比率と、第1目標輝度の色成分比率との差異に基づき選択された一の色成分の測定結果に基づいて設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補正方法。
  4. 前記色成分毎の輝度の補正は、無彩色の表示画像の測定結果に基づく各画面領域の輝度の補正後に行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の補正方法。
  5. 複数の色成分の階調値を示す画像信号に基づき表示画面に表示される表示画像の輝度を、表示画面を複数の領域に区分した画面領域毎に設定された色成分毎の目標輝度に補正する表示装置において、
    第1画面領域の輝度を、色成分毎に設定されている第1目標輝度に補正し、かつ第1画面領域以外の画面領域である各第2画面領域の夫々の輝度を、第1目標輝度の色成分比率に基づく比率で夫々設定されている色成分毎の第2目標輝度に補正する手段を備えることを特徴とする表示装置。
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