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JP2007145872A - ランソプラゾール安定化方法 - Google Patents

ランソプラゾール安定化方法 Download PDF

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JP2007145872A
JP2007145872A JP2007066325A JP2007066325A JP2007145872A JP 2007145872 A JP2007145872 A JP 2007145872A JP 2007066325 A JP2007066325 A JP 2007066325A JP 2007066325 A JP2007066325 A JP 2007066325A JP 2007145872 A JP2007145872 A JP 2007145872A
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シンガー,クラウド
Anita Liberman
リバーマン,アニタ
Irena Veinberg
ベインバーグ,イレナ
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Abstract

【課題】本発明は安定な2-(2-ピリジルメチル)スルフィニル-lH-ベンゾイミダゾール(ランソプラゾール)及び弱塩基性材料の使用によるランソプラゾールを安定化させるための方法を提供する。本発明はまた安定なランソプラゾールの調製方法も提供する。
【解決手段】以下のステップ:
a)水酸化アンモニウム溶液によりランソプラゾールを含むフィルターケーキを洗浄し;
b)アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される少なくとも1つの塩基が存在する中で当該洗浄したランソプラゾールを乾燥させ;そして
c)水酸化アンモニウムが存在する中で当該乾燥させたランソプラゾールを再結晶化する、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は安定なランソプラゾール及びランソプラゾールの安定化方法に関する。本発明はかかる安定なランソプラゾールを調製するための方法にも関する。
いくつかの置換された2-(2-ピリジルメチル)スルフィニル-lH-ベンゾイミダゾールは、胃のプロトンポンプインヒビターとして公知であり:そしてそれらはオメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールを含む。ランソプラゾールは可逆的プロトン(酸)ポンプインヒビターである。ランソプラゾール自体は武田が所有する米国特許No. 4,628,098により保護されている。ランソプラゾールは(2-[[[3メチル-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-2-ピリジニル]メチル]スルフィニル]-IH-ベンゾイミダゾール)として化学的に公知であり、そして以下の化学式A:
Figure 2007145872
を有し、式中R1はメチルであり、R2はトリフルオロ-エトキシであり、そしてR3は水素であり、及びR4は水素である。他のベンゾイミダゾール誘導体(例えば、オメプラゾール及びパントプラゾール)はランソプラゾールの胃酸分泌を阻害する能力を共に有し、且つそれらの化合物は通常、抗潰瘍剤として認識される。
慣用方法によるランソプラゾールの調製は、一般的に不純物として少量の対応するスルホン誘導体の形成を伴う。例えば米国特許No.6,180,652はスルホン誘導体の存在を発表する。スルホン誘導体の形成は、所望されるスルホキシドの低収率という欠点を引き起こす。米国特許No.6,180,652は、そのスルホン誘導体から由来するランソプラゾールの分離を可能にする方法を発表し、そしてランソプラゾール塩のアセトン錯体を開示する。
ランソプラゾール及び他の2-(2-ピリジルメチル)スルフィニル-ベンゾイミダゾール誘導体は安定性を喪失する傾向にあり、且つその結晶構造に微量の溶媒、特に水が混入した場合、分解が起こる傾向にある。ベンゾイミダゾール結晶には溶媒が存在しないことが所望される(即ち、残留溶媒は最小限に減少されるべきである)。
ランソプラゾールは、比較的分解しやすい化合物であり、特に酸性条件で分解しやすいが、強塩基性条件下でも分解しやすい。米国特許No.6,002, 011(”'011特許”)では、ランソプラゾールが一般の貯蔵条件下で分解しやすいことを開示する。この'011特許は、水の中での再スラリー方法を開示し、’溶媒が存在しないランソプラゾール’の調製を可能にし、'011特許によれば、ランソプラゾールの改善した安定性が実証されている。'溶媒が存在しないランソプラゾール'に関する'011特許では、特に約500 ppm以下の水、及び約200ppm以下のアルコールを含むランソプラゾール製品に限定される。
'011特許及び米国特許No.5,578,732は共にエタノール:水の溶媒系(容積比はエタノール:水=9:1) を用いたランソプラゾールの結晶化を発表する。'011特許は、更にこのエタノール:水結晶化系は、たとえ微量の水酸化アンモニウム(0.03M NH40H:1Mランソプラゾール)を使用した場合でさえ、限定された精製効果を有すことを発表する。'0 11特許はランソプラゾールの純度レベルを開示していない。'011特許はランソプラゾールのエタノール付加溶媒和物の形態、及びエタノール付加水和物の形態を開示する。'011特許では、特に500 ppm以上の水、又は200 ppm以上のエタノールを含む場合のランソプラゾールは分解しやすく、故に医薬組成物に適さないことを開示する。エタノールと水は除去することが困難であるから、この結晶化方法により調製されるベンゾイミダゾール誘導体化合物は、強力な乾燥後でさえなお溶媒を含む。従って、かかるランソプラゾールは貯蔵下で分解されやすい。
”固形投与形態での新規抗潰瘍剤(ランソプラゾール)の安定化”Tabata 等., Drug Development and Industrial Pharmacy, 18 (13) 1437-47 (1992)中で、腸内のランソプラゾール細粒の安定化メカニズムが検討されている。ここでの発表は、高温条件下及び高湿度条件下で、ランソプラソールは分解しやすく、ランソプラゾールの量が減少し且つかかる条件下で原材料の変色が認められることを開示する。貯蔵時間を経過した固形パントプラゾールの様々な温度及び湿度でのアッセイのバリエーション及び色がページ1439の表2にある。この表は40℃で且つ75%の部屋の湿度で4ヵ月後、ランソプラゾールがペールブラウンに変化することを示し、同一条件下で湿度がない場合でさえ、ランソプラゾールは黄色がかったペールブラウンに変化する。この発表は、スルホキシド基へのプロトン攻撃のせいであるとして弱酸性条件下でさえ、ランソプラゾールの格別に高い不安定性を説明する。ランソプラゾールは2-(2ピリジルメチル)スルフィニル-ベンゾイミダゾールファミリーの薬剤の他のメンバーよりも特にかかる攻撃を受けやすいようである。
この論文は更にランソプラゾールの分解が弱塩基性条件下で最小になることを開示し、そして投与形態でのランソプラゾールの分解が、かかる弱塩基性pHを生み出すような適切な安定化化合物も含むように製剤化することにより最小になることを結論づける。しかしながらこの論文は、活性医薬成分としてのランソプラゾールの使用についてではない。
ランソプラゾールは、それ自体しばしば長い期間で貯蔵及び輸送されるはずであり、故にたとえ非-最適条件下での貯蔵又は輸送であっても分解及び/又は変色しないようなランソプラゾールの安定な形態の必要性が存在する。本発明はかかる安定なランソプラゾール及びその製造方法を提供する。
発明の概要
本発明は安定なランソプラゾールを提供する。
更に本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;そして
b)安定なランソプラゾールを単離する、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法を提供する。
また更に本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)弱塩基性溶液が存在する中で、フィルターケーキ中に存在する結晶化したランソプラゾール化合物をアセトン−水混合物で洗浄し;そして、
c)安定なランソプラゾールを単離する、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法を提供する。
1の態様では、結晶化ステップで使用される弱塩基は、アンモニウム化合物とアミンから成る群から選定される。
他の態様では、結晶化ステップで使用される弱塩基は、水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから成る群から選定される。
本発明の他の態様では、以下のステップ:
a)有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)ランソプラゾールを単離し;そして
c)弱塩基性材料が存在する中でランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製のための方法を提供する。
また本発明の他の態様では、以下のステップ:
a)有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)弱塩基性溶液が存在する中で、フィルターケーキ中に存在する結晶化したランソプラゾール化合物をアセトン−水混合物で洗浄し;
c)ランソプラゾールを単離し;そして
d)弱塩基性材料が存在する中でランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製のための方法を提供する。
他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料は、アンモニウム化合物とアミンから成る群より選定される。
更に他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料は、アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される。
他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)ランソプラゾールを単離し;そして
c)弱塩基性材料が存在する中でランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法を提供する。
また他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)弱塩基性溶媒が存在する中で、フィルターケーキ中に存在する結晶化したランソプラゾール化合物をアセトン−水混合物で洗浄し;
c)ランソプラゾールを単離し;そして
d)弱塩基性材料が存在する中でランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法を提供する。
1の態様では、前記結晶化ステップで使用される弱塩基は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
他の態様では、前記結晶化ステップで使用される弱塩基は、水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから成る群から選定される。
他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
更に他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料はアンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される。
他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;そして
b)安定なランソプラゾールを単離する、
を含んで成る方法により調製される安定なランソプラゾールを提供する。
他の態様では、前記結晶化ステップで使用される弱塩基は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
他の態様では、前記結晶化ステップで使用される弱塩基は、水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから成る群から選定される。
更に他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)ランソプラゾールを単離し;そして
c)弱塩基性材料が存在する中でランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る方法により調製される安定なランソプラゾールを提供する。
他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
更に他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基性材料は、アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される。
他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)弱塩基が存在する中で、有機溶媒、又は有機溶媒と水の混合物からランソプラゾールを結晶化し;
b)ランソプラゾールを単離し;そして
c) 弱塩基性材料の存在下においてランソプラゾールを乾燥し、安定なランソプラゾールを得る、
を含んで成る方法により調製される安定なランソプラゾールを提供する。
1の態様では、前記結晶化ステップで使用される弱塩基は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
他の態様では、当該結晶化ステップで使用される弱塩基は、水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから成る群から選定される。
他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基材料は、アンモニウム化合物及びアミンから成る群から選定される。
更に他の態様では、前記乾燥ステップで使用される弱塩基材料は、アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される。
他の態様では、本発明は以下のステップ:
a)水酸化アンモニウム溶液でランソプラゾールを含むフィルターケーキを洗浄し;
b)アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される少なくとも1つの塩基が存在する中で当該洗浄したランソプラゾールを乾燥し;そして
c)水酸化アンモニウムが存在する中で当該乾燥したランソプラゾールを再結晶化する、
を含んで成る安定なランソプラゾールを調製するための方法を提供する。
本発明は、安定なランソプラゾールを含んで成る医薬組成物も提供する。
発明の詳細な説明
定義:
"LNPS"とは、ランソプラゾール調製のための硫化物を含有する開始化合物をいう。LNPSの化学名は2-[[3-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2-ピリジニル]チオ]-1Hベンゾイミダゾールである。"LNP"とはランソプラゾールであり、2-[[3-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2-ピリジル]メチル]スルフィニル-lHベンゾイミダゾールの化学名を有す。本発明は約0.1%(wt/wt)未満のスルホン誘導体、及び約0.1%未満のスルフィド誘導体を含むランソプラゾールを提供する(即ち、実質的にスルホン及びスルフィドは存在しない)。本明細書において使用される"安定なランソプラゾール"とは:40℃で75%相対湿度に、少なくとも3ヶ月間曝した後のランソプラゾールが、約0.1%(wt/wt)未満のスルホン誘導体及び約0.1%(wt/wt)未満のスルフィド誘導体を含むこと、或いは40℃で75%相対湿度に、少なくとも3ヶ月間曝した後のランソプラゾールが、その色を変化させないことのいずれかを含む。
特に断わりのない限り、%は%(wt/wt)をいい;"<"は未満をいい;">"はそれより大きいことをいい;"ppm"は100万分の1をいう。
本発明によれば、2-[[3-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2-ピリジニル]チオ]-lHベンゾイミダゾールは、2-[[3-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2-ピリジル]メチル]スルフィニル-lHベンゾイミダゾールの調製のため、出発原料として用いられ、そして有機溶媒又は有機溶媒と水との混合物中で溶解する。
模範的な有機溶媒は、エタノール、メタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、アセトン、2-ブタノン、ジメチル-ホルムアミド(foramide)、テトラヒドロフラン等を含む。好適な有機溶媒は、エタノールである。
アミン又はアンモニウム化合物が存在する有機溶媒中でのランソプラゾールの結晶化は、安定なランソプラゾールをもたらす。模範的なアミン及びアンモニウム化合物はアンモニア、水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を含む。好適なアンモニウム化合物は水酸化アンモニウムである。
結晶化の間、ランソプラゾールに対し化学量論的に過剰なアミン又はアンモニウム化合物が存在することが好適である。例えば、ランソプラゾールへの水酸化アンモニウムの好適な比率は約7:1である。
かかる条件下でのランソプラゾールの結晶化は、不純物、特にスルホン及び/又はスルフィド誘導体からのランソプラゾールの良好な分離を可能にする。
ランソプラゾールの沈殿は、好適には有機溶媒又は有機溶媒と水の混合物中のランソプラゾール溶液の酸性化により達成させる。より低温では、酸が存在しなくてもランソプラゾールの部分的な沈殿が起こる。付加した酸は、ランソプラゾールの結晶化の間、水酸化アンモニウムを中性にできる。
ランソプラゾールを結晶化するために使用される模範的な酸は、酢酸、蟻酸、塩酸(HC1)等を含む。好適には酢酸である。
本発明において、結晶化したランソプラゾールを含むフィルターケーキは再結晶の前に洗浄される。洗浄は弱塩基溶液を組み合わせたエタノール-水混合物を用いて実施される。得られる洗浄液のpHは、約8から約10の範囲であるべきである。最適には、洗浄溶液のpHは、約8.5から約9の範囲である。好適な弱塩基は水酸化アンモニウムである。
上記結晶化方法により得られたランソプラゾールを好都合なものにすることができても、USPフォーラム(USP 26 NF 21, ページ1059)により要求される<0.1%の水まで乾燥することはできない。上記の通り、水はランソプラゾールの長期安定性における負の影響を有し得る('011特許)。'011特許で明白に述べられていることは、≧約500ppmのレベルで水を含むランソプラゾール;及び≧約200ppmのレベルでエタノールを含むランソプラゾールは分解しやすいことである。'011特許は、ランソプラゾールの水含有量は有機溶媒からの再結晶により減少させることができることを教示する。
ランソプラゾールは再結晶前に完全に溶媒に溶解されることが好適である。ランソプラゾールの溶解は、少量の水の存在により加速させることができる。水の存在は、前記精製ステップ由来の湿式ランソプラゾール、又は<20%(vol/vol)の水を溶媒へ付加することによる湿式ランソプラゾールを用いて確実にすることができる。
ランソプラゾールの溶解は、溶媒の還流温度で実施できる。好適な溶解温度は、還流温度未満であり、より高温ではランソプラゾールの非安定性をもたらす。好適な溶解温度は50℃を超えない。
ランソプラゾールの再結晶収率は、冷却又は再結晶システムからの溶媒もしくは水の除去により改善され得る。当業者は有機溶媒と水の混合物から水を除去するために使用する技術(例えば共沸蒸留)を察知するであろう。
本発明では、再結晶に伴い、結晶化したランソプラゾールを含むフィルターケーキを再結晶の前に洗浄してよい。洗浄は弱塩基溶液を組合せたアセトン-水混合物を使用することにより実施され得る。得られた洗浄溶液のpHは、約8から約10の範囲にある。最適には、当該洗浄溶液のpHは、約8.5から約9の範囲にある。好適な弱塩基は水酸化アンモニウムである。例えば、安定なランソプラゾールは、水酸化アンモニウム溶液と共にランソプラゾールを洗浄濾過することにより調製され得る。この洗浄後、アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される少なくとも1個の塩基の存在中で当該洗浄したランソプラゾールを乾燥させ;そして更に、又は選択的に、水酸化アンモニウムの存在中で当該乾燥させたランソプラゾールを再結晶する。
結晶化したランソプラゾールは、上昇した温度ではランソプラゾールが分解しやすいことを考慮にいれて、慣用方法により乾燥することができる。本発明において、乾燥工程は弱塩基性ガス材料の存在中で実施してよい。好適な弱塩基性ガス材料は、アンモニア、メチルアミン等を含む。最適には弱塩基性ガス材料はアンモニアである。
当該乾燥ステップは真空下で、約45℃で、アンモニアガスが存在する中で実施されることが好適である。
医薬製剤及び投与
本発明の安定なランソプラゾールは、患者への治療に用いられる多様な医薬組成物及び投与形態に製剤化され得る。
本発明の医薬組成物は、安定なランソプラゾールを含む。活性成分に加えて、本発明のランソプラゾール医薬組成物は1以上の賦形剤を含んでよい。賦形剤は多様な目的のために組成物に付加される。
希釈剤は、固形の医薬組成物のバルクを増量させ、患者及び医療従事者が当該組成物を含む医薬投与形態を取り扱い易いものとすることができる。固形組成物を含む希釈剤は、例えば微晶性セルロース(例えばAvicel(登録商標))、ミクロファインセルロース、ラクトース、スターチ、α化スターチ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート(dextrates)、デキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム(二塩基)2水和物、リン酸カルシウム(三塩基)、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、麦芽デキストリン、マンニトール、ポリメタクリル酸エステル(例えばEudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉体化セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクを含む。
錠剤のような剤型へと圧搾される固形医薬組成物は、圧搾後に活性成分と他の賦型剤とを結合させるための補助を含む機能の賦型剤を含んでよい。固形医薬組成物の結合物は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えばcarbopol)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素添加されたベジタブルオイル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばMethocel(登録商標))、液体グルコース、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩、麦芽デキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリル酸エステル、ポビドン(例えばKollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、α化スターチ、アルギン酸ナトリウム塩及びスターチを含む。
患者の胃中での圧縮された固形医薬組成物の溶解率は、組成物に崩壊剤が加えられることによって増加され得る。崩壊剤はアルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えばAc-Di-Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、クロスポビドン(crospovidone)(例えばKollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩、メチルセルロース、微晶性セルロース、ポラクリリン(polacrilin)カリウム、粉体化セルロース、α化スターチ、アルギン酸ナトリウム塩、スターチグリコレートナトリウム(例えばExplotab(登録商標))及びスターチを含む。
流動促進剤は、圧縮されていない固形組成物の流動能を改善するため、及び投薬の精度を改善するために付加され得る。賦型剤は、コロイド状の二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉体化セルロース、スターチ、タルク、及びリン酸カルシウム(三塩基)を含む流動促進剤として機能し得る。
投薬形態(錠剤のような)を粉体化組成物の圧縮により作製する場合、当該組成物は、打抜き型及びダイの加圧にかけられる。いくつかの賦型剤及び活性成分は、打抜き型及びダイの表面に付着する傾向があり、これは生成物に孔をあけ、及び他の表面の不揃いの原因になる。潤滑剤は付着を減少させるため、及びダイからの生成物の放出を容易にさせるために当該組成物に付加できる。潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、水素添加されたヒマシ油、水素添加されたベジタブルオイル、ミネラルオイル、ポリエチルグリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛を含む。香味試薬及び香味増強剤は、患者にとってより口に合う投与形態を作製する。本発明の組成物に含ませることができる医薬品の共通の香味試薬及び香味増強剤は、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸エチルマルトール、及び酒石酸を含む。
組成物は、それらの外見を良くするため、並びに/もしくは製品及び単位投与レベルの患者の確認を容易にするため、任意の医薬的に許容され得る着色剤を使用して染色することもできる。
賦型剤及びその使用量の選定は、製剤の当業者により、経験に基づき、並びに標準化された手順及び当業界の参考書の考察に基づき容易に決定され得る。
本発明の固形組成物は、粉体化、粒状化、凝集化、及び圧縮化された組成物を含む。投薬は経口、バッカル(経頬)、経腸、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、吸入及び点眼投与に適した投薬を含む。与えられる状況での最適なルートは、性質及び処理される条件の厳格さに依存するだろうが、本発明の最適なルートは、経口である。投薬は、製薬業界で周知の任意の方法によって都合のよい単位投与形態で提供され得る。
投与形態は、錠剤、粉体、カプセル、坐剤、小袋、トローチ及びロゼンジのような固形投与フォーム並びに液体シロップ、懸濁液、エリキシルを含む。本発明の特に好適な投与フォームは錠剤である。
錠剤、カプセル、ロゼンジ及び他の単位投与形態は、好適にはランソプラゾールを約50から約300mg、より好適には約200mgの投与レベルで含む。
本発明の多くの態様を発表した。本発明は本明細書において発表した特異的態様による範囲に制限されない。多種の改変は本発明の精神及び範囲から離れずに理解されるであろう。多種の刊行物及び特許は本明細書において引用され、その開示は本明細書において参照により組み入れられる。
以下の限定的でない実施例は本発明を説明する。
ランソプラゾール粗製物の調製
1Lフラスコ中に95%エタノールを添加し、5℃で撹拌しながら冷却した。200グラムの2-[[[3-メチル-4(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2ピリジニル]チオ]-1H-ベンゾイミダゾール(LNPS)及び3グラムのバナジウムアセチルアセトネートを混合しながら付加した。110グラムのtert-ブチル-ヒドロペルオキシド溶液をゆっくり懸濁物中に滴下した。当該懸濁物を6時間混合物し続けた。
400ml水中に溶解した40グラムのNa2S03を付加した。1Lの水性NH40H(pH=8-8.5)を付加し、そして当該懸濁物を更に17時間、25℃で混合した。当該懸濁物を5℃に冷却し、そして固相を減圧ろ過により分離し、その後乾燥した。178グラムのLNP粗製物を得た(収率85%)。
スルホン 0.15%(wt/wt)
LNPS 0.3% (wt/wt)
ランソプラゾール粗製物の精製
0.25Lフラスコ中に67.5mlの95%エタノール、15mlの24%アンモニア及び45mlの水を添加した。懸濁物を撹拌しながら5℃へ冷却した。実施例1からの10グラムのランソプラゾール粗製物を混合しながら付加し、当該混合物を溶解するまで52℃に加熱した。1グラムの活性炭を軽度に濁った溶液に付加し、49℃で短時間保持した。活性炭をフィルター上で分離し、14mlのエタノール及び12 mlの水の混合物でケーキを洗浄した。当該溶液を冷却し、そしてランソプラゾールを3.75ml酢酸の付加により沈殿させた。懸濁物を10℃に冷却しろ過した。生産物を25% NH40H溶液を付加した水とエタノール混合物で洗浄した。当該混合物のpHは9±1であった。ランソプラゾール生産物は、弱NH3フローの存在中、45℃、減圧下で乾燥させた。8.7グラムの純粋ランソプラゾールが得られた(収率89%)。
スルホン 0.05% (wt/wt)
LNPS:検出限界未満
水含有:2200 ppm、カールフィッシャーによる計測
アルコール含有:50 ppm、ガスクロマトグラフィーによる計測
ランソプラゾールの安定性は、表1に示す通り、更に様々な温度及び相対湿度で計測された。
Figure 2007145872
ランソプラゾールの再結晶
実施例2により調製した29.8グラムの湿式ランソプラゾールの結晶及び30mlアセトンを0.25Lフラスコに添加した。当該懸濁物を52℃に加熱し、そして150mlアセトンを透明溶液が得られるまで付加した。当該溶液を10℃に冷却し、そして反応塊が48.5グラムの重量になるまで濃縮した。当該固体をろ過により分離し、20mlの冷却アセトン水混合物で洗浄し、水性25%NH40Hと組合せた。混合物のpHは9±1であった。当該ランソプラゾール生産物を、弱NH3フローの存在中、45℃で減圧乾燥した。
18.58グラムの生産物を得た(収率91%)
水含有率:0.05%、カールフィッシャーによる
ランソプラゾールの安定性を、更に表2に示す通り、様々な温度及び相対湿度で計測した。
Figure 2007145872
更に、当該ランソプラゾールは2−8℃又は25℃、60%までの相対湿度での保存条件下で少なくとも約3ヶ月間安定であり、また当該ランソプラゾールは40℃で75%相対湿度で、少なくとも約6ヶ月間曝した後、約0.1%(wt/wt)未満のスルホン誘導体及び約0.1%(wt/wt)未満のスルフィド誘導体を含み、変色もしなかった。
ランソプラゾールのクロマトグラフィーの精製方法は、USPフォーラムVol26(5)〔Sep-Oct.2000〕の専攻論文に詳説されている。
HPLC 条件:カラム C18
移動相:アセトニトリルと水の中のトリエチルアミンの変化率
流動:0.8ml/分
検出:285nm
水計測のためのカールフィッシャー法は、USPフォーラムVol. 26 (5) [Sept.-Oct. 2000〕に詳説されている通り、ピリジンとエチレングリコール9:1の溶媒によるUSP方法、921. Iaである。

Claims (5)

  1. 以下のステップ:
    a)水酸化アンモニウム溶液によりランソプラゾールを含むフィルターケーキを洗浄し;
    b)アンモニア及びメチルアミンから成る群から選定される少なくとも1つの塩基が存在する中で当該洗浄したランソプラゾールを乾燥させ;そして
    c)水酸化アンモニウムが存在する中で当該乾燥させたランソプラゾールを再結晶化する、
    を含んで成る安定なランソプラゾールの調製方法。
  2. 前記有機溶媒がエタノール、メタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、アセトン、2-ブタノン、ジメチル-ホルムアミド及びテトラヒドロフランから成る群から選定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機溶媒がエタノールである、請求項1に記載の方法。
  4. ろ過したランソプラゾールを、アミン及びアンモニウム化合物から成る群から選定された化合物により洗浄するステップを含んで成る、安定なランソプラゾールの調製方法。
  5. 前記アンモニウム化合物が水酸化アンモニウムである、請求項4に記載の方法。
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