JP2007165523A - フレキシブル配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細ピッチ配線とより柔軟な配置に対応する可撓性を両立し、かつ外部接続端子部の接続信頼性の高いフレキシブル配線基板を提供する。
【解決手段】内部導体パターン12,13が複数の誘電体層11の表面に設けられる。隣接する誘電体層11どうしは、基板の両主面のいずれか一方においてその層端が互いに連通一体に連結成形される。連結部位11aのそれぞれが基板両主面のいずれか一方に互い違いに設けられる。これにより複数の誘電体層は屈曲配置された一枚の誘電体シート形状をなす。内部導体パターン12、13の一部は連結部位11aを越えて隣接する誘電体層11まで延出することで配線基板の主面に露出する。内部導体パターン12、13の露出部位が基板主面で外部接続端子17a、17bを構成する。
【選択図】図1
【解決手段】内部導体パターン12,13が複数の誘電体層11の表面に設けられる。隣接する誘電体層11どうしは、基板の両主面のいずれか一方においてその層端が互いに連通一体に連結成形される。連結部位11aのそれぞれが基板両主面のいずれか一方に互い違いに設けられる。これにより複数の誘電体層は屈曲配置された一枚の誘電体シート形状をなす。内部導体パターン12、13の一部は連結部位11aを越えて隣接する誘電体層11まで延出することで配線基板の主面に露出する。内部導体パターン12、13の露出部位が基板主面で外部接続端子17a、17bを構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、フレキシブル配線基板およびその製造方法に関し、特に、携帯電話などの高密度実装機器に用いられる、複数の基板間を多数の配線で自在な形状で接続するフレキシブル配線基板に関する。
近年の電子機器の高性能化、高機能化にともない、電子機器を構成するLSIや周辺回路の規模は増大しており、これらを搭載する回路基板においても、LSIや周辺回路を接続する配線数が増大している。さらに、携帯電話やノートパソコン、PDA、デジタルカメラなどのモバイル電子機器においては、増大する回路や配線をコンパクトな筐体内に納めるために、複数の回路ブロックを構成するそれぞれの基板間を高密度に接続するフレキシブル配線基板が多用されるようになっている。
こういったフレキシブル配線基板では、より柔軟な基板配置を実現可能とするために可撓性がますます要求される。可撓性の要求は、機器の回路規模の増大に応じたより多数の基板間配線の実現や、LSIの高速化に応じた高速信号伝送への対応や、機器のコンパクト化やデザインの多様化への対応に基づいている。
特許文献1(特開2005−57259)には、近年急増してきた折り畳み型の携帯電話に用いられている、従来のフレキシブル配線基板が開示されている。図11は従来のフレキシブル配線基板の一例を示す平面図である。フレキシブル配線基板200は、ポリイミドなどの絶縁性フィルム基材201の片面に複数の配線パターン202が形成されており、他の基板との接続部分には配線パターン202に端子部203a、203bが形成されている。さらに、フレキシブル配線基板200には、携帯電話の折り畳み部において上下筐体が自由に開閉できるように、クランク部204が形成されている。
図12は従来のフレキシブル配線基板を携帯電話等の折り畳み型の筐体内に設置した構成を示す断面図である。上筐体205aと下筐体205bとが折り畳み部206を回転軸として自由に開閉できるようになっていて、上下筐体の回路ブロック基板207aと回路ブロック基板207bとはフレキシブル配線基板200により相互接続され、折り畳み部206での開閉に柔軟に追従するように、フレキシブル配線基板200は、一巻き丸められた形状に配置されている。フレキシブル配線基板200のクランク部204は、このように丸めた配置を容易にするために設けられる。
フレキシブル配線基板200の端子部203a、203bは、それぞれ上下筐体の配線基板(リジット基板)207a、207bの端部に接続されているが、通常フレキシブル配線基板とリジッド基板との接続には、コネクタやハンダ接続などによって接続が成される。
コネクタ接続では、リジッド基板側にコネクタを設け、フレキシブル配線基板の端子部をそのコネクタに挿入して、端子部にコネクタピンを圧接して接続を行なう。ハンダ接続の場合は、フレキシブル配線基板の端子部と同じ配置の端子電極をリジッド基板に設け、対応する端子間にハンダを介して、位置あわせを行なって加熱加圧を行なって接続を行なう。コネクタ接続はコネクタピンの微細化が難しく、ハンダ接続においても隣の配線間でハンダブリッジが起こるため、どちらも端子部の微細ピッチ化に限界があり、0.3mmピッチ程度である。
このようにフレキシブル配線基板とリジッド基板との接続には、ある程度の端子ピッチを確保する必要がるため、図11に示すように端子部203a、203bのピッチを通常の配線ピッチよりも格段に広げる必要があり、一方、クランク部204の様に可撓性が要求される部位では、極力狭ピッチ配線として幅を絞った形状となる。
特開2005−57259号公報
以上で述べたように、機器の高性能化に伴い、複数の回路ブロック間を接続するフレキシブル配線基板において、より多数の配線をコンパクトに納めることが求められ、さらに機器形態の多様化に応じた柔軟な配置に対応する可撓性との両立が要求される。
従来のフレキシブル配線基板において多数の配線を収容するため、もっぱら微細ピッチの配線を形成して多数の配線を1層の中に収める開発が行なわれている。
一方、複数の絶縁性フィルム基材を接着層で積層して多層配線化した多層フレキシブル配線基板もあるが、引張りなどの外力に耐える絶縁性フィルム基材の厚さの確保や接着層の厚さ、さらに表層の配線を覆うカバーレイの厚さを考慮すると、例えば配線層4層の多層基板でも0.4mm厚となり、多層化に伴って可撓性が失われるため、可撓性を求められる部分においては、専ら単層のフレキシブル配線で構成するのが通例である。
従って、多数の配線をコンパクトに収容するには、微細ピッチの配線を形成することになる訳である。
しかしながら、狭ピッチ化された配線層では、配線の微細化に伴う配線抵抗の増大を防ぐために厚膜化が必要になる。厚膜化された配線層を微細化しようとするとどうしてもアスペクト比の高い配線パターンとなるが、高アスペクト比の配線パターンを形成するには高度なエッチングや配線形成技術が要求され、製造困難となる。
次に、可撓性への対応の課題について考える。従来のフレキシブル配線基板は、所定の幅のフィルム形状を有することから、図12の様にフィルムの厚さ方向へ折り曲げることはできるが、他の方向(例えばフィルムの幅方向)への折り曲げを行なうことはできない。あくまでも平面状の折り曲げ方向の自由度しかないため、より複雑な機器内の基板配置や回転などの可動性を求められた場合、対応が困難となるという問題がある。
また、上述のように他の基板との接続端子には微細ピッチ化の限界があるため、配線ピッチの微細化を行なったとしても、配線数の増加に伴い接続端子部の幅が広くなってしまい、フレキシブル配線基板200の様に、端子部においてピッチを広げる必要がある。そのため、端子部は幅を広げ、配線部では幅を絞った複雑な外形形状とする必要があり、さらに端子部への幅を広げるための拡張配線部分を設けることが必要となる。
以上の様に、機器内でのフレキシブル配線基板の配置や可動範囲に応じて、また、接続する相手の基板に合わせて接続端子部を広げた複雑な外形形状にしなくてはならず、機器に応じた一品一葉の図11に示すような複雑な形状のフレキシブル配線基板をカスタム設計・製造する必要がり、汎用化が極めて困難である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、従来のフレキシブル配線基板と異なる全く新しい概念のフレキシブル配線基板に係わるもので、従来の課題を解決する、微細ピッチ配線とより柔軟な配置に対応する可撓性を両立し、汎用化も容易なフレキシブル配線基板を提供することを目的とするものである。
本発明のフレキシブル配線基板は、並列に配置された複数の配線を有するフレキシブル配線基板であって、基板両主面の対向方向に沿って配置され、基板幅方向に複数積層された誘電体層と、前記複数の配線として前記複数の誘電体層の表面に設けられた内部導体パターンとを備える。
隣接する前記誘電体層どうしは、基板の両主面のいずれか一方においてその層端が互いに連通一体に連結成形される。隣接する前記誘電体層の連結部位それぞれは、基板両主面のいずれか一方に互い違いに設けられることでこれら複数の誘電体層は屈曲配置された一枚の誘電体シート形状をなす。前記内部導体パターンの一部は、当該内部導体パターンが形成された前記誘電体層の連結部位を越えて当該誘電体層に隣接する誘電体層まで延出することで配線基板の主面に露出して、当該内部導体パターンの露出部位が、基板主面で外部接続端子を構成する。
上記構成により、内部導体パターンは、誘電体シートが交互に折り畳まれた微細な間隔の配線ピッチを有するものとなり、幅の細いフレキシブル配線基板内に多数の配線を収容することが可能となる。さらに、各内部導体パターンの一部を延出させて露出させる構成により、外部接続端子においても細い基板幅のままで外部接続端子を所望のピッチで引き出すことが可能となる。
従って、本発明のフレキシブル配線基板では、多数の配線を収容しかつ基板の幅を細くできるため、厚み方向の曲げのみならず、幅方向への曲げ自由度や、ねじり方向への自由度などの可撓性を高めることができる。また、外部接続端子もフレキシブル配線部と同じ基板幅にすることができ、従来のような端子でのピッチを拡張する配線部が不要となる。さらに、一定の幅の細い基板とすることで、複雑な外形形状にする必要がないことと可撓性が高いことから、ある程度規格化された本発明のフレキシブル配線基板を用意することで、様々な機器内の基板配置に対応が可能となる。
ある好適な実施の形態において、前記内部導体パターンは、前記誘電体層の基板両主面の連結部位間に挟まれた基板内部に帯状に設けられる。
ある好適な実施の形態において、当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも前記外部接続端子が設けられた基板長さ方向部位では、隣接する前記誘電体層どうしは固着され、基板幅方向に一体となっている。
ある好適な実施の形態において、当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも可撓性が求められる基板長さ方向部位では、前記連結部位のうち少なくとも一方の基板主面側の連結部位が切断されることで前記誘電体層が分離されている。
ある好適な実施の形態において、前記誘電体シートの両面に前記内部導体パターンが設けられる。
ある好適な実施の形態において、前記誘電体シートの一方の面の内部導体パターンが、他方の面の内部導体パターンによってシールドされる。
ある好適な実施の形態において、前記誘電体シート両面の前記内部導体パターンの一部は、当該内部導体パターンが形成された前記誘電体層の連結部位を越えて当該誘電体層に隣接する誘電体層まで延出することで配線基板の両主面に露出して、当該両内部導体パターンの露出部位それぞれが配線基板の両主面において前記外部接続端子を構成する。
ある好適な実施の形態において、隣接する前記外部接続端子を、前記基板幅方向および前記基板両主面の対向方向と直交する基板長さ方向に沿って互いにずらせて配置する。
ある好適な実施の形態において、前記外部接続端子に接続する外部接続電極パッドを有し、当該外部接続電極パッドを前記基板主面に設ける。
ある好適な実施の形態において、前記外部接続電極パッドの基板幅方向寸法は、前記外部接続端子の基板幅方向寸法より大きい。
本発明のフレキシブル配線基板は、例えば、次の製造方法により作製できる。その製造方法は、所定の長さと幅とを有する誘電体シートを用意し、当該誘電体シートにその一方表面からみて山谷となることを示す山側線および谷側線を、交互にかつ誘電体シートの長さ方向に平行にかつ一定間隔を空けて仮想的に設定する第1の工程と、前記誘電体シートの少なくとも一つの表面に、隣接する前記山側線と前記谷側線との間に位置しかつ前記山側線/谷側線と平行な帯状の内部導体パターンを形成する第2の工程と、前記誘電体シートを前記山側線/谷側線に沿って、前記一方表面からみて前記山側線が山形状となり前記谷側線が谷形状となるように交互に折り畳むことで、前記山形状の露出面を一主面とするフレキシブル配線基板を形成する第3の工程とを含む。前記第2の工程では、前記内部導体パターンの一部が前記誘電体シートの山側線/谷側線を超えて外側に延出するように前記内部導体パターンを形成し、当該内部導体パターンの延出部を、前記第3の工程後に配線基板主面に露出させて外部接続端子とする。
ある好適な実施の形態において、前記第3の工程では、前記誘電体シートを交互に折り畳む際に、当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも前記外部接続端子が設けられる基板長さ方向部位において、隣接する前記誘電体シートどうしを固着させて基板幅方向に一体化する。
ある好適な実施の形態において、前記第3の工程ののち、当該プリント配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも可撓性が求められる基板長さ方向部位において前記誘電体シートを前記山側線または前記谷側線において一部切断する工程をさらに含む。
ある好適な実施の形態において、前記第2の工程では、隣接する前記内部導体パターンの延出部を前記山側線/谷側線に沿って互いにずらせて配置する。
ある好適な実施の形態において、前記外部接続端子に接続する外部接続電極パッドを基板主面に形成する第5の工程をさらに含む。
ある好適な実施の形態において、前記第5の工程では、前記外部接続電極パッドを前記外部接続端子よりも基板幅方向に広く形成する。
本発明に係るフレキシブル配線基板は、微細な配線パターンを形成せずに、多数の信号配線を幅の細いフレキシブル配線基板内に収容することを可能とし、細い基板幅のままで内部導体パターンを露出させて外部端子を所望のピッチで引き出すことを可能とする。従って、基板の幅を細くできるため、厚み方向だけでなく幅方向への曲げやねじりなどが可能となって可撓性を高めることができる。また、外部接続端子部も含めて同じ基板幅とすることができ、従来のような端子部でのピッチ拡張配線部が不要となる。さらに、複雑な外形形状にする必要がないため、ある程度規格化し汎用化されたフレキシブル配線基板で、様々な機器内の基板配置に対応が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるフレキシブル配線基板100の基本的な構成を示した図である。特に、フレキシブル配線基板100の断面構造と外部端子との接続構造が分かり易いように図示しており、実際のフレキシブル配線基板100は、長さ方向にさらに延長された形状となる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるフレキシブル配線基板100の基本的な構成を示した図である。特に、フレキシブル配線基板100の断面構造と外部端子との接続構造が分かり易いように図示しており、実際のフレキシブル配線基板100は、長さ方向にさらに延長された形状となる。
図1に示したフレキシブル配線基板100は、複数の誘電体層11を有し、各誘電体層11は、その主面が基板両主面の対向方向(厚さ方向)に沿って配置され、フレキシブル配線基板の幅方向に複数積層される。誘電体層11の表面には内部導体パターン12、13が設けられる。内部導体パターン12、13は、誘電体層11の両面に設けられる。隣接する誘電体層11どうしは、基板両主面20、21のいずれか一方においてその層端が互いに連通一体に連結成形される。連結された層端は隣接する誘電体層11の連結部位11aを構成する。連結部位11aは誘電体層11の長さ方向(フレキシブル配線基板100の長さ方向)に沿って長さいっぱいに連続的に誘電体層11に設けられる。連結部位11aは、各誘電体層11の両層端に設けられる。これら複数の連結部位11aは、基板両主面20、21のいずれか一方に基板幅方向に沿って互い違いに配置される。すなわち、一方の基板主面20側の連結部位11aに隣接する連結部位11aは、他方の基板主面21に設けられ、他方の基板主面21側の連結部位11aに隣接する連結部位11aは、一方の基板主面20に設けられる。
これにより、複数ある誘電体層全体は、連結部位11aにおいて折り畳まれることで屈曲配置される一枚の誘電体シート10の形態をなし、さらに折り畳まれた誘電体シ−ト10からフレキシブル配線基板が構成される。内部導体パターン12、13は、このようにして誘電体シート10を構成する誘電体層11に層長手方向に沿って帯状に配置される。ここで、層長手方向とは、連結部位11aの連結稜線方向であって、具体的にはフレキシブル配線基板の長さ方向となる。基板長さ方向は、基板両主面対向方向と基板幅方向と直交する。
各誘電体層11は、層間に配置される絶縁性接着層16で互いに固着されており、内部導体パターン12、13は、絶縁性接着層16で被覆される。これにより、フレキシブル配線基板100の一方の基板主面20は、絶縁性接着層16で固着された複数の連結部位11aの連続体により構成される。同様に、配線基板100の他方の基板主面21は、絶縁性接着層16で固着された複数の連結部位11aの連続体により構成される。
複数ある内部導体パターン12、13のうちの少なくとも一つは、この内部導体パターン12、13が形成される誘電体層11の表面が連結外側となる連結部位11aまで延出される。これにより、内部導体パターン12、13の延出端はいずれか一方の主面20、21に露出する。配線基板100の主面20、21に露出する内部導体パターン12は、それぞれ各層(各誘電体層11の内部導体12、13)の引き出し電極17a、17bを構成する。各層の引き出し電極17a、17bは、各層毎にフレキシブル配線基板の長さ方向に所定のピッチで露出する位置をずらせて配置されている。各引き出し電極17a、17bの上面にはそれぞれ外部接続電極パッド18が形成される。外部接続電極パッド18は引き出し電極17よりも基板幅方向寸法が長い長矩形形状を有する。各外部接続電極パッド18は、各引き出し電極17a、17bにそれぞれ接続される。
本実施形態におけるフレキシブル配線基板100の第1の特徴は、次の通りである。すなわち、内部導体パターン12、13が誘電体層11を挟んで、フレキシブル配線基板の幅方向に沿って複数積層された構造を有する。これにより、誘電体層11の厚さと内部導体パターン12、13の厚さを加えた程度の微小なピッチで配線を基板の長さ方向に多数本走らせることができる。例えば、誘電体層11の厚みを3μm、内部導体パターン12、13の厚みを1μmとした場合、3〜4μmピッチという極めて高密度な配線引き回しが可能になる。これは、フレキシブル配線基板における先端レベルの80μmピッチと比較しても20倍以上の高密度配線である。これに匹敵する配線密度を従来のフレキシブル配線基板の多層化で達成しようとしても、20層以上必要であることから、工業製品として現実離れしている上に、さらに基板の総厚が1mmを遥かに超えてしまい、全く可撓性のない配線基板となってしまう。
本実施形態におけるフレキシブル配線基板100の第2の特徴は、次の通りである。すなわち、内部導体パターン12、13は、絶縁性接着層16で被覆されており、配線基板100内に内装された構造を有する。これにより、配線基板100の主面20上に形成された外部接続電極パッド18に何ら阻害されることなく狭ピッチを維持した状態で、内部導体パターン12、13を高密度配線することが可能となる。従来のフレキシブル配線基板で高密度配線を実現するためには、端子電極のピッチを広げなくてはならず、微細ピッチの配線から端子部までのピッチを拡張する余分な配線の面積が必要となる。これに対して、上述した第2の特徴を有する本実施形態のフレキシブル配線基板100はフレキシブル配線基板100の引き出し電極17a、17bを基板の長さ方向に所定のピッチでずらせて露出させるだけで、他の基板との接続に使用できるピッチまで容易に拡張できる。
以上のように、本実施の形態では、従来のフレキシブル配線基板に比して、配線密度が飛躍的に増大したフレキシブル配線基板を提供するものであるが、さらに、従来のフレキシブル配線基板において、高密度化の妨げとなっていた次の技術的課題を解決することができる。
高密度化の課題として配線の狭ピッチ化があるが、配線の微細化にともなう配線抵抗の増大を防ぐために、厚い配線層が必要になり、その結果、アスペクト比の高い配線パターンを形成する高度なエッチング技術が要求される。例えば、配線幅を20μmとすると、配線の低抵抗化の観点から、望まれる配線厚さとして20μm程度の高アスペクト比の配線が必要である。
一方、本実施の形態においては、内部導体パターン12、13は、各誘電体層11の表面に帯状に形成されており、そのパターン幅を、フレキシブル配線基板100の厚さ(両主面20、21対向離間間隔)の半分程度まで広く取ることができる。例えば、配線基板100の厚さを1mmとした場合、内部導体パターン12、13の幅を400μm以上にすることが可能であり、そうすれば、内部導体パターン12、13の厚みを1μmまで薄くしても、幅20μm、厚さ20μmの高アスペクト比配線と同等以上の導体断面積を得ることができ、配線の低抵抗化を容易に実現することができる。もちろん、幅が100μmオーダの内部導体パターン12、13は、通常のエッチング技術で容易に形成できるので、困難な高アスペクト比のエッチング技術を必要とせず、歩留まり良く内部導体パターンを形成することができる。
次に、機器構成に柔軟に対応できる本実施形態のフレキシブル配線基板の可撓性について説明する。従来のフレキシブル配線基板では絶縁性フィルム基材上に平面的に配線パターンを形成することから、配線数が増えるに従って基板の幅が増え、フィルムの厚さ方向の曲げ自由度しか得られなくなり、また、接続端子部の拡張もしなければならず、図11に示すフレキシブル配線基板200に示すように、機器設計に応じて一品一葉の複雑な外形形状が必要となるという課題がある。
本実施形態のフレキシブル配線基板の可撓性について、図2を参照しながら説明する。フレキシブル配線基板100の一主面の両端には外部接続端子部19a、19bが設けられる。フレキシブル配線基板100の内層には、複数の内部導体パターン12、13が並列に配置される。内部導体パターン12、13は各誘電体層11に帯状に設けられる。これら内部導体パターン12、13は、一端側の外部接続端子部19aと、他端側の外部接続端子部19bとを電気的につなぐ平行配線として機能する。接続端子部19a、19bは、図1を参照して先に説明した端子構造を有する。すなわち、フレキシブル配線基板100は内部導体パターン12、13の一部を引き出して基板表面に露出させた引き出し電極17a、17bを有する。引き出し電極17a、17bは基板の長さ方向に所定のピッチでずらし配置されており、さらに引き出し電極17a、17bは外部接続電極パッド18に接続されている。外部接続電極パッド18の基板幅方向寸法は、外部接続端子17a、17bの基板幅方向寸法より大きい。
外部接続電極パッド18は、接続対象であるリジッド基板(図示していない)の端子に合わせて、フレキシブル配線基板の全幅に亘って形成される。リジッド基板とフレキシブル配線基板100との接続は、例えば接続端子部19a、19bをリジッド基板に装着したコネクタに挿入して行なうか、あるいは相対する端子同士をハンダ付けすることによって実施される。
図2に示したように、フレキシブル配線基板100において、接続端子部19a、19bとフレキシブル配線部25(フレキシブル配線基板100の可撓部)とは同幅であり、従来のフレキシブル配線基板のような接続端子部での拡張配線を必要としない。また、前述のように、従来のフレキシブル配線基板よりも20倍以上の高密度配線を達成できるので、同じ配線数で比較すると従来の20分の1以下の幅に納めることが可能となる。例えば、100本の配線を行なう場合、従来の80μmピッチのフレキシブル配線基板で考えると、8mmを超える幅となるが、本発明におけるフレキシブル配線基板では0.4mm幅に納めることが可能となる。8mm幅では幅方向の屈曲は不可能で、フィルム厚さ方向の折り曲げしかできないが、0.4mm幅と極めて細い本発明におけるフレキシブル配線基板は、フィルム状というよりもむしろ紐状に近いため、幅方向にも屈曲可能であるだけでなく、図2の様に捻り方向の自由度があり、モバイル機器内のより自由な基板配置や形状に対応できる可撓性を達成できる。
さらに、接続端子部19a、19bとフレキシブル配線部25(内部導体パターン12、13が収納される基板領域)とは同幅であり、内部導体パターン12、13も単純な帯状で構成でき、従来のフレキシブル配線基板のように機器に応じた一品一葉の形状としなくても、より柔軟な機器内の基板配置に対応できる可撓性を有する。従って、従来の複雑な外形形状のフレキシブル配線基板では考えられなかった、規格部品化を容易に達成することができる。端子ピッチや配線数、配線長さなどを規格化して取り揃えておけば、従来のフレキシブル配線基板の様にカスタム形状としなくても柔軟に対応可能となる。
次に、接続端子部19a、19bの接続信頼性を説明する。コネクタ接続やハンダ接続等により実施されるフレキシブル配線基板とリジッド基板との接続においては、接続を確実に行なうためにフレキシブル配線基板の端子部に一定以上の強度が必要である。従来のフレキシブル配線基板の場合、端子部の裏に補強板を接着して強度を持たせることが行なわれている。特に、本実施形態で用いられるような薄い誘電体シートの場合は、従来では補強板が必須となる。
これに対して、本実施の形態におけるフレキシブル配線基板は、多数の誘電体層11が積層され固着されてブロックになっているため、誘電体シート一枚では得られない強度を得ることができ、裏打ちの補強板がなくても他の基板との接続を確実に行なうことができる。
また、基板幅方向に積層された誘電体層11が一枚のシートとして連結されて折り畳まれている構成も、接続端子部19a、19bでの接続信頼性に重要な役割を果たしている。まず、内部導体パターン12、13の引き出し電極17は、誘電体シートの連結部位11aに追従して湾曲した形状を有しており、これにより引き出し電極17は、基板厚さ方向に沿った面から、基板主面方向に沿った面に徐々に湾曲している。そのため、引き出し電極17に外側から応力が付加されても応力集中点が生じず、したがって、他の基板との接続部に外力が加わっても、断線の恐れがなく高い信頼性が得られる。
例えば、単に誘電体層と導体層とを交互に積層した構成で、誘電体層の端面に露出した導体層を外部電極パッドに接続する、いわゆる端面電極引き出し構造では、導体層と外部電極パッドとの間の接続点にほぼ直角となった角部が形成される。そのため、引き出し電極17に外側から応力が付加されると応力集中点が生じる。このような理由により、従来では、他の基板との接続を実施する際には接続信頼性の維持に細心の注意を払うことが常識となっている。
さらに、単に誘電体層と導体層を交互に積層した構成の場合(例えば、特開2004−327971に開示の配線基板)、フレキシブル配線基板の屈曲などによってその接続端子部には大きな外力が加わり、誘電体層と導体層の接着界面から層間剥離を生じてしまい、このことが信頼性を向上させるうえで問題となる。これに対して、本実施の形態のフレキシブル配線基板では、各誘電体層11は必ず隣接する誘電体層とシートとして一体化したものとなるので、層間分離を抑えることができる。
このように、本実施の形態の構造では、外部接続端子部19a、19bが強固に接続固定されていることと、全体が連通一体のシートから構成されることとにより、高い接続信頼性を得ることが可能である。
次に、図1、図2に示したフレキシブル配線基板100を、誘電体シート10を交互に折り畳んで形成する方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ、折り畳む前の誘電体シート10の平面図、X−Yにおける断面図、及び底面図を示す。図3(a)に示すように、矩形形状を有する誘電体シート10に、後に折り畳む際に、誘電体シート10の一方表面からみて山となる山側線P−P′と、谷となる谷側線Q−Q′とを仮想的に設定する。これら山側線P−P′と谷側線Q−Q′とは、誘電体シート10の長さ方向に沿って設定される。さらに、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とは、交互にかつ互いに平行にかつ一定間隔に設定される。ここで、長さ方向とは、配線基板100における長さ方向と同じになる方向である。以上が第1の工程である。
次に、内部導体パターン12、13を、誘電体シート10の両表面に形成する。その際、内部導体パターン12、13を、長さ方向に沿って帯状に形成する。さらに、隣接する山側線P−P′と谷側線Q−Q′とに挟まれた表面領域それぞれに、これら線P−P′,Q−Q′と平行に各内部導体パターン12、13を配置する。さらに、誘電体シート10の一方表面に設けられた内部導体パターン12と他方表面に設けられた内部導体パターン13とを、互いに、誘電体シート10を挟んで対向配置する。
複数の内部導体パターン12、13のうち、任意の内部導体パターン12、13の一部を、隣接する山側線P−P′または谷側線Q−Q′を超える位置まで延出させることで引き出し電極17aおよび17bを形成する。ここで、内部導体パターン12、13の両側には山側線P−P′または谷側線Q−Q′が配置されており、これらの線P−P′,Q−Q′の中から一方を選択し、選択した線まで内部導体パターン12、13を延出させて引き出し電極17a、17bを形成する。線P−P′,Q−Q′の選択は次のように実施される。誘電体シート10は、図4に示すように、後工程において線P−P′,Q−Q′に沿って交互に折り畳まれる。内部導体パターン12、13を線P−P′,Q−Q′に向けて延出させた場合、その延出端が屈曲状態の誘電体シート10のシート内部に位置する場合と、シート外部に位置する場合とが生じる。内部導体パターン12、13の延出側としては、パターン延出端が屈曲状態の誘電体シート10のシート外部に位置する線P−P′,Q−Q′が選択される。
ここで、誘電体シート10は、厚さが3μmのアラミドフィルムが用いられ、内部導体パターン12、13は、誘電体シート10に銅薄膜を1μmの厚さで成膜された後、エッチングにより150μmの幅をもって、300μm間隔(山側線P−P′と谷側線Q−Q′との間隔)で形成される。以上が第2の工程である。
次に、図4に示すように、誘電体シート10を、山側線P−P′と谷側線Q−Q′に沿って交互に連続的に折り畳む。その際、誘電体シート10の一方表面からみて山側線P−P′が山形状となり谷側線Q−Q′が谷形状となるように折り畳む。これにより、互いに重畳された部位からなる複数の誘電体層11を形成する。ここで、誘電体層11の層端は、誘電体シート10を交互に折り畳むことによって形成される連結部位11aで連結される。連結部位11aは複数設けられ、各連結部位11aは各誘電体層11の両層端の一方に交互に配置される。さらに、各誘電体層11の間に、絶縁性接着層16を充填することによって、各誘電体層11を互いに固着させる。以上が第3の工程である。なお、絶縁性接着層16を設けて各誘電体層11を接着する場合、絶縁性接着層16の材料は、熱硬化性エポキシ樹脂や熱硬化性エポキシ樹脂を組成として含むコンポジット材料が適当であり、100〜200℃程度の加熱で容易に各誘電体層11を接着することができる。
このようにして、図1に示す配線基板100が完成する。配線基板100の厚さは、概ね300μm弱で、配線基板100内に内装された内部導体パターン12の配線ピッチは約4μmとなる。
なお、図4に示すように、誘電体シート10を折り畳む際、引き出し電極17a、17bは、連結部位11aの連結外側に位置して配線基板100の主面20、21に露出する。
露出した引き出し電極17a、17bは接触面積が小さいので、接続対象であるリジッド基板の端子と合わせるため、さらに外部接続電極パッド18を形成する。
外部接続電極パッド18として、基板主面20,21上に、例えばメッキにより銅パターンが形成される。他にも、導電性ペーストを印刷して外部接続電極パッド18を形成するなど、従来の様々な電極形成技術を用いることができる。
(実施の形態2)
図5、及び図6は、本発明の実施の形態2におけるフレキシブル配線基板110として、実施の形態1におけるフレキシブル配線基板100に改良を施したものである。基本的構成は実施の形態1と同じであるが、接続端子部19a、19bでは各誘電体層11が互いに固着されているものの、基板全長のうち可撓性が求められる部位であるフレキシブル部25において誘電体層11の連結部位の一部が切断され、隣接する誘電体層11、11どうしが分離されていることを特徴とする。
図5、及び図6は、本発明の実施の形態2におけるフレキシブル配線基板110として、実施の形態1におけるフレキシブル配線基板100に改良を施したものである。基本的構成は実施の形態1と同じであるが、接続端子部19a、19bでは各誘電体層11が互いに固着されているものの、基板全長のうち可撓性が求められる部位であるフレキシブル部25において誘電体層11の連結部位の一部が切断され、隣接する誘電体層11、11どうしが分離されていることを特徴とする。
図5は、フレキシブル配線基板110の折り畳む前の上面図を表わしている。図3と同様に、誘電体シート10の後に折り畳む際に、誘電体シート10の一方表面からみて山となる山側線P−P′と、谷となる谷側線Q−Q′とを仮想的に設定し、内部導体パターン12(13は図示せず)を形成している。ここで、フレキシブル配線部25において、山側線P−P’に沿って、誘電体シート10にスリット26を設けて部分的に切断する。切断の際には、少なくとも接続端子部19a、19bは切断せずに残しておく必要がある。
この誘電体シート10を、実施の形態1と同様に、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とに沿って交互に連続的に折り畳み、各誘電体層11の間を固着する。固着する際に、連結部位となる山側線P−P’に沿ってスリット26が設けられた部位においては、その隣り合う誘電体層11間の固着を行なわない。
このようにして形成された、フレキシブル配線基板110を図6に示す。接続端子部19a、19bは各誘電体層11間がしっかりと固着され、リジッド基板への接続への十分な強度を有する一方で、フレキシブル部25では各誘電体層11が分離されているので、図6に示すような急な曲げに対しても、各誘電体層11に遊びがあるためより柔軟に追従することができる。なお、図5ではフレキシブル部25においても一部切断せずに残している部分がある、すなわち、スリット26を設けない部分があるが、この様にすることで、各誘電体層11がばらばらにならないように束ねておくことが可能となる。また、図5では、フレキシブル部25において、山側線P−P’に沿って、誘電体シート10にスリット26を設けて部分的に切断していたが、これに加えて、谷側線Q−Q’に沿って誘電体シート10にスリットを設けて部分的に切断してもよい。
(実施の形態3)
図7、及び図8は、本発明の実施の形態3におけるフレキシブル配線基板120の構成を示した図である。基本的構成において、特に、誘電体シート10の一方表面に帯状の内部導体パターン12を設ける点については、実施の形態1と同じである。本実施の形態においては、誘電体シート10の他方の表面上に形成された内部導体パターン13が、互いに連続的に繋がっている構成をなしている点を特徴とする。
図7、及び図8は、本発明の実施の形態3におけるフレキシブル配線基板120の構成を示した図である。基本的構成において、特に、誘電体シート10の一方表面に帯状の内部導体パターン12を設ける点については、実施の形態1と同じである。本実施の形態においては、誘電体シート10の他方の表面上に形成された内部導体パターン13が、互いに連続的に繋がっている構成をなしている点を特徴とする。
フレキシブル配線基板においても、LSIの高集積化に伴い、配線の高密度化が要求される一方、LSIの高速化に伴い、配線間のクロストークや外部ノイズの影響の低減等、品質面での向上も要求される。そのために、従来フレキシブル配線基板では、信号線と信号線との間にグランド配線を挿入する、または、コモンモードノイズ低減のために一対の信号線からなる差動信号線を用いる、などの対策を施していた。しかしながら、信号線間のグランド線で確実にクロストークを抑えることが困難であった。
本実施の形態では、従来のフレキシブル配線基板では困難であった上記課題を克服し、配線の高密度化は維持しつつ、信号配線を覆うシールド層を設けた構成を備えたフレキシブル配線基板を容易に提供するものである。
図7(a)〜(c)に示すように、本実施形態では、誘電体シート10の一方の表面上に、帯状の第1の内部導体パターン12が複数並列形成されている。一方、誘電体シート10の他方の表面上に、第2の内部導体パターン30a、30bが形成されている。
複数ある第1の内部導体パターン12のうちの一部は引き出し電極17aを有する。引き出し電極17aの構成は、実施の形態1における引き出し電極17aと同様の構造を有しており、誘電体シート10を屈曲配置してなる配線基板120の一方の主面20上に露出されている。誘電体層11の他方の表面上に形成された第2の内部導体パターン30a、30bは、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とを越えてそのパターン長手方向全体に渡って互いに連通形成されて一体化されており、第2の内部導体パターン30a、30bは、誘電体シート10の他方の表面の複数の谷側線Q−Q’に亘って要部全面を覆う形状に形成されている。これにより、実施の形態1では複数設けられていた第2の内部導体パターン13は、本実施形態では配線基板120の他方の主面21において互いに連結された状態となり、この連結された第2の内部導体パターン30a、30bの部位が配線基板120の他の主面21上に露出して引き出し電極17bとして機能する。
ここで、第1の内部導体パターン12を信号線として用い、第2の内部導体パターン30a、30bを接地線として用いることにより、配線基板120に内装された信号線をなす第1の内部導体パターン12は、実質的に第2の内部導体パターン30a、30bでシールドされた状態が達成される。シールドとして機能する内部導体パターン30a、30bは、それぞれグランド配線および電源配線として用いることができる、第2の内部導体パターン30a、30bは信号線として使用する第1の内部導体パターン12よりも幅が広く形成されているので、多くの電流が流れる電源供給配線に適している。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、誘電体シートを折り畳んで、互いに重畳された部位からなる誘電体層と、誘電体層の主面上に形成された内部導体パターンが内層された配線基板の基本構成、及び種々の変形を説明してきたが、本実施形の形態では、誘電体シートのより具体的な折り畳み方法について、図9、10を参照しながら説明をする。
実施の形態1〜3では、誘電体シートを折り畳んで、互いに重畳された部位からなる誘電体層と、誘電体層の主面上に形成された内部導体パターンが内層された配線基板の基本構成、及び種々の変形を説明してきたが、本実施形の形態では、誘電体シートのより具体的な折り畳み方法について、図9、10を参照しながら説明をする。
図9(a)〜(e)は、折り畳む前までの誘電体シートに内部導体パターンを形成する工程を示したものである。
まず、図9(a)に示すように、一定の幅を有する誘電体シート10を用意する。誘電体シート10としては、例えば、厚さが3μm、幅100mmのアラミドフィルムを用いる。
次に、図9(b)に示すように、誘電体シート10の表面上に、誘電体シート10の紙面に垂直な方向(基板の長さ方向)に沿って、仮想的な折り畳みの山側線P−P′、及び谷側線Q−Q′を設ける。ここで、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とは互い違いに設けられ、かつ、一定の等間隔を空けた状態で互いに平行に設定される。
なお、本実施形態では、折り畳みを容易にするために、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とに沿って、誘電体シート10の表面に屈曲案内溝50を形成している。この場合、山側線P−P′の屈曲案内溝50は、誘電体シート10の一方の表面に設けられ、谷側線Q−Q′の屈曲案内溝50は、誘電体シート10の他方の表面に設けられる。
その後、図9(c)に示すように、誘電体シート10の両表面に、スパッタ法を用いて銅薄膜12′、13′を1μm成膜させる。さらに、図9(d)に示すように、銅薄膜12′、13′を所定のパターン形状にエッチングすることにより内部導体パターン12、13を形成する。内部導体パターン12、13は、山側線P−P′と谷側線Q−Q′とによって囲まれるシート表面領域に形成される。
ここで、一部の内部導体パターン12、13は、隣接する山側線P−P′、又は谷側線Q−Q′に向かいさらにその線P−P′、Q−Q′を越える位置まで延出形成されており、その延出端は引き出し電極17a、17bを構成する。
最後に、図9(e)に示すように、誘電体シート10上に、半硬化性絶縁シート16′を形成した後、内部導体パターン12、13の上方領域の半硬化性絶縁シート16′だけを選択的に残存させた状態で半硬化性絶縁シート16′を除去する。その結果、内部導体パターン12、13は半硬化性絶縁シート16′で覆われ、引き出し電極17a、17bは、半硬化性絶縁シート16′から露出した構造となる。なお、ここで、半硬化性絶縁シート16′は、無機フィラとエポキシ樹脂からなるコンポジット樹脂を用いる。
次に、図10(a)〜(c)を参照しながら、内部導体パターン形成済の誘電体シート10を折り畳む方法について説明する。なお、図10(a)〜(c)においては、誘電体シート10のみを表示し、内部導体パターン12、13、及び半硬化性絶縁シート16′は、省略している。
まず、図10(a)に示すように、誘電体シート10の端から順次、山側線P−P′、谷側線Q−Q′(図示省略)に沿って、下面が細くなった板状の治具60をあてがいながら誘電体シート10を折り畳んでいく。誘電体シート10を全部折り畳んだ後、図10(b)に示すように、折り畳まれた誘電体シート10の両側から、半硬化性絶縁シート16'(図示せず)が互いに接触するまで押圧する。そして、最後に、押圧した状態のまま、200℃の温度で、約60分過熱した後、室温まで冷却すると、半硬化性絶縁シート16′が互いに固着することにより、配線基板100が完成される。
ところで、フレキシブルな配線基板を折り畳む技術に関しては、特開平11ー330639号、特開2002ー319750号、米国特許6121676等の文献に開示されているが、どの文献にも、本願発明で特徴となる基板平面方向に沿って狭ピッチで配置された配線パターン(内部導体パターン)を内装してなる高密度配線基板を開示するものでも、また、示唆するものでもない。
なお、特開平11ー330639号には、フィルム状の配線シートを連続的に折り畳んで直方体形状にする技術が開示されているが、当該先行技術は、配線シートの表面に実装された電子部品をできるだけコンパクトに収納する実装基板を実現することを目的とするもので、配線パターンの構成に関しては何ら記載しておらず、また、本願発明における上記配線パターンの構成を示唆する記載もない。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、内部導体パターン12、13は、誘電体シート10の山側線P−P′と谷側線Q−Q′との間に帯状に1本形成した場合を説明したが、2本以上の内部導体パターンを形成することにより、配線抵抗を増加させない設計範囲内において、より高密度な配線基板を得ることができる。また、誘電体シート10を所定の間隔で連続に折り畳む例を説明したが、例えば、信号線の特性パラメータを合わす等の目的で、折り畳む間隔を変えても構わない。
また、内部導体パターン12、13を誘電体シート10の両面に設けた例を示しているが、製造コスト等の制約を勘案して内部導体パターンを片面だけに形成しても良い。片面となることで配線数が減るという制約はあるが、同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、高密度で配置自由度の高いフレキシブル配線基板を提供することができる。
10 誘電体シート
11 誘電体層
11a 連結部位
12、13 内部導体パターン
16 絶縁性接着層
17a、17b 引き出し電極
18 外部接続電極パッド
100、110、120 フレキシブル配線基板
11 誘電体層
11a 連結部位
12、13 内部導体パターン
16 絶縁性接着層
17a、17b 引き出し電極
18 外部接続電極パッド
100、110、120 フレキシブル配線基板
Claims (16)
- 並列に配置された複数の配線を有するフレキシブル配線基板であって、
基板両主面の対向方向に沿って配置され、基板幅方向に複数積層された誘電体層と、
前記複数の配線として前記複数の誘電体層の表面に設けられた内部導体パターンと、
を備え、
隣接する前記誘電体層どうしは、基板の両主面のいずれか一方においてその層端が互いに連通一体に連結成形され、
隣接する前記誘電体層の連結部位それぞれは、基板両主面のいずれか一方に互い違いに設けられることでこれら複数の誘電体層は屈曲配置された一枚の誘電体シート形状をなし、
前記内部導体パターンの一部は、当該内部導体パターンが形成された前記誘電体層の連結部位を越えて当該誘電体層に隣接する誘電体層まで延出することで配線基板の主面に露出して、当該内部導体パターンの露出部位が、基板主面で外部接続端子を構成する、
ことを特徴とするフレキシブル配線基板。 - 前記内部導体パターンは、前記誘電体層の基板両主面の連結部位間に挟まれた基板内部に帯状に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも前記外部接続端子が設けられた基板長さ方向部位では、隣接する前記誘電体層どうしは固着され、基板幅方向に一体となっている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも可撓性が求められる基板長さ方向部位では、前記連結部位のうち少なくとも一方の基板主面側の連結部位が切断されることで隣接する前記誘電体層が分離されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記誘電体シートの両面に前記内部導体パターンが設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記誘電体シートの一方面の前記内部導体パターンは、他方面の前記内部導体パターンによってシールドされる、
ことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記誘電体シート両面の前記内部導体パターンの一部は、当該内部導体パターンが形成された前記誘電体層の連結部位を越えて当該誘電体層に隣接する誘電体層まで延出することで配線基板の両主面に露出しており、当該両内部導体パターンの露出部位それぞれが配線基板の両主面において前記外部接続端子を構成する、
ことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル配線基板。 - 隣接する前記外部接続端子を、前記基板幅方向および前記基板両面の対向方向に直交する基板長さ方向に沿って互いにずらせて配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記外部接続端子に接続する外部接続電極パッドを有し、当該外部接続電極パッドを前記基板主面に設ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記外部接続電極パッドの基板幅方向寸法は、前記外部接続端子の基板幅方向寸法より大きい、
ことを特徴とする請求項9に記載のフレキシブル配線基板。 - 所定の長さと幅とを有する誘電体シートを用意し、当該誘電体シートにその一方表面からみて山谷となることを示す山側線および谷側線を、交互にかつ誘電体シートの長さ方向に平行にかつ一定間隔を空けて仮想的に設定する第1の工程と、
前記誘電体シートの少なくとも一つの表面に、隣接する前記山側線と前記谷側線との間に位置しかつ前記山側線/谷側線と平行な帯状の内部導体パターンを形成する第2の工程と、
前記誘電体シートを前記山側線/谷側線に沿って、前記一方表面からみて前記山側線が山形状となり前記谷側線が谷形状となるように交互に折り畳むことで、前記山形状の露出面を一主面とするフレキシブル配線基板を形成する第3の工程と、
を含み、
前記第2の工程では、前記内部導体パターンの一部が前記誘電体シートの山側線/谷側線を超えて外側に延出するように前記内部導体パターンを形成し、当該内部導体パターンの延出部を、前記第3の工程後に配線基板主面に露出させて外部接続端子とする、
ことを特徴とするフレキシブル配線基板の製造方法。 - 前記第3の工程では、前記誘電体シートを交互に折り畳む際に、当該フレキシブル配線基板の全ての基板長さ方向部位のうち、少なくとも前記外部接続端子が設けられる基板長さ方向部位において、隣接する前記誘電体シートどうしを固着させて基板幅方向に一体化する、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル配線基板の製造方法。 - 前記第3の工程ののち、全ての基板長さ方向部位のうち、当該フレキシブル配線基板の少なくとも可撓性が求められる基板長さ方向部位において前記誘電体シートを前記山側線または前記谷側線に沿って一部切断する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル配線基板の製造方法。 - 前記第2の工程では、隣接する前記内部導体パターンの延出部を前記山側線/谷側線に沿って互いにずらせて配置する、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル配線基板の製造方法。 - 前記外部接続端子に接続する外部接続電極パッドを基板主面に形成する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル配線基板の製造方法。 - 前記外部接続端子に接続する外部接続電極パッドを基板主面に形成する工程では、前記外部接続電極パッドを前記外部接続端子よりも基板幅方向に広く形成する、
ことを特徴とする請求項15に記載のフレキシブル配線基板の製造方法。
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