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JP2007005933A - 画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置 - Google Patents

画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置 Download PDF

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JP2007005933A JP2005181105A JP2005181105A JP2007005933A JP 2007005933 A JP2007005933 A JP 2007005933A JP 2005181105 A JP2005181105 A JP 2005181105A JP 2005181105 A JP2005181105 A JP 2005181105A JP 2007005933 A JP2007005933 A JP 2007005933A
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Abstract

【課題】 画像表示装置が表示する画像が鮮明になるように、画像内に含まれる動きに応じて画像を適切に調整することができる画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】 動き判定部(第1判定手段)207は、画像内の小領域での動きの大きさを判定し、パンニング動作判定部(第2判定手段)208は、画像内の大領域での動き即ちパンニングの動作の大きさを判定する。動きの大きさが大であるほど、画像に含まれる輪郭を強調する輪郭強調処理部(輪郭強調手段)202は、輪郭の強調度を大きくする。パンニングの動作の大きさが大であるほど、輪郭強調処理部202が輪郭の強調度を小さくする一方、ガンマ補正処理部203はガンマカーブの傾きを大きくし、コントラスト強調処理部204は中間輝度の画素間の輝度差を拡大して、画像のコントラストを向上させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像表示装置が表示する画像を処理する方法に関し、より詳しくは、画像に含まれる動きの大きさに応じて、画像が鮮明になるように画像を調整する画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置に関する。
従来、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又はプロジェクションディスプレイ等、外部から画像データを受け付け、受け付けた画像データに基づいた画像を表示することができる各種の画像表示装置が普及している。画像表示装置が画像を走査する方式としては、奇数番目の走査線による表示からなるフィールドと偶数番目の走査線による表示からなるフィールドとを順次表示して画像のフレームを表現するインタレース走査と、走査線を順次走査するプログレッシブ走査とがある。通常のテレビジョン放送では、インタレース走査用の画像データが放送されているので、テレビジョン受像機をなす画像表示装置には、インタレース走査方式で画像を表示するものが多い。
近年の画像表示装置は、画面の大型化が進行しており、画面の大型化に伴って、表示できる画像の高画質化及び高解像度化が求められている。インタレース走査による画像とプログレッシブ走査による画像とでは、プログレッシブ走査による画像の方が高画質であるので、高画質化を実現する技術として、インタレース走査用の画像データをプログレッシブ走査用の画像データへ変換し、画像表示装置にてプログレッシブ走査で画像を表示するIP(インタレース/プログレッシブ)変換の技術が用いられている。また、画像データから輝度信号と色信号とを分離するYC分離を行う際に、一フレーム内での画像データの変化に基づくのみならず、時間方向への画像データの変化に基づいてYC分離を行う3DYC分離の技術も用いられている。また、放送された画像データに対応する画素数よりも画面上の画素数が多い大画面の画像表示装置に画像を表示させるために、スケーリングにより画素を増やすように従来の画像表示装置用の画像データを変換する技術も用いられている。
以上の如く画面のIP変換及びスケーリング処理等の画像データの処理を行った際には、画像データの補間等に起因して画像が不鮮明になるので、画像の鮮明度を向上させるための画像処理を行う必要がある。このような画像処理としては、画像に含まれる輪郭の部分を強調する処理が主に行われる。画像表示装置が表示する画像には、通常、静止画の部分と動画の部分とが含まれており、静止画に比べて動画の方が動き適応処理により不鮮明になりやすい傾向がある。従って、動画に含まれる輪郭を強調するように画像処理を行った場合は、静止画に含まれる輪郭の強調の度合いが過剰となり、必ずしも画質の向上に寄与しないことがある。特許文献1には、この問題を解決するための技術として、画面内を複数の領域に分割し、各領域内での画像の時間的な動きの大きさを検出し、検出した動きの大きさに応じて、画像に含まれる輪郭の強調の度合いを調整する技術が開示されている。この技術を用いることにより、動画及び静止画の部分で夫々に適切な強調度で輪郭が強調され、画像表示装置は高画質の画像を表示することが可能となる。
特開2003−69859号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示された技術では、画像内での動きが画像を分割した各領域内に含まれる小さな動きである場合には輪郭の強調の度合いを調整可能ではあるが、画面全体が上下又は左右にパンニングされた場合等、動きの範囲が大きい場合には、輪郭の強調の度合いを適切に調整できないという問題がある。特にパンニングの際には、輪郭の強調によって画像内にジャギーが発生しやすいという問題がある。また特許文献1に開示された技術では、輪郭の強調の度合いを調整するのみであるので、輪郭を強調する処理の際に画像内のノイズを増幅する可能性があるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画像内での動きの大きさ及び動きの範囲の大きさに応じて、画像が鮮明になるように画像を適切に調整することができる画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置を提供することにある。
更に本発明の他の目的とするところは、画像に含まれるノイズを増幅することなく、画像が鮮明になるように画像を適切に調整することができる画像調整方法、画像処理回路、及び画像表示装置を提供することにある。
本発明に係る画像調整方法は、画像データに基づいて画像表示装置が表示する画像を調整する画像調整方法において、画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定ステップと、前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップ及び前記第2判定ステップでの判定結果に応じた強調度で、画像に含まれる輪郭を強調するステップと、前記第2判定手段での判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る画像処理回路は、画像データに基づいて画像表示装置が表示する画像を調整する処理を行う画像処理回路において、画像に含まれる輪郭を強調する輪郭強調手段と、画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定手段と、前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段及び前記第2判定手段による判定結果に応じて、前記輪郭強調手段が前記輪郭を強調する強調度を調整する強調度調整手段と、前記第2判定手段による判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すガンマ補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、画像データに基づいて動画部分を含む画像を表示する表示手段と、該表示手段が表示する画像に含まれる輪郭を強調する輪郭強調手段とを備える画像表示装置において、画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定手段と、前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段及び前記第2判定手段による判定結果に応じて、前記輪郭強調手段が前記輪郭を強調する強調度を調整する強調度調整手段と、前記第2判定手段による判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すガンマ補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、画像表示装置で表示する画像に含まれる輪郭を強調する処理を行う際に、画像内の小領域における画像の時間的な動きの大きさ及び画像内の大領域における画像の時間的な動きの大きさに応じて、輪郭の強調度を調整し、画像内の大領域における動きの大きさに応じて、画像のガンマカーブ又はコントラストを調整する。
本発明に係る画像表示装置は、前記第1判定手段及び前記第2判定手段は、時系列的に異なる複数の画像に対応する画像データに基づき、実質的に同一の輝度を示す画素の位置が前記複数の画像間でずれる距離に対応して、前記動きの大きさを判定するように構成してあることを特徴とする。
また本発明においては、時系列的に異なる画像である複数のフィールド又はフレーム間で、同一輝度の画素の位置がずれる距離に対応して、画像内の小領域及び大領域における動きの大きさの値を求める。
本発明に係る画像表示装置は、前記強調度調整手段は、前記第1判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど前記強調度を増大させる手段と、前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど前記強調度を減少させる手段とを有することを特徴とする。
また本発明においては、画像内の小領域における動きの大きさが大であるほど画像内の輪郭を強調する強調度が増大し、画像内の大領域における動きの大きさが大であるほど画像内の輪郭を強調する強調度が減少する。
本発明に係る画像表示装置は、前記ガンマ補正手段は、前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほどガンマカーブの傾きが大になるようにガンマカーブを調整する手段を有することを特徴とする。
また本発明においては、画像内の大領域における動きの大きさが大であるほどガンマカーブの傾きを大きくして、画像のコントラスト感が向上する。
本発明に係る画像表示装置は、前記ガンマ補正手段は、前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど輝度が所定範囲内に含まれる画素間での輝度差を拡大するようにコントラストを強調する手段を有することを特徴とする。
更に本発明においては、画像内の大領域における動きの大きさが大であるほど、輝度が所定範囲にある画素間の輝度差を拡大するように、画像のコントラストを強調する。
本発明にあっては、画像内の小領域における動きの大きさ及び画像内の大領域における動きの大きさに応じて輪郭の強調度、画像のガンマカーブ及びコントラストを調整することにより、画像内に含まれる動き及び画面全体が動くパンニング等、画像内に含まれる動きの状態に応じた適切な方法で画像を鮮明化して、高画質の画像を表示することが可能となる。
また本発明にあっては、画像内での動きの大きさが大であるほど輪郭の強調度が増大し、パンニングの動作の大きさが大であるほど輪郭の強調度が減少するので、画像に含まれる動画の部分を鮮明にすることができると共に、パンニングの際には輪郭の強調度を抑えることによってジャギーの発生を抑制することが可能となる。
また本発明にあっては、画像にパンニングが含まれる場合、輪郭の強調度を抑えるだけでは画像が不鮮明になるので、ガンマカーブの傾きを大きくすることにより、画像のコントラスト感を向上させて、画像を鮮明化することができる。
更に本発明にあっては、画像にパンニングが含まれる場合、輪郭の強調度を抑えるだけでは画像が不鮮明になるので、画素間の輝度差を拡大することにより、画像のコントラストを向上させて、画像を鮮明化することができる。更に画像のコントラストを強調する処理により、ノイズの部分を他の部分に比べて突出して増加させることがないので、ノイズを増加させることなく画像を鮮明化することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像表示装置1の内部構成を示すブロック図である。画像表示装置1は、画像データとして輝度信号及び色信号が分離されずに複合した複合信号を外部から入力される複合信号入力部15と、画像データとして輝度信号及び色信号が分離した分離信号を外部から入力される分離信号入力部16とを備えている。複合信号入力部15又は分離信号入力部16は、図示しない外部のチューナ、セットトップボックス、又は映像記録装置等の外部装置に接続され、外部装置から画像データを入力される構成となっている。複合信号入力部15には、画像データの3DYC分離の処理を行う3DYC分離処理部14が接続されている。複合信号入力部15は、外部から入力された複合信号を3DYC分離処理部14へ入力し、3DYC分離処理部14は、複合信号入力部15から入力された複合信号に対して3DYC分離の処理を行って、複合信号を輝度信号と色信号とに分離する構成となっている。
3DYC分離処理部14及び分離信号入力部16は、入力切替部13に接続しており、入力切替部13は、本発明の画像処理回路2に接続している。3DYC分離処理部14及び分離信号入力部16は、輝度信号と色信号とが分離した画像データを入力切替部13へ入力し、入力切替部13は、3DYC分離処理部14又は分離信号入力部16から画像データを入力され、入力に応じて画像データの入力元を切り替え、入力された画像データを画像処理回路2へ入力する構成となっている。
更に画像表示装置1は、CRT又は液晶パネル等の画像を表示するための表示デバイス11と、表示デバイスに画像を表示させる処理を行う表示デバイス駆動部12とを備えている。表示デバイス11には表示デバイス駆動部12が接続されており、表示デバイス駆動部12には画像処理回路2が接続されている。本発明の画像処理回路2は、入力切替部13から入力された画像データに処理を施して表示デバイス駆動部12へ入力し、表示デバイス駆動部12は、画像処理回路2からの画像データに基づいて表示デバイス11に画像を表示させる構成となっている。
図2は、本発明の画像処理回路2の内部構成例を示すブロック図である。画像処理回路2は、入力切替部13から入力された画像データのIP変換を行うIP変換処理部201を備えている。IP変換処理部201には、画像に含まれる輪郭部を強調する処理を行う輪郭強調処理部(輪郭強調手段)202が接続されている。輪郭強調処理部202には、画像データに対してガンマ補正を行うガンマ補正処理部203が接続されている。ガンマ補正処理部203には、画像のコントラストを強調する処理を行うコントラスト強調処理部204が接続されている。ガンマ補正処理部203及びコントラスト強調処理部203は、本発明に係るガンマ補正手段に相当する。コントラスト強調処理部203には、入力された画像データに基づいた画像を表示デバイス11の画素数に合わせるために画像データを変換する処理を行うスケーリング処理部205が接続されている。スケーリング処理部205には、スケーリング後の画像データに対して、画像に含まれる輪郭部を強調する処理を再度実行する輪郭強調再処理部206が接続されている。画像処理回路2に入力された画像データは、IP変換処理部201、輪郭強調処理部202、ガンマ補正処理部203、コントラスト強調処理部203、スケーリング処理部205、及び輪郭強調再処理部206によって順に画像処理を施され、表示デバイス駆動部12へ入力される。
またIP変換処理部201には、画像内に含まれる動きの大きさを判定する動き判定部(第1判定手段)207、及び画像が表現する場面全体が動くパンニングの動作の大きさを判定するパンニング動作判定部(第2判定手段)208が接続されている。動き判定部207及びパンニング動作判定部208には、マイクロコンピュータでなる制御部209が接続されている。動き判定部207及びパンニング動作判定部208は、画像データに基づいて、画像内に含まれる動きの大きさ及びパンニングの動作の大きさを判定し、判定結果を制御部209へ入力する構成となっている。制御部11には、動き判定部207及びパンニング動作判定部208から入力される動きの大きさ及びパンニングの動作の大きさの閾値を設定した閾値設定部210が接続されている。
閾値設定部210は、輪郭強調処理部202が行う輪郭強調の処理での強調度、ガンマ補正処理部203が行うガンマ補正の内容、コントラスト強調処理部203が行うコントラスト強調の処理での強調度、及び輪郭強調再処理部206が行う輪郭強調の処理での強調度と、画像内の動きの大きさ及び/又はパンニングの動作の大きさの閾値とを対応づけて設定している。制御部11は、動き判定部207及びパンニング動作判定部208から入力される動きの大きさ及びパンニングの動作の大きさを、閾値設定部210が設定している設定内容と比較することによって、輪郭強調処理部202、ガンマ補正処理部203、コントラスト強調処理部203及び輪郭強調再処理部206が行うべき処理内容を決定し、輪郭強調処理部202、ガンマ補正処理部203、コントラスト強調処理部203及び輪郭強調再処理部206の動作を制御する構成となっている。制御部209及び閾値設置部210は、このようにして、本発明に係る強調度調整手段として機能する。
次に、本発明の画像処理回路2が行う処理をより詳しく説明する。IP変換処理部201は、一又は複数のフィールドに対応する画像データから、補間等の処理によってフレームに対応する画像データを生成する。動き判定部207及びパンニング動作判定部208は、画像内に領域を指定し、時系列的に連続する複数のフィールド若しくは複数のフレームに含まれる前記領域内での画素の輝度変化の検出、又は前後のフィールド若しくはフレームでの画像データの比較を行い、画素の輝度変化又は画像データの差分に応じて画像内での動きの大きさを判定する。
図3は、動き判定部207及びパンニング動作判定部208が画像内での動きの大きさを判定するために画像内に指定する領域の例を示す模式図である。動き判定部207は、画像内に、画像の中心画素等の基準画素を中心として、8×8画素等の複数の画素が集積してなる小領域を指定し、指定した小領域内における動きの大きさを判定する。またパンニング動作判定部208は、動き判定部207が指定する小領域よりも大きい80×80画素等の複数の画素が集積してなる大領域を指定し、指定した大領域内における動きの大きさを判定する。動き判定部207で判定した動きの大きさが大であり、パンニング動作判定部208で判定した動きの大きさが小である場合、画像表示装置1が表示する画像は、競技場内で競技者が移動している場面等、背景がほぼ固定された中で一部が動いている画像である。またパンニング動作判定部208で判定した動きの大きさが大である場合は、画像表示装置1が表示する画像は、競技場を端から順に映したパンニングの場合等、場面全体が動いている画像である。
なお、基準画素の位置は画像の中心画素に限るものではなく、他の位置の画素を基準画素として用いてもよい。例えば、時系列的に連続するフィールド間又はフレーム間で各画素の輝度の差分をとり、差分が最も大きい部分を基準画素とする等、任意に基準画素の位置を指定する処理を行ってもよい。また動き判定部207が指定する小領域は単一である必要はなく、動き判定部207は、画像を複数の小領域に分割した上で、各小領域で動きの大きさを判定する処理を行ってもよい。またパンニング動作判定部208は、画像全体を大領域として指定する処理を行ってもよい。
動き判定部207及びパンニング動作判定部208は、指定した領域内にて、勾配法又はブロックマッチング法等の方法を用いて動きを検出する。動き判定部207及びパンニング動作判定部208は、時系列的に連続するフィールド間又はフレーム間で、実質的に同一の輝度を示す画素の位置が領域内でずれる距離を動きの大きさとして判定する。例えば、n番目のフレームにおける座標(x,y)の画素の輝度をI(n;x,y)とし、領域内での画素の位置ずれを(dx,dy)とし、各画素についてのI(n+1;x+dx,y+dy)−I(n;x,y)を領域内で合計した値が最小となる(dx,dy)を求め、求めたdx及びdyの2乗和の平方根を動きの大きさとする。
輪郭強調処理部202は、フレーム内での輝度分布の高周波成分を計算し、計算した高周波成分にゲインを掛けた上で元のフレームに加算することによって、画像に含まれる輪郭を強調する。制御部209は、動き判定部207及びパンニング動作判定部208が判定した動きの大きさに応じて、輪郭強調処理部202が行う輪郭強調の処理でのゲインを調整することによって、輪郭強調の強調度を調整する。閾値設定部210は、動き判定部207及びパンニング動作判定部208が判定する動きの大きさの閾値と、輪郭強調処理部202が行う輪郭強調の処理でのゲインとを互いに対応づけて記憶している。
図4は、閾値設定部210での記憶内容の例を示す概念図である。なお、図中に示した数値は概念的な数値であり、実際の数値とは異なるものである。閾値設定部210では、動きの大きさの閾値に対して、輪郭強調の処理でのゲインとして、動き判定部207が判定した画像内での動きの大きさに基づいたゲインG1とパンニング動作判定部208が判定したパンニングの大きさに基づいたゲインG2とを対応づけてある。
閾値設定部210は、一方では、画像内での動きの大きさが0以上1未満である場合は、ゲインG1は0となり、また画像内での動きの大きさが1以上2未満である場合は、ゲインG1は1となる等のように、段階的に数値が大きくなる動きの大きさの閾値に対して、画像内での動きの大きさに応じたゲインG1の値が段階的に数値が大きくなるように設定している。即ち、閾値設定部210は、動き判定部207が判定した動きの大きさが大であるほど、輪郭強調処理部202が強調する輪郭の強調度が増大するように、動きの大きさの閾値と輪郭強調の処理でのゲインG1とを設定している。
また閾値設定部210は、他方では、パンニングの大きさが0以上1未満である場合は、ゲインG2は0であり、またパンニングの大きさが1以上2未満である場合は、ゲインG2は−0.5である等のように、段階的に数値が大きくなる動きの大きさの閾値に対して、パンニングの大きさに応じたゲインG2の値が段階的に数値が小さくなるように設定している。即ち、閾値設定部210は、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの大きさが大であるほど、輪郭強調処理部202が強調する輪郭の強調度が減少するように、動きの大きさの閾値と輪郭強調の処理でのゲインG2とを設定している。なお、以上の閾値設定部210での設定内容は一例であり、画像内での動きの大きさが大であるほど強調度が大となってパンニングの大きさが大であるほど強調度が小となるような関数を設定しておく等、閾値設定部210はその他の方法で輪郭の強調度を設定してあってもよい。
制御部209は、動き判定部207が判定した画像内での動きの大きさを動き判定部207から受け付け、閾値設定部210での設定内容を参照して、画像内での動きの大きさに応じたゲインG1を決定する。また制御部209は、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさをパンニング動作判定部208から受け付け、閾値設定部210での設定内容を参照して、パンニングの動作の大きさに応じたゲインG2を決定する。更に制御部209は、決定したゲインG1とゲインG2との合計を、輪郭強調処理部202が行う輪郭強調の処理でのゲインとして決定し、決定したゲインで輪郭強調処理部202に輪郭強調の処理を実行させる。
ガンマ補正処理部203は、画像データに対してガンマカーブの傾きを調整するガンマ補正の処理を行う。閾値設定部210は、パンニング動作判定部208が判定するパンニングの大きさの閾値とガンマカーブの傾きとを対応づけており、段階的に大きくなるパンニングの大きさの閾値に対して、ガンマカーブの傾きが大きくなるように設定している。
図5は、パンニングの動作の大きさに対応するガンマカーブの例を示す概念図である。図中の横軸は画像データによる輝度の入力であり、縦軸は画像としての輝度の出力であり、入力及び出力の値を全体の階調数に対する割合で示している。閾値設定部210は、パンニング動作判定部208が判定するパンニングの大きさが0である場合は、図5(a)に示す如く、ガンマカーブの傾きが1となり、パンニングの大きさが大である場合は、図5(b)に示す如く、ガンマカーブの傾きが1よりも大となるように設定してある。
制御部209は、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさをパンニング動作判定部208から受け付け、閾値設定部210での設定内容を参照して、パンニングの動作の大きさに応じたガンマカーブの傾きを決定する。更に制御部209は、決定した傾きに画像のガンマカーブの傾きを合わせるようにガンマ補正処理部203にガンマカーブの傾きを調整するガンマ補正の処理を実行させる。これによって、パンニングの動作の大きさが大であるほど、ガンマカーブの傾きが大きくなって、画像のコントラストが強調される。
コントラスト強調処理部204は、輝度が予め定められた所定の輝度範囲に含まれる画素間の輝度差を拡大することにより、画像のコントラストを強調する処理を行う。閾値設定部210は、所定の輝度範囲を、輝度差の差異が視覚的に顕著になる中間輝度の範囲に設定している。また閾値設定部210は、パンニング動作判定部208が判定するパンニングの大きさの閾値とコントラスト強調処理部204が行う処理でのコントラストの強調度とを対応づけており、段階的に大きくなるパンニングの大きさの閾値に対して、コントラストの強調度が大きくなるように設定している。コントラスト強調処理部204は、例えば、a,b,cを正の値として、最小輝度がaで最大輝度がbである所定の輝度範囲に含まれる輝度の分布を、最小輝度が(a−c/2)で最大輝度が(b+c/2)である輝度の分布へ変換する処理を行う。この場合、閾値設定部210は、段階的に大きくなるパンニングの大きさの閾値に対して、最大輝度と最小輝度との輝度差の拡大量cが段階的に大きくなるように設定している。
制御部209は、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさをパンニング動作判定部208から受け付け、閾値設定部210での設定内容を参照して、輝度が所定の輝度範囲に含まれる画素の最大輝度と最小輝度との輝度差を拡大する拡大量cを決定する。更に制御部209は、輝度が所定の輝度範囲に含まれる画素の輝度を、最大輝度と最小輝度との輝度差が拡大量cだけ拡大した輝度範囲に含まれる輝度へ変換する処理を実行させる。これによって、パンニングの動作の大きさが大であるほど、輝度が所定の輝度範囲に含まれる画素間の輝度差が拡大し、中間輝度の範囲での画像のコントラストが強調される。
スケーリング処理部205は、画素間の補間又は間引き等の処理によって、画像データに対応する画素数を表示デバイス11の画素数に合わせるために、画像データに基づいた画像のサイズを変更する処理を行う。輪郭強調再処理部206は、スケーリング処理部205が画像サイズを変更した画像内に含まれる輪郭を強調する処理を再度行う。輪郭強調再処理部206が行う処理は輪郭強調処理部202が行う前述の処理と同様であり、制御部209は、輪郭強調処理部202が行う処理を制御した前述の処理と同様にして、輪郭強調再処理部206が行う処理を制御する。
次に、本発明の画像表示装置1が画像を表示するために行う処理の流れを説明する。複合信号入力部15又は分離信号入力部16は、図示しない外部装置から画像データを入力される。このとき、複合信号入力部15は画像データとして輝度信号及び色信号が複合した複合信号を入力され、分離信号入力部15は画像データとして輝度信号及び色信号が分離した分離信号が入力される。複合信号入力部15は、入力された画像データを3DYC分離処理部14へ入力し、3DYC分離処理部14は、画像データに対して3DYC分離の処理を行って複合信号を輝度信号と色信号とに分離する。3DYC分離処理部14又は分離信号入力部16は画像データを入力切替部13へ入力し、入力切替部13は、入力に応じて画像データの入力元を切り替え、入力された画像データを本発明の画像処理回路2へ入力する。
入力切替部13が画像処理回路2へ入力した画像データは、画像処理回路2内のIP変換処理部201が受け付ける。IP変換処理部201は、受け付けた画像データに対してIP変換の処理を行う。また動き判定部207及びパンニング動作判定部208は、IP変換処理部201が受け付けた画像データ、又はIP変換処理部201がIP変換を行った後の画像データに基づいて、前述の如き処理により、画像内での動きの大きさ、及びパンニングの動作の大きさを判定する。
動き判定部207は、判定した動きの大きさを制御部209へ入力し、制御部209は、閾値設定部210の設定内容に従って、動き判定部207が判定した動きの大きさに応じた前述のゲインG1を決定する。またパンニング動作判定部208は、判定したパンニングの動作の大きさを制御部209へ入力し、制御部209は、閾値設定部210の設定内容に従って、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさに応じた前述のゲインG2を決定する。制御部209は、次に、決定したゲインG1とゲインG2との合計を、輪郭強調処理部202が行う輪郭強調の処理でのゲインとして決定する。
IP変換処理部201は、次に、IP変換を行った画像データを輪郭強調処理部202へ入力し、輪郭強調処理部202は、制御部209が決定したゲインを掛けた高周波成分を画像データに加算することによって、画像に含まれる輪郭を強調する。この制御部209及び輪郭強調処理部202が行う処理により、画像内での動きの大きさが大であるほど輪郭の強調度が増大し、パンニングの動作の大きさが大であるほど輪郭の強調度が減少する。これによって、画像に含まれる動画の部分を鮮明にすることができると共に、パンニングの際には輪郭の強調度を抑えることによってジャギーの発生を抑制することが可能となる。
輪郭強調処理部202は、次に、輪郭を強調する処理を行った画像データをガンマ補正処理部203へ入力する。また制御部209は、閾値設定部210の設定内容に従って、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさに応じたガンマカーブの傾きを決定する。ガンマ補正処理部203は、制御部209で決定した傾きにガンマカーブの傾きを合わせるようにガンマ補正の処理を行う。この制御部209及びガンマ補正処理部203が行う処理により、画像におけるパンニングの動作の大きさが大であるほどガンマカーブの傾きが大となって、画像のコントラストが向上する。画像にパンニングが含まれる場合、輪郭の強調度を抑えるだけでは画像が不鮮明になるので、ガンマカーブの傾きを大きくすることにより、画像のコントラストを向上させて、画像を鮮明化することができる。
ガンマ補正処理部203は、次に、画像データをコントラスト強調処理部204へ入力する。また制御部209は、閾値設定部210の設定内容に従って、パンニング動作判定部208が判定したパンニングの動作の大きさに応じて、輝度が所定の輝度範囲に含まれる画素間の輝度差を拡大する拡大量を決定する。コントラスト強調処理部204は、制御部209が決定した拡大量に対応して画素間の輝度差が拡大するように、画像データに対して、輝度差の差異が視覚的に顕著になる中間輝度の範囲にある所定の輝度範囲に含まれる画素の輝度を変換する処理を行う。この制御部209及びコントラスト強調処理部204が行う処理により、画像におけるパンニングの動作の大きさが大であるほど、輝度が中間輝度の範囲にある画素間の輝度差が拡大し、画像のコントラストが向上する。画像にパンニングが含まれる場合、輪郭の強調度を抑えるだけでは画像が不鮮明になるので、画素間の輝度差を拡大することにより、画像のコントラストを向上させて、画像を鮮明化することができる。更に画像のコントラストを強調する処理では、ノイズの部分を他の部分に比べて突出して増加させることがないので、ノイズを増加させることなく画像を鮮明化することが可能となる。
コントラスト強調処理部204は、次に、画像データをスケーリング処理部205へ入力し、スケーリング処理部205は、画像データに基づいた画素数を表示デバイス11の画素数に合わせるために、画像データに基づいた画像のサイズを変更する処理を行う。スケーリング処理部205は、次に、画像のサイズを変更した画像データを輪郭強調再処理部206へ入力する。また制御部209は、閾値設定部210の設定内容に従って、動き判定部207及びパンニング動作判定部208が判定した動きの大きさに応じて、輪郭の強調度を決定する。輪郭強調再処理部206は、制御部209が決定した強調度で、サイズを変更した画像に含まれる輪郭を再度強調する処理を行う。これまでで、本発明の画像処理回路2が行う処理は終了する。
画像処理回路2は、画像処理が終了した画像データを表示デバイス駆動部12へ入力する。表示デバイス駆動部12は、画像処理回路2から入力された画像データに基づいて、表示デバイス11に画像を表示させる処理を行う。以上詳述した如く画像処理回路2によって処理された画像データに基づいて画像を表示することにより、画像表示装置1は、静止画、動画、又はパンニングを含む動画等、画像内に含まれる動きの状態に適切な方法で鮮明化した高画質の画像を表示することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、本発明の画像処理回路2は本発明に係るコントラスト調整手段としてガンマ補正処理部203及びコントラスト強調処理部204を備えた形態を示したが、これに限るものではなく、本発明の画像処理回路2はガンマ補正処理部203又はコントラスト強調処理部204のいずれか一方を備えた形態であってもよい。また本実施の形態においては、本発明の画像処理回路2は、各種の処理をハードウェアで実行する形態を示したが、これに限るものではなく、汎用のプロセッサ及びプログラムを記憶したROMを備え、ROMが記憶するプログラムに従ってプロセッサが画像処理回路2での処理の一部又は全部を実行する形態であってもよい。
また本実施の形態においては、本発明の画像表示装置1は、画像データを外部から入力される形態を示したが、これに限るものではなく、アナログ又はデジタルのテレビジョン放送等の放送信号を受信して画像データを生成するチューナを内部に備えた形態であってもよい。また画像表示装置1は、使用者の操作により各種の処理指示を入力される図示しない入力部を備え、入力部に入力される設定指示に従って閾値設定部210での設定内容を変更することができる形態であってもよい。
更に本実施の形態においては、本発明の画像表示装置1はCRT又は液晶パネル等を表示デバイス11として用いたディスプレイであるとしたが、これに限るものではなく、表示デバイス11から画像を図示しないスクリーンへ投射するリアプロジェクタ、又は表示デバイス11から画像を外部へ投射するフロントプロジェクタ等の形態であってもよい。
本発明の画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の画像処理回路の内部構成例を示すブロック図である。 動き判定部及びパンニング動作判定部が画像内での動きの大きさを判定するために画像内に指定する領域の例を示す模式図である。 閾値設定部での記憶内容の例を示す概念図である。 パンニングの動作の大きさに対応するガンマカーブの例を示す概念図である。
符号の説明
1 画像表示装置
11 表示デバイス(表示手段)
2 画像処理回路
201 IP変換処理部
202 輪郭強調処理部(輪郭強調手段)
203 ガンマ補正処理部(コントラスト調整手段)
204 コントラスト強調処理部(コントラスト調整手段)
207 動き判定部(第1判定手段)
208 パンニング動作判定部(第2判定手段)
209 制御部
210 閾値設定部

Claims (7)

  1. 画像データに基づいて画像表示装置が表示する画像を調整する画像調整方法において、
    画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定ステップと、
    前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定ステップと、
    前記第1判定ステップ及び前記第2判定ステップでの判定結果に応じた強調度で、画像に含まれる輪郭を強調するステップと、
    前記第2判定手段での判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すステップと
    を含むことを特徴とする画像調整方法。
  2. 画像データに基づいて画像表示装置が表示する画像を調整する処理を行う画像処理回路において、
    画像に含まれる輪郭を強調する輪郭強調手段と、
    画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定手段と、
    前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段及び前記第2判定手段による判定結果に応じて、前記輪郭強調手段が前記輪郭を強調する強調度を調整する強調度調整手段と、
    前記第2判定手段による判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すガンマ補正手段と
    を備えることを特徴とする画像処理回路。
  3. 画像データに基づいて動画部分を含む画像を表示する表示手段と、該表示手段が表示する画像に含まれる輪郭を強調する輪郭強調手段とを備える画像表示装置において、
    画像に含まれる所定の小領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第1判定手段と、
    前記小領域よりも広い所定の大領域内における画像の時間的な動きの大きさを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段及び前記第2判定手段による判定結果に応じて、前記輪郭強調手段が前記輪郭を強調する強調度を調整する強調度調整手段と、
    前記第2判定手段による判定結果に応じて、画像にガンマ補正を施すガンマ補正手段と
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  4. 前記第1判定手段及び前記第2判定手段は、時系列的に異なる複数の画像に対応する画像データに基づき、実質的に同一の輝度を示す画素の位置が前記複数の画像間でずれる距離に対応して、前記動きの大きさを判定するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記強調度調整手段は、
    前記第1判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど前記強調度を増大させる手段と、
    前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど前記強調度を減少させる手段とを有すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置。
  6. 前記ガンマ補正手段は、前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほどガンマカーブの傾きが大になるようにガンマカーブを調整する手段を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一つに記載の画像表示装置。
  7. 前記ガンマ補正手段は、前記第2判定手段が判定した動きの大きさが大であるほど輝度が所定範囲内に含まれる画素間での輝度差を拡大するようにコントラストを強調する手段を有することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一つに記載の画像表示装置。
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