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JP2007036452A - 高周波モジュール - Google Patents

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JP2007036452A JP2005214359A JP2005214359A JP2007036452A JP 2007036452 A JP2007036452 A JP 2007036452A JP 2005214359 A JP2005214359 A JP 2005214359A JP 2005214359 A JP2005214359 A JP 2005214359A JP 2007036452 A JP2007036452 A JP 2007036452A
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Abstract

【課題】半導体集積回路素子の構造を変更することなく、半導体集積回路素子の端子間のアイソレーション特性を改善でき、良好な特性を有する小型の高周波モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高周波モジュールは、周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系回路又は受信系回路と、アンテナ端子との間に配置される高周波モジュールであって、複数の通信システムに対応して切換え可能な高周波スイッチおよび高周波スイッチの切換えを制御する制御回路が一体となった半導体集積回路素子2と、半導体集積回路素子2の送信用端子に接続され、送信信号の高調波信号を減衰させるフィルタ素子3と、半導体集積回路素子2およびフィルタ素子3を搭載するリードフレーム1とを具備してなり、リードフレーム上に前記フィルタ素子3が搭載され、さらにフィルタ素子3上に半導体集積回路素子2が搭載されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明はアンテナ端子と、周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系回路又は受信系回路との間に配置される高周波モジュールに関し、特にマルチバンド対応移動無線端末機に好適に使用される、高周波モジュールに関するものである。
近年、1台の携帯電話機内に2つ以上の通信システムを搭載するマルチバンド方式を採用した携帯電話機が提案されている。マルチバンド方式の携帯電話機は、地域性や使用目的等に合った通信システムを選択して送受信することができるので、利便性の高い携帯電話機として期待されている。例えば、通信帯域の異なる複数の通信システムとしてGSM(Global System for Mobile communications)方式、DCS(Digital Cellular System)方式の2方式を搭載したデュアルバンド方式の携帯電話機がある。
図9は、一般的なGSM/DCS方式デュアルバンド携帯電話機の高周波送信モジュール(TM)100のブロック図である。
この高周波送信モジュール100は、送受信系回路GSMの送信系回路T、受信系回路Rと、送受信系回路DCSの送信系回路T、受信系回路Rとを備えるとともに、周波数帯域の異なる2つの送受信系回路GSM/DCSを、それぞれの送受信系回路GSM及びDCSに分波し、各送受信系回路GSM、DCSにおいてそれぞれ送信系回路Tと受信系回路Rとの切換えを行う高周波モジュール(ASM)200を備えている。
GSM送信系回路Tは、電力増幅回路(AMP)402で増幅された送信信号を、低域通過フィルタからなる整合回路(MAT)401を通して、高周波モジュール200に供給する。高周波モジュール200に供給された高周波信号は、後に説明するように、半導体集積回路素子、分波回路を経由してアンテナ(ANT)300から高周波信号として送信される。以上の動作は、DCS送信系回路Tについても同様である。
一方、GSM受信系回路Rは、アンテナ300で受信された高周波信号を、高周波モジュール200を介して取り出し、帯域通過フィルタ(BPF)501にて受信帯域近傍の不要信号を除去する。帯域通過フィルタ501を通過した信号は、R側低ノイズ増幅器(ローノイズAMP)502にて増幅され、信号処理系回路に入力される。以上の動作は、DCS受信系回路Rについても同様である。
ところで、今後の市場動向をふまえると、携帯電話端末機を用いた高品質の音声や画像等のデータ伝送が行なわれることが予想され、これらに対応するために、符号分割多重接続方式であるCDMA(Code Division Multiple Access)や、高速データ伝送レートや通信チャネルの多重化を特徴とした次世代通信システムUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)といった大容量データ伝送可能な通信システムの構築が進みつつある。
このように複数の通信システムへ対応するため、1つのモジュールでさらに多くのバンドに対応する必要が生じている。例えばGSM850/GSM900/DCS/PCS(Personal Communication Services)/UMTS等の多バンド方式等への要求が高まっている。
このようにマルチバンド/モード化が進み、1つの高周波モジュールで更に多くのバンド/モードに対応する必要が生じた場合、バンド/モード数に比例した高周波モジュール搭載基板の表層スペースが必要となり大型化する傾向があるが、高周波モジュール200には、小型化の実現も要求されている。
一方、最近は、小型化、低損失化を目指して、高周波モジュール200の内部で送受信切換えを行う手段として、複数の通信システムに対応して切換え可能な高周波スイッチおよび高周波スイッチの切換えを制御する制御回路が一体となった半導体集積回路素子、例えばGaAs(ガリウム砒素)からなる半導体集積回路素子を用いた構成も検討されている。
このような半導体集積回路素子を用いてマルチバンド/モードであるGSM850/GSM900/DCS/PCS/UMTS等の多バンド方式に対応する場合、通常は、図10に示すように、通過帯域のLowバンド側とHighバンド側の送受信系回路を分波する分波回路(DIPX)600と、分波回路600のLowバンド側ローパスフィルタ(LPF)に接続され、例えばGSM850/GSM900の送受信における送信系回路Tと受信系回路Rとの切換えを行う半導体集積回路素子701と、分波回路600のHighバンド側ハイパスフィルタ(HPF)に接続され、例えばDCS/PCS/UMTSの送受信における送信系回路Tと受信系回路RとUMTSとの切換えを行う半導体集積回路素子702とを備えた高周波モジュール204を用意する必要がある。なお、このとき半導体集積回路素子702は、異なる2つのモードであるGSM方式とCDMAまたはUMTS方式に対応するために、良好なリニアリティと耐電力性を満足することが必要である。
また、分波回路を使わないときは、図11に示すように、アンテナ端子に接続され、例えばGSM850/GSM900/DCS/PCS/UMTSのそれぞれの送受信を送信系回路Tと受信系回路Rに切換える半導体集積回路素子703を備えた高周波モジュール205を用意する必要がある。
上述したような高周波モジュールとしては、従来、図12に示すように、リードフレーム41上に、半導体集積回路素子42と、フィルタ素子(LPF)43が横並びに搭載され、半導体集積回路素子42の電極パッド421とリードフレーム41の表面に形成された複数のリード端子411とをボンディングワイヤ44で接続し、表面を樹脂封止するという構造のものが採用されてきた(特許文献1参照)。
特開2004−304581号公報
しかしながら、図12に示す構造では、高周波モジュールのサイズが、半導体集積回路素子2とフィルタ素子3のサイズによって制限され、これ以上小型化することができない。例えば、GSM850/GSM900/DCS/PCS/UMTS対応では、高周波モジュールのサイズは4.5×3.2mm程度になる。
また、マルチバンド/モードに対応する場合には、半導体集積回路素子内に構成されるスイッチング用トランジスタの個数が増えてしまい、更に、低ロス、耐電力性、低歪特性を実現するために、トランジスタサイズが大型化してしまう。
以上のように、従来の高周波モジュールは、その構造上、サイズの小型化が困難であり、マルチバンド/モード対応にともない全体として大型化してしまうという課題があった。
さらに、マルチバンド/モードに対応する場合、半導体集積回路素子内に構成される端子数が増加し、端子間のアイソレーション特性が劣化するという問題があり、この問題を解決するために、図13に示すように、ANT端子からトランジスタTr1を介してa端子に至る経路とANT端子からトランジスタTr3を介してb端子に至る経路とが分岐して設けられている場合に、接地電極を分岐部とトランジスタTr1の間に接続するとともにこの経路にシャントのトランジスタTr2を形成した構成が使用されている。このものは、ANT端子からa端子に至る経路のトランジスタTr1がオフの状態でANT端子からb端子に至る経路のトランジスタTr3がオンの状態のときは、トランジスタTr2がオンとなり、端子bから端子aへのアイソレーション特性を向上させている。また、トランジスタTr1がオンの状態でトランジスタTr3がオフの状態のときは、トランジスタTr2がオフとなり、端子aから端子bへのアイソレーション特性を向上させている。
しかし、アイソレーション特性は接地電極の電位の影響を受けてしまう。一般に半導体集積回路素子の下面には接地電極が形成されており、従来のように、リードフレームに半導体集積回路素子を直接搭載する構成の場合、接地電極の電位を修正することができないから、アイソレーション特性を改善するためには、半導体集積回路素子の構造を変更する必要がある。そうすると、新規に半導体集積回路素子を作製する期間やコストがかかってしまうという課題がある。
本発明は、半導体集積回路素子の構造を変更することなく、半導体集積回路素子の端子間のアイソレーション特性を改善でき、良好な特性を有する小型の高周波モジュールを提供することを目的とする。
本発明の高周波モジュールは、周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系回路又は受信系回路と、アンテナ端子との間に配置される高周波モジュールであって、前記複数の通信システムに対応して切換え可能な高周波スイッチおよび該高周波スイッチの切換えを制御する制御回路が一体となった半導体集積回路素子と、該半導体集積回路素子の送信用端子に接続され、送信信号の高調波信号を減衰させるフィルタ素子と、前記半導体集積回路素子および前記フィルタ素子を搭載するリードフレームとを具備してなり、前記リードフレーム上に前記フィルタ素子が搭載され、さらに該フィルタ素子上に前記半導体集積回路素子が搭載されていることを特徴とするものである。
このように、フィルタ素子上に半導体集積回路素子を搭載することにより、高周波モジュールのサイズを小型化できる。さらに、フィルタ素子表面の接地電極の電位を最適化することで、高周波半導体集積回路素子の端子間のアイソレーション特性を改善することができる。
ここで、本発明の高周波モジュールには、前記アンテナ端子に印加された過渡的な高電圧サージを減衰するための回路素子が、前記アンテナ端子から前記半導体集積回路素子に至るまでの経路に配置されるように、前記リードフレーム上に前記フィルタ素子とともに並設されているのが好ましい。
このように、高電圧サージ減衰用のフィルタ素子を備えることで、高電圧サージによる高周波半導体集積回路素子の破壊を防止できる。
本発明によれば、半導体集積回路素子の構造を変更することなく、半導体集積回路素子の端子間のアイソレーション特性を改善でき、良好な特性を有する小型の高周波モジュールが得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の高周波モジュールは、アンテナ端子側に接続される端子数が1、他方の端子数がM(Mは2以上の整数)の高周波スイッチを使用することを前提としている。以下、5つの通信システムに対応した例について説明する。
図1は、本発明のマルチバンド対応携帯電話端末機の高周波モジュールの一例を説明するためのブロック図であり、図中の点線で囲まれる領域が高周波モジュールを示している。
図1に示す高周波モジュール201は、1つの共通のアンテナ端子ANTに接続され、GSM850(850MHz帯)、GSM900(900MHz帯)、DCS(1800MHz帯)、PCS(1900MHz帯)、UMTS(2100MHz帯)の5つの通信システムを切り換えるモジュールである。
この高周波モジュール201は、GSM850/900−T、GSM850−R、GSM900−R、DCS/PCS−T、DCS−R、PCS−R、UMTS−T/Rを切り換える高周波スイッチとしての機能を有する半導体集積回路素子2を備えている。そして、半導体集積回路素子2は、スイッチの切換え状態を制御する制御回路を備えている。
また、GSM850/900−Tと半導体集積回路素子2との経路中に送信信号の高調波成分を減衰させる低域通過フィルタLPF1と、DCS/PCS−Tと半導体集積回路素子2の経路中に送信信号の高調波成分を減衰させる低域通過フィルタLPF2とが接続されている。これらの低域通過フィルタLPF1、LPF2は、送信用パワーアンプ(図示せず)から発生する高調波を除去することを目的に配置されたローパスフィルタである。
半導体集積回路素子2の送信系端子GSM850/900−T、DCS/PCS−Tにはパワーアンプ(図示せず)が接続され、受信系端子GSM850−R、GSM900−R、DCS−R、PCS−Rにはローノイズアンプ(図示せず)が、UMTS−T/Rにはデュプレクサ(図示せず)が接続されている。
一方、図2(a)は、スイッチングトランジスタQ1〜Q4(総称するときはQで表す)を含む半導体集積回路素子の模式的な回路であり、図2(b)は、スイッチングトランジスタQの特性図である。図2(b)の横軸はゲート−ソース間電圧Vgs、縦軸はドレイン電流Idを表す。スイッチングトランジスタQは、ゲート−ソース間電圧Vgsを負にすることによってオフにできる、いわゆるデプレッション型といわれるタイプである。なお、半導体集積回路素子21は図1に示す半導体集積回路素子2における最低限必要な部分のみを取りだして単純化したものである。
以上の特性を有する半導体集積回路素子21の動作について説明する。
ANT端子とT1端子の経路がオンの場合、制御電圧V1をHigh(2.8V)、制御電圧V2〜V4をLow(0.2V)にすることで、トランジスタQ1が導通状態、トランジスタQ2〜Q4が非導通状態となり、当該経路がオンとなる。ANT端子とT2端子の経路、ANT端子とR1端子の経路、ANT端子とR2端子の経路をオンにするときも同様に、当該経路のトランジスタを制御する電圧をHigh、その他のトランジスタを制御する電圧をLowとすることで、当該経路をオンとすることができる。
次に、本発明の高周波モジュールの構造について説明する。
図3は図1の回路により構成される高周波モジュール201の構造図であり、図4は図3に示すリードフレームの平面図である。
図4に示すように、リードフレーム1は、樹脂製材料からなるリードフレーム本体12と、リードフレーム本体12表面の略中央部に形成された接地電極パッド11および周縁部に形成された複数のリード端子10で構成される。点線Aで囲われた領域には、フィルタ素子(LPF)3が搭載される。
そして、図3に示すように、リードフレーム1の略中央部に位置する接地電極パッド11には、フィルタ素子3が搭載され、両者は、金属ペースト、半田ペースト等の導電性結合材により、電気的な接続がなされる。フィルタ素子3の下面には、リードフレーム1のリード端子10、接地電極パッド11の形状に対応したランドグリッドアレイ端子(LGA端子)が形成されている。このLGA端子は、半導体集積回路素子2との接続用端子、外部部品に接続するためのリード端子との接続用端子、接地電極用端子から構成されている。
このフィルタ素子3は、図5に示すように、誘電体層と導体層とが積層された誘電体多層基板Bによって構成されており、図1に示すように、半導体集積回路素子2とGSM850/900−T端子間に挿入される低域通過フィルタLPF1と、同じく半導体集積回路素子2とDCS/PCS−T端子間に挿入される低域通過フィルタLPF2が内層されている。
誘電体多層基板Bは、同一寸法形状の誘電体層51〜57が積層されたもので、各誘電体層51〜57間には、低域通過フィルタLPF1、LPF2を構成するパターンからなる導体層61が形成されている。このような誘電体層51〜57は、例えば、低温焼成用のセラミックスで形成され、導体層61は、銅や銀などの低抵抗導体によって形成される。
また、各誘電体層51〜57には複数の層にわたって回路を構成し又は接続するために必要なビアホール導体(図示せず)が適宜形成されている。さらに、フィルタ素子3の上面には、半導体集積回路素子2を搭載するための接地電極パターン62が形成されており、複数のビアホール導体(図示せず)で下面の接地電極端子と接続されている。これらは、周知の多層セラミック技術によって形成されるもので、例えば、セラミックグリーンシートの表面に導電ペーストを塗布して上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、これらのグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し、焼成して形成される。
そして、図3に示すように、半導体集積回路素子2が接地電極パターン62上に搭載される。この半導体集積回路素子2は、GaAs(ガリウム砒素)化合物、Si(シリコン)又はAl(サファイア)を主成分とする基板上に、p−HEMTなどの半導体素子を搭載して、これらの半導体素子を利用したスイッチング回路パターンおよび制御回路を形成したものである。
半導体集積回路素子2の下面には接地用電極が形成されており(図示せず)、この接地用電極とフィルタ素子3上面の接地電極パターン62とは、AgまたはAuSnに接着剤を混ぜた導電性接着剤、または有機樹脂系の非導電性の接着剤により、電気的接続がなされている。また、半導体集積回路素子2の上面には電極パッド20が形成され、電極パッド20とリード端子10とはボンディングワイヤ30により電気的に接続されている。そして、このリード端子10は高周波モジュールの外部の部品と接続される。
上記のように構成された後、これらの表面をエポキシ樹脂などの封止樹脂により封止して高周波モジュールが完成する。
このように、フィルタ素子の上に半導体集積回路素子が搭載される構造であることにより、以下の効果を奏する。
フィルタ素子3の上面に形成された接地電極パターン62の電位は、接地電極パターン62と下面の接地電極端子とを繋ぐビアホール導体の数などを変更することで、変化させることができる。接地電極パターン62の電位は、半導体集積回路素子2の端子間のアイソレーション特性に影響を与えるため、フィルタ素子3の上面の接地電極パターン62の電位を最適化することで、半導体集積回路素子2の端子間のアイソレーション特性を最適化することができる。すなわち、半導体集積回路素子2の構造を変更することなく、コスト的に有利なフィルタ素子3の構造を変更することで、電位の調整ができる。
図6に、本発明の高周波モジュールの第2の実施例の回路図を示す。
図6に示す高周波モジュール202においては、GSM850/900−Tの経路において、半導体集積回路素子2と低域通過フィルタLPF1との間に、位相調整線路SL1が挿入されている。同様に、DCS/PCS−TXの経路においても、半導体集積回路素子2と低域通過フィルタLPF2との間に、位相調整線路SL2が挿入されている。
このような位相調整線路の挿入によれば、電力増幅回路(図示せず)から送信された信号が高周波モジュール202のT経路に入力される際に、半導体集積回路素子2の非線形性により発生してしまう不要高調波成分を、抑制することができる。
なお、位相調整線路SL1、SL2は、分布定数線路で形成するときは、フィルタ素子3に内層されるが、半導体集積回路素子2とフィルタ素子3とを接続するワイヤの長さを調整することにより形成してもよい。
ここで、図7に位相調整による不要高調波成分の変化のグラフを示す。
図7のグラフは、GSM900−Tモード時の、基本周波数900MHzの2倍周波数(1800MHz)及び3倍周波数(2700MHz)の不要高調波成分を示している。横軸に、半導体集積回路素子2から位相調整線路SL1側をみたインピーダンスの位相を表している。縦軸に、不要高調波成分の電力量と基本周波数信号の電力量との差を表しており、数値が大きいほど、不要高調波成分が少なく良好な特性であることを示している。
図7のグラフより、2倍周波数の場合、80°〜180°、−120°〜−180°の範囲にインピーダンスの位相を調整することで、不要高調波成分が70dBc以上となり、良好な特性を得ることができる。3倍周波数の場合、−120°〜−180°の範囲にインピーダンスの位相を調整することで、不要高調波成分が70dBc以上となり、良好な特性を得ることができる。
上記のように、半導体集積回路素子2からフィルタ素子3側をみたインピーダンスの位相を、位相調整線路により最適化することで、半導体集積回路素子2から発生する不要高調波成分を抑制できる。
図8に、本発明の高周波モジュールの第3の実施例の構造図を示す。
図8に示す高周波モジュール203においては、リードフレーム1の中央部に位置する接地電極パッド11に電気的接続されるように、リードフレーム1上にフィルタ素子3が搭載され、フィルタ素子3上面の接地電極上に、半導体集積回路素子2が搭載され、半導体集積回路素子2上面の電極パッド20とリード端子10がボンディングワイヤ30により接続された構成であって、さらに高周波モジュール203のアンテナ端子から半導体集積回路素子2に至るまでの経路に配置されるように、高電圧サージ減衰用回路素子70がリードフレーム1上にフィルタ素子3とともに並設されている。
高電圧サージ減衰用回路素子70は、一端を高周波モジュール203のアンテナ端子に繋がるリード端子12に接続され、他端を接地電極パッド11に接続されている。例えば、高電圧サージ減衰用回路素子70は、インダクタ素子、または、インダクタ素子とバリスタ素子の並列回路で構成される。
一般的に、高電圧サージ対策を施していない半導体集積回路素子は、アンテナ端子に0.1kV程度の電圧が印加されることで破壊される。電子部品の高電圧サージに関する規格では、通常、コンタクトモードで4kVの高電圧を印加しても、破壊されないことが必要であり、このように、高電圧サージ減衰用の回路素子を備えることで、高電圧サージによる高周波半導体集積回路素子の破壊を防止できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、例えば、GSM850/900−T端子とDCS/PCS−T端子とに接続される電力増幅回路、自動電力制御回路、SAWフィルタ等の帯域通過フィルタなどが、本実施例に示す高周波モジュールの内部に一体化されて搭載されてもよい。
また、UMTS端子に接続されるデュプレクサ、電力増幅回路、自動電力制御回路、SAWフィルタ等の帯域通過フィルタなどが、本実施例に示す高周波モジュールの内部に一体化されて搭載されてもよい。さらに、GSM850−R端子、GSM900−R端子、DCS−R端子、PCS−R端子に接続されるSAWフィルタ等の帯域通過フィルタが、本実施例に示す高周波モジュールの内部に一体化されて搭載されてもよい。
本発明の高周波モジュールの一例を示す回路ブロック図である。 (a)は本発明の半導体集積回路素子の模式的回路図、(b)は半導体集積回路素子を構成するトランジスタの基本動作を示すグラフである。 本発明の高周波モジュールの一例を示す構造図である。 図3に示すリードフレーム1の構造図である。 図3に示すフィルタ素子3の内部構造を示す一部切欠斜視図である。 本発明の高周波モジュールの第2の実施の形態を示す回路図である。 本発明の高周波モジュールの第2の実施の形態に係る、半導体集積回路素子からフィルタ素子側をみたインピーダンスの位相の変化による不要高調波成分の変化を示すグラフである。 本発明の高周波モジュールの第3の実施の形態を示す構造図である。 GSM/DCS方式のデュアルバンド方式の携帯電話端末機の高周波送信モジュール(TM)100を示すブロック図である。 従来の高周波モジュールを示すブロック図である。 従来の高周波モジュールを示すブロック図である。 従来の高周波モジュールを示す構造図である。 従来の半導体集積回路素子の模式的回路図である。
符号の説明
1・・・・・リードフレーム
10・・・・リード端子
11・・・・接地電極パッド
12・・・・リードフレーム本体
2、21・・半導体集積回路素子
20・・・・電極パッド
3・・・・・フィルタ素子
201、202、203・・高周波モジュール
30・・・・ボンディングワイヤ
LPF1、LPF2・・低域通過フィルタ
SL1、SL2・・位相調整線路
51、52、53、54、55、56、57・・誘電体層
61・・・・導体パターン
62・・・・接地電極パターン
70・・・・高電圧サージ減衰用回路素子
A・・・・・フィルタ素子搭載領域
B・・・・・誘電体多層基板

Claims (2)

  1. 周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系回路又は受信系回路と、アンテナ端子との間に配置される高周波モジュールであって、
    前記複数の通信システムに対応して切換え可能な高周波スイッチおよび該高周波スイッチの切換えを制御する制御回路が一体となった半導体集積回路素子と、
    該半導体集積回路素子の送信用端子に接続され、送信信号の高調波信号を減衰させるフィルタ素子と、
    前記半導体集積回路素子および前記フィルタ素子を搭載するリードフレームとを具備してなり、
    前記リードフレーム上に前記フィルタ素子が搭載され、さらに該フィルタ素子上に前記半導体集積回路素子が搭載されていることを特徴とする高周波モジュール。
  2. 前記アンテナ端子に印加された過渡的な高電圧サージを減衰するための回路素子が、前記アンテナ端子から前記半導体集積回路素子に至るまでの経路に配置されるように、前記リードフレーム上に前記フィルタ素子とともに並設されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール。
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