以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態に係る光ディスク装置は、図1及び図2に示すような構成を有している。ここで、光ディスク11としては、ユーザデータを記録(または書き替え)可能な光ディスク、あるいは読み出し専用の光ディスクが対象となるが、この実施の形態では記録(または書き替え)可能な次世代DVDを含む光ディスクとして説明を行なう。
記録または書き替え可能な光ディスク11としては、例えば、波長405nm前後の青色系レーザ光を用いた次世代DVD−RAM(random access memory)、DVD−RW(rewritable)、DVD−R(recordable)等や、あるいは波長650nm前後の赤色系レーザ光を用いた現世代DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R等がある。
光ディスク11の表面には、スパイラル状にランドトラック及びグルーブトラックが形成されている。この光ディスク11は、スピンドルモータ12によって回転駆動される。このスピンドルモータ12は、モータ制御回路13によってその回転速度が制御されている。
光ディスク11に対する情報の記録、再生は、ピックアップ14によって行なわれる。ピックアップ14は、スレッドモータ15とギアを介して連結されている。このスレッドモータ15は、データバス16に接続されるスレッドモータドライバ17により制御される。スレッドモータ15の固定部には、図示しない永久磁石が設けられており、図示しない駆動コイルが励磁されることにより、ピックアップ14が光ディスク11の半径方向に移動する。
ピックアップ14には、図2に示すように対物レンズ18が設けられている。対物レンズ18は、駆動コイル19の駆動によりフォーカシング方向(レンズの光軸方向)への移動が可能で、また、駆動コイル20の駆動によりトラッキング方向(レンズの光軸と直交する方向)への移動が可能であって、レーザ光のビームスポットを移動することで、トラックジャンプを行なうことができる。
変調回路21は、情報記録時にホスト装置22からインタフェース回路23を介して供給されるユーザデータを、例えば8−14変調(EFM:eight to fourteen modulation)して、EFMデータを生成する。レーザ制御回路24は、情報記録時(マーク形成時)に、変調回路21から供給されたEFMデータに基づいて、書き込み用信号を半導体レーザダイオード25に提供する。
また、レーザ制御回路24は、情報読み取り時には書き込み信号より小さい読み取り用信号を半導体レーザダイオード25に提供する。
半導体レーザダイオード25は、レーザ制御回路24から供給される書き込み用信号に応じてレーザ光を発生する。半導体レーザダイオード25から発せられるレーザ光は、コリメータレンズ26、ハーフプリズム27、光学系28、対物レンズ18を介して光ディスク11上に照射される。光ディスク11からの反射光は、対物レンズ18、光学系28、ハーフプリズム27、集光レンズ29を介して、光検出器30に導かれる。
光検出器30は4分割の光検出セルからなり、信号A,B,C,DをRF(radio frequency)アンプ31に供給する。RFアンプ31は、例えばプッシュプル方式を採用して(A+D)−(B+C)に対応するトラッキングエラー信号TEをトラッキング制御部32に供給し、例えば非点収差法を採用して(A+C)−(B+D)に対応するフォーカスエラー信号FEをフォーカシング制御部33に供給する。
さらに、RFアンプ31は、例えば前記の(A+D)−(B+C)に対応するウォブル信号WBをウォブルPLL部/アドレス検出部34に供給し、(A+D)+(B+C)に対応するRF信号をデータ再生部35に供給する。
一方、フォーカシング制御部33の出力信号は、フォーカシング方向の駆動コイル19に供給される。これにより、レーザ光が光ディスク11の記録膜上に常時ジャストフォーカスとなる制御がなされる。また、トラッキング制御部32は、トラッキングエラー信号TEに応じてトラック駆動信号を生成し、トラッキング方向の駆動コイル20に供給している。
上記フォーカシング制御及びトラッキング制御がなされることで、光検出器30の光検出セルの出力信号の和信号RFは、記録情報に対応して光ディスク11のトラック上に形成されたピット等からの反射率の変化が反映される。この信号は、データ再生部35に供給される。
データ再生部35は、PLL回路36からの再生用クロック信号に基づき、記録データを再生する。また、データ再生部35は信号RFの振幅を測定する機能を有し、該測定値はCPU(central processing unit)37によって読み出される。
上記トラッキング制御部32によって対物レンズ18が制御されているとき、対物レンズ18が光ディスク11の最適位置となるように、スレッドモータ15が制御されることで、ピックアップ14が制御される。
モータ制御回路13、レーザ制御回路24、フォーカシング制御部33、トラッキング制御部32、データ再生部35、PLL回路36等は、サーボ制御回路として1つのLSIチップ内に構成することができる。
また、これらの回路部は、バス16を介してCPU37によって制御される。CPU37は、インタフェース回路23を介してホスト装置22から提供される動作コマンド、または、図示しない操作部からの操作情報に基づいて、この光ディスク装置を総合的に制御している。
さらに、CPU37は、RAM38を作業エリアとして使用し、ROM(read only memory)39に記録されたプログラムにしたがって所定の動作を行なう。
そして、上記データ再生部35で再生されたデータは、エラー訂正処理回路40によってエラー訂正処理が施された後、映像、副映像及び音声等の再生に供される。
ここで、上記バス16には、音声ミクシング処理部41が接続されている。この音声ミクシング処理部41は、光ディスク11から再生されたデジタル音声データや、インタフェース回路23を介して外部のネットワークサーバから取得されたデジタル音声データ等を含む、複数のデジタル音声データをミクシング処理して、この光ディスク装置の外部に出力可能とするものである。
図3は、上記音声ミクシング処理部41の具体例を示している。すなわち、この音声ミクシング処理部41は、複数(図示の場合は3つ)の音声入力端子41a,41b,41cを備えている。
そして、この実施の形態では、音声入力端子41aに光ディスク11から再生されたメインオーディオとなる音声データが供給され、音声入力端子41bに外部のネットワークサーバから取得したサブオーディオとなる音声データが供給され、音声入力端子41cに例えば外部のネットワークサーバから取得したエフェクトオーディオとなる音声データが供給されるものとして説明する。
次世代DVD規格では、メインオーディオとなる音声データのサンプリング周波数は、48,96,192kHzの3種類が規定され、サブオーディオ及びエフェクトオーディオとなる音声データのサンプリング周波数は、それぞれ12,24,48kHzの3種類が規定されている。
そして、上記音声入力端子41aに供給された音声データは、サンプリング周波数変換部41dに供給される。このサンプリング周波数変換部41dは、ミクシング制御部41gの制御に基づいて、入力される音声データに対するサンプリング周波数の変換処理や、変換処理中の音声データの出力停止等を実行する。
また、上記音声入力端子41bに供給された音声データは、サンプリング周波数変換部41eに供給される。このサンプリング周波数変換部41eは、ミクシング制御部41gの制御に基づいて、入力される音声データに対するサンプリング周波数の変換処理や、変換処理中の音声データの出力停止等を実行する。
さらに、上記音声入力端子41cに供給された音声データは、サンプリング周波数変換部41fに供給される。このサンプリング周波数変換部41fは、ミクシング制御部41gの制御に基づいて、入力される音声データに対するサンプリング周波数の変換処理や、変換処理中の音声データの出力停止等を実行する。
ここで、上記ミクシング制御部41gは、制御端子41hを介して供給される上記CPU38からの制御信号に基づいて、各サンプリング周波数変換部41d,41e,41fをそれぞれ選択的に制御している。
すなわち、ミクシング制御部41gは、各サンプリング周波数変換部41d,41e,41fに対して、入力される音声データのサンプリング周波数が、それぞれ予め設定された基準サンプリング周波数(例えば96kHz)となるように、サンプリング周波数変換処理を行なうように制御している。
この場合、ミクシング制御部41gは、各サンプリング周波数変換部41d,41e,41fに対して、入力される音声データのサンプリング周波数が変更されたとき、その変更されたサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換するように制御するが、その変換処理中は音声データの出力を停止するように制御し、基準サンプリング周波数への変更が終了された後に、音声データの出力を再開するように制御している。
そして、各サンプリング周波数変換部41d,41e,41fから出力される、基準サンプリング周波数を有する各音声データは、ミクシング部41iに供給されてミクシング処理が施され、音声出力端子41jから外部に導出される。
上記のような構成において、以下、図4に示すフローチャートを参照して、その音声ミクシング処理動作を説明する。すなわち、この動作が開始(ステップS1)されると、CPU37は、ステップS2で、基準サンプリング周波数を設定する。
この基準サンプリング周波数は、予め固定的に設定されていても良いし、処理する音声データの量や音声ミクシング処理部41の処理能力等を考慮して、その都度、設定されるようにしても良いものである。また、予め複数種類の基準サンプリング周波数を用意しておき、ユーザがいずれかの基準サンプリング周波数を選択するようにすることもできる。
次に、CPU37は、ステップS3で、ミクシングすべき各音声データ、つまり、音声入力端子41a,41b,41cに供給される各音声データのサンプリング周波数を示す情報を取得する。この情報は、光ディスク11に記録されている管理情報や、映像及び音声等の情報から取得することができるとともに、ネットワークサーバから取得した映像及び音声等の情報から取得することができる。
そして、CPU37は、ステップS4で、音声入力端子41a,41b,41cに供給される各音声データに対して、それぞれ、そのサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換するための変換レートを算出し、ミクシング制御部41gに供給する。この変換レートは、基準サンプリング周波数が96kHzで、音声データのサンプリング周波数が48kHzであれば、96/48=2として算出される。
すると、ミクシング制御部41gは、ステップS5で、CPU37から供給された各音声データに対する変換レートを、対応するサンプリング周波数変換部41d,14e,41fにそれぞれ設定する。これにより、各サンプリング周波数変換部41d,14e,41fは、それぞれ、入力された音声データのサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換して出力する。
この場合、上記したように変換レートが2であれば、音声データのサンプリング周波数を2倍にするアップサンプリング処理が行なわれる。逆に、基準サンプリング周波数が音声データのサンプリング周波数よりも低い場合には、変換レートは1以下0以上となるため、音声データのサンプリング周波数を低くするダウンサンプリング処理が行なわれることになる。
そして、各サンプリング周波数変換部41d,14e,41fから基準サンプリング周波数に変換された音声データが出力されると、ミクシング部41iは、ステップS6で、各音声データをミクシングして出力し、ここに、音声再生が開始される。
その後、CPU37は、ステップS7で、音声再生が終了されたか否かを判別し、終了されたと判断された場合(YES)、音声ミクシング処理動作を終了(ステップS13)する。
また、ステップS7で音声再生が終了されていないと判断された場合(NO)、CPU37は、ステップS8で、音声入力端子41a,41b,41cに供給されている各音声データのサンプリング周波数に変化が生じたか否かを判別する。この判別は、先にステップS3で説明した各音声データのサンプリング周波数を示す情報に基づいて行なうことができる。
そして、ステップS8で各音声データのサンプリング周波数に変化が生じていないと判断された場合(NO)、CPU37は、ステップS7の処理に戻される。
また、ステップS8で、いずれかの音声データのサンプリング周波数に変化が生じたと判断された場合(YES)、CPU37は、ステップS9で、サンプリング周波数の変化した音声データをミクシング対象から外すように、ミクシング制御部41gを制御する。これにより、ミクシング制御部41gは、サンプリング周波数の変化した音声データに対応するサンプリング周波数変換部41d,41eまたは41fに対して、音声データの出力を停止させるように制御する。
次に、CPU37は、ステップS10で、サンプリング周波数の変化した音声データに対して、そのサンプリング周波数を示す情報を取得し、基準サンプリング周波数に変換するための変換レートを算出して、ミクシング制御部41gに供給する。
すると、ミクシング制御部41gは、ステップS11で、CPU37から供給された変換レートを、対応するサンプリング周波数変換部41d,14eまたは41fに設定する。これにより、対応するサンプリング周波数変換部41d,14eまたは41fは、入力された音声データのサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換して出力する。
その後、CPU37は、ステップS12で、基準サンプリング周波数に変換された音声データをミクシング対象とするように、ミクシング制御部41gを制御し、ステップS7の処理に移行する。これにより、ミクシング制御部41gは、対応するサンプリング周波数変換部41d,41eまたは41fに対して、音声データの出力停止を解除するように制御し、ここに、全ての音声データがミクシング処理されるようになる。
上記した音声ミクシング処理動作による効果について、図5を参照して具体的に説明する。図5では、音声入力端子41aに供給される音声データを第1の音声データ、音声入力端子41bに供給される音声データを第2の音声データ、音声入力端子41cに供給される音声データを第3の音声データと称している。
そして、基準サンプリング周波数が96kHzに設定され、時刻t1以前では、第1の音声データのサンプリング周波数が48kHz、第2の音声データのサンプリング周波数が12kHz、第3の音声データのサンプリング周波数が12kHzであるとする。
この場合、第1の音声データは、サンプリング周波数変換部41dにより2倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換されている。また、第2の音声データは、サンプリング周波数変換部41eにより8倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換されている。さらに、第3の音声データは、サンプリング周波数変換部41fにより8倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換されている。
上記のような状態において、時刻t1で、第2の音声データのサンプリング周波数が24kHzに変化したとする。このとき、第2の音声データは、サンプリング周波数変換部41eにより、出力が停止され、4倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換された後、出力される。
つまり、第2の音声データは、変化したサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換する処理中出力されないことになるが、その間、第1及び第3の音声データは、継続して出力されている。このため、ミクシング処理された音声データの出力が継続され、音声出力が停止されることを防止することができる。
また、時刻t2で、第3の音声データのサンプリング周波数が48kHzに変化したとする。すると、第3の音声データは、サンプリング周波数変換部41fにより、出力が停止され、2倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換された後、出力される。
つまり、第3の音声データは、変化したサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換する処理中出力されないことになるが、その間、第1及び第2の音声データは、継続して出力されている。このため、ミクシング処理された音声データの出力が継続され、音声出力が停止されることを防止することができる。
さらに、時刻t3で、第2の音声データのサンプリング周波数が48kHzに変化し、同時に第3の音声データのサンプリング周波数が24kHzに変化したとする。すると、第2の音声データは、サンプリング周波数変換部41eにより、出力が停止され、2倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換された後、出力される。また、第3の音声データは、サンプリング周波数変換部41fにより、出力が停止され、4倍にアップサンプリングされて基準サンプリング周波数に変換された後、出力される。
つまり、第2及び第3の音声データは、変化したサンプリング周波数を基準サンプリング周波数に変換する処理中出力されないことになるが、その間、第1の音声データは、継続して出力されている。このため、ミクシング処理された音声データの出力が継続され、音声出力が停止されることを防止することができる。
ただし、時刻t4に示すように、第1乃至第3の音声データのサンプリング周波数が同時に変化した場合には、第1乃至第3の音声データが、それぞれサンプリング周波数変換部41d乃至41fで基準サンプリング周波数に変換処理される間、出力されないので、この場合だけ、音声出力が停止されることになる。しかしながら、第1乃至第3の音声データのサンプリング周波数が同時に変化することは、極めて確率の低いことであるため、実用化に際しては何らの問題も生じないものである。
上記した実施の形態によれば、ミクシング処理すべき第1乃至第3の音声データのサンプリング周波数を、予め設定された基準サンプリング周波数に合わせるようにしているので、いずれかの音声データのサンプリング周波数が変化したとしても、他の音声データの出力が継続されるため、音声出力が停止されることを極力防止することができるようになる。
また、上記した実施の形態では、ミクシング処理すべき音声データの数を3種類としたが、これに限らず、4種類以上の音声データをミクシング処理する場合にも、この発明を適用することができることはもちろんである。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
11…光ディスク、12…スピンドルモータ、13…モータ制御回路、14…ピックアップ、15…スレッドモータ、16…バス、17…スレッドモータドライバ、18…対物レンズ、19,20…駆動コイル、21…変調回路、22…ホスト装置、23…インタフェース回路、24…レーザ制御回路、25…半導体レーザダイオード、26…コリメータレンズ、27…ハーフプリズム、28…光学系、29…集光レンズ、30…光検出器、31…RFアンプ、32…トラッキング制御部、33…フォーカシング制御部、34…ウォブルPLL/アドレス検出部、35…データ再生部、36…PLL回路、37…CPU、38…RAM、39…ROM、40…エラー訂正回路、41…音声ミクシング処理部。