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JP2007095960A - 基板洗浄方法、半導体装置の製造方法、表示装置、基板洗浄装置および基板現像処理装置 - Google Patents

基板洗浄方法、半導体装置の製造方法、表示装置、基板洗浄装置および基板現像処理装置 Download PDF

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JP2007095960A JP2005282746A JP2005282746A JP2007095960A JP 2007095960 A JP2007095960 A JP 2007095960A JP 2005282746 A JP2005282746 A JP 2005282746A JP 2005282746 A JP2005282746 A JP 2005282746A JP 2007095960 A JP2007095960 A JP 2007095960A
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Abstract


【課題】 基板洗浄時に洗浄液が基板に衝突し反発することにより発生する洗浄液を含むミストが基板へ付着することを防止できる基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】 基板22を予め定める回転数で回転させ、予め定める供給量で基板22に洗浄液を供給した後、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知し、該検知されたミストの量に応じて基板22の回転数を調整することによって、ミストの発生を抑制することができ、洗浄液を含むミストが基板22に付着することを防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板洗浄方法、半導体装置の製造方法、表示装置、基板洗浄装置および基板現像処理装置に関する。
近年、携帯電話、テレビジョン、パーソナルコンピュータなどの普及に伴い、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置などの表示装置の需要が急速に増加している。これらの表示装置には、画像素子部の駆動回路素子として、酸化膜、金属膜などの導電膜からなる導電パターンが形成される半導体装置が搭載される。
半導体装置の導電パターンは、半導体基板上に導電膜を形成する工程と、導電膜が形成された半導体基板の該導電膜が形成される側の面に感光材料を塗布し感光材料膜を形成する工程と、半導体基板上の感光材料膜を選択的に露光する工程と、露光された感光材料膜が形成される半導体基板に現像液を付与し、現像液が付与される半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することにより半導体基板上にレジストパターンを現像する工程と、現像されたレジストパターンをマスクとして導電膜のエッチングを行なう工程と、レジストパターンを除去する工程とを経て形成される。
これらの工程の中でも、レジストパターンを現像する工程(以後、現像工程と呼ぶ)は、形成される導電パターンの線幅などに直接影響する特に重要な工程である。現像工程は、たとえば次のようにして行なわれる。まず、ポジ型の感光材料膜が形成される半導体基板(以後、単に基板とも呼ぶ)を回転させて該回転する基板に現像液を供給し、遠心力により現像液を基板の被処理面全面に広げながら感光材料膜の露光された部分を現像液に溶解させる。現像液および感光材料膜の種類に応じて定められる時間経過後、現像液の供給を停止し、基板上に残留する現像液および現像液に溶解する感光材料膜を水、純水などの洗浄液で洗い流す。このようにして感光材料膜の露光されなかった部分を基板上に残留させ、レジストパターンを現像する。
このような現像工程は、基板現像処理容器中に備えられる回転機能を有する真空吸着台上に基板を装着し、装着された基板上に吐出ノズルから現像液を吐出し真空吸着台上の基板を回転させた後、洗浄液を基板上に供給して洗浄する枚葉型のスピン型基板現像処理装置によって行なわれることが主流である。このような枚葉型の基板現像処理装置では、基板を回転させながら処理することにより、被処理面内において均一な現像処理を行なうことができるという利点がある。
しかしながら従来の基板現像処理装置では、基板上に現像液を吐出する際、吐出ノズルからの現像液の飛び散りが多く発生するとともに、現像液の基板に対する衝突力によって現像液の跳ね返りが生じ、現像処理容器内で多量の現像液の微小液滴である現像液ミストを発生するという問題を有する。この現像液ミストは、現像液中の溶媒が蒸発する際のガスなどを排出する現像処理容器の開口部から外部へ飛散して、現像処理容器外で待機する未処理基板上の感光材料膜を除去すべきでない部分に付着して該部分の感光材料膜を溶解してしまうなど、未処理基板の現像不良を引起こす原因となる。
そこで、このような現像液ミストの現像処理容器からその外部への飛散を防止する基板現像処理装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。図7は、特許文献1に開示される基板現像処理装置1の構成を概略的に示す図である。基板現像処理装置1は、基板2を収容する現像処理容器3であって、それぞれ異なる位置に開口部4a,5aを有する2枚の天井板4,5を備える現像処理容器3と、基板2を真空吸着により支持し回転させる回転手段6と、基板2に現像液を付与する現像液吐出ノズル7と、基板2に洗浄液を供給する洗浄液供給手段8とを含んで構成される。
回転手段6は、スピンチャックなどの真空吸着手段によって支持される基板2を回転させるためのモータを備える。現像液吐出ノズル7は、現像液吐出ノズル7を基板2上に現像液を吐出できるように移動させる駆動部9を備える。洗浄液供給手段8は、水、純水などの洗浄液を基板2上に供給するノズルを備える。
現像処理容器3は、基板2を収容する略円筒形状の容器である。現像処理容器3の底部には、現像液吐出ノズル7から吐出された現像液を排出するための排出管10が接続される。基板2に供給された現像液は、現像処理容器3に一時貯留され、その後排出管10を介して不図示の廃液タンクに排出される。
また現像処理容器3は、その上部に第1天井板4および第2天井板5を備える。第1天井板4および第2天井板5は、それぞれに形成される開口部4a,5aを通して現像処理容器3中のガスを外部に排出できるように、適正な間隔で配置される。第1天井板4および第2天井板5には、それぞれ開口部4a,5aが形成される。この開口部4a,5aは、基板2の処理される面に直交する断面について第1天井板4および第2天井板5を仮に重ねて見たとき、第1天井板4に形成される開口部4aと第2天井板5に形成される開口部5aとが重なる部分が生じないように形成される。たとえば、第1天井板4の開口部4aは中央部付近に形成され、第2天井板5の開口部5aは周縁部付近に形成される。
基板現像処理装置1によれば、第1天井板4に形成される開口部4aと第2天井板5に形成される開口部5aとが互いに重ならないように形成されるので、回転手段6により支持され回転される基板2上に現像液吐出ノズル7から現像液を吐出する際に生じる現像液ミストを、開口部4a,5aから現像処理容器3外部に飛散させることがない。このため、現像処理容器3外で待機する未処理基板などに現像液ミストが付着し、これらの基板の現像不良を引起こす恐れを大幅に低減できる。
しかしながら、基板現像処理装置1では、現像液ミストが現像処理容器3外に飛散することを防止し、待機する未処理基板などへの現像液ミストの付着を防止することはできるけれども、現像処理容器3内の処理中の基板2に現像液が付着することによって現像不良が生じることは回避できない。このような現像処理容器3内の処理中の基板2への現像液の付着は、次のようにして生じる。
現像液吐出ノズル7から基板2上に吐出される現像液は、基板2が回転する遠心力により基板2上から飛散されて現像処理容器3内に一時貯留される。この現像処理容器3内の現像液は、現像液に含まれる溶媒が蒸発して粘度が上昇し、最終的に固化する。一旦固化した現像廃液は、排出管10を介して廃液タンクに排出されることなく現像処理容器3内に堆積する。このような現像処理容器3内に堆積する固化した現像液は、基板2の回転により生じる気流によってダストとなり剥離して舞上り、処理中の基板2に再付着する。ここで、特に微細なダストが基板2に付着すると、洗浄液によっても洗浄することができず、洗浄後の基板2上に現像液成分からなるダストが固着する。このことにより、基板2上のダストがマスクとなり、後のエッチング工程に悪影響を及ぼす。
そこで、現像処理容器内の処理中の基板への現像液、特に基板へのダストの付着を防止することのできる基板現像処理装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。図8は、特許文献2に開示される基板現像処理装置11の構成を概略的に示す図である。基板現像処理装置11は、基板12が収容される現像処理容器13と、基板12を真空吸着により支持し回転させる回転手段14と、基板12に現像液を付与する現像液吐出ノズル15と、基板12に洗浄液を供給する不図示の洗浄液供給手段と、現像処理容器13内のガスを排出する排気管16と、排気管16を通過する風量を調整して排気管16からの排気量を変化させる排気ダンパ17とを含んで構成される。
回転手段14、現像液吐出ノズル15および不図示の洗浄液供給手段は、それぞれ前述の図7に示す回転手段6、現像液吐出ノズル7および洗浄液供給手段8と同様の構成であるので説明を省略する。現像処理容器13はその底部に排出管18を備え、排出管18は吐出された現像液が排出される廃液タンク19に接続される。また現像処理容器13の側壁部材には、現像処理容器13内のガスを排出するための配管である排気管16が設けられる。排気管16からのガスの排気量は、排気ダンパ17によって排気管16を通過する風量を調整することにより変化させることができる。
基板現像処理装置11では、現像液を供給するとき以外における現像処理容器13内のガスの排気量を、現像液を供給するときにおける排気量よりも小さくするように、排気ダンパ17で風量を変化させることによって調整する。このことにより、現像液を供給するとき以外は排気量が抑制され、現像液中の溶媒の蒸気を含まない外気が現像処理容器13内へ流入するのを抑制することができる。したがって現像処理容器13内における現像液溶媒蒸気濃度の低下を防止することができ、現像処理容器13内に一時貯留している現像廃液に含まれる溶媒の蒸発を低減させて貯留される現像液の粘度の上昇を抑制することができるので、現像液の固化および現像処理容器13中での堆積を防止することができる。このため、固化した現像液が剥離したダストが基板12に付着することを防止することができる。
しかしながら、現像液のダストが基板12に付着することを防止できる特許文献2に開示される基板現像処理装置11を用いてもなお、基板12に現像液が付着するという問題が生じる。従来、基板へ付着する現像液は、現像液吐出ノズルから飛び散った現像液、基板に対する衝突力によって反発した現像液、または現像処理容器内において固化した現像液のダストからなるもののみであると考えられていたけれども、これだけではないことが確認されている。
上記の原因以外に発生する基板への現像液の付着は、たとえば次のようにして生じる。まず、現像液および現像液に溶解する感光材料膜を洗浄する際に、付与する洗浄液が基板に衝突し反発することによって洗浄液の微小液滴である洗浄液ミストが発生する。そして、洗浄される現像液および現像液に溶解する感光材料膜が洗浄液による圧力で飛ばされ、洗浄液ミストに混合される。さらに、この現像液および現像液に溶解する感光材料膜が混合されたミストが、重力、現像処理容器中のガスの排出による気流の変化などによって、洗浄液の付与を停止した洗浄後の基板上に落下し、再付着する。このようにして、現像液の基板への付着、さらには現像液に溶解した感光材料膜の基板への付着が生じる。
このような問題が生じると、感光材料膜が形成されるべき部分に現像液を含むミストが付着して該部分の感光材料膜を溶解させ、このような感光材料膜をマスクとして後のエッチング工程が行われると、形成される導電パターンに断線などが発生する。また、感光材料膜が除去されるべき部分に感光材料膜を含むミストが付着してエッチング工程が行なわれると、ミストが付着する部分がマスクとなり、導電パターンの短絡などを生じる。したがって、洗浄時に発生する洗浄液ミストに現像液および現像液に溶解する感光材料膜が混合して基板に再付着するという問題についても回避できる基板現像処理装置が求められている。
特開平4−360517号公報 特開2002−353114号公報
本発明の目的は、基板洗浄時に洗浄液が基板に衝突し反発することにより発生する洗浄液を含むミストが基板へ付着することを防止できる基板洗浄方法、該洗浄方法を用いる半導体装置の製造方法、該製造方法を用いて製造される半導体装置を備える表示装置ならびに基板洗浄装置および基板現像処理装置を提供することである。
本発明は、基板洗浄処理容器内に収容される被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄する基板洗浄方法において、
被処理基板を予め定める回転数で回転させるステップと、
予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップと、
被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第1検知ステップと、
第1検知ステップで検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整する回転数調整ステップとを含むことを特徴とする基板洗浄方法である。
また本発明は、回転数調整ステップでは、
第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数よりも小さくすることを特徴とする。
また本発明は、回転数調整ステップでは、
第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数の50〜80%となるように調整することを特徴とする。
また本発明は、回転数調整ステップの後、
被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第2検知ステップと、第2検知ステップで検知されるミストの量に応じて単位時間当りの洗浄液の供給量を調整する洗浄液量調整ステップとを含むことを特徴とする。
また本発明は、洗浄液量調整ステップでは、
第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量よりも小さくすることを特徴とする。
また本発明は、洗浄液量調整ステップでは、
第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りに供給される洗浄液の供給量を予め定める供給量の80〜90%となるように調整することを特徴とする。
また本発明は、少なくとも予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップの前に、
予め定める排気圧力で基板洗浄処理容器内のガスを排出するステップと、
洗浄液量調整ステップの後に、
被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第3検知ステップと、
第3検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板洗浄処理容器内のガスを排出する排気圧力を調整する排気圧力調整ステップとを含むことを特徴とする。
また本発明は、排気圧力調整ステップでは、
第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力よりも大きくすることを特徴とする。
また本発明は、排気圧力調整ステップでは、
第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力の1.3〜1.6倍となるように調整することを特徴とする。
また本発明は、排気圧力調整ステップの後、
被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄装置内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第4検知ステップと、
第4検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、基板洗浄処理容器内の被処理基板を排出するステップとを含むことを特徴とする。
また本発明は、半導体基板上に感光材料を塗布し感光材料膜を形成する感光材料膜形成工程と、半導体基板上の感光材料膜を選択的に露光する露光工程と、露光された感光材料膜が形成される半導体基板に現像液を付与し、現像液が付与される半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することにより半導体基板上にレジストパターンを現像する現像工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
現像工程では、
前記のいずれか1つに記載の基板洗浄方法を用いて半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
また本発明は、前記記載の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置と、
前記半導体装置を介して電圧が供給されることにより動作する画像素子部とを含むことを特徴とする表示装置である。
また本発明は、被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄する基板洗浄装置において、
被処理基板を収容する基板洗浄処理容器と、
被処理基板を支持し回転させる回転手段と、
被処理基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知するミスト検知手段と、
ミスト検知手段で検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整するように回転手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
また本発明は、制御手段は、
検知手段で検知されるミストの量に応じて洗浄液の供給量を調整するように洗浄液供給手段を制御することを特徴とする。
また本発明は、基板洗浄処理容器内のガスを排出する排出手段を含み、
制御手段は、
検知手段で検知されるミストの量に応じてガスの排気圧力を調整するように排出手段を制御することを特徴とする。
また本発明は、感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与し、現像液が付与される被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄することによって被処理基板上にレジストパターンを現像する基板現像処理装置であって、
前記のいずれか1つに記載の基板洗浄装置と、
感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与する現像液付与手段とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、被処理基板を予め定める回転数で回転させるステップと、予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップと、被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第1検知ステップと、第1検知ステップで検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整する回転数調整ステップとを含んで被処理基板が洗浄される。このような基板の洗浄方法では、被処理基板に洗浄液を供給する際に、洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストの量に応じて被処理基板の回転数を変化させ、ミストの発生を抑制することができるので、洗浄液を含むミストが基板に付着することを防止することができる。
また本発明によれば、回転数調整ステップにおいて、第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数よりも小さくする。このように被処理基板の回転数を小さくすることによって、洗浄液が被処理基板に衝突して跳ね返ることにより発生するミストの量を低減することができる。
また本発明によれば、回転数調整ステップでは、第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数の50〜80%となるように調整する。被処理基板の回転数をこのような範囲の値となるように調整することにより、回転数不足によって被処理基板の洗浄が充分に行なえなくなる恐れを低減することができる。
また本発明によれば、回転数調整ステップの後、被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第2検知ステップと、第2検知ステップで検知されるミストの量に応じて単位時間当りの洗浄液の供給量を調整する洗浄液量調整ステップとを含む。このような基板の洗浄方法では、被処理基板の回転数を変化させた後、ミストの量に応じて単位時間当りの洗浄液の供給量を変化させ、ミストの発生をさらに抑制することができるので、洗浄液を含むミストが基板に付着することを一層確実に防止することができる。
また本発明によれば、洗浄液量調整ステップにおいて、第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量よりも小さくする。このように洗浄液の供給量を小さくすることによって、洗浄液が被処理基板に衝突して跳ね返ることにより発生するミストの量を低減することができる。
また本発明によれば、洗浄液量調整ステップでは、第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りに供給される洗浄液の供給量を予め定める供給量の80〜90%となるように調整する。洗浄液の供給量をこのような範囲の値となるように調整することにより、洗浄液の供給量不足によって被処理基板の洗浄が充分に行なえなくなる恐れを低減することができる。
また本発明によれば、少なくとも予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップの前に、予め定める排気圧力で基板洗浄処理容器内のガスを排出するステップと、洗浄液量調整ステップの後に、被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第3検知ステップと、第3検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板洗浄処理容器内のガスを排出する排気圧力を調整する排気圧力調整ステップとを含む。このような基板の洗浄方法では、被処理基板の回転数を変化させ、洗浄液の供給量を変化させた後、ミストの量に応じて排気圧力を変化させ、発生したミストを基板洗浄処理容器内のガスとともに基板洗浄処理容器外部へ排出することができるので、洗浄液を含むミストが基板に付着することを一層防止することができる。
また本発明によれば、排気圧力調整ステップにおいて、第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力よりも大きくする。このように排気圧力を大きくすることによって、発生するミストを基板洗浄処理容器内のガスとともに外部へ排出することができるので、基板洗浄処理容器内のミストの量を低減することができる。
また本発明によれば、排気圧力調整ステップでは、第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力の1.3〜1.6倍となるように調整する。排気圧力をこのような範囲の値となるように調整することにより、たとえば、現像液が付与された感光材料膜を有する基板の洗浄を行ない、洗浄後に残留する感光材料膜をマスクとしてパターンを形成する際、排気圧力が大きくなり過ぎることによって生じる基板の洗浄不足を防止し、歩留が低下する恐れを低減することができる。
また本発明によれば、排気圧力調整ステップの後、被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄装置内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第4検知ステップと、第4検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、基板洗浄処理容器内の被処理基板を排出するステップとを含む。このような基板の洗浄方法では、被処理基板の回転数、洗浄液の供給量および基板洗浄処理容器内のガスを排出する排気圧力を変化させた後であっても、ミストの量が予め定める量よりも大きいとその基板を排出するので、少なくとも排出された基板については検査工程に供することなくその基板が不良であることを判定できる。
また本発明によれば、半導体装置の製造方法は、半導体基板上に感光材料を塗布し感光材料膜を形成する感光材料膜形成工程と、半導体基板上の感光材料膜を選択的に露光する露光工程と、露光された感光材料膜が形成される半導体基板に現像液を付与し、現像液が付与される半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することにより半導体基板上にレジストパターンを現像する現像工程とを含み、現像工程では、前記記載の基板洗浄方法を用いて半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄する。
このような半導体装置の製造方法では、現像工程で前記記載の基板洗浄方法を用い、洗浄液と基板との衝突で反発して発生するミストの量を低減することができるので、現像液および現像液に溶解する感光材料膜がミストに混合して基板に付着するのを防止することができる。このため、たとえば、導電膜を備える基板の該導電膜が備えられる側の面に感光材料膜を形成し、該感光材料膜をマスクとして導電パターンを形成する場合、形成される導電パターンに短絡、断線などの欠陥が生じるのを防止することができる。
また本発明によれば、前記記載の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置と、該半導体装置を介して電圧が供給されることにより動作する画像素子部とを含む表示装置が提供される。このため、半導体装置に形成される導電パターンに短絡、断線などの欠陥のない良好なものを表示装置に搭載することができる。
また本発明によれば、被処理基板を収容する基板洗浄処理容器と、被処理基板を支持し回転させる回転手段と、被処理基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知するミスト検知手段と、ミスト検知手段で検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整するように回転手段を制御する制御手段とを含む基板洗浄装置が提供される。このような基板洗浄装置を用いることにより、ミストの量に応じた基板の回転数の調整を行うことができ、前記記載の基板洗浄方法を実現することができる。
また本発明によれば、制御手段は、検知手段で検知されるミストの量に応じて洗浄液の供給量を調整するように洗浄液供給手段を制御することができるので、回転数を調整した後、ミスト量が多い場合に洗浄液の供給量を調整するという前記記載の基板洗浄方法を実現することができる。
また本発明によれば、基板洗浄処理容器内のガスを排出する排出手段を含み、制御手段は、検知手段で検知されるミストの量に応じてガスの排気圧力を調整するように排出手段を制御するので、回転数および洗浄液の供給量を調整した後、ミスト量が多い場合に排気圧力を調整するという前記記載の基板洗浄方法を実現することができる。
また本発明によれば、感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与し、現像液が付与される被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄することによって被処理基板上にレジストパターンを現像する基板現像処理装置は、前記記載の基板洗浄装置と、感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与する現像液付与手段とを含む。このような基板現像処理装置を用いることにより、洗浄液と基板とが衝突し反発して発生するミストの量を低減することができるので、現像液付与手段によって付与される現像液および該現像液に溶解する感光材料膜がミストに混合して基板に付着するのを防止することができ、欠陥の少ないレジストパターンを現像することができる。
図1は、本発明の基板洗浄方法に好適に用いられる基板現像処理装置21の構成を概略的に示す系統図である。図1に示す事例では、基板現像処理装置21を用いて、半導体装置の製造に本発明の基板洗浄処理方法を実行する。基板現像処理装置21は、感光材料膜が形成される被処理基板である半導体基板(以後、単に基板と呼ぶ)22であって、感光材料膜が形成された後に露光される基板22に現像液を付与し、さらに現像液が付与される基板22上に洗浄液を供給して基板22を洗浄することによって基板22上にレジストパターンを現像する。
基板現像処理装置21は、基板22に現像液を付与する現像液付与手段である現像液吐出ノズル23と、基板22を収容する基板洗浄処理容器24と、基板22を支持し回転させる回転手段25と、基板22に洗浄液を供給する洗浄液供給手段である洗浄液吐出ノズル26と、基板洗浄処理容器24内のガスおよびミストを排出する排出手段である排気管27と、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知するミスト検知手段28と、ミスト検知手段28で検知されるミストの量に応じて基板現像処理装置21の動作を制御する制御手段29とを含む。
基板22は、酸化膜、金属膜などの導電膜が形成され、基板22の導電膜が形成される側の面には感光材料膜が形成される。感光材料膜は、基板22上に形成された後、不図示の露光装置においてマスクを介して選択的に露光される。基板22は、感光材料膜が形成される側の面(以後、被処理面と呼ぶ)を上にして基板洗浄処理容器24内の回転手段25上に載置される。
基板洗浄処理容器24は、外径が略円柱形状の中空容器である。基板洗浄処理容器24の底部には、現像液吐出ノズル23から吐出された現像液を排出するための排出管30が接続される。基板22に供給された現像液および洗浄液は、基板洗浄処理容器24内に一時貯留され、その後排出管30を介して廃液タンク31に排出される。このため、少なくとも洗浄液供給中において基板洗浄処理容器24内は密閉状態となる。
また、基板洗浄処理容器24の側壁部材には、基板洗浄処理容器24内のガスおよびミストを排出するための配管である排気管27が接続される。排気管27には、排気管27を通して排気されるガスおよびミストを排出するための排気ポンプ32が設けられる。排気管27は、現像液中の溶媒が蒸発する際のガス、現像液を吐出させる際に現像液と基板22との衝突で生じる現像液ミスト、洗浄液を吐出させる際に洗浄液と基板22との衝突で生じる洗浄液ミストなどを、基板洗浄処理容器24外部に排出することができる。
基板洗浄処理容器24内のガスおよびミストを排出する排気ポンプ32には、ポンプ駆動モータが備えられ、該ポンプ駆動モータの回転数を変化させることにより、排気圧力を変化させることができる。排気管27と基板洗浄処理容器24との接続部と、排気ポンプ32との間には、排気圧力センサ33が設けられる。排気圧力センサ33で検出される排気圧力は制御手段29に入力され、該排気圧力の検出値が入力される制御手段29によって排気ポンプ32のポンプ駆動モータの回転数が制御される。
基板洗浄処理容器24に備えられる回転手段25は、基板22が載置される保持部材34と、保持部材34を固定し、該保持部材34を軸線回りに回転させることにより基板22を回転させる回転軸部材35と、回転軸部材35を回転させる駆動源であるモータ36とを含んで構成される。保持部材34には、吸引手段が管路などを介して接続される。保持部材34は、その上面に載置される基板22の被処理面と反対側の面を真空吸着することによって基板22を保持する。
回転軸部材35を回転させる駆動源であるモータ36は、モータ回転制御部37によりその回転数が調整可能に制御される。モータ回転制御部37は、たとえば、モータ36に印加する駆動電圧をPMW(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)制御することにより、モータ36の回転数を変化させる。なお、モータ回転制御部37の動作は制御手段29により制御される。
現像液吐出ノズル23は、基板22に現像液を付与する現像液付与手段である。現像液吐出ノズル23は、基板22の被処理面から間隔をあけて基板22の上方に設けられ、基板22の被処理面略中央部に現像液を吐出する。
現像液吐出ノズル23から吐出される現像液であって、露光部の感光材料膜と未露光部の感光材料膜との化学反応の差を利用してレジストパターンの現像を行なう現像液としては、たとえば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などのアルカリ現像液が用いられる。現像液吐出ノズル23から吐出される現像液は、不図示の現像液貯留槽からポンプによって配管を介して現像液吐出ノズル23に供給される。現像液吐出ノズル23は、感光材料膜の種類、現像液の粘度などに応じて一定の吐出量の現像液を吐出するように制御手段29によって動作制御される。
洗浄液吐出ノズル26は、現像液が付与される基板22上に洗浄液を供給する洗浄液供給手段である。洗浄液吐出ノズル26は、基板22の被処理面から間隔をあけて基板22の上方に設けられ、現像液が付与される基板22の被処理面略中央部に洗浄液を吐出する。洗浄液としては、たとえば、水、純水などが用いられる。現像液が付与される基板22に洗浄液を付与することにより、基板22上に残留する現像液および現像液に溶解する感光材料膜を洗い流し、現像液に溶解しない感光材料膜を残留させてレジストパターンを形成する。
洗浄液吐出ノズル26から吐出される洗浄液は、不図示の洗浄液貯留槽からポンプ38によって配管を介して洗浄液吐出ノズル26に供給される。洗浄液吐出ノズル26と洗浄液貯留槽との間には、洗浄液の供給量を調整する洗浄液流量調整手段39が設けられる。洗浄液流量調整手段39は、単位時間当りの洗浄液の供給量を調整することができ、たとえば、可変絞り弁などの流量制御弁により構成される。洗浄液流量調整手段39の動作は、制御手段29により制御される。
また、基板現像処理装置21には、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知するミスト検知手段28が設けられる。ミスト検知手段28としては、たとえば、公知のパーティクルカウンタなどを用いることができる。
制御手段29は、中央処理装置(CPU)などによって実現される処理回路であり、装置全体の動作を制御する。制御手段29は、たとえば商用電源の周波数に応じて時間を計測する計時部を備え、ミスト検知手段28により検知されるミストの量に応じて、前述の排気圧力制御部32、モータ回転制御部37および洗浄液流量調整手段39の動作を制御する。
以下、本発明の基板洗浄方法を用いる半導体装置の製造について説明する。本発明の半導体装置の製造方法は、基板22上に感光材料を塗布し感光材料膜を形成する感光材料膜形成工程と、基板22上の感光材料膜を選択的に露光する露光工程と、露光された感光材料膜が形成される基板22に現像液を付与し、現像液が付与される基板22上に洗浄液を供給して基板22を洗浄することにより基板22上にレジストパターンを現像する現像工程とを含む。感光材料膜形成工程および露光工程は、公知の方法によって行われるので、説明を省略する。
現像工程では、本発明の基板洗浄方法が用いられる。本発明の基板洗浄方法は、基板22を予め定める回転数で回転させるステップと、予め定める供給量で基板22に洗浄液を供給するステップと、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知する第1検知ステップと、第1検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板22の回転数を調整する回転数調整ステップとを含むことを特徴とする。
まず、基板22を予め定める回転数で回転させるステップの前に、基板22を基板洗浄処理容器24内の回転手段25の保持部材34上に載置し、真空吸着などにより回転手段25に固定する。また、基板22を予め定める回転数で回転させるステップの前に、予め定める排気圧力で基板洗浄処理容器24内のガスを排出するステップを行なう。
基板洗浄処理容器24内のガスを排出するステップでは、排気圧力制御部32により制御される予め定める排気圧力で、基板洗浄処理容器24中のガスおよびミストを排出する。ここで、排気圧力とは、基板洗浄処理容器24内の圧力と基板洗浄処理容器24外の圧力である大気圧(15℃において10.34mmHO)との差であり、予め定める排気圧力は、後述の基板22の回転数、洗浄液の供給量などによって定められるけれども、15℃において10〜15mmHOであることが好ましい。
排気圧力が10mmHO未満であると、現像液中の溶媒が蒸発する際のガス、現像液を吐出させる際に現像液と基板22との衝突で生じる現像液ミスト、洗浄液を吐出させる際に洗浄液と基板22との衝突で生じる洗浄液ミストなどを、基板洗浄処理容器24外部に充分に排出させることができない恐れがある。一方、排気圧力が15mmHOを超えると、基板洗浄処理容器24内での気体の流速が大きくなることによって基板が洗浄不足となり、歩留が低下する恐れがある。
次いで、基板22を予め定める回転数で回転させるステップを行なう。基板22を予め定める回転数で回転させるステップでは、モータ回転制御部37により制御される予め定める回転数で、回転手段25に支持される基板22を回転させる。その後、現像液吐出ノズル23から回転手段25の回転により回転する基板22の被処理面に対して現像液を吐出する。なお、現像液の吐出は、たとえば現像液、感光材料膜などの種類によっては基板22を回転させる前に行われるものであってもよい。なお、現像液吐出ノズル23からの現像液の吐出量は、感光材料膜および現像液の種類により定められる。
ここで、前記予め定める回転数は、基板22の種類、現像液の粘度、感光材料膜の種類などによって決定されるけれども、2000〜4000rpmであることが好ましい。回転数が2000rpm未満であると、回転する基板22に付与される現像液を、基板22が回転する際の遠心力によって基板22の周縁部にまで供給する際、周縁部への現像液の供給に時間がかかり、中心付近のレジストパターンと周縁部付近のレジストパターンとで線幅が不均一となる現像むらを発生する恐れがある。一方、回転数が4000rpmを超えると、基板22の回転が速くなり過ぎ、現像液と基板22とが衝突し反発することによる現像液の微小液滴であるミストが大量に発生し、基板洗浄処理容器24内が汚染するので、基板洗浄処理容器24の清掃頻度を高くする必要があり、生産性が低下する。
このような工程によって、基板22に付与される現像液を基板22の被処理面周縁部まで供給し、たとえばポジ型感光材料膜が形成される場合、感光材料膜の露光された部分を現像液に溶解させる。次いで、この現像液に溶解される感光材料膜を洗浄液により洗い流すための洗浄液を供給するステップを行なう。
予め定める供給量で基板22に洗浄液を供給するステップでは、現像液および感光材料膜の種類に応じて定められる時間経過が制御手段29の計時部で検知されるとき、制御手段29によって現像液吐出ノズル23からの現像液の供給を停止し、基板22上に残留する現像液および現像液に溶解する感光材料膜を水、純水などの洗浄液を、洗浄液流量調整手段39によってその供給量を調整しながら、洗浄液吐出ノズル27から基板22上に供給し基板22の洗浄を行なう。
ここで、予め定める洗浄液の供給量は、基板22の種類、基板22の大きさ、洗浄液の種類などによって定められるけれども、毎分300〜400mLであることが好ましい。洗浄液の供給量が毎分300mL未満であると、基板22上に残留する現像液および現像液に溶解する感光材料膜を充分に洗い流すことができない恐れがある。洗浄液の供給量が毎分400mLを超えると、洗浄液の供給量が多くなりすぎ、洗浄後、廃液タンク31に貯留される現像液および感光材料膜が混合される洗浄液が多くなり、廃液処理のためのコストが高くなる恐れがある。
ここで洗浄液を基板22に供給すると、基板22の種類、洗浄液の供給量、基板22の回転数などによっては、洗浄液が基板に対して衝突することで洗浄液の跳ね返りが生じ、現像処理容器内に洗浄液の微小液滴である洗浄液のミストが発生することがある。そこで、この洗浄液が基板22に反発することによって発生するミストの量を検知する第1検知ステップを行なう。
第1検知ステップでは、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知する。第1検知ステップは、洗浄液吐出ノズル26から洗浄液を吐出し始めてから予め定める時間、たとえば、1〜2秒が経過したことが制御手段29の計時部で検知されるときに行なわれる。ミストの量を検知するミスト検知手段は、たとえば、単位体積当りのミストの量を検知し、検知されるミストの量を制御手段29に入力する。なお、ミスト検知手段28によるミストの量の検知は、たとえば基板洗浄処理容器24内の基板22の被処理面より上方の範囲に存在するミストの量などを検知するものなどであってもよい。
図2は、酸化膜が形成される基板および金属膜が形成される基板に洗浄液を付与したときの基板の回転数とミストの量との関係を示す図である。また、酸化膜が形成される基板および金属膜が形成される基板に洗浄液を付与したときの基板の回転数とミストの量との関係を表1にも示す。なお、図2に示す結果を得る際のミスト検知手段28によるミストの量の検知は、洗浄液である純水の供給量を毎分300mL、排気圧力を15mmHOとして行なった。ミストの量は、パーティクルカウンタ(商品名;MET oneモデル227B、HACH ULTRA ANALYTICS社製)を用い、基板処理容器上部から基板の被処理面より約15cm上方をセンシングすることにより得た。ミストの量は、100cmに存在する0.3μmサイズのミストの量である。また、基板処理容器の容積は3000cmであり、基板の被処理面の面積は126cmであった。
Figure 2007095960
図2および表1に示されるように、基板の種類によってミストの発生量が異なることが判る。また、ミストをより多く発生する金属膜基板では、基板の回転数が大きくなるにつれてミストの量も増加することが判る。これは、基板の回転数が大きくなることにより遠心力が大きくなり、洗浄液が基板に衝突する際の反発力も大きくなるからである。
また、基板の表面が親水性であるか、疎水性であるかによってミストの発生量が異なることが判る。親水性を有する酸化膜が形成された基板では、洗浄液と基板との衝突力が緩和されてミストの発生量が少なくなり、疎水性を有する金属膜が形成された基板では、洗浄液と基板との衝突力が大きくミストの発生量が多くなるからである。
図3は、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量と、製造された半導体装置のパターン欠陥の数との関係を示す図である。また、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量と、製造された半導体装置のパターン欠陥の数との関係を表2にも示す。なお、基板22としては、金属膜の上に感光材料膜が形成される基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される基板に現像液が付与されたものを用いた。なお、図3に示す結果を得る際のミスト検知手段28によるミストの量の検知は、基板22の回転数を2000rpm、洗浄液である純水の供給量を毎分300mL、排気圧力15mmHOとして行なった。ミストの量の検知方法、基板洗浄処理容器24の容積および基板22の被処理面の面積は、前述の図2に示す結果を得たときと同様である。
Figure 2007095960
図3および表2に示されるように、基板22上に存在する洗浄液のミストの量が多くなるにつれて、基板22上のパターン欠陥の数も増加する。これは、洗浄される現像液および現像液に溶解する感光材料膜が洗浄液による圧力で飛ばされて、感光材料膜が除去されることで露出される酸化膜を有する基板22の上方に存在する洗浄液のミストに混合され、該現像液および感光材料膜が混合されたミストが重力、現像処理容器24中のガスの排出による気流の変化などによって、洗浄液の付与を停止した際、洗浄後の基板上に落下し、再付着することによりパターン欠陥を招来するからである。
したがって、基板22上にパターン欠陥を生じさせないためには、基板22上方に存在する洗浄液のミストの量を予め定める量よりも小さくすることが必要である。この予め定めるミストの量は、予め試験などで求められ、たとえば、ミストの量は650個以下であることが好ましく、250個以下であることがより好ましい。
第1検知ステップで検知されるミストの数が予め定める量以下、たとえば650個以下であると、洗浄液吐出ノズル26による洗浄液の供給を停止し、その後基板22を充分な時間回転させることによって基板22を乾燥させる。基板22が乾燥されると、回転手段25による基板22の回転および排気管27からの基板洗浄処理容器24内のガスの排出を停止し、基板22を基板洗浄処理容器24から排出する。このようにして該基板22の現像工程を終了する。
一方、第1検知ステップで検知されるミストの数が予め定める量、たとえば650個より大きいと、第1検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板22の回転数を調整する回転数調整ステップが行なわれる。回転数調整ステップでは、第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、基板22の回転数を予め定める回転数よりも小さくする。このことによって、洗浄液と基板22との衝突による反発力を小さくして、ミストの発生を防止することができる。
図4は、基板の回転数、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量および基板上に残留する感光材料膜の数の関係を示す図である。また、基板の回転数、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量および基板上に残留する感光材料の数の関係を表3にも示す。なお、このときの基板の処理は以下のようにして行った。
被処理面の面積が126cmの基板に感光材料を厚み1μmで塗布し、ラインとスペースとのパターンが入ったマスクを用いて全面を露光させたものに現像液を供給した後、排気圧力15mmHOで排気しながら洗浄液(純水)を毎分300mLで供給し、基板を回転させながら20秒間洗浄を行なった。その後、残留する感光材料を、光学式外観検査装置を用いて検査し、その数を計数した。なおミストの検知方法、基板処理容器24の容積などは、前述の図2に示す結果を得たときと同様である。
Figure 2007095960
図4および表3では、前述のように基板22の回転数が大きくなるにつれて、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量が多くなる一方、基板22上に残留する感光材料の数は、基板22の回転数が大きくなるにつれて少なくなることが示される。このことから、基板22の回転数が大きくなるにつれてミストの量が多くなるので、ミストの量を低減するためには基板22の回転数を小さくすることが好ましいけれども、基板22の回転数が小さくなり過ぎると、洗浄液を供給して現像液および現像液に溶解する感光材料膜を充分に洗い流すことができないことが判る。
現像液および感光材料膜の除去は、洗浄液の供給による洗浄液の液流と、基板22の回転によって基板22上に供給される洗浄液に作用する遠心力による洗浄液の液流とによって行なわれる。基板22の回転数が小さくなり過ぎると、洗浄液にはたらく遠心力が小さくなり、基板22の外側に向かう洗浄液の液流が弱くなるので、基板22上に残留する現像液および感光材料膜を効率よく除去することが困難となる。
このことから、回転数調整ステップでは基板22の回転数を予め定める回転数よりも小さくするけれども、基板22の回転数を予め定める回転数の50〜80%となるように調整することが好ましい。たとえば、予め定める基板22の回転数が2000rpmである場合、残留する感光材料の数が0となる回転数は、約1100rpmであった。また回転数を約1580rpmとすると、検知されるミストの数を、予め定める好ましいミストの数である650個以下とすることができた。
なお、基板22の回転数の調整は、予め定める基板22の回転数に応じて定められることが好ましい。予め定める基板22の回転数は、通常、基板22の種類、現像液の粘度、感光材料膜の種類などによって決定されているので、基板22の回転数を低減させ過ぎてしまうと、基板22の洗浄効率が大幅に低下する恐れがある。
予め定める基板22の回転数に応じて定められる回転数調整後の基板22の回転数が、予め定める回転数の50%未満であると、基板22の回転が遅くなりすぎ、充分に基板22上の現像液および感光材料膜を除去できない恐れがある。回転数調整後の基板22の回転数が予め定める回転数の80%を超える場合では、回転数を変化させることによってミストの量を低減させる効果を充分に得られない恐れがある。
回転数調整ステップを行い、予め定める時間、たとえば、1〜2秒が経過したことが制御手段29の計時部で検知されると、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知する第2検知ステップを行なう。第2検知ステップは、第1検知ステップと同様にして行なう。
第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下であると、前述の第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下である場合と同様にして基板22の現像工程を終了する。
一方、第2検知ステップで検知されるミストの数が予め定める量より大きいと、第2検知ステップで検知されるミストの量に応じて単位時間当りの洗浄液の供給量を調整する洗浄液量調整ステップを行なう。洗浄液量調整ステップでは、第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量よりも小さくする。このことによって、洗浄液と基板22との衝突による反発力を小さくして、ミストの発生を防止することができる。
図5は、単位時間当りの洗浄液の供給量と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量との関係を示す図である。また、単位時間当りの洗浄液の供給量と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量との関係を表4にも示す。なおミスト量の検知は、基板の回転数を2000rpm、排気圧力を15mmHOとして行なった。用いた基板は、図3に示す結果を得たときのものと同様である。
Figure 2007095960
図5および表4に示されるように、単位時間当りの洗浄液の供給量を小さくするにつれて、ミストの量を低減することができた。しかしながら、単位時間当りの洗浄液の供給量が小さくなり過ぎると現像液および感光材料膜の除去の効率が低下し、基板22上に感光材料膜が残留するという問題が生じる。
したがって、洗浄液量調整ステップでは単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量よりも小さくするけれども、単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量の80〜90%となるように調整することが好ましい。たとえば、予め定める洗浄液の供給量が毎分300mLである場合、洗浄液の供給量を毎分約270mLとすると、検知されるミストの数を、予め定める好ましいミストの数である650個以下とすることができた。一方、洗浄液の供給量を毎分約250mLとすると、洗浄液を基板22の中心に供給することが困難となった。
なお、洗浄液の供給量の調整は、予め定める洗浄液の供給量に応じて定められることが好ましい。予め定める洗浄液の供給量は、通常、基板22の種類、基板22の大きさ、洗浄液の種類などによって決定されているので、洗浄液の供給量を低減させ過ぎてしまうことにより、基板22の洗浄効率が大幅に低下する恐れがある。
予め定める洗浄液の供給量に応じて定められる洗浄液の供給量が、予め定める供給量の80%未満であると、供給量が少なくなり過ぎ、充分に基板22上の現像液および感光材料膜を洗い流せない恐れがある。洗浄液の供給量が予め定める供給量の90%を超える場合では、洗浄液量を変化させることによってミストの量を低減させる効果を充分に得られない恐れがある。
洗浄液量調整ステップを行い、予め定める時間、たとえば、1〜2秒が経過したことが制御手段29の計時部で検知されると、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知する第3検知ステップを行なう。第3検知ステップは、第1検知ステップと同様にして行なう。
第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下であると、前述の第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下である場合と同様にして基板22の現像工程を終了する。
一方、第3検知ステップで検知されるミストの数が予め定める量より大きいと、第3検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板洗浄処理容器24内のガスを排出する排気圧力を調整する排気圧力調整ステップを行なう。排気圧力調整ステップでは、第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力よりも大きくする。このことによって、排気管27が基板洗浄処理容器24外部に排出するミストの量を増大させることができ、基板洗浄処理容器24内のミストの量を低減することができる。
図6は、排気管27による排気圧力と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量との関係を示す図である。また、排気管27による排気圧力と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量と、洗浄液が供給される側と反対側の面である基板裏面に残る現像液滴の個数との関係を表5に示す。なおミスト量の検知は、基板の回転数を2000rpm、洗浄液の供給量を毎分300mLとして行なった。用いた基板は、図3に示す結果を得たときのものと同様である。
ここで、裏面残りの数とは、現像液滴により基板の被処理面と反対側の裏面に形成される膜の数であり、目視によって確認された数である。基板が洗浄不足となると、基板の裏面に現像液滴が残留し、乾燥後に白い膜が残留する。なお、裏面残りの数は、幅が約2〜4mm、長さが約5〜6mmのものを1個としてカウントした。
裏面に付着する現像液を除去するためには、基板の裏面に洗浄液である純水を供給し、被処理面の洗浄と同時または被処理面の洗浄後に裏面を洗浄する必要がある。この裏面を洗浄するための洗浄液を供給するノズルは、たとえば基板の端部から7mm程度離間して設けられる。ここで、裏面洗浄が過剰に行われると、基板の中心部付近を真空吸着して基板を保持する保持部材34に洗浄液が流出し、真空不良が発生して基板現像処理装置21の設備トラブルが生じる恐れがある。このため、裏面残りの数は少ないことが好ましい。
Figure 2007095960
図6および表5に示されるように、排気圧力を大きくするにつれて、ミストの量を低減することができた。しかしながら排気圧力が大きくなり過ぎると、感光材料膜が基板から剥離してパターンの線幅が大きくなる。また、排気圧力が大きくなり過ぎると、基板が洗浄不足となり、裏面残りが発生した。
したがって、排気圧力調整ステップでは排気圧力を予め定める排気圧力よりも大きくするけれども、排気圧力を予め定める排気圧力の1.3〜1.6倍となるように調整することが好ましい。たとえば、予め定める排気圧力が15mmHOである場合、排気圧力を19mmHOに調整すると、検知されるミストの数を、予め定める好ましいミストの数である650個以下とすることができた。一方、排気圧力を25mmHOとすると、基板に対して洗浄液がかかり難くなり、形成されるパターンの線幅に悪影響が生じた。
なお、排気圧力の調整は、予め定める排気圧力に応じて定められることが好ましい。予め定める排気圧力は、通常、基板22の回転数、洗浄液の供給量などによって決定されているので、排気圧力を増大させ過ぎてしまうことにより、基板22の洗浄効率が大幅に低下する恐れがある。
予め定める排気圧力に応じて定められる排気圧力が、予め定める排気圧力の1.3倍未満であると、排気圧力を変化させることによってミストの排出量を増加させ、基板洗浄処理容器24中でのミストの量を少なくする効果を充分に得られない恐れがある。排気圧力が予め定める排気圧力の1.6倍を超えると、パターンの線幅が大きくなる恐れがある。
排気圧力調整ステップを行い、予め定める時間、たとえば、1〜2秒が経過したことが制御手段29の計時部で検知されると、基板22に供給された洗浄液が基板22で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器24内の基板22上方に存在するミストの量を検知する第4検知ステップを行なう。第4検知ステップは、第1検知ステップと同様にして行なう。
第4検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下であると、前述の第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量以下である場合と同様にして基板22の現像工程を終了する。
一方、第4検知ステップで検知されるミストの数が予め定める量より大きいとき、基板洗浄処理容器24内の基板22を排出するステップを行なう。このことにより、基板22の回転数、洗浄液の供給量および基板洗浄処理容器24内のガスを排出する排気圧力を変化させた後であってもなお、ミストの量が予め定める量よりも大きいとその基板22を排出するので、少なくとも排出された基板22については検査工程に供することなくその基板22にパターン欠陥が存在する可能性が高いことを判定できる。
以上のようにして、本発明の基板洗浄方法を用いる現像工程を行なう。第4検知ステップで検知されたミストの量が大きいことによって排出された基板ではない基板22であって、現像工程が行なわれる基板22については、その後現像されたレジストパターンをマスクとして導電膜のエッチングを行なう工程と、レジストパターンを除去する工程とが行われる。これらの工程を経て、導電パターンが形成される半導体装置が製造される。
このような本発明の基板洗浄方法を用いる半導体装置の製造方法によれば、検知されるミストの量が予め定める値よりも大きいとき、基板22の回転数、洗浄液の供給量、排気圧力の順にそれぞれの値を調整する。このようにして、洗浄液と基板22との反発によるミストの発生を防止し、また、発生したミストの排出を行なうことができるので、基板洗浄処理容器24中の基板22上に存在するミストに現像液および現像液に溶解する感光材料膜が混合したものが基板22に付着するのを防止することができる。
このため、除去されるべきでない感光材料膜が付着した現像液により除去されることおよび感光材料膜が除去されるべき部分にミスト中の感光材料膜が付着することを防止できるので、パターン欠陥のない良好な半導体装置を製造することができる。このような半導体装置は、たとえば、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置などの表示装置に搭載される。
なお、本発明の基板洗浄方法では、上記のように基板の回転数、洗浄液の供給量、排気圧力の順にそれぞれの値が調整される。この順番で調整を行なうことによる利点を以下に説明する。まず、排気圧力を基板の回転数および洗浄液の供給量の調整よりも先に行なうと、基板洗浄処理容器中の基板上に存在する多量のミストを排出する必要がある。しかしながら、多量のミストを排出するよりも、何らかの方法でミストの量を減少させた後、少なくなったミスト排出するほうが、ミストの除去を効率よく行なうことができる。したがって、排気圧力の調整は、基板の回転数および洗浄液の供給量の調整よりも後に行なわれることが好ましい。
また、洗浄液の供給量の調整を基板の回転数の調整よりも先に行なうと、次のような問題がある。基板上に残留する現像液および感光材料膜は、洗浄時間経過とともにその量が減少する。また、基板の洗浄効率は、基板の回転数よりも洗浄液の供給量に大きく影響される。すなわち、洗浄液の供給量の調整を基板の回転数の調整よりも先に行なうと、回転数の調整時よりも多量の現像液および感光材料膜が残留する状態で洗浄液の供給量が調整されることとなり、洗浄効率が低下し、現像液および現像液に溶解する感光材料膜を充分に洗い流せない恐れがある。したがって、洗浄液の供給量の調整は、基板の回転数の調整よりも後に行なわれることが好ましい。以上の理由によって、本発明の基板洗浄方法では、基板の回転数、洗浄液の供給量、排気圧力の順にそれぞれの値が調整される。
なお、本発明の基板洗浄方法は、露光された感光材料膜が形成される半導体基板に現像液を付与し、現像液が付与される半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することにより半導体基板上にレジストパターンを現像する現像工程に用いられることに限定されるものではなく、たとえば、基板上に存在する異物を洗浄液によって除去する基板洗浄工程に用いられるものであってもよい。
本発明の基板洗浄方法を用いて基板洗浄工程を行なうことによって、洗浄液と基板との衝突で生じる洗浄液のミストの量を減少させることができる。このため、洗浄液のミストが洗浄後の基板に再付着することによりウォータマークが形成されるのを防止し、基板上に酸化膜などが形成されるのを防止することができる。なお、このような基板洗浄工程のために用いられる基板洗浄装置としては、現像液吐出ノズル23を備えないこと以外は基板現像処理装置21と同様の構成のものを用いることができる。
本発明の基板洗浄方法に好適に用いられる基板現像処理装置21の構成を概略的に示す系統図である。 酸化膜が形成される基板および金属膜が形成される基板に洗浄液を付与したときの基板の回転数とミストの量との関係を示す図である。 ミスト検知手段28によって検知されるミストの量と、製造された半導体装置のパターン欠陥の数との関係を示す図である。 基板の回転数、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量および基板上に残留する感光材料膜の数の関係を示す図である。 単位時間当りの洗浄液の供給量と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量との関係を示す図である。 排気管27による排気圧力と、ミスト検知手段28によって検知されるミストの量との関係を示す図である。 特許文献1に開示される基板現像処理装置1の構成を概略的に示す図である。 特許文献2に開示される基板現像処理装置11の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
21 基板現像処理装置
22 基板
23 現像液吐出ノズル
24 基板洗浄処理容器
25 回転手段
26 洗浄液吐出ノズル
27 排気管
28 ミスト検知手段
29 制御手段
30 排出管
31 廃液タンク
32 排気ポンプ
33 排気圧力センサ
34 保持部材
35 回転軸部材
36 モータ
37 モータ回転制御部
38 ポンプ
39 洗浄液流量調整手段

Claims (16)

  1. 基板洗浄処理容器内に収容される被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄する基板洗浄方法において、
    被処理基板を予め定める回転数で回転させるステップと、
    予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップと、
    被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第1検知ステップと、
    第1検知ステップで検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整する回転数調整ステップとを含むことを特徴とする基板洗浄方法。
  2. 回転数調整ステップでは、
    第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数よりも小さくすることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄方法。
  3. 回転数調整ステップでは、
    第1検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、被処理基板の回転数を予め定める回転数の50〜80%となるように調整することを特徴とする請求項1または2記載の基板洗浄方法。
  4. 回転数調整ステップの後、
    被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第2検知ステップと、第2検知ステップで検知されるミストの量に応じて単位時間当りの洗浄液の供給量を調整する洗浄液量調整ステップとを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板洗浄方法。
  5. 洗浄液量調整ステップでは、
    第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りの洗浄液の供給量を予め定める供給量よりも小さくすることを特徴とする請求項4記載の基板洗浄方法。
  6. 洗浄液量調整ステップでは、
    第2検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、単位時間当りに供給される洗浄液の供給量を予め定める供給量の80〜90%となるように調整することを特徴とする請求項4または5記載の基板洗浄方法。
  7. 少なくとも予め定める供給量で被処理基板に洗浄液を供給するステップの前に、
    予め定める排気圧力で基板洗浄処理容器内のガスを排出するステップと、
    洗浄液量調整ステップの後に、
    被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第3検知ステップと、
    第3検知ステップで検知されるミストの量に応じて基板洗浄処理容器内のガスを排出する排気圧力を調整する排気圧力調整ステップとを含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の基板洗浄方法。
  8. 排気圧力調整ステップでは、
    第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力よりも大きくすることを特徴とする請求項7記載の基板洗浄方法。
  9. 排気圧力調整ステップでは、
    第3検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、排気圧力を予め定める排気圧力の1.3〜1.6倍となるように調整することを特徴とする請求項7または8記載の基板洗浄方法。
  10. 排気圧力調整ステップの後、
    被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄装置内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知する第4検知ステップと、
    第4検知ステップで検知されるミストの量が予め定める量よりも大きいとき、基板洗浄処理容器内の被処理基板を排出するステップとを含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の基板洗浄方法。
  11. 半導体基板上に感光材料を塗布し感光材料膜を形成する感光材料膜形成工程と、半導体基板上の感光材料膜を選択的に露光する露光工程と、露光された感光材料膜が形成される半導体基板に現像液を付与し、現像液が付与される半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することにより半導体基板上にレジストパターンを現像する現像工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
    現像工程では、
    請求項1〜10のいずれか1つに記載の基板洗浄方法を用いて半導体基板上に洗浄液を供給して半導体基板を洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置と、
    前記半導体装置を介して電圧が供給されることにより動作する画像素子部とを含むことを特徴とする表示装置。
  13. 被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄する基板洗浄装置において、
    被処理基板を収容する基板洗浄処理容器と、
    被処理基板を支持し回転させる回転手段と、
    被処理基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
    被処理基板に供給された洗浄液が被処理基板で反発されて発生するミストであって、基板洗浄処理容器内の被処理基板上方に存在するミストの量を検知するミスト検知手段と、
    ミスト検知手段で検知されるミストの量に応じて被処理基板の回転数を調整するように回転手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする基板洗浄装置。
  14. 制御手段は、
    検知手段で検知されるミストの量に応じて洗浄液の供給量を調整するように洗浄液供給手段を制御することを特徴とする請求項13記載の基板洗浄装置。
  15. 基板洗浄処理容器内のガスを排出する排出手段を含み、
    制御手段は、
    検知手段で検知されるミストの量に応じてガスの排気圧力を調整するように排出手段を制御することを特徴とする請求項13または14記載の基板洗浄装置。
  16. 感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与し、現像液が付与される被処理基板上に洗浄液を供給して被処理基板を洗浄することによって被処理基板上にレジストパターンを現像する基板現像処理装置であって、
    請求項13〜15のいずれか1つに記載の基板洗浄装置と、
    感光材料膜が形成される被処理基板であって、感光材料膜が形成された後に露光される被処理基板に現像液を付与する現像液付与手段とを含むことを特徴とする基板現像処理装置。

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