JP2007020388A - 電圧変換回路およびスイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】応答性と低損失を両立させた電圧変換回路およびスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】交流電圧を直流電圧に変換する主電圧変換部(回路ブロック12)と、過渡期間中の交流電圧を直流電圧に変換して出力可能な補助電圧変換部(D1およびC1)と、補助電圧変換部から出力される直流電圧の電圧制限部(定電圧ダイオードD2)と、補助電圧変換部と出力ノード108との間の経路に接続され、出力ノード108の電圧と制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧が出力可能に経路を導通または非導通にする出力制御スイッチ(トランジスタQ1)とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】交流電圧を直流電圧に変換する主電圧変換部(回路ブロック12)と、過渡期間中の交流電圧を直流電圧に変換して出力可能な補助電圧変換部(D1およびC1)と、補助電圧変換部から出力される直流電圧の電圧制限部(定電圧ダイオードD2)と、補助電圧変換部と出力ノード108との間の経路に接続され、出力ノード108の電圧と制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧が出力可能に経路を導通または非導通にする出力制御スイッチ(トランジスタQ1)とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、交流電圧を直流電圧に変換する技術に関し、特に、スイッチング電源装置に組み込まれ、変圧器の2次巻線に励起される電気信号に基づいて、所望の電源電圧を発生する技術に関する。
スイッチング電源装置では、スイッチング素子を動作させるための駆動回路、制御回路に供給する補助電源回路が設けられる場合がある。この補助電源回路の一例を、図1に関連付けて説明する。
図1は、一例として、関連技術のフォワード型のスイッチング電源装置の回路構成を示す図である。図1では、フォワード型のスイッチング電源装置の基本的な構成に加えて、変圧器T1の2次側にある整流回路を駆動するための制御回路(図示しない)に供給する電源電圧を発生する補助電源回路が示されている。
図1は、一例として、関連技術のフォワード型のスイッチング電源装置の回路構成を示す図である。図1では、フォワード型のスイッチング電源装置の基本的な構成に加えて、変圧器T1の2次側にある整流回路を駆動するための制御回路(図示しない)に供給する電源電圧を発生する補助電源回路が示されている。
図1に示す補助電源回路は、ダイオードD100、キャパシタC200,C300、トランジスタQ100、抵抗R100を含み、トランジスタQ100のエミッタから目標となる電源電圧Vccを発生する。
図1の補助電源回路では、スイッチ素子M300の制御により、入力電圧VIをピーク電圧とするPWM信号が変圧器T1に与えられる。
通常、スイッチング電源装置では、電源起動時における負荷のストレスを軽減するために、規定値に達するまで徐々に出力電圧を上昇させる、ソフトスタートを行う。このソフトスタートでは、変圧器T1に与えられるPWM信号は、スイッチ素子M300の導通時間を徐々に長くする、すなわち、デューティ比を徐々に大きくしていくようにする。
図1の補助電源回路では、スイッチ素子M300の制御により、入力電圧VIをピーク電圧とするPWM信号が変圧器T1に与えられる。
通常、スイッチング電源装置では、電源起動時における負荷のストレスを軽減するために、規定値に達するまで徐々に出力電圧を上昇させる、ソフトスタートを行う。このソフトスタートでは、変圧器T1に与えられるPWM信号は、スイッチ素子M300の導通時間を徐々に長くする、すなわち、デューティ比を徐々に大きくしていくようにする。
図1の補助電源回路では、変圧器T1の2次巻線の一端の電圧Vsが正の場合に、ダイオードD100を通して、トランジスタQ100にベース電流が供給されてトランジスタQ100がオンし、所望の電源電圧VccがキャパシタC300の両端に発生する。
図1に示す補助電源回路では、変圧器T1の2次巻線の一端の電圧Vsが正になると、素早くトランジスタQ100をオンするので、電源電圧Vccの応答は速いため、電源電圧Vccの遅れによる出力電圧VOのオーバーシュートを改善することができる。
しかしながら、電源電圧が規定値に達した後では、トランジスタQ100による電力の損失が大きく、スイッチング電源装置において、効率が高い補助電源回路を構成することができないという不利益がある。
しかしながら、電源電圧が規定値に達した後では、トランジスタQ100による電力の損失が大きく、スイッチング電源装置において、効率が高い補助電源回路を構成することができないという不利益がある。
本発明が解決しようとする課題は、入力が安定するまでの過渡期間でも直流出力が得られる良好な応答性の向上と低損失とを両立する電圧変換回路とスイッチング電源装置とを提供することである。
本発明に係る電圧変換回路は、入力する交流電圧を直流電圧に変換し出力端子から出力する主電圧変換部と、前記交流電圧を入力し、定常状態に推移するまでの過渡期間中に前記交流電圧を直流電圧に変換して前記出力端子に出力可能な補助電圧変換部と、前記補助電圧変換部から出力される前記直流電圧を一定の制限電圧に制限する電圧制限部と、前記補助電圧変換部の出力と前記出力端子との間の経路に接続され、前記出力端子の電圧と前記制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧を前記出力端子に印加可能に前記経路を導通または非導通にする出力制御スイッチとを有する。
本発明に係るスイッチング電源装置は、入力電圧をスイッチングし、パルス幅変調信号を発生するスイッチング回路と、2次巻線を備え、前記パルス幅変調信号を入力する変圧器と、複数のスイッチ素子を含み、前記2次巻線に励起する電圧を整流する整流回路と、前記整流回路の出力電圧に基づいて前記複数のスイッチ素子の導通状態を切り換えて同期整流を制御する制御回路と、前記制御回路に供給する電源電圧を発生する電源電圧発生回路とを備え、前記電源電圧発生回路は、前記変圧器の2次側に励起する交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を、前記制御回路に接続される出力端子に出力する主電圧変換部と、前記交流電圧を入力し、定常状態に推移するまでの遷移期間中の交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を前記出力端子に出力可能な補助電圧変換部と、前記補助電圧変換部から出力される前記直流電圧を一定の制限電圧に制限する電圧制限部と、前記補助電圧変換部の出力と前記出力端子との間の経路に接続され、前記出力端子の電圧と前記制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧を前記出力端子に印加可能に前記経路を導通または非導通にする出力制御スイッチとを有する。
本発明では好適に、前記スイッチング回路は、動作開始時に、前記パルス幅変調信号のデューティ比を、当該デューティ比が一定な安定状態に達するまでリニアに増加するソフトスタート制御を行う。
本発明では好適に、前記スイッチング回路は、動作開始時に、前記パルス幅変調信号のデューティ比を、当該デューティ比が一定な安定状態に達するまでリニアに増加するソフトスタート制御を行う。
なお、本発明において、「前記変圧器の2次側に励起する交流電圧」は、2次巻線の一端のみならず、たとえば2次側に設けられた制御巻線、補助巻線の一端などから入力可能である。
本発明によれば、入力交流電圧または電源電圧の応答性と低損失を両立させることが可能となる。
以下、本発明に係る電圧変換回路を有するスイッチング電源装置の一実施形態について、添付図面に関連付けて説明する。
<第1の実施の形態>
図2は、本発明の一実施形態に係るスイッチング電源装置1のシステム構成図である。
本実施形態では、一例として、フォワード型のスイッチング電源装置1について説明する。
フォワード型のスイッチング電源装置1では、変圧器T1の1次側に入力電圧VIが与えられる。そして、変圧器T1には、NMOSトランジスタM3のスイッチ動作によって、入力電圧VIをピーク電圧とするPWM信号が与えられる。PWM信号は、変圧器T1によって同極性で2次側に伝達される。
変圧器T1の2次側には、コイルL2が2次巻線の一端とノード120(出力端子)間に接続され、ノード120(出力端子)とノード121(グランド端子)間にキャパシタC3が接続され、チョークインプット型の平滑回路を構成する。また、整流回路は、オン時に整流するNMOSトランジスタM2と、NMOSトランジスタM2のオフ時にチョーク(コイルL2)から放出されるエネルギーを流すためのNMOSトランジスタM1とから構成される。
図2は、本発明の一実施形態に係るスイッチング電源装置1のシステム構成図である。
本実施形態では、一例として、フォワード型のスイッチング電源装置1について説明する。
フォワード型のスイッチング電源装置1では、変圧器T1の1次側に入力電圧VIが与えられる。そして、変圧器T1には、NMOSトランジスタM3のスイッチ動作によって、入力電圧VIをピーク電圧とするPWM信号が与えられる。PWM信号は、変圧器T1によって同極性で2次側に伝達される。
変圧器T1の2次側には、コイルL2が2次巻線の一端とノード120(出力端子)間に接続され、ノード120(出力端子)とノード121(グランド端子)間にキャパシタC3が接続され、チョークインプット型の平滑回路を構成する。また、整流回路は、オン時に整流するNMOSトランジスタM2と、NMOSトランジスタM2のオフ時にチョーク(コイルL2)から放出されるエネルギーを流すためのNMOSトランジスタM1とから構成される。
2次側制御回路30は、出力電圧VOをモニタし、出力電圧VOが所望の値となるように、制御信号CTRL1,CTRL2によって、NMOSトランジスタM1,M2の導通状態を制御する。
出力電圧VOは、2次側制御回路30を介して、たとえばフォトカプラなどによって絶縁して1次側制御回路20へ伝達される。1次側制御回路20では、出力電圧VOが所望の値となるように、制御信号CTRL3によって、NMOSトランジスタM3の導通状態を制御する。すなわち、変圧器T1に与えられるPWM信号のデューティ比が制御される。
出力電圧VOは、2次側制御回路30を介して、たとえばフォトカプラなどによって絶縁して1次側制御回路20へ伝達される。1次側制御回路20では、出力電圧VOが所望の値となるように、制御信号CTRL3によって、NMOSトランジスタM3の導通状態を制御する。すなわち、変圧器T1に与えられるPWM信号のデューティ比が制御される。
変圧器T1には、補助巻線AWが設けられる。変圧器T1の1次側で生成されたPWM信号による電力は、この補助巻線AWを介して、補助電源回路10で伝達される。補助電源回路10では、この電力に基づいて、2次側制御回路30に供給する電源電圧Vccを生成する。
この補助電源回路10が、本発明の電圧変換回路または電源電圧発生回路に相当する。
この補助電源回路10が、本発明の電圧変換回路または電源電圧発生回路に相当する。
次に、補助電源回路10の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
図3は、補助電源回路10の回路構成の一例を示す図である。
図3は、補助電源回路10の回路構成の一例を示す図である。
通常、スイッチング電源装置では、電源起動時における負荷のストレスを軽減するために、規定値に達するまで徐々に出力電圧を上昇させる、ソフトスタートを行う。このソフトスタートでは、変圧器T1に与えられるPWM信号は、スイッチ素子M3の導通時間を徐々に長くする、すなわち、デューティ比を徐々に大きくしていくようにする。
本実施形態において、補助電源回路10は、図3に示すように、回路ブロック11と回路ブロック12とが、ノード100(補助巻線AWの一端)とノード108(補助電源回路10の出力端子)間に並列に接続される。
回路ブロック11は、電源電圧が規定値Vccに達するまでの過渡期間において応答性が高いリニアモード用回路であり、回路ブロック12は、電源電圧が規定値Vccに達した後の期間において効率が高いスイッチングモード用回路となっている。
本実施形態において、補助電源回路10は、図3に示すように、回路ブロック11と回路ブロック12とが、ノード100(補助巻線AWの一端)とノード108(補助電源回路10の出力端子)間に並列に接続される。
回路ブロック11は、電源電圧が規定値Vccに達するまでの過渡期間において応答性が高いリニアモード用回路であり、回路ブロック12は、電源電圧が規定値Vccに達した後の期間において効率が高いスイッチングモード用回路となっている。
以下、回路ブロック11,12の回路構成について説明する。
回路ブロック11は、トランジスタQ1、ダイオードD1,D2、抵抗R1、キャパシタC1を含んで構成される。
ダイオードD1は、アノードがノード100に接続され、カソードがノード101に接続される。ダイオードD1は、補助巻線AWの一端であるノード100の電圧Vsに所定の正電圧が発生したときにオンし、その電圧VsをキャパシタC1やトランジスタQ1のコレクタ等に伝達する。
キャパシタC1は、ノード101〜ノード102(グランド端子)間に接続される。キャパシタC1は、電圧Vsが正電圧であるときに充電され、電圧Vsが0のときにその充電電圧を保持する。
抵抗R1は、ノード103〜ノード104間に接続され、トランジスタQ1にベース電流を供給する。
ダイオードD2は、ノード104〜ノード105(グランド端子)間に接続される。ダイオードD2は、ツェナダイオード(定電圧ダイオード)であり、回路ブロック11の出力電圧、すなわち、トランジスタQ1のエミッタ電圧を所定レベルにクランプするために設けられている。なお、ダイオードD2の降伏電圧は、(目標電源電圧VTAR−トランジスタQ1の順方向電圧VBE)よりも少し小さい値に設定される。
以上の構成によって、回路ブロック11は、入力電圧Vsに対してリニアに出力電圧を発生することから、リニアモードとして機能する。
ダイオードD1は、アノードがノード100に接続され、カソードがノード101に接続される。ダイオードD1は、補助巻線AWの一端であるノード100の電圧Vsに所定の正電圧が発生したときにオンし、その電圧VsをキャパシタC1やトランジスタQ1のコレクタ等に伝達する。
キャパシタC1は、ノード101〜ノード102(グランド端子)間に接続される。キャパシタC1は、電圧Vsが正電圧であるときに充電され、電圧Vsが0のときにその充電電圧を保持する。
抵抗R1は、ノード103〜ノード104間に接続され、トランジスタQ1にベース電流を供給する。
ダイオードD2は、ノード104〜ノード105(グランド端子)間に接続される。ダイオードD2は、ツェナダイオード(定電圧ダイオード)であり、回路ブロック11の出力電圧、すなわち、トランジスタQ1のエミッタ電圧を所定レベルにクランプするために設けられている。なお、ダイオードD2の降伏電圧は、(目標電源電圧VTAR−トランジスタQ1の順方向電圧VBE)よりも少し小さい値に設定される。
以上の構成によって、回路ブロック11は、入力電圧Vsに対してリニアに出力電圧を発生することから、リニアモードとして機能する。
回路ブロック12は、コイルL1、キャパシタC2、ダイオードD3,D4を含んで構成される。
ダイオードD3は、アノードがノード100(補助巻線AWの一端)に接続され、カソードがノード106に接続される。ダイオードD3は、電圧Vsが正電圧であるときにオンし、補助巻線AWに生じた電圧を整流する。
コイルL1は、ノード106〜ノード108(電源電圧出力端子)間に接続され、キャパシタC2は、ノード108〜ノード109(グランド端子)間に接続される。
コイルL1とキャパシタC2は、平滑回路を構成する。これによって、ダイオードD3で整流された電圧および電流のリップルが低減されて、電源電圧出力がノード108に生ずる。ただし、電圧Vsに対する出力応答は、回路ブロック11と比較すると遅い。
ダイオードD4は、ノード106〜ノード107(グランド端子)間に接続されて、還流ダイオードとして機能する。すなわち、電圧Vsが0である期間に、コイルL1に蓄えられていたエネルギーを放出させる。
以上の構成によって、回路ブロック12は、変圧器T1の1次側のスイッチングに応じて動作することから、スイッチングモードとして機能する。
ダイオードD3は、アノードがノード100(補助巻線AWの一端)に接続され、カソードがノード106に接続される。ダイオードD3は、電圧Vsが正電圧であるときにオンし、補助巻線AWに生じた電圧を整流する。
コイルL1は、ノード106〜ノード108(電源電圧出力端子)間に接続され、キャパシタC2は、ノード108〜ノード109(グランド端子)間に接続される。
コイルL1とキャパシタC2は、平滑回路を構成する。これによって、ダイオードD3で整流された電圧および電流のリップルが低減されて、電源電圧出力がノード108に生ずる。ただし、電圧Vsに対する出力応答は、回路ブロック11と比較すると遅い。
ダイオードD4は、ノード106〜ノード107(グランド端子)間に接続されて、還流ダイオードとして機能する。すなわち、電圧Vsが0である期間に、コイルL1に蓄えられていたエネルギーを放出させる。
以上の構成によって、回路ブロック12は、変圧器T1の1次側のスイッチングに応じて動作することから、スイッチングモードとして機能する。
図3に示す補助電源回路10では、回路ブロック11と回路ブロック12とがノード100(補助巻線AWの一端)〜ノード108(電源電圧出力端子)間に並列に接続されるが、補助電源回路10の動作開始時には、先ず、回路ブロック11により生成された電圧が出力され、その後、出力電圧Vccが目標電源電圧VTARに達するまでの間に、回路ブロック12により生成された電圧が出力するように、回路ブロック11の出力経路の導通状態が切り替わる。すなわち、動作開始時には、先ずリニアモードとして動作し、その後、スイッチングモードに切り替わる。
この切り替わり動作について、以下説明する。
この切り替わり動作について、以下説明する。
ソフトスタートでは、電源起動時に変圧器T1の1次側で生成されるPWM信号が開始された直後のデューティ比が小さく、コイルL1およびキャパシタC2の遅延動作によって、回路ブロック12は、出力の立ち上がりが遅い。一方、回路ブロック11では、小さなデューティ比に関わらず、PWM信号のピーク電圧に応じて生ずる電圧Vsの1発目の立ち上がりによって、ダイオードD1およびトランジスタQ1が素早くオンし、出力の立ち上がりが早い。したがって、ソフトスタートによる起動直後は、ノード108に観測される電源電圧出力Vccは、回路ブロック11によって生成される。
その後、デューティ比が増加して、回路ブロック12によって生成される出力(コイルL1の出力)が徐々に上昇する。一方、回路ブロック11の出力(トランジスタQ1のエミッタ電圧)は、ツェナダイオードD2の降伏電圧が、(目標電源電圧VTAR−トランジスタQ1の順方向電圧VBE)よりも少し小さい値に設定されているので、目標電源電圧VTARを出力することはできない。そして、回路ブロック12により生成される出力が目標電源電圧VTARに達する前に、トランジスタQ1がVBE<0.7Vとなってオフし、それ以降、回路ブロック11は出力することができない。
したがって、ノード108に目標電源電圧VTARが観測される前に出力経路の導通状態が切り替えられる。そして、ノード108に目標電源電圧VTARが発生した後は、専ら回路ブロック12によって電源電圧が発生することになる。
このようにして、リニアモードからスイッチングモードへの切り替えが行われる。
したがって、ノード108に目標電源電圧VTARが観測される前に出力経路の導通状態が切り替えられる。そして、ノード108に目標電源電圧VTARが発生した後は、専ら回路ブロック12によって電源電圧が発生することになる。
このようにして、リニアモードからスイッチングモードへの切り替えが行われる。
次に、補助電源回路10の起動時の動作について、図4のタイミングチャートを参照して説明する。図4において、(a)は補助巻線AWの電圧Vs、(b)は回路ブロック11のキャパシタC1の充電電圧VC1、(c)は仮に回路ブロック11がないとしたときの回路ブロック12の出力電圧VSW、(d)は補助電源回路10の出力電圧Vcc、の波形である。
図4(a)に示すように、ソフトスタートでは、電源起動時に変圧器T1の1次側で生成されるPWM信号が開始された直後のデューティ比が小さく、電圧Vsがピーク電圧Vpeakである期間が次第に増加していく。
回路ブロック11では、電圧Vsの1発目のパルスは、ダイオードD1を経由して、キャパシタC1を素早く充電し、図4(b)に示すように、キャパシタC1の充電電圧VC1は、すぐに(Vpeak−VF)(VF:ダイオードD1の順方向電圧)となる。また、電圧Vsの1発目のパルスによって、抵抗R1を介してトランジスタQ1にベース電流が供給されてトランジスタQ1が素早くオンし、図4(d)に示すように、ノード108における出力電圧Vccは、(Vz−VBE)(Vz:ダイオードD2の降伏電圧)となる。
このように、電源起動直後は、リニアモードでの出力となっている。
回路ブロック11では、電圧Vsの1発目のパルスは、ダイオードD1を経由して、キャパシタC1を素早く充電し、図4(b)に示すように、キャパシタC1の充電電圧VC1は、すぐに(Vpeak−VF)(VF:ダイオードD1の順方向電圧)となる。また、電圧Vsの1発目のパルスによって、抵抗R1を介してトランジスタQ1にベース電流が供給されてトランジスタQ1が素早くオンし、図4(d)に示すように、ノード108における出力電圧Vccは、(Vz−VBE)(Vz:ダイオードD2の降伏電圧)となる。
このように、電源起動直後は、リニアモードでの出力となっている。
ソフトスタートの開始直後は、仮に回路ブロック11がないと仮定すると、コイルL1およびキャパシタC2の遅延動作によって、回路ブロック12の出力の立ち上がりは、図4(c)に見られるように、非常に遅くなる。
そして、電圧Vsのデューティ比が増加するにつれて、回路ブロック12によって生成される出力(コイルL1の出力)が徐々に上昇する。一方、回路ブロック11の出力(トランジスタQ1のエミッタ電圧)は、ツェナダイオードD2の降伏電圧Vzが、(目標電源電圧VTAR−トランジスタQ1の順方向電圧VBE)よりも少し小さい値に設定されているので、目標電源電圧VTARを出力することはできない。
そして、図4の時刻t1では、回路ブロック12により生成される出力電圧が(Vz−VBE)と一致する。時刻t1でトランジスタQ1がオフし(VBE=0.7V)、時刻t1以降では、回路ブロック12のスイッチングモードでの出力となる。すなわち、時刻t1以降では、図4(c)および(d)に示す波形が一致する。
リニアモードからスイッチングモードへの切り替わりタイミングとなる時刻t1は、補助電源回路10の立ち上がり時刻t2よりも早くなるように設定される。
そして、図4の時刻t1では、回路ブロック12により生成される出力電圧が(Vz−VBE)と一致する。時刻t1でトランジスタQ1がオフし(VBE=0.7V)、時刻t1以降では、回路ブロック12のスイッチングモードでの出力となる。すなわち、時刻t1以降では、図4(c)および(d)に示す波形が一致する。
リニアモードからスイッチングモードへの切り替わりタイミングとなる時刻t1は、補助電源回路10の立ち上がり時刻t2よりも早くなるように設定される。
以上説明したように、本実施形態に係る補助電源回路10によれば、変圧器T1の補助巻線AWの一端のノード100と電源出力端子(ノード108)間に、リニアモードで動作する回路ブロック11と、スイッチングモードで動作する回路ブロック12とを並列に接続し、電源起動直後は、回路ブロック11によって電源電圧Vccが発生し、目標電源電圧に達する前に、回路ブロック12によって電源電圧Vccが発生するように、出力経路の導通状態が切り替えられる。したがって、以下の効果が得られる。
すなわち、電源起動直後は、回路ブロック11が動作して素早く出力電圧Vccが(Vz−VBE)(目標電源電圧VTARに非常に近い値)まで立上るため、供給対象である2次側制御回路30がすぐに正常な動作を開始することができる。したがって、本実施形態に係るスイッチング電源装置1では、起動直後に整流素子であるNMOSトランジスタM1,M2が正しく制御されないために生じうる出力VOのオーバーシュート等が発生しない。
また、回路ブロック11は、出力の応答速度は速いものの、トランジスタQ1による損失が大きいが、補助電源回路10の出力電圧Vccが目標電源電圧VTAR(正確には、(Vz−VBE))に達した後は、専ら回路ブロック12を通して出力電圧Vccが発生するので、電力損失がほとんどなく、非常に効率が高い。
このように、補助電源回路10では、回路ブロック11によるリニアモードと、回路ブロック12によるスイッチングモードとを起動直後に切り替えることで、電源電圧の応答性と低損失(高効率)を両立させることができる。
このように、補助電源回路10では、回路ブロック11によるリニアモードと、回路ブロック12によるスイッチングモードとを起動直後に切り替えることで、電源電圧の応答性と低損失(高効率)を両立させることができる。
なお、上述した実施形態の説明では、ソフトスタートの場合について説明したが、ソフトスタートを行わない場合であっても、回路ブロック12による応答遅れは発生するので、同様の効果が得られる。ソフトスタートを行う場合には、起動直後のデューティ比が非常に小さく、回路ブロック12による早い出力応答を期待できないので、本発明の効果が特に大きいということが言える。すなわち、スイッチング電源装置1の負荷のストレスを考慮しつつ、補助電源回路10による出力の応答性と低損失を両立させることができる。
なお、上述した実施の形態と本発明との対応関係を以下に記す。
変圧器T1は、本発明の「変圧器」に対応する。
トランジスタQ1は、本発明の「出力制御スイッチ」に対応する。
キャパシタC1,C2は、それぞれ本発明の「第1,第2キャパシタ」に対応する。
ダイオードD1,D2,D3,D4は、それぞれ本発明の「第1,第2,第3,第4ダイオード」に対応する。また、ダイオードD2は本発明の「電圧制限部」にも対応する。
コイルL1は、本発明の「インダクタ」に対応する。
回路ブロック12は本発明の「主電圧変換部」に対応する。
ダイオードD1とキャパシタC1は本発明の「補助電圧変換部」に対応する。
変圧器T1は、本発明の「変圧器」に対応する。
トランジスタQ1は、本発明の「出力制御スイッチ」に対応する。
キャパシタC1,C2は、それぞれ本発明の「第1,第2キャパシタ」に対応する。
ダイオードD1,D2,D3,D4は、それぞれ本発明の「第1,第2,第3,第4ダイオード」に対応する。また、ダイオードD2は本発明の「電圧制限部」にも対応する。
コイルL1は、本発明の「インダクタ」に対応する。
回路ブロック12は本発明の「主電圧変換部」に対応する。
ダイオードD1とキャパシタC1は本発明の「補助電圧変換部」に対応する。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、カレントダブラ方式のスイッチング電源装置の同期整流回路に対して、本発明の電源電圧発生回路を組み込んだ形態について説明する。
図5は、本実施形態に係るスイッチング電源装置2において、変圧器T1の2次側の同期整流回路50の回路構成を示す図である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、カレントダブラ方式のスイッチング電源装置の同期整流回路に対して、本発明の電源電圧発生回路を組み込んだ形態について説明する。
図5は、本実施形態に係るスイッチング電源装置2において、変圧器T1の2次側の同期整流回路50の回路構成を示す図である。
スイッチング電源装置2において、図示しない1次側の制御により、変圧器T1は、プラス電圧とマイナス電圧とを交互に出力し、プラス電圧を出力するときは整流素子であるNMOSトランジスタM10をオフするように制御し、マイナス電圧を出力するときは整流素子であるNMOSトランジスタM20をオフするように制御する。
なお、変圧器T1から出力がないときには、整流用NMOSトランジスタM10およびSW2はともにオンとなり、インダクタL10またはL20に蓄積されたエネルギーが放出される転流状態となる。
なお、変圧器T1から出力がないときには、整流用NMOSトランジスタM10およびSW2はともにオンとなり、インダクタL10またはL20に蓄積されたエネルギーが放出される転流状態となる。
図5の同期整流回路50は、NMOSトランジスタM10,M20を制御するために、1周期において互いに逆の動作を行う2系統の駆動回路を含んで構成される。すなわち、同期整流回路50は、整流用NMOSトランジスタM10に対する駆動回路51と、整流用NMOSトランジスタM20に対する駆動回路52とを有する。
駆動回路51,22は、グランドラインを軸にして対称の関係にあり、図5では駆動回路51のみの回路構成を代表して示している。
以下、駆動回路51の構成を説明する。
駆動回路51,22は、グランドラインを軸にして対称の関係にあり、図5では駆動回路51のみの回路構成を代表して示している。
以下、駆動回路51の構成を説明する。
図5において、駆動回路51は、ノード199から狭幅のトリガ信号Vt1を取り込んで、NMOSトランジスタM30に供給する。なお、駆動回路52が取り込むトリガ信号Vt2(図示しない)は、トリガ信号Vt1と位相が反転した信号である。
駆動回路51がトリガ信号Vt1を取り込むタイミングは、変圧器T1の2次側に生ずる電圧がプラスになるタイミングよりも少しだけ早くなるように設定される。これによって、NMOSトランジスタM10のVdsが立ち上がる前に、NMOSトランジスタM10をオフさせる。したがって、NMOSトランジスタM20の整流開始時において、NMOSトランジスタM10〜M20間に貫通電流が発生しないようにしている。
駆動回路51がトリガ信号Vt1を取り込むタイミングは、変圧器T1の2次側に生ずる電圧がプラスになるタイミングよりも少しだけ早くなるように設定される。これによって、NMOSトランジスタM10のVdsが立ち上がる前に、NMOSトランジスタM10をオフさせる。したがって、NMOSトランジスタM20の整流開始時において、NMOSトランジスタM10〜M20間に貫通電流が発生しないようにしている。
NチャネルトランジスタM30は、ノード201の電位レベルを制御するための制御用トランジスタである。
NチャネルトランジスタM30は、ゲートがノード199に接続され、ソースがグランド端子に接続され、ドレインがトランジスタQ20およびQ30のベースに接続される。したがって、トリガ信号Vt1が立ち上がるタイミングに応じてオンし、ノード201をグランド電位にする。
NチャネルトランジスタM30は、ゲートがノード199に接続され、ソースがグランド端子に接続され、ドレインがトランジスタQ20およびQ30のベースに接続される。したがって、トリガ信号Vt1が立ち上がるタイミングに応じてオンし、ノード201をグランド電位にする。
トランジスタQ30は、NMOSトランジスタM10を制御するための制御用トランジスタである。
トランジスタQ30のエミッタは、NMOSトランジスタM10のゲートに接続され、コレクタはグランド端子に接続されている。トランジスタQ30のベースは、ノード201を介して、NチャネルトランジスタM40のドレインに接続される。
したがって、トランジスタQ30は、ノード201の電位レベルがグランド電位になるとオンし、NMOSトランジスタM10のゲート電荷を引き抜いて、NMOSトランジスタM10をオフさせる。
トランジスタQ30のエミッタは、NMOSトランジスタM10のゲートに接続され、コレクタはグランド端子に接続されている。トランジスタQ30のベースは、ノード201を介して、NチャネルトランジスタM40のドレインに接続される。
したがって、トランジスタQ30は、ノード201の電位レベルがグランド電位になるとオンし、NMOSトランジスタM10のゲート電荷を引き抜いて、NMOSトランジスタM10をオフさせる。
トランジスタQ20は、NMOSトランジスタM10を制御するための制御用トランジスタである。
トランジスタQ20のエミッタは、NMOSトランジスタM10のゲートに接続され、コレクタは、ノード202に接続される。トランジスタQ20のベースは、ノード201を介して、NチャネルトランジスタM40のドレインに接続される。
トランジスタQ20がオンになった状態では、コイルL30の放電電流によって、トランジスタQ20のベース→エミッタの経路で、NMOSトランジスタM10のゲートが充電されるとともに、キャパシタC30の充電電圧によって、コレクタ→エミッタの経路によりNMOSトランジスタM10のゲートが充電される。
トランジスタQ20のエミッタは、NMOSトランジスタM10のゲートに接続され、コレクタは、ノード202に接続される。トランジスタQ20のベースは、ノード201を介して、NチャネルトランジスタM40のドレインに接続される。
トランジスタQ20がオンになった状態では、コイルL30の放電電流によって、トランジスタQ20のベース→エミッタの経路で、NMOSトランジスタM10のゲートが充電されるとともに、キャパシタC30の充電電圧によって、コレクタ→エミッタの経路によりNMOSトランジスタM10のゲートが充電される。
NチャネルトランジスタM40は、ノード201の電位レベルを制御するための制御用トランジスタである。ノード199から取り込むトリガ信号Vt1は、変圧器T1の2次側の電圧がHレベルを維持する時間よりも短い時間ですぐに0Vに戻ってしまうため、トリガ信号Vt1が0Vになった後にVsがHレベル(正電圧)を維持する間、NチャネルトランジスタM40がオンすることで、ノード201をグランド電位とする。
NチャネルトランジスタM40のゲートは、ノード203に接続され、ドレインはノード201に接続され、ソースはグランド端子に接続される。
NチャネルトランジスタM40のゲートは、ノード203に接続され、ドレインはノード201に接続され、ソースはグランド端子に接続される。
ノード200とグランド端子間には、抵抗R20とダイオードD60とが接続され、抵抗R20とダイオードD60の間のノードであるノード203は、NチャネルトランジスタM40のゲートに接続される。
ダイオードD60および抵抗R20は、NチャネルトランジスタM40のゲート電位レベルを調整可能に、かつ、保護するための保護回路を構成する。
ダイオードD60および抵抗R20は、NチャネルトランジスタM40のゲート電位レベルを調整可能に、かつ、保護するための保護回路を構成する。
コイルL30とダイオードD40は、ノード200とノード204の間に直列に接続される。ノード204とノード202の間に、ダイオードD30が接続される。ノード204とノード201が接続される。ノード201は、NMOSトランジスタM10を制御するためのトランジスタQ20およびQ30のベースと接続される。
これにより、変圧器T1の2次側に発生する電圧がHレベル(正電圧)のとき、すなわち、ノード200がHレベル(正電圧)のときには、コイルL30の電流IL30によりエネルギーを蓄積し、変圧器T1の2次側に発生する電圧がLレベル(0V)のとき、すなわち、ノード200がLレベル(0V)のときには、蓄積したエネルギーを放出する。この放出エネルギーにより、NMOSトランジスタM10のゲートが充電され、素早くNMOSトランジスタM10をオンするとともに、放出エネルギーの余裕分がキャパシタC30に蓄えられる。
これにより、変圧器T1の2次側に発生する電圧がHレベル(正電圧)のとき、すなわち、ノード200がHレベル(正電圧)のときには、コイルL30の電流IL30によりエネルギーを蓄積し、変圧器T1の2次側に発生する電圧がLレベル(0V)のとき、すなわち、ノード200がLレベル(0V)のときには、蓄積したエネルギーを放出する。この放出エネルギーにより、NMOSトランジスタM10のゲートが充電され、素早くNMOSトランジスタM10をオンするとともに、放出エネルギーの余裕分がキャパシタC30に蓄えられる。
キャパシタC30は、ノード205とグランド端子の間に接続される。
キャパシタC30は、トランジスタQ20を介して、NMOSトランジスタM10のゲート−ソース間電圧Vgsをその充電電圧によりクランプする。また、キャパシタC30は、変圧器T1の2次側に発生する電圧がLレベルになると、その充電電圧によってトランジスタQ20のコレクタ→エミッタを介して、NMOSトランジスタM10のゲートを素早く充電してオンさせる。
キャパシタC30は、トランジスタQ20を介して、NMOSトランジスタM10のゲート−ソース間電圧Vgsをその充電電圧によりクランプする。また、キャパシタC30は、変圧器T1の2次側に発生する電圧がLレベルになると、その充電電圧によってトランジスタQ20のコレクタ→エミッタを介して、NMOSトランジスタM10のゲートを素早く充電してオンさせる。
以上、主として駆動回路51の構成について説明したが、駆動回路52についても同様である。このように、同期整流回路50では、変圧器T1の2次側に発生する電圧の極性に応じて、NMOSトランジスタM10およびM20が交互に整流動作を行う。
以上説明したように、駆動回路51では、変圧器T1の出力に対して立ち上がりタイミングが進んだトリガ信号Vt1と、NチャネルトランジスタM40のドレイン電圧が合成された信号に基づいて、NMOSトランジスタM10を駆動する。その際に、コイルL10のエネルギーを制御し、NMOSトランジスタM10のゲートが駆動のために充放電されるため、NMOSトランジスタM10の寄生ダイオードをオンする時間が非常に短い。
また、同期整流回路50では、NMOSトランジスタM10,M20に貫通電流が発生せず、転流時においてもNMOSトランジスタM10は常にオンしているため、同期整流を行う場合の効率が極めて高い回路となっている。
また、同期整流回路50では、NMOSトランジスタM10,M20に貫通電流が発生せず、転流時においてもNMOSトランジスタM10は常にオンしているため、同期整流を行う場合の効率が極めて高い回路となっている。
この同期整流回路50において、駆動回路51には、すでに第1の実施形態の説明で述べたスイッチングモード動作を行う回路ブロック12に相当する回路が組み込まれている。すなわち、コイルL30は図3におけるコイルL1に相当する。ダイオードD30,D40は、図3におけるダイオードD3に相当する。キャパシタC30は、図3におけるキャパシタC2に相当する。NMOSトランジスタM10は、図3における還流ダイオードD4に相当する。
そして、同期整流回路50では、図5に示すように、第1の実施形態の説明で述べたリニアモード動作を行う回路ブロック11に相当する回路ブロック11aが設けられる。
なお、回路ブロック11aの構成については、回路ブロック11と同様であるので、ここでは説明を割愛する。
そして、同期整流回路50では、図5に示すように、第1の実施形態の説明で述べたリニアモード動作を行う回路ブロック11に相当する回路ブロック11aが設けられる。
なお、回路ブロック11aの構成については、回路ブロック11と同様であるので、ここでは説明を割愛する。
スイッチング電源装置2の起動開始直後では、変圧器T1の2次巻線に生じた正電圧が回路ブロック11aのダイオードD10に印加され、抵抗R10を介してベース電流をトランジスタQ10に供給し、トランジスタQ10が素早くオンするので、ノード205の電圧が(Vz−VBE)(なお、Vz:ダイオードD20の降伏電圧、VBE:トランジスタQ10のベース・エミッタ間の順方向電圧)となる。
その後、変圧器T1の2次巻線に生じた正電圧によって、ノード200→ノード204→ノード202→ノード205の経路によって、スイッチングモードによる出力が増加してくると、リニアモードからスイッチングモードに動作が切り替わって、専ら駆動回路51によってノード205(電圧Vccの出力端子)の電圧が決定される。
その後、変圧器T1の2次巻線に生じた正電圧によって、ノード200→ノード204→ノード202→ノード205の経路によって、スイッチングモードによる出力が増加してくると、リニアモードからスイッチングモードに動作が切り替わって、専ら駆動回路51によってノード205(電圧Vccの出力端子)の電圧が決定される。
図6は、同期整流回路50の動作を示すフローチャートであり、(a)はNMOSトランジスタM10のVds、(b)はNMOSトランジスタM20のVds、(c)は回路ブロック11aのキャパシタC20の充電電圧VC20、(c)は仮に回路ブロック11aがないとしたときのノード205の出力電圧VSW、(d)は実際のノード205の出力電圧Vcc、の波形である。
同期整流回路50では、図6(a)および(b)に示すように、NMOSトランジスタM10,M20のVdsは、ソフトスタートによって徐々にデューティ比が増加する。そして、定常時では、互いに位相が180度ずれた状態となる。ここで、Vdsのピーク電圧がVpeakである。
回路ブロック11aは、駆動回路51にのみ設けられており、図6(c)に示すように、キャパシタC20は、NMOSトランジスタM10のVdsに生じた1発目のパルスに応じて、素早く(Vpeak−VF(D10))に充電される。
そして、第1の実施形態で図4を参照して説明したのと同様に、時刻t1を境にしてリニアモードからスイッチングモードに動作が切り替わり、それ以降は、駆動回路51によってノード205の電圧が生成される。
以上説明したように、本実施形態に係る同期整流回路50では、リニアモードで動作する回路ブロックと、スイッチングモードで動作する回路ブロックが組み込まれるため、第1の実施形態で説明した補助電源回路10と同様の効果が得られる。すなわち、ノード205から、応答性と低損失を両立させた電源電圧を取り出すことができる。
回路ブロック11aは、駆動回路51にのみ設けられており、図6(c)に示すように、キャパシタC20は、NMOSトランジスタM10のVdsに生じた1発目のパルスに応じて、素早く(Vpeak−VF(D10))に充電される。
そして、第1の実施形態で図4を参照して説明したのと同様に、時刻t1を境にしてリニアモードからスイッチングモードに動作が切り替わり、それ以降は、駆動回路51によってノード205の電圧が生成される。
以上説明したように、本実施形態に係る同期整流回路50では、リニアモードで動作する回路ブロックと、スイッチングモードで動作する回路ブロックが組み込まれるため、第1の実施形態で説明した補助電源回路10と同様の効果が得られる。すなわち、ノード205から、応答性と低損失を両立させた電源電圧を取り出すことができる。
なお、上述の実施形態で説明した回路構成は適宜変形することが可能である。たとえば、図7は、図5に示したスイッチング電源装置2をセンタタップ同期整流方式に変形させたものであるが、動作はスイッチング電源装置2と同様である。
また、図5および図7で示した回路構成は、プッシュプル型、ハーフブリッジ型、またはフルブリッジ型のスイッチング電源装置に広く適用することができる。
また、図5および図7で示した回路構成は、プッシュプル型、ハーフブリッジ型、またはフルブリッジ型のスイッチング電源装置に広く適用することができる。
1…スイッチング電源装置、
10…補助電源回路、
11,12…回路ブロック、
20…1次側制御回路、
30…2次側制御回路、
M1〜M3…NMOSトランジスタ、
T1…変圧器
10…補助電源回路、
11,12…回路ブロック、
20…1次側制御回路、
30…2次側制御回路、
M1〜M3…NMOSトランジスタ、
T1…変圧器
Claims (5)
- 入力する交流電圧を直流電圧に変換し出力端子から出力する主電圧変換部と、
前記交流電圧を入力し、定常状態に推移するまでの過渡期間中に前記交流電圧を直流電圧に変換して前記出力端子に出力可能な補助電圧変換部と、
前記補助電圧変換部から出力される前記直流電圧を一定の制限電圧に制限する電圧制限部と、
前記補助電圧変換部の出力と前記出力端子との間の経路に接続され、前記出力端子の電圧と前記制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧を前記出力端子に印加可能に前記経路を導通または非導通にする出力制御スイッチと、
を有する電圧変換回路。 - 前記出力制御スイッチは、抵抗を介して前記補助電圧変換部の前記出力に制御ノードが接続されるトランジスタであり、
前記電圧制限部は、アノードが接地され、カソードが前記抵抗と前記制御ノードとの接続点に接続される定電圧ダイオードを含む
請求項1に記載の電圧変換回路。 - 前記補助電圧変換部は、
前記交流電圧を整流する第1ダイオードと、
前記第1ダイオードにより整流された電圧を保持する第1キャパシタと、を有し、
前記主電圧変換部は、
前記交流電圧を整流する第3ダイオードと、
前記第3ダイオードと前記出力端子間に接続されたインダクタと、
前記出力端子と共通電位線との間に接続され、前記インダクタとともに平滑回路を構成する第2キャパシタと、
前記インダクタに蓄えられたエネルギーを還流させるための第4ダイオードと、を有する
請求項1または2に記載の電圧変換回路。 - 入力電圧をスイッチングし、パルス幅変調信号を発生するスイッチング回路と、
2次巻線を備え、前記パルス幅変調信号を入力する変圧器と、
複数のスイッチ素子を含み、前記2次巻線に励起する電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力電圧に基づいて前記複数のスイッチ素子の導通状態を切り換えて同期整流を制御する制御回路と、
前記制御回路に供給する電源電圧を発生する電源電圧発生回路と、
を備え、
前記電源電圧発生回路は、
前記変圧器の2次側に励起する交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を、前記制御回路に接続される出力端子に出力する主電圧変換部と、
前記交流電圧を入力し、定常状態に推移するまでの遷移期間中の交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を前記出力端子に出力可能な補助電圧変換部と、
前記補助電圧変換部から出力される前記直流電圧を一定の制限電圧に制限する電圧制限部と、
前記補助電圧変換部の出力と前記出力端子との間の経路に接続され、前記出力端子の電圧と前記制限電圧との大小関係に基づいて、より高い電圧を前記出力端子に印加可能に前記経路を導通または非導通にする出力制御スイッチと、を有する
スイッチング電源装置。 - 前記スイッチング回路は、動作開始時に、前記パルス幅変調信号のデューティ比を、当該デューティ比が一定な安定状態に達するまでリニアに増加するソフトスタート制御を行う
請求項4記載のスイッチング電源装置。
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