JP2007016931A - スラストワッシャの潤滑油路構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面での潤滑油滞留を抑制しつつ油膜厚さを増加させることで、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を大きくすることができるスラストワッシャの潤滑油路構造を提供すること。
【解決手段】 軸方向に対向する固定軸1と回転軸2との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7に潤滑油路を形成したスラストワッシャ3の潤滑油路構造において、前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、前記スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、前記スラストワッシャ3の内周面31に開口し、前記スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する手段とした。
【選択図】 図3
【解決手段】 軸方向に対向する固定軸1と回転軸2との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7に潤滑油路を形成したスラストワッシャ3の潤滑油路構造において、前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、前記スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、前記スラストワッシャ3の内周面31に開口し、前記スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する手段とした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、軸方向に対向する第1の部材と第2の部材との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面に潤滑油路を形成したスラストワッシャの潤滑油路構造の技術分野に属する。
ツインクラッチ式歯車変速機等に適用されるスラストワッシャは、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面に、内径側から外径側に貫く貫通溝と、ディンプル(球面状の窪み)とを形成し、複数の貫通溝と複数点在させたディンプルとの組み合わせパターンを潤滑油路構造としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−196148号公報(図14参照)
しかしながら、従来のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、ディンプルがスラストワッシャの内周面に開口しておらず、スラストワッシャの内周面に開口しているのは貫通溝のみである。したがって、スラストワッシャの内周面から供給される潤滑油は、必然的にスラストワッシャの内周面に開口している貫通溝から外周側に抜けてしまい、ディンプルに充分な量の潤滑油を溜めることができず、スラストワッシャの摺動面において潤滑油が切れやすい。このため、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果が小さい、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面での潤滑油滞留を抑制しつつ油膜厚さを増加させることで、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を大きくすることができるスラストワッシャの潤滑油路構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、軸方向に対向する第1の部材と第2の部材との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面に潤滑油路を形成したスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャの内周側に供給される潤滑油に対し、
前記スラストワッシャの内周面と外周面とを連通する第1油路と、
前記スラストワッシャの内周面に開口し、前記スラストワッシャの外周面に開口しない行き止まり油路である第2油路と、
を有することを特徴とする。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャの内周側に供給される潤滑油に対し、
前記スラストワッシャの内周面と外周面とを連通する第1油路と、
前記スラストワッシャの内周面に開口し、前記スラストワッシャの外周面に開口しない行き止まり油路である第2油路と、
を有することを特徴とする。
よって、本発明のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、スラストワッシャの内周面と外周面とが第1油路により連通しているため、スラストワッシャの内周側に供給される潤滑油は、適度に排出され、油温上昇を招く潤滑油の滞留が抑制される。また、第2油路は、スラストワッシャの内周面に開口し、外周面に開口しない行き止まり油路であることで、スラストワッシャの内周側に供給される潤滑油を溜められ、摺動面への潤滑油の供給量が増加し、摺動面の油膜厚さを増加させることができる。このように、潤滑油の滞留抑制機能と油膜確保機能とを第1油路と第2油路とで分担し、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面での潤滑油滞留を抑制しつつ油膜厚さを増加させることで、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を大きくすることができる。
以下、本発明のスラストワッシャの潤滑油路構造を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の潤滑油路構造が適用されたスラストワッシャが適用されたツインクラッチ式歯車変速機を示す全体図である。
前記ツインクラッチ式歯車変速機は、図1に示すように、固定軸1(第1の部材)と、回転軸2(第2の部材)と、スラストワッシャ3と、クラッチユニット4と、ギアユニット5と、トランスミッション出力軸6と、を備えている。
図1は実施例1の潤滑油路構造が適用されたスラストワッシャが適用されたツインクラッチ式歯車変速機を示す全体図である。
前記ツインクラッチ式歯車変速機は、図1に示すように、固定軸1(第1の部材)と、回転軸2(第2の部材)と、スラストワッシャ3と、クラッチユニット4と、ギアユニット5と、トランスミッション出力軸6と、を備えている。
前記スラストワッシャ3は、固定軸1と回転軸2との間に介装されている。このスラストワッシャ3には、前記ギアユニット5にてギア噛み合いによるアキシャル方向反力(=スラスト荷重)が発生した場合、図1の矢印Eに示すように、このスラスト荷重がクラッチユニット4を介して加わる。
すなわち、ギアユニット5に採用されている歯車は、歯すじがつるまき線である円筒歯車による「はすば歯車」であり、平歯車よりも強く、静かな歯車として、自動車用の歯車変速機に広く使われている。しかし、「はすば歯車」は、ねじれ角を有することで噛み合いにより軸方向のスラスト荷重が発生する。例えば、動力源として高出力エンジン等を搭載した車両において、伝達トルクの大きな低速段の選択時には、非常に大きなスラスト荷重を発生し、このスラスト荷重をスラストワッシャ3により受けることになる。
すなわち、ギアユニット5に採用されている歯車は、歯すじがつるまき線である円筒歯車による「はすば歯車」であり、平歯車よりも強く、静かな歯車として、自動車用の歯車変速機に広く使われている。しかし、「はすば歯車」は、ねじれ角を有することで噛み合いにより軸方向のスラスト荷重が発生する。例えば、動力源として高出力エンジン等を搭載した車両において、伝達トルクの大きな低速段の選択時には、非常に大きなスラスト荷重を発生し、このスラスト荷重をスラストワッシャ3により受けることになる。
前記クラッチユニット4には、ツインクラッチとしての第1クラッチと第2クラッチとが内蔵され、前記ギアユニット5には、平行2軸式の歯車変速機が内蔵される。
前記平行2軸式の歯車変速機は、前記第1クラッチを介して動力源からの駆動力が入力される第1入力軸と、前記第2クラッチを介して動力源からの駆動力が入力される第2入力軸と、が同軸配置され、この両入力軸とは平行にカウンター軸が配置され、両入力軸とカウンター軸とに、互いに噛み合う「はすば歯車」による歯車対が各変速段毎に変速比を異ならせて設定される。なお、前記トランスミッション出力軸6は、カウンター軸に連結される。
前記平行2軸式の歯車変速機は、前記第1クラッチを介して動力源からの駆動力が入力される第1入力軸と、前記第2クラッチを介して動力源からの駆動力が入力される第2入力軸と、が同軸配置され、この両入力軸とは平行にカウンター軸が配置され、両入力軸とカウンター軸とに、互いに噛み合う「はすば歯車」による歯車対が各変速段毎に変速比を異ならせて設定される。なお、前記トランスミッション出力軸6は、カウンター軸に連結される。
図2は実施例1のスラストワッシャを示す図1のA部拡大断面図である。
前記スラストワッシャ3は、軸方向に対向する固定軸1と円筒状の回転軸2との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7に潤滑油路が形成される。
前記スラストワッシャ3は、軸方向に対向する固定軸1と円筒状の回転軸2との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7に潤滑油路が形成される。
前記円筒状の回転軸2は、固定軸1に対しラジアルニードールベアリング8を介して回転可能に支持されている。そして、固定軸1と円筒状の回転軸2との間に隙間9を形成し、この隙間9とラジアルニードールベアリング8の設定空間10を、スラストワッシャ3の内周側への潤滑油供給経路(図2の矢印F)としている。
前記スラストワッシャ3は、回転軸2の先端部に対し周方向に係合する回り止め突起3a(係合手段)を有すると共に、回転軸2から固定軸1の方向へスラスト荷重(図2の矢印G)を受け、該スラスト荷重を受けつつ相対回転する固定軸1との摺動面7のみに後述する潤滑油路を形成している。
図3は実施例1のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる正面図、図4は実施例1のスラストワッシャの第1油路を示す図3のC−C断面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
前記第1油路11と前記第2油路12のうち第1油路11のみには、図3及び図4に示すように、前記スラストワッシャ3の相対回転方向の上流側の側壁面に、方形断面による第1油路11の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなるテーパー面13を有する。
前記テーパー面13は、側壁面の外周側のテーパー角θを、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定している。すなわち、前記テーパー面13のテーパー角θは、スラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定している。
次に、作用を説明する。
[スラストワッシャの潤滑作用]
実施例1では、スラストワッシャ3の潤滑油路を、第1油路11と第2油路12により構成しているため、下記に述べるような潤滑作用を示す。
[スラストワッシャの潤滑作用]
実施例1では、スラストワッシャ3の潤滑油路を、第1油路11と第2油路12により構成しているため、下記に述べるような潤滑作用を示す。
まず、スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、第1油路11は、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通しているので、スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油を適度に排出し、潤滑油をリフレッシュさせる。よって、潤滑油が摺動面7に滞留することによる油温上昇、粘度低下、摺動面7へのコンタミ混入を抑制することができる。
加えて、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11は、スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油を適度に排出し、潤滑油の過度な供給圧上昇を防ぐため、潤滑油供給回路の耐強度設計に有利である。
加えて、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11は、スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油を適度に排出し、潤滑油の過度な供給圧上昇を防ぐため、潤滑油供給回路の耐強度設計に有利である。
また、第2油路12は、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路であるため、常にスラストワッシャ3の内周側からの潤滑油の供給を受け、充分な量の潤滑油を溜めることができる。さらに、スラストワッシャ3の回転に伴う遠心力によって、第2油路12に溜まった潤滑油の圧力が上昇するため、摺動面7への潤滑油の供給量を増加させ、摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
このように、潤滑油の滞留抑制機能と油膜確保機能とを第1油路11と第2油路12とで分担し、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7での潤滑油滞留を抑制しつつ油膜厚さを増加させることで、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を大きくすることができる。
さらに、実施例1では、第1油路11は、第2油路12と連通することなく独立に形成したため、上記摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を、摺動面7の全域にわたり均一に発揮させることができる。
加えて、実施例1のスラストワッシャ3は、回転軸2の先端部に対し周方向に係合する回り止め突起3aを有すると共に、回転軸2から固定軸1の方向へスラスト荷重を受け、該スラスト荷重を受けつつ相対回転する固定軸1との摺動面7のみに第1油路11と第2油路12を形成している。
したがって、スラストワッシャの両面に第1油路と第2油路とを形成する場合に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
したがって、スラストワッシャの両面に第1油路と第2油路とを形成する場合に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
また、第1油路11のスラストワッシャ3の相対回転方向の上流側の側壁面に、第1油路11の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなるテーパー面13を有する。
したがって、テーパー面13(斜面)により楔効果が生じ、テーパー面を有さない油路に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
したがって、テーパー面13(斜面)により楔効果が生じ、テーパー面を有さない油路に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
さらに、実施例1では、第1油路11と第2油路12のうち、第1油路11のみにテーパー面13を形成した。
すなわち、第2油路12においては、遠心力によって第2油路12に溜まった潤滑油の圧力が変化し、スラストワッシャ3の径方向について常に均一に潤滑できるわけではない。一方、第1油路11においては、スラストワッシャ3の内周面31から外周面32に貫通しているため、摺動面7に供給される潤滑油の圧力は、スラストワッシャ3の径方向について均一である。
そこで、第1油路11のみにテーパー面13を設けることによって、第1油路11のみに楔効果が得られることになり、第1油路11から摺動面7に供給される潤滑油量が径方向について均一に増加することで、上記摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を、テーパー面を有さない場合に比べ、摺動面7の全域にわたりより均一に発揮させることができる。
すなわち、第2油路12においては、遠心力によって第2油路12に溜まった潤滑油の圧力が変化し、スラストワッシャ3の径方向について常に均一に潤滑できるわけではない。一方、第1油路11においては、スラストワッシャ3の内周面31から外周面32に貫通しているため、摺動面7に供給される潤滑油の圧力は、スラストワッシャ3の径方向について均一である。
そこで、第1油路11のみにテーパー面13を設けることによって、第1油路11のみに楔効果が得られることになり、第1油路11から摺動面7に供給される潤滑油量が径方向について均一に増加することで、上記摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を、テーパー面を有さない場合に比べ、摺動面7の全域にわたりより均一に発揮させることができる。
加えて、テーパー面13は、側壁面の外周側のテーパー角θを、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定している。
すなわち、スラストワッシャ3の摺動面7については、周速が大きい外周側の方が摩擦が大きい、つまり、スラストワッシャ3の外周側の方が、より多くの潤滑油を必要とする。
したがって、側壁面の外周側のテーパー角θを、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定することによって、スラストワッシャ3の外周側の方により多くの潤滑油を供給することができる。
すなわち、スラストワッシャ3の摺動面7については、周速が大きい外周側の方が摩擦が大きい、つまり、スラストワッシャ3の外周側の方が、より多くの潤滑油を必要とする。
したがって、側壁面の外周側のテーパー角θを、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定することによって、スラストワッシャ3の外周側の方により多くの潤滑油を供給することができる。
さらに、実施例1では、テーパー面13のテーパー角θは、スラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定している。
すなわち、潤滑油の必要量は、周速に比例し、周速はスラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して大きくなる。
したがって、テーパー面13のテーパー角θを、スラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定することで、スラストワッシャ3の全域に過不足の無い適切な潤滑油量を供給することができる。
すなわち、潤滑油の必要量は、周速に比例し、周速はスラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して大きくなる。
したがって、テーパー面13のテーパー角θを、スラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定することで、スラストワッシャ3の全域に過不足の無い適切な潤滑油量を供給することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 軸方向に対向する固定軸1と回転軸2との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7に潤滑油路を形成したスラストワッシャ3の潤滑油路構造において、前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、前記スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、前記スラストワッシャ3の内周面31に開口し、前記スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有するため、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面7での潤滑油滞留を抑制しつつ油膜厚さを増加させることで、摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を大きくすることができる。
(2) 第1油路11は、第2油路12と連通することなく独立に形成したため、上記摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を、摺動面7の全域にわたり均一に発揮させることができる。
(3) 前記スラストワッシャ3は、前記回転軸2の先端部に対し周方向に係合する回り止め突起3aを有すると共に、前記回転軸2から前記固定軸1の方向へスラスト荷重を受け、該スラスト荷重を受けつつ相対回転する前記固定軸1との摺動面7のみに前記第1油路11と前記第2油路12を形成したため、スラストワッシャの両面に第1油路と第2油路とを形成する場合に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
(4) 前記第1油路11のスラストワッシャ3の相対回転方向の上流側の側壁面に、第1油路11の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなるテーパー面13を有するため、テーパー面13(斜面)により楔効果が生じ、テーパー面を有さない油路に比べ、摺動面7への潤滑油供給量の増加により摺動面7の油膜厚さを増加させることができる。
(5) 前記第1油路11と前記第2油路12のうち、前記第1油路11のみにテーパー面13を有するため、第1油路11から摺動面7に供給される潤滑油量が径方向について均一に増加することで、上記摩耗、焼き付き、摩擦大(損失トルク大)の防止効果を、テーパー面を有さない場合に比べ、摺動面7の全域にわたりより均一に発揮させることができる。
(6) 前記テーパー面13は、側壁面の外周側のテーパー角θを、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定したため、スラストワッシャ3の外周側の方により多くの潤滑油を供給することができる。
(7) 前記テーパー面13のテーパー角θは、スラストワッシャ3の回転中心Oからの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定したため、スラストワッシャ3の全域に過不足の無い適切な潤滑油量を供給することができる。
実施例2は、第1油路に第2油路を重ね合わせて互いに連通する一体の油路とした例である。
まず、構成を説明する。
図5は実施例2のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる正面図、図6は実施例2のスラストワッシャの第1油路及び第2油路を示す図5のD−D断面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、第2油路12とスラストワッシャ3の外周面32とを連通し、スラストワッシャ3の内周面31とは第2油路12を介して開口する油路であって、第2油路12よりも油路断面積を小さく設定している。また、互いに連通する第1油路11及び第2油路12は、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
図5は実施例2のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる正面図、図6は実施例2のスラストワッシャの第1油路及び第2油路を示す図5のD−D断面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、第2油路12とスラストワッシャ3の外周面32とを連通し、スラストワッシャ3の内周面31とは第2油路12を介して開口する油路であって、第2油路12よりも油路断面積を小さく設定している。また、互いに連通する第1油路11及び第2油路12は、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例2では、前記第1油路11は、第2油路12とスラストワッシャ3の外周面32とを連通し、スラストワッシャ3の内周面31とは第2油路12を介して開口する油路であって、第2油路12よりも油路断面積を小さく設定した。
このため、実施例1のように、独立構成の第1油路11と第2油路12とを摺動面7に複数レイアウトする場合に比べ、スラストワッシャ3の摺動面7における油路占有面積を減らすことができ、スラスト荷重によってスラストワッシャ3の摺動面7に発生する面圧を低減することができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
このため、実施例1のように、独立構成の第1油路11と第2油路12とを摺動面7に複数レイアウトする場合に比べ、スラストワッシャ3の摺動面7における油路占有面積を減らすことができ、スラスト荷重によってスラストワッシャ3の摺動面7に発生する面圧を低減することができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1),(3)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
実施例2のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1),(3)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記第1油路11は、第2油路12とスラストワッシャ3の外周面32とを連通し、スラストワッシャ3の内周面31とは第2油路12を介して開口する油路であって、第2油路12よりも油路断面積を小さく設定したため、独立構成の第1油路と第2油路とを摺動面に配置する場合に比べ、スラストワッシャ3の摺動面7における油路占有面積を減らすことができ、スラスト荷重によってスラストワッシャ3の摺動面7に発生する面圧を低減することができる。
実施例3は、実施例1での潤滑油路をベースとし、テーパー面を第1油路だけではなく第2油路にも形成し、かつ、2つのテーパー面のテーパー角を異ならせた例である。
まず、構成を説明する。
図7は実施例3のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる一部正面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
図7は実施例3のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる一部正面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
前記第1油路11と前記第2油路12には、図7に示すように、前記スラストワッシャ3の相対回転方向の上流側の側壁面に、第1油路11の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなる第1テーパー面13aと、第2油路12の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなる第2テーパー面13bと、をそれぞれ有する。そして、第1油路11の側壁面に有する第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2油路12の側壁面に有する第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きな角度に設定している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3では、前記テーパー面13は、第1油路11と第2油路12に有し、第1油路11の側壁面に有する第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2油路12の側壁面に有する第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きな角度設定している。
すなわち、第2油路12においては、遠心力により第2油路12に溜まった潤滑油の圧力が変化し、スラストワッシャ3の径方向について常に均一に潤滑できるわけではない。一方、第1油路11においては、スラストワッシャ3の内周面31から外周面32に連通しているため、摺動面7に供給される潤滑油の圧力は、スラストワッシャ3の径方向について均一である。
そこで、第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きく設定することによって、第1油路11の楔効果が第2油路12の楔効果よりも得られることになり、第1油路11から供給されるスラストワッシャ3の摺動面7への潤滑油量が増加することで、スラストワッシャ3の摺動面7に対する油膜厚さを増加させる作用をより均一に発揮させることができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例3では、前記テーパー面13は、第1油路11と第2油路12に有し、第1油路11の側壁面に有する第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2油路12の側壁面に有する第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きな角度設定している。
すなわち、第2油路12においては、遠心力により第2油路12に溜まった潤滑油の圧力が変化し、スラストワッシャ3の径方向について常に均一に潤滑できるわけではない。一方、第1油路11においては、スラストワッシャ3の内周面31から外周面32に連通しているため、摺動面7に供給される潤滑油の圧力は、スラストワッシャ3の径方向について均一である。
そこで、第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きく設定することによって、第1油路11の楔効果が第2油路12の楔効果よりも得られることになり、第1油路11から供給されるスラストワッシャ3の摺動面7への潤滑油量が増加することで、スラストワッシャ3の摺動面7に対する油膜厚さを増加させる作用をより均一に発揮させることができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
実施例3のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記テーパー面13は、第1油路11と第2油路12に有し、第1油路11の側壁面に有する第1テーパー面13aのテーパー角θ1を、第2油路12の側壁面に有する第2テーパー面13bのテーパー角θ2よりも大きな角度設定したため、第1油路と第2油路とにそれぞれ形成したテーパー面を同じテーパー角度に設定する場合に比べ、スラストワッシャ3の摺動面7に対する油膜厚さを増加させる作用をより均一に発揮させることができる。
実施例4は、実施例1での潤滑油路をベースとし、第1油路に形成したテーパー面をスラストワッシャの内周側から外周側に向かって段階的に変えるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図8は実施例4のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる一部正面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である図外の第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
図8は実施例4のスラストワッシャを示す図2の矢視Bによる一部正面図である。
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャ3の内周側に供給される潤滑油に対し、スラストワッシャ3の内周面31と外周面32とを連通する第1油路11と、スラストワッシャ3の内周面31に開口し、スラストワッシャ3の外周面32に開口しない行き止まり油路である図外の第2油路12と、を有する。そして、前記第1油路11は、前記第2油路12と連通することなく独立に形成し、かつ、第1油路11と第2油路12とは、円環状の摺動面7に対し、交互に複数配列している。
前記第1油路11のみには、図8に示すように、前記スラストワッシャ3の相対回転方向の上流側の側壁面に、第1油路11の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなるテーパー面13を有する。そして、第1油路11の側壁面に有するテーパー面13を、例えば、第1テーパ面部13-1と第2テーパー面部13-2と第3テーパー面部13-3の3段階により形成し、各テーパー角θ1,θ2,θ3は、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくなる角度(θ1<θ2<θ3)に設定している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例4では、前記テーパー面13のテーパー角は、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくなる角度(θ1<θ2<θ3)に設定した。
すなわち、スラストワッシャ3の摺動面7について、周速が大きい外周側の方が内周側よりも摩擦が大きい。つまり、スラストワッシャ3の外周側の方が、より多くの潤滑油量を必要とする。
したがって、テーパー面13のテーパー角を、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくすることによって、スラストワッシャ3の全域に適切な潤滑油量を供給することができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例4では、前記テーパー面13のテーパー角は、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくなる角度(θ1<θ2<θ3)に設定した。
すなわち、スラストワッシャ3の摺動面7について、周速が大きい外周側の方が内周側よりも摩擦が大きい。つまり、スラストワッシャ3の外周側の方が、より多くの潤滑油量を必要とする。
したがって、テーパー面13のテーパー角を、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくすることによって、スラストワッシャ3の全域に適切な潤滑油量を供給することができる。なお、第1油路11と第2油路12の基本的な潤滑作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4),(6)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
実施例4のスラストワッシャの潤滑油路構造にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4),(6)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記テーパー面13のテーパー角は、スラストワッシャ3の内周側から外周側に向かって段階的に大きくなる角度(θ1<θ2<θ3)に設定したため、スラストワッシャ3の全域に適切な潤滑油量を供給することができる。
以上、本発明のスラストワッシャの潤滑油路構造を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ギアユニットとして、平行2軸式の歯車変速機の例を示したが、歯車変速機としては、要するに、ギア噛み合いによりスラスト荷重を発生するものであれば遊星歯車等を使ったものでも良い。
実施例1,3,4では、スラストワッシャの固定軸に対する相対回転方向は片側の方向のみであるため、油路の片側のみにテーパー面を設けたものを示したが、例えば、スラストワッシャが両方向に回転するものであれば、油路の両側の側壁面にテーパー面を形成しても良い。
実施例1〜4では、第1の部材を固定軸とする例を示したが、第1の部材としては、固定軸に限られるものではなく、回転する部材であっても良い。
実施例1〜4では、スラストワッシャの片面のみに第1油路と第2油路とを設けた例を示したが、スラストワッシャの両面が摺動面となる場合は、スラストワッシャの両面に第1油路と第2油路を設ければよいことは言うまでもない。
実施例1,3,4では、第1油路と第2油路とを摺動面の周方向に沿って交互に配置した例を示したが、例えば、図9に示すように、隣接する第1油路11,11との間に第2油路12,12が周方向に連続して形成されるものであっても良い。
実施例1,3,4では、油路のテーパー面を油路の径方向全域に設けた例を示したが、必ずしも油路の径方向全域に設けなくても一部に設けたものであっても良い。
実施例1〜4では、ツインクラッチ式歯車変速機に適用したスラストワッシャの潤滑油路構造を示したが、ツインクラッチ式歯車変速機に限らず、様々な変速機や駆動ユニット等にも適用することができる。要するに、軸方向に対向する第1の部材と第2の部材との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面に潤滑油路を形成したスラストワッシャには本発明の潤滑油路構造を適用することができる。
1 固定軸(第1の部材)
2 回転軸(第2の部材)
3 スラストワッシャ
31 内周面
32 外周面
4 クラッチユニット
5 ギアユニット
6 トランスミッション出力軸
7 摺動面
8 ラジアルニードールベアリング
9 隙間
10 設定空間
11 第1油路
12 第2油路
13 テーパー面
2 回転軸(第2の部材)
3 スラストワッシャ
31 内周面
32 外周面
4 クラッチユニット
5 ギアユニット
6 トランスミッション出力軸
7 摺動面
8 ラジアルニードールベアリング
9 隙間
10 設定空間
11 第1油路
12 第2油路
13 テーパー面
Claims (10)
- 軸方向に対向する第1の部材と第2の部材との間に配置され、スラスト荷重を受けながら相対回転する摺動面に潤滑油路を形成したスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記潤滑油路は、前記スラストワッシャの内周側に供給される潤滑油に対し、
前記スラストワッシャの内周面と外周面とを連通する第1油路と、
前記スラストワッシャの内周面に開口し、前記スラストワッシャの外周面に開口しない行き止まり油路である第2油路と、
を有することを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項1に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記第1油路は、前記第2油路と連通することなく独立に形成したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項1に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記第1油路は、前記第2油路と前記スラストワッシャの外周面とを連通し、前記スラストワッシャの内周面とは第2油路を介して開口する油路であって、前記第2油路よりも油路断面積を小さく設定したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記第2の部材は、回転部材であり、
前記スラストワッシャは、前記第2の部材に対し周方向に係合する係合手段を有すると共に、前記第2の部材から前記第1の部材の方向へスラスト荷重を受け、該スラスト荷重を受けつつ相対回転する前記第1の部材との摺動面のみに前記第1油路と前記第2油路とを形成したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記第1油路と前記第2油路のうち少なくとも一方の油路は、前記スラストワッシャの相対回転方向の上流側の側壁面に、油路の底部から相対回転方向の逆方向に向かって徐々に溝深さが浅くなるテーパー面を有することを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項5に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記テーパー面は、前記第1油路のみに有することを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項5に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記テーパー面は、前記第1油路と前記第2油路に有し、前記第1油路の側壁面に有する第1テーパー面のテーパー角を、前記第2油路の側壁面に有する第2テーパー面のテーパー角よりも大きな角度に設定したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項5乃至7の何れか1項に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記テーパー面は、側壁面の外周側のテーパー角を、側壁面の内周側のテーパー角よりも大きな角度に設定したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項8に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記テーパー面のテーパー角は、前記スラストワッシャの内周側から外周側に向かって段階的に大きくなる角度に設定したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。 - 請求項8に記載されたスラストワッシャの潤滑油路構造において、
前記テーパー面のテーパー角は、前記スラストワッシャの回転中心からの距離に比例して無段階に大きくなる角度に設定したことを特徴とするスラストワッシャの潤滑油路構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005199779A JP2007016931A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | スラストワッシャの潤滑油路構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-07-08 JP JP2005199779A patent/JP2007016931A/ja active Pending
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