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JP2007092318A - 木製構造材の仕口構造、横架材、柱脚構造および柱脚金具、並びにこれらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法 - Google Patents

木製構造材の仕口構造、横架材、柱脚構造および柱脚金具、並びにこれらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半剛節の接合部を構成し木造ラーメンの軸組を可能とする木製構造材の仕口構造等を提供することを課題とする。
【解決手段】支柱11のほぞ穴41に大梁Aのほぞ42を嵌合し、支柱11と大梁Aの端部とを引張ボルト43により緊結した木製構造材の仕口10構造において、ほぞ42を短ほぞで構成すると共に、ほぞ42の突出寸法をほぞ穴41の深さ寸法より僅かに長く形成し、大梁Aに、引張ボルト43が挿通する大梁側ボルト孔61と、大梁側ボルト孔61に挿通した前記引張ボルト43を締結するための工具溝62とを形成すると共に、支柱11に、大梁側ボルト孔61と同軸上に位置して支柱11を貫通する支柱側ボルト孔64を形成して、引張ボルト43を支柱11および大梁Aに埋め込んだものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、木造建築物の軸組に用いられる木製構造材の仕口構造、横架材、柱脚構造および柱脚金具、並びにこれらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法に関するものである。
従来、この種の木製構造材の仕口構造として、支柱の側面に突き当てた梁を、ボルトおよびこれに連結したプレートにより接合したものが知られている(特許文献1)。このプレートは、その端部にボルトを溶接され、梁の端部に形成した縦スリットに挿入されている。プレートの支柱側には、雌ねじを形成した締付け片が設けられ、これに支柱を貫通した複数本の支柱側ボルトが螺合している。また、梁の端部には、梁を前後に且つプレートの中央を貫通するように通しボルトが設けられている。
一方、従来の横架材として、いわゆる集成材で構成されたものが知られている(特許文献2)。この集成材は、所定の板厚に加工した板材を高温下で一定時間加熱処理して得られた熱処理木材を、複数枚接着剤で張り合わせて構成されている。
さらに、従来の柱脚構造として、柱脚金具を土台に形成した土台穴に埋め込んだものが知られている(特許文献3)。この柱脚金具は、円筒状の金具本体と、金具本体から上方に延びる軸状パイプと、を備え、金具本体が土台穴に嵌合するようにして土台に埋め込まれ、軸状パイプが支柱の軸心に埋め込まれるようになっている。
特開平7−237617号公報 特開2003−321320号公報 特開2001−294636号公報
このような従来の木製構造材の仕口構造では、重力の伝達に合理性を欠くばかりでなく、地震や台風等により仕口に水平方向の大きな力が作用すると、簡単に変形を起すか、楔材が折れるか、梁が割り裂けてしまう。このため、容易に倒壊してしまう可能性が高く、筋交い等の補強材の使用が避けられない問題があった。
また、従来の横架材では、集成材における各部の板材を厳選して組み合わせる必要があり、木取りに無駄が生じ木材の省資源化に反すると共に、接着剤による室内環境の汚染の問題があった。さらに、集成材は、木材を鋼材等の規格化された工業製品に近づけようとすることから、その構造も擬似鉄骨造とする場合が多く、木構造の独自性を十分に活用することができない問題があった。
さらに、従来の柱脚構造では、支柱が土台から引き抜かれることを防止するのみの働きしか果たしておらず、支柱と基礎との剛節性は得られない。また、柱脚金具が固定的に設置されてしまうため、建方において、ほぞ入れが不可能となり、施工性が悪化する問題があった。
また、柱脚金具は、予め金具本体を土台に取り付けたときに、雨水が金具本体内に浸入し、最終的に土台や支柱の腐食を招く問題があった。
本発明は、第1に、半剛節の接合部を構成し木造ラーメンの軸組を可能とする木製構造材の仕口構造を、
第2に、強度を損なうことなく、木材の省資源化に寄与することができると共に環境汚染の発生を抑止することができる横架材を、
第3に、支持強度を損なうことなく、建方における支柱へのほぞ入れを可能とする柱脚構造および施工中に浸入した雨水を円滑に排水することができる柱脚金具を、
そして、これらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法を、提供することをその課題としている。
本発明の木製構造材の仕口構造は、支柱に設けたほぞ穴に横架材の端部に設けたほぞを嵌合し、支柱と横架材の端部とを、両端部にそれぞれ座金を組み込んだ引張ボルトにより引き付けるように緊結した木製構造材の仕口構造において、ほぞを大入れまたは小胴付の短ほぞで構成すると共に、ほぞの突出寸法をほぞ穴の深さ寸法より僅かに長く形成し、横架材に、引張ボルトが挿通する横架材側ボルト孔と、横架材側ボルト孔に挿通した前記引張ボルトを締結するための工具溝とを形成すると共に、支柱に、横架材側ボルト孔と同軸上に位置して支柱を貫通する支柱側ボルト孔を形成して、引張ボルトを支柱および横架材に埋め込んだことを特徴とする。
この構成によれば、横架材が受ける屋根や床の荷重(鉛直荷重)を、ほぞによって支柱に直接且つ無理なく伝達することができ、また地震等による水平方向の力による支柱の曲げ強度を高めることができ、且つ引張ボルトの締結によりぞの先端が支柱にめり込むため、水平方向の力を吸収して接合強度を高めることができる。さらに、大入れまたは小胴付によりほぞの底部断面積を大きくとることができるため、水平外力(地震力や台風等の風圧力)による変形に粘り強く抵抗させることができる。しかも、引張ボルトが水平に延在するため、水平方向の力に対し引張ボルトにより横架材や支柱に割れ、或いはせん断破壊が生じることはない。それ故、ほぞがほぞ穴から外れることもなく、建物が倒壊や崩落を起す危険がない。また、引張ボルトが支柱および横架材に埋め込まれるため、これが造作等の邪魔になることがなく、且つ耐火被覆の必要性もない。なお、支柱および横架材が、丸太であってもよい。
この場合、支柱を挟んで2本の横架材が架設されており、引張ボルトは、2本の横架材の両工具溝間に延在する両ねじボルトで構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、2本の横架材を共通の引張ボルトで締結することができると共に、両横架材を支柱に対し均一な力で緊結することができる。また、2方向に横架材が架設されても、支柱や横架材に強度を低下させる欠損を生じさせることがない。
この場合、少なくとも一方の横架材には、横架材側ボルト孔と同軸上に工具溝を越えて延長され、引張ボルトを一方の横架材内に収容可能な退避ボルト孔が形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、建方を開始する前に引張ボルトを一方の横架材内に収容しておくことができるため、両横架材のほぞ入れを円滑に行うことができる。そして、ほぞ入れ後に、この引張ボルトを他方の横架材の横架材側ボルト孔にやり送りし、締結する。
これらの場合、引張ボルトには、支柱と横架材との当接面に介設する座金が、更に組み込まれており、横架材側ボルト孔には、引張ボルトが挿通するスリーブが埋め込まれていることが、好ましい。
この構成によれば、水平外力に対し、応力集中による支柱と横架材との当接面の、局部的なめり込み変形を防止することができる。なお、座金は、角座金および丸座金のいずれであってもよい。
また、支柱には、支柱に接する座金の支柱へのめり込みを抑制するめり込み抑制部材が、埋め込まれていることが、好ましい。
この構成によれば、めり込み抑制部材により、水平外力に対する座金の支柱へのめり込み変形、ひいては軸組全体の変形を抑制することができる。なお、めり込み抑制部材として、2本または4本のラグスクリューを用いることが、好ましい。
これらの場合、横架材が、複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した合成梁で構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、芯持ち材を用いることで、木取りにおける木材の無駄を極力少なくすることができ、省資源化を達成することができる。また、芯持ち材の本数で梁せいを調整することができる。しかも、接着剤を用いる必要がないため、住環境を悪化させることがない。なお、複数本の芯持ち材が異なる断面形状であってもよい、例えば3本の芯持ちの角材で構成される場合、上下の角材を正角とし中間の角材を平角として「I」型の合理的な断面する。また、支柱と横架材とが同幅である場合等、全体を小胴付のほぞとすることも可能である。また、複数本の丸太を重合したものであってもよし、角材と丸太を重合したものであってもよい。但し、丸太の重合面は平坦に削るようにする。
また、引張ボルトが、相互に離間して上下2本設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、最低限の金具(引張ボルト)数で、半剛節の接合部を得ることができると共に、集成材等に較べ横架材の加工(2次加工)を著しく少なくすることができる。
本発明の木造建築物の軸組は、上記した木製構造材の仕口構造を、備えたことを特徴とする。
この構成によれば、半剛節の接合部を得ることができるため、筋交い等を必要とすることがなく、木造ラーメンの大スパンの軸組を得ることができる。
本発明の横架材は、複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、隣接する芯持ち材の相互の重合面に半部ずつを埋め込むと共に、芯持ち材と繊維方向を揃えた木製のダボを介設し、且つ複数本の芯持ち材を、緊結部材により重合方向に緊結したことを特徴とする。
この構成によれば、ダボにより隣接する芯持ち材の相互の重合面における層間すべり(ズレ)が抑止され、且つ緊結部材により複数本の芯持ち材の一体性が維持される。しかも、ダボは、繊維方向を揃えた状態で芯持ち材に埋め込まれるため、ダボがせん断破壊やめり込み等の変形を起すことがなく、複数の芯持ち材を連係するように機能し、その圧縮強度を有効に活用することができる。一方、芯持ち材を用いることで、木取りにおける木材の無駄を極力少なくすることができ、且つ接着剤を用いる必要がない。なお、ダボ材としては、芯持ち材より硬質のものを用いることが好ましい。また、緊結部材は、バンド形式のものであってもよい。また、芯持ち材は、角材であってもよいし丸太であってもよい。もっとも、丸太を用いる場合には、重合面を平坦に削っておくことが好ましい。
この場合、緊結部材が、複数本の芯持ち材を上下方向に貫通する通しボルトで構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、耐火性を高めるべく緊結部材を横架材に埋め込むことができると共に、緊結部材の横架材からの突出部分を極力少なくすることができる。なお、通しボルトは、引張り力に抗するよう斜めに貫通させ、複数の通しボルトが互いに「ハ」字状に或いは逆「ハ」字状になるように、配設してもよい。
また、通しボルトは、ダボを貫通していることが、好ましい。
この構成によれば、ダボのズレや浮きが防止され、複数本の芯持ち材の一体性をより一層、高めることができる。
一方、ダボは、気乾状態から更に乾燥させた状態で、芯持ち材に埋め込まれることが、好ましい。
この構成によれば、隣接する芯持ち材間に埋め込んだダボは、やがて気乾状態となるが、その際膨張する。このため、ダボを、芯持ち材に隙間を生ずることなく一体的に埋め込むことができる。
本発明の他の横架材は、複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、複数本の芯持ち材を、重合方向に緊結する通しボルトと、通しボルトが挿通すると共にボルト孔に設けられた角形スリーブと、備え、角形スリーブはボルト孔に対し、1の側面が芯持ち材の繊維方向と直角となるように打ち込まれていることを特徴とする。
この構成によれば、繊維方向と直角となる角形スリーブにより、隣接する芯持ち材の相互の重合面における層間すべり(ズレ)が抑止され、且つ通しボルトにより複数本の芯持ち材の一体性が維持される。しかも、加工を極力少なくすることができる。一方、芯持ち材を用いることで、木取りにおける木材の無駄を極力少なくすることができ、且つ接着剤を用いる必要がない。
同様に、本発明の他の横架材は、複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、複数本の芯持ち材を、重合方向に緊結する通しボルト、を備え、通しボルトの軸部は断面方形に形成され、ボルト孔に対し1の側面が芯持ち材の繊維方向と直角となるように打ち込まれていることを特徴とする。
この構成によれば、繊維方向と直角となる通しボルトの軸部により、隣接する芯持ち材の相互の重合面における層間すべり(ズレ)が抑止され、且つ通しボルト自身により複数本の芯持ち材の一体性が維持される。しかも、部材や加工を極力少なくすることができる。一方、芯持ち材を用いることで、木取りにおける木材の無駄を極力少なくすることができ、且つ接着剤を用いる必要がない。
これらの場合、複数本の芯持ち材には、断面形状が異なる少なくとも1の芯持ち材が含まれていることが、好ましい。
横架材の断面方向各部の強度に合わせて、異なる断面形状の芯持ち材を用いるようにすれば、各種大きさの芯持ち材を有効に活用することができる。なお、3本以上の芯持ちの角材で構成する場合には、中間の角材に小さい角材を用いる等、合理的な断面を得ること、或いは割れの大きな平角材より割れが小さく木取の効率が良い、正角材を組み合わせることは、言うまでもない。
本発明の他の木造建築物の軸組は、上記した横架材を、備えたことを特徴とする。
この構成によれば、芯持ち材を重合して構成した横架材を用いることができるため、十分な強度を発揮すると共に、資源保護や環境汚染を考慮した軸組を構成することができる。
本発明の柱脚構造は、木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、支柱を支持するコンクリート製の基礎に固定した柱脚構造において、基礎に、柱脚金具を収容する柱穴を形成し、柱穴内に、支柱を保持した柱脚金具を設置し、柱穴と柱脚金具との間隙に、柱脚金具を基礎に固定するための無収縮のモルタルを充填したことを特徴とする。
この構成によれば、柱穴内に柱脚金具を設置するようにして、支柱および柱脚金具を非固定とし傾けることができるため、支柱上部のほぞ入れの等の作業を容易に行うことができる。また、柱脚金具を、無収縮のモルタルにより基礎に埋め込むようにしているため、支柱下部の強度、特に水平方向の力に対する剛節性を高め得ると共に、柱脚金具の耐火性および耐久性を高めることができる。なお、柱脚金具の位置決め用に、基礎にアンカーボルトを埋め込んでおくこと、或いは位置決め用の突起や位置決め用の溝を設けておくことが、より好ましい。なお、柱脚金具は、角筒状であってもよいし円筒状であってもよい。また、柱脚金具は、ベースプレートを設けることなく、これに代えてその下端の中心から突出する軸状突起を設け、容易に傾け得るようにしてもよい。さらに、柱穴にこの軸状突起を受ける溝を設けることが、より好ましい。
この場合、柱脚金具の側面には、柱脚金具をモルタルにアンカリングするためのアンカー突起が設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、支柱に加わる力を、柱脚金具を介して基礎に適切に伝達することができると共に、上方への力にも耐力を持たせることができる。
本発明の他の柱脚構造は、木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、支柱を支持する基礎上に固定した柱脚構造において、基礎に、アンカーボルトを設け、アンカーボルトにより、支柱を保持した柱脚金具を固定すると共に、柱脚金具および基礎に対しトラスを構成する補強部材の、一方の端部を柱脚金具の上端部に固定し、他方の端部を基礎に固定したことを特徴とする。
この構成によれば、アンカーボルトにより柱脚金具を差し込んで、これを非固定としておくことができるため、支柱上部のほぞ入れの等の作業を容易に行うことができる。また、柱脚金具を、補強部材を介して基礎に固定するようにしているため、支柱下部の強度、特に水平方向の力に対する強度を高めることができる。さらに、基礎上の補強部材を除く部分には間隙が生ずるため、設備配管等の取り回し、メンテナンスや更新の作業を容易に行うことができる。なお、基礎はコンクリート製であっても鉄骨製であってもよい。また、柱脚金具は、角筒状であっても円筒状であってもよい。
この場合、柱脚金具の側面には、補強部材を固定するため固定片が突設されていることが、好ましい。
この構成によれば、補強部材を簡単に施工することができる。なお、補強部材の基礎への固定は、アンカープレート等を用いることが好ましい。
本発明の他の柱脚構造は、木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、支柱を支持する基礎および基礎上に設けた鉄骨梁に固定した柱脚構造において、基礎に、アンカーボルトを設け、アンカーボルトにより、支柱を保持した柱脚金具を固定すると共に、柱脚金具の側面を鉄骨梁の端部に固定したことを特徴とする。
この構成によれば、アンカーボルトにより柱脚金具を差し込んで、これを非固定としておくことができるため、支柱上部のほぞ入れの等の作業を容易に行うことができる。また、柱脚金具を、基礎および鉄骨梁の端部に固定するようにしているため、支柱下部の強度、特に水平方向の力に対する強度を高めることができる。なお、鉄骨梁をトラス構造とすれば、各鋼材の間隙に設備配管等の取り回し、メンテナンスや更新の作業を容易に行うことができる。なお、柱脚金具は、角筒状であっても円筒状であってもよい。
この場合、柱脚金具の側面には、鉄骨梁を固定するため固定片が突設されていることが、好ましい。
この構成によれば、柱脚金具の側面に鉄骨梁の端部を、簡単に固定することができる。
これらの場合、柱脚金具は、下部に支柱の下端を受ける隔板を有し、隔板と柱脚金具の下端部側面とには、水抜き孔がそれぞれ形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、施工中の降雨により柱脚金具の中に雨水が浸入しても、これを適切に排水することができ、施工後の、基礎に雨水の浸入があった場合等への耐腐朽性を高めることができる。
本発明の他の木造建築物の軸組は、上記した柱脚構造を、備えたことを特徴とする。
この構成によれば、支柱上部のほぞ入れの等の作業を容易に行うことができると共に、支柱下部を基礎に強固に固定することができる。
本発明の柱脚金具は、基礎上に設置され、木製の支柱の下端部を保持する柱脚金具であって、支柱の下端部を保持する筒状の金具本体と、金具本体を支持するベースプレートと、金具本体の下部に内蔵され、支柱の下端を受ける隔板と、を備え、隔板には、底部水抜き孔が形成され、金具本体の下端部側面には、底部水抜き孔に連なる側部水抜き孔が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、施工中の降雨により柱脚金具の中に雨水が浸入しても、これを適切に排水することができ、管理不良による支柱および柱脚金具の腐食を抑制することができる。
この場合、金具本体の側面の四方に且つそれぞれが縦通しで突設した部材固定用の4つの固定片と、金具本体の側面に突設したモルタルアンカリング用の複数のアンカー突起と、更に備えることが、好ましい。
この構成によれば、金具本体の各側面に、固定片および複数のアンカー突起を設けるようにしているため、コンクリート製の基礎に埋め込む構造もの、鉄骨製の基礎に設置する構造ものおよび基礎上において鉄骨梁に添設する構造ものに対し、共通の金具としても用いることができる。すなわち、汎用性の高い柱脚金具を提供することができる。
本発明の木造建築物の軸組の組立て方法は、上記した木製構造材の仕口構造と、上記した横架材と、上記した柱脚構造と、を備えた木造建築物の軸組の組立て方法であって、支柱を保持した柱脚金具を、非固定状態で基礎上に設置する支柱設置工程と、設置した支柱を、柱脚金具と共に僅かに傾ける支柱傾斜工程と、横架材のほぞを支柱のほぞ穴にあてがった状態で、傾けた支柱を鉛直に戻すようにしてほぞ入れを行うほぞ入れ工程と、ほぞ入れの後、引張ボルトを締結する締結工程と、締結工程の後、柱脚金具を基礎に固定する支柱固定工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、支柱に接合する横架材のほぞ入れを簡単且つ迅速に行うことができると共に、支柱の基礎への固定を強固に行うことができる。したがって、支柱の支持強度を高め得ると共に、建方の作業性を向上することができ、狭い敷地に、大スパンの木造建築物を簡単に施工することができる。
以上のように、本発明の木製構造材の仕口構造およびこれを備えた木造建築物の軸組によれば、半剛節の接合部を構成することができるため、筋交い等を必要とすることなく、木造ラーメンの軸組を構成することができる。また、木造の軸組として、耐震、耐風性は元より、耐火性、耐久性および耐用性を高めることができる。
また、本発明の横架材およびこれを備えた木造建築物の軸組によれば、芯持ち材を用いることができるため、省資源化を達成することができると共に、接着剤が不要となるため、環境汚染の発生を抑止することができる。
また、本発明の柱脚構造およびこれを備えた木造建築物の軸組によれば、支柱上部のほぞ入れの等の作業を容易に行うことができると共に、支柱下部を基礎に強固に固定することができ、支持強度と建方とを考慮した柱脚構造を提供することができる。
さらに、本発明の柱脚金具によれば、汎用性の高い柱脚金具を提供することができる。
そして、本発明の木造建築物の軸組の組立て方法によれば、敷地内での平組みを多用することができるため、木材の軽さを利用して簡便な重機により建方を行うことができる。これにより、狭い敷地に、大スパンの木造建築物を、すなわち大きな空間を有する木造建築物を、足場等の仮設を軽減し短工期で施工することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る木造ラーメンの軸組について説明する。図1の軸組み図に示すように、この木造ラーメンの軸組1は、基礎を構成する鉄筋コンクリート製の地中梁2と、地中梁2に支持された本体軸組3と、本体軸組3に支持された切妻の小屋組4と、で構成されている。地中梁2は、布基礎或いはベタ基礎の形態を有しており、四隅の4箇所および桁ゆき方向の中間の2箇所の計6箇所の交会部分6には、後述する柱脚金具7を介して支柱11の下端部が埋め込まれるようにして固定されている。
本体軸組3および小屋組4は、表裏3本ずつの計6本の支柱(通し柱)11と、表裏3本の支柱11間の桁行方向にそれぞれ渡した2本の胴差12および2本の軒桁13と、対となる表裏2本の支柱11間の梁間方向にそれぞれ渡した3本の妻梁14おび3本の小屋梁15と、3本の妻梁14間にあって2本の胴差12間の梁間方向にそれぞれ渡した2本の床梁16と、3本の小屋梁15間の中央に桁行方向に渡した敷梁17と、3本の小屋梁15間の中央にそれぞれ立設した3本の小屋束18と、3本の小屋束18の上端部間に渡した棟木19と、棟木19から2本の軒桁13に渡した3組計6本の登り梁20と、で構成されている。この場合、胴差12、軒桁13、妻梁14および小屋梁15は、いわゆる大梁Aで構成され、床梁16および敷梁17は、いわゆる小梁Bで構成されている。そして、これら軸組材は、木造ラーメンを考慮し相互の接合部において、剛節(木造ゆえ、実質的には半剛節)となる仕口10を構成している。
ここで、図2を参照して、半剛節となる仕口10について、中間の支柱11と胴差12と妻梁14との接合部を例に詳細に説明する。この仕口10は、支柱11を中心に3方から3本の大梁(2本の胴差12と1本の妻梁14)Aが接合して、構成されている。なお、以降の説明では、先ず合成梁で構成した大梁Aの構造について説明し、その後、仕口10の構造について説明する。
大梁(横架材)Aは、いわゆる合成梁であり、上部大梁材22と下部大梁材23とを、その重合面に複数個のダボ24を埋め込んで上下に重合(接着剤は用いない)し、これを複数本の通しボルト25で緊結して構成されている。上部大梁材22は、平角の芯持ち材(角材)で構成され、下部大梁材23は、上部大梁材22より幅広となる正角の芯持ち材(角材)で構成されている。もちろん、支柱11も正角の芯持ち材(角材)で構成されている。これら芯持ち材には、最大限端材が生じないように木取り(製材)された国産のすぎやひのきやまつ等が用いられている。なお、実施形態の大梁Aは、断面形状の異なる2本の芯持ち材で構成しているが、同一断面形状の2本の芯持ち材で構成してもよいし、3本または4本の芯持ち材を上下方向に重合して構成してもよい。また、支柱を含め、芯持ち材を丸太で構成してもよい。
ダボ24は、大梁Aより硬質の角材(小断面)のピースもので構成され、上部大梁材22と下部大梁材23と重合面にその上下半部ずつを埋め込むように、且つ繊維方向を上下両大梁材22,23と揃える(平行)ようにて介設されている。この場合、ダボ24は、絶乾状態に近い程度に乾燥させてから埋め込むようにし、気乾状態に戻ったときに上下両大梁材22,23に十分に食い込むようにしている。また、上下両大梁材22,23の一体性とその欠損を考慮して、複数のダボ24は300mm〜700mmピッチで埋め込まれている。なお、この配設ピッチは、使用する木材の種別や梁の強度によって決定されることは、言うまでもない。
通しボルト25は、両ねじボルト27と一対のナット28と一対の角座金29を有し、ダボ24の中心位置を貫通するように配設されている。すなわち、通しボルト25は、その両ねじボルト27を、同軸上に形成した上部大梁材22のボルト孔31、ダボ24のボルト孔32および下部大梁材23のボルト孔33に挿通し、上下から各座金29をあてがっておいてねじ締めされ、これにより、上下両大梁材22,23が上下方向に強固に緊結されるようになっている。なお、通しボルト25は、必ずしも両ねじボルトである必要はなく、頭部を有する通常のボルトであってよい。
このように、上下両大梁材22,23間に繊維方向を揃えたダボ24を埋め込み、全体を通しボルト25で緊結するようにしているため、上下両大梁材22,23は、その相互の層間すべりが抑制されて、半剛節の接合部を持つ支柱11への水平力の伝達において必要とされる強度的な一体性が確保されている。また、上下両大梁材22,23として芯持ち材を用いるため、丸太からの木取りにおいても最大限無駄が生ずることがなく、省資源化を達成することができる。特に、構造設計上必要とされる大梁Aの強度に合わせ且つ材料の強度に鑑み、複数本の芯持ち材を組み合わせることができるため、国産材を有効活用することができる。また、上下両大梁材22,23を接着剤で接着する必要がないため、住環境を損なうことがない。
図3は、ダボ24を用いることなく構成された大梁Aの他の実施形態を表している。同図(a)の通しボルト35は、その軸部35aが断面方形に形成され、その任意の1の側面が上下両大梁材の繊維方向に直角となるように打ち込まれている。このため、通しボルト35の側面で上下両大梁材22,23を直角に受けることになり、上記のダボ24と同様に、ダボ24は上下両大梁材22,23の一体性を高めることができる。なお、この場合、通しボルト35は、上下両大梁材22,23に形成したやや小さめのボルト孔(円形)31,32,33に打ち込むようにして、埋め込まれる。
同図(b)の通しボルト37は、両ねじボルト27が挿通する角形スリーブ38を、更に有している。角形スリーブ38は、上下両大梁材22,23で構成される梁せいより僅かに短く形成され、上記の通しボルト35と同様に、ボルト孔(円形)31,32,33に打ち込むようになっている。この場合も、角形スリーブ38は、その任意の1の側面が上下両大梁材22,23の繊維方向に直角となるように打ち込まれ、上下両大梁材22,23の一体性を高め得るようになっている。すなわち、角形スリーブ38により、上下両大梁材22,23の相互の層間すべりが抑制され、通しボルト37により、上下両大梁材22,23の緊結が為されるようになっている。なお、角形スリーブ38は、市販の角パイプを切断して用いることが、好ましい。
一方、図2(b)に示すように、3本の大梁Aを三方から支柱11に接合する仕口10は、支柱11の3面に設けた3つのほぞ穴41に各大梁Aの端部に設けたほぞ(短ほぞ)42を嵌合し、それぞれこれらに埋め込むように設けた複数本の引張ボルト43により三方から支柱11に引き付けるように緊結して、構成されている。各大梁Aのほぞ42は、上部大梁材22については大入れ42aで、下部大梁材23については上部大梁材22と同幅となる小胴付42bで構成され、全体として縦長矩形の短ほぞ42で構成されている。これに対応して、支柱11の3面には同じ高さ位置に、短ほぞ32と相補的形状を為すほぞ穴41がそれぞれ形成されている。この場合、短ほぞ42の突出寸法に対し、ほぞ穴41の深さ寸法が僅かに短くなるように形成されており、引張ボルト43による緊結により、短ほぞ42の先端面とほぞ穴41の穴底とが強く密着し、且つ地震や台風等による水平方向の大きな力により、穴底に短ほぞ42の先端面が僅かにめり込むように、設計されている。これにより、水平方向の大きな力を適宜吸収する半剛節の接合部(仕口10)が構成され、材料変形を起し易い木材を活用した独自の木造ラーメンを可能にしている。
妻梁14を構成する大梁Aと支柱11とは、上下2本の端部用引張ボルト45で緊結され、胴差12を構成する2本の大梁Aと支柱11とは、支柱11を挟んで両大梁A間に渡した上下2本の中間部用引張ボルト46で緊結されている。各端部用引張ボルト45は、両ねじボルト51と一対のナット52と3枚の角座金53を有しており、3枚の角座金53は、各ナット52を受ける両端の2枚の端部座金53aと、支柱11と大梁Aとの間に介設される1枚の中間部座金53bとで構成されている。同様に、各中間部引張ボルト46は、両ねじボルト55と一対のナット56と4枚の角座金57を有しており、4枚の角座金57は、各ナット56を受ける両端の2枚の端部座金57aと、支柱11と両大梁Aとの間にそれぞれ介設される2枚の中間部座金57bとで構成されている。なお、中間部引張ボルト46の両ねじボルト55は、後述する両大梁Aの工具溝72間に達する長さを有している。
妻梁14を構成する大梁Aには、各端部用引張ボルト45が挿通する上下一対の大梁側ボルト孔61と、各大梁側ボルト孔61の終端に連通する上下一対の工具溝62と、が形成されている。各大梁側ボルト孔61は、大梁Aの木口から水平に延在しており、内部にはパイプ状のスリーブ63が嵌入されている。すなわち、各大梁側ボルト孔61には、両側から角座金(端部座金53aおよび中間部座金53b)53が当接するようにスリーブ63が嵌入され、そのスリーブ63に端部用引張ボルト(両ねじボルト51)45が挿通されている。各工具溝62は、端部座金53aをセット可能であって且つレンチ(工具)が操作可能な直方体形状の溝であり、上側の工具溝62は上部大梁22の上面に開口し、下側の工具溝62は下部大梁23の下面に開口している。
これに対し支柱11には、各大梁側ボルト孔61と同軸上に位置して、これを水平に貫通する上下一対の支柱側ボルト孔64が形成されている。各支柱側ボルト孔64には、スリーブは設けられていないが、周囲には、各角座金(端部座金53aおよび中間部座金53b)53に当接する各2本のラグスクリュー65が埋め込まれている。すなわち、支柱11には、その外側と内側とにそれぞれ端部座金53aおよび中間部座金53bが宛がわれるが、この内外各角座金53の上下位置に当接するように、それぞれ2本のラグスクリュー65が埋め込まれている。これにより、端部座金53aおよび中間部座金53bの支柱11へのめり込みが抑制される。なお、図示では省略したが、中間部座金53aは、支柱11および/または大梁Aに形成した浅い溝に埋め込まれている。また、端部用引張ボルト45、必ずしも両ねじボルトである必要はなく、全ねじボルト或いは頭部を有する通常のボルトであってよい。
胴差12を構成する各大梁Aには、上記と全く同様に、各中間部用引張ボルト46が挿通する上下一対の大梁側ボルト孔71と、各大梁側ボルト孔71の終端に連通する上下一対の工具溝72と、が形成されている。この場合も、各大梁側ボルト孔71は、スリーブ73が嵌入されている。但し、両大梁Aの一方には、大梁側ボルト孔71と同軸上に工具溝72を越えて延長された退避ボルト孔74が形成されている(同図(b)参照)。この退避ボルト孔74は、ほぞ入れに先立って、邪魔にならように中間部用引張ボルト(両ねじボルト61)46を一方の大梁Aに収容するものであり、ほぞ入れ後に他方の大梁Aの大梁側ボルト孔71に向かってやり送りされる。
また支柱11には、上記と同様に、各大梁側ボルト孔71と同軸上に位置して、これを水平に貫通する上下一対の支柱側ボルト孔75が形成されている。この場合も、各支柱側ボルト孔75の周囲には、各中間部座金57bに当接する各2本のラグスクリュー76が埋め込まれている。そして、図示では省略したが、これら中間部座金57bは、支柱11および/または大梁Aに形成した浅い溝に埋め込まれている。
このような仕口10の構成では、支柱11に対し三方から3本の大梁Aをそれぞれほぞ入れ(詳細は後述するが同時ではない)を行うが、その際、少なくとも中間部座金53b,57bと中間部用引張ボルト46は、支柱11のほぞ穴41に大梁Aのほぞ先を嵌合させる前に予めセットしておく。妻梁14を構成する大梁Aでは、ほぞ入れの後に、外側から2本の端部用引張ボルト(両ねじボルト51)45を挿通し、それぞれ一対の角座金53を通し両側からナット52により締結(緊結)する。また、胴差12を構成する両大梁Aでは、ほぞ入れの後に、2本の中間部用引張ボルト(両ねじボルト61)46を退避ボルト孔74から他方に送り込んで、それぞれ一対の角座金57を通しナット56により締結(緊結)する。なお、これらナット52,56の締結は、いったん仮締めとし、建入れ直しが完了した後、本締めとする。
このようにして、3本の大梁Aを端部用引張ボルト45および中間部用引張ボルト46により、支柱11に引き付けるように緊結しているため、その短ほぞ42およびほぞ穴41の部分で、支柱11と各大梁Aとが比較的広い面積で接合される。このため、支柱11と各大梁Aとは、半剛節の強固な接合形態となり、材料変形を起し易い木材の構造材料としての特性を生かした木造ラーメンとして、遜色のない仕口10を構成することができる。特に、地震や台風による水平方向の大きな力に対し、短ほぞ42がほぞ穴41に適宜めり込んでこの外力に耐えるため、筋交い等が不要となり、大スパンの木造建築物を建築することができる。また、端部用引張ボルト45および中間部用引張ボルト46が、支柱11および大梁Aに埋め込まれるため、これらに耐火被覆の必要がなく、金属材料を用いても、耐火性および耐久性の高い仕口10を構成することができる。なお、以上の説明において、角座金29,53,57に代えて丸座金を用いてもよい。
次に、図4を参照して、上記支柱11と地中梁2との接合部分について、詳細に説明する。上述したように、支柱11の下端部11aには柱脚金具7が設けられており、支柱11の下端部11aは、この柱脚金具7を介して地中梁2の各交会部分6に埋め込まれている。地中梁2の交会部分6はフーティングとなっており、フーティングの中心部分には、柱脚金具6を埋め込むための三角形の柱穴80が形成されている。この場合、柱穴80に設置した柱脚金具7は、本体軸組3および小屋組4の建入れ直しが完了した後、無収縮のモルタル81で穴埋めされる。そして、穴埋め後の柱脚金具7は、その上端部がモルタル81上に僅かに露出する形態となる。なお、柱穴80の穴底に、柱脚金具7を、後述するベースプレート84の部分で固定するための複数本のアンカーボルトを設けるようにしてもよい。
柱脚金具7は、支柱11の下端部11aを嵌合保持する角筒状の金具本体83と、金具本体83を下側から支持するベースプレート84と、金具本体83の下部に水平に内蔵する隔板85と、金具本体83を上記のモルタル81にアンカリングするための複数のアンカー突起86と、金具本体83の上端部に配設した支柱固定ボルト87と、から成り、これら構成部品は、いずれもスチール等の金属材で構成されている。一方、支柱11の下端部11aは、段部を存してほぞ形に研削されており、この段部が金具本体83の上縁に当接し且つ下端が隔板85に当接して、柱脚金具7に保持されている。そして、支柱11の下端部11aを柱脚金具7に嵌合した状態では、支柱11の各側面が、柱脚金具7の各側面から僅かに張り出すようになっており(同図(b)参照)、柱脚金具7の上端との間に四周に亘って生ずる溝に止水シールを打つようになっている。
金具本体83は、支柱11の下端部11aの断面形状に合致する内側断面形状を有しており、例えば角パイプを高さに合わせて切断し、或いは鋼板を折り曲げ端部を溶接して形成されている。金具本体83の上端部には、金具本体83の対向する両側板83aに上記の支柱固定ボルト(両ねじボルト)87が挿通する挿通孔91がそれぞれ形成されている。この場合、支柱11の下端部11aにも、この挿通孔91に連なるボルト孔11bが形成されており、金具本体83に嵌合した支柱11の下端部11aを、両側板83aの外側から挿通した支柱固定ボルト87により固定している。これにより、支柱11の浮き上がりが防止される。一方、金具本体83の下端には、対向する両側板83aをそれぞれ半円形に切り欠いた一対の下部水抜き孔(底部水抜き孔)92が形成されている。各下部水抜き孔92は、金具本体83の内部と外部とを連通しており、施工時に柱脚金具7に溜まった雨水を排水し、支柱11の腐りを防止する。
ベースプレート84は、金具本体83より平面視一回り大きく形成され、その上面には金具本体83の下端が溶接されている。また、隔板85は、金具本体83の下部内面に溶接されており、対向する2辺には、それぞれ半円形に切り欠いた一対の上部水抜き孔(側部水抜き孔)93が形成されている(同図(a)参照)。各上部水抜き孔93は、金具本体83内において、隔板85の上部空間と下部空間とを連通しており、隔板85の上部空間に降り注いだ雨水は、この上部水抜き孔93から隔板85の下部空間に流下し、更に上記の下部水抜き孔92から排水される。複数のアンカー突起86は、金具本体83の各側板83aにつき複数個(図示では4個)宛て、上下方向に並べるように設けられている。各アンカー突起86は、例えば異型鉄筋を短く切断し、これを側板83aに水平に溶接して構成されている。なお、アンカー突起86は、鉄筋の他、チャンネル材等で構成してもよい。
このような構成では、先ず支柱11の下端部11aを柱脚金具7に嵌合し、支柱固定ボルト87で支柱11を固定し、柱脚金具7を支柱11と共に地中梁2の柱穴80に投入セットする。次に、支柱11を傾けつつ上記仕口10のほぞ入れを行うと共に、柱脚金具7の側面と柱穴80の内側面との間に木楔を打つ等して、支柱11の位置を正し、水平および鉛直を出す(建方・建入直し)。次に、柱穴80と柱脚金具7との間隙に無収縮のモルタル81を充填し、養生を行う。このように、支柱11を傾け得るように柱脚金具7を仮設置可能に構成しているため、支柱11のほぞ入れを円滑に行うことができる。このため、本体軸組3全体を地上で組み立てる必要がなく、比較的狭い敷地でも建方を行うことができる。また最終的に、柱脚金具(支柱11)7を地中梁2に埋め込むようにしているため、支柱11を地中梁2に強固に支持することができるだけでなく、柱脚金具7の耐火性および耐久性を高めることができる。
次に、図5を参照して、柱脚金具廻りの他の実施形態について説明する。同図(a)の実施形態では、支柱11を保持した柱脚金具7Aを地中梁2上に設置固定すると共に、柱脚金具7Aの上部を、三方にトラス状に延びる3本の補強部材95で固定するようにしている。地中梁2の交会部分6には、柱脚金具7Aのベースプレート84を固定するための4本の主アンカーボルト96が埋め込まれ、また交会部分6から三方に離間して、それぞれ3本の補強部材95を固定するため3組4本の副アンカーボルト97が埋め込まれている。
柱脚金具7Aは、上記の柱脚金具7と同様の基本形態を有しているが、上記のアンカー突起86に代えて各側板83aにリブ状の固定片101が突設されると共に、ベースプレート84の四隅に、主アンカーボルト96が挿通する4つのバカ孔102が形成されている。各固定片101は、各側板83aの幅方向の中央に縦通しで溶着されており、その上部には、補強部材95の上端部を固定するための複数の固定孔101aが形成されている。なお、この固定孔101aは、柱脚金具7Aと補強部材95との位置調整ができるように水平な長孔とすることが、好ましい。各補強部材95は、斜材となる部材本体103と、部材本体103の下端に溶着した脚プレート104と、で構成されており、脚プレート104の部分で上記の4本の副アンカーボルト97に固定されている。
このような構成では、ベースプレート84のバカ孔102を主アンカーボルト96に通すようにして、柱脚金具7Aを地中梁2上にセットする。その際、ナットを軽くねじ込んでおく。支柱11を建て柱脚金具7Aに差し込んだ後、支柱11を傾けつつ上記仕口10のほぞ入れを行うと共に、水平および鉛直を出す(建方・建入直し)。次に、主アンカーボルト96のナットを本締めすると共に、3本の補強部材95をそれぞれ脚プレート104側から取り付ける。この場合も、支柱11を傾け得るように柱脚金具7Aを仮設置可能に構成しているため、支柱11のほぞ入れを円滑に行うことができ、比較的狭い敷地でも建方を行うことができる。また、補強部材95により、柱脚金具7Aを介して支柱11を地中梁2に強固に支持することができる。さらに、地中梁2と床との間に間隙が生ずるため、設備配管等の取り回しが容易となる。
同図(b)の実施形態では、支柱11を保持した柱脚金具7Aを地中梁2上に設置固定すると共に、柱脚金具7Aの側面を、地中梁2上に配設した3本の鉄骨梁110の端部に固定するようにしている。各鉄骨梁110は、トラス梁或いはラチス梁で構成され、地中梁2に沿って配設されている。また、上記と同様に、地中梁2の交会部分6には、柱脚金具7Aのベースプレート84を固定するための4本の主アンカーボルト96が埋め込まれている。そして、この場合には、支柱11を傾けつつほぞ入れを行った後、主アンカーボルト96を本締めすると共に、3本の鉄骨梁110の端部をそれぞれ柱脚金具7Aの固定片101に溶接或いはボルト止めする。この場合も、支柱11を傾け得るように柱脚金具7Aを仮設置可能に構成しているため、支柱11のほぞ入れを円滑に行うことができ、比較的狭い敷地でも建方を行うことができる。また、鉄骨梁110により、柱脚金具7Aを介して支柱11を地中梁2に強固に支持することができる。さらに、鉄骨梁110の間隙を利用して、設備配管等の取り回しを行うことができる。
同図(c)の実施形態では、柱脚金具7の直上部に位置して、支柱11に3本の木製梁120が接合しており、柱脚金具7は地中梁2上に設置固定されるようになっている。支柱11に対し3本の木製梁120は、上記の仕口10と同様に1本の引張りボルトを大入れ或いは小胴付の短ほぞの形態で接合されている。また木製梁120を考慮して、地中梁2間には土間コンクリート2aが打設される一方、木製梁120は土台様の布基礎121にアンカリングされている。布基礎121は支柱11間全体に亘る必要はなく、これによりその間隙を利用して設備配管の取り廻しを行うことができる。地中梁2の交会部分6には、上記と同様に、柱脚金具7のベースプレート84を固定するための4本の主アンカーボルト96が埋め込まれている。このような構成では、各仕口10の接合を完了した後、柱脚金具7を地中梁2に固定する。
次に、図6を参照して、図4および図5に示す基礎(地中梁2)廻りの構造に、共通して使用可能な柱脚金具7Bについて説明する。この実施形態に係る柱脚金具7Bは、先の実施形態の柱脚金具7と同一の基本構造を有している。すなわち、この柱脚金具7Bは、角筒状の金具本体83と、ベースプレート84と、隔板85と、支柱固定ボルト87と、を有しており、隔板85には上部水抜き孔93が、金具本体83の下端には下部水抜き孔92が形成されている。また、ベースプレート84には、4個のバカ孔102が形成されている。一方、金具本体83の各側板83aには、縦通しで固定片106が設けられると共に、この固定片106を挟んで両側にそれぞれ複数のアンカー突起107が設けられている。そして、固定片106には、等ピッチで配設したねじ止め用の複数の固定孔106aが形成されている。
このような柱脚金具7Bを用いれば、図4のモルタル81による固定では、アンカー突起107が有効に機能し(固定片106も有効)、図5(a)および(b)の補強部材95および鉄骨梁110による固定では、固定片106が有効に機能する。また、図4および図5のいずれの場合にも、柱脚金具7B自身の固定にベースプレート84のバカ孔102が有効に機能する。すなわち、汎用性の高い柱脚金具7Bを構成することができる。なお、上記した各柱脚金具7,7A,7Bのベースプレート84を地中梁2に固定することなく、これに防震材を介設すれば、防振構造或いは免振構造の木造建築物とすることも可能である。
ここで、図7を参照して、本実施形態の木造ラーメンの軸組1における組立て方法(建方・建入れ直し)について、簡単に説明する。先ず、通常の建築物と同様に、地中梁2を打設する(同図(a)参照)。その際、地中梁2の6箇所にそれぞれ柱穴80を形成しておく。次に、地上において、表裏対となる2本の支柱11、妻梁14および小屋梁15を平組みすると共に、これに対応する小屋束18および2本の登り梁20を平組みする。これを他の2組についても、同様に行う(同図(b)参照)。これと相前後して柱脚金具7は支柱11に取り付けておく。この状態で、平組みした端の支柱11、妻梁14および小屋梁15を平起し、支柱11を柱穴80の柱脚金具7に差し込み、全体を柱脚金具7に支持させる。次いで、平組みした小屋束18および登り梁20をこれに組み付ける(同図(c)参照)。
次に、平起しした2本の支柱11に、表裏2本の胴差(床梁16は組み込んでおく)12および表裏2本の軒桁13を片持ちで仮組みすると共に、小屋梁15に敷梁17を片持ちで仮組みする。さらに、もう一組の支柱11、妻梁14および小屋梁15を平起し、且つ柱脚金具7に固定して、いったん全体を斜めに保持する。ここで、各部のほぞ42をほぞ穴41に位置合わせし、支柱11を鉛直に起こしながらほぞ入れを行う。もう1組の小屋束18および登り梁20についても同様に、棟木19を片持ちで仮組みしたのち、平起ししてほぞ入れを行う(同図(d)参照)。このような作業を、最後の組の支柱11、妻梁14および小屋梁15についも行い、且つ最後の組の小屋束18および登り梁20についても行う(同図(e)参照)。
このようにして、本体軸組3および小屋組4の建方が完了したら、続いて建入れ直し、すなわち各部の水平出しおよび鉛直出しを行い、各仕口10の本締めを行う。本体軸組3および小屋組4の建入れ直しが完了したら、柱脚金具7を地中梁2にモルタル81で穴埋めする。以降、小屋組4に垂木(図示省略)を渡して屋根を施工し(同図(f)参照)、続いて外壁を施工して(同図(g)参照)から、内装に移行する。
このように、柱脚金具7を傾けてほぞ入れを行うようにしているため、平組み作業を多様することができ、大スパンの木造建築物であって、狭い敷地で建て方を行うことができる。そして、仕口10を始めとする各部の構造が有機的に作用して、耐震、耐風、耐火、耐用性の高い大スパンの木造ラーメンを、低コストで建築することができる。なお、アームの長い揚重機を使用可能な敷地では、本体軸組3と小屋組子4とを一体(3組)に平組みし、更に建方の作業効率を上げることも可能である。
実施形態に係る木造ラーメンの軸組み図である。 支柱と大梁の仕口の構造を表した斜視図(a)および分解斜視図(b)である。 他の実施形態に係る2種類の大梁の構造を表した斜視図である。 柱脚金具廻りの構造と組立て手順とを表した斜視図である。 他の実施形態に係る柱脚金具廻りの構造を表した斜視図である。 他の実施形態に係る柱脚金具の斜視図である。 実施形態における木造ラーメンの組立て方法を表した説明図である。
符号の説明
1…軸組 2…地中梁 3…本体軸組 4…小屋組 7,7A,7B…柱脚金具 10…仕口 11…支柱 11a…下端部 12…胴差 14…妻梁 22…上部大梁材 23…下部大梁材 24…ダボ 25,35,37…通しボルト 31,32,33…ボルト孔 35a…軸部 38…角スリーブ 41…ほぞ穴 42…短ほぞ(ほぞ) 42a…大入れ 42b…小胴付 43…引張ボルト 45…端部用引張ボルト 46…中間部用引張ボルト 53,57…角座金 55…両ねじボルト 61,71…大梁側ボルト孔 62,72…工具溝 63,73…スリーブ 64,75…支柱側ボルト孔 74…退避ボルト孔 65,76…ラグスクリュー 80…柱穴 81…モルタル 83…金具本体 83a…側板 84…ベースプレート 85…隔板 86,107…アンカー突起 92…下部水抜き孔 93…上部水抜き孔 95…補強部材 96…主アンカーボルト 101,106…固定片 110…鉄骨梁 A…大梁

Claims (27)

  1. 支柱に設けたほぞ穴に横架材の端部に設けたほぞを嵌合し、前記支柱と前記横架材の端部とを、両端部にそれぞれ座金を組み込んだ引張ボルトにより引き付けるように緊結した木製構造材の仕口構造において、
    前記ほぞを大入れまたは小胴付の短ほぞで構成すると共に、前記ほぞの突出寸法を前記ほぞ穴の深さ寸法より僅かに長く形成し、
    前記横架材に、前記引張ボルトが挿通する横架材側ボルト孔と、前記横架材側ボルト孔に挿通した前記引張ボルトを締結するための工具溝とを形成すると共に、
    前記支柱に、前記横架材側ボルト孔と同軸上に位置して前記支柱を貫通する支柱側ボルト孔を形成して、
    前記引張ボルトを前記支柱および前記横架材に埋め込んだことを特徴とする木製構造材の仕口構造。
  2. 前記支柱を挟んで2本の前記横架材が架設されており、
    前記引張ボルトは、2本の前記横架材の前記両工具溝間に延在する両ねじボルトで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木製構造材の仕口構造。
  3. 少なくとも一方の前記横架材には、前記横架材側ボルト孔と同軸上に前記工具溝を越えて延長され、前記引張ボルトを一方の前記横架材内に収容可能な退避ボルト孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の木製構造材の仕口構造。
  4. 前記引張ボルトには、前記支柱と前記横架材との当接面に介設する座金が、更に組み込まれており、
    前記横架材側ボルト孔には、前記引張ボルトが挿通するスリーブが埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造。
  5. 前記支柱には、前記支柱に接する座金の前記支柱へのめり込みを抑制するめり込み抑制部材が、埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造。
  6. 前記横架材が、複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した合成梁で構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造。
  7. 前記引張ボルトが、相互に離間して上下2本設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造を、備えたことを特徴とする木造建築物の軸組。
  9. 複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、
    隣接する前記芯持ち材の相互の重合面に半部ずつを埋め込むと共に、前記芯持ち材と繊維方向を揃えた木製のダボを介設し、
    且つ前記複数本の芯持ち材を、緊結部材により重合方向に緊結したことを特徴とする横架材。
  10. 前記緊結部材が、複数本の前記芯持ち材を上下方向に貫通する通しボルトで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の横架材。
  11. 前記通しボルトは、前記ダボを貫通していることを特徴とする請求項10に記載の横架材。
  12. 前記ダボは、気乾状態から更に乾燥させた状態で、前記芯持ち材に埋め込まれることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の横架材。
  13. 複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、
    前記複数本の芯持ち材を、重合方向に緊結する通しボルトと、
    前記通しボルトが挿通すると共にボルト孔に設けられた角形スリーブと、備え、
    前記角形スリーブは前記ボルト孔に対し、1の側面が前記芯持ち材の繊維方向と直角となるように打ち込まれていることを特徴とする横架材。
  14. 複数本の芯持ち材を上下方向に重合して緊結した木製の横架材であって、
    前記複数本の芯持ち材を、重合方向に緊結する通しボルト、を備え、
    前記通しボルトの軸部は断面方形に形成され、ボルト孔に対し1の側面が前記芯持ち材の繊維方向と直角となるように打ち込まれていることを特徴とする横架材。
  15. 複数本の前記芯持ち材には、断面形状が異なる少なくとも1の芯持ち材が含まれていることを特徴とする請求項9ないし14のいずれかに記載の横架材。
  16. 請求項9ないし15のいずれかに記載の横架材を、備えたことを特徴とする木造建築物の軸組。
  17. 木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、前記支柱を支持するコンクリート製の基礎に固定した柱脚構造において、
    前記基礎に、前記柱脚金具を収容する柱穴を形成し、
    前記柱穴内に、前記支柱を保持した前記柱脚金具を設置し、
    前記柱穴と前記柱脚金具との間隙に、前記柱脚金具を前記基礎に固定するための無収縮のモルタルを充填したことを特徴とする柱脚構造。
  18. 前記柱脚金具の側面には、前記柱脚金具を前記モルタルにアンカリングするためのアンカー突起が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の柱脚構造。
  19. 木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、前記支柱を支持する基礎上に固定した柱脚構造において、
    前記基礎に、アンカーボルトを設け、
    前記アンカーボルトにより、前記支柱を保持した前記柱脚金具を固定すると共に、
    前記柱脚金具および前記基礎に対しトラスを構成する補強部材の、一方の端部を前記柱脚金具の上端部に固定し、他方の端部を前記基礎に固定したことを特徴とする柱脚構造。
  20. 前記柱脚金具の側面には、前記補強部材を固定するため固定片が突設されていることを特徴とする請求項19に記載の柱脚構造。
  21. 木製の支柱の下端部を保持する筒状の柱脚金具を、前記支柱を支持する基礎および前記基礎上に設けた鉄骨梁に固定した柱脚構造において、
    前記基礎に、アンカーボルトを設け、
    前記アンカーボルトにより、前記支柱を保持した前記柱脚金具を固定すると共に、
    前記柱脚金具の側面を前記鉄骨梁の端部に固定したことを特徴とする柱脚構造。
  22. 前記柱脚金具の側面には、前記鉄骨梁を固定するため固定片が突設されていることを特徴とする請求項21に記載の柱脚構造。
  23. 前記柱脚金具は、下部に支柱の下端を受ける隔板を有し、
    前記隔板と前記柱脚金具の下端部側面には、水抜き孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項17ないし22のいずれかに記載の柱脚構造。
  24. 請求項17ないし23のいずれかに記載の柱脚構造を、備えたことを特徴とする木造建築物の軸組。
  25. 基礎上に設置され、木製の支柱の下端部を保持する柱脚金具であって、
    前記支柱の下端部を保持する筒状の金具本体と、
    前記金具本体を支持するベースプレートと、
    前記金具本体の下部に内蔵され、前記支柱の下端を受ける隔板と、を備え、
    前記隔板には、底部水抜き孔が形成され、
    前記金具本体の下端部側面には、前記底部水抜き孔に連なる側部水抜き孔が形成されていることを特徴とする柱脚金具。
  26. 前記金具本体の側面の四方に且つそれぞれが縦通しで突設した部材固定用の4つの固定片と、
    前記金具本体の側面に突設したモルタルアンカリング用の複数のアンカー突起と、更に備えたことを特徴とする請求項25に記載の柱脚金具。
  27. 請求項1ないし7のいずれかに記載の木製構造材の仕口構造と、請求項9ないし15のいずれかに記載の横架材と、請求項17ないし23のいずれかに記載の柱脚構造と、を備えた木造建築物の軸組の組立て方法であって、
    前記支柱を保持した前記柱脚金具を、非固定状態で前記基礎上に設置する支柱設置工程と、
    設置した前記支柱を、前記柱脚金具と共に僅かに傾ける支柱傾斜工程と、
    前記横架材のほぞを前記支柱のほぞ穴にあてがった状態で、傾けた前記支柱を鉛直に戻すようにしてほぞ入れを行うほぞ入れ工程と、
    前記ほぞ入れの後、前記引張ボルトを締結する締結工程と、
    前記締結工程の後、前記柱脚金具を前記基礎に固定する支柱固定工程と、を備えたことを特徴とする木造建築物の軸組の組立て方法。
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