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JP2007145442A - 給紙装置 - Google Patents

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JP2007145442A
JP2007145442A JP2005338574A JP2005338574A JP2007145442A JP 2007145442 A JP2007145442 A JP 2007145442A JP 2005338574 A JP2005338574 A JP 2005338574A JP 2005338574 A JP2005338574 A JP 2005338574A JP 2007145442 A JP2007145442 A JP 2007145442A
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Yobai Chi
洋培 池
Kagenori Amano
景範 天野
Ryusuke Nakada
隆介 中田
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Abstract

【課題】ボトムプレート方式を適用する給紙装置において、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数や、分離パッド及びリタードロールの経時劣化に影響されない給紙角度を設定することにより、良好な搬送性と重送防止とを達成させる給紙装置を提供する。
【解決手段】給紙トレイに収容された記録用紙をその最上位用紙から順次給送する給紙ロールと、給紙ロールにより給送された記録用紙の重送を防止する分離用部材とからなり、前記給紙トレイ底部には、記録用紙の給紙方向後端側を支点として給紙方向前端側が前記給紙ロールに向けて付勢され、給紙トレイ内に収容された最上位用紙の給紙方向前縁部を給紙ロールに圧接させるボトムプレートを備えた給紙装置において、前記分離用部材には、給紙ロールにより給紙トレイから給送される最上位用紙がこの分離用部材に突入する際の給紙角度を所定の範囲内に維持する給紙角度調節手段を設けたことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機など記録媒体として記録用紙を使用する機器に適用し得る給紙装置に関し、詳しくは、給紙ロールと、分離用部材と、ボトムプレートとから構成される給紙装置の改良に関するものである。
特開平5−69973号公報
従来より、複写機やプリンタ等に搭載される給紙装置として、一般に、記録用紙が収容される給紙トレイと、この給紙トレイに収容された記録用紙をその最上位の記録用紙から順次給送する給紙ロールと、この給紙ロールにより給送された記録用紙の背面側に摺接して記録用紙の重送を防止する分離用部材とからなり、前記給紙トレイの底部には、給紙トレイ内に収容された記録用紙の給紙方向後端側を支点として給紙方向前端側が前記給紙ロールに向けて付勢されており、給紙トレイ内に収容された最上位の記録用紙の給紙方向前縁部を給紙ロールに圧接させるボトムプレートを備えた(以下単に「ボトムプレート方式」という)給紙装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、前記分離用部材としては、
(1) 給紙トレイの給紙方向後方に配設され、給紙ロールに向けて付勢された状態でこの給紙ロールに圧接し、給紙ロールにより給送される記録用紙の給紙ロールとは反対側の面に摺接する分離パッドを備えたもの、
(2) 給紙トレイの給紙方向後方に配設され、給紙ロールにより給送された記録用紙を加圧下に挟んで互いに異なる方向に回転する一対のフィードロール及びリタードロールを備えたもの、
がある。
給紙ロールにより正常に1枚の記録用紙が給送された場合において、給送された記録用紙に対して、上記(1)の場合には、その一方の面に給紙ロールにより給送力が作用すると共に他方の面に分離パッドによる阻止力が作用し、また、上記(2)の場合には、その一方の面にフィードロールによる搬送力が作用すると共に他方の面にリタードロールによる阻止力が作用するが、何れの場合もこれら搬送力と阻止力とのバランスを保つことにより、記録用紙の良好な搬送性と重送防止を達成している。
また、給紙トレイ内に収容された最上位の記録用紙の給紙方向前縁部を給紙ロールに圧接させるボトムプレートを備えた給紙装置においては、給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量によって給紙ロールにより給送された記録用紙が分離用部材に突入する際における突入角度(給紙角度)が変化する。
例えば、上記(1)の分離パッドを備えたものの場合、図7分図(a)に示されているように、給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量が多い状態においてボトムプレート100は、ボトムプレート100の給紙方向後端側の支軸100aを中心に殆ど回転はせず、略水平状態に保たれたままボトムプレート100の給紙方向前端側の前端部100bが給紙ロール101へ向けて付勢される。そして、分離用部材102の分離パッド102aは、給紙ロール101に対し一定の位置において所定の押圧力で圧接されており、給紙ロール101が矢印Rの方向に回転することにより、ボトムプレートに積載された最上位の記録用紙(以下単に「最上位用紙」という)P1が分離パッド102aへ向けて給送されるものとなっている。この状態における最上位用紙P1の上面から分離パッド102aの方向へ延長された直線と、分離パッド102aの表面から延長された直線とが成す角度が給紙角度θ1である。一方、図7分図(b)に示されているように、記録用紙の残量が少ない状態においてボトムプレート100は、支軸100aを中心に回転し、ボトムプレート上の最上位用紙P1が給紙ロール101へ圧接され、この状態における給紙角度は、θ2である。分図(a)及び分図(b)を比較して分かるように、給紙角度は給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量が多い状態から記録用紙の残量が少ない状態までにθ1〜θ2の範囲内で変化するものとなっている。
また、上記(2)のフィードロール及びリタードロールを備えたものの場合、図8分図(a)に示されているように、給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量が多い状態においてボトムプレート100は、ボトムプレート100の給紙方向後端側の支点100aを中心に殆ど回転はせず、略水平状態に保たれたままボトムプレート100の給紙方向前端側の前端部100bが給紙ロール101へ向けて付勢される。この時、ボトムプレート上の最上位用紙P1は、給紙ロール101によりフィードロール103及びリタードロール104の接触面へ向けて給送されるものとなっている。この状態における最上位用紙P1の上面からフィードロール103の方向へ延長された直線と、フィードロール103の回転軸103a及びリタードロール104の回転軸104aを結んだ直線とが成す角度が給紙角度ω1である。一方、図8分図(b)に示されているように、記録用紙の残量が少ない状態においてボトムプレート100は、支点100aを中心に回転し、ボトムプレート上の最上位用紙P1が給紙ロール101へ圧接され、この状態における給紙角度はω2である。この状態において最上位用紙P1の先端は、先にフィードロール103に接触することになる。そして、分図(a)及び分図(b)を比較して分かるように、給紙角度は給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量が多い状態から記録用紙の残量が少ない状態までにω1〜ω2の範囲内で変化するものとなっている。
そして、このように給紙トレイ内に収容された記録用紙の残量によって給紙ロールにより給送された記録用紙の給紙角度が変化すると、この記録用紙に作用する搬送力と阻止力との間のバランスが変化し、給送された記録用紙に先端ダメージやミスフィードが発生したり(搬送性不良)、或いは、分離用部材による分離性能が低下して複数枚の記録用紙が給送されてしまう場合がある(重送防止不良)。このため、従来においては、記録用紙の剛性、カール、坪量、用紙間摩擦係数等の要素を勘案し、また、給紙トレイ内への記録用紙の収容枚数を所定の範囲内に制限することにより、この給紙角度を適当な範囲に設定することが行われている。
しかしながら、記録用紙の良好な搬送性と重送防止を確保するためには給紙角度の設定を狭い範囲で行う必要があり、給紙トレイの収容枚数を増やした場合には、給紙角度の設定範囲が広がってしまうことから、給紙トレイの収容枚数が制限されてしまう。また、分離パッドやリタードロールは、摩擦抵抗を高めるためにシリコン材やEPDA等の弾性部材で形成されるが、これらの弾性部材は経時的に劣化したり、紙粉等の付着で摩擦抵抗が変化するので、搬送性と重送防止については、これら劣化や変化による影響を受けやすいといった問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ボトムプレート方式を適用する給紙装置において、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数や、分離パッド及びリタードロールの経時劣化に影響されない給紙角度を設定することにより、良好な搬送性と重送防止とを達成させる給紙装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の給紙装置は、記録用紙が収容される給紙トレイと、この給紙トレイに収容された記録用紙をその最上位の記録用紙から順次給送する給紙ロールと、この給紙ロールにより給送された記録用紙の背面側に摺接して記録用紙の重送を防止する分離用部材とからなり、前記給紙トレイの底部には、給紙トレイ内に収容された記録用紙の給紙方向後端側を支点として給紙方向前端側が前記給紙ロールに向けて付勢されており、給紙トレイ内に収容された最上位の記録用紙の給紙方向前縁部を給紙ロールに圧接させるボトムプレートを備えた給紙装置において、前記分離用部材には、給紙ロールにより給紙トレイから給送される最上位の記録用紙がこの分離用部材に突入する際の給紙角度を所定の範囲内に維持する給紙角度調節手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明を案出するにあたり、先ず、発明者らは、給紙角度の設定範囲を決めるため、ボトムプレート方式を適用する給紙装置において、重送防止不良及び搬送性不良の発生率の目標値を従来よりもシビア(発生率としては低く)に設定し、このシビアな目標値を達成させると共に、良好な搬送性と重送防止をも達成させ得る給紙角度の設定範囲を検討した。この検討にあたり、記録用紙を250枚収容可能な給紙装置で、前記分離用部材としてシリコンゴム製の分離パッドを備えているものを使用し、記録用紙は90mm/sの速度で給送した。
この検討結果より、本検討に使用した給紙装置において、上記目標値及び良好な搬送性と重送防止を達成させ得る給紙角度の設定範囲としては、給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が少ない(記録用紙の枚数としては1枚)状態では30°、残量が多い(記録用紙を満載)状態では40°であることから、給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い状態から少ない状態に至るまでに給紙角度を40°から30°の範囲内で設定することとした。これにより、従来の給紙装置と比べ良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。また、重送防止不良及び搬送性不良の発生率の目標値をシビアに設定しているため、分離パッドが多少劣化していても、搬送性や重送防止に影響を及ぼし難くすることが可能である。
尚、本検討においては、記録用紙を250枚収容可能な給紙装置で、前記分離用部材としてシリコンゴム製の分離パッドを適用しているものを例に設定すべき給紙角度の範囲を示しているが、例えば、記録用紙を500枚収容可能な給紙装置や分離パッドの材質としてEPDAなどを適用しているものについても同様の手法を駆使し、給紙角度の設定範囲を決定することができる。また、重送防止不良及び搬送性不良の発生率の目標値は、本発明を適用する給紙装置に要求される搬送性や重送防止などに応じ適宜設定し、給紙角度の設定範囲を決定することが可能である。
続いて、ボトムプレート方式を適用する給紙装置において、フィードロール及びリタードロールを備えているものについての給紙角度は、図8における給紙トレイに収容される記録用紙の残量が多い状態(図8分図(a))から残量が少ない状態(図8分図(b))に至るまで給紙角度を70°から110°の範囲内に保つように設定することとした。これにより、所定の接触面を形成しながら当接するフィードロール及びリタードロールの当該接触面に近い位置へ向けて記録用紙が給送されるので、当該記録用紙の先端が先にフィードロールに接触するのを抑え、搬送性不良を防止することが可能となり、良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。また、給紙角度が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る角度に設定されているため、フィードロール、或いは、リタードロールが多少劣化していても、搬送性や重送防止に影響を及ぼし難くすることができる。尚、給紙角度の設定範囲は、給紙トレイに収容可能な記録用紙の枚数などに関係なくフィードロール及びリタードロールを備える全ての給紙トレイについてその給紙角度を70°〜110°の範囲内に保つように設定するのが好ましい。
次に、発明者らは、前記分離用部材として分離パッドを備えているものについては所定の範囲内に、そして、前記分離用部材としてフィードロール及びリタードロールを備えているものについても所定の範囲内に給紙角度を設定させ、良好な搬送性と重送防止とを確保すべく、前記分離用部材の設定位置をボトムプレートの設定位置により調節する手段を検討した。その結果、前記分離用部材に前記給紙角度調節手段を備えることを想起するに至った。
前記給紙角度調節手段としては、前記ボトムプレートの給紙方向前端部の設定位置が給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量により決定されることから、前記ボトムプレートの給紙方向前端部と、前記分離用部材とを連結部材により連結させ、当該連結部材を前記給紙角度調節手段として適用するのがよい。これにより、前記ボトムプレートの給紙方向前端部の設定位置に連動させて前記分離用部材の位置を設定させることが可能となる。
また、前記連結部材の他に、前記ボトムプレートの給紙方向前端部と、前記分離用部材とを弾性部材により連結させ、当該弾性部材を前記給紙角度調節手段として適用することもできる。これにより、前記ボトムプレートの給紙方向前端部の設定位置に連動させて前記分離用部材の位置を設定させることができる。尚、前記弾性部材については、給紙角度を所定範囲内に設定させることを考慮し、当該弾性部材が最も収縮している状態における長さ(以下単に「最収縮長さ」という)や最も伸長している状態における長さ(以下単に「最伸長長さ」という)などを適宜選択することができる。
更に、ボトムプレート方式を適用している給紙装置は、駆動手段により駆動されるリフトアップギアの回転に伴い当該リフトアップギアに設けられている溝に嵌合された棒状部材により前記ボトムプレートの給紙方向前端部が上方へ押し上げられるようにして前記給紙ロールへ向けて付勢される構成となっている。そして、この構成において、前記リフトアップギアは給紙トレイに収容される記録用紙の残量に応じ変動する前記ボトムプレートの給紙方向前端部の設定位置によりその回転量が変動するため、前記リフトアップギアの回転に従動するギア列により前記分離用部材の設定位置を変動させる従動駆動系を前記給紙角度調節手段として適用することができる。前記従動駆動系を適用する場合において、前記ボトムプレートの給紙方向前端部の設定位置の変動に応じ回転量が決定する前記リフトアップギアに噛合するギア列のギア比は、良好な搬送性と重送防止とを確保し得る位置に前記分離用部材が設定されるように適宜設定することが可能である。
更にまた、ボトムプレート方式を適用している給紙装置においては、前記給紙トレイが画像形成装置に挿入され、前記ボトムプレートの給紙方向前端部が前記給紙ロールへ向けて付勢すべく上昇を始めてから、給紙トレイ内に収容された最上位の記録用紙が前記給紙ロールに当接するまでの時間(以下単に「リフトアップ時間」という)を測定し、前記給紙トレイに収容されている記録用紙の残量が検知されている。つまり、このリフトアップ時間を利用することにより、前記ボトムプレートの前記給紙方向前端部の設定位置を検出することができる。そこで、リフトアップ時間に応じ独立された駆動手段により前記分離用部材の設定位置を変動させる独立駆動系を前記給紙角度調節手段として適用することも可能である。前記独立駆動系を適用する場合においては、良好な搬送性と重送防止とを確保し得る位置に前記分離用部材を設定させるのがよい。尚、前記独立駆動系の駆動手段としては、ソレノイドやモータなどを適用することができる。
以上のように構成される本発明の給紙装置によれば、ボトムプレート方式を適用する給紙装置において、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数や、分離パッド及びリタードロールの経時劣化に影響されない給紙角度を設定することにより、良好な搬送性と重送防止とを達成させることが可能となる。
以下添付図面に基づいて本発明の給紙装置を詳細に説明する。
給紙角度調節手段として連結部材を適用している給紙装置を示しているのが図1である。分図(a)は給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い状態を、そして、分図(b)は、記録用紙の残量が少ない状態をそれぞれ示している。本図における給紙装置は、記録用紙が積載されるボトムプレート10と、矢印Rの方向に回転することによりボトムプレート10上の最上位用紙P1を給送する給紙ロール1と、給紙方向(図の右から左へ向かう方向)に対し給紙ロール1の下流側に配設される分離用部材20とから構成されている。そして、ボトムプレート10は、その給紙方向後端側に給紙ロール1の回転軸1aと平行な支軸11と、給紙方向前端側に前端部12とを有し、ボトムプレート10のリフトアップ機構(図示せず)により給紙ロール1へ向けて付勢されると、ボトムプレート10は支軸11を中心に回転し、ボトムプレート10上の最上位用紙P1を給紙ロール1へ圧接するものとなっている。また、分離用部材20はスプリング22を内蔵し、給紙ロール1の外周面と所定の接触面を形成しながら当接する分離パッド21と、ピン23を嵌入する嵌入孔(図示せず)とを備えるものとなっている。更に、略三角形状を有し、3つの嵌入孔(図示せず)が穿設されている保持部材30と、ボトムプレート10の前端部12と保持部材30とを連結する連結部材31とを備えるものとなっている。更にまた、連結部材31の一端には、ピン32を嵌入する嵌入孔(図示せず)、そして、他端には前端部12と連結される連結孔33が設けられている。
この構成においては、給紙ロール1の回転軸1aと、ピン23とを回動可能な状態で保持部材30の嵌入孔(図示せず)に嵌入することにより、保持部材30の設定位置に関係なく回転軸1aと、ピン23との距離は一定に保たれ、分離用部材20に内蔵されるスプリング22と相俟って、給紙ロール1と、分離パッド21とは一定の押圧力で圧接されるものとなっている。更に、ピン32により保持部材30と連結部材31とが、そして、連結部材31の連結孔33とボトムプレート10の前端部12とがそれぞれ互いに回動可能に連結され、ピン32と前端部12との距離は一定に保たれるため、前端部12の設定位置に連動して保持部材30の位置が設定されるものとなっている。ここで、保持部材30の形状及び嵌入孔の穿設位置は、給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い状態(分図(a))から記録用紙の残量が少ない状態(分図(b))へと記録用紙が消費されることに伴い前端部12の設定位置が変動しても、重送防止及び搬送性不良の発生率の目標値を達成させ得る所定範囲内の給紙角度に設定されるように設計されている。これにより、給紙トレイ内に収容される記録用紙の枚数に関係なく分離パッド21により、最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。尚、連結部材31と、ボトムプレート10の前端部12とを回動可能に連結する方法は適宜選択することができる。
連結部材の換わりに給紙角度調節手段として弾性部材を適用している給紙装置を示しているのが図2である。分図(a)は給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い状態を、そして、分図(b)は、記録用紙の残量が少ない状態をそれぞれ示している。本給紙装置におけるボトムプレート10と、給紙ロール1との基本構成は、図1に示されている連結部材を給紙角度調節手段として適用している給紙装置と同様であるのでその説明を省略する。本図の給紙装置において分離用部材20は、スプリング22を内蔵し、分離用部材20に設けられている嵌入孔(図示せず)に嵌入されているピン23がピン保持部(図示せず)のガイド溝24(点線にて図示)にガイドされ、給紙ロール1の外周面と、分離パッド21とが所定の接触面を形成しながら当接されるものとなっている。そして、ピン23と、ボトムプレート10の前端部12とは弾性部材40により連結され、ピン23と弾性部材40、それに前端部12と弾性部材40は、前端部12の設定位置に応じそれぞれ互いに回動可能に連結されている。
この構成において、給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い場合(分図(a))、弾性部材40は必ずしも最伸長長さに設定される必要はないが、給紙トレイ内に収容される記録用紙の質量を含めたボトムプレート10の自重により弾性部材40に対し作用する張力によってピン23は下方へ引っ張られ、ガイド溝24により規制されるピン23の可動範囲における給紙方向(図の右から左へ向かう方向)に対する最も上流側の位置に設定される。一方、記録用紙の残量が少ない場合(分図(b))、弾性部材40は最収縮長さに設定されており、ピン23と、前端部12とを非弾性体で連結しているかの如くピン23は上方へ押され、ガイド溝24により規制されるピン23の可動範囲における給紙方向に対する最も下流側の位置に設定される。また、給紙トレイ内に収容される記録用紙の残量が多い状態(分図(a))から記録用紙の残量が少ない状態(分図(b))へと記録用紙が消費されることに伴い前端部12の設定位置が変動しても、ガイド溝24によりピン23と、回転軸1aとの距離が一定に保たれ、スプリング22により一定の押圧力を保ちながら給紙ロール1と、分離パッド21とが圧接されるものとなっている。更に、ガイド溝24は、前端部12の設定位置が変動しても重送防止及び搬送性不良の発生率の目標値を達成させ得る所定範囲内の給紙角度に設定されるように設計されている。これにより、給紙トレイ内に収容される記録用紙の枚数に関係なく分離パッド21により、最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することが可能である。尚、弾性部材40は、分離パッド21により所定範囲内の給紙角度が設定され得る最収縮長さ及び最伸長長さを有するものを適宜選択することができる。
これまで給紙角度調節手段として連結部材、或いは、弾性部材を適用し、分離用部材に分離パッドを備えるものについて説明したが、本発明においてはそれぞれの構成での重送防止及び搬送性不良の発生率の目標値は低く、即ち、シビアに設定されているため、分離パッドが多少劣化し、その表面の摩擦抵抗が変化することに伴い、当該分離パッドにより最上位用紙の裏面に対し作用される阻止力が変化しても、搬送性や重送防止に影響を及ぼし難い構成とすることができる。また、重送防止及び搬送性不良の許容可能な発生率は、本発明を適用する給紙装置に要求される搬送性及び重送防止を考慮し適宜設定することが可能である。
次に、給紙角度調節手段として従動駆動系を適用している給紙装置を示しているのが図3である。本図に示されている給紙装置におけるボトムプレート10と、給紙ロール1との基本構成は、図1及び図2に示されている給紙装置と同様であるのでその説明を省略する。本図における給紙装置は、所定の接触面を形成しながら当接しているフィードロール51及びリタードロール50と、図示外の駆動手段により駆動され回転するリフトアップギア70と、リフトアップギア70に固定され、リフトアップギア70の回転に伴いボトムプレート10を下方から給紙ロール1へ向けて付勢するシャフトリフト71と、リフトアップギア70の回転量を伝達するギア80a、ギア80b及びギア80cから成るギア列80と、ギア列80により伝達された回転量に応じ、リタードロール50の位置を設定するセクターギア60とから構成され、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数が少ない状態が示されている。本構成におけるリフトアップギア70は、給紙トレイ(図示せず)がマシン(例えば画像形成装置など)側に挿入されている状態では駆動手段(図示せず)により図示外のギア列などを介して常に駆動力が伝達されているため、ボトムプレート10上の最上位用紙P1が給紙ロール1に圧接されるとリフトアップギア70自体の回転は止まるが、ボトムプレート10は常に給紙ロール1へ向けて付勢されるものとなっている。また、リフトアップギア70の回転量は、ボトムプレート10上の最上位用紙P1が給紙ロール1に圧接されるとリフトアップギア70の回転は止まるため、ボトムプレート10の前端部12の設定位置に応じ変動するものとなっている。
ここで、本発明の給紙装置に適用されるリフトアップ機構の斜視図である図4により、リフトアップギア70と、シャフトリフト71との詳細を説明する。
図4に示されているリフトアップ機構は、図示外の駆動手段により矢印r方向に回転が伝達され、その回転を図3におけるギア列80に伝達するリフトアップギア70と、リフトアップギア70の回転と同方向に同回転量回転する軸部71b及びボトムプレート(図示せず)の底部に当接し、軸部71bの回転に伴いボトムプレートを給紙ロール(図示せず)へ向けて付勢する腕部71aから成るシャフトリフト71と、シャフトリフト71の軸部71bを回動可能に給紙トレイ(図示せず)へ固定する一対の固定部材72、72とから構成されている。そして、リフトアップギア70は、D字形状の嵌入孔70aを穿設したり、キー溝(図示せず)を設け、それぞれ軸部71bに固定でき、リフトアップギア70の回転が軸部71bへ確実に伝達されるものとなっている。また、前述の通り、給紙トレイがマシン側に挿入されている状態においてリフトアップギア70へは常に駆動力が伝達され、ボトムプレートは上方へ付勢されているが、給紙トレイがマシンから引き出されると、リフトアップ機構の駆動手段(図示せず)のスイッチが切られるため、リフトアップギア70へ駆動力が伝達されず、ボトムプレートは自重(給紙トレイに記録用紙が収容されている場合にはその質量を含む)で水平位置、即ち、リフトアップギア70により付勢される前の設定位置に戻る。尚、リフトアップギア70は、円形ギアに限らず、セクターギアを適用することもできる。
図3におけるギア列80には、ボトムプレート10が給紙ロール1へ向けて付勢され始めてからボトムプレート10上の最上位用紙P1が給紙ロール1に圧接されるまでのリフトアップギア70の回転量が伝達される。そして、ギア列80を構成するギア80a、ギア80b及びギア80cを介してリフトアップギア70の回転量がセクターギア60へ伝達されるものとなっている。また、セクターギア60には、給紙ロール1の回転軸1aとリタードロール50の回転軸50aとを嵌入させる嵌入孔(図示せず)が穿設されており、その穿設位置は、回転軸1aと回転軸50aとの距離を一定に保ちつつ、給紙ロール1とリタードロール50とを所定の押圧力により圧接させながらギア列80を介して伝達される回転量に応じリタードロール50の設定位置を変動させることができるものとなっている。
このリタードロール50が設定される位置は、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数が多い状態から記録用紙の枚数が少ない状態へと記録用紙が消費されることに伴い前端部12の設定位置が変動しても(図8分図(a)、分図(b))、給紙角度(図8におけるω1或いはω2)が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内に保たれるように設定するのが好ましい。このようにリタードロール50を給紙角度が前記所定範囲内に設定され得る位置に設定することにより、フィードロール51及びリタードロール50の接触面へ向けて給送される最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。従って、前端部12の設定位置に応じて変動するリフトアップギア70の回転量に従動するようにして回転するギア列80のギア比は、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数に関係なく、給紙角度が前記所定範囲内に設定され得る回転量をセクターギア60へ伝達されるように設定されている。以上説明したようにリフトアップギア70と、ギア列80と、セクターギア60とを設定することにより、フィードロール51及びリタードロール50を適用している給紙装置についても最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することが可能となる。
続いて、給紙装置のリフトアップ機構を構成するギアの回転量に従動させてリタードロールの位置を設定させる従動駆動系に対し、独立して設けられている駆動手段によりリタードロールの位置を設定させ、給紙角度調節手段として独立駆動系を適用している2種類の給紙装置について説明する。
一般的な給紙装置においては、リフトアップ時間を測定することにより、給紙トレイに収容されている記録用紙の枚数が検知されているため、このリフトアップ時間よりボトムプレートの前端部の設定位置を検出することができる。このことから、給紙角度調節手段として独立駆動系を適用している給紙装置では、リフトアップ時間から検出された前端部の設定位置に応じ独立駆動系により、リタードロールの位置が設定されるものとなっている。
まず、独立駆動系として駆動手段を適用している給紙装置を示しているのが図5である。本図におけるフィードロール51と、リタードロール50と、セクターギア60との基本構成は、図3に示されている給紙装置と同様であるためその説明を省略する。本図の給紙装置は、セクターギア60のギア面60aに駆動手段(図示せず)の回転を受けて直接、或いは、ギアを介して回転するギア90が噛合されている。
ここで、リフトアップ時間からボトムプレートの前端部(図示せず)の設定位置が検出されると、セクターギア60により当該前端部の設定位置に応じて給紙角度を良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内に設定させる回転量がギア90により伝達されるものとなっている。尚、ギア90は、正転及び逆転が可能であり、前端部の設定位置に応じ何れかの方向へ所定の回転量だけ回転する。
そして、独立駆動系としてソレノイドを適用している給紙装置を示しているのが図6である。本図における、フィードロール51と、リタードロール50との基本構成は、図3に示されている給紙装置と同様であるためその説明を省略する。本図の給紙装置は、ボトムプレート(図示せず)の前端部の設定位置に応じL字状の腕部91aを矢印Mの方向に所定の範囲内にて移動させ、腕部91aの位置を設定させるソレノイド91と、リタードロール50の回転軸50aがガイドされるピン保持部(図示せず)のガイド溝92とから構成されるものとなっている。この構成において、リタードロール50は、給紙トレイに収容される記録用紙の残量が多い状態(図8分図(a))から残量が少ない状態(図8分図(b))に至るまで給紙角度が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内でその位置が設定される。また、回転軸50aは、フィードロール51とリタードロール50とにより所定の接触面を形成するため、回転軸51aとの距離が等しい位置に設定される。そのため、ガイド溝92は、回転軸50aがこれら範囲及び距離を満たすように形成されている。そして、回転軸50aは、ガイド溝92にガイドされながら腕部91a、つまり、ソレノイド91によりその位置が設定される。そして、長孔91bの長手方向幅は、ガイド溝92にガイドされる回転軸50aの設定位置の範囲に合わせ、その寸法が設定されている。
このソレノイドを適用している給紙装置において、リフトアップ時間からボトムプレートの前端部(図示せず)の設定位置が検出されると、ソレノイド91により当該前端部の設定位置において給紙角度が前記所定範囲内に設定される位置まで回転軸50a、即ち、リタードロール50を移動させるものとなっている。
このように、図5及び図6に示されている何れの給紙装置についても、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数に関係なく、駆動手段、或いは、ソレノイドにより、給紙角度が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内に設定される位置にリタードロール50を設定することが可能であり、その結果として、最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。
図3から図6において給紙角度調節手段としてフィードロール及びリタードロールを備え、従動駆動系及び独立駆動系を適用しているものについて説明したが、本発明ではそれぞれの構成において給紙トレイに収容される記録用紙の残量が多い状態から少ない状態に至るまで給紙角度を良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内に保つように設定されているため、フィードロール、或いは、リタードロールが多少劣化し、その表面の摩擦抵抗が変化することに伴い、フィードロールにより最上位用紙の表面に対し作用される搬送力やリタードロールにより最上位用紙の裏面に対し作用される阻止力が変化しても、搬送性や重送防止に影響を及ぼし難い構成とすることが可能である。
ここまで給紙角度調節手段として従動駆動系を適用している図3、そして、独立駆動系を適用している図5及び図6の各給紙装置については、リタードロールを備えているものを例として説明しているが、分離用部材(分離パッド)を備えている給紙装置についても給紙角度調節手段として従動駆動系及び独立駆動系を適用することができる。例えば、図1の構成における保持部材30を図3及び図5の構成におけるセクターギア60に置き換え、図2の構成におけるガイド溝24を図6の構成におけるガイド溝92として適用すればよい。この場合においても、ボトムプレートの前端部の設定位置が変動しても、給紙角度が所定範囲内に設定されるようにセクターギア及びガイド溝を設計することにより、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数に関係なく分離パッドにより、最上位用紙P1に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することが可能である。
また、図1及び図2の構成において、分離用部材20の代わりにリタードロールを適用することもできる。この場合においては、給紙角度が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内に設定される位置にリタードロールが設定されるように当該リタードロールの回転軸が嵌入される図1の保持部材30の嵌入孔位置と、図2のガイド溝24とを設計することにより、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数に関係なく、最上位用紙に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することができる。
以上説明したように、給紙装置に本発明の給紙角度調節手段を備えることにより、最上位用紙が給紙ロールにより給送された際に、分離用部材(分離パッド)を適用しているものについては、当該分離用部材(分離パッド)を重送防止及び搬送性不良の発生率の目標値を達成させ得る所定範囲内の給紙角度に、そして、リタードロールを適用しているものについては、フィードロールとリタードロールとにより給紙角度が良好な搬送性と重送防止とを確保し得る所定範囲内にそれぞれ設定することができ、最上位用紙に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することが可能である。
また、本発明の給紙装置によると最上位用紙に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することができることから、例えば、画像形成装置に本発明の給紙装置を適用した場合には、最上位用紙先端部の損傷を減らすことが可能となり、それに伴い、画像形成装置内における記録用紙の紙詰まりを減らすこともできる。
更に、図7分図(a)に示されているように、従来の構成による分離用部材として分離パッドを備えている給紙装置においては、給紙トレイに収容される記録用紙の枚数が多い場合、給紙角度が大きく設定され、阻止力が強く作用するため、先端ダメージやミスフィードが発生し易いものとなっていた。しかし、本発明の給紙装置であれば、分離パッド、或いは、リタードロールの何れを適用した場合であっても最上位用紙に対し良好な搬送性と重送防止とを確保することが可能であり、分離パッド、或いは、リタードロールを適用している従来の給紙装置と比べ、給紙トレイに収容できる記録用紙の枚数を増やすことが可能である。
給紙角度調節手段として連結部材を適用している給紙装置を示している図である。 給紙角度調節手段として弾性部材を適用している給紙装置を示している図である。 給紙角度調節手段として従動駆動系を適用している給紙装置を示している図である。 本発明の給紙装置に適用されるリフトアップ機構の斜視図である。 独立駆動系として駆動手段を適用している給紙装置の一部を示している図である。 独立駆動系としてソレノイドを適用している給紙装置の一部を示している図である。 分離用部材として分離パッドを適用している給紙装置における給紙角度を示している図である。 分離用部材としてフィードロール及びリタードロールを適用している給紙装置における給紙角度を示している図である。
符号の説明
1・・・給紙ロール、1a・・・回転軸、10・・・ボトムプレート、11・・・支軸、12・・・前端部、20・・・分離用部材、21・・・分離パッド、22・・・スプリング、23・・・ピン、30・・・保持部材、31・・・連結部材、32・・・ピン、33・・・連結孔、P1・・・最上位用紙

Claims (5)

  1. 記録用紙が収容される給紙トレイと、この給紙トレイに収容された記録用紙をその最上位の記録用紙から順次給送する給紙ロールと、この給紙ロールにより給送された記録用紙の背面側に摺接して記録用紙の重送を防止する分離用部材とからなり、前記給紙トレイの底部には、給紙トレイ内に収容された記録用紙の給紙方向後端側を支点として給紙方向前端側が前記給紙ロールに向けて付勢されており、給紙トレイ内に収容された最上位の記録用紙の給紙方向前縁部を給紙ロールに圧接させるボトムプレートを備えた給紙装置において、
    前記分離用部材には、給紙ロールにより給紙トレイから給送される最上位の記録用紙がこの分離用部材に突入する際の給紙角度を所定の範囲内に維持する給紙角度調節手段を設けたことを特徴とする給紙装置。
  2. 給紙角度調節手段が、給紙トレイのボトムプレートと分離用部材との間を連動連結するリンク機構である請求項1に記載の給紙装置。
  3. 給紙角度調節手段が、給紙トレイのボトムプレートと分離用部材との間を連動連結するスプリング機構である請求項1に記載の給紙装置。
  4. 給紙角度調節手段が、給紙トレイのボトムプレートと分離用部材との間を連動連結するギア機構である請求項1に記載の給紙装置。
  5. 給紙角度調節手段が、分離用部材に設けられ、給紙トレイに収容された記録用紙の残量を検知する用紙残量検知手段により制御されて給紙角度を所定の範囲内に維持する独立駆動手段である請求項1に記載の給紙装置。
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