JP2007017917A - 電子撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮像素子に至る光路上の撮像素子と密着しない位置に設けられたローパスフィルタの表面抵抗を下げることにより、帯電による埃等の異物の吸着を効果的に防止した電子撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像素子2に至る光路上の撮像素子2と密着しない位置に第一のローパスフィルタ4が設けられた電子撮像装置であって、第一のローパスフィルタ4の少なくとも撮像素子2とは反対側の面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜9が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 撮像素子2に至る光路上の撮像素子2と密着しない位置に第一のローパスフィルタ4が設けられた電子撮像装置であって、第一のローパスフィルタ4の少なくとも撮像素子2とは反対側の面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜9が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は塵や埃等の異物の付着を防止したローパスフィルタを有する電子撮像装置に関する。
電子光学機器、特に被写体の光学像を電気信号に変換して出力する電子撮像装置において、撮像素子面に至る光路上に設けられた透光部材に塵や埃等の異物が付着すると、取り込んだ画像に異物が写りこんでしまうという問題がある。透光性の高い物質は強誘導体であることが多く、そのため容易に帯電し、外部から侵入した異物や内部で発生した異物を引き寄せてしまう。特にレンズの交換や撮像素子のクリーニングの際などに、ローパスフィルタに埃が付いたり、指などが当たって汚れてしまったりするという問題がある。
これらの異物が透光部材に付着するのを防止するため、入光面から撮像素子面に至る光路を密閉する防塵構造や、ワイパーや振動ユニットにより異物を機械的に取り除く除塵装置を電子撮像装置内部に取り付けること等が提案されている。
これらの防塵構造や除塵装置は高価であるのみならず、これらを備えると電子撮像装置全体の重量が増すという欠点がある。また撮像素子と化学的に結合した異物については除塵装置を用いても取り除くことはできない。他には外部からエアーを吹き付けて埃等の異物を除去する方法も考えられるが、内部の異物を舞い上げてしまい、逆に異物の付着量が増加してしまうという結果になりかねない。
特開2001-339055号(特許文献1)は、図3に示すように、ケーシング50内に固体撮像素子51が設けられており、ケーシング50の開口に、ローパスフィルタ52及び赤外線カットフィルタ53からなる透明板状のカバー部材54が取り付けられ、カバー部材54の固体撮像素子51とは反対側の面に導電膜55が形成されており、ケーシング50内を外気から遮断するようにカバー部材54の周縁部とケーシング50との間が密封された固体電子撮像装置を開示している。これにより、レンズの交換等で埃や塵等の異物が固体電子撮像装置内部に侵入したり、シャッタ機構等の撮影機構から磨耗屑が発生したりしても、カバー部材54の表面に異物が付着するのを防ぐことができる。しかしながら、ケーシング50により固体撮像素子51とローパスフィルタ52とが互いに固定されて密着した構造となっているため、しかしながら、この固体電子撮像装置は、ケーシング50により固体撮像素子51とローパスフィルタ52とが互いに固定された一体的な密着構造をとっているため、利用範囲が限定されてしまう。さらに固体撮像素子51とローパスフィルタ52との間隔が固定されているため、自由な設計が出来ないという問題がある。
従って本発明の目的は、撮像素子に至る光路上の撮像素子と密着しない位置に設けられたローパスフィルタの表面抵抗を下げることにより、帯電による埃等の異物の吸着を効果的に防止した電子撮像装置を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、電子撮像装置において、撮像素子に至る光路上の撮像素子と密着しない位置に設けられたローパスフィルタの少なくとも一面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜を形成することにより、帯電による埃等の異物の吸着を効果的に防止できることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 撮像素子に至る光路上の前記撮像素子と密着しない位置にローパスフィルタが設けられた電子撮像装置であって、前記ローパスフィルタの少なくとも前記撮像素子とは反対側の面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(2) 上記(1) に記載の電子撮像装置において、前記金属酸化物が五酸化アンチモン,インジウム酸化錫及びアンチモンドープ酸化錫からなる群から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする電子撮像装置。
(3) 上記(1) 又は(2) に記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜の表面抵抗が1×104〜1×1013Ω/□であることを特徴とする電子撮像装置。
(4) 上記(1)〜(3) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(5) 上記(1)〜(4) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(6) 上記(5) に記載の電子撮像装置において、前記反射防止膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(7) 上記(1)〜(6) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に撥水撥油性膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(8) 上記(7) に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜はフッ素系樹脂であることを特徴とする電子撮像装置。
(9) 上記(7) 又は(8) に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜の膜厚は1〜50 nmであることを特徴とする電子撮像装置。
(10) 上記(7)〜(9) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(11) 上記(1)〜(10) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撮像素子の前面に保護カバーが設けられていることを特徴とする電子撮像装置。
(1) 撮像素子に至る光路上の前記撮像素子と密着しない位置にローパスフィルタが設けられた電子撮像装置であって、前記ローパスフィルタの少なくとも前記撮像素子とは反対側の面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(2) 上記(1) に記載の電子撮像装置において、前記金属酸化物が五酸化アンチモン,インジウム酸化錫及びアンチモンドープ酸化錫からなる群から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする電子撮像装置。
(3) 上記(1) 又は(2) に記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜の表面抵抗が1×104〜1×1013Ω/□であることを特徴とする電子撮像装置。
(4) 上記(1)〜(3) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(5) 上記(1)〜(4) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(6) 上記(5) に記載の電子撮像装置において、前記反射防止膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(7) 上記(1)〜(6) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に撥水撥油性膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
(8) 上記(7) に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜はフッ素系樹脂であることを特徴とする電子撮像装置。
(9) 上記(7) 又は(8) に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜の膜厚は1〜50 nmであることを特徴とする電子撮像装置。
(10) 上記(7)〜(9) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
(11) 上記(1)〜(10) のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撮像素子の前面に保護カバーが設けられていることを特徴とする電子撮像装置。
本発明の電子撮像装置は、撮像素子に至る光路上の撮像素子と密着しない位置に設けられたローパスフィルタの少なくとも一面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜が形成されているため、効果的に帯電を防止し、埃等の異物の吸着を防止することができる。
図1は本発明の一実施例である電子撮像装置1を示す。電子撮像装置1は、ケーシング16の中央部に設けられた撮像素子2と、撮像素子2に至る光路7上に設けられた透光部材8(複数のレンズ3a,3b・・・3n、第一の第一のローパスフィルタ4、赤外線フィルタ5、第二のローパスフィルタ14及び保護カバー6)とを有する。撮像素子2はケーシング16の縁部26よりも低くなっており、保護カバー6が縁部26に載置されている。そのため撮像素子2と保護カバー6との間に空隙が設けられている。第一のローパスフィルタ4、赤外線フィルタ5及び第二のローパスフィルタ14は一体化しており、支持柱17により保持されている。また支持柱17に連結した板18により、第二のローパスフィルタ14と保護カバー6との間に空隙が設けられている。撮像素子2の光の入射面を撮像素子面20とし、最外のレンズ3aの光の入射面を入光面30とする。第一及び第二のローパスフィルタ4,14の材料としては、ローパスフィルタとしての機能を備えるものであれば特に限定されないが、複屈折を有する透光性の部材であるのが好ましく、例えば、水晶、リチウムナイオベート等が好ましい。
第一のローパスフィルタ4の入光側の面4aに低表面抵抗膜9が形成されている。低表面抵抗膜9を形成することにより、第一のローパスフィルタ4の表面抵抗を低減することができ、第一のローパスフィルタ4の帯電を防止できる。従って、帯電による埃等の異物の吸着を防止し、また付着したとしても容易に除去することができる。
第一のローパスフィルタ4の上に、さらに反射防止膜を設けても良い。反射防止膜を設けることにより、第一のローパスフィルタ4の反射率を低減することができる。また第一のローパスフィルタ4の上に、さらに撥水撥油性膜を設けても良い。撥水撥油性膜を設けることにより、膜表面を化学的に不活性化することができ、タバコの煙、雨水等の汚れ等の化学的結合や油の付着を防ぐことができる。図2は、低表面抵抗膜9,反射防止膜10及び撥水撥油性膜11が一面に形成された第一のローパスフィルタ4を示す。このように撥水撥油性膜11を低表面抵抗膜9及び反射防止膜10の上に設けることにより、撥水撥油性膜11は低表面抵抗膜9及び反射防止膜10の保護膜としても機能する。以下、各部位について詳細に説明する。
(1) 低表面抵抗膜
低表面抵抗膜9は、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる。金属酸化物としては、透明性を有する導電性酸化物であれば特に限定されないが、五酸化アンチモン(Sb2O5),インジウム酸化錫(ITO)又はアンチモンドープ酸化錫(ATO)、又はこれらの組合せが好ましい。
低表面抵抗膜9は、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる。金属酸化物としては、透明性を有する導電性酸化物であれば特に限定されないが、五酸化アンチモン(Sb2O5),インジウム酸化錫(ITO)又はアンチモンドープ酸化錫(ATO)、又はこれらの組合せが好ましい。
低表面抵抗膜9の膜厚は1〜5000 nmが好ましく、10〜3000 nmがより好ましい。膜厚が1 nm未満であると、帯電防止機能を充分に発揮できず、膜厚が5000 nm超であると低表面抵抗膜9の膜厚が不均一になるうえに、透明性及び導電性が損なわれる。
低表面抵抗膜9の表面抵抗は1×104〜1×1013Ω/□であるのが好ましく、1×105〜1×1012 Ω/□であるのがより好ましい。表面抵抗が1×104 Ω/□未満であると低表面抵抗膜9の透明性が悪く、1×1013 Ω/□を超えると、低表面抵抗膜9が静電気を放出するのに時間がかかり、実質的に帯電防止による防塵機能が働かない。
低表面抵抗膜9はゾル−ゲル法等の湿式成膜法により形成するのが好ましい。ゾル−ゲル法によれば、真空プロセスを経ることなく大気中で成膜できるため、成膜コストが安くなる。ゾル−ゲル法で直接成膜するには、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法等が用いられる。なお低表面抵抗膜9を形成する方法として、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、CVD等の化学蒸着法を用いても良い。
(2) 反射防止膜
反射防止膜10を形成する材料は特に限定されず、SiO2、TiO2、MgF2、SiN、CeO2、ZrO2等を用いることができる。反射防止膜10が多層膜の場合、同一の材料による多層膜であっても異なる材料による多層膜であってもよい。例えば、屈折率の異なる複数の膜を適宜組合せることにより、反射防止効率をより高めることが可能である。反射防止膜10はゾル−ゲル法等の湿式成膜法により形成するのが好ましい。
反射防止膜10を形成する材料は特に限定されず、SiO2、TiO2、MgF2、SiN、CeO2、ZrO2等を用いることができる。反射防止膜10が多層膜の場合、同一の材料による多層膜であっても異なる材料による多層膜であってもよい。例えば、屈折率の異なる複数の膜を適宜組合せることにより、反射防止効率をより高めることが可能である。反射防止膜10はゾル−ゲル法等の湿式成膜法により形成するのが好ましい。
(3) 撥水撥油性膜
撥水撥油性膜11はフッ素系樹脂からなるのが好ましい。フッ素系樹脂は表面摩擦抵抗が小さく、表面を軽く擦るだけで、表面を傷つけることなく汚れを拭き取ることができる。フッ素系樹脂は非結晶性であるのが好ましい。非結晶性のフッ素系樹脂からなる層は優れた透明性を有するうえに、ファンデルワールス力、電気映像力等の粒子を付着させる力が小さく、付着した粒子を容易に除去できると言った特性を有する。非結晶性のフッ素系樹脂の具体例として、シリコーン系のフッ素系樹脂、フルオロオレフィン系の共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、及びフッ素化アクリレート系の共重合体が挙げられる。
撥水撥油性膜11はフッ素系樹脂からなるのが好ましい。フッ素系樹脂は表面摩擦抵抗が小さく、表面を軽く擦るだけで、表面を傷つけることなく汚れを拭き取ることができる。フッ素系樹脂は非結晶性であるのが好ましい。非結晶性のフッ素系樹脂からなる層は優れた透明性を有するうえに、ファンデルワールス力、電気映像力等の粒子を付着させる力が小さく、付着した粒子を容易に除去できると言った特性を有する。非結晶性のフッ素系樹脂の具体例として、シリコーン系のフッ素系樹脂、フルオロオレフィン系の共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、及びフッ素化アクリレート系の共重合体が挙げられる。
撥水撥油性膜11の膜厚は1〜50 nmが好ましく、5〜50 nmがより好ましい。膜厚が1nm未満であると、撥水撥油性の機能を充分に発揮できず、その効果の持続性も充分でない。また膜厚が50 nm超であると第一のローパスフィルタ4の透明性及び導電性が損なわれるうえに、反射防止膜の光学特性を変えてしまう。撥水撥油性膜11はゾル−ゲル法等の湿式成膜法により形成するのが好ましい。
図1に示す例では、低表面抵抗膜9が第一のローパスフィルタ4の入光側の面4aに形成されているが、本発明はこれに限定されず、第一のローパスフィルタ4のの入光側の面4a及び第二のローパスフィルタ14の撮像素子2側の面に形成しても良い。低表面抵抗膜9が形成されている箇所が増えれば、電子撮像装置1の防塵効果は高まるが、透明性が損なわれるうえに、製造工程が増える。また図1に示す例では第一のローパスフィルタ4、赤外線フィルタ5、第二のローパスフィルタ14及び保護カバー6が入光側から順に設置されているが、本発明はこれに限定されず、設置される順番は必要に応じて適宜変更することができる。またこれらが全て設置されている必要はなく、例えば保護カバー6を第一のローパスフィルタ4で代用しても良い。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
実施例1
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50 gを0.01 N塩酸で加水分解重合させたものにSb2O5ゾル[AMT130、日産化学工業(株)製]50 g及びエタノール10 gを加えて低表面抵抗膜コート液1を作製した。
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50 gを0.01 N塩酸で加水分解重合させたものにSb2O5ゾル[AMT130、日産化学工業(株)製]50 g及びエタノール10 gを加えて低表面抵抗膜コート液1を作製した。
テトラエトキシシラン50 gを0.01 N塩酸で加水分解させたものに中空シリカゾル[固形分20% 触媒化成工業(株)製]50 gを加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル20 gを加え反射防止膜コート液を作製した。
シリコーン系フッ素樹脂[X71-130、信越化学工業(株)製]1gをハイドロフルオロエーテル20 gに添加し、撥水撥油性液を作製した。
水晶からなるローパスフィルタに、低表面抵抗膜コート液1をDIP方式で1000 nmコートした後、140℃で1時間加熱し、低表面抵抗膜6を形成した。それを反射防止膜コート液に浸漬し、20 mm/分で引き上げ、140℃で20分間加熱し、反射防止膜を形成した。さらにそれを撥水撥油性液に浸漬し、300 mm/分で引き上げ、室温で24時間乾燥し、撥水撥油性膜を形成した。得られた低表面抵抗ローパスフィルタの表面抵抗は6×1010 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
実施例2
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50 gを0.01 N塩酸で加水分解させたものにアンチモンドープ酸化錫(ATO)ゾル[固形分20%、触媒化成工業(株)製]50 g及びエタノール10 gを加えて低表面抵抗膜コート液2を作製した。
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50 gを0.01 N塩酸で加水分解させたものにアンチモンドープ酸化錫(ATO)ゾル[固形分20%、触媒化成工業(株)製]50 g及びエタノール10 gを加えて低表面抵抗膜コート液2を作製した。
低表面抵抗膜コート液1の代わりに低表面抵抗膜コート液2を使用した以外は、実施例1と同様の条件で、低表面抵抗ローパスフィルタを作製した。表面抵抗は2×108 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
実施例3
リチウムナイオベートからなるローパスフィルタを使用した以外は、実施例1と同様の条件で、低表面抵抗ローパスフィルタを作製した。表面抵抗は6×1010 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
リチウムナイオベートからなるローパスフィルタを使用した以外は、実施例1と同様の条件で、低表面抵抗ローパスフィルタを作製した。表面抵抗は6×1010 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
実施例4
リチウムナイオベートからなるローパスフィルタを使用した以外は、実施例2と同様の条件で、低表面抵抗ローパスフィルタを作製した。表面抵抗は1×108 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
リチウムナイオベートからなるローパスフィルタを使用した以外は、実施例2と同様の条件で、低表面抵抗ローパスフィルタを作製した。表面抵抗は1×108 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いた水晶からなるローパスフィルタの両面に、SiO2とTiO2とを蒸着方式で交互に5層コートし、多層膜からなる反射防止膜を形成した。表面抵抗は1×1015 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
実施例1で用いた水晶からなるローパスフィルタの両面に、SiO2とTiO2とを蒸着方式で交互に5層コートし、多層膜からなる反射防止膜を形成した。表面抵抗は1×1015 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
比較例2
実施例3で用いたリチウムからなるローパスフィルタの両面に、SiO2とTiO2とを蒸着方式で交互に5層コートし、多層膜からなる反射防止膜を形成した。表面抵抗は1×1015 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
実施例3で用いたリチウムからなるローパスフィルタの両面に、SiO2とTiO2とを蒸着方式で交互に5層コートし、多層膜からなる反射防止膜を形成した。表面抵抗は1×1015 Ω/□であった。表面にタバコの灰を接触させ持ち上げたときの灰の付着具合、水に対する接触角、全透過率、及び表面に油性マジックで書いた文字をキムワイプで擦ったときの文字の消え具合及び表面の傷の状態を表1に示す。
表1から明らかなように、低表面抵抗膜を有するローパスフィルタは、優れた防塵効果を有し、低表面抵抗膜の上に反射防止膜及び撥水撥油性膜を形成しても、その防塵効果は保持されることが分かった。また反射防止膜及び撥水撥油性膜を形成することによる効果も確認された。
1・・・撮像装置
2・・・撮像素子
20・・・撮像素子面
3a,3b・・・3n・・・レンズ
30・・・入光面
4・・・第一のローパスフィルタ
4a・・・入光面
14・・・第二のローパスフィルタ
5・・・赤外線フィルタ
6・・・保護カバー
7・・・光路
8・・・透光部材
9・・・低表面抵抗膜
10・・・反射防止膜
11・・・撥水撥油性膜
16・・・ケーシング
26・・・縁部
17・・・支持柱
18・・・板
2・・・撮像素子
20・・・撮像素子面
3a,3b・・・3n・・・レンズ
30・・・入光面
4・・・第一のローパスフィルタ
4a・・・入光面
14・・・第二のローパスフィルタ
5・・・赤外線フィルタ
6・・・保護カバー
7・・・光路
8・・・透光部材
9・・・低表面抵抗膜
10・・・反射防止膜
11・・・撥水撥油性膜
16・・・ケーシング
26・・・縁部
17・・・支持柱
18・・・板
Claims (11)
- 撮像素子に至る光路上の前記撮像素子と密着しない位置にローパスフィルタが設けられた電子撮像装置であって、前記ローパスフィルタの少なくとも前記撮像素子とは反対側の面に、金属酸化物を含む導電体又は半導電体からなる低表面抵抗膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1に記載の電子撮像装置において、前記金属酸化物が五酸化アンチモン,インジウム酸化錫及びアンチモンドープ酸化錫からなる群から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1又は2に記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜の表面抵抗が1×104〜1×1013Ω/□であることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記低表面抵抗膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項5に記載の電子撮像装置において、前記反射防止膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記ローパスフィルタの少なくとも一面に撥水撥油性膜が形成されていることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項7に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜はフッ素系樹脂であることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項7又は8に記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜の膜厚は1〜50 nmであることを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項7〜9のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撥水撥油性膜が湿式成膜法により形成されたことを特徴とする電子撮像装置。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の電子撮像装置において、前記撮像素子の前面に保護カバーが設けられていることを特徴とする電子撮像装置。
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Cited By (3)
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JP2009015076A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Hoya Corp | 光学ローパスフィルタ及びそれを具備する撮像装置 |
JP2009049910A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Hoya Corp | 電子撮像装置 |
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2005
- 2005-07-11 JP JP2005202349A patent/JP2007017917A/ja active Pending
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