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JP2007157566A - 反射板、それを用いたサイドライト型バックライト装置、及び液晶表示装置 - Google Patents

反射板、それを用いたサイドライト型バックライト装置、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来に比べて輝度ムラの発生を抑制し低コストなサイドライト型バックライト装置用導光板下反射板を提供する。
【解決手段】
本発明の反射板は、液晶ディスプレイのサイドライト型バックライト装置の導光板の光出射面とは反対側の面に設置して使用される反射板であって、反射層と厚さ125μm以上の透明高分子フィルムを有し、該透明高分子フィルムが導光板側に向けて用いられることを特徴とする反射板である。
【選択図】図4

Description

本発明は、銀等の金属層をプラスチックフィルム基材上に積層して構成する光反射板であり、液晶ディスプレイのサイドライト型バックライト装置の導光板の光出射面とは反対側の面に使用される反射板である。またそれを利用した液晶表示装置などに適用されるサイドライト型のバックライト装置及び液晶表示装置に関する。
現在広く使用されている液晶ディスプレイは、光源にバックライトを用いる透過型液晶ディスプレイである。バックライトの方式は近年の液晶ディスプレイのさらなる軽量化、薄型化や、輝度の均一性、光源からの熱が液晶パネルに伝達しにくい等の理由から、光源の前方に反射板を置く直下型ではなく、導光板を用い、その一端に配置された光源からの光を多重反射させることで面光源化するサイドライト式バックライトが多く用いられている。(特許文献1)
このようなバックライト装置の場合、導光板の下すなわち光出射面とは逆側には反射板が置かれ、導光板から漏れた光を再び導光板へ戻すことにより輝度を高める手法が取られている。この導光板下の反射板には、白色PETフィルム等からなる乱反射部材が配置されている場合が多く、この乱反射部材で光を拡散させることにより均一な輝度を得ることができる。しかしながらこれらの乱反射部材では、正反射成分が殆どないため全体としては均一であるが、十分な輝度は得られない。また透明PETフィルムにアルミニウムなどの金属を積層した反射シートでは、白色PETに比べ輝度は上がるものの、拡散反射成分が無いためシートの僅かな歪みが輝度ムラに大きく影響してしまい、均一な輝度を得ることができない
この輝度ムラを改善するための手法として、反射フィルムにエンボス加工を施し凹凸を形成する方法(特許文献2)、フィルム上に拡散層と反射層を同じ側に設ける方法(特許文献3、4)、フィルムの片面に粒子入りの樹脂を塗布して拡散層とし、反対側に金属を蒸着する方法(特許文献5)などが報告されている。
特開2004−6187号公報 特開2001−266629号公報 特開2004−9591号公報 特開2004−12921号公報 特開2004−252383号公報
しかし、特許文献2のようなエンボス加工で十分な凹部を設けるには、エンボス加工に適したフィルム基材を選ぶ必要があるがそれが必ずしも反射板の基材として適しているとは言えず、輝度ムラが解決したとしても輝度そのものが不十分な事態が生じる恐れがあることから好ましいとは言えない。また微粒子を塗布して拡散層や凹凸層を形成する特許文献3〜5のような方法は、微粒子を均一にバインダー樹脂に分散させ、塗工する必要があり、必ずしも容易とは言えない。また、特許文献3および4には微粒子を塗布する方法以外に印刷により突起物を形成する方法について言及があるが、その具体的な印刷内容について全く言及がなく、具体性に欠ける。
本発明は、前記のエンボス加工、微粒子塗布、印刷加工といった既存技術よりも簡便かつ低コストな方法で作製することのできる、高輝度で耐久性に優れ、さらに上記のような輝度ムラを解決する反射板および該反射体を組み込んだサイドライト型バックライト装置および液晶表示装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の反射板は、以下の構成とするものである。すなわち本発明の反射板は、液晶ディスプレイのサイドライト型バックライト装置の導光板の光出射面とは反対側の面に設置して使用される反射板であって、反射層と厚さ125μm以上の透明高分子フィルムを有し、該透明高分子フィルムが導光板側に向けて用いられることを特徴とする反射板である。
また、本発明のサイドライト型バックライト装置は、側面に設置された光源から入射される光を上面に出射する導光板の下面に、本発明の反射板を配設したことを特徴とするサイドライト型バックライト装置である。
また、本発明の液晶表示装置は、上記サイドライト型バックライト装置を備えたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、生産性が良く高輝度で輝度ムラのない導光板下に設置する反射板を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射板を図1に示す。本発明の反射板10は、液晶ディスプレイのサイドライト型バックライト装置の導光板の光出射面とは反対側の面に設置して使用される反射板であって、反射層と厚さ100μm以上の透明高分子フィルムを有し、該透明高分子フィルムを導光板側に向けて用いられるものである。かかる構成とすることで、サイドライト型バックライト装置に適用した場合に、導光板と主要な反射面との間に厚み125μm以上の透明高分子フィルムが存在することとなる。その結果、後述するように輝度ムラを効果的に改善することが可能となる。
ここで主要な反射面とは、透明高分子フィルム側から到達した光が最も反射される面のことである。図1の場合、透明高分子フィルムの表面4や、反射層2を通過した光が外部へ抜ける直前の裏面5でも反射は発生するが、主な光は透明高分子フィルム1と反射層2との界面で反射するように反射層が形成されているため、主要な反射面3は透明高分子フィルム1と反射層2との界面となる。
本発明の反射板のさらに具体的な一例の断面図を図2に示す。すなわち透明高分子フィルム1と、反射層としての反射フィルム12を接着層13を介して貼り合わせた構成である。この場合、反射フィルムと接着層の界面が主要な反射面3となる。
本発明の反射板の具体的な別の一例の断面図を図6に示す。すなわち透明高分子フィルム1と、その上に形成された反射層としての金属薄膜層15と、必要に応じて設けられた保護樹脂層17からなる。この場合、主要な反射面3は、金属薄膜層と透明高分子フィルムの界面となる。
本発明の反射板に使用される透明高分子フィルム1としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類の他、ポリカーボネート類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルロース誘導体類、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、などの各種プラスチックからなるフィルムがあげられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、ある程度の常用耐熱温度が高いものであれば使用可能である。ただし、光が図1の上側から入射し、反射フィルム2で反射した後再度上側へ出射していくことから、透明性をもつフィルムであることが必要であり、少なくとも85%、好ましくは88%以上の全光線透過率を持つことが必要である。これを下回る透過率では、反射板として反射率が低くなりすぎて好ましくない。また、ヘイズは10%以下であることが、正反射成分が高く光の利用率が上がるため、輝度が高くなることから好ましい。
透明高分子フィルム1のフィルムの厚みは、先に発明が解決しようとする課題で述べた輝度ムラを解決するため、100μm以上であることが必要である。100μmよりも薄いと、輝度ムラが改善できない上、反射板全体として厚みが不足する場合があり、裏面側にさらに厚みを増やして補強するフィルム等を貼り付ける必要が生じ、構造が複雑になるので好ましくない。好ましくは125μm以上であり、より好ましくは、175μm以上である。フィルム厚さの上限は、特に制限はないが、液晶ディスプレイのバックライト装置は薄型が要求されることが一般的なことから、あまり厚くすることは好ましくなく、この点から考慮すると300μm以下が好ましい。厚み100μm以上のフィルムを設けることで輝度ムラが改善できるメカニズムは明確ではないが、主要な反射面と導光板表面との距離を従来の10μm以下と比較して大きく取ることで、裏面からの圧力によって反射板が変形した際の干渉を緩和できるものと推定している。
本発明の透明高分子フィルム1の表面は両面とも、特に拡散層や凹凸層のようなものを設ける必要はない。すなわち、平滑なままでよく、エンボス加工や、印刷加工や、粒子コーティングなどの加工を行う必要はない。表面を平滑にすることで、反射板による反射光も拡散反射の割合が低くなり、結果として正反射成分が高く光の利用率が上がるため、輝度が高くなることから好ましい。拡散反射の割合は10%以下であることが好ましい。
図2における反射フィルム12としては、反射率が高いことが必要であり、450nm〜800nmでの反射率が90%以上あることが好ましい。該反射率が90%以上であると、反射板としての輝度が高くなるので好ましい。発泡白色フィルムや、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色添加物を添加して白色に着色させたフィルムや、金属薄膜を蒸着やスパッタ、めっきなどの薄膜作成法にて形成したフィルムや、アルミニウムや銀などの金属箔などといった、公知の反射フィルムを使用することができるが、正反射成分が高いほど輝度が高く取れることが多いことから、本発明ではフィルム基板14上に金属薄膜層15を形成した反射フィルムであることが好ましい。この場合、図3に示すように、フィルム基板14と金属薄膜層15の位置関係は、透明高分子フィルム1側(すなわち図の上側)に金属薄膜層15が位置する場合(a)でも、フィルム基板14が位置する場合(b)でもどちらでも問題なく、結果として反射率が高くなるように設計すればよい。この場合、主要な反射面3は、(a)の場合は金属薄膜層の透明高分子フィルム側表面となり、(b)の場合は金属薄膜層とフィルム基板の界面となる。(a)のように配置する場合は、フィルム基板14の透明性は問題とならないが、(b)のように配置する場合はフィルム基板14は透明高分子フィルム1と同様に透明性が高い方が好ましい。また(b)のように配置すると、反射フィルム12のさらに裏側(透明高分子フィルム1に面しない側)に金属薄膜層15が露出すると耐久性を損なうことから、金属薄膜層の上にさらにフィルムまたは樹脂板、を貼り付けるか、樹脂をコーティングすることによる保護樹脂層を設ける必要が生じる。以上を鑑みると、(a)のように配置する方が好ましい。(a)の構成で保護樹脂層を設けた構成を一例としてあげると、本発明の反射板は図4のようになる。この場合、保護樹脂層17はもちろん透明である必要がある。
フィルム基板14としては、透明高分子フィルム1と同様の高分子フィルムを用いることができる。前述したように図3(a)(b)の配置の仕方で透明性への要求は異なるが、それ以外には特に制限はない。フィルム基板14の厚さとしては、特に限定されるものではないが、通常は4〜250μm、好ましくは、10〜150μmである。より薄い方が1ロールあたりの製品長さを長くできるうえ、後述する金属薄膜層15を形成する方法として加熱式真空蒸着法を選択することができることから、製造コストを下げることができるため、製造中のシワなどが入らない範囲でなるべく薄い方が好ましく、10〜50μmが最も好ましい。
金属薄膜層15は、前記フィルム基板14上に公知の薄膜形成法により形成される。金属薄膜層15は反射率が高い薄膜層であれば特に制限はないが、一般には反射率を高くできる銀を主体とする金属薄膜層が好ましい。ここで、「銀を主体とする金属薄膜層」とは、該層中の銀元素の含有量が90質量%以上である層をいう。銀を主体とする金属薄膜層については反射率の点から銀単体であることが好ましいが、その性能に害を及ぼさない程度の銀を主体とする合金でも差し支えない。合金である場合に含有する他元素としては、金、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ネオジム、アンチモン、錫、亜鉛、ニオブ、ハフニウムなどがあげられる。含有する他元素の割合は、0.01%〜10質量%未満が好ましい。
銀を主体とする金属層の厚みは、70〜400nmが好ましく、より好ましくは100〜250nmである。厚みが70nmより厚いと十分な金属層が形成できるため、十分な反射率を得ることができる。また400nmより厚くしても反射率の向上には寄与しなくなるので、金属層の厚みは400nmまでで十分である。
銀を主体とする金属層の形成方法としては、めっき法ともいわれる湿式法と、真空成膜法ともいわれる乾式法があるが、本発明には乾式法が好ましい。乾式法すなわち真空成膜法には、例えば抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタ法などがある。図3,4のようにフィルム基板14(前述したように薄い方が好ましい)に金属薄膜層15を形成する場合、金属薄膜を形成する最も低コストで作成できることから抵抗加熱式または電子ビーム加熱式真空蒸着法が本発明においては好ましい。一方、図6のように125μm以上の厚い透明高分子フィルム1上に金属薄膜を形成する場合、成膜時の熱が問題となることが多く真空蒸着法は一般的には用いられないことから、スパッタ法で形成することが好ましい。
図3の場合のフィルム基板14と金属薄膜層15との間、および図6の場合の透明高分子フィルム1と金属薄膜層15との間には、特に別の層を設けないことがコストの点から好ましいが、各フィルムと金属薄膜層15の間の密着力をより重視する場合や、金属薄膜層15の耐久性をより重視する場合には、アンカーコート層(図示せず)を設けても良い。
アンカーコート層としては、各フィルムと金属薄膜層15との間の密着力が向上すれば特に制限はないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのいずれからなる塗料、例えば、アミノ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート、ニトロセルロース、セルロースアセテート、アルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独、又はこれらの混合物からなる樹脂が用いられる。又、上記樹脂は、有機重合体、共重合体を主成分とし可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含むものであってもよい。また、アンカーコート層として銀とは異なる金属層や金属酸化物層を用いることもできる。具体的には、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、セリウム、ネオジム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウムなどの金属単体、もしくは2種以上からなる合金、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム等の酸化物、これら酸化物の混合物や硫化亜鉛等の金属化合物が挙げられる。ただし、図3(b)や図6の構成の場合は、いずれのアンカーコート層を設ける場合も、透明性のある材料を用い、反射板の反射率に及ぼす影響を極力小さくする必要がある。一方で、図3(a)の構成の場合には透明性は要求されず、むしろ金属薄膜層の隠蔽性が不足する場合には白色のアンカーコート層を用いて隠蔽性を向上させることもできる。
前記アンカーコート層の形成方法は、アンカーコート層の材質によって異なるが、樹脂の場合は、前記アンカー樹脂を溶剤にて希釈した塗料を前記基材の片面にグラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの通常のコーティング法により塗布、乾燥(硬化性樹脂の場合には硬化)して形成される。樹脂によるアンカーコート層の厚さは、特に制限はないが通常0.01〜3μm程度の範囲から適宜選択される。厚さが0.01μm以上であると、前記基材の表面を均一に被覆することができ、又、耐久性及び密着力向上を付与するといった効果も充分に発揮できるので好ましい。3μm以下であると、アンカーコート層の乾燥時間が短くて済むので効率的にアンカーコート層を形成できるので経済的にも好ましい。
一方、アンカーコート層として銀とは異なる金属層や金属酸化物層を用いる場合は、種々の真空成膜法を用いることができる。具体的には、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。金属又は金属酸化物によるアンカーコート層の厚さは、特に制限はないがその厚みは金属の場合5〜50nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmである。5nm以上であると、各フィルムと金属薄膜層15との密着力や金属薄膜層15の耐久性を向上させる効果が高くなるので好ましい。一方、50nmを超えても密着力や耐久性の向上効果に変化がなく、逆に反射板としての反射率を低下させる場合があるので、厚みは50nm以下が好ましい。一方、金属酸化物によるアンカーコートの場合は、1〜20nmが好ましく、より好ましくは5〜10nmである。1nm以上であると、各フィルムと金属薄膜層15との密着力や金属薄膜層15の耐久性を向上させる効果が高くなるので好ましい。一方、20nmを超えても密着力や耐久性の向上効果に変化がなく、逆に反射板としての反射率を低下させる恐れがあるので、厚みは20nm以下が好ましい。
本発明の反射板では、必要に応じて金属薄膜層15のさらに上に保護樹脂層17を設けても良い。本発明の反射板における保護樹脂層としては、耐久性がある樹脂であれば特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのいずれからなる塗料も用いられる。例えばポリエステル系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、アミノ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート、ニトルセルロース、セルロースアセテート、アルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独、又はこれらの混合物からなる樹脂塗料が用いられる。
前記保護樹脂層は、前記保護樹脂層用樹脂を溶剤にて希釈した塗料を、金属薄膜層15の全面にグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの通常のコーティング法により塗布、乾燥(硬化性樹脂の場合に硬化)して形成される。保護樹脂層の厚さは、特に制限はないが通常0.5〜5μm程度の範囲から適宜選択される。厚さが0.5μm以上であると、前記基材及び金属薄膜層の表面を均一に被覆することができ、保護樹脂層を形成した効果が充分に発揮できるので好ましい。厚さが5μm以下であると、保護樹脂層の乾燥時間が短くて済むので能率的である。なお、アンカーコート層と同様に、透明性については、図3(a)構成の場合は、透明性のある材料を用い、反射フィルムの反射率に及ぼす影響を極力小さくする必要がある。一方で、図3(b)の構成の場合には透明性は要求されず、むしろ金属薄膜層の隠蔽性が不足する場合には白色の保護樹脂層を用いて隠蔽性を向上させることもできる。
図2に例示した本発明においては、透明高分子フィルム1と反射フィルム12を接着層13を介して貼り合わせることが好ましい。接着層13を形成する接着剤については、ある程度の接着力があればよいので限定は無いが、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。また透明高分子フィルム側、反射フィルム側のいずれにコートして貼り合わせてもかまわない。接着剤層の厚さは通常1〜50μm程度の範囲から選ばれる。厚さが1μm以上であると充分な接着効果が得られるので好ましい。50μm以下であると、接着剤の乾燥時間が短くて済むので能率的であり、接着剤層が厚すぎる場合に生じる本来の接着力が得られなかったり、溶剤が残留するなどの弊害が生じないので好ましい。また、接着層13は、光の経路上に位置するため、反射板の反射率に影響を与えないよう、薄く、透明性の高いものが好ましい。
本発明の反射板は、冷陰極管24などの光源から導光板21へ出射された光のうち導光板21の下面から漏れた光を再度導光板21へ戻すために用いられる。この光には紫外線が含まれており、長期間の使用で反射フィルム12や透明高分子フィルム1を劣化させることがある。特に反射フィルム12として銀薄膜層をもつフィルムにした場合、銀が劣化して反射率が低下するおそれが生じる。そこで、紫外線に対する耐久性を向上させるために、紫外線吸収剤を本発明の反射板の中に含ませることが好ましい。紫外線吸収剤を含ませる部位としては、接着層13への配合、透明高分子フィルム1の導光板側の表面へのコーティング、透明高分子フィルム1内への練り込みが好ましい。紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;フェニルサルシレート、p−t−ブチルフェニルサルシレート等のヒンダートアミン系紫外線吸収剤が挙げられるが、特に制限はない。接着層13への配合の場合は接着剤樹脂100重量部に対して1〜50重量部、透明高分子フィルム1表面へのコーティングの場合は乾燥後の重量で0.1〜5g/m程度、透明高分子フィルム内への練り込みの場合は基材樹脂に対して1〜20重量%程度の配合が一般的であるが、特に制限はない。
本発明の反射板は、表面へのゴミの付着を防止するため、またバックライト装置を組み立てる際に導光板へのはりつきを防止するために、前記透明高分子フィルム1の導光板側の表面に、帯電防止処理がなされていることが好ましい。この帯電防止処理は透明高分子フィルム自体に帯電防止フィルムを用いてもよいし、帯電防止剤のコーティングを行っても良い。帯電防止剤には、イオン伝導型帯電防止剤、電子伝導型帯電防止剤などがあるが、特に制限はない。表面にコーティングする場合は前記紫外線吸収剤と同時に調合して同時にコーティングしてもかまわない。帯電防止処理を表面コーティングで設けた場合、例えば図5のようになる。
本発明の反射板は、バックライト装置に組み込むまでの間にキズがついたりゴミが付着したりするのを防ぐために、透明高分子フィルム1の導光板に面する側に保護フィルムを貼り合わせることも好ましい。保護フィルムはバックライト装置に組み込む直前に剥離される。剥離した後に透明高分子フィルム1の剥離面に粘着剤等が残らないことが好ましい。
本発明のバックライト装置では、上記のように作製した反射板を導光板の下面に透明高分子フィルム1側を上面として設置することを特徴とする。光源装置としてはサイドライト型として一般的に用いられるものでなんら問題は無い。その一例を図7に示す。もちろん、冷陰極管ではなく、LEDを用いるものであってもかまわない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。先ず各実施例・比較例の評価方法について説明する。
(1)反射率の測定
反射率の測定は、(株)島津製作所製のUV−VIS−NIR 分光光度計 UV−3150を用いて行った。測定波長範囲300〜800nm、1nm刻みで各波長の反射率を測定した。入射角は垂直から8度である。各サンプル(反射板)について、導光板に面する側より光を入射した。各実施例・比較例についてサンプルは1つとし、各サンプルを1回測定した値を用いた。
(2)輝度ムラの評価
輝度ムラの評価は、市販されているノートブック型パーソナルコンピューターを分解し、液晶ディスプレイ部からバックライト装置のみを取り出したのち、反射板、導光板、各種光学フィルムを組み込んだ状態でバックライトを点灯させた状態で輝度ムラが発生しているかどうかを目視で評価した。なお、評価は2人で行い、いずれか一方の人が輝度ムラありと判断した場合には、輝度ムラが発生しているとした。
(3)フィルムの厚さの評価
フィルムの厚さは、ダイヤルゲージを用いて約1cmの間隔を置いて4点測定し、平均値の1μm未満を四捨五入して算出した。各実施例・比較例についてサンプルは1つとした。なお、反射板の状態に加工されたサンプルから、各フィルムの厚みを測定する場合は、サンプルの接着剤を溶剤で溶かし、各フィルムを1枚ずつに剥離分離してから同様に測定を行う。
(実施例1、2、3および比較例1、2)
12μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に抵抗加熱式真空蒸着法で銀を150nm蒸着して金属薄膜層とした。次に、グラビアコーターで金属薄膜層上の全面にポリエステル系樹脂塗料を塗布乾燥して厚さ1.5μmの保護樹脂層を形成し、反射フィルムを得た。この反射フィルムの保護樹脂層側から測定した反射率は、波長450nmで〜800nmで95%以上であった。次にこの反射フィルムの保護樹脂層の上にポリエステル系ドライラミネート剤(大日本インキ化学工業株式会社製;LX−903)を乾燥後の重量で3g/m塗布乾燥し、全光線透過率89%の透明高分子フィルム(東レ(株)製ルミラー(登録商標)T60;ヘイズ1.1〜2.3)を貼り合わせて反射板を得た。貼り合わせた透明高分子フィルムの厚みは、50(比較例1)、75(比較例2),100(実施例1),125(実施例2),188(実施例3)μmである。
得られた反射板の透明高分子フィルム側から分光光度計にて反射率を測定したところ、実施例1〜3,比較例1,2にいずれのサンプルについても、波長450nm〜500nmではどの波長でも90%以上、波長500nm〜800nmではどの波長でも95%以上の反射率が得られた。
また、この反射板を導光板の下面に透明高分子フィルム側が導光板に面するようにセットし、サイドライト型バックライト装置を得た。この状態で冷陰極管を点灯し、反射板裏面より押すなどして輝度ムラについて観察した。実施例2,3のものは輝度ムラは発生しなかったが、比較例1,2のものは、輝度ムラが発生し、バックライト装置に用いる反射板として不適切であった。実施例1のものは薄い輝度ムラ(実施例2よりも強く、比較例2よりも弱い輝度ムラ)が発生していた。
(実施例4)
実施例3で用いたものと同じ反射フィルムの保護樹脂層の上に、ポリエステル系ドライラミネート剤(大日本インキ化学工業株式会社製;LX−903)と紫外線吸収剤(大日本インキ化学工業株式会社製;UV添加剤SP)を混合した塗剤を、ドライラミネート剤が乾燥後3g/m、紫外線吸収剤が乾燥後0.26g/mになるように塗布乾燥した。次に実施例2で用いたものと同じ透明高分子フィルムの表面にコロナ処理した後、帯電防止コート剤(大日本インキ化学工業(株)製SF帯電防止コート剤M)を乾燥後1g/mになるように塗布乾燥した。この反射フィルムの塗剤を塗った面と、透明高分子フィルムの帯電防止コート剤を塗布した側と反対側の面とを貼り合わせて反射板を得た。
得られた反射板の透明高分子フィルム側から分光光度計にて反射率を測定したところ、波長450nm〜500nmではどの波長でも90%以上、波長500nm〜800nmではどの波長でも95%以上の反射率が得られた。
また、この反射板を導光板の下面に透明高分子フィルム側が導光板に面するようにセットし、サイドライト型バックライト装置を得た。この状態で冷陰極管を点灯し、輝度ムラについて観察した。実施例2と同様に輝度ムラの発生は見られなかった。
(実施例5)
厚さ188μm、全光線透過率89%の透明高分子フィルム(東レ(株)製ルミラー(登録商標)T60)の片面に、直流マグネトロンスパッタ法で銀を150nm成膜して金属薄膜層とした。次に、グラビアコーターで金属薄膜層上の全面にポリエステル系樹脂塗料を塗布乾燥して厚さ1.5μmの保護樹脂層を形成し、反射板を得た。得られた反射板の透明高分子フィルム側から分光光度計にて反射率を測定したところ、波長450nm〜500nmではどの波長でも90%以上、波長500nm〜800nmではどの波長でも95%以上の反射率が得られた。この反射板を導光板の下面に透明高分子フィルム側が導光板に面するようにセットし、サイドライト型バックライト装置を得た。この状態で冷陰極管を点灯し、輝度ムラについて観察した。輝度ムラの発生は見られなかった。
本発明は優れた反射特性と高くてムラのない輝度、低い製造コストを必要とする光学製品、特に液晶表示装置に好適に利用され得る。
本発明の反射板の概略断面図である。 本発明の反射板の一例を示す概略断面図である。 本発明の反射板の反射フィルムの例を示す概略断面図である。 本発明の反射板の一例を示す概略断面図である。 本発明の反射板の一例を示す概略断面図である。 本発明の反射板の一例を示す概略断面図である。 本発明のバックライト装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 透明高分子フィルム
2 反射層
3 主要な反射面
10 反射板
12 反射フィルム
13 接着層
14 フィルム基板
15 金属薄膜層
16 帯電防止層
17 保護樹脂層
20 サイドライト型バックライト装置
21 導光板
22 導光板の光出射面
23 ランプリフレクタ
24 冷陰極管

Claims (11)

  1. 液晶ディスプレイのサイドライト型バックライト装置の導光板の光出射面とは反対側の面に設置して使用される反射板であって、反射層と厚さ100μm以上の透明高分子フィルムを有し、該透明高分子フィルムが導光板側に向けて用いられる反射板。
  2. 前記反射層が金属薄膜層である請求項1に記載の反射板。
  3. 前記反射層が反射フィルムである請求項1記載の反射板。
  4. 前記反射フィルムが、フィルム基板の片面に金属薄膜層を積層した反射フィルムである請求項3に記載の反射板。
  5. 前記反射フィルムと前記透明高分子フィルムとが、接着層を介して貼り合わせられた請求項3または4に記載の反射板。
  6. 前記接着層に紫外線吸収剤が含有されている請求項5に記載の反射板。
  7. 前記透明高分子フィルムの導光板に面する側の表面に紫外線吸収剤がコーティングされた請求項1〜6のいずれかに記載の反射板。
  8. 前記透明高分子フィルムの内部に紫外線吸収剤が含有されている請求項1〜6のいずれかに記載の反射板
  9. 前記透明高分子フィルムの導光板に面する側の表面に、帯電防止処理がなされている請求項1〜8のいずれかに記載の反射板。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の反射板を、側面に設置された光源から入射される光を上面に出射する導光板の下面に配設したサイドライト型バックライト装置。
  11. 請求項10に記載のサイドライト型バックライト装置を備えた液晶表示装置。
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